特許第5671726号(P5671726)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5671726
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】フェニル置換複素環誘導体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 263/32 20060101AFI20150129BHJP
   C07D 263/34 20060101ALI20150129BHJP
   C07D 263/56 20060101ALI20150129BHJP
   C07D 277/22 20060101ALI20150129BHJP
   C07D 277/66 20060101ALI20150129BHJP
   C07D 413/04 20060101ALI20150129BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20150129BHJP
【FI】
   C07D263/32
   C07D263/34
   C07D263/56
   C07D277/22
   C07D277/66
   C07D413/04
   !C07B61/00 300
【請求項の数】5
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2013-541690(P2013-541690)
(86)(22)【出願日】2012年10月10日
(86)【国際出願番号】JP2012076242
(87)【国際公開番号】WO2013065463
(87)【国際公開日】20130510
【審査請求日】2014年6月11日
(31)【優先権主張番号】特願2011-239604(P2011-239604)
(32)【優先日】2011年10月31日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人名古屋大学
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(74)【代理人】
【識別番号】100117134
【弁理士】
【氏名又は名称】萩野 義昇
(74)【代理人】
【識別番号】100151644
【弁理士】
【氏名又は名称】平岩 康幸
(74)【代理人】
【識別番号】100151127
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 勝雅
(73)【特許権者】
【識別番号】591045677
【氏名又は名称】関東化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(72)【発明者】
【氏名】伊丹 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】武藤 慶
【審査官】 春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】 Yamamoto T et al,Chem Eur J,2011年 7月 8日,Vol.17,p.10113-22
【文献】 Canivet J et al,Org Lett,2009年,Vol.11, No.8,p.1733-6
【文献】 Roger J et al,Org Biomol Chem,2008年,Vol.6,p.169-74
【文献】 Strotman NA et al,Org Lett,2010年,Vol.12, No.16,p.3578-81
【文献】 Zhang F et al,Angew Chem Int Ed,2010年,Vol.49,p.2768-71
【文献】 Muto K et al,J Am Chem Soc,2011年12月 8日,Vol.134,p.169-172
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus,REGISTRY(STN)
CASREACT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)、(11)又は(12)で表される複素環化合物を製造する方法であって、
ニッケル化合物、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、及び、塩基の存在下、下記一般式(2)で表されるヘテロ芳香族化合物と、下記一般式(3)、(3−6)又は(3−7)で表されるフェノール誘導体とを反応させる工程を備えることを特徴とするフェニル置換複素環誘導体の製造方法。
【化1】
(式中、Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、Xは、炭素原子又は窒素原子であり、Xが窒素原子の場合、nは0であり、Xが炭素原子の場合、nは1である。Rは、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、エステル基であり、Rは、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、エステル基であり、R及びRは、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R11は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R12は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R13は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R14は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R15は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R11及びR12は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R12及びR13は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R13及びR14は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R14及びR15は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。但し、上記炭素原子数1〜20の炭化水素基の誘導体基とは、上記炭化水素基における炭素原子に結合する水素原子が、フッ素原子、又は、エステル基若しくはシアノ基の官能基に置換されたものであり、上記エステル基とは、−COOR(Rは、炭素原子数1〜20の炭化水素基)で表される基である。
【化2】
(式中、Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、Rは、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、エステル基であり、Rは、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、エステル基であり、R及びRは、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。但し、上記炭素原子数1〜20の炭化水素基の誘導体基とは、上記炭化水素基における炭素原子に結合する水素原子が、フッ素原子、又は、エステル基若しくはシアノ基の官能基に置換されたものであり、上記エステル基とは、−COOR(Rは、炭素原子数1〜20の炭化水素基)で表される基である。
【化3】
(式中、Xは、炭素原子又は窒素原子であり、Xが窒素原子の場合、nは0であり、Xが炭素原子の場合、nは1である。Rは、アシル基、ジアルキルカルバモイル基、アルキルカーボネート基、アリールカーボネート基、アラルキルカーボネート基、トリフラート基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アラルキルスルホニル基、ジアルキルスルファモイル基又はジアリールスルファモイル基である。R11は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R12は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R13は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R14は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R15は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R11及びR12は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R12及びR13は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R13及びR14は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R14及びR15は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。但し、上記炭素原子数1〜20の炭化水素基の誘導体基とは、上記炭化水素基における炭素原子に結合する水素原子が、フッ素原子、又は、エステル基若しくはシアノ基の官能基に置換されたものであり、上記エステル基とは、−COOR(Rは、炭素原子数1〜20の炭化水素基)で表される基である。
【化4】
(式中、Rは、アシル基、ジアルキルカルバモイル基、アルキルカーボネート基、アリールカーボネート基、アラルキルカーボネート基、トリフラート基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アラルキルスルホニル基、ジアルキルスルファモイル基又はジアリールスルファモイル基である。)
【請求項2】
上記一般式(2)で表されるヘテロ芳香族化合物が、オキサゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体又はベンゾチアゾール誘導体である請求項1に記載のフェニル置換複素環誘導体の製造方法。
【請求項3】
上記一般式(3)、(3−6)又は(3−7)で表されるフェノール誘導体が、下記一般式(3−1)〜(3−16)で表される請求項1又は2に記載のフェニル置換複素環誘導体の製造方法。
【化5】
(式中、Rは、アシル基、ジアルキルカルバモイル基、アルキルカーボネート基、アリールカーボネート基、アラルキルカーボネート基、トリフラート基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アラルキルスルホニル基、ジアルキルスルファモイル基又はジアリールスルファモイル基である。)
【請求項4】
上記一般式(3)、(3−6)及び(3−7)におけるが、ピバロイル基、ジメチルカルバモイル基、トリフラート基又はメタンスルホニル基である請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフェニル置換複素環誘導体の製造方法。
【請求項5】
上記ニッケル化合物におけるNi原子及び上記1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンのモル比が、1:(1.2〜3)である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のフェニル置換複素環誘導体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フェニル置換複素環誘導体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フェニル置換複素環誘導体は、痛風治療薬、アミロイド多発神経障害治療薬等に広く有用であることから、その製造方法として、芳香環C−H結合のアリール化反応が、理想的ビアリール骨格構築法の1つとして注目されており、反応系の更なる改良が精力的に行われている。
非特許文献1及び2には、Ni(OAc)/bipy触媒の存在下、LiOt−Bu又はMg(Ot−Bu)を添加剤として用い、アゾールと、ハロゲン化アリールとのC−H/C−X型のカップリング反応が進行することが開示されている。
更に、アゾールと反応させる原料として、有機ホウ素化合物及び有機ケイ素化合物が知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Org. Lett. 11(2009) 1733
【非特許文献2】Chem. Eur. J. 17(2011) 10113
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来技術を鑑みると、下記のような問題点があった。
(a)ハロゲン化アリールが入手容易でない場合がある。更に、有機ホウ素化合物や有機ケイ素化合物は、ハロゲン化アリールから誘導して合成されることがほとんどである。
(b)合成全体の原子効率が悪い(副生成した塩を、最終的に廃棄することとなり、その重量比が大きい)。
(c)ハロゲン化アリール、有機ホウ素化合物及び有機ケイ素化合物は、化学反応性が高く、副反応を起こすことがある。
(d)環境への負荷低減の観点から、ハロゲンを用いないことが望まれている。
