特許第5671853号(P5671853)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5671853
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】ラベル貼付装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/36 20060101AFI20150129BHJP
   B65C 9/28 20060101ALI20150129BHJP
【FI】
   B65C9/36
   B65C9/28
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2010-149804(P2010-149804)
(22)【出願日】2010年6月30日
(65)【公開番号】特開2012-12069(P2012-12069A)
(43)【公開日】2012年1月19日
【審査請求日】2013年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大道 吉久
【審査官】 藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−237988(JP,A)
【文献】 実開平05−037863(JP,U)
【文献】 特開2003−165515(JP,A)
【文献】 特開平11−240524(JP,A)
【文献】 特開昭49−128700(JP,A)
【文献】 特開2008−074422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 1/00−11/06
B65H 5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発行されたラベルを、ラベル貼付部に設けた保持部で吸着保持し、その吸着保持したラベルを商品に貼付するラベル貼付装置において、
前記ラベル貼付部は、複数の通気孔を開設した通気孔部材と、前記通気孔部材の先端面と対応する面に複数の通気口を設けた保持部と、を備え、
前記通気孔部材または前記保持部の何れか一方を所定角度回動する毎に、前記通気孔と連通する通気口の位置が変化し、吸気が作用する通気口の数を増減調節可能としたことを特徴とするラベル貼付装置。
【請求項2】
前記ラベル貼付部の通気孔の通気を、「吸引」と「噴射」の何れかに切り替える切替え手段と、前記保持部を商品に向けて下降又は上昇させる昇降手段とを更に備え、
前記切替え手段は、発行されたラベルを吸着保持する時は「吸引」に、前記保持部が吸着保持したラベルを商品に吹付けて貼付する場合は、前記昇降手段により前記保持部を商品の近傍に下降させた後空気を「噴射」に切り替え制御し、前記商品に前記保持部が吸着保持するラベルを押し付けて貼付する場合は、前記昇降手段により前記保持部を商品と当接する位置まで下降させることを特徴とする請求項1に記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記通気孔部材に形成する通気孔の径は、前記保持部に形成する通気口の径より小さいサイズであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
前記ラベル貼付部は近接してラベル発行部を備え、該ラベル発行部はラベル用紙を保持するラベルカセットと、該ラベルカセットにラベルサイズ情報を設定するサイズ情報設定手段と、該サイズ情報設定手段から前記ラベルサイズ情報を読み出すサイズ情報読出手段とを備え、
前記サイズ情報読出手段によって読み出したラベルサイズ情報に基づいて、前記保持部を所定角度回転させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のラベル貼付装置。
【請求項5】
前記ラベル貼付部が、前記昇降手段による下降・上昇が一定となるように位置を上下調整する位置調整機構で支持されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のラベル貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商品にラベルを自動的に貼付するラベル貼付装置に関し、更に詳しくは発行されるラベルのサイズに応じてラベルを吸着保持する領域を変更することができるラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発行されたラベルを、ラベル保持部に負圧により吸着保持し、その吸着保持したラベルを商品に貼付する方式として、ラベルに空気(エアージェット)を吹付けてラベルを飛ばし貼付する「吹付け方式」と、ラベルを吸着保持したラベル保持部を商品に押し付けて貼付する「押圧方式」とが存在する。そして、ラベルに空気を吹付けてラベルを飛ばし貼付する方式の場合、ラベル面内の複数個所に均等に空気を吹付け、ラベルが水平状態のまま垂直方向に移動するようにする。ラベルに対する空気の吹付け位置がズレる(偏る)ことでラベルは傾いてしまい、商品の所定位置に貼付されないケースも生じる。
【0003】
