特許第5671914号(P5671914)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5671914
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】車両用ルーフ装置
(51)【国際特許分類】
   B60J 7/05 20060101AFI20150129BHJP
【FI】
   B60J7/05 A
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2010-218649(P2010-218649)
(22)【出願日】2010年9月29日
(65)【公開番号】特開2012-71717(P2012-71717A)
(43)【公開日】2012年4月12日
【審査請求日】2013年8月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】桂 慎太郎
【審査官】 須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−039162(JP,A)
【文献】 特開2005−162064(JP,A)
【文献】 特開2009−119996(JP,A)
【文献】 特開平07−205661(JP,A)
【文献】 特開2010−188766(JP,A)
【文献】 特開2008−062912(JP,A)
【文献】 特開2009−040339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 7/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の屋根部に形成された開口部の車両幅方向縁部に設けられるガイドレールに沿って車両前後方向に移動自在に設けられた駆動シューと、前記ガイドレールに沿って車両前後方向に移動自在に設けられた従動シューと、前記従動シューに回動自在に連結されるとともに前記駆動シューに連係され前記開口部を開閉する可動パネルを支持する支持部材とを備え、前記駆動シューの車両後方向への移動に伴い、前記可動パネルを閉状態からチルト動作させ、引き続きスライド動作させる車両用ルーフ装置において、
前記ガイドレールに設けられ、車両後側で前記ガイドレール内に連通する係止溝と、
前記従動シューに回動自在に連結されたチェック部材と、
前記チェック部材に設けられ、前記係止溝に嵌入することで前記ガイドレールに沿う前記チェック部材の車両後方向への移動を係止するとともに、前記係止溝から外れて前記ガイドレール内に進入することで前記移動の係止を解除する係止突部と、
前記チェック部材に設けられ、前記駆動シューに設けられたガイドピンが挿入されて、前記スライド動作を開始するまで前記係止溝に対する前記係止突部の嵌入状態を保持するとともに、前記スライド動作の開始時に前記係止溝から前記係止突部が外れるように前記チェック部材を回動させるカム凹部と、
前記駆動シューに設けられ、前記チルト動作時に、前記チェック部材を支えて前記係止溝からの前記係止突部の外れを規制する規制部とを備え
前記係止溝は、車両後側に向かうに従い下側に向かうように傾斜して前記ガイドレール内に連通しており、
前記係止突部は、前記係止溝の傾斜方向で該係止溝に摺接可能な互いに平行な対のガイド面を有することを特徴とする車両用ルーフ装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用ルーフ装置において、
前記駆動シューは、車両幅方向に延出する延出片を有し、該延出片において駆動源により移動駆動される伝動部材に連結されてなり、
前記規制部として、前記延出片が利用されてなることを特徴とする車両用ルーフ装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用ルーフ装置において、
前記延出片は、車両前後方向に対をなして並設されており、
前記スライド動作の開始時に、前記両延出片間の間隙で前記チェック部材の回動軌跡を開放して前記係止溝から前記係止突部が外れる側への前記チェック部材の回動を許容することを特徴とする車両用ルーフ装置。
【請求項4】
車両の屋根部に形成された開口部の車両幅方向縁部に設けられるガイドレールに沿って車両前後方向に移動自在に設けられた駆動シューと、前記ガイドレールに沿って車両前後方向に移動自在に設けられた従動シューと、前記従動シューに回動自在に連結されるとともに前記駆動シューに連係され前記開口部を開閉する可動パネルを支持する支持部材とを備え、前記駆動シューの車両後方向への移動に伴い、前記可動パネルを閉状態からチルト動作させ、引き続きスライド動作させる車両用ルーフ装置において、
前記ガイドレールに設けられ、車両後側で前記ガイドレール内に連通する係止溝と、
前記従動シューに回動自在に連結されたチェック部材と、
前記チェック部材に設けられ、前記係止溝に嵌入することで前記ガイドレールに沿う前記チェック部材の車両後方向への移動を係止するとともに、前記係止溝から外れて前記ガイドレール内に進入することで前記移動の係止を解除する係止突部と、