本発明の課題は、ハロゲン化アリールを用いずに、環境への負荷が抑制されたフェニル置換複素環誘導体を製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特定のフェノール誘導体と、ヘテロ芳香族化合物と、ニッケル系触媒と、二座の配位子である1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンとを併用すると、カップリング反応を進めて、フェニル置換複素環誘導体が得られるという知見を得た。
【0006】
本発明は、下記一般式(1)、(11)又は(12)で表されるフェニル置換複素環誘導体を製造する方法であって、ニッケル化合物、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、及び、塩基の存在下、下記一般式(2)で表されるヘテロ芳香族化合物と、下記一般式(3)、(3−6)又は(3−7)で表されるフェノール誘導体とを反応させる工程を備えることを特徴とするものである。
【化1】
(式中、Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、Xは、炭素原子又は窒素原子であり、Xが窒素原子の場合、nは0であり、Xが炭素原子の場合、nは1である。Rは、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、エステル基であり、Rは、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、エステル基であり、R及びRは、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R11は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R12は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R13は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R14は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R15は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R11及びR12は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R12及びR13は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R13及びR14は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R14及びR15は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。但し、上記炭素原子数1〜20の炭化水素基の誘導体基とは、上記炭化水素基における炭素原子に結合する水素原子が、フッ素原子、又は、エステル基若しくはシアノ基の官能基に置換されたものであり、上記エステル基とは、−COOR(Rは、炭素原子数1〜20の炭化水素基)で表される基である。
【化2】
(式中、Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、Rは、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、エステル基であり、Rは、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、エステル基であり、R及びRは、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。但し、上記炭素原子数1〜20の炭化水素基の誘導体基とは、上記炭化水素基における炭素原子に結合する水素原子が、フッ素原子、又は、エステル基若しくはシアノ基の官能基に置換されたものであり、上記エステル基とは、−COOR(Rは、炭素原子数1〜20の炭化水素基)で表される基である。
【化3】
(式中、Xは、炭素原子又は窒素原子であり、Xが窒素原子の場合、nは0であり、Xが炭素原子の場合、nは1である。Rは、アシル基、ジアルキルカルバモイル基、アルキルカーボネート基、アリールカーボネート基、アラルキルカーボネート基、トリフラート基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アラルキルスルホニル基、ジアルキルスルファモイル基又はジアリールスルファモイル基である。R11は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R12は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R13は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R14は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R15は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R11及びR12は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R12及びR13は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R13及びR14は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R14及びR15は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。但し、上記炭素原子数1〜20の炭化水素基の誘導体基とは、上記炭化水素基における炭素原子に結合する水素原子が、フッ素原子、又は、エステル基若しくはシアノ基の官能基に置換されたものであり、上記エステル基とは、−COOR(Rは、炭素原子数1〜20の炭化水素基)で表される基である。
【化4】
(式中、Rは、アシル基、ジアルキルカルバモイル基、アルキルカーボネート基、アリールカーボネート基、アラルキルカーボネート基、トリフラート基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アラルキルスルホニル基、ジアルキルスルファモイル基又はジアリールスルファモイル基である。)
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、反応原料として、上記一般式(3)、(3−6)又は(3−7)で表されるフェノール誘導体を用いて、ハロゲン化アリールを用いずにも、上記一般式(1)、(11)又は(12)で表されるフェニル置換複素環誘導体を製造することができる。また、従来、アリール化剤として用いられてきたハロゲン化アリールを用いると、化学反応性が高く、副反応を起こすことがあるが、本発明においては副反応を起こすことがないか、又は、極めて低減されている。そして、ハロゲン化アリールに代わる原料を用いるので、環境への負荷が抑制される。尚、ハロゲン化アリールを用いる場合、金属化合物(例えば、上記の非特許文献1及び2では、Li化合物又はMg化合物)が添加剤として併用されるが、副生成した金属塩(Li塩やMg塩など)の廃棄量が大きくなる、即ち、原子効率が低下する。一方、本発明の方法では、廃棄物はカルボン酸又はカルバミン酸となり、廃棄物重量が低減され、高い原子効率を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、ニッケル化合物、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、及び、塩基の存在下、上記一般式(2)で表されるヘテロ芳香族化合物と、上記一般式(3)、(3−6)又は(3−7)で表されるフェノール誘導体とを反応させる工程(以下、「反応工程」という。)を備える。以下に、一般式(2)で表されるヘテロ芳香族化合物と、一般式(3)で表されるフェノール誘導体とを反応させる反応スキームを示す。
【化6】
(式中、Xは、酸素原子又は硫黄原子であり、Rは、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、エステル基であり、Rは、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、エステル基であり、R及びRは、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。Xは、炭素原子又は窒素原子であり、Xが窒素原子の場合、nは0であり、Xが炭素原子の場合、nは1である。Rは、アシル基、ジアルキルカルバモイル基、アルキルカーボネート基、アリールカーボネート基、アラルキルカーボネート基、トリフラート基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アラルキルスルホニル基、ジアルキルスルファモイル基又はジアリールスルファモイル基である。R11は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R12は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R13は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R14は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R15は、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基若しくはその誘導体基、又は、炭素原子数1〜10のアルコキシル基であり、R11及びR12は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R12及びR13は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R13及びR14は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。R14及びR15は、互いに連結して、炭素原子数4〜6の2価の有機基を形成していてもよい。但し、上記炭素原子数1〜20の炭化水素基の誘導体基とは、上記炭化水素基における炭素原子に結合する水素原子が、フッ素原子、又は、エステル基若しくはシアノ基の官能基に置換されたものであり、上記エステル基とは、−COOR(Rは、炭素原子数1〜20の炭化水素基)で表される基である。
【0009】
以下、本明細書で単独又は組み合わせて用いられる用語を説明する。特段の記載がない限り、各置換基の説明は、各部位において共通するものとする。なお、置換基及び変数(置換基の数)の組み合わせは、そのような組み合わせが化学的に安定な化合物をもたらす場合にだけ許される。炭素原子に結合している水素原子が、置換基として、他の原子又は官能基に置換された場合であって、この置換基自身が2個以上の基で置換される場合、これらの多数の基は、安定な構造が生じる限り、同じ炭素原子又は異なる炭素原子に存在(結合)し得る。
【0010】
上記「炭素原子数1〜20の炭化水素基」とは、炭素原子数が1〜20個の飽和の直鎖若しくは分岐状脂肪族炭化水素基又は脂環族炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0011】
上記「炭素原子数1〜20の炭化水素基の誘導体基」とは、上記「炭素原子数が1〜20の炭化水素基」における炭素原子に結合する水素原子が、フッ素原子又は、エステル基若しくはシアノ基の官能基に置換されたものを意味する。置換された官能基の数は、特に限定されない。
【0012】
上記「エステル基」とは、「−COOR」(Rは、炭素原子数1〜20の炭化水素基)で表される基を意味する。
【0013】
上記「炭素原子数1〜10のアルコキシル基」とは、オキシ基と、炭素原子数1〜9の炭化水素基とからなる基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブチロキシ基、シクロペンチロキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
【0014】
上記「アシル基」とは、カルボン酸RCOOHから−OHを脱離させた基(R−CO−)を意味し、例えば、アセチル基、プロピオニル基、イソプロピオニル基、ブタノイル基(ブチリル基)、イソブタノイル基、tert−ブタノイル基、ペンタノイル基、イソペンタノイル基、ピバロイル基等が挙げられる。
【0015】
上記「ジアルキルカルバモイル基」とは、カルバモイル基(−CONH)における2つの水素原子が、同一又は異なる炭化水素基に置換されたものを意味し、例えば、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジプロピルカルバモイル基、ジイソプロピルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル基、ジイソブチルカルバモイル基、ジtert−ブチルカルバモイル基等が挙げられる。
【0016】
上記「アルキルカーボネート基」は、RO−CO−O−(Rはアルキル基である。)で表され、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、イソプロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、1−メチルプロポキシカルボニルオキシ基、2−メチルプロポキシカルボニルオキシ基、tert−ブトキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0017】