そこで従来は、ラベルサイズにより、空気を吹付けるノズル(又はチューブ)の数を増減させるか、或いはシャッターにより空気が吹き出るノズルを規制するなどの方法が採用されていた(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記方法では、ラベルのサイズ毎の空気吹出しノズルの配置、又はラベルサイズに合致したノズルを規制するシャッターを移動または作動させるための領域(空間)が必要となるため、ラベル保持部内に前記移動または作動させるための空間を余計に設けておく必要があり、ラベル保持部全体が大きくなってしまう原因となっていた。また、ラベル保持部の設計を行う上で、前記シャッターを移動させるまたは作動させるための領域(空間)の位置、配置、向き、または、操作性なども考慮し設計しなければならず、このシャッターを移動または作動させるための領域(空間)を含めたラベル貼付部全体をコンパクトにするうえで、前記移動させるまたは作動させるための領域(空間)は障害となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−240524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、発行されるラベルのサイズに応じてラベルの吸着保持及びラベル貼付を行なう連通孔の数の変更を最小の作動領域(空間)で簡単に行うことができ、且つ、ラベルの貼付を安定して行なうことができるラベル貼付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に本発明のラベル貼付装置は、発行されたラベルを、ラベル貼付部に設けた保持部で吸着保持し、その吸着保持したラベルを商品に貼付するラベル貼付装置において、前記ラベル貼付部は、複数の通気孔を開設した通気孔部材と、前記通気孔部材の先端面と対応する面に複数の通気口を設けた保持部と、を備え、前記通気孔部材または前記保持部の何れか一方を所定角度回動する毎に、前記通気孔と連通する通気口の位置が変化し、吸気が作用する通気口の数を増減調節可能としたことを特徴とする(請求項1)。
前記通気孔部材の形態としては、空気パイプが接続された枠の底板の面内に孔を縦横方向に所定に間隔をおいて平面略格子状に配置する形態、或いは複数のパイプ(管、チューブ等)を縦横方向に所定に間隔をおいて平面略格子状に配置する形態、又は空気パイプが接続された箱の底面に孔を縦横方向に所定に間隔をおいて平面略格子状に配置する形態等、何れでもよい。
【0007】
前記保持部は、該保持部に設けた通気口を有効(吸引力が働く状態)/無効(吸引力が働かない状態:閉鎖)に切り替えるもので、該保持部の形態は前記通気孔部材の形態に合わせて決定され、例えば、前記通気孔部材が、空気パイプが接続された枠の底板の面内に孔を縦横方向に所定に間隔をおいて平面略格子状に配置したものである場合は、枠全体を包被して密閉空間を作り上げる中空カバー形態、前記通気孔部材が箱形態である場合は、該箱の底面に接合する平板形態等、何れでもよい。
又、前記保持部の材質はその形態に応じ適宜選択されるが、中空カバー形態であれば該保持部の切り替え作業を考慮し柔軟性を有するウレタンスポンジ、ゴム材等が好ましく、平板形態であれば硬質材(金属板、合成樹脂板等)、弾性材でもよい。
また、前記通気孔部材の通気孔と保持部の通気口との対応関係を変える方法は、保持部又は通気孔部材の一方を他方に対して回動又はスライドする方法の何れでもよい。
【0008】
上記手段によれば、保持部又は通気孔部材を操作(回動又はスライド等)して通気孔と保持部に形成された通気口とが合致する対応関係を変えることで、保持部の下面に生じる吸気箇所(吸引力が作用する通気口の位置)を変えることができる。従って、ラベルのサイズに応じて吸気箇所を変えれば、ラベルサイズの大小に関係なく安定してラベルを吸着保持でき、ラベルを商品に対して正しく貼付することができる。
【0009】
前記保持部の具体的構造は、例えば、前記保持部は、前記複数の通気孔を開設した通気孔部材の略中央を中心として水平回動可能に組み付け、該保持部を所定角度回動する毎に、前記通気孔と連通する通気口の位置が変化し、吸気が作用する通気口の数を増減調節し得るようにする。
前記保持部の回動角度としては、例えば基準位置から時計回り方向に90度、反時計回り方向に90度等が挙げられるが、その角度は任意であり、通気孔、及び保持部の平面視形状に応じて適宜設定することが出来る。
【0010】
上記手段によれば、保持部を所定角度回動することで通気孔と保持部の通気口とが合致する箇所を変化させることができる。例えば、保持部を回動する前は複数ある通気孔の内の6個の通気孔が保持部の通気口と合致していたが、保持部を時計回り方向に所定角度(例えば90度)回動することで、前記6個の通気孔の外に3個の通気孔も保持部の通気口と合致し、合計9個の通気孔が保持部の通気口と合致して吸気作用が生じるようになる。又、保持部を基準位置より反時計回り方向に所定角度(90度)回動した場合は、前記6個の通気孔の他に残りの6個の通気孔も保持部の通気口と合致し、全ての通気孔(合計12個)が保持部の通気口と合致して吸気作用が生じるようになる。従って、ラベルサイズに応じて保持部を回動調整すれば、ラベルを安定して吸着保持し得る箇所の通気口を通気孔と合致連通させることが出来る。
【0011】