前記チェック部材に設けられ、前記駆動シューに設けられたガイドピンが挿入されて、前記スライド動作を開始するまで前記係止溝に対する前記係止突部の嵌入状態を保持するとともに、前記スライド動作の開始時に前記係止溝から前記係止突部が外れるように前記チェック部材を回動させるカム凹部と、
前記駆動シューに設けられ、前記チルト動作時に、前記チェック部材を支えて前記係止溝からの前記係止突部の外れを規制する規制部とを備え
前記駆動シューは、車両幅方向に延出する延出片を有し、該延出片において駆動源により移動駆動される伝動部材に連結されてなり、
前記規制部として、前記延出片が利用されてなり、
前記延出片は、車両前後方向に対をなして並設されており、
前記スライド動作の開始時に、前記両延出片間の間隙で前記チェック部材の回動軌跡を開放して前記係止溝から前記係止突部が外れる側への前記チェック部材の回動を許容することを特徴とする車両用ルーフ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の屋根部に形成された開口部を可動パネルで開閉する車両用ルーフ装置に係り、詳しくは可動パネルがチルト動作に続いてスライド動作する車両用ルーフ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の車両用ルーフ装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この車両用ルーフ装置は、開口部の側縁に設けられたガイドレール(3)と、該ガイドレールのガイド溝(31)内に摺動自在に装着されリフトリンク(52)を回動自在に支持する駆動シュー(7)と、ガイド溝内に摺動自在に装着され支持リンク(51)を回動自在に支持する従動シュー(4)とを有する。リフトリンク及び支持リンクは、該支持リンクに形成されたカム溝にリフトリンクのガイドピン(52a)が挿通されることで連係されてなるリンク機構(5)を構成するもので、協働して可動パネル(6)を支持する。
【0003】
ガイド溝内には、従動シューに回動自在に支持されるとともに駆動シューにカム機構(9)を介して連係されるチェック部材(81)が配置されている。このチェック部材は、該チェック部材に形成されたカム長穴(83)に、駆動シューに設けられ該駆動シューとリフトリンクとを連結する連結ピン(71)が挿通されることで駆動シューに連係されている。
【0004】
また、チェック部材は、ガイドレールに設けられたストッパ(32)と当接可能な当接部(81a)及びガイドレールに形成された切欠穴(33)と係脱可能な係脱部(81b)を一体に有している。チェック部材は、当接部及びストッパの当接状態において係脱部が切欠穴に対向するように設定されており、従動シューに対しピン(82)を中心に回動することで係脱部が切欠穴に対し係脱可能となっている。そして、例えば駆動シューの連結ピンがカム長穴の水平形状部位(A)に位置する間は、係脱部及び切欠穴の係合状態が保持されて、チェック部材とともに従動シューのガイド溝に沿う摺動動作が不能とされている。一方、駆動シューの連結ピンがカム長穴のカム形状部位(B)に位置する間は、係脱部及び切欠穴の係合状態が解除されて、チェック部材とともに従動シューのガイド溝に沿う摺動動作が可能とされている。
【0005】
ここで、可動パネルの全閉状態では、当接部及びストッパが当接するとともに、係脱部及び切欠穴が係合している。そして、この状態で、駆動シューがガイド溝に沿って車両後方向へ摺動すると、リフトリンクがカム溝とガイドピン(52a)の作用を受けてガイドレールに対して倒れ込むように回動していく。この際、駆動シューの連結ピンはカム長穴の水平形状部位内のみを移動することから、前述の態様で従動シューのガイド溝に沿う摺動動作が不能とされている。これにより、可動パネルがリフトリンクの倒れ込み回動に合わせてスライドダウン動作しスライド姿勢となる。
【0006】
また、可動パネルが略スライド姿勢になった後、駆動シューの連結ピンはカム長穴のカム形状部位内を移動し始めることから、前述の態様でチェック部材とともに従動シューのガイド溝に沿う摺動動作が可能とされる。そして、駆動シューの連結ピンがカム長穴のカム形状部位後端に達すると、駆動シューの駆動力がチェック部材を介して従動シューに伝達されることで、該従動シューがチェック部材及び駆動シューとともにガイド溝に沿って車両後方向へ摺動する。これにより、可動パネルがスライド姿勢を保つたままスライド動作して開状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−205661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献1の車両用ルーフ装置では、チェック部材は、車両前後方向に延在しており、前記した摺動不能状態において、開口部の前端部付近で当接部及びストッパが当接されるとともに、開口部の後端部付近で係脱部及び切欠穴の係合状態が保持されている。また、チェック部材は、ガイド溝内での車両上下方向の回動を許容するために、その高さ方向寸法が、ガイド溝の高さ方向寸法よりも小さく設定されている。従って、チェック部材に係脱部が下方に変位するような撓みが生じて、該係脱部が切欠穴から外れる可能性がある。特にチェック部材が樹脂材などの撓みやすい材料で成形されている場合には、係脱部が切欠穴から外れる可能性が一層高くなる。本来とは異なる位置で係脱部が切欠穴から外れると、可動パネルの閉状態からのチルト動作が不安定になって信頼性が低下する可能性がある。