上記「アリールカーボネート基」としては、フェノキシカルボニルオキシ基、ナフトキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0018】
上記「アラルキルカーボネート基」としては、ベンジルオキシカルボニルオキシ基等が挙げられる。
【0019】
上記「アルキルスルホニル基」としては、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、tert−ブタンスルホニル基、n−ペンタンスルホニル基、ネオペンタンスルホニル基、n−ヘキサンスルホニル基、n−ヘプタンスルホニル基、n−オクタンスルホニル基、2−エチルヘキサンスルホニル基、n−ノナンスルホニル基、n−デカンスルホニル基等のアルカンスルホニル基;シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等のシクロアルカンスルホニル基等が挙げられる。
【0020】
上記「アリールスルホニル基」としては、ベンゼンスルホニル基;トシル基、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル基、2,4,6−トリエチルベンゼンスルホニル基、2,4,6−トリプロピルベンゼンスルホニル基、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、2,4,6−トリ−tert−ブチルベンゼンスルホニル基等のアルキルベンゼンスルホニル基;ナフタレンスルホニル基;アルキルナフタレンスルホニル基等が挙げられる。
【0021】
上記「アラルキルスルホニル基」としては、ベンジルスルホニル基、2−フェニルエチルスルホニル基、4−フェニルブチルスルホニル基、2−メチルベンジルスルホニル基等が挙げられる。
【0022】
上記「ジアルキルスルファモイル基」としては、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基等が挙げられる。
【0023】
上記「ジアリールスルファモイル基」としては、ジフェニルスルファモイル基等が挙げられる。
【0024】
上記一般式(2)におけるR及びRや、例えば、上記一般式(3)におけるR11及びR12のように、隣り合う置換基どうしが連結して「炭素原子数4〜6の2価の有機基」が形成されている場合の形態を、一般式(2)の化合物(ヘテロ芳香族化合物)により説明する。
「2価の有機基」は、(i)炭素原子が連結して鎖状構造を形成していて、炭素−炭素二重結合を含んでもよい炭化水素基又はその誘導体基であって、その鎖状構造を構成する炭素原子に水素原子が結合している場合、この水素原子が、フッ素原子等の他の原子、エステル基、ケト基、シアノ基等の官能基、若しくは、1価の炭化水素基に置換されていてよく、ヘテロ芳香族化合物を示す一般式(2)における窒素原子に結合する炭素原子、及び、原子Xに結合する炭素原子、とともに環を形成するもの、又は、(ii)2つの炭素原子の間に、窒素原子、酸素原子あるいは硫黄原子を有しつつ鎖状構造を形成していて、炭素−炭素二重結合、炭素−窒素二重結合等を含んでもよい有機基であって、その鎖状構造を構成する炭素原子に水素原子が結合している場合、この水素原子が、フッ素原子等の他の原子、エステル基、ケト基、シアノ基等の官能基、若しくは、1価の炭化水素基に置換されていてよく、ヘテロ芳香族化合物を示す一般式(2)における窒素原子に結合する炭素原子、及び、原子Xに結合する炭素原子、とともに環を形成するもの、を意味する。
【0025】
上記一般式(2)で表されるヘテロ芳香族化合物としては、得られる生成物の収率の観点から、オキサゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体等が好ましく、特にオキサゾール誘導体が好ましく用いられる。
上記ヘテロ芳香族化合物がオキサゾール誘導体である場合、得られる生成物の収率の観点から、R及びRのいずれか一方は、炭素原子数1〜20の炭化水素基又はその誘導体基であることが好ましい。
【0026】
また、上記一般式(3)で表されるフェノール誘導体(式中、原子Xが窒素原子の場合があるが、この場合も含めて、本明細書では、「フェノール誘導体」という。)は、フェノール骨格を有する化合物、ナフトール骨格を有する化合物、ヒドロキシピリジン骨格を有する化合物、キノリノール骨格を有する化合物等におけるヒドロキシル基に代えて、−OR(但し、Rは、アシル基、ジアルキルカルバモイル基、アルキルカーボネート基、アリールカーボネート基、アラルキルカーボネート基、トリフラート基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アラルキルスルホニル基、ジアルキルスルファモイル基又はジアリールスルファモイル基である。)とした化合物である。本発明において、得られる生成物の収率の観点から、アシル基、ジアルキルカルバモイル基、アルキルカーボネート基、トリフラート基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基及びジアルキルスルファモイル基が好ましい。これらのうち、Rがアシル基である場合には、ピバロイル基が好ましく、また、Rがジアルキルカルバモイル基である場合には、N,N−ジメチルカルバモイル基が好ましい。Rがアルキルカーボネート基である場合、tert−ブトキシカルボニルオキシ基が好ましく、また、Rがアルキルスルホニル基である場合、メタンスルホニル基が好ましい。更に、Rがアリールスルホニル基である場合、トシル基であることが好ましく、また、Rがジアルキルスルファモイル基である場合、N,N−ジメチルスルファモイル基であることが好ましい。
【0027】
上記フェノール誘導体は、具体的には、下記一般式(3−1)〜(3−16)で表される。本発明においては、目的のフェニル置換複素環誘導体を高収率で得られることから、下記一般式(3−1)〜(3−8)で表される化合物、及び、下記一般式(3−13)〜(3−16)で表される化合物が好ましい。
【化5】
(式中、Rは、アシル基、ジアルキルカルバモイル基、アルキルカーボネート基、アリールカーボネート基、アラルキルカーボネート基、トリフラート基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アラルキルスルホニル基、ジアルキルスルファモイル基又はジアリールスルファモイル基である。)
【0028】
上記フェノール誘導体は、上記一般式(3−1)〜(3−16)で表される構造において環を構成する炭素原子に、シアノ基、フッ素原子等の原子が結合したものであってもよい。
【0029】
上記ヘテロ芳香族化合物及びフェノール誘導体の使用量の割合は、反応の円滑な進行性の観点から、以下の通りである。
上記フェノール誘導体の使用量は、上記ヘテロ芳香族化合物1モルに対して、好ましくは1〜2モル、より好ましくは1〜1.5モルである。
【0030】
上記反応工程において用いられるニッケル化合物は、特に限定されず、従来、有機合成用の触媒として、公知のニッケル化合物を用いることができる。好ましいニッケル化合物は、0価のNi(0)、及び、2価のNi(II)の塩である。これらは、単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
【0031】
上記Ni(0)の塩としては、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケルジカルボニル、ニッケルカルボニル等が挙げられる。
上記Ni(II)の塩としては、酢酸ニッケル(II)、トリフルオロ酢酸ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、ニッケル(II)アセチルアセトナート、過塩素酸ニッケル(II)、クエン酸ニッケル(II)、シュウ酸ニッケル(II)、シクロヘキサン酪酸ニッケル(II)、安息香酸ニッケル(II)、ステアリン酸ニッケル(II)、ステアリン酸ニッケル(II)、スルファミン酸ニッケル(II)、炭酸ニッケル(II)、チオシアン酸ニッケル(II)、トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル(II)、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(II)、ビス(4−ジエチルアミノジチオベンジル)ニッケル(II)、シアン化ニッケル(II)、フッ化ニッケル(II)、ホウ化ニッケル(II)、ホウ酸ニッケル(II)、次亜リン酸ニッケル(II)、硫酸アンモニウムニッケル(II)、水酸化ニッケル(II)、シクロペンタジエニルニッケル(II)、及びこれらの水和物等が挙げられる。
本発明においては、反応の円滑な進行性の観点から、Ni(0)の塩が好ましく、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)が特に好ましい。
【0032】
0価のNi(0)、2価のNi(II)の塩としては、配位子を事前に配位させた化合物を使用してもよい。
【0033】
上記ニッケル化合物の使用量は、反応の円滑な進行性の観点から、ヘテロ芳香族化合物1モルに対して、好ましくは0.05〜0.1モル、より好ましくは0.08〜0.1モル、更に好ましくは0.09〜0.1モルである。
【0034】
また、上記反応工程において、下記式で表される1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンが用いられる。この化合物は、上記ニッケル化合物を構成するニッケル原子に配位し得る配位子であり、本発明において、この1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンを、上記ニッケル化合物と併存させることにより、上記一般式(2)及び(3)で表される化合物どうしの反応を円滑に進めることができる。
【化6】
【0035】
上記1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンの使用量は、反応の円滑な進行性の観点から、ヘテロ芳香族化合物1モルに対して、好ましくは0.1〜0.2モル、より好ましくは0.15〜0.2モル、更に好ましくは0.18〜0.2モルである。
また、上記ニッケル化合物におけるNi原子及び1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンのモル比は、反応の円滑な進行性の観点から、好ましくは1:(1.2〜3)、より好ましくは1:(1.5〜2.5)、特に好ましくは1:2である。
【0036】
更に、上記反応工程において、塩基が用いられる。この塩基は、特に限定されず、従来、有機合成用の塩基として、公知の化合物を用いることができる。好ましい塩基としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭素原子数1〜6のアルコキシドの金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)、炭素原子数1〜6のアルキルアニオンの金属塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩)、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン、ジアザビシクロオクタン、イミダゾール等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、反応の円滑な進行性の観点から、炭酸セシウム及びリン酸三カリウムが特に好ましい。
【0037】
尚、上記「炭素原子数1〜6のアルキルアニオンの金属塩」を用いる場合の「炭素原子数1〜6のアルコキシド」としては、メトキシド、エトキシド、n−プロピルオキシド、イソプロピルオキシド、n−ブチルオキシド、イソブチルオキシド、tert−ブチルオキシド、n−ペンチルオキシド、イソペンチルオキシド、ネオペンチルオキシド、1−メチルプロピルオキシド、n−ヘキシルオキシド、イソヘキシルオキシド、1,1−ジメチルブチルオキシド、2,2−ジメチルブチルオキシド、3,3−ジメチルブチルオキシド等が挙げられる。
また、上記「炭素原子数1〜6のアルキルアニオンの金属塩」を用いる場合の「炭素原子数1〜6のアルキルアニオン」としては、メチルアニオン、エチルアニオン、n−プロピルアニオン、イソプロピルアニオン、n−ブチルアニオン、イソブチルアニオン、tert−ブチルアニオン、n−ペンチルアニオン、イソペンチルアニオン、ネオペンチルアニオン、1−メチルプロピルアニオン、n−ヘキシルアニオン、イソヘキシルアニオン、1,1−ジメチルブチルアニオン、2,2−ジメチルブチルアニオン、3,3−ジメチルブチルアニオン等が挙げられる。
【0038】
上記塩基の使用量は、反応の円滑な進行性の観点から、ヘテロ芳香族化合物1モルに対して、好ましくは1〜2モル、より好ましくは1.5〜2モルである。
【0039】