又、前記ラベル貼付部は、保持部の通気口に作用する吸引力でラベルを吸着保持するが、前記吸着保持したラベルを商品に貼付する方式は、ラベルに空気を吹付けて飛ばし貼付する方式、或いはラベルを商品に押し付けて貼付する方式の何れでもよい。
具体的には、前記ラベル貼付部における保持部の通気口の通気を、「吸引」と「噴射」の何れかに切り替える切替え手段と、前記保持部を商品に向けて下降又は上昇させる昇降手段とを更に備え、前記切替え手段は、発行されたラベルを吸着保持する時は「吸引」に、前記保持部が吸着保持したラベルを商品に吹付けて貼付する場合は、前記昇降手段により前記保持部を商品の近傍に下降させた後空気を「噴射」に切り替え制御し、前記商品に前記保持部が吸着保持するラベルを押し付けて貼付する場合は、前記昇降手段により前記保持部を商品と当接する位置まで下降させる構成とする(請求項)。
【0012】
上記手段によれば、保持部の通気口の通気を、ラベルを吸着する「吸引」と、ラベルに対して空気を吹付ける「噴射」の何れかに切り替える切替え手段を備えるため、保持部でラベルを吸着保持した後、切替え手段で通気口の通気を「噴射」に切替えた場合は、ラベルを空気の吹付けで飛ばして商品に貼付することができる。また、通気口の通気を「吸引」のままにした場合は保持部がラベルを吸着保持するため、昇降手段によって前記ラベルを吸着保持した保持部を鉛直下方に下降させて商品に当接させれば、ラベルを商品に押し付けによって貼付することができる。従って、商品に合わせてラベルの貼付方式を切替え選択することができ、どのような商品に対してもラベルを安定して貼付することができる。
【0013】
また、前記通気孔部材に形成する通気孔の径と、前記保持部に形成する通気口の径は同じ径としてもよいが、通気孔部材に形成する通気孔の径を、保持部に形成する通気口の径より小さいサイズにしてもよい(請求項)。
【0014】
上記手段によれば、前記通気孔部材に形成する通気孔の径を、前記保持部に形成する通気口より少し小さいサイズにすることにより、通気孔と通気口とが対応し連通して流れる空気をスムーズに流通させることができ、前記両部材に孔を開設する位置が多少ずれたとしても、前記通気孔の径が通気口の径の範囲内に収まるので、ラベルを安定して吸着(吸引)および貼付(噴射)することができる。
【0015】
又、前記ラベル貼付部は近接してラベル発行部を備え、該ラベル発行部はラベル用紙を保持するラベルカセットと、該ラベルカセットにラベルサイズ情報を設定するサイズ情報設定手段と、該サイズ情報設定手段から前記ラベルサイズ情報を読み出すサイズ情報読出手段とを備え、前記サイズ情報読出手段によって読み出したラベルサイズ情報に基づいて、前記保持部を所定角度回転させるようにしてもよい(請求項)。
前記保持部の回転は、歯車の組み合わせ等による機械的機構、或いは手動による回転など何れでもよい。
【0016】
上記手段によれば、ラベル発行部にセットされたラベル用紙のサイズを、ラベルカセットの装着によって読み取り、その読み取ったラベルサイズ情報に基づいて保持部を回転するため、ラベルサイズに合った通気孔の数と位置を間違えることなく設定することが出来る。それにより、ラベルサイズに応じたラベルの吸着保持と、ラベルの貼付を正しく行なうことができる。
【0017】
また、前記ラベル貼付装置は商品が搬送される搬送路の上方所定位置に固定されていた場合、搬送される商品によって該商品上面からラベルを吸着保持する保持部下面までの距離が異なる。そして、この距離のバラツキに対応する方法としては、ラベルを吸着保持する保持部を上下させる昇降手段の調節によって対応可能である。しかし、昇降手段のストローク量を調整して対応するのは困難である。
そこで、昇降手段のストローク量を一定とし、ラベル貼付装置を上下移動可能ならしめ、商品に合わせてラベル貼付装置を上下調整し、商品上面からラベルを吸着保持する保持部下面までの距離を、商品に関係なく常に一定の距離に保持すれば、昇降手段の一定したストロークでラベルを安定して貼付することが可能となる。
即ち、商品載置面に載置される商品の高さに関係なく前記ラベル貼付部を、前記昇降手段による下降・上昇が一定となるように位置を上下調整する位置調整機構で支持してもよい(請求項)。
前記位置調整機構としては、例えばボールネジ機構が有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るラベル貼付装置は請求項1記載の構成により、保持部又は通気孔部材の何れか一方を操作(回動又はスライド等)することで、通気孔部材の通気孔と保持部に形成された通気口とが合致して形成される連通孔の数を変更する為の作動領域(空間)を最小にすることができ、且つ、ラベルサイズに応じて確実にラベルを吸着保持し、保持したラベルを商品に対して正しく貼付することができる。これにより、ラベルサイズの変更に伴う作動領域を最小とすることができ、前記連通孔の数を変更する為の作動領域(空間)を含むラベル貼付部全体をコンパクトにすることができる。
そして、保持部を所定角度回動することで通気孔と保持部の通気口とが合致する箇所を変化させることができる。即ち、簡単な操作で、ラベルサイズに応じた吸着パターン(吸引力が作用する通気口の数と位置)を確立できる。
【0019】
また、請求項記載の構成により、商品に合わせてラベルの貼付方式(「吹付け方式」と「押圧方式」)を切替え選択することができ、どのような商品に対してもラベルを安定して貼付することができる。
