特許第5672005号(P5672005)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5672005空気排出孔を含む航空機の前縁及び航空機用ナセル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5672005
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】空気排出孔を含む航空機の前縁及び航空機用ナセル
(51)【国際特許分類】
   B64C 21/04 20060101AFI20150129BHJP
   B64D 29/06 20060101ALI20150129BHJP
   F02C 7/04 20060101ALI20150129BHJP
【FI】
   B64C21/04
   B64D29/06
   F02C7/04
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-535439(P2010-535439)
(86)(22)【出願日】2008年12月1日
(65)【公表番号】特表2011-505290(P2011-505290A)
(43)【公表日】2011年2月24日
(86)【国際出願番号】FR2008052165
(87)【国際公開番号】WO2009077689
(87)【国際公開日】20090625
【審査請求日】2011年11月8日
(31)【優先権主張番号】0759494
(32)【優先日】2007年12月3日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】509323440
【氏名又は名称】エアバス オペレイションズ エスエーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】チェリン,フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】サプライ,ティエリー
(72)【発明者】
【氏名】ブルドー,クリストフェ
【審査官】 芦原 康裕
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04154256(US,A)
【文献】 米国特許第03840199(US,A)
【文献】 米国特許第03889903(US,A)
【文献】 米国特許第04738416(US,A)
【文献】 特表2001−520149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 21/04−21/08
B64D 29/06、33/02
F02C 7/04
F15D 1/08,1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前縁が航空力学的表面(26)で延長されており、前記航空力学的表面(26)のレベルで航空力学的流束が流動し、前記航空力学的流束の剥離を阻止するための空気排出孔(30)が配置されており、前記空気排出孔(30)が前記前縁(22)にほぼ平行して少なくとも2つの列(32)をなし、そして、連続する前記少なくとも2つの列(32)の間では、前記空気排出孔(30)が互い違いに配置されている航空機の前縁であって、
前記航空機の前縁が、前記航空力学的表面(26)を形成する2つの壁面間に挿入される少なくとも1つの一体成型されたかいもの(36)を含み、前記かいもの(36)が、一方では、前記航空力学的表面(26)の延長部に相当する外面(38)、前記航空力学的表面(26)を形成する第1壁面と接触する第1傾斜面(40)、および、前記航空力学的表面(26)を形成する第2壁面と接触する第2傾斜面(42)を備え、そして他方では、前記航空力学的表面(26)の内側から外側への空気の流通を可能にする突出および/または凹状形態が、前記第1傾斜面(40)及び前記第2傾斜面(42)に、2つの傾斜面の間で互い違いになるように配設されていることを特徴とする航空機の前縁。
【請求項2】
排出される空気が、前記航空力学的表面(26)の近くで、傾斜した方向に噴射するように、前記空気排出孔(30)の形状が適応していることを特徴とする、請求項1に記載の航空機の前縁。
【請求項3】