上記反応工程においては、通常、溶媒が用いられる。好ましい溶媒としては、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等)、脂肪族ハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン(DME)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、tert−ブチルメチルエーテル、テトロヒドロフラン、ジオキサン等)、エステル類(酢酸エチル、プロピオン酸エチル等)、酸アミド類(ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセタミド(DMA)、N−メチルピロリドン(NMP)等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル等)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。これらは、単独で用いてよいし、組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、反応の円滑な進行性の観点から、ジオキサン及びDMFが特に好ましい。
【0040】
上記反応工程における反応温度は、通常、80℃〜140℃、好ましくは80℃〜120℃、特に好ましくは、100℃〜120℃である。また、反応は、常圧の下で行うことが望ましいが、加圧又は減圧下で行ってもよい。
また、反応雰囲気は、特に限定されないが、好ましくは不活性ガス雰囲気であり、アルゴンガス雰囲気、窒素ガス雰囲気等とすることができる。
【0041】
上記ヘテロ芳香族化合物及びフェノール誘導体の反応、即ち、ビアリールカップリング反応は、上記反応スキームに示すように、一般式(2)における*印の炭素原子に結合する水素原子、及び、一般式(3)における*印の炭素原子に結合するR−O−を脱離させ、ヘテロ芳香族化合物及びフェノール誘導体における*印付き炭素原子どうしを結合させるものであり、反応系に、ニッケル化合物、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、及び、塩基を併存させることにより、上記一般式(1)で表される化合物が製造される。
【0042】
本発明の製造方法は、上記反応工程の後、必要に応じて、精製工程を備えることができる。即ち、溶媒除去、洗浄、クロマト分離等といった一般的な後処理に供することができる。
【0043】
本発明の製造方法によれば、上記一般式(1)で表される化合物の収率は、好ましい態様において、55%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上とすることができる。尚、上記「収率」とは、反応原料として用いたヘテロ芳香族化合物のモル量に基づき算出される値である。
【実施例】
【0044】
以下、本発明を、実施例等によって具体的に説明する。尚、本発明は、かかる実施例に限定されるものではない。
【0045】
実施例1
内容積20mLのガラス容器内に、磁気撹拌子、及び、195.5mg(0.60mmol)の炭酸セシウムを収容し、減圧下、ヒートガンで乾燥させた。その後、室温に冷却し、アルゴンガスを満たした。
次いで、アルゴンガス雰囲気のグローブボックス内において、上記ガラス容器内に、137.0mg(0.60mmol)のナフタレン−2−イル−ピバレートを添加した。そして、11.2mg(0.04mmol)のビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(以下、「Ni(cod)」と称する)と、33.8mg(0.08mmol)の1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンを、更に追加した。
その後、ガラス容器をグローブボックスから取り出し、アルゴンガス気流下、47.6mg(0.40mmol)のベンゾオキサゾール、更に、1.6mLの1,4−ジオキサンを添加した。
次に、原料が収容されたガラス容器を密閉し、攪拌下、温度120℃で加熱し反応させた。12時間後、反応系を室温に冷却し、反応液を、短パッドのシリカゲルで濾過した。そして、沈澱物を酢酸エチルで洗浄し、濾液を濃縮した。その後、Merck社のシリカゲル60を用いたTLC(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)により、以下に示す2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾール(Rf=0.48、白色固体)を得た。収量は93.2mgであり、収率は95%であった。
【化7】
【0046】
上記実施例1により得られた、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールのNMR測定(H及び13C)及び質量分析を、それぞれ、日本電子社製核磁気共鳴装置「JNM−ECA−400」(型式名)及び日本電子社製DARTイオン源搭載TLC/MSシステム「JMS−T100TD」(型式名)により行った結果を、以下に示す。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.79 (s, 1H), 8.33 (dd, 1H, J=8.7, 1.4 Hz), 8.03-7.96 (m, 2H), 7.93-7.87 (m, 1H), 7.82 (dd, 1H, J=6.0, 3.7 Hz), 7.63 (dd, 1H, J=6.4, 2.7 Hz), 7.60-7.52 (m, 2H), 7.41-7.31 (m, 2H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 163.2, 150.9, 142.2, 134.7, 133.0, 128.9, 128.8, 128.1, 127.9, 127.8, 126.9, 125.2, 124.6, 124.4, 124.0, 120.0, 110.6
HRMS (DART) m/z calcd for C17H12NO [MH]+: 246.0919 found 246.0919
【0047】
実施例2
炭酸セシウムに代えて、リン酸三カリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は79%であった。
【0048】
実施例3
炭酸セシウムに代えて、リチウムtert−ブトキシドを用いた以外は、実施例1と同様にして、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は56%であった。
【0049】
実施例4
1,4−ジオキサンに代えて、トルエンを用いた以外は、実施例1と同様にして、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は92%であった。
【0050】
実施例5
1,4−ジオキサンに代えて、ジメチルホルムアミドを用いた以外は、実施例1と同様にして、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は92%であった。
【0051】
実施例6
炭酸セシウムに代えて、炭酸カリウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は9%であった。
【0052】
比較例1
1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンに代えて、下記に示すトリ(シクロヘキシル)ホスフィンを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得ることができなかった。
【化8】
【0053】
比較例2
1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンに代えて、下記に示す1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得ることができなかった。
【化9】
【0054】
比較例3
1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンに代えて、下記に示す1,2−ビス(ジエチルホスフィノ)エタンを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は2%であった。
【化10】
【0055】
比較例4
1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンに代えて、下記に示す1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)メタンを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得ることができなかった。
【化11】
【0056】
比較例5
1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンに代えて、下記に示す1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾリウムクロライドを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得ることができなかった。
【化12】
【0057】
比較例6
1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンに代えて、2,2’−ビピリジルを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得ることができなかった。
【0058】
実施例7
ベンゾオキサゾールに代えて、オキサゾールを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−(ナフタレン−2−イル)−オキサゾールを得た。収率は38%であった。
【化13】
【0059】
2−(ナフタレン−2−イル)−オキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.55(s, 1H), 8.14 (dd, 1H, J=9.2, 1.8 Hz), 7.97-7.83 (m, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.56-7.51 (m, 2H), 7.29 (s, 1H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 162.2, 138.7, 134.1, 133.0, 128.72, 128.65, 128.6, 127.8, 127.3, 126.7, 126.3, 124.8, 123.3
HRMS (DART) m/z calcd for C13H10NO [MH]+: 196.0762 found 196.0763
【0060】
実施例8
ベンゾオキサゾールに代えて、5−メチル−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸メチルを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示すメチル−5−メチル−2−(ナフタレン−2−イル)−オキサゾール−4−カルボキシレートを得た。収率は72%であった。
【化14】
【0061】
メチル−5−メチル−2−(ナフタレン−2−イル)−オキサゾール−4−カルボキシレートの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.54 (s,1H), 8.11 (dd, 1H, J=8.7, 1.8 Hz), 7.93-7.78 (m, 3H), 7.53-7.47 (m, 2H), 3.95 (s, 3H), 2.71 (s, 3H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 162.7, 159.7, 156.4, 134.1, 132.8, 128.6, 128.53, 128.48, 127.7, 127.3, 126.7, 126.5, 123.7, 123.1, 51.9, 12.1
HRMS (DART) m/z calcd for C16H14NO3 [MH]+: 268.0974 found 268.0974
【0062】
実施例9
ベンゾオキサゾールに代えて、5−オキサゾールカルボン酸エチルを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示すエチル−2−(ナフタレン−2−イル)オキサゾール−5−カルボキシラートを得た。収率は34%であった。
【化15】
【0063】
エチル−2−(ナフタレン−2−イル)オキサゾール−5−カルボキシラートの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.67(s, 1H), 8.18 (dd, 1H, J=8.7, 1.8 Hz), 7.99-7.80 (m, 4H), 7.60-7.49 (m, 2H), 4.44 (q, 2H, J=7.3 Hz), 1.43 (t, 3H, J=7.3 Hz)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 164.3, 157.9, 142.4, 135.4, 134.6, 132.8, 128.9, 128.8, 127.84, 127.76, 126.9, 123.6, 123.4, 61.5, 14.3
HRMS (DART) m/z calcd for C16H14NO3 [MH]+: 268.0974 found 268.0973
【0064】
実施例10
ベンゾオキサゾールに代えて、5−フェニルオキサゾールを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−(ナフタレン−2−イル)−5−フェニルオキサゾールを得た。収率は82%であった。