また、請求項記載の構成により、通気孔と通気口とが対応し連通して流れる空気をスムーズに連通させることができ、前記両部材に開設する孔の位置が多少ずれたとしても、前記通気孔の径が通気口の径の範囲内に収まるので、ラベルを安定して吸着(吸引)および貼付(噴射)することができる。
また、請求項記載の構成により、ラベルサイズに応じた吸着パターンの変更を間違いなく行うことができ、それにより、ラベルサイズに応じたラベルの吸着保持と、ラベルの貼付を正しく行なうことができる。
また、請求項記載の構成により、商品の高さに関係なくラベルを正しく安定して貼付することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明に係るラベル貼付装置の実施の形態の一例を示し、(a)は正面図、(b)は側面図。
図2図1のラベル貼付装置におけるラベル印字発行部の概略を示す一部切欠正面図。
図3図1のラベル貼付装置の制御部の構成を示すブロック図。
図4図1のラベル貼付装置におけるラベル貼付部を示し、(a)は正面図、(b)は側面図。
図5】ラベル貼付部の通気孔部材と保持部を分離した状態を示す斜視図。
図6】(a)は通気孔部材に保持部を取り付けた状態の横断平面図、(b)は縦断面図。
図7】通気孔部材の通気孔と保持部の通気口との対応関係を示し、(a)は通気孔部材の平面図、(b)は保持部の平面図、(c)〜(e)は通気孔部材に対して保持部の取り付け位置を変更した平面図、(c’)〜(e’)はその場合の有効な通気口の位置を示す説明図、(f)は他の変更例を示す説明図、(f’)はその場合の有効な通気口の位置を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明に係るラベル貼付装置の実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は本実施の形態を示す全体概略図で、図中、Aはラベル貼付装置、Bは前記ラベル貼付装置Aの動作等を制御するコンソール、Cは商品Wを搬送する搬送コンベアである。
【0022】
前記ラベル貼付装置Aは、商品Wを搬送する搬送コンベアCの上方に配置され、搬送コンベアCにより搬送されてきた商品Wの上面に「吹付け方式」又は「押圧方式」によりラベルを貼付する。そして、前記ラベル貼付装置Aは搬送コンベアCの側部に設けた物品検出センサ1より搬送方向下流側の所定位置に配置され、該物品検出センサが搬送移動する商品Wを検出してから所定時間経過後にラベル貼付装置Aで前記商品WにラベルLが貼付されるようになっている。
【0023】
ラベル貼付装置Aは、ラベル用紙に所定事項を印字発行するラベル印字発行部A1と、該ラベル印字発行部A1から印字発行されたラベルLを商品Wに貼付するラベル貼付部A2とを備え、ラベル貼付部A2はラベル印字発行部A1のラベル発行口前方に、ヒンジ機構を介して水平回動可能に取り付けられている。従って、ラベル貼付部A2をヒンジにより回動することで、ラベル印字発行部A1やラベル貼付部A2のメンテナンス等の作業をスムーズに行うことができる。
【0024】
前記ラベル印字発行部A1は図2に示すように、印字部2(印字ヘッド2aとプラテンローラ2b)とラベルカセット収納部3を備え、前記ラベルカセット収納部3にラベルカセット4を装着することで、ラベルカセット4から供給されるラベル用紙に所定事項の印字を行ない、ラベル発行口5から印字済みのラベルLを発行する。
具体的には、ラベルカセット収納部3の下部に形成したガイド溝6に沿って往復動する可動部7を備え、この可動部7の移動によってラベルカセット収納部3に装着されたラベルカセット4内のラベル用紙を、該ラベルカセット4下部の格納部4aから側方へ引き出し、前記可動部7に搭載したプラテンローラ2bと印字ヘッド2aとの間に挟みこんだ状態にて印字し、プラテンローラ2bより下流側に位置するディスペンサ8によって印字済みのラベルLを台紙から剥離し、ラベル発行口から押し出すように発行する。
前記ラベルカセット4は、帯状の台紙にラベル用紙が一定の間隔をおいて剥離可能に仮着されたラベルロール4bと、ラベル用紙が剥離された後の台紙を巻き取る台紙巻取り軸4cとを備えた今日周知のものである。
【0025】
前記ラベルカセット4をラベルカセット収納部3に装着する時、前記可動部7(プラテンローラ2b)は印字ヘッド2aから離間された待機位置にあり、ラベルカセット4がラベルカセット収納部3に装着されると、前記可動部7は該ラベルカセット4の格納部4a内に格納される。ここで、ラベルカセット4に収納されているラベルロール4bのラベル用紙(台紙)は前記格納部4aの外側を経由しているため、待機位置の可動部7を駆動して印字ヘッド2a側へ移動すると、格納部4aの側部の開口部を横断するラベル用紙が仮着された台紙はプラテンローラ2bに押圧されて引き出され、可動部7が印字ヘッド2a近傍に到達すると、前記ラベル用紙は印字ヘッド2aとプラテンローラ2bとの間に挟まれ、印字可能状態となる。そして、ラベルロール4b、プラテンローラ2b等を同時に駆動してラベル用紙を移動させながら印字ヘッド2aにより印字を行なう。
【0026】
前記印字ヘッド2aは、軸9を中心として回動可能に支持され、且つ付勢手段により反時計周り方向に付勢され、この付勢力により、プラテンローラ2bとの間にラベル用紙を確実に挟みこんで印字を行う。また、センサ(図示省略)によってラベル用紙上のラベルの先端位置を検出し、ラベルの印字を正確に行なう。尚、本実施の形態では、ラベル用紙の幅方向(ラベル用紙の搬送方向と直交する方向)の中心と印字ヘッドの中心とが一致するようにラベル用紙を搬送する、所謂、センター基準を採用している。
【0027】
又、図2中に示す補助ローラ9,9’は、ラベルロール4b、台紙巻取り軸4c、プラテンローラ2bと協働して台紙を送るものである。この補助ローラ間9,9’は、ラベルカセット4の装着時に開放され、ラベルカセット4の装着が完了すると同時に閉じられて台紙を挟み込む。ラベル印字発行部A1からラベルカセット4を取り外す時は、可動部7を待機位置に戻し、前記補助ローラ9,9’間を開放した後、レバー(図示省略)を操作してラベルカセット4を取り外す。
【0028】
ラベル印字発行部A1のラベルカセット収納部3へのラベルカセット4の装着は、カセット装着センサ10により検出される。具体的には、4個の光センサからなるカセット装着センサ10がラベル印字発行部に配置されている。このカセット装着センサ10は、出力光に対する反射光の有無を検出することでラベルカセット4の装着の有無を検出する。即ち、ラベルカセット4には、各カセット装着センサ10に対応する4箇所に貫通孔11が形成されており、何れか1以上の貫通孔11をアルミシール等の反射材12によって塞ぎ、カセット装着センサ10からの出力光が前記反射材12にて反射した反射光を検出することでラベルカセット4の装着「有り」が検出される。
反射材12によって塞がれた貫通孔11が一つもなく、全ての貫通孔11が貫通された状態では、ラベルカセットを装着していない状態と同じであり、何れのカセット装着センサ10においても反射光は検出されず、従ってラベルカセット4は未装着と判定される。
【0029】
ここで、反射材12を適用する貫通孔11を、最大4個から最小0個まで選択することを考えると、4ビットの情報を得ることができ、これを利用してラベルカセット4に収納されているラベルロール4bのラベル用紙のサイズ情報をラベル貼付装置に入力することができる。図示例では、ラベル貼付装置に入力できるラベルサイズ情報は、反射材を適用した貫通孔が0の場合を除く、15通りである。
【0030】
ラベルサイズ情報としては、ラベルの長さ寸法(ラベル用紙の搬送方向に沿った寸法)、幅寸法(ラベル用紙の搬送方向と直交する方向の寸法)等が有るが、それ以外にも、ラベルの印字位置の位置決め基準等も含まれる。本実施例では、前記貫通孔11と反射材12がサイズ情報設定手段、カセット装着センサ10がサイズ情報読出手段として機能する。尚、サイズ情報設定手段、サイズ情報読出手段は本実施の形態に限定されず、例えば、電子情報、磁気情報、接触型スイッチ等、各種構成を採用可能である。また、前記カセット装着センサ10及び貫通孔11を多数設けると、さらに多様なラベルサイズ情報を伝達することが出来る。ラベルサイズ情報以外にも、例えば、ラベル用紙の紙質等の情報を伝達してもよい。
また、サイズ情報設定手段として用いたアルミシール等の反射材12は、取り付け及び取り外しが容易である為、ラベルサイズ情報を容易に設定することが出来る。
【0031】
図3は、ラベル貼付装置に搭載されている制御部を示すブロック図である。制御部のCPU13には、ROM14、RAM15、印字機構制御部16、交信部17、サイズ情報読出手段(カセット装着センサ10)、物品検出センサ1、貼付制御インターフェース19が接続されている。
前記ラベル印字発行部A1にラベルカセット4を装着すると、ラベルカセット4のサイズ情報設定手段(貫通孔11及び反射材12)からサイズ情報読出手段(カセット装着センサ10)が読み出したラベルサイズ情報が、RAM15に入力され、このRAM15に記憶されたラベルサイズ情報はキャンセル操作がなされるまで維持される。そして、このRAM15に入力されたラベルサイズ情報に基づいて、貼付データが作成され、貼付制御インターフェース19に出力され、ラベル貼付部A2の通気口に働く通気の状態を「エアー吸引」、「エアー噴射」に切替えるよう電磁弁26(エアー供給ソレノイド)で制御される。
【0032】
又、交信部17に接続されたコンソールB(表示操作部)にラベル貼付対象の商品Wの品番を入力すると、前記RAM15に記憶されている商品ファイルから、前記商品Wに係る商品データ(品名、値段、貼付タイミング等)を読み出して印字データを作成し、印字指令と共に印字機構制御部16に出力する。そして、物品検出センサ1が搬送コンベアC上の商品Wを検出すると、ラベル印字発行部A1から印字発行されたラベルLを、前記貼付データに基づいて駆動されるラベル貼付部A2が商品Wに貼付する。
【0033】
次にそのラベル貼付部A2について説明する。
ラベル貼付部A2は、前記ラベル印字発行部A1から発行されたラベルLを、糊面を下にして吸着保持し、ラベルLを貼付する商品Wに応じて「吹付け方式」又は「押圧方式」の何れかの方式を選択して前記ラベルLを貼付するものである。
そのラベル貼付部A2は、図示を省略したエアー供給機構から供給されるエアーを、ケース21内に収容配置したディストリビュータ22にて分岐し、該ディストリビュータに分岐接続された通気管23の先部に、通気孔部材24が取り付けられ、その通気孔部材24の先端面と対応する面に、複数の通気口を設けた保持部25が、位置変更可能に取り付けられて構成されている。
【0034】
前記ディストリビュータ22には前記通気管23の通気を「エアー吸引」又は「エアー噴射」の何れかに切替える電磁弁26(エアー供給ソレノイド)が設けられ、該電磁弁26の切替えにより前記通気管23の先部に取り付けられる通気孔部材24に「エアー吸引」又は「エアー噴射」が働くようになっている。即ち、図示の実施の形態では、エアー供給機構から供給されて大気中に放出される管路に、前記通気管23が略T字型に接続され、該通気管を電磁弁の切替えによって前記管路と連通状した場合は、該通気管23には前記管路の空気流によって負圧が生じ、通気管23の先部の通気孔部材24に「エアー吸引」が生じる。また、エアー供給機構から供給されるエアーが通気管23に流れるように電磁弁26が切替えられると、通気管23の先部に接続された通気孔部材24からエアーが噴射される「エアー噴射」に切り替わる。そして、通気管23の先に取り付けられた通気孔部材24は「エアー吸引」と「エアー噴射」の両方の働きを行う。
【0035】
通気管23の先部に取り付けられる通気孔部材24は、平面視略正方形の金属平板に複数個の通気孔24aが開設されて構成され、該通気孔部材24は前記通気管23の先端に取り付けた基板27の下方に所定の間隔をおいて支持部材28及び取付軸33で略水平に支持されている。前記支持部材28は前記通気孔部材24と一体に形成しても、別部材を溶接して形成する等いずれでもよい。
前記基板27は前記通気孔部材24より略一回り大きな平面視略正方形に形成され、その平面視略中央に前記通気管と連通する孔が開口されている。また、基板27は垂下取り付ける通気孔部材24の重量、或いは温度変化、振動(衝撃)等が作用しても撓み変形などを生じない金属板で構成されている。これは、該基板27の下面に取り付けられる保持部25が密着し、該保持部25と基板27とで区画される空間が密閉空間となるようにするためである。
そして、この基板27と通気孔部材24との間の上下空間及び前記通気孔部材24の外周縁が保持部25で包被されている。
【0036】
前記通気孔部材24には、図7(a)に示すように3個×4個の合計12個の通気孔24aが平面視略格子状に配置されて形成されている。そして、その格子状の配列は、例えば前記ラベル印字発行部A1のラベル発行口5寄りの側辺から反対側の側辺方向に向かって各列の通気孔24aの間隔を順次幅広く変化させて形成されている。また、通気孔部材24は四ヶ所の角部をR(アール)面取りし、該通気孔部材24に被着される保持部25の手動による水平回転動作をスムーズに行うことができるようにしてある。
【0037】
前記保持部25は、ゴム材、ウレタンスポンジ(独立気泡タイプ)等の弾性体で前記通気孔部材24を包被し、且つ前記基板27下面から通気孔部材24下面までの上下方向の空間を区画する角筒状に形成され、通気孔部材24と当接する底面には多数の通気口25aが内外連通して形成されている。
また、基板の下面と当接する筒部の上部開口25bは、前記通気孔部材24に対して下方より嵌着し得る必要最小限の大きさに形成され、その開口25b周囲の上面部分は前記基板27の下面に当接して前記基板27と通気孔部材24との間の空間を密閉された空間に仕上げる。
また、保持部25の外表面、少なくともラベルLを吸着保持する底面部には、非粘着塗膜(例えば、シリコンコーティング)の表面処理が施されて、ラベルLの糊が付着し難くしてある。
また、前記通気孔部材24に形成する通気孔24aの孔サイズ(直径)は、前記保持部25に形成する通気口25aの孔サイズ(直径)と同じサイズでもよいが、通気口25aより少し小さいサイズにすることにより、通気孔24aと通気口25aとが対応し連通して流れる空気をスムーズに流通させることができ、前記両部材に孔を開設する位置が多少ズレたとしても、前記通気孔24aの孔サイズ(直径)が通気口25aの孔サイズ(直径)の範囲内に収まるので、ラベルを安定して吸着(吸引)および貼付(噴射)することができる。尚、前記保持部25の通気孔部材24と接する面側の材質が、前記通気孔部材24としっかりと密着する材質であり、且つ空気圧に耐えられる部材であれば、前記通気孔24aの孔サイズ(直径)は通気口25aの孔サイズより大きな孔サイズ(直径)であっても良い。
【0038】
前記保持部25の底面(通気孔部材24と当接する底部)に開口される通気口25aは、前記通気孔部材24に開設された12個の通気孔24aの有効(エアー吸引、エアー噴射が働く開放状態)/無効(エアー吸引、エアー噴射が働かない閉鎖状態)の切替えと、吸引と噴射による空気流を所定方向へ正しく流出入させる所定長さのノズルとなるように保持部25そのものに複数形成されており、図7(b)に示すように、一列目:3個、二列目:8個、三列目:7個、四列目:7個の合計25個の通気口25aが形成されている。そして、この保持部25を水平方向に所定角度(例えば、初期位置から時計回り方向に90度、初期位置から反時計回り方向に90度等)回動することで、前記通気孔部材24に開設された12個の通気孔24aと保持部25に開設した25個の通気口25aとの連通対応関係が切り替わる。尚、通気孔24aと通気口25aの対応切替えについては後段で説明する。
【0039】
