特許第5671776号(P5671776)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5671776
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】光学ガラス
(51)【国際特許分類】
   C03C 3/068 20060101AFI20150129BHJP
   C03C 3/15 20060101ALI20150129BHJP
   C03C 3/155 20060101ALI20150129BHJP
   G02B 1/00 20060101ALI20150129BHJP
【FI】
   C03C3/068
   C03C3/15
   C03C3/155
   G02B1/00
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2008-43740(P2008-43740)
(22)【出願日】2008年2月26日
(65)【公開番号】特開2009-203083(P2009-203083A)
(43)【公開日】2009年9月10日
【審査請求日】2011年1月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】俣野 高宏
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 史雄
【審査官】 大工原 大二
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−038342(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0040422(US,A1)
【文献】 特開2004−161506(JP,A)
【文献】 特開2008−019103(JP,A)
【文献】 特開2001−348244(JP,A)
【文献】 特開2002−128539(JP,A)
【文献】 特開2003−252647(JP,A)
【文献】 特開2009−167079(JP,A)
【文献】 特開2006−137662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 1/00−14/00
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈折率ndが1.8412以上、液相温度が1200℃以下、かつ、420nmにおける内部透過率が96.5%以上である光学ガラスであって、組成において、質量%で、Nb25、WO3、TiO2、GeO2、TeO2、Bi23の含有量が各々1%未満、La23の含有量が25〜41%、Gd23の含有量が20%以下、B23の含有量が4〜20%、Yb23の含有量が2%以下、Ta25の含有量が0〜24.7%、SiO2+B23が12〜22%であることを特徴とする光学ガラス。
【請求項2】
屈折率ndが1.8412以上、液相温度が1200℃以下、かつ、透過率吸収端の波長が300nm以下である光学ガラスであって、組成において、質量%で、Nb25、WO3、TiO2、GeO2、TeO2、Bi23の含有量が各々1%未満、La23の含有量が25〜41%、Gd23の含有量が20%以下、B23の含有量が4〜20%、Yb23の含有量が2%以下、Ta25の含有量が0〜24.7%、SiO2+B23が12〜22%であることを特徴とする光学ガラス。
【請求項3】
屈折率ndが1.8412以上、液相温度が1200℃以下、かつ、透過率75%となる波長λT75が387nm以下である光学ガラスであって、組成において、質量%で、Nb25、WO3、TiO2、GeO2、TeO2、Bi23の含有量が各々1%未満、La23の含有量が25〜41%、Gd23の含有量が20%以下、B23の含有量が4〜20%、Yb23の含有量が2%以下、Ta25の含有量が0〜24.7%、SiO2+B23が12〜22%であることを特徴とする光学ガラス。
【請求項4】
質量%で、Nb25+WO3+TiO2+GeO2+TeO2+Bi23が1%未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項5】
透過率70%となる波長λT70が370nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項6】
透過率5%となる波長λT5が315nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項7】
アッベ数νdが36以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項8】
組成において、Fe23の含有量が20ppm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項9】
組成において、必須成分としてSb23を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項10】