【化16】
【0065】
2−(ナフタレン−2−イル)−5−フェニルオキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.55 (s, 1H), 8.16 (dd, 1H, J= 8.2, 1.8 Hz), 7.95-7.86 (m, 2H), 7.86-7.77 (m, 1H), 7.72 (d, 2H, J=7.8 Hz), 7.53-7.34 (m, 2H), 7.47-7.38 (m, 3H), 7.32 (t, 1H, J=7.8 Hz)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 162.2, 151.3, 134.1, 133.0, 128.9, 128.62, 128.58, 128.4, 127.9, 127.8, 127.1, 126.7, 126.0, 124.6, 124.2, 123.6, 123.2
HRMS (DART) m/z calcd for C19H14NO [MH]+: 272.1075 found 272.1075
【0066】
実施例11
ベンゾオキサゾールに代えて、5−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−オキサゾールを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す5−(ベンゾ[1,3,]ジオキソ−5−イル)−2−(ナフタレン−2−イル)−オキサゾールを得た。収率は72%であった。
【化17】
【0067】
5−(ベンゾ[1,3,]ジオキソ−5−イル)−2−(ナフタレン−2−イル)−オキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.49 (s, 1H), 8.11 (dd, 1H, J=8.6, 1.8 Hz), 7.93-7.78 (m, 3H), 7.52-7.45 (m, 2H), 7.30 (s, 1H), 7.22 (dd, 1H, J=8.2, 1.8 Hz), 7.14 (s, 1H), 6.84 (d, 1H, J=8.2 Hz), 5.94 (s, 2H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 160.6, 151.2, 148.1, 147.8, 133.9, 133.0, 128.6, 128.5, 127.8, 127.0, 126.6, 125.8, 124.6, 123.1, 122.4, 122.1, 118.3, 108.7, 104.7, 101.3
HRMS (DART) m/z calcd for C20H14NO3 [MH]+: 316.0974 found 316.0973
【0068】
実施例12
ベンゾオキサゾールに代えて、チアゾールを用い、炭酸セシウムの使用量を0.80mmolとし、反応温度を140℃とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−(ナフタレン−2−イル)−チアゾールを得た。収率は47%であった。
【化18】
【0069】
2−(ナフタレン−2−イル)−チアゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.43 (d, 1H, J=1.4 Hz), 8.07 (dd, 1H, J=8.7, 1.8 Hz), 7.92-7.86 (m, 3H), 7.83 (dd, 1H, J=6.0, 3.2 Hz), 7.53-7.47 (m, 2H), 7.33 (d, 1H, J=3.2 Hz)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 168.4, 143.8, 134.0, 133.2, 130.9, 128.7, 128.6, 127.8, 126.9, 126.7, 125.9, 124.0, 118.9
HRMS (DART) m/z calcd for C13H10NS [MH]+: 212.0534 found 212.0534
【0070】
実施例13
ベンゾオキサゾールに代えて、ベンゾチアゾールを用い、炭酸セシウムの使用量を0.80mmolとし、反応温度を140℃とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾチアゾールを得た。収率は65%であった。
【化19】
【0071】
2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾチアゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.57 (d, 1H, J=1.2 Hz), 8.21 (dd, 1H, J=8.8, 2.0 Hz), 8.12 (dt, 1H, J=8.4, 0.4 Hz), 8.01-7.92 (m, 3H), 7.91-7.84 (m, 1H), 7.60-7.49 (m, 3H), 7.41 (td, 1H, J=8.0, 1.2 Hz)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 168.0, 154.2, 135.1, 134.5, 133.1, 130.9, 128.7, 127.8, 127.5, 127.4, 126.8, 126.3, 125.1, 124.3, 123.2, 121.6
HRMS (DART) m/z calcd for C17H12NS [MH]+: 262.0690 found 262.0690
【0072】
実施例14
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、(ナフタレン−2−イル)−ジメチルカルバメートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は93%であった。
【化20】
【0073】
実施例15
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、メチル−6−(ピバロイルオキシ)−2−ナフトエートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示すメチル−6−(ベンゾ[d]オキサゾール−2−イル)−2−ナフトエートを得た。収率は28%であった。
【化21】
【0074】
メチル−6−(ベンゾ[d]オキサゾール−2−イル)−2−ナフトエートの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.76(s, 1H), 8.62 (s, 1H), 8.35 (d, 1H, J=8.4 Hz), 8.12 (dd, 1H, J=8.0, 1.2 Hz), 8.05 (d, 1H, J=8.8 Hz), 8.00 (d, 1H, J=8.8 Hz), 7.85-7.72 (m, 1H), 7.65-7.54 (m, 1H), 7.43-7.30 (m, 2H), 3.99 (s, 3H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 166.8, 162.6, 150.9, 142.1, 135.0, 133.7, 130.8, 130.1, 129.1, 129.0, 127.6, 126.5, 126.3, 125.5, 124.8, 124.7, 120.2, 110.7, 52.4
HRMS (DART) m/z calcd for C19H14NO3 [MH]+: 304.0974 found 304.0973
【0075】
実施例16
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、ナフタレン−1−イル−ピバレートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−(ナフタレン−1−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は90%であった。
【化22】
【0076】
2−(ナフタレン−1−イル)−ベンゾオキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.47 (d, 1H, J=8.4 Hz), 8.38 (d, 1H, J=7.2 Hz), 7.97 (d, 1H, J=8.0 Hz), 7.91-7.82 (m, 2H), 7.68 (t, 1H, J=8.0 Hz), 7.62-7.57 (m, 1H), 7.54 (t, 2H, J=8.4 Hz), 7.40-7.31 (m, 2H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 162.7, 150.1, 142.3, 133.9, 132.2, 130.6, 129.3, 128.6, 127.8, 126.4, 126.2, 125.2, 124.8, 124.4, 123.5, 120.1, 110.4
HRMS (DART) m/z calcd for C17H12NO [MH]+: 246.0919 found 246.0918
【0077】
実施例17
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、9−フェナントリルピバレート((フェナントレン−9−イル)−ピバレート)を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−(フェナントレン−9−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は55%であった。
【化23】
【0078】
2−(フェナントレン−9−イル)−ベンゾオキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.54 (dd, 1H, J=8.2, 2.0 Hz), 8.80 (dd, 1H, J=2.1, 7.5 Hz) 8.78-8.72 (m, 2H), 8.04, (d, 1H, J=8.0 Hz), 7.95-7.88 (m, 1H), 7.84-7.74 (m, 3H), 7.73-7.63 (m, 2H), 7.46-7.39 (m, 2H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 162.6, 150.1, 142.2, 131.7, 131.5, 130.7, 130.4, 129.7, 128.61, 128.58, 127.6, 127.0, 125.3, 124.5, 122.9, 122.6, 122.4, 120.3, 110.5
HRMS (DART) m/z calcd for C21H14NO [MH]+: 296.1075 found 296.1075
【0079】
実施例18
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、(4−メトキシナフタレン−1−イル)−ピバレートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−(4−メトキシナフタレン−1−イル)ベンゾ[d]オキサゾールを得た。収率は55%であった。
【化24】
【0080】
2−(4−メトキシナフタレン−1−イル)ベンゾ[d]オキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.45 (d, 1H, J=8.8 Hz), 8.42-8.36 (m, 2H), 7.84 (td, 1H, J=4.4, 1.8 Hz), 7.72 (td, 1H, J=7.7, 1.8 Hz), 7.63-7.54 (m, 2H), 7.39-7.33 (m, 2H), 6.93 (d, 1H, J=8.4 Hz), 4.08 (s, 3H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 163.1, 158.4, 150.0, 142.5, 131.8, 130.5, 128.4, 126.1, 125.8, 124.7, 124.3, 122.4, 119.9, 116.0, 110.2, 103.2, 55.8
HRMS (DART) m/z calcd for C18H14NO2 [MH]+: 276.1025 found 276.1024
【0081】
実施例19
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、(ピリジン−3−イル)−ピバレートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−(ピリジン−3−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は81%であった。
【化25】
【0082】
2−(ピリジン−3−イル)−ベンゾオキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.48 (s, 1H), 8.76 (dd, 1H, J=3.4, 1.8 Hz), 8.51 (d, 1H, J=8.2 Hz), 7.84-7.76 (m, 1H), 7.65-7.58 (m, 1H), 7.50-7.43 (m, 1H), 7.43-7.35 (m, 2H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 160.5, 151.9, 150.6, 148.6, 141.6, 134.5, 125.6, 124.8, 123.5, 123.4, 120.1, 110.6