上記の如く構成された通気孔部材24と保持部25は、前記ケース21内に収容配置したエアーシリンダ29(昇降手段)によって鉛直方向に上下するように支持されている。具体的には、図4に示すように、通気管23が接続された基板27の上面にブラケット30を取り付け、そのブラケット30がケース内に取り付けたエアーシリンダ29のロッド29a先端に接続されている。尚、エアーシリンダ29を作動させるエアーは前記ディストリビュータ22から分岐配管されている。また、前記エアーシリンダ29で上下される保持部25は、ラベル印字発行部A1から発行されたラベルLを確実に吸着保持し得るように、ラベル印字発行部A1のラベル発行口5の側近に配置され、且つ保持部25の初期位置(上限位置)は、ラベル発行口5と同じ高さ位置か、ラベル発行口5より僅かに高い位置に設定されている。
【0040】
また、ラベル貼付部A2の初期位置の保持部25より僅か下方位置には、ラベル発行口5から発行されたラベルLの発行方向先端側が下方に垂れ下がらずに略水平状態又は上向き状態で繰り出されるよう、ラベルLの下面(糊面側)にエアーを吹き付ける補助噴射管31が取付枠32を介してケースの下面より所定位置に配置されている。尚、前記保持部は前記取付枠32を貫通して下降/上昇される。
【0041】
次に、ラベル貼付部A2における通気孔部材24の通気孔24aと保持部25の通気口25aの対応切替え動作を図7に基づいて説明する。
図7(a)は通気管23に取り付け固定された通気孔24aが開設された通気孔部材24の平面図、図7(b)は前記通気孔部材24を包被する通気口25aが開設された保持部25の平面図である。
図7(c)は前記通気孔部材24に保持部25を被せ、且つ通気孔部材24の通気孔24aにおけるラベル発行口5寄りの二列(合計6個)の通気孔24a(図7(c)中の斜線で示した孔)が保持部25の通気口25aと連通して「有効」状態にあり、他の二列(ラベル発行口寄りの側縁から数えて3列、4列目)の通気孔24aは保持部25の通気口25aと合致せず閉鎖されて「無効」の状態が形成されている。この状態における保持部25の位置を、以下「初期位置」という。この状態では、図7(c’)に示すように、保持部25におけるラベル発行口寄りの二列の通気口25a中の6個の通気口25aのみが「有効」となるため、最小のラベルサイズ(例えば、48mm×30mm、60mm×30mm)(図中の二点破線)に対応することができる。
【0042】
次に、前記初期位置にセットされた保持部25を、時計回り方向に90度回転すると、通気孔部材24の通気孔24aと保持部25の通気口25aとの対応関係は図7(d)に示す状態となる。即ち、通気孔部材24の通気孔24aにおけるラベル発行口5寄りの側縁から数えて1列目〜3列目の合計9個の通気孔24a(図7(d)中の斜線で示した孔)が、保持部25の通気口25aと連通して「有効」状態にあり、残り一列(ラベル発行口寄りの側縁から数えて4列目)の通気孔24aは保持部25の通気口25aと合致せず閉鎖されて「無効」の状態が形成されている。この状態では、図7(d’)に示すように、通気孔部材24におけるラベル発行口寄りの1列目〜3列目の通気孔24aのみが「有効」となるため、「中」のラベルサイズ(例えば、60mm×40mm)(図中の二点破線)に対応することができる。即ち、有効な通気口25aの数、位置が「初期位置」(図7(c)、(c’)参照)に比べて3個増え、且つ有効な通気口の位置も保持部の中心付近まで拡大される。
【0043】
次に、前記初期位置にセットされた保持部25を、反時計回り方向に90度回転すると、通気孔部材24の通気孔24aと保持部25の通気口25aとの対応関係は図7(e)に示す状態となる。即ち、通気孔部材24の全ての通気孔24a(ラベル発行口5寄りの側縁から数えて1列目〜4列目の合計12個の通気孔24a)(図7(e)中の斜線で示した孔)が、保持部25の通気口25aと連通して「有効」状態に形成される。この状態では、図7(e’)に示すように、通気孔部材24に形成された12個全ての通気孔24aが保持部25の通気口25a中の12個と連通状となるため、「大」のラベルサイズ(例えば、60mm×50mm)(図中の二点破線)に対応することができる。即ち、有効な通気口25aの数、位置が「初期位置」(図7(c)、(c’)参照)に比べて6個増え、且つ有効な通気口の位置も保持部の中心を越えて反対側の中程まで拡大される。
【0044】
図7(f)は、図7(e)の状態にセットした後、通気孔部材24及び保持部25を一体化したままラベル発行方向に向けて所定距離平行移動させた状態を示す。これにより、保持部25の有効な通気口25aの位置がラベル発行方向に移動し、最大のラベルサイズ(例えば、60mm×60mm)(図中の二点破線)に対応することができる。即ち、最大サイズのラベルの略中央位置に有効な通気口25aを配置することができる。尚、図7(f)への変更は、例えば、通気孔部材24を垂下保持するブラケット30との間で取付位置を調整自在とする。
【0045】
上記通気孔部材24の通気孔24aと、保持部25の通気口25aとの対応関係から分かるように、保持部25に形成されている25個の通気口25aは、ラベルサイズ「小」、「中」、「大」の3種類に対応する切替えの何れかに関与している。即ち、保持部25に形成される通気口25aの位置は、3種類の切り替えにおいて通気孔部材24のラベル発行口寄りの側縁に対し、保持部25の対応する側縁を夫々変え、夫々の場合の通気孔24aと対応する箇所に通気口25aを配置した平面図が図7(b)である。