組成において、必須成分としてB23、La23を含有し、ZnO、ZrO2、Gd23、Ta25からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、かつ、鉛成分、砒素成分、F成分を実質的に含有しないことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項11】
組成において、質量%で、SiO2 0〜16%、B23 4〜20%、ZnO 0〜40%、ZrO2 0〜10%、La23 25〜41%、Gd23 0〜20%、Ta25 0〜24.7%を含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項12】
ガラス転移点が650℃以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の光学ガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学ガラスに関するものである。詳細には、精密加工を施した金型によって加圧成形することにより、高性能な各種光学レンズを作製することができるモールドプレス成形用光学ガラスや、機械加工や加熱による表面流動により作製されてなるガラスレンズ等の光学ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
光学ガラスは、CD、MD、DVD、その他各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズやビデオカメラや一般のカメラの撮影用レンズ、光通信分野等における集光レンズなどの種々の用途に使用されている。これらの光学ガラスは、一般に、モールドプレス成形、機械加工、加熱による表面流動などの方法により製造される。
【0003】
例えば、モールドプレス成形法による製造は以下のようにして行われる。
【0004】
まず、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して、液滴状ガラスを作製し(液滴成形)、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを作製する。または、溶融ガラスを急冷鋳造し、一旦、ガラスインゴットを作製し、研削、研磨、洗浄してプリフォームガラスを作製する。続いて、プリフォームガラスを加熱して軟化し、精密加工を施した金型によって加圧成形し、金型の表面形状をガラスに転写してレンズを作製する。
【0005】
モールドプレス成形法を採用する場合、金型の劣化を抑制してレンズを精密にモールドプレス成形するために、できるだけ低いガラス転移温度Tg(少なくとも650℃以下)を有するガラスが求められており、種々のガラスが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0006】
ところで、プリフォームガラスを作製する際に失透物が生じると、モールドプレスレンズとしての基本性能が得られないことから、耐失透性に優れたガラスであることが重要である。また、環境問題への意識の高まりから、ガラス成分に鉛等の有害な物質を使用しないことが望まれている。
【0007】
さらに、近年では、各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズや撮影用レンズといった光学レンズには、コスト削減を目的として、レンズを薄くしたりレンズの枚数を少なくしたりすることが検討されており、これを実現するために高屈折率で低分散(アッベ数の大きい)、または、高屈折率で高分散(アッベ数の小さい)のガラス材質が求められている。また、高機能な撮像レンズでは大径化されたプレスレンズが用いられ、透過率の高いガラス材料が求められる。また、光通信分野等でも、集光レンズとして高屈折率を有するガラス材料が求められている。
【特許文献1】特開2003−267748号公報
【特許文献2】特開2003−248897号公報
【特許文献3】特開2006−16295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一般に、高屈折率の光学ガラスを作製するためには、La23、Gd23、Ta25等の屈折率向上に寄与する成分を多量に含有させる必要がある。しかしながら、これらの成分を多量に含有させると、ガラスの耐失透性が悪化する傾向にある。また、これらの成分にはガラスの透過率を低下させるものがある。ガラスの透過率低下による問題は、特に大径レンズに使用する際に顕著である。
【0009】
そこで、本発明は、高屈折率であり、かつ、紫外〜可視域で紫外域により広範囲に高い透過率を有する光学ガラスを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は種々の検討を行った結果、光学ガラスに含まれる高屈折率化に寄与する成分を適切な割合以下に抑制することによって上記課題が解決できることを見出し、本発明として提案するものである。
【0011】