前記前縁が空気を配分し、特定の前記空気排出孔(30)に向かって方向づけるための手段を含むことを特徴とする、請求項1または請求項2による航空機の前縁。
【請求項4】
外面(18)と、内側に動力機構が配置されている導管(16)とを連結する唇部(20)を含み、前記唇部(20)が前縁(22)を形成し、前記前縁(22)が前記導管(16)で延長され、前記導管(16)に空気排出孔(30)が前記前縁(22)にほぼ平行して少なくとも2つの列(32)をなして配置され、連続する前記少なくとも2つの列(32)の間では、前記空気排出孔(30)が互い違いに配置されている航空機用ナセルであって、
前記航空機用ナセル前記導管(16)を形成する2つの壁面の間に挿入される少なくとも1つの一体成型されたかいもの(36)を含み、前記かいもの(36)が、一方では、前記導管(16)の表面の延長部に相当する外面(38)、前記導管(16)を形成する第1壁面と接触している第1傾斜面(40)、および、前記導管(16)を形成する第2壁面と接触している第2傾斜面(42)を含み、そして他方では、内側から外側への空気の流通を可能にする突出および/または凹状形態が、前記第1傾斜面(40)及び前記第2傾斜面(42)に、2つの傾斜面の間で互い違いになるように配設されていることを特徴とする航空機用ナセル。
【請求項5】
前記唇部(20)を形成する壁面と前記導管(16)を形成する壁面との間に前記少なくとも1つの一体成型されたかいもの(36)を含むことを特徴とする、請求項4に記載の航空機用ナセル。
【請求項6】
前記唇部(20)の内側に、前記空気排出孔(30)への空気の補給を分離するために仕切られている区域を含むことを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の航空機用ナセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機の前縁用空気排出孔方式、とりわけ航空機のナセルの前縁に適する空気排出孔方式に関しており、前記方式は、とりわけ航空機の入射角の変化および/または突風の方向による航空力学的壁面からの空気の流束の剥離の危険を制限することを可能にする。
【背景技術】
【0002】
航空機の推進集合体は、ナセルを含んでおり、支柱を介して航空機の他の部分に連結してある前記ナセル内に、動力機構がほぼ同心的に配置してある。
【0003】
ナセルは、前部に空気取入口を有する導管を画定する第1の壁面を含んでおり、一次流束と呼ばれている、流入空気の流束が燃焼に加わるために動力機構を横断し、二次流束と呼ばれている第2の空気の流束が送風機に牽引されて、ナセルの第1壁面と動力機構の外壁に画定された環状導管内を流動する。
【0004】
ナセルはまた、複数の要素の並置からなる、空気取入口から後方の排出孔まで伸びている、ほぼ環状の断面の、外方の、と呼ばれている第2壁面、ならびに第1壁面と第2壁面を連結している、空気取入口を具象化している唇部も含んでいる。
【0005】
この先の記述では、ナセルの長手方向軸は、動力機構の軸と一致するものとする。
【0006】
ナセル内に流入する空気の流束がナセルの長手方向軸に対して大きい角度で方向付けられていると、航空力学的表面に対する空気の流束の剥離現象が引き起こされる。この現象は、エンジンの順調な機能に影響を及ぼす。空気の剥離現象は、空気の流動方向の逆転区域を特徴とする。この区域の始まりは、流動の主要方向にほぼ垂直な線と一致しており、今後、この線を剥離線と呼ぶことにする。
【0007】
この剥離現象は、とりわけ低速での大きな入射角の操作の飛翔時だけでなく、地上、とりわけ横風での離陸段階時にも出現することがある。
【0008】
この段階の間、剥離線は、通常、固定点または離陸条件では、上部または側方部に位置しており、飛翔操作の条件では、低部に位置している、円周の多かれ少なかれ広い部分において空気取入口の内部に伸びている。
【0009】
したがって、一般的な実施態様によれば、ナセルの寸法およびナセルの前部の形状の厚さは、この機能条件で決まる。その結果、他の飛翔条件、とりわけ巡航におけるナセルの性能にマイナス面が起こる。
【0010】
飛翔条件、地上における風の方向、飛翔中の航空機の速度と入射角またはエンジンの回転数によって、剥離線の位置は異なっている。したがって、例えば、入射角が大きければ大きいほど、この剥離線は、空気取入口である前部(前縁)に近くなるのに、航空機の速度またはエンジンの回転数が早ければ早いほど、前部から遠ざかる。