HRMS (DART) m/z calcd for C12H9N2O [MH]+: 197.0715 found 197.0715
【0083】
実施例20
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、(キノリン−6−イル)−ピバレートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−(キノリン−6−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は99%であった。
【化26】
【0084】
2−(キノリン−6−イル)−ベンゾオキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.04-8.97 (m, 1H), 8.76 (s, 1H), 8.56 (dt, 1H, J=7.3, 1.8 Hz), 8.29 (d, 1H, J=8.2 Hz), 8.24 (d, 1H, J=8.7 Hz), 7.86-7.79 (m, 1H), 7.68-7.59 (m, 1H), 7.53-7.46 (m, 1H), 7.44-7.36 (m, 1H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 162.4, 152.0, 150.9, 149.5, 142.1, 136.8, 130.4, 128.0, 127.9, 127.7, 125.5, 125.2, 124.8, 122.1, 120.2, 110.7
HRMS (DART) m/z calcd for C16H11N2O [MH]+: 247.0871 found 247.0871
【0085】
実施例21
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、(キノリン−5−イル)−ピバレートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−(キノリン−5−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は86%であった。
【化27】
【0086】
2−(キノリン−5−イル)−ベンゾオキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.93 (d, 1H, J=8.2 Hz), 9.00 (dd, 1H, J=4.1, 1.4 Hz), 8.49 (dd, 1H, J=7.3, 0.9 Hz), 8.29 (d, 1H, J=8.2 Hz), 7.90-7.78 (m, 2H), 7.67-7.56 (m, 2H), 7.45-7.36 (m, 2H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 161.6, 150.8, 150.0, 148.4, 142.1, 135.0, 133.6, 129.3, 128.5, 126.3, 125.6, 124.7, 123.7, 122.5, 120.3, 110.6
HRMS (DART) m/z calcd for C16H11N2O [MH]+: 247.0871 found 247.0872
【0087】
実施例22
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、フェニルピバレートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−フェニル−ベンゾオキサゾールを得た。収率は11%であった。
【化28】
【0088】
2−フェニル−ベンゾオキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.27 (dd, 2H, J=8.9, 1.8 Hz), 7.78 (dd, 1H, J=5.7, 3.7 Hz), 7.59 (dd, 1H, J=6.4, 3.2 Hz), 7.56-7.49 (m, 3H), 7.38-7.34 (m, 2H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 163.0, 150.7, 142.1, 131.4, 128.8, 127.6, 127.1, 125.0, 124.5, 120.0, 110.5
HRMS (DART) m/z calcd for C13H10NO [MH]+: 196.0762 found 196.0762
【0089】
実施例23
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、(1,1’−ビフェニル)−4−イルピバレートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−[(1,1’−ビフェニル−4−イル)ベンゾ[d]オキサゾール]を得た。収率は18%であった。
【化29】
【0090】
2−[(1,1’−ビフェニル−4−イル)ベンゾ[d]オキサゾール]の分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.33 (d, 2H, J=8.2 Hz), 7.83-7.72 (m, 3H), 7.67 (d, 2H, J=7.3 Hz), 7.63-7.57 (m, 1H), 7.49 (t, 2H, J=8.2, 7.3 Hz), 7.43-7.31 (m, 3H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 162.9, 150.8, 144.2, 142.2, 140.0, 129.0, 128.1, 127.6, 127.2, 126.0, 125.1, 124.6, 120.0, 110.6
HRMS (DART) m/z calcd for C19H14NO [MH]+: 272.1075 found 272.1076
【0091】
実施例24
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、(1,1’−ビフェニル)−3−イルピバレートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−[(1,1’−ビフェニル−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール]を得た。収率は14%であった。
【化30】
【0092】
2−[(1,1’−ビフェニル−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾール]の分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.51 (t, 1H, J=1.6 Hz), 8.23 (dt, 1H, J=8.0, 1.6, 1.2 Hz), 7.83-7.78 (m, 1H), 7.76 (dt, 1H, J=8.0, 1.6 Hz), 7.70 (d, 2H, J=7.2 Hz), 7.63-7.57 (m, 2H), 7.51-7.45 (m, 2H), 7.43-7.33 (m, 3H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 163.0, 150.8, 142.1, 142.0, 140.1, 130.2, 129.4, 128.9, 127.8, 127.7, 127.2, 126.4, 126.3, 125.2, 124.6, 120.0, 110.6
HRMS (DART) m/z calcd for C19H14NO [MH]+: 272.1075 found 272.1076
【0093】
実施例25
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、5−メチルピリジン−3−イルピバレートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−(5−メチルピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾールを得た。収率は26%であった。
【化31】
【0094】
2−(5−メチルピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.64 (d, 1H, J=5.0 Hz), 8.45 (dd, 1H, J=8.2 Hz), 7.82 (t, 1H, J=6.0, 3.2 Hz), 7.61 (t, 1H, J=5.5, 4.6 Hz), 7.43-7.35 (m, 2H), 7.34-7.28 (m, 1H), 3.07 (s, 3H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 161.6, 158.4, 150.8, 150.5, 141.9, 137.3, 125.5, 124.7, 122.4, 121.1, 120.4, 110.6, 25.3
HRMS (DART) m/z calcd for C19H14NO [MH]+: 211.0871 found 211.0871
【0095】
実施例26
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、6−メチルピリジン−3−イルピバレートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、下記に示す2−(6−メチルピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾールを得た。収率は32%であった。
【化32】
【0096】
2−(6−メチルピリジン−3−イル)ベンゾ[d]オキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.35 (d, 1H, J=1.6 Hz), 8.39 (dd, 1H, J=8.4, 2.4 Hz), 7.81-7.75 (m, 1H), 7.63-7.57 (m, 1H), 7.41-7.35 (m, 2H), 7.32 (d, 1H, J=8.0 Hz), 2.66 (s, 3H)
13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 161.6, 161.1, 150.6, 148.2, 141.8, 135.0, 125.4, 124.8, 123.4, 120.8, 120.1, 110.7, 24.6
HRMS (DART) m/z calcd for C13H11N2O [MH]+: 211.0871 found 211.0872
【0097】
実施例27
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、ナフタレン−2−イル−tert−ブチルカーボネートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は80%であった。
【化33】
【0098】
実施例28
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、ナフタレン−2−イル−N,N−ジメチルスルファメートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は82%であった。
【化34】
【0099】
実施例29
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、ナフタレン−2−イル−トリフラートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率はほぼ100%であった。
【化35】
【0100】
実施例30
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、ナフタレン−2−イル−トシラートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は79%であった。
【化36】
【0101】
実施例31
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、ナフタレン−2−イル−メシラートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、2−(ナフタレン−2−イル)−ベンゾオキサゾールを得た。収率は89%であった。
【化37】
【0102】
実施例32
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、フェニルトリフラートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、2−フェニルベンゾオキサゾールを得た。収率は75%であった。
【化38】
【0103】
2−フェニルベンゾオキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.30-8.24 (m, 2H), 7.78 (dd, 1H, J=5.6, 3.2 Hz), 7.59 (dd, 1H, J=6.4, 3.2 Hz), 7.56-7.49 (m, 3H) 7.38-7.34 (m, 2H)