即ち、本発明の光学ガラスは、屈折率ndが1.8412以上、液相温度が1200℃以下、かつ、420nmにおける内部透過率が96.5%以上である光学ガラスであって、組成において、質量%で、Nb25、WO3、TiO2、GeO2、TeO2、Bi23の含有量が各々1%未満、La23の含有量が25〜41%、Gd23の含有量が20%以下、B23の含有量が4〜20%、Yb23の含有量が2%以下、Ta25の含有量が0〜24.7%、SiO2+B23が12〜22%であることを特徴とする。
【0012】
Nb25、WO3、TiO2、GeO2、TeO2、Bi23は、ガラスの高屈折率化に寄与する成分であるが、ガラスの透過率低下の原因となる。具体的には、その成分自体が着色するものや、ガラス中に含まれる不純物の着色を助長するものがある。多量に含有させると本発明の課題の解決を困難にするため、その使用は最小限に留める必要がある。本発明においては、これらの成分の含有量を各々1%未満に限定したことにより、ガラスの透過率を向上させることが可能となった。また、例えば、プリフォーム成形時に透明性を阻害する失透物が生じにくく、モールドプレスレンズとしての使用にも問題が生じない。
【0013】
特に、本発明の光学ガラスは、420nmにおける内部透過率を96.5%以上に規制したため、短波長可視領域付近の透過率が良好であり、高機能な撮像レンズに用いられる大径プレスレンズなどの材料として好適である。なお、「内部透過率」とは、試料の入射側および出射側における表面反射損失を除いた透過率をいう。本発明において「内部透過率」とは、厚さ10mmでの内部透過率を指し、具体的には、厚さ5mmおよび10mmのそれぞれの表面反射損失を含む透過率の測定値から算出される。
【0014】
本発明の光学ガラスは、別の形態として、屈折率ndが1.8412以上、液相温度が1200℃以下、かつ、透過率吸収端の波長が300nm以下であって、組成において、質量%で、Nb25、WO3、TiO2、GeO2、TeO2、Bi23の含有量が各々1%未満、La23の含有量が25〜41%、Gd23の含有量が20%以下、B23の含有量が4〜20%、Yb23の含有量が2%以下、Ta25の含有量が0〜24.7%、SiO2+B23が12〜22%であることを特徴とする。
【0015】
既述のように、Nb25、WO3、TiO2、GeO2、TeO2、Bi23は、ガラスの高屈折率化に寄与する成分であるが、ガラスの透過率低下の原因となるため、本発明では、これらの成分の含有量を各々1%未満に限定したことにより、ガラスの透過率を向上させることが可能となった。また、例えば、プリフォーム成形時に透明性を阻害する失透物が生じにくく、モールドプレスレンズとしての使用にも問題が生じない。
【0016】
特に、本発明の光学ガラスは、透過率吸収端の波長が300nm以下という低波長域に規制したため、短波長可視領域付近の透過率を高くすることが可能である。そのため、高機能な撮像レンズに用いられる大径プレスレンズなどの材料として好適である。なお、「透過率吸収端の波長」とは、厚さ10mmでの透過率曲線において、透過率が0.5%になる波長をいう。透過率吸収端を透過率が0.5%になる波長で評価する理由は、0%付近ではピークがブロードになっているため、ばらつきが大きいためである。
【0017】
本発明の光学ガラスは、さらに別の形態として、屈折率ndが1.8412以上、液相温度が1200℃以下、かつ、透過率75%となる波長λT75が387nm以下であって、組成において、質量%で、Nb25、WO3、TiO2、GeO2、TeO2、Bi23の含有量が各々1%未満、La23の含有量が25〜41%、Gd23の含有量が20%以下、B23の含有量が4〜20%、Yb23の含有量が2%以下、Ta25の含有量が0〜24.7%、SiO2+B23が12〜22%であることを特徴とする。
【0018】
既述のように、Nb25、WO3、TiO2、GeO2、TeO2、Bi23は、ガラスの高屈折率化に寄与する成分であるが、ガラスの透過率低下の原因となるため、本発明では、これらの成分の含有量を各々1%未満に限定したことにより、ガラスの透過率を向上させることが可能となった。また、例えば、プリフォーム成形時に透明性を阻害する失透物が生じにくく、モールドプレスレンズとしての使用にも問題が生じない。
【0019】
特に、本発明の光学ガラスは、透過率75%となる波長λT75が387nm以下であり、短波長可視領域付近の透過率を高くすることが可能である。そのため、高機能な撮像レンズに用いられる大径プレスレンズなどの材料として好適である。なお、本発明において、透過率a%となる波長λTa(以下、「着色度λTa」ともいう)は日本光学硝子工業会規格(JOGIS)に準じて測定したものをいう。具体的には、厚さ10mmでの透過率曲線において、透過率がa%となる波長をいう
【0020】
本発明の光学ガラスは、質量%で、Nb25+WO3+TiO2+GeO2+TeO2+Bi23が1%未満であることが好ましい。ここで、「Nb25+WO3+TiO2+GeO2+TeO2+Bi23」とは、Nb25、WO3、TiO2、GeO2、TeO2、Bi23の合量を意味する。