【0011】
EP−1.156.962号文書によって、剥離線に直角またはちょうど上流に、航空力学的流束に平行な方向に、壁面に対してほぼ接線に空気の流束を噴射することからなる、壁面からの航空力学的流束の剥離を阻止することのできる技術が知られている。噴射する空気の流束の航空力学的特性を調節することによって、剥離現象の出現の危険を制限することができる。
【0012】
この文書によれば、空気の流束の噴射地点は、剥離線にほぼ平行な線に配置してある。
【0013】
したがって、幾何学的形状のためと同じく、剥離現象の出現を阻止するためのこの解決策は、空気の流束と航空機の入射角と速度の限られた範囲しか処理できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ゆえに、本発明は、飛翔中にもっと大きくなる入射角、航空機の速度およびエンジンの回転数の範囲、ならびに地上で相対的にもっと大きくなる風の方向と速度の範囲に関する航空機の前縁のレベルにおける剥離現象の出現を制限することのできる空気の排出装置を提案することによって、従来の技術の欠点の排除を狙いとしている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
そのために、本発明は、航空力学的流束が流動するレベルに、航空力学的表面で延長されている航空機の前縁、および前縁とその延長されている部分を含む航空機用ナセルを対象としており、前記前縁の延長されている部分には前記航空力学的流束の剥離を阻止するための空気排出孔が配置されており、前記空気排出孔が、前記前縁にほぼ平行して少なくとも2つの列をなし、そして、連続する前記少なくとも2つの列の間では、前記空気排出孔が互い違いに配置されており、前記航空機の前縁が、前記航空力学的表面を形成する2つの壁面間に挿入される少なくとも1つの一体成型されたかいものを含み、前記かいものが、一方では、航空力学的表面の延長部に相当する外面、前記航空力学的表面を形成する第1壁面と接触する第1傾斜面、および、前記航空力学的表面を形成する第2壁面と接触する第2傾斜面を備え、そして他方では、前記航空力学的表面の内側から外側への空気の流通を可能にする突出および/または凹状形態が、前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面に、2つの傾斜面の間で互い違いになるように配設されていることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
その他の特性と利点は、添付図に照らして、単に例として示した記述である、これから記す本発明の記述によって明らかになるだろう。
図1A】剥離の瞬間の剥離区域を示す斜視図である。
図1B】突風時の剥離区域を示す斜視図である。
図2】本発明による空気取入口を示す斜視図である。
図3A】本発明の第1変形態様による空気排出孔の配置構成を示す上面図である。
図3B】本発明の別の変形態様による空気排出孔の配置構成を示す上面図である。
図3C】本発明のまた別の変形態様による空気排出孔の配置構成を示す上面図である。
図4】空気排出孔を示すナセルの空気取入口の断面図である。
図5】一実施態様による空気の排出装置を保有するかいものの詳細図を示すナセルの導管の壁面の断面図である。
図6図5のかいものを示す斜視図である。
図7】航空機のナセルの空気取入口を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0017】
図1A図1Bに、ナセル10を含む航空機の推進用集合体が示してあり、前記ナセル内に、支柱12を介して、航空機の他の部分と連結してある動力機構がほぼ前記心円的に配置してある。この先の記述では、長手方向軸14は、動力機構の軸と一致する。
【0018】
ナセル10は、導管を画定する第1壁面16、外面と呼ばれている第2壁面18、ならびに空気の流束が流入する空気取入口を画定する第1壁面16と第2壁面18とを連結する唇部20を含んでいる。
【0019】
一次流束と呼ばれている、空気取入口に進入する空気の流束の第1部分は、燃焼に参加すべく動力機構を貫通し、それに対して、送風機に牽引された、二次流束と呼ばれている第2部分は、ナセルの第1壁面と動力機構の外壁面とに画定された環状導管内を、送風機に牽引されて流動する。