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 163.0, 150.7, 142.1, 131.4, 128.8, 127.6, 127.1, 125.0, 124.5, 120.0, 110.5
HRMS (DART) m/z calcd for C13H10NO [MH]+: 196.0762 found 196.0762
【0104】
実施例33
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、3−メチル−フェニルトリフラートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、2−(3−メチルフェニル)ベンゾオキサゾールを得た。収率は85%であった。
【化39】
【0105】
2−(3−メチルフェニル)ベンゾオキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.07 (s, 1H), 8.02 (d, 1H, J=7.6 Hz), 7.79-7.71 (m, 1H), 7.58-7.49 (m, 1H), 7.41-7.27 (m, 4H), 2.41 (s, 3H)
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 163.1, 150.6, 142.1, 138.6, 132.2, 128.7, 128.1, 126.9, 124.9, 124.6, 124.4, 119.8, 110.4, 21.2
HRMS (DART) m/z calcd for C14H12NO [MH]+: 210.0919 found 210.0919
【0106】
実施例34
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、4−メトキシフェニルトリフラートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、2−(4−メトキシフェニル)ベンゾオキサゾールを得た。収率は55%であった。
【化40】
【0107】
2−(4−メトキシフェニル)ベンゾオキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.18 (dd, 2H, J=9.2, 1.4 Hz), 7.72 (dd, 1H, J=6.9, 2.3 Hz), 7.53 (dd, 1H, J=6.0, 2.3 Hz), 7.37-7.27 (m, 2H) 7.00 (dd, 2H, J=8.9, 1.4 Hz) 3.85 (s, 3H)
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 163.1, 162.2, 150.6, 142.2, 129.3, 124.5, 124.3, 119.6, 119.5, 114.3, 110.3, 55.4
HRMS (DART) m/z calcd for C14H12NO2 [MH]+: 226.0868 found 226.0868
【0108】
実施例35
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、4−トリフルオロメチルフェニルトリフラートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾオキサゾールを得た。収率は52%であった。
【化41】
【0109】
2−(4−トリフルオロメチルフェニル)ベンゾオキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.34 (d, 2H, J=7.8 Hz), 7.82-7.73 (m, 3H), 7.62-7.55 (m, 1H), 7.41-7.34 (m, 2H)
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 161.4, 150.8, 141.9, 132.9 (JC-F=33.5 Hz), 130.4, 127.8, 125.9 (JC-F=3.8 Hz), 125.8, 124.9, 123.7 (JC-F=274.0 Hz), 120.4, 110.8
HRMS (DART) m/z calcd for C14H9F3NO [MH]+: 264.0636 found 264.0635
【0110】
実施例36
ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、6−シアノナフタレン−2−イル−ピバレートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、2−(6−シアノナフタレン−2−イル)ベンゾオキサゾールを得た。収率は79%であった。
【化42】
【0111】
2−(6−シアノナフタレン−2−イル)ベンゾオキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.73 (s, 1H), 8.38 (dd, 1H, J=8.7, 1.4 Hz), 8.22 (s, 1H), 8.00 (t, 2H, J=9.9 Hz), 7.84-7.76 (m, 1H), 7.64 (dd, 1H, J=8.7, 0.9 Hz), 7.63-7.57 (m,1H), 7.45-7.35 (m, 2H)
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 161.9, 150.8, 142.0, 134.2, 133.8, 133.3, 130.0, 129.2, 127.6, 127.34, 127.28, 125.8, 125.6, 124.9, 120.3, 118.7, 111.0, 110.7
HRMS (DART) m/z calcd for C18H11N2O [MH]+: 271.0871 found 271.0872
【0112】
実施例37
ベンゾオキサゾールに代えて、6−メチルベンゾオキサゾールを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、6−メチル−2−(ナフタレン−2−イル)ベンゾオキサゾールを得た。収率は96%であった。
【化43】
【0113】
6−メチル−2−(ナフタレン−2−イル)ベンゾオキサゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.67 (s, 1H), 8.24 (dd, 1H, J=8.7, 1.4 Hz), 7.95-7.86 (m, 2H), 7.85-7.77 (m, 1H), 7.63 (d, 1H, J=8.2 Hz), 7.54-7.46 (m, 2H), 7.33 (s, 1H), 7.12 (d, 1H, J=8.2 Hz), 2.46 (s, 3H)
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 162.6, 151.0, 139.9, 135.5, 134.5, 132.9, 128.8, 128.6, 127.8, 127.7, 127.5, 126.7, 125.7, 124.5, 123.8, 119.2, 110.7, 21.7
HRMS (DART) m/z calcd for C18H14NO [MH]+: 260.1075 found 260.1075
【0114】
実施例38
ベンゾオキサゾールに代えて、5−(1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル)オキサゾールを用い、ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、フェニルトリフラートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、テキサミンを得た。収率は62%であった。
【化44】
【0115】
テキサミンの分析結果は、以下の通りである。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.06 (dd, 2H, J=8.4, 1.6 Hz), 7.50-7.39 (m, 3H), 7.28 (s, 1H), 7.20 (dd, 1H, J=8.0, 1.6 Hz), 7.14 (s, 1H), 6.84 (d, 1H, J=8.0 Hz), 5.97 (s, 2H)
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 160.5, 151.0, 148.1, 147.8, 130.1, 128.7, 127.4, 126.1, 122.3, 122.1, 118.2, 108.7, 104.7, 101.3
HRMS (DART) m/z calcd for C16H12NO3 [MH]+: 266.0817 found 266.0817
【0116】
実施例39
ベンゾオキサゾールに代えて、5−(4−メトキシフェニル)オキサゾールを用い、ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、フェニルトリフラートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、ウングエネナゾールを得た。収率は73%であった。
【化45】
【0117】
ウングエネナゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.08 (dd, 2H, J=8.0, 1.8 Hz), 7.62 (dd, 2H, J=9.2, 2.3 Hz), 7.50-7.39 (m, 3H), 7.31 (s, 1H), 6.95 (dd, 2H, J=9.2, 2.3 Hz), 3.83 (s, 3H)
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 160.5, 159.7, 151.2, 130.0, 128.7, 127.5, 126.1, 125.7, 121.9, 120.8, 114.3, 55.3
HRMS (DART) m/z calcd for C16H14NO2 [MH]+: 252.1025 found 252.1025
【0118】
実施例40
ベンゾオキサゾールに代えて、5−(4−メトキシフェニル)−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸エチルを用い、ナフタレン−2−イル−ピバレートに代えて、フェニルトリフラートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、5−(4−メトキシフェニル)−2−フェニルオキサゾール−4−カルボン酸エチルを得た。収率は73%であった。
【化46】
【0119】
5−(4−メトキシフェニル)−2−フェニルオキサゾール−4−カルボン酸エチルの分析結果は、以下の通りである。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.17-8.06 (m, 4H), 7.49-7.43 (m, 3H), 7.00 (dd, 2H, J=9.2, 2.4 Hz), 4.45 (q, 2H, J=7.2 Hz), 3.86 (s, 3H), 1.43 (t, 3H, J=7.2 Hz)
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 162.4, 161.0, 159.0, 155.3, 130.7, 130.1, 128.6, 126.9, 126.6, 126.4, 119.5, 113.7, 61.2, 55.3, 14.2
HRMS (DART) m/z calcd for C19H18NO4 [MH]+: 324.1236 found 324.1236
【0120】
実施例41
ベンゾオキサゾールに代えて、5−フェニルチアゾールトリフラートを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、2−(ナフタレン−2−イル)−5−フェニルチアゾールを得た。収率は64%であった。
【化47】
【0121】
2−(ナフタレン−2−イル)−5−フェニルチアゾールの分析結果は、以下の通りである。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.42 (s, 1H), 8.09-8.00 (m, 2H), 7.93-7.78 (m, 3H), 7.60 (d,2H, J=7.8 Hz), 7.52-7.48 (m, 2H), 7.40 (t, 2H, J=7.8 Hz), 7.32 (t, 1H, J=7.3 Hz)
13C NMR (100MHz, CDCl3): δ 167.1, 139.4, 139.3, 134.1, 133.2, 131.4, 131.0, 129.1, 128.7, 128.6, 128.3, 127.8, 127.0, 126.8, 126.6, 125.7, 123.7
HRMS (DART) m/z calcd for C19H14NS [MH]+: 288.0847 found 288.0846
【0122】
実施例42(5−フェニルオキサゾール−2−イルエストロンの製造)