【0021】
本発明の光学ガラスは、透過率70%となる波長λT70が370nm以下であることが好ましい。
【0022】
本発明の光学ガラスは、透過率5%となる波長λT5が315nm以下であることが好ましい。
【0023】
本発明の光学ガラスは、アッベ数νdが36以上であることが好ましい。
【0024】
本発明の光学ガラスは、組成において、Fe23の含有量が20ppm以下であることが好ましい。
【0025】
Fe23はガラス中に不純物として含まれる着色成分であり、ガラスの透過率低下の原因となる。したがって、Fe23を多量に含有すると本発明の課題の解決が困難になるため、その含有量は最小限に留めることが好ましい。
【0026】
本発明の光学ガラスは、組成において、Sb23を含有することが好ましい。
【0027】
Sb23はFe23による着色を抑制する効果がある。また、同時に清澄剤としての効果も得られる。
【0028】
また、本発明の光学ガラスは、組成において、必須成分としてB23、La23を含有し、ZnO、ZrO2、Gd23、Ta25からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、かつ、鉛成分、砒素成分、F成分を実質的に含有しないことが好ましい。
【0029】
本発明の光学ガラスは、鉛成分、砒素成分、F成分を実質的に含有しないため環境上好ましいガラスである。なお、本発明において「実質的に含有しない」とは、意図的にガラス中に添加しないという意味であり、不可避的不純物まで完全に排除するということを意味するものではない。より客観的には、不純物を含めた含有量が0.1質量%以下であることを意味する。
【0030】
本発明の光学ガラスは、組成において、質量%で、SiO2 0〜16%、B23 4〜20%、ZnO 0〜40%、ZrO2 0〜10%、La23 25〜41%、Gd23 0〜20%、Ta25 0〜24.7%を含有することが好ましい。本発明における「含有する」という用語に関し、「0〜」と規定された成分については、「0%」、即ち全く含まない場合もあり得ることを意味している。
【0031】
また、本発明の光学ガラスは、ガラス転移点が650℃以下であることが好ましい。
【0032】
例えば、モールドプレス成形用光学ガラスでは、ガラス転移温度が低いと低温でプレス成形が可能になるため、金型の酸化やガラス成分の揮発による金型の汚染、さらには、ガラスと金型との融着を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の光学ガラスは、特定の屈折率および透過率吸収端波長を有し、組成において、Nb25、WO3、TiO2、GeO2、TeO2、Bi23の各含有量を特定量に限定してなることを特徴とする。
【0034】
本発明では、屈折率ndが1.8412以上である光学ガラスを得ることを目的としているが、好ましくは1.85以上である。
【0035】
また、アッベ数νdは36以上、好ましくは38以上、より好ましくは40以上、さらに好ましくは41以上である。
【0036】
本発明の光学ガラスは、420nmにおける内部透過率が96.5%以上、好ましくは96.7以上である。420nmにおける内部透過率が96.5%未満であると、短波長可視領域付近の透過率に劣り、特に、高機能な撮像レンズに用いられる大径プレスレンズ等として使用することが困難となる。
【0037】
また、本発明の光学ガラスは、400nmにおける内部透過率が95%以上、好ましくは95.2以上である。400nmにおける内部透過率が95%未満であると、短波長可視領域付近の透過率に劣り、特に、高機能な撮像レンズに用いられる大径プレスレンズ等として使用することが困難となる。
【0038】
本発明の光学ガラスは、透過率吸収端の波長が300nm以下、好ましくは295nm以下、より好ましくは290nm以下である。透過率吸収端の波長が300nmを超えると、短波長可視領域付近の透過率に劣り、特に、高機能な撮像レンズに用いられる大径プレスレンズ等として使用することが困難となる。
【0039】
本発明の光学ガラスは、透過率75%となる波長λT75が387nm以下、好ましくは385nm以下、より好ましくは380nm以下である。λT75が387nmを超えると、短波長可視領域付近の透過率に劣り、特に、高機能な撮像レンズに用いられる大径プレスレンズ等として使用することが困難となる。
【0040】
本発明の光学ガラスは、透過率70%となる波長λT70が370nm以下、好ましくは365nm以下、より好ましくは360nm以下、さらに好ましくは355nm以下である。λT70が370nmを超えると、短波長可視領域付近の透過率に劣り、特に、高機能な撮像レンズに用いられる大径プレスレンズ等として使用することが困難となる。
【0041】
本発明の光学ガラスは、透過率5%となる波長λT5が315nm以下、好ましくは315nm以下、より好ましくは305nm以下、さらに好ましくは300nm以下である。λT5が315nmを超えると、短波長可視領域付近の透過率に劣り、特に、高機能な撮像レンズに用いられる大径プレスレンズ等として使用することが困難となる。
【0042】
本発明の光学ガラスは、組成において、Nb25、WO3、TiO2、GeO2、TeO2、Bi23の含有量は、質量%で各々1%未満に限定される。このように限定した理由は以下の通りである。
【0043】
Nb25はガラスの屈折率を高める効果が大きい成分である。また、Ta25を多量に含有するガラスにおいては、耐失透性(La23、Ta25およびB23で形成される失透物の抑制)を向上させる働きがある。しかしながら、少量の添加でアッベ数を著しく低下させてしまう。また、紫外域での吸収が大きく、かつ、透過率曲線における吸収端を長波長側にシフトさせ短波長領域の透過率を低下させるため、390〜440nmでの透過率が下がり短波長用レンズとしての使用に支障をきたすおそれがある。したがって、Nb25の含有量は1%未満に制限され、好ましくは0.5%以下であり、より好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.1%以下であり、特に、着色をできるかぎり低くしたい場合には実質的に含有しないことが好ましい。
【0044】
WO3はガラスの屈折率を高める成分である。また、中間酸化物としてガラスの骨格を形成するため、耐失透性(B23およびLa23で形成される失透物の抑制)を向上させる効果もある。しかしながら、Nb25と同様に、透過率の吸収端を長波長側にシフトさせ、短波長領域の透過率を低下させる傾向がある。したがって、WO3の含有量は1%未満に制限され、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.1%以下であり、実質的に含有しないことが最も好ましい。
【0045】
TiO2はガラスの屈折率を高める成分である。また、耐失透性(B23およびLa23で形成される失透物の抑制)を向上させる効果もあるが、Nb25と同様に、紫外域での吸収が大きく、また吸収端を長波長側にシフトさせる傾向がある。したがって、TiO2の含有量は1%未満にする必要があり、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.1%以下であり、実質的に含有しないことが最も好ましい。
【0046】
GeO2はガラスの屈折率を高める成分である。また、耐失透性(B23およびLa23で形成される失透物の抑制)を向上させる効果もあるが、Nb25と同様に、紫外域での吸収が大きく、また吸収端を長波長側にシフトさせる傾向がある。したがって、GeO2の含有量は1%未満にする必要があり、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.1%以下であり、実質的に含有しないことが最も好ましい。
【0047】
TeO2はガラスの屈折率を高める成分である。Nb25と同様に、紫外域での吸収が大きく、また、吸収端を長波長側にシフトさせる傾向がある。したがって、TeO2の含有量は1%未満にする必要があり、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.1%以下であり、実質的に含有しないことが最も好ましい。
【0048】
Bi23はガラスの屈折率を高める成分である。Nb25と同様に、紫外域での吸収が大きく、また、吸収端を長波長側にシフトさせる傾向がある。したがって、Bi23の含有量は、1%未満にする必要があり、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.1%以下であり、実質的に含有しないことが最も好ましい。
【0049】
なお、ガラスの着色を抑制し透過率が向上させるために、Nb25+WO3+TiO2+GeO2+TeO2+Bi23を1%未満、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.1%以下とすればよく、これらの成分を実質的に含有しないことが特に好ましい。
【0050】
本発明の光学ガラスは、組成において、Fe23の含有量は20ppm以下、好ましくは10ppm以下、より好ましくは5ppm以下である。Fe23の含有量が20ppmを超えると、ガラスの透過率低下の原因となる。なお、下限値については特に限定されないが、一般的には、0.1ppm以上、さらには0.5ppm以上、特に1ppm以上である。
【0051】
本発明の光学ガラスは、組成において、必須成分としてSb23を含有することが好ましい。既述のように、Sb23はFe23による着色を抑制する効果があり、その効果を十分に得るために、Sb23の含有量は、質量%で0.01%以上であることが好ましく、0.1%以上であることがより好ましい。上限については特に限定されないが、多量に含有するとガラスの耐失透性が悪化する傾向にあるため、その含有量は2%以下、好ましくは1%以下である。
【0052】
特に、高屈折率ガラスを得るためには、必須成分としてB23、La23を含有し、ZnO、ZrO2、Gd23、Ta25からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0053】
具体的には、質量%で、SiO2 0〜21%、B23 4〜30%、ZnO 0〜40%、ZrO2 0〜10%、La23 15〜50%、Gd23 0〜40%、Ta25 0〜30%の組成を含有することが好ましい。
【0054】
以下に、各成分の含有量をこのように特定した理由を詳述する。
【0055】
SiO2はガラスの骨格を構成する成分であり、失透を抑制するとともに耐候性を向上させる効果がある。また、アッベ数を高める効果がある。SiO2の含有量は0〜21%、好ましくは1〜20%、より好ましくは3〜16%、さらに好ましくは3.5〜10%である。SiO2の含有量が多すぎると、ガラスの屈折率が低下したり軟化点が高くなったりする傾向がある。一方、SiO2の含有量が少なすぎると、ガラスが不安定になって耐失透性が悪化したり、分相が生じやすくなるとともに、耐酸性や耐水性等の耐候性が悪化しやすくなる。
【0056】
23はガラスの骨格を構成する成分であり、アッベ数を最も高める成分でもある。その含有量は4〜20%、好ましくは5〜20、より好ましくは7〜20%である。B23の含有量が多すぎると、ガラス成形時にB23とLa23で形成される失透物が生成しやすく、また、屈折率が低下するとともに耐候性が悪化する傾向がある。一方、B23の含有量が少なすぎると、高いアッベ数、具体的には40以上、特に41以上のアッベ数を有するガラスを得ることが困難となる。
【0057】
ZnOはガラスの屈折率を高める成分である。また、ガラス粘度を低下させることから、ガラス転移温度を低下させることができ、そのため、金型と融着しにくいガラスが得られやすくなる。また、多量に添加してもアッベ数を低下させにくい成分である。さらに、耐候性を向上させる効果もある。なお、アルカリ土類金属成分(MgO、CaO、SrO、BaO)に比べ失透傾向が強くないため、多量に含有させても均質なガラスが得られやすい。ZnOの含有量は0〜40%、好ましくは1〜35%、より好ましくは1〜30%、さらに好ましくは2〜20%である。ZnOの含有量が多すぎると、逆に耐候性が悪化する傾向がある。一方、ZnOの含有量が少なすぎると、ガラス転移温度の低いガラスが得られにくくなる。また、ガラスが金型と融着しやすくなる。
【0058】
ZrO2は屈折率を高める成分であるとともにアッベ数を低下させにくい成分である。また、中間酸化物としてガラスの骨格を形成するため、耐失透性(B23およびLa23で形成される失透物の抑制)を改善したり、化学的耐久性を向上させる効果もある。ZrO2の含有量は0〜10%、好ましくは2〜10%、より好ましくは3〜8%である。ZrO2の含有量が多すぎると、ガラス転移温度が上昇しプレス成形性が悪化すると同時に、ZrO2を主成分とする失透物が析出しやすくなる。
【0059】
La23はアッベ数を殆ど低下させることなく屈折率を高めることが可能な成分である。その含有量は25〜41%である。La23の含有量が少なすぎると、十分に高い屈折率が得られにくい傾向がある。一方、La23の含有量が多すぎると、ガラスの耐失透性が悪化し、例えば、ガラス成形時にB23とLa23で形成される失透物が生成しやすくなる。また、プレス成形時にもガラスが失透しやすくなる。
【0060】
Gd23はガラスの屈折率を高める成分である。また、耐失透性(B23およびLa23で形成される失透物の抑制)を向上させる効果があり、かつ、作業温度範囲を拡大させることができる成分でもある。さらに、金型と融着しにくいガラスが得られやすくなる。Gd23の含有量は0〜20、好ましくは5〜20%である。Gd23の含有量が多すぎると、ガラスの分相傾向が強くなり均質なガラスが得られにくくなる。また、B23とLa23を含有する組成系では、La23、B23およびGd23で形成される失透物が表面に析出(表面失透)しやすくなり、ガラスの液相温度が上昇する傾向がある。また、アッベ数が低下する傾向がある。ただし、Gd23は他のアッベ数を低下させる成分(例えば、Ta25、WO3、TiO2等)に比べると、アッベ数低下の度合いは低い。
【0061】
Ta25はガラスの屈折率、化学的耐久性と耐失透性(B23およびLa23で形成される失透物の抑制)を高める成分である。その含有量は0〜24.7%、好ましくは3〜24.7%、より好ましくは5〜22%である。Ta25の含有量が多すぎると、アッベ数が低下する傾向があり、所望の光学特性を得ることが困難となる。また、La23、Ta25およびB23で形成される失透物が析出して液相温度が上昇しやすくなる。さらに、コストも高くなる。なお、高いアッベ数を必要としない場合は、Ta25を多く含有させることにより1.80以上の屈折率ndを容易に得ることが可能になる。
【0062】
鉛成分(例えば、PbO)、砒素成分(例えば、As23)、F成分(例えば、F2)は、環境上の理由から、実質的なガラスへの導入は避けるべきである。それゆえ、本発明ではこれらの成分は実質的に含有しないことが好ましい。
【0063】