【0020】
ナセルの唇部20は、ナセルの前部に当たる前縁22を含んでいる。
【0021】
ナセルに適用している、として記述しているが、本発明は、航空機の全ての前縁に適用でき、前記諸前縁は、ナセルの場合のように曲線状、または翼の場合のようにほぼ直線状であり得る。エンジンに繋がる作用が無いので、剥離線の位置の変化は、航空機の入射角と速度との複合作用に起因する。
【0022】
これから先の記述では、航空力学的表面とは、飛翔時の空気の流束が流動する、周囲の空気と接触する航空機の表面を指すことにする。
【0023】
空気の流束の特定の特性に関連して、剥離線は、多かれ少なかれ前縁から離れているので、航空力学的表面のレベルに出現することがあり得る。
【0024】
ナセルの場合、剥離線24は、導管16を画定し、前縁22の下流側に伸びている航空力学的表面26のレベルに出現することがあり得る。導管16の円周の方向に多かれ少なかれ伸びているこの剥離線は、例えば、航空機の大きな入射角でもって飛翔の場合、図1Aに示したように、航空力学的表面26の低部のレベルに、例えば、強い横風での離陸の場合、固定点においてエンジンの回転数の多い場合または図1Bに示したように、航空力学的表面26の側部のレベルに位置することがあり得る。
【0025】
前縁に対する剥離線24の位置、とりわけ前縁から隔たっている距離は、飛翔条件に応じて変化する。
【0026】
したがって、例えば、入射角が大きければ大きいほど、この剥離線は、前部(前縁)に近接し、それに反して、航空機の速度またはエンジンの回転数が早ければ早いほど、遠ざかる。
【0027】
剥離線24は、ナセルの円周の少なくとも一部分に伸びている。
【0028】
本発明では、航空力学的表面26は、前縁22にほぼ平行な少なくとも2つの列32に配置してある空気排出孔を含んでおり、前記空気排出孔30は、相次ぐ少なくとも2つの列では、長手方向軸に垂直な方向に、ずれた形で配置してある。図3A図3Bに示したように、2つの列の場合、空気排出孔は、互い違いになっている。
【0029】
空気排出孔30を前縁にほぼ平行して複数の列に配置することによって、空気排出孔で処理する帯状部の巾を増加させることになり、同範囲における剥離線の揺動を許す。
【0030】
空気排出孔の不連続性は、全範囲に亘る、流動方向に伸びている多数のスリットを有する配置構成に比して、必要な吐出量を減少させることを可能にする。
【0031】
他方では、1つの列から他の列にずれた形で空気排出孔30を配置する事実は、上流側の列のレベルに配置してある第1排出孔から流出する空気の流束で、下流側の列のレベルで配置してある空気の排出を擾乱しないことが可能になる。なお、この互い違いの配置構成は、流動の安定化に関して、各孔の不連続性によって発生する渦の好ましい作用を最適にする。
【0032】
図3Aないし図3Cに示したように、空気排出孔30は、異なる断面の形状を有することができる。
【0033】
したがって、図3Aに示したように、空気排出孔30は、扇形の形状を呈することができ、同形状は、全部、同一方法で方向付けて、または図3Aに示したように、1つの列と次の列が交互に逆方向に方向づけてある。
【0034】
別の実施態様では、図3B図3Cに示したように、正方形または長方形の断面を呈することができる。
【0035】
空気排出孔は、図3A図3Bに示したように、2つの列に配置してあり、または図3Cに示したように、3つの列またはそれ以上に配置してある。
【0036】
なお、列と列の間隔は一定であることができ、または相次ぐ2つの列間で異なることができる。
【0037】
場合によって、列は、前縁での列または区域に応じて完全に同一または異なる排出孔を有することができるだろう。
【0038】
場合によって、列は、剥離現象に対するもっとも危険な区域の確認後、航空機の配置構成と作業分野に応じて、ナセルの全円周または円周の少なくとも1つの部分に伸びることができる。
【0039】
排出孔の形状は、排出される空気が航空力学的表面に近い傾斜方向に噴射されるように合わせておかれる。参考として、噴射された空気は、航空力学的表面に対して5ないし45度の範囲の角度になるようにする。
【0040】
空気の吐出量は、航空力学的流束の剥離を阻止するために、これを調整しておく。
【0041】
