(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明にかかる実施の形態1における草刈機の左側面図
【
図2】本発明にかかる実施の形態1における草刈機の平面図
【
図3】(a)本発明にかかる実施の形態1における草刈装置の平面図、(b)本発明にかかる実施の形態1における草刈装置の背面図、(c)本発明にかかる実施の形態1における草刈装置の左側面図
【
図4】本発明にかかる実施の形態1における草刈装置の裏面図
【
図5】本発明にかかる実施の形態1における草刈装置を裏面側から視た部分省略斜視図
【
図6】(a)本発明にかかる実施の形態1における草刈装置からベルトカバーを外した状態の平面図、(b)
図5(a)の左側面図
【
図7】(a)本発明にかかる実施の形態1における草刈装置のフロントガイドの構成を説明するための平面図、(b)
図7(a)の背面図、(c)
図7(a)の左側面図
【
図8】(a)本発明にかかる実施の形態1における草刈装置のフロントガイドと回転刈り刃の構成を説明するための平面図、(b)
図8(a)の背面図、(c)
図8(a)の左側面図
【
図9】(a)本発明にかかる実施の形態1における草刈装置の第1フロントガイドの構成を説明するための平面図、(b)
図9(a)の背面図
【
図10】(a)本発明にかかる実施の形態1における草刈装置の第2フロントガイドの構成を説明するための平面図、(b)
図10(a)の背面図
【
図11】(a)本発明にかかる実施の形態1における草刈装置の第3フロントガイドの構成を説明するための平面図、(b)
図11(a)の背面図
【
図12】本発明にかかる実施の形態1における草刈装置の第1フロントガイド、第2フロントガイド、及び第3フロントガイドの展開図
【
図13】(a)〜(d)フロントガイドの各位置における高さと回転刈り刃の高さの関係を示す図
【
図14】(a)、(b)本発明にかかる実施の形態1の変形例における草刈装置の第1フロントガイド、第2フロントガイド、及び第3フロントガイドの展開図の展開図
【
図15】(a)本発明にかかる実施の形態1における草刈装置の内側リヤローラの他の構成を示す斜視図、(b)他の構成の内側リヤローラをモーアデッキに取り付けた状態を示す斜視図
【
図16】(a)本発明にかかる実施の形態1における草刈装置のフロント中央ローラの構成を示す平面図、(b)本発明にかかる実施の形態1における草刈装置のフロント中央ローラの他の構成を示す平面図、(c)本発明にかかる実施の形態1における草刈装置のフロント中央ローラの他の構成を示す平面図
【
図17】本発明にかかる実施の形態1における草刈装置の着脱可能なガイドを説明するための裏面図
【
図18】本発明にかかる実施の形態1における草刈装置の他のガイド構成を説明するための裏面図
【
図19】本発明にかかる実施の形態1における草刈装置の他のガイド構成を説明するための裏面図
【
図20】本発明にかかる実施の形態1における草刈装置の他のガイド構成を説明するための裏面図
【
図21】本発明にかかる実施の形態1における草刈装置の他のガイド構成を説明するための裏面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明にかかる実施の形態における草刈機について図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明にかかる実施の形態1の草刈機の側面構成図である。
図2は、本発明にかかる実施の形態1の草刈機の平面構成図である。尚、本明細書において、前方向とは、草を刈る際の進行方向(矢印A参照)を前方向として示し、左方向とは、草刈機に作業者が乗って進行方向を見た場合の左手方向(矢印L参照)、右方向とは、草刈機に作業者が乗って進行方向を見た場合の右手方向(矢印R参照)を示す。又、上方が矢印Tで示されている。
【0021】
図1及び
図2に示すように、本実施の形態1の草刈機は、乗用型の草刈機であり、作業者が乗る走行車体1と、走行車体1の前側に連結されたディスチャージ型の草刈装置2を備えている。走行車体1は、左右一対の前輪3と、左右一対の後輪4を有し、走行車体1の後部には、エンジン5が設けられている。又、走行車体1の前部には、ステップフロア6が設けられており、ステップフロア6の上方には運転座席7が配置されている。運転座席7の前方には、ステアリングポスト8が設けられており、ステアリングポスト8の上部にはハンドル9が配置されている。
【0022】
ステアリングポスト8の下側には、ミッションケース10が設けられており、このミッションケース10にリンク機構11を介して草刈装置2が取り付けられている。そして、エンジン5からの駆動力をミッションケース10から草刈装置2に伝達する駆動力伝達軸12(
図2参照)が設けられている。
【0023】
次に、本実施の形態の草刈装置2について説明する。
【0024】
図3(a)は、本実施の形態の草刈装置2の平面図であり、
図3(b)は、本実施の形態の草刈装置2の背面図であり、
図3(c)は、本実施の形態の草刈装置2の左側面図である。
【0025】