【0009】
本発明の目的は、可動パネルの閉状態からのチルト動作をより安定にして、信頼性を向上することができる車両用ルーフ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両の屋根部に形成された開口部の車両幅方向縁部に設けられるガイドレールに沿って車両前後方向に移動自在に設けられた駆動シューと、前記ガイドレールに沿って車両前後方向に移動自在に設けられた従動シューと、前記従動シューに回動自在に連結されるとともに前記駆動シューに連係され前記開口部を開閉する可動パネルを支持する支持部材とを備え、前記駆動シューの車両後方向への移動に伴い、前記可動パネルを閉状態からチルト動作させ、引き続きスライド動作させる車両用ルーフ装置において、前記ガイドレールに設けられ、車両後側で前記ガイドレール内に連通する係止溝と、前記従動シューに回動自在に連結されたチェック部材と、前記チェック部材に設けられ、前記係止溝に嵌入することで前記ガイドレールに沿う前記チェック部材の車両後方向への移動を係止するとともに、前記係止溝から外れて前記ガイドレール内に進入することで前記移動の係止を解除する係止突部と、前記チェック部材に設けられ、前記駆動シューに設けられたガイドピンが挿入されて、前記スライド動作を開始するまで前記係止溝に対する前記係止突部の嵌入状態を保持するとともに、前記スライド動作の開始時に前記係止溝から前記係止突部が外れるように前記チェック部材を回動させるカム凹部と、前記駆動シューに設けられ、前記チルト動作時に、前記チェック部材を支えて前記係止溝からの前記係止突部の外れを規制する規制部とを備え、前記係止溝は、車両後側に向かうに従い下側に向かうように傾斜して前記ガイドレール内に連通しており、前記係止突部は、前記係止溝の傾斜方向で該係止溝に摺接可能な互いに平行な対のガイド面を有することを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、前記可動パネルが閉状態から前記チルト動作を経て前記スライド動作を開始するまでは、前記駆動シューの前記ガイドピンが挿入される前記チェック部材の前記カム凹部によって、前記係止溝に対する前記係止突部の嵌入状態が保持される。そして、前記チェック部材は、前記従動シューとともに車両後方向への移動が係止される。特に、前記チルト動作時、前記規制部により前記チェック部材が支えられて前記係止溝からの前記係止突部の外れが規制されることで、前記チェック部材(及び従動シュー)の前記移動をより確実に係止することができ、前記可動パネルの前記チルト動作をより安定した状態で行うことができる。一方、これに続く前記可動パネルのスライド動作の開始時、前記駆動シューの前記ガイドピンが挿入される前記チェック部材の前記カム凹部によって、前記係止溝から前記係止突部が外れるように前記チェック部材の回動が案内される。これにより、前記従動シューとともに前記チェック部材の車両後方向への移動の係止が解除されて、前記可動パネルがスライド動作可能になる。
また、同構成によれば、前記ガイドレールに沿う前記チェック部材の車両後方向への移動係止を解除する際、前記係止突部は、前記対のガイド面を前記係止溝にその傾斜方向に摺接させつつ、該係止溝から外れて前記ガイドレール内に進入する。従って、前記係止溝から前記係止突部を円滑に外すことができる。これにより、例えば前記係止溝から前記係止突部を急に外す場合に生じる、前記ガイドレールとの干渉に起因する異音を抑制することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用ルーフ装置において、前記駆動シューは、車両幅方向に延出する延出片を有し、該延出片において駆動源により移動駆動される伝動部材に連結されてなり、前記規制部として、前記延出片が利用されてなることを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、前記規制部として、前記駆動シュー及び前記伝動部材を連結する前記延出片が利用されることで、部品点数を削減することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両用ルーフ装置において、前記延出片は、車両前後方向に対をなして並設されており、前記スライド動作の開始時に、前記両延出片間の間隙で前記チェック部材の回動軌跡を開放して前記係止溝から前記係止突部が外れる側への前記チェック部材の回動を許容することを要旨とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両用ルーフ装置において、前記延出片は、車両前後方向に対をなして並設されており、前記スライド動作の開始時に、前記両延出片間の間隙で前記チェック部材の回動軌跡を開放して前記係止溝から前記係止突部が外れる側への前記チェック部材の回動を許容することを要旨とする。