上記組成を有する本発明の光学ガラスにおいて、低分散、高屈折率のガラスを得るためには、SiO2とB23の合量を適切に調整することが好ましい。具体的には、これらの成分の合量は12〜22、好ましくは14〜22%である。これらの成分の合量が少なすぎると、低分散を維持することが難しくなり、多すぎると高屈折率のガラスが得られにくくなる。
【0064】
上記組成を有する本発明の光学ガラスにおいて、低分散の(アッベ数が高い)ガラス、特にアッベ数νdが36以上のガラスを得るためには、アッベ数を低下させる成分であるGd23、Ta25、WO3、TiO2の合量を制限すればよい。具体的には、これらの成分の合量は45%以下、好ましくは42%以下である。
【0065】
また本発明の光学ガラスは、上記成分以外にも種々の成分を添加可能である。例えば、Al23、CaO、BaO、SrO、Li2O、Na2O、K2O、Y23、Yb23、清澄剤等、本発明のガラスの特性を損なわない範囲で添加可能である。
【0066】
Al23はSiO2やB23とともにガラスの骨格を構成する成分である。また、耐候性を向上させる効果があり、特に、ガラス中の成分が水へ選択的に溶出することを抑制する効果が顕著である。その含有量は10%以下、好ましくは5%以下である。Al23の含有量が多すぎると、ガラスが失透しやすくなる。また、溶融性が悪化して脈理や泡がガラス中に残り、レンズ用ガラスとしての要求品位を満たさなくなる可能性がある。
【0067】
CaO、BaO、SrOといったアルカリ土類金属酸化物(RO)は融剤として作用するとともに、アッベ数を低下させずに屈折率を高める成分である。CaO、BaO、SrOの合量で1〜20%、好ましくは5〜10%である。ROの含有量が多くなりすぎると、プリフォームガラスの溶融および成形工程中に、B23およびLa23を主成分とする失透物が析出しやすくなる。その結果、液相温度が上がって作業範囲が狭くなり、量産化しにくくなる傾向がある。さらに、逆に耐候性が悪化しやすくなり、研磨洗浄水や各種洗浄溶液中へのガラス成分の溶出が増大したり、高温多湿状態でのガラス表面の変質(ガラス表面からのRO成分の析出)が顕著になる傾向がある。
【0068】
CaOはアッベ数を低下させることなく屈折率を高める成分である。CaOの含有量は0〜10%、好ましくは0〜5%である。
【0069】
BaOは屈折率を高める成分である。また、CaOに比べると高温多湿状態でのガラス表面からの析出量が少ない。BaOの含有量は20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
【0070】
SrOは屈折率を高める成分である。また、CaOに比べると高温多湿状態でのガラス表面からの析出量が少ない。したがって、SrOを積極的に含有することにより、耐候性に優れたガラスを得ることができる。その含有量は20%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
【0071】
なお、CaO、BaOおよびSrO以外にも、屈折率を高めるために、RO成分としてMgOを添加してもよい。MgOの含有量は10%以下、好ましくは5%以下である。MgOの含有量が多すぎると失透しやすくなる。
【0072】
Li2Oはガラスの軟化点を低下させるための成分として、例えば0.1%以上、好ましくは0.5%以上、より好ましくは1%以上含有することができる。Li2Oはアルカリ金属酸化物(R’2O)のなかでも最もガラスの軟化点を低下させる効果が大きい。しかし、Li2Oは分相性が強いため、その含有量が多いと、B23とLa23を主成分とする失透物が析出しやすく、液相温度が高くなって作業性を悪化させる傾向がある。また、Li2Oの含有量が多いと、プレス成形の際に発生する揮発物が増加したり、金型と融着しやすくなったりして、プレス成形が困難になる。したがって、その含有量は5%以下、好ましくは3%以下、より好ましくは1.5%以下に制限される。
【0073】
Na2Oは、Li2Oと同様に、ガラスの軟化点を低下させる効果を有する。しかしながら、その含有量が多いと、溶融時にB23とNa2Oで形成される揮発物が多くなり、脈理の生成を助長してしまう。また、B23とLa23を主成分とする失透物が析出しやすく、液相温度が高くなる傾向がある。さらに、プレス成形の際に発生する揮発物が増加したり、金型と融着しやすくなる傾向がある。このような観点から、Na2Oの含有量は10%以下、好ましくは5%以下である。
【0074】
2Oも、Li2O同様に、ガラスの軟化点を低下させる効果を有する。その含有量は0〜10%、好ましくは0〜5%である。K2Oの含有量が多くなると、耐候性が悪化する傾向がある。また、B23とLa23を主成分とする失透物が析出し、液相温度が高くなりやすい。さらに、プレス成形の際に発生する揮発物が増加したり、金型に融着しやすくなる傾向がある。
【0075】
23およびYb23はアッベ数を低下させることなく屈折率を高める成分である。そのため、La23との置換により耐失透性を改善することができる。また、適量添加することによって、B23−ZnO−La23系ガラスに起こりやすい分相を抑制する効果がある。Y23含有量は、15%以下、好ましくは8%以下、より好ましくは2%以下である。Yb23の含有量は、2%以下である。23やYb23が多すぎると耐失透性が悪化し、作業温度範囲が狭くなる傾向がある。また、ガラス中に脈理が発生しやすくなる。なお、十分な効果を得るため、Y23およびYb23は合量で1%以上含有することが好ましい。