草刈装置2は、第1回転刈り刃21、第2回転刈り刃22、第3回転刈り刃23(詳しくは後述する)と、これら回転刈り刃を収納するモーアデッキ20と、モーアデッキ20の上部に設けられた、駆動力伝達軸12からの駆動力を3つの回転刈り刃に伝達する伝達ベルト40(後述する)と、伝達ベルト40を覆うベルトカバー24とを有している。そして、モーアデッキ20の前後には、接地するローラが設けられている。詳しく述べると、モーアデッキ20の前側の中央にはフロント中央ローラ25が設けられており、モーアデッキ20の前側の左右のそれぞれにはフロント端ローラ26が設けられている。更に、モーアデッキ20の後側の左端及び右端には、端リヤローラ27が設けられており、その内側には、更に左右一対の内側リヤローラ28が設けられている。モーアデッキ20の左右のそれぞれの側面には、モーアデッキ20を保護するためのプロテクタ29が設けられている。このプロテクタ29は、
図1及び
図2に示すように、前後方向に配置されたパイプ状の部材であって、その前部29aが水平方向内側に湾曲するように形成されている。
【0026】
図4は、本実施の形態の草刈装置2の裏面図である。
図5は、モーアデッキ20を裏面側から視た斜視図であり、フロントガイド及び回転刈り刃以外の構成は省略されている。
【0027】
図4及び
図5に示すように、草刈機の左側面側から横方向に第1回転刈り刃21、第2回転刈り刃22、及び第3回転刈り刃23が配置されている。モーアデッキ20は、平面視五角形状の天板20aを有しており、その五角形状は、後側に形成された左右方向に延びる辺と、その辺の両端から前後方向に延びる2辺と、その2辺のそれぞれの前端から前方中央側に延び、前端20fの頂点を構成する2辺から形成されている。
【0028】
モーアデッキ20は、3つの回転刈り刃を覆うように形成されており、天板20aと、天板20aの前側の2辺のうち左側の辺から下方に向かって突出するように形成された前左壁部20bと、天板20aの前側の2辺のうち右側の辺から下方に向かって突出するように形成された前右壁部20cと、天板20aの左側面側の辺から下方に向かって突出するように形成された左壁部20Lと、天板20aの右側の辺から下方に向かって突出するように形成された右壁部20Rと、天板20aの後側の辺から斜め後方に向かって突出するように形成された後端部20Eを有している。
【0029】
そして、第1回転刈り刃21の前側には、第1回転刈り刃21の先端21eの回転軌跡に沿って、天板20aから下方に突出するように円弧状の第1フロントガイド31が形成されており、第2回転刈り刃22の前側には、第2回転刈り刃22の先端22eの回転軌跡に沿って、天板20aから下方に突出するように円弧状の第2フロントガイド32が形成されており、第3回転刈り刃23の前側には、第3回転刈り刃23の先端23eの回転軌跡に沿って、天板20aから下方に突出するように円弧状の第3フロントガイド33が形成されている。
【0030】
ここで、
図4に示すように、第1フロントガイド31の左側の周端部を第1フロントガイド左側周端部31Lとし、第1フロントガイド31の右側の周端部を第1フロントガイド右側周端部31Rとする。また、第2フロントガイド32の左側の周端部を第2フロントガイド左側周端部32Lとし、第2フロントガイド32の右側の周端部を第2フロントガイド右側周端部32Rとする。また、第3フロントガイド33の左側の周端部を第3フロントガイド左側周端部33Lとし、第3フロントガイド33の右側の周端部を第3フロントガイド右側周端部33Rとする。
【0031】
詳しくは後述するが、第1フロントガイド右側周端部31Rと第2フロントガイド左側周端部32Lは隣接しており、第2フロントガイド右側周端部32Rと第3フロントガイド左側周端部33Lは隣接している。
【0032】
又、
図4に示すように、第1フロントガイド31の左後側には、天板20aから下方に突出するように湾曲ガイド34が形成されており、湾曲ガイド34の後端から左後側に向かって、天板20aから下方に突出して第1斜めガイド35が形成されている。又、第3回転刈り刃23の右後方には、モーアデッキ20の右壁部20Rの内側から左後側に向かって天板20aから下方に突出して第2斜めガイド36が形成されている。第2フロントガイド左側周端部32Lと第3フロントガイド右側周端部33Rの隣接部分から前後方向に、第1直線ガイド50が天板20aから下方に突出するように形成されている。又、第2フロントガイド32の最前部(32a後述する)と右側面側の周端部の間から前後方向に第2直線ガイド51が天板20aから下方に突出するように形成されている。
【0033】
上記第1フロントガイド31、湾曲ガイド34、及び第1斜めガイド35によって、第1回転刈り刃21近傍の第1ガイド101が形成されている。又、第2フロントガイド32、第1直線ガイド50、及び第2直線ガイド51によって、第2回転刈り刃22近傍の第2ガイド102が形成されている。又、第3フロントガイド33、及び第2斜めガイド36によって、第3回転刈り刃23近傍の第3ガイド103が形成されている。
【0034】
又、