【0015】
同構成によれば、前記可動パネルのスライド動作の開始時、前記係止溝から前記係止突部が外れる側への前記チェック部材の回動は、前記両延出片間の間隙で許容される。つまり、前記両延出片間の車両前後方向の範囲を利用して前記チェック部材を回動させることで、前記係止溝から前記係止突部を外すことができるため、例えば前記駆動シューをその車両前後方向の全範囲を避けて前記チェック部材を回動させる場合に比べて当該方向に前記チェック部材をより小型化することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、車両の屋根部に形成された開口部の車両幅方向縁部に設けられるガイドレールに沿って車両前後方向に移動自在に設けられた駆動シューと、前記ガイドレールに沿って車両前後方向に移動自在に設けられた従動シューと、前記従動シューに回動自在に連結されるとともに前記駆動シューに連係され前記開口部を開閉する可動パネルを支持する支持部材とを備え、前記駆動シューの車両後方向への移動に伴い、前記可動パネルを閉状態からチルト動作させ、引き続きスライド動作させる車両用ルーフ装置において、前記ガイドレールに設けられ、車両後側で前記ガイドレール内に連通する係止溝と、前記従動シューに回動自在に連結されたチェック部材と、前記チェック部材に設けられ、前記係止溝に嵌入することで前記ガイドレールに沿う前記チェック部材の車両後方向への移動を係止するとともに、前記係止溝から外れて前記ガイドレール内に進入することで前記移動の係止を解除する係止突部と、前記チェック部材に設けられ、前記駆動シューに設けられたガイドピンが挿入されて、前記スライド動作を開始するまで前記係止溝に対する前記係止突部の嵌入状態を保持するとともに、前記スライド動作の開始時に前記係止溝から前記係止突部が外れるように前記チェック部材を回動させるカム凹部と、前記駆動シューに設けられ、前記チルト動作時に、前記チェック部材を支えて前記係止溝からの前記係止突部の外れを規制する規制部とを備え、前記駆動シューは、車両幅方向に延出する延出片を有し、該延出片において駆動源により移動駆動される伝動部材に連結されてなり、前記規制部として、前記延出片が利用されてなり、前記延出片は、車両前後方向に対をなして並設されており、前記スライド動作の開始時に、前記両延出片間の間隙で前記チェック部材の回動軌跡を開放して前記係止溝から前記係止突部が外れる側への前記チェック部材の回動を許容することを要旨とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明では、可動パネルの閉状態からのチルト動作をより安定にして、信頼性を向上することができる車両用ルーフ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】(a)〜(c)は、本発明の一実施形態を示す側面図。
図2】(a)は、同実施形態を示す平面図であり、(b)は、(a)のA−A線に沿った断面図。
図3】(a)(b)は、同実施形態の動作を示す断面図。
図4図2のB−B線に沿った断面図。
図5図3のC−C線に沿った断面図。
図6】ルーフを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態について図面に従って説明する。
図6は、自動車などの車両の屋根部としてのルーフ10に搭載されたサンルーフ装置11を斜め上方から見た模式図である。同図に示されるように、ルーフ10は、略四角形のルーフ開口部10aを有する。そして、サンルーフ装置11は、ルーフ開口部10aを開閉する、例えばガラス板からなる略四角形の可動パネル13を備える。
【0021】
可動パネル13は、その前部を中心に回動することで後部が上動するチルトアップ動作及び車両前後方向へのスライド動作可能に取り付けられている。可動パネル13の開閉作動においては、チルトアップ状態のままスライド動作する、いわゆるアウタースライディング式が採用されている。
【0022】
次に、可動パネル13の開閉作動等に係る構造について説明する。なお、サンルーフ装置11は、可動パネル13の開閉作動に係る構造をルーフ開口部10aの車両幅方向両側に対で備えており、以下では基本的に車両幅方向片側の当該構造のみについて説明する。
【0023】
図1は、サンルーフ装置11を一部破断して示す側面図であって、図1(a)(b)(c)は、可動パネル13の全閉時、チルトアップ動作時及び全開時の各状態を示す。