変形態様では、空気は、あるいは一次流束のレベルでエンジン内から採取し、または二次流束のレベルでナセル内から、あるいは1つないし複数の汲み出し機を経由して外部から直接、あるいは前縁の空気圧除霜装置のレベルで、除霜すべき冷たい表面との熱交換による冷却した空気を採取することができる。
【0042】
本発明の別の特性として、本装置は、必要に応じて、空気を配分し、特定流出口に方向付けるための手段を含んでいる。
【0043】
したがって、本発明による装置は、処理される区域を選別することができ、噴射した空気の流束を、空気取入口の特定の区間に向かって方向付けることを許すゲート弁を含んでいる。
【0044】
例として、低速での飛翔では、空気取入口の下部だけが本当に補給される必要がある。そのとき、操縦士は、空気取入口の下部に配置してある空気排出孔に補給すべく、ゲート弁の開放を指示する。
【0045】
図4図5および図6に、ナセルに適用した本発明による本装置の一実施態様を示しておいた。
【0046】
ナセルは、導管16を形成する壁面、外面を形成する壁面18、唇部20、ならびに壁面16と18とを連結し、唇部20を担持する前枠34を含んでいる。この諸要素間の連結を確立するために各種の配置構成が考えられる。
【0047】
本発明によれば、図示の例では、本装置は、唇部20を形成する壁面と導管16を形成する壁面との間に、航空力学的表面を形成する2つの壁面間に介在する少なくとも1つのかいもの36を含んでおり、前記かいものは、壁面16と唇部20との接触壁面のレベルに、前記かいもの36の両側に、ナセルの内側から外側への空気の流通を許す突出および/または凹状形態を含んでいる。
【0048】
記述では、両壁面16と18および唇部20で画定している区域をナセルの内部区域と呼ぶことにする。外部区域は、導管16内を流動する風路を特に含んでいる。
【0049】
唇部20と接触しているかいものの突出および/または凹状形態は、空気排出孔の第1列になり、壁面16と接触するかいものの突出および/または凹状形態は、空気排出孔の第2列を形成する。
【0050】
図4図5および図6に示したように、空気排出孔は、露出型である。
【0051】
したがって、かいもの36は、航空力学的表面26の延長部に外面38、前記外面38と鋭角を形作る壁面16と接触している第1傾斜面40、前記第1傾斜面40とほぼ平行な唇部20と接触している第2傾斜面42を含んでいる。第1と第2傾斜面40と42を傾斜させることによって、空気排出孔を経て噴射される空気の流束の傾斜角の調整が可能である。
【0052】
突出および/または凹状形態は、両傾斜面40と42のレベルに配設してあり、一方では、外面38のレベルに、他方では、内側区域のレベルに口が開いており、突出および/または凹状形態は、一方の面から他方の面に、互い違いに配置してある。
【0053】
改善した一実施態様では、かいもの36は、唇部20の下に延長してある薄い厚さの部分44および壁面16の一部を格納するために、折り返し部を有する内面46を含んでいる。この場合、突出および/または凹状形態の第1系列は、唇部20と接触している部分44の表面から外面38まで広がっており、突出および/または凹状形態の第2系列は、内面46から外面38まで広がっている。
【0054】
かいもの36は、ナセルの円周の少なくとも1つの部分に伸びている単一部材を含むことができ、または円周の少なくとも一部に伸びていて、端と端を合わせた複数の短幹を含むことができる。
【0055】
諸変形態様では、本装置は、長手方向軸の方向に応じて、1つのかいもの36、あるいは並置したまたは並置していない複数のかいもの36を含むことができる。
【0056】
一実施態様では、前枠34と唇部20は排出孔30への空気の補給を分離するために仕切る区域を画定している。したがって、空気を1つまたは複数の仕切りに補給することによって、他の排出孔を活性化しないで、特定の空気排出孔を活性化することが可能である。
【符号の説明】
【0057】
10.ナセル
12.支柱
14.長手方向軸
16.第1壁面
18.第2壁面
20.唇部
22.前縁
24.剥離線
26.空力学的表面
30.空気排出孔
32.2つの列
34.前枠
36.かいもの
38.延長部外面
40.第1傾斜面
42.第2傾斜面
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7