図4において、上記第1回転刈り刃21、第2回転刈り刃22、及び第3回転刈り刃23は、それぞれ第1回転軸21a、第2回転軸22a、第3回転軸23aを中心に同一方向(矢印E方向)に回転する。
【0035】
図6(a)は、本実施の形態の草刈装置の平面図であり、ベルトカバー24を取り外した状態を示す図である。
図6(b)は
図6(a)の左側面図である。
図6(a)、(b)に示すように、第1回転軸21a、第2回転軸22a、第3回転軸23aには、それぞれ第1プーリ37、第2プーリ38、第3プーリ39が配置されている。これら第1プーリ37、第2プーリ38、及び第3プーリ39に伝達ベルト40が捲き掛けられており、駆動力伝達軸12からの駆動力を3つの回転刈り刃に伝達する。
【0036】
次に、第1フロントガイド31、第2フロントガイド32、及び第3フロントガイド33の構成について詳細に説明する。
【0037】
図7(a)は本実施の形態の草刈装置2の平面図であり、説明のためフロントガイドのみ示している。
図7(b)は、
図7(a)の背面図であり、
図7(c)は、
図7(a)の左側面図である。又、
図8(a)は、モーアデッキ及び回転刈り刃を示した平面図であり、
図8(b)は、
図8(a)の背面図であり、
図8(c)は、
図8(a)の左側面図である。
【0038】
図7及び
図8に示すように、第1フロントガイド31、第2フロントガイド32,及び第3フロントガイド33は、円弧状に形成されている。第1フロントガイド左側周端部31Lは、モーアデッキ20の左壁部20Lの内側に接している。第1フロントガイド右側周端部31Rは、第2フロントガイド左側周端部32Lと隣接している。第2フロントガイド右側周端部32Rは、第3フロントガイド左側周端部33Lと隣接している。第3フロントガイド右側周端部33Rはモーアデッキ20の右壁部20Rの内側に接している。
【0039】
図9(a)は第1フロントガイド31の平面図であり、
図9(b)は第1フロントガイド31の背面図である。尚、
図9(b)の一点鎖線は、展開図を示している。
【0040】
図9(a)及び
図9(b)に示すように、第1フロントガイド31は、左側面側に延びる円弧の長さが、右側面側に延びる円弧の長さよりも長く形成されている。第1フロントガイド31は、その円弧状のなかで最も前側に位置している部分である第1フロントガイド前部31aから第1フロントガイド左側周端部31Lまで天板20aから突出している高さが徐々に低くなっている。又、第1フロントガイド前部31aから、右側の周端部よりの位置である第1フロントガイド第1位置31bまでは、第1フロントガイド31の天板20aから突出している高さが徐々に緩やかに低くなっている。そして、第1フロントガイド第1位置31bから第1フロントガイド右側周端部31Rまで天板20aから突出している高さが急に低くなっている。
【0041】
図10(a)は第2フロントガイド32の平面図であり、
図10(b)は第2フロントガイド32の背面図である。尚、
図10(b)の一点鎖線は、展開図を示している。
【0042】
図10(a)及び
図10(b)に示すように、第2フロントガイドは、左側面側及び右側面側に延びる円弧の長さが等しく形成されている。第2フロントガイド32は、その円弧状のなかで最も前側に位置している部分である第2フロントガイド前部32aから、左側の周端部よりの位置である第2フロントガイド第1位置32bまでは、第2フロントガイド32の天板20aから突出している高さが徐々に緩やかに低くなっている。そして、第2フロントガイド第1位置32bから第2フロントガイド左側周端部32Lまで天板20aから突出している高さが急に低くなっている。又、第2フロントガイド32は、第2フロントガイド前部32aから、右側の周端部よりの位置である第2フロントガイド第2位置32cまでは、第2フロントガイド32の天板20aから突出している高さが徐々に低くなっている。そして、第2フロントガイド第2位置32cから第2フロントガイド右側周端部32Rまで天板20aから突出している高さが急に低くなっている。
【0043】
図11(a)は第3フロントガイド33の平面図であり、
図11(b)は第3フロントガイド33の背面図である。尚、
図11(b)の一点鎖線は、展開図を示している。
【0044】
図11(a)及び
図11(b)に示すように、第3フロントガイド33は円弧状であり、右側面側に延びる円弧の長さが、左側面側に延びる円弧の長さよりも長く形成されている。第3フロントガイド33は、その円弧状のなかで最も前側に位置している部分である第3フロントガイド前部33aから第3フロントガイド第1位置33bまでは、第3フロントガイド33の天板20aから突出している高さが徐々に緩やかに低くなっている。そして、第3フロントガイド第1位置33bから第3フロントガイド左側周端部33Lまで天板20aから突出している高さが急に低くなっている。又、第3フロントガイド33は、第3フロントガイド前部33aから第3フロントガイド右側周端部33Rまで天板20aから突出している高さが同じになるように形成されている。尚、厳密に同じ高さである必要はなく、一方が他方より若干高い若しくは低くてもