(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5671768
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】携帯端末、携帯端末の制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/2145 20140101AFI20150129BHJP
A63F 13/422 20140101ALI20150129BHJP
A63F 13/211 20140101ALI20150129BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20150129BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20150129BHJP
【FI】
A63F13/2145
A63F13/422
A63F13/211
A63F13/45
G06F3/048 654A
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-12983(P2014-12983)
(22)【出願日】2014年1月28日
【審査請求日】2014年8月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】310021168
【氏名又は名称】ネイロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166545
【弁理士】
【氏名又は名称】折坂 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】平井 武史
【審査官】
坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−232549(JP,A)
【文献】
特開2012−083809(JP,A)
【文献】
特開2012−253716(JP,A)
【文献】
逆転裁判123HD,アプリFan,株式会社コスミック出版,2013年 8月10日,第1巻第4号,p.116-118
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00−13/98
A63F 9/24
G06F 3/00− 3/0489
G09G 5/00− 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームに使用される携帯端末であって、
縦長で矩形状の筐体と、
前記筐体に設けられ前記ゲームの表示を行う表示部と、
前記携帯端末の向きを検出する検出部と、
前記検出部で検出される前記携帯端末の向きに応じて、前記ゲームの操作モードを切り替える制御部と、
を備え、
前記携帯端末は、前記筐体の向きが縦向きでも横向きでも操作可能であり、
前記制御部は、
前記検出部で検出される前記携帯端末の向きに応じて、前記ゲームを自動又は半自動で操作させる第1の操作モードと、前記ゲームを手動で操作させる第2の操作モードとを切り替え、
前記携帯端末が縦向きの場合、前記第1の操作モードとし、前記携帯端末が横向きの場合、前記第2の操作モードとすることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記検出部の機能を有効とする操作を受け付ける操作ボタンをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記操作ボタンは、前記表示部に表示されることを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
ゲームに使用される携帯端末の制御方法であって、
前記携帯端末は、縦長で矩形状の筐体、及び前記筐体に設けられ前記ゲームの表示を行う表示部を備え、
前記携帯端末の向きを検出するステップと、
検出される前記携帯端末の向きに応じて、前記ゲームの操作モードを切り替えるステップと、
を有し、
前記操作モードを切り替えるステップは、
検出される前記携帯端末の向きに応じて、前記ゲームを自動又は半自動で操作させる第1の操作モードと、前記ゲームを手動で操作させる第2の操作モードとを切り替え、
前記携帯端末が縦向きの場合、前記第1の操作モードとし、前記携帯端末が横向きの場合、前記第2の操作モードとすることを特徴とする携帯端末の制御方法。
【請求項5】
前記携帯端末の向きを検出する機能を有効とする操作を受け付けるステップをさらに有し、
前記携帯端末の向きを検出する機能を有効とする操作を受け付けた場合に、前記第1,第2の操作モードを切り替えることを特徴とする請求項4に記載の携帯端末の制御方法。
【請求項6】
ゲームに使用される携帯端末によって実行されるプログラムであって、