【0076】
上記の組成範囲にあって、より好ましい組成範囲として、質量%で、SiO2 3〜16%、B23 7〜20%、ZnO 1〜30%、ZrO2 2〜10%、La23 25〜41%、Gd23 0〜20%、Ta25 3〜24.7%、Sb23 0.01〜2%、Nb25+WO3+TiO2+GeO2+TeO2+Bi23 0〜0.5%を含有し、かつ、鉛成分、砒素成分、F成分、Nb25を実質的に含有しないものが挙げられる。
【0077】
上記の組成範囲にあって、さらに好ましい組成範囲として、質量%で、SiO2 3.5〜10%、B23 7〜20%、ZnO 2〜20%、ZrO2 3〜8%、La23 25〜41%、Gd23 5〜20%、Ta25 3〜24.7%、Sb23 0.01〜2%、Nb25+WO3+TiO2+GeO2+TeO2+Bi23 0〜0.5%を含有し、かつ、鉛成分、砒素成分、F成分、Nb25を実質的に含有しないものが挙げられる。
【0078】
本発明の光学ガラスは、ガラス転移温度が650℃以下、好ましくは640℃以下、より好ましくは630℃以下である。ガラス転移温度が650℃を超えると、金型の酸化やガラス成分の揮発による金型の汚染等により金型が劣化しやすくなり、また、ガラスが金型と融着しやすくなる。
【0079】
次に、本発明の光学ガラスの製造方法の一例を述べる。
【0080】
まず、所望の組成になるようにガラス原料を調合した後、ガラス溶融炉中で溶融する。次に、溶融ガラスをノズルの先端から滴下して液滴状ガラスを作製することにより、本発明の光学ガラスを得ることができる。または、溶融ガラスを急冷鋳造して、一旦、ガラスブロックを作製し、研削、研磨、洗浄して本発明の光学ガラスを得ることができる。
【実施例】
【0081】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0082】
表1〜5は本発明の実施例(試料No.1〜3、5〜7、9、10、12、15、2226、28)および参考例(試料No.4、8、11、13、14、16〜21、27、29、30)、表6は比較例(試料No.31〜34)をそれぞれ示している。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
【表4】
【0087】
【表5】
【0088】
【表6】
【0089】
各試料は次のようにして調製した。
【0090】
まず、表に示す組成になるようにガラス原料を調合し、白金ルツボを用いて1300℃〜1450℃で3時間溶融した。溶融後、融液をカーボン板上に流し出し、更にアニール後、各測定に適したガラス試料を得た。ここで、各ガラス試料中のFe23含有量は2〜4ppmであった。
【0091】
得られた試料について、屈折率nd、アッベ数νd、ガラス転移温度Tg、液相温度を測定した。
【0092】
表から明らかなように、本発明の実施例および参考例であるNo.1〜30の各試料は、屈折率ndが1.80以上、アッベ数νdが36以上であった。
【0093】
なお、屈折率ndはヘリウムランプのd線(587.6nm)に対する測定値で示した。
【0094】
アッベ数νdは、上記したd線の屈折率と水素ランプのF線(486.1nm)、同じく水素ランプのC線(656.3nm)の屈折率の値を用い、νd=[(nd−1)/(nF−nC)]の式から算出した。
【0095】
ガラス転移温度Tgは熱膨張測定装置(dilato meter)にて測定される値によって評価した。
【0096】
液相温度は、電気炉で1350℃−18時間の条件でガラスを溶融後、温度勾配を有する電気炉で5分間保持した後、空気中で放冷し、光学顕微鏡で失透物の析出位置を求めることで測定した。液相温度が1200℃以下であれば、100.5以上の液相粘度を達成しやすく、液滴成形を行っても失透が生じにくい。
【0097】
内部透過率は、まず分光光度計(株式会社島津製作所製UV−3100)を用いて、厚さ5mm±0.1mmおよび10mm±0.1mmの研磨された各試料について、波長800〜200nmの範囲における表面反射損失を含む透過率を測定し、得られた測定値から波長420nmおよび400nmの内部透過率を算出した。
【0098】
着色度は、分光光度計を用いて、厚さ10mm±0.1mmの研磨されたガラスについて、200〜800nmの波長域での透過率を0.5nm間隔で測定し、透過率75%、70%、5%を示す波長により評価した。
【0099】
また、透過率吸収端の波長は、着色度と同様の測定を行い、透過率0.5%となる波長により評価を行った。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の光学ガラスは、CD、MD、DVD、その他、各種光ディスクシステムの光ピックアップレンズやビデオカメラおよび一般のカメラの撮影用レンズ等に好適である。