図1に示すように、サンルーフ装置11は、ルーフ開口部10aの車両幅方向縁部に設けられ、車両前後方向に延在するガイドレール14を備える。ガイドレール14は、例えばアルミニウム合金の押出材からなり、図4及び図5の横断面図に示すように、車両上方に開口する断面略C字状の第1レール部15を有する。
【0024】
また、ガイドレール14は、第1レール部15の車両幅方向外側に並設された第2レール部16を有する。この第2レール部16は、第1レール部15の側壁との協働で断面略T字状を呈しており、該側壁に形成された開口において第1レール部15に連通している。さらに、ガイドレール14は、第1レール部15の車両幅方向外側部及び第2レール部16の上側に並設された第3レール部17を有する。この第3レール部17は、第1レール部15の上壁及び第2レール部16の上壁との協働で、車両幅方向内側に開口する断面略U字状を呈する。そして、第3レール部17は、車両前後方向における所定位置でその上壁が切り欠かれてなる切り欠き部17aを有する(図2(b)参照)。
【0025】
ガイドレール14には、切り欠き部17aにおいて第3レール部17に嵌着された、例えば樹脂材からなるガイドブロック18が固定されている。このガイドブロック18には、車両後側で第3レール部17内に連通する係止溝19が形成されている。すなわち、係止溝19は、車両後側に向かうに従い下側に向かうように傾斜する互いに平行な対の傾斜面19a,19bと、第3レール部17の上側でその上壁と平行に両傾斜面19a,19bの上端間を接続する係止面19cとを有しており、両傾斜面19a,19bの下側で第3レール部17内に連通している。
【0026】
図2(a)はサンルーフ装置11を示す平面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線に沿った断面図である。同図に示すように、ガイドレール14の第1レール部15には、駆動シュー21が車両前後方向に移動可能に装着される。すなわち、駆動シュー21は、第1レール部15の車両幅方向片側を摺動する前後一対のシュー部22,23及びこれら両シュー部22,23に連結された本体部24からなる組を互いに背中合わせで配置・結合してなる2組で構成されている。第1レール部15の車両幅方向内側に配置された一方の本体部24は、第1レール部15の車両幅方向中央部でその上側に立設された板状の縦壁部24aを有するとともに、該縦壁部24aの下端から車両幅方向内側に延出する前後一対の延出片24b,24cを有する。この本体部24は、両延出片24b,24cが前記シュー部22,23にそれぞれ挿入されることでこれらシュー部22,23に固定されている。また、第1レール部15の車両幅方向外側に配置された他方の本体部24は、同様の縦壁部24aを有するとともに、該縦壁部24aの下端から車両幅方向外側に延出する前後一対の延出片24d,24eを有する。この本体部24は、両延出片24d,24eが前記シュー部22,23にそれぞれ挿通されることでこれらシュー部22,23に固定されている。
【0027】
なお、シュー部22,23を貫通する延出片24d,24eの先端部は、第1レール部15を貫通して第2レール部16内に進入しており、該第2レール部16を車両前後方向に摺動する伝動部材としての帯状の駆動ベルト25(図4参照)に挿着されている。この駆動ベルト25は、例えば電動モータなどの駆動源(図示略)に駆動連結されており、該駆動源によりガイドレール14(第2レール部16)に沿って車両前後方向に移動駆動される。これにより、駆動シュー21が、ガイドレール14(第1レール部15)に沿って車両前後方向に移動駆動される。
【0028】
各縦壁部24a(本体部24)には、車両幅方向に開口して車両前後方向に延在するガイド溝26が形成されている。このガイド溝26は、前方に向かうに従い上昇するように傾斜する第1傾斜部26aを有するとともに、該第1傾斜部26aの前端に連続してガイドレール14と概ね平行に延在する直線部26bを有し、更に該直線部26bの前端に連続して前方に向かうに従い上昇するように傾斜する第2傾斜部26cを有する。
【0029】
一方、図1に示すように、可動パネル13の下面には、ガイドレール14の上側となる車両幅方向縁部において、例えば金属板からなる支持パネル28が固着されるとともに、該支持パネル28には、車両前後方向に延在する金属板からなる支持部材としての支持ブラケット27が締結されている。この支持ブラケット27は、可動パネル13の略全長に亘って延在しており、その前端は、車両幅方向に軸線の延びる連結ピン29により、従動シュー31に回動自在に連結されている。この従動シュー31は、駆動シュー21の前側で、ガイドレール14の第1レール部15に対し車両前後方向に移動可能に装着されている。すなわち、図2(a)に示すように、従動シュー31は、第1レール部15の車両幅方向両側を摺動する一対のシュー部32及びこれら両シュー部32の前端部間を接続する接続部33を有している。そして、各シュー部32は、支持ブラケット27を貫通する連結ピン29の端部を軸支する。支持ブラケット27等に支持される可動パネル13は、支持ブラケット27の前端(連結ピン29)を支点に回動することで、その後部が上下動する。