前記携帯端末は、縦長で矩形状の筐体、及び前記筐体に設けられ前記ゲームの表示を行う表示部を備え、
前記携帯端末を、
前記携帯端末の向きを検出する検出部、
前記検出部で検出される前記携帯端末の向きに応じて、前記ゲームの操作モードを切り替える制御部、
として動作させ、
前記制御部は、
前記検出部で検出される前記携帯端末の向きに応じて、前記ゲームを自動又は半自動で操作させる第1の操作モードと、前記ゲームを手動で操作させる第2の操作モードとを切り替え、
前記携帯端末が縦向きの場合、前記第1の操作モードとし、前記携帯端末が横向きの場合、前記第2の操作モードとすることを特徴とするプログラム。
【請求項7】
前記携帯端末を、
前記検出部の機能を有効とする操作を受け付ける操作受付部として動作させることを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームに使用される携帯端末、携帯端末の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートホンやタブレットといった携帯端末が普及している。これら携帯端末では、ゲームなどをダウンロードすることが可能である。また、携帯型のゲーム端末も種々のものが普及している。このため、屋内だけでなく、外出先でもゲームを楽しむ人が増えている。
【0003】
しかしながら、従来の携帯端末では、携帯端末を横向きにした状態で、左手で十字キーを操作し、右手で押下げボタンを操作するなど、両手での操作を前提としている。このため、例えば、電車内において鞄を持っていたり、つり革につかまっていたりと、一方の手が塞がっている場合にはゲームを楽しむことができない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−083809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の事情に対処してなされたものであり、片手が使えない状況でもゲームを楽しむことができる携帯端末、携帯端末の制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明は、ゲームに使用される携帯端末であって、携帯端末の向きを検出する検出部と、検出部で検出される携帯端末の向きに応じて、ゲームの操作モードを切り替える制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように、本発明によれば、携帯端末の向きを検出する検出部及び検出部で検出される携帯端末の向きに応じて、ゲームの操作モードを切り替える制御部を備えているので、片手しか使えない状況でもゲームを楽しむことができ、ユーザの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3A】実施形態に係る携帯端末の表示例(縦向き)を示す図。
【
図3B】実施形態に係る携帯端末の表示例(横向き)を示す図。
【
図4】実施形態に係る携帯端末の動作を示すフローチャート図。
【
図5】その他の実施形態に係る携帯端末の動作を示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
(実施形態)
図1は、実施形態に係る携帯端末100の外観図である。携帯端末100は、例えば、スマートホン、タブレットPC、ゲーム端末などの携帯端末である。なお、
図1には、実施形態に係る携帯端末100としてスマートホンを図示している。以下、スマートホンを例として実施形態に係る携帯端末100について説明するが、本発明は、スマートホン以外の携帯端末にも適用可能である。
【0011】
図1に示すように、携帯端末100は、縦長・矩形状の筐体110に表示装置120及び操作ボタン120が設けられている。筐体110は、樹脂や金属などの材質で構成される。表示装置120は、縦長・矩形状であり、液晶パネルなどの表示装置とタッチパッドなどの位置入力装置とを組み合わせたいわゆるタッチパネルである。表示装置120は、縦長の矩形状であり、携帯端末100の操作に必要なアイコンなどが表示される。ユーザは、表示装置120にタッチすることで携帯端末100の操作が可能である。操作ボタン130は、電源のON/OFFなどユーザの操作入力を受け付ける。
【0012】
図2は、携帯端末100の内部構成図である。携帯端末100の筐体110内には、アンテナ101、送受信部102、制御部103、記憶部104、検出部105、スピーカ106、マイク107、撮像部108、電源109などスマートホンとして機能するために必要な構成が収容されている。
【0013】
送受信部102は、アンテナ101で受信した信号(以下、データ)を必要に応じて逆符号化した後、制御部103に出力する。また、送受信部102は、制御部103から入力されるデータを必要に応じて符号化した後、アンテナ101を介して送信する。
【0014】
制御部103は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサであり、操作ボタン130及び表示120から入力される指示信号に応じて携帯端末100全体を制御する。また、制御部103は、アンテナ101を介して送受信部102で受信したデータを記憶部104に記憶する。さらに、制御部103は、アンテナ101を介して送受信部102で受信したデータが音声データである場合、スピーカ106に出力する。なお、制御部103による携帯端末100の操作モードの切り替えについては後述する。
【0015】
記憶部104は、例えば、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disk Drive)など、書き換え可能な記憶装置である。記憶部104は、制御部103からの指示に応じて、データの記憶や読み出しを実行する。また、記憶部104には、携帯端末100の動作に必要なプログラム、プリインストールやダウンロードされたゲームプログラムなどが記憶されている。また、記憶部104には、携帯端末100の操作モード(第1,第2の操作モード)が記憶されている。
【0016】
(第1の操作モード)
第1の操作モードは、ゲームを自動又は半自動(以下、自動及び半自動を総称して「自動」という)で操作させるためのモードである。第1の操作モードは、例えば、電車内において鞄を持っていたり、つり革につかまっていたりと、一方の手が塞がっている場合に使用されるモードである。携帯端末100が縦向きである場合、携帯端末100は、この第1の操作モードに設定される。
図3Aは、第1のモード、つまり携帯端末100を縦向きにした場合の表示例を示した図である。なお、参考のために垂直方向及び水平方向を
図3Aに示した。
【0017】
この第1の操作モードでは、ユーザは、表示装置120をタッチ(タップ)して表示装置120上の位置を指定したり、表示装置120をフリックする操作によりゲームをプレイしたりすることができる。例えば、RPG(Role Playing Game)をプレイする場合、ゲームのキャラクタは、ユーザにより指定された位置まで移動し、状況に応じた動作を自動で行う。具体的には、ユーザの指定位置に他のキャラクタが存在する場合、他のキャラクタと自動的に会話や戦闘を開始する。また、戦闘開始後も自動で戦闘が継続される。さらに、指定位置にアイテム(隠しアイテムを含む)が存在する場合、アイテムを自動的に取得する。また、表示装置120をフリックした場合、ゲームの視点(仮想空間内でのカメラの向き)が変更される。
【0018】
(第2の操作モード)
第2の操作モードは、ゲームを手動で操作させるためのモードである。第2の操作モードは、両手が使用できる場合に使用されるモードである。携帯端末100が横向きである場合、携帯端末100は、この第2の操作モードに設定される。
図3Bは、第2のモード、つまり携帯端末100を横向きにした場合の表示例を示した図である。なお、参考のために垂直方向及び水平方向を
図3Bに示した。
【0019】
この第2の操作モードでは、ユーザは、表示装置120に表示される操作キーを両手で操作してゲームをプレイすることができる。例えば、RPGをプレイする場合、ユーザは、左手で十字キーなどを操作してゲームのキャラクタを移動させ、右手でゲームの視点(仮想空間内でのカメラの向き)や、状況に応じた動作をキャラクタに実行させることができる。例えば、敵キャラクタが表示されている場合、ユーザは、左手でキャラクタを敵キャラクタの位置まで移動させ、右手でゲームの視点を変えつつ、話す、戦闘を開始するといった操作を行う。
【0020】
検出部105は、例えば、加速度センサやジャイロスコープである。検出部105は、携帯端末100が動く際の物理量(加速度や角速度)の変位から携帯端末100が垂直方向又は水平方向に対してどの程度傾いているかを計測する。検出部105は、計測した傾きから携帯端末100の向きを検出して制御部103へ入力する。なお、検出器105で、傾きだけを計測し、制御部103が、検出部105で計測された傾きに基づいて携帯端末100の向きを検出するようにしてもよい。
【0021】
スピーカ106は、入力される信号を音声に変換して出力する。マイク107は、入力される音(音声を含む)を電気信号に変換して出力する。
【0022】
撮像部108は、例えば、COMS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどの固体撮像素子である。撮像部108は、入射光を電気信号に変換して出力する。
【0023】
電源109は、筐体110に収容されている電子部品(例えば、送受信部102、制御部103、記憶部104、検出部105、スピーカ106、マイク107、撮像部108など)に電力を供給する。
【0024】