室温で、エストロン(1.62g、6.0mmol)を10mLのジクロロメタンに溶解した溶液に、トリエチルアミン(1.0mL、7.2mmol、1.2equiv.)を添加した。その後、混合液を0℃として、攪拌下、トリフルオロメタンスルホニルクロリド(760μL、7.2mmol、1.2equiv.)を3分以上かけて添加し、反応させた。6時間後、反応液に、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(10mL)を加えてクエンチし、2層分離させた。有機層(ジクロロメタン溶液)を分取する一方、水層に20mLのジクロロメタンを加えて生成物を抽出した。更に、同じ操作を2回繰り返した。回収した有機層(ジクロロメタン溶液)に過剰量の無水硫酸マグネシウムを投入し、濾別した。次いで、減圧下における溶媒の留去を行い、粗生成物を含む濃縮物を得た。その後、この濃縮物を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1)に供して、Rf0.36にて、下記に示されるエストロントリフラート(白色固体、1.98g)を得た。収率は82%であった。
【化48】
【0123】
エストロントリフラートの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.34 (d, 1H, J=9.2 Hz), 7.03 (d, 1H, J=8.7 Hz), 6.99 (s, 1H), 3.00-2.90 (m, 2H), 2.52 (ddd, 1H, J=18.8, 9.2, 2.8 Hz), 2.50-2.36 (m, 1H), 2.36-2.25 (m, 1H), 2.24-2.01 (m, 3H), 1.98 (dd, 1H, J=9.6, 2.3 Hz), 1.69-1.44 (m, 6H), 0.92 (s, 3H)
【0124】
磁気攪拌子及び炭酸セシウム(195.5mg、0.60mmol、1.5equiv.)を収容した20mLのガラス反応容器(J.Young(登録商標) O−ring tap装備)を、減圧条件下、ヒートガンにより乾燥した後、室温まで冷却して容器内にアルゴンガスを封入した。次いで、5−フェニルオキサゾール(58.0mg、0.40mmol)及びエストロントリフラート(241.5mg、0.60mmol、1.5equiv.)を添加し、反応容器をアルゴン雰囲気にあるグローブボックス内に載置した。
その後、反応容器に、Ni(cod)(11.2mg、0.04mmol、10mol%)、及び、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(33.8mg、0.08mmol、20mol%)を添加した。そして、反応容器をグローブボックスから取り出し、アルゴンガス気流中、1.6mLの1,4−ジオキサンを添加した。次いで、反応容器を、O−ring tapで密封して、攪拌下、反応槽内にて、120℃で、24時間反応させた。その後、反応液を室温まで冷却し、シリカゲルを短く積んだカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)に供した。濾液を濃縮し、残渣を薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)に供し、Rf0.5にて、下記に示される5−フェニルオキサゾール−2−イルエストロン(白色固体、83.3mg)を得た。収率は52%であった。
【化49】
【0125】
5−フェニルオキサゾール−2−イルエストロンの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.87-7.79 (m, 2H), 7.70 (d, 2H, J=7.6 Hz), 7.46-7.39 (m, 3H), 7.38-7.29 (m, 2H), 3.01-2.92 (m, 2H), 2.50 (d, 1H, J=18.8, 8.8 Hz), 2.44-2.38 (m, 1H), 2.33-2.25 (m, 1H), 2.18-1.94 (m, 4H), 1.68-1.39 (m, 6H), 0.91 (s, 3H)
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 220.5, 161.2, 150.8, 142.3, 137.0, 128.8, 128.2, 127.9, 126.6, 125.7, 124.8, 124.0, 123.5, 123.2, 50.3, 47.8, 44.4, 37.7, 35.7, 31.4, 29.2, 26.2, 25.5, 21.4, 13.7
HRMS (DART) m/z calcd for C27H28NO2 [MH]+: 398.2120 found 398.2119
【0126】
実施例43(ベンゾオキサゾール−2−イルキニンの製造)
磁気撹拌子を収容した内容積100mLの2つ口フラスコを、減圧条件下、ヒートガンにより乾燥した後、室温まで冷却して容器内にアルゴンガスを封入した。そして、このフラスコに、キニン(1.33g、4.1mmol)、及び、ナトリウムエタンチオラート(1.38g、16.4mmol、4.0equiv.)を入れ、次いで、30mLのジメチルホルムアミドを入れた。この混合物を、油浴を用いて、120℃で、12時間加熱した。その後、反応液を室温まで冷却し、塩化アンモニウムの飽和水溶液(30mL)を加えてクエンチし、2層分離させた。有機層(ジメチルホルムアミド溶液)を分取する一方、水層に25mLの酢酸エチルを加えて生成物を抽出した。更に、同じ操作を4回繰り返した。回収した有機層(ジメチルホルムアミド溶液及び酢酸エチル溶液の混合液)に過剰量の無水硫酸マグネシウムを投入し、濾別した。次いで、減圧下における溶媒の留去を行い、粗生成物を含む濃縮物を得た。その後、この濃縮物を、10%のジクロロメタンを含むヘキサンにより洗浄し、下記に示される脱メチル化キニン(quinine−OH)(白色固体、1.27g)を得た。収率は99%であった。
【0127】
次に、磁気撹拌子を収容した内容積30mLの2つ口フラスコに、脱メチル化キニン(quinine−OH)(465.6mg、1.5mmol)を収容した。その後、フラスコを0℃として、トリエチルアミン(238μL、1.1equiv.)、ジクロロメタン(3.0mL)及びトリフルオロメタンスルホニルクロリド(166μL、1.05equiv.)を添加し、攪拌下、室温で反応させた。8時間後、反応液に、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(5mL)を加えてクエンチし、2層分離させた。有機層(ジクロロメタン溶液)を分取する一方、水層に15mLのジクロロメタンを加えて生成物を抽出した。更に、同じ操作を4回繰り返した。回収した有機層(ジクロロメタン溶液)に過剰量の無水硫酸マグネシウムを投入し、濾別した。次いで、減圧下における溶媒の留去を行い、粗生成物を含む濃縮物を得た。その後、この濃縮物を、シリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=9/1、Rf0.26)、及び、逆相高速液体クロマトグラフィー(展開溶媒:水・アセトニトリル−グラジエント)に、順次、供して、下記に示されるキニントリフラート(白色固体、265.9mg)を得た。収率は40%であった。
【化50】
【0128】
脱メチル化キニン(quinine−OH)の分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD): δ 8.60 (d, 1H, J=4.8 Hz), 7.91 (d, 1H, J=9.2 Hz), 7.63 (d, 1H, J=4.4 Hz), 7,34 (dd, 1H, J=9.2, 2.8 Hz), 7.29 (d, 1H, J=2.4 Hz), 5.81-5.69 (m, 1H), 5.57 (d, 1H, J=2.8 Hz), 5.03-4.89 (m, 1H), 4.88-4.83 (m, 1H), 3.78 (br, 1H), 3.24-3.12 (m, 2H), 2.86-2.72 (m, 2H), 2.43 (br, 1H), 1.97-1.86 (m, 2H), 1.84 (br, 1H), 1.65 (br, 1H), 1.51-1.41 (m, 1H)
【0129】
また、キニントリフラートの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CD3OD): δ 8.91 (d, 1H, J=4.4 Hz), 8.36 (d, 1H, J=2.4 Hz), 8.20 (d, 1H, J=9.6 Hz), 7.77-7.71 (m, 2H), 5.82-5.71 (m, 1H), 5.45 (d, 1H, J=4.8 Hz), 5.01-4.85 (m, 2H), 3.58-3.46 (br, 1H), 3.20-3.12 (br, 1H), 3.05 (dd, 1H, J=14.0, 10.8 Hz), 2.71-2.60 (m, 2H), 2.39-2.29 (br, 1H), 1.89-1.78 (m, 3H), 1.68-1.52 (m, 2H)
13C NMR (100 MHz, CD3OD): δ 153.9, 149.9, 149.3, 144.0, 134.5, 128.8, 125.5, 123.0, 121.6 (q, JC-F=322.0 Hz), 119.2, 116.3, 74.6, 63.2, 58.6, 45.0, 42.1, 30.4, 29.5, 24.5
【0130】
次に、磁気攪拌子及び炭酸セシウム(122.2mg、0.375mmol、1.5equiv.)を収容した20mLのガラス反応容器(J.Young(登録商標) O−ring tap装備)を、減圧条件下、ヒートガンにより乾燥した後、室温まで冷却して容器内にアルゴンガスを封入した。次いで、キニントリフラート(165.9mg、0.375mmol、1.5equiv.)を添加し、反応容器をアルゴン雰囲気にあるグローブボックス内に載置した。
その後、反応容器に、Ni(cod)(7.0mg、0.025mmol、10mol%)、及び、1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン(20.8mg、0.05mmol、20mol%)を添加した。そして、反応容器をグローブボックスから取り出し、アルゴンガス気流中、ベンゾオキサゾール(29.8mg、0.25mmol、1.0equiv.)及び1,4−ジオキサン(1.0mL)を添加した。次いで、反応容器を、O−ring tapで密封して、攪拌下、反応槽内にて、120℃で、24時間反応させた。その後、反応液を室温まで冷却し、シリカゲルを短く積んだカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル)に供した。濾液を濃縮し、残渣を薄層クロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム/メタノール=10/1、Rf0.17)、及び、逆相高速液体クロマトグラフィー(展開溶媒:水・アセトニトリル−グラジエント)に、順次、供して、下記に示されるベンゾオキサゾール−2−イルキニン(白色固体、43.9mg)を得た。収率は43%であった。
【0131】
【化51】
【0132】
ベンゾオキサゾール−2−イルキニンの分析結果は、以下の通りである。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.55 (s, 1H), 8.28 (d, 1H, J=4.4 Hz), 8.08 (dd, 1H, J=8.8, 1.2 Hz), 7.93 (d, 1H, J=8.8 Hz), 7.72-7.65 (m, 1H), 7.64-7.57 (m, 1H), 7.44 (d, 1H, J=4.4 Hz), 7.42-7.35 (m, 2H), 5.82 (d, 1H, J=2.8 Hz), 5.72-5.61 (m, 1H), 4.96-4.82 (m, 2H), 3.73-3.58 (m, 1H), 3.13 (dd, 1H, J=14.0, 10.4 Hz), 3.04-2.94 (m, 1H), 2.82-2.68 (m, 1H), 2.60 (dd, 1H, J=14.0, 3.2 Hz), 2.30 (br, 1H), 2.00-1.85 (m, 2H), 1.85-1.79 (m, 1H), 1.62-1.49 (m, 1H), 1.48-1.38 (m, 1H)
13C NMR (100 MHz, CDCl3): δ 161.9, 151.3, 150.7, 150.6, 148.7, 141.4, 141.3, 130.7, 126.4, 125.5, 124.9, 124.8, 123.9, 122.8, 119.8, 118.8, 114.4, 110.9, 70.5, 60.7, 56.4, 42.9, 39.6, 27.9, 27.1, 20.4
HRMS (DART) m/z calcd for C26H26N3O2 [MH]+: 412.2025 found 412.2025
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明の製造方法によれば、上記反応スキームに示すように、一般式(2)における*印の炭素原子と、一般式(3)における*印の炭素原子とが結合した化合物が得られるので、ヘテロ芳香族化合物及びフェノール誘導体の選択性が広く、目的の構造を有する化合物を、安価で且つ効率よく得ることができる。従って、ヘテロ芳香族化合物及びフェノール誘導体における置換基を所望の原子又は官能基とすることにより、目的の構造を有する化合物、例えば、生物活性化合物、医薬品(ステロイド骨格、アルカロイド骨格を有する化合物等)、有機電子材料等又はその中間体を容易に製造することができる。