【0030】
支持ブラケット27には、その前端部で車両幅方向両側に突出して前記各ガイド溝26に移動自在に嵌入される略円柱状の昇降ガイドピン34が固着されている。換言すれば、昇降ガイドピン34は、駆動シュー21の両ガイド溝26に両持ち支持されており、支持ブラケット27は、両縦壁部24a間に配置されている。これは、支持ブラケット27の前述の回動時に該支持ブラケット27を両縦壁部24a間で移動させて、駆動シュー21(縦壁部24a)との干渉を回避するためである。これにより、特に可動パネル13の全閉時に駆動シュー21の車両高さ範囲に支持ブラケット27が重ねられて、全体として車両高さ方向への小型化が図られている(図2(b)参照)。
【0031】
図1(a)に示すように、昇降ガイドピン34は、可動パネル13の全閉時にガイド溝26(第1傾斜部26a)の下端に配置されるように設定されている。従って、この状態で駆動シュー21がガイドレール14(第1レール部15)に沿って車両後方向に移動すると、ガイド溝26に案内される昇降ガイドピン34が第1傾斜部26aを上がって直線部26bに達する。このとき、可動パネル13は、支持ブラケット27の前端を支点に回動することで、図1(b)に示すように、その後部が上動するチルトアップ動作をする。
【0032】
続いて、駆動シュー21がガイドレール14(第1レール部15)に沿って車両後方向に更に移動すると、ガイド溝26に案内される昇降ガイドピン34が第2傾斜部26cを上がってその終端に達する。このとき、可動パネル13は、支持ブラケット27の前端を支点に更に回動することでその後部が更に上動するとともに、当該状態(チルトアップ状態)のまま駆動シュー21と一体で車両後方向にスライド動作する。そして、図1(c)に示すように、可動パネル13は全開状態となる。
【0033】
一方、可動パネル13の全開状態から駆動シュー21が車両前方向に移動すると、上述とは概ね逆順で動作する。
図2(a)(b)に示すように、従動シュー31には、前記連結ピン29により、例えば樹脂材からなるチェック部材40が回動自在に連結されている。すなわち、チェック部材40は、駆動シュー21の車両幅方向外側の縦壁部24a及びシュー部22,23間で立ち上がって車両前後方向に延在する本体壁部41を有しており、その前端部に形成された長孔状の軸受孔41aに連結ピン29が挿通されることで従動シュー31に回動自在に連結されている。また、チェック部材40は、本体壁部41の後端部から車両幅方向外側に突出する係止突部42を有する。この係止突部42は、前記係止溝19の傾斜面19a,19bに摺接可能である互いに平行な対のガイド面42a,42bを有するとともに、これら両ガイド面42a,42bの上端間及び下端間を接続する互いに平行な上面42c及び下面42dを有して略平行四辺形の柱状に成形されている。
【0034】
チェック部材40は、係止突部42の上面42cが係止溝19の係止面19cに当接する態様で係止突部42が係止溝19に嵌入することで、従動シュー31とともにガイドレール14に沿う車両後方向(車両前後方向)への移動が係止される。また、チェック部材40は、図2(b)においてその前端(連結ピン29)を支点に時計回りに回動し、係止突部42が係止溝19から外れて第3レール部17内に進入することで、ガイドレール14に沿う車両後方向(車両前後方向)への移動の係止が解除される。
【0035】
また、チェック部材40は、車両幅方向に開口するカム凹部としてのカム孔43を有する。このカム孔43は、車両前後方向に延在する長孔状の直線部43aを有するとともに、該直線部43aの後端に連続して後方に向かうに従い上昇するように傾斜する傾斜部43bを有する。一方、前記駆動シュー21の車両幅方向外側の縦壁部24aには、車両幅方向外側に突設されてカム孔43に挿入されるガイドピン44が設けられている。つまり、チェック部材40の姿勢は、連結ピン29及びガイドピン44により上下位置が規制されることで決定されている。
【0036】
そして、例えば駆動シュー21の車両前後方向の移動に伴いガイドピン44がカム孔43の直線部43aを摺動する間は、チェック部材40は、連結ピン29周りに回動することなく一定の姿勢を維持する。このとき、係止突部42が係止溝19に嵌入するように設定されている。また、チェック部材40は、本体壁部41後端部の下面が駆動シュー21の規制部としての延出片24eに当接又は近接することで、係止突部42が係止溝19から外れる側への連結ピン29周りの回動又は変形が規制されている。なお、直線部43aに沿うガイドピン44の移動範囲は、例えば可動パネル13が全閉状態からチルトアップ動作を経てチルトアップ状態のままスライド動作を開始するときの駆動シュー21の移動範囲に相当する。
【0037】