【0046】
上記切替え操作によってラベルサイズに応じた有効な通気口25aが決定され、該保持部25の通気口25aに働く吸引力によってラベルLが吸着保持される。
そして、ラベルLを吸着保持した保持部25は、前記エアーシリンダ29によって搬送コンベアC上の商品Wに対し所定距離まで下降され、その下限位置で前記ノズル孔からエアーが噴射されてラベルLを略垂直下方に飛ばし、商品Wに貼付する。
前記ノズル孔からのエアーの噴射は、前記電磁弁26による「エアー吸引」から「エアー噴射」への切替えによって行われる。
【0047】
また、前記保持部25が吸着保持するラベルLを商品Wに貼付する方式は、上記した「吹付け方式」の他に、ラベルLを吸着保持する通気口24と保持部25の一体物を、商品Wに押し付けてラベルLを直接貼る「押圧方式」によって貼付することも可能である。この貼付方式として「吹付け方式」、「押圧方式」のいずれを選択するかは、商品の形態等に応じて決定され、その貼付方式を商品毎に商品ファイルに設定した場合は、設定された貼付方式でラベルを貼付することが可能となる。
【0048】
又、本発明に係るラベル貼付装置Aは、高さの異なる商品Wに対してもラベルLを安定して正しく貼付できるように、商品Wが載承される搬送コンベアCの搬送面(ベルトコンベアであればベルト表面、ローラコンベアであればローラ頂点)からラベル貼付装置Aの下面までの距離を広狭調節し得るよう、図1(a)に示すように位置調整機構34を介して支持されている。
前記位置調整機構34は、ボールネジ機構で構成され、ハンドル35を回動操作することでラベル貼付装置Aが支柱36に沿って上下移動される。
これにより、厚さが大きい商品の場合はラベル貼付装置Aを上方へ移動し、厚さが小さい商品の場合はラベル貼付装置Aを下方へ移動し、商品の厚さに関係なく常に商品の上面からラベル貼付装置Aまでの距離が略一定となるようにする。それにより、エアーシリンダ29の一定したストロークで保持部を商品の上面から常に略一定の距離に降下位置させることが出来、ラベルを安定して正しく貼付することができる。尚、商品データに設定された商品の高さに基づいて、前記位置調整機構34を上下動させるようにしてもよい。
【0049】
本発明は図示の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
(1)上記実施例は保持部25の回動操作(手動)によって該保持部25の下面に働く「エアー吸引」又は「エアー噴射」の位置及び数を変更したが、「エアー吸引」、「エアー噴射」が行われる通気口の位置、及び数の変更は保持部の回動操作(手動)に限らず、機械力(電動)によって変更するようにしてもよい。例えば、ラベルの保持部を固定し、前記通気孔部材の通気孔の先端に通気口を備えた回転板を水平回動可能に組み付け、この回転板を機械力(電動)によって回動させることで、保持部に形成された通気口と合致連通する通気口の位置、及び数が変更されるようにする。但し、この場合は保持部が固定となるため、該保持部に形成する通気口の開設位置と数は、図示実施例における通気孔部材に開設した通気孔の位置と数とし、回転板に形成する通気口の開設位置と数は保持部の通気口に開設した位置と数とする。
【0050】
(2)実施の形態では、保持部の回動で通気口の位置、及び数が変更される例を示したがこれに限らず、例えば、保持部をラベルの貼付方向と直交する前後又は左右方向へのスライド(摺動)によって変更するようにしてもよい。その場合、各部材に形成する孔の位置は回動方式とは異なる。
(3)実施の形態では、保持部を手動で回動する例を示したが、その場合、保持部の初期位置(ラベルサイズ「小」に対応)、回動切り替え位置(ラベルサイズ「中」、ラベルサイズ「大」に対応)が容易に判断できるように、保持部の周面に記号(例えば、ラベルサイズの「小」,「中」,「大」、或いはラベルの奥行き寸法(発行方向の寸法)を表す数字「30」,「40」,「50」)を表示してもよい。
(4)実施の形態では、ラベル発行部としてカセットタイプのラベル印字発行部を挙げて説明したがこれに限らず、ラベルロールから引き出したラベル用紙(台紙)を繰出し経路に沿って順次通し、印字ヘッドとプラテンローラとの間を通して最後に台紙巻取り軸に巻き付けてセットを完了するロールタイプのラベルプリンタでもよい。
(5)実施の形態では、通気孔部材の通気孔に対し保持部を回転させることにより、保持部に設けられた通気口の有効な位置と数とが決定されるがこれに限らず、例えば、前記通気孔部材に開設された通気孔と対応する前記保持部の有効な通気口の数は、ラベルサイズに関係なく同じ数で、通気口の位置が変わるようにしても良い。その場合、対応させる通気孔および通気口の開設数を少なくすることが出来るので、部品加工工程とその工賃を削減することができる。
【符号の説明】
【0051】
A…ラベル貼付装置 A1…ラベル印字発行部
A2…ラベル貼付部 B…コンソール
C…搬送コンベア L…ラベル
W…商品 5…ラベル発行口
10…カセット装着センサ(サイズ情報読出手段)
11…貫通孔(サイズ情報設定手段)
12…反射材(サイズ情報設定手段)
24…通気孔部材
24a…通気孔
25…保持部
25a…通気口
29…エアーシリンダ(昇降手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7