図4は、携帯端末100の動作を示すフローチャート図である。以下、携帯端末100の動作を
図2〜
図4を参照して説明する。
【0025】
検出器105は、携帯端末100の傾きから、携帯端末100が縦向きであるか横向きであるかを検出する(ステップS101)。制御部103は、検出器105で検出された携帯端末100の向きに応じて、第1の操作モードと第2の操作モードとを切替える(ステップS102)。
【0026】
具体的には、検出された携帯端末100の向きが縦向きである場合(
図3Aの状態)、制御部103は、携帯端末100の操作モードを第1の操作モードに設定する。検出された携帯端末100の向きが横向きである場合(
図3Bの状態)、制御部103は、携帯端末100の操作モードを第2の操作モードに設定する。
【0027】
次に、制御部103は、携帯端末100の動作が終了したかどうかを判定する(ステップS103)。携帯端末100の動作が終了していない場合(ステップS103のNo)、制御部103は、ステップS101の動作へと戻る。また、携帯端末100の動作が終了している場合(ステップS103のYes)、制御部103は、その動作を終了する。
【0028】
以上のように、本実施形態に係る携帯端末100は、携帯端末100の向きを検出し、検出した携帯端末100の向きが縦向きである場合、ゲームを自動又は半自動で操作させる第1の操作モードに切り替え、検出した携帯端末100の向きが横向きである場合、ゲームを手動で操作させる第2の操作モードに切り替えている。このため、片手が使えない状況でもゲームを楽しむことができ、ユーザの利便性が向上する。
【0029】
(その他の実施形態)
上記実施形態で説明した携帯端末100に、検出部105の機能を有効とする操作ボタンを設けた構成としてもよい。この操作ボタンは、携帯端末100の筐体110に設けてもよいし、表示装置120に表示するようにしてもよい。
【0030】
その他の実施形態では、上記操作ボタンを押しながら、つまり、検出部105の機能を有効とする操作が受け付けられた状態で携帯端末100の向きを変えた場合にのみ、制御部103は、第1の操作モードと第2の操作モードとを切り替える。
【0031】
図5は、その他の実施形態に係る携帯端末100の動作を示すフローチャート図である。以下、その他の実施形態に係る携帯端末100の動作を
図2、
図3及び
図5を参照して説明する。
【0032】
検出器105は、携帯端末100の傾きから、携帯端末100が縦向きであるか横向きであるかを検出する(ステップS201)。次に、制御部103は、検出部105の機能を有効とする操作が受け付けられた状態で、携帯端末100の向きの変化が検出されたかどうか判定する(ステップS202)。
【0033】
検出部105の機能を有効とする操作が受け付けられた状態であった場合(ステップS202のYes)、制御部103は、検出器105で検出された携帯端末100の向きに応じて、第1の操作モードと第2の操作モードとを切替える(ステップS203)。切り替え有効操作が受け付けられた状態でなかった場合(ステップS202のNo)、制御部103は、第1の操作モードと第2の操作モードとの切り替えを行わずにステップS201の動作へ戻る。
【0034】
次に、制御部103は、携帯端末100の動作が終了したかどうかを判定する(ステップS204)。携帯端末100の動作が終了していない場合(ステップS204のNo)、制御部103は、ステップS201の動作へと戻る。また、携帯端末100の動作が終了している場合(ステップS204のYes)、制御部103は、その動作を終了する。
【0035】
以上のように、その他の実施形態では、検出部105の機能を有効とする操作ボタンを設けた構成としているので、必要な場合にだけ携帯端末100の操作モードを切り替えることができる。例えば、ユーザが寝転んだ状態でゲームを楽しむ場合など、両手での操作が可能であるにもかかわらず、携帯端末100が縦向きとなってしまいユーザの意図に反して携帯端末100の操作モードが切り替わってしまうことを抑制することができる。このため、ユーザの利便性がより向上する。
【符号の説明】
【0036】
100…携帯端末、101…アンテナ、102…送受信部、103…制御部、104…記憶部、105…検出部、106…スピーカ、107…マイク、108…撮像部、109…電源。
【要約】
【課題】片手しか使えない状況でもゲームを楽しむことができる携帯端末、携帯端末の制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る携帯端末は、ゲームに使用される携帯端末であって、携帯端末の向きを検出する検出部と、検出部で検出される携帯端末の向きに応じて、ゲームの操作モードを切り替える制御部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1