また、図3(a)(b)に示すように、駆動シュー21の車両後方向の移動に伴いガイドピン44がカム孔43の直線部43a後端に達して傾斜部43bに進入すると、該傾斜部43bにおいてガイドピン44に押圧されるチェック部材40が連結ピン29周りに図示時計回りに回動する。このとき、駆動シュー21の車両後方向の移動に伴い、前記両延出片24d,24e間に本体壁部41後端部が配置されていることで、チェック部材40の回動が規制されることはない。これにより、係止突部42は、係止溝19の傾斜面19a,19bに案内されて第3レール部17内に進入する。そして、チェック部材40は、係止突部42が第3レール部17に嵌入することで、連結ピン29周りに回動することなく一定の姿勢を維持する。従って、この状態のまま駆動シュー21が車両後方向に更に移動すると、ガイドピン44に傾斜部43bで係止されるチェック部材40は、第3レール部17内で係止突部42を摺動させつつ、従動シュー31とともに車両後方向に移動する。そして、可動パネル13は、チルトアップ状態のまま全開状態までスライド動作する。
【0038】
なお、支持ブラケット27の前端部には、連結ピン29の後側で車両幅方向外側に突設されたパネル側ガイドピン45が設けられている。一方、チェック部材40には、可動パネル13の動作(全閉〜チルトアップ動作〜スライド動作)時のパネル側ガイドピン45の相対的な移動軌跡に合わせて略「く」の字状に成形され、該パネル側ガイドピン45が挿入されるガイド孔46が設けられている。換言すれば、可動パネル13の動作時の支持ブラケット27に対するチェック部材40の位置決めが、これらパネル側ガイドピン45及びガイド孔46の係合によって行われている。
【0039】
ここで、本実施形態の動作について説明する。
可動パネル13が閉状態からチルトアップ動作を経てスライド動作を開始するまでは、ガイドピン44が挿入されるカム孔43(直線部43a)によって、係止溝19に対する係止突部42の嵌入状態が保持される。そして、チェック部材40は、従動シュー31とともに車両後方向への移動が係止される。特に、可動パネル13のチルトアップ動作時、駆動シュー21の延出片24eによりチェック部材40が支えられることで、係止溝19からの係止突部42の外れがより確実に規制される。
【0040】
一方、これに続く可動パネル13のスライド動作の開始時、ガイドピン44が挿入されるカム孔43(傾斜部43b)によって、係止溝19から係止突部42が外れるようにチェック部材40の回動が案内される。また、チェック部材40の回動は、両延出片24d,24e間の間隙で該チェック部材40の回動軌跡が開放されることで許容される。これにより、従動シュー31とともにチェック部材40の車両後方向への移動の係止が解除されて、可動パネル13がスライド動作可能となる。なお、係止溝19から外れた係止突部42が第3レール部17に嵌入すると、該第3レール部17に規制されてチェック部材40の回動が再び規制されることは既述のとおりである。従って、駆動シュー21が更に車両後方向に移動すると、カム孔43の傾斜部43bにおいてガイドピン44に係止されるチェック部材40を介して従動シュー31が車両後方向に移動するとともに、ガイド溝26の第2傾斜部26cに係止される支持ブラケット27が車両後方向に移動する。そして、可動パネル13は、チルトアップ状態のまま全開状態までスライド動作する。
【0041】
なお、可動パネル13が全開状態から閉作動する際には、可動パネル13がスライド動作を終了するまでは、第3レール部17に対する係止突部42の嵌入状態が保持される。従って、駆動シュー21が車両前方向に移動すると、カム孔43の傾斜部43bにおいてガイドピン44に係止されるチェック部材40を介して従動シュー31が車両前方向に移動することで、可動パネル13は、チルトアップ状態のままスライド動作する。そして、可動パネル13のスライド動作の終了時、ガイドピン44が挿入されるカム孔43(傾斜部43b)によって、係止突部42が係止溝19に嵌入するようにチェック部材40の回動が案内される。これにより、従動シュー31とともにチェック部材40の車両前方向への移動が係止されて、可動パネル13がチルトダウン動作可能となる。従って、駆動シュー21が更に車両前方向に移動すると、ガイドピン44をカム孔43の直線部43aに摺動させつつ、ガイド溝26で昇降ガイドピン34を案内させることで、可動パネル13がチルトダウン動作して全閉状態となる。
【0042】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、可動パネル13のチルトアップ動作時、駆動シュー21の延出片24eによりチェック部材40(本体壁部41)が支えられることで、係止溝19からの係止突部42の外れが規制される。従って、チェック部材40(及び従動シュー31)のガイドレール14に沿う車両後方向への移動をより確実に係止することができ、可動パネル13のチルトアップ動作をより安定した状態で行うことができる。特に、従動シュー31を移動を係止するための負荷が最も大きい、可動パネル13が全閉状態からチルトアップ動作を開始する直後に、駆動シュー21の延出片24eによって、チェック部材40を支えることができる。
【0043】
(2)本実施形態では、係止溝19からの係止突部42の外れを、駆動シュー21及び駆動ベルト25を連結する既存の延出片24eを利用して規制したことで、部品点数を削減することができる。
【0044】
(3)本実施形態では、可動パネル13のスライド動作の開始時、係止溝19から係止突部42が外れる側へのチェック部材40の回動は、両延出片24d,24e間の間隙で許容される。つまり、両延出片24d,24e間の車両前後方向の範囲を利用してチェック部材40を回動させることで、係止溝19から係止突部42を外すことができるため、例えば駆動シュー21をその車両前後方向の全範囲を避けてチェック部材40を回動させる場合に比べて当該方向にチェック部材40をより小型化することができる。
【0045】
(4)本実施形態では、ガイドレール14に沿うチェック部材40の車両後方向への移動係止を解除する際、係止突部42は、対のガイド面42a,42bを係止溝19(傾斜面19a,19b)にその傾斜方向に摺接させつつ、該係止溝19から外れて第3レール部17内に進入する。従って、係止溝19から係止突部42を円滑に外すことができる。これにより、例えば係止溝19から係止突部42を急に外す場合に生じる、ガイドレール14(第3レール部17)との干渉に起因する異音を抑制することができる。
【0046】
(5)本実施形態では、両縦壁部24a間で支持ブラケット27を回動させることで、駆動シュー21の車両高さ範囲に支持ブラケット27を重ねることができ、特に可動パネル13の全閉時に全体として車両高さ方向により小型化することができる。
【0047】
(6)本実施形態では、可動パネル13の動作時の支持ブラケット27に対するチェック部材40の位置決めを、パネル側ガイドピン45及びガイド孔46の係合によって行うことができる。
【0048】
(7)本実施形態では、係止溝19又は第3レール部17に対する係止突部42の嵌入状態を保持するために、例えばばねなど利用する必要がないため、経年劣化による影響を緩和することができる。
【0049】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、チェック部材40を、駆動シュー21(本体部24)の車両幅方向内側に配置してもよい。この場合、駆動シュー21に専用の規制部を別設することが好ましい。
【0050】
・前記実施形態において、例えば略円柱状の係止突部(42)であってもよい。
・前記実施形態において、係止溝19(ガイドブロック18)は、ガイドレール14に一体であってもよい。
【0051】
・前記実施形態において、駆動シュー21に別設された専用の規制部によって、チェック部材40を支えて係止溝19からの係止突部42の外れを規制するようにしてもよい。この場合、可動パネル13が閉状態からチルトアップ動作をする全区間又は一部の区間で、チェック部材40を支えて係止溝19からの係止突部42の外れを規制する規制部であってもよい。あるいは、可動パネル13が閉状態からチルトアップ動作を経てスライド動作を開始するまでの、少なくともチルトアップ動作時の一部の区間を含む全区間又は一部の区間で、チェック部材40を支えて係止溝19からの係止突部42の外れを規制する規制部であってもよい。
【0052】
・前記実施形態において、ガイドレール14に沿う駆動シュー21の移動に伴って昇降動作する支持ブラケット27と駆動シュー21との連係構造は一例である。例えば支持ブラケット27とともにリンク機構を構成する適宜のレバーを設けるとともに、該レバーを介して支持ブラケット27と駆動シュー21とを連係してもよい。
【0053】
・前記実施形態において、ガイドレール14に沿う駆動シュー21の車両後方向への移動に伴い、可動パネル13をチルトダウン動作させる構造であってもよい。また、可動パネル13のチルト動作(チルトアップ動作又はチルトダウン動作)に続くスライド動作において、可動パネル13がルーフ10に沿って平行な姿勢を保つ構造であってもよい。
【0054】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両用ルーフ装置において、
前記駆動シューは、車両幅方向に離隔された対の縦壁部を有し、
前記支持部材は、前記両縦壁部間に配置されて、該縦壁部に連係されていることを特徴とする車両用ルーフ装置。同構成によれば、前記両縦壁部間で前記支持ブラケットを回動させることで、前記駆動シューの車両高さ範囲に前記支持ブラケットを重ねることができ、特に前記可動パネルの全閉時に全体として車両高さ方向により小型化することができる。
【符号の説明】
【0055】
10…ルーフ(屋根部)、10a…ルーフ開口部(開口部)、13…可動パネル、14…ガイドレール、18…ガイドブロック、19…係止溝、19a,19b…傾斜面、21…駆動シュー、24d…延出片、24e…延出片(規制部)、25…駆動ベルト(伝動部材)、27…支持ブラケット(支持部材)、31…従動シュー、40…チェック部材、41…本体壁部、42…係止突部、42a,42b…ガイド面、43…カム孔(カム凹部)、43a…直線部、43b…傾斜部、44…ガイドピン、
図1
図2
図3
図4
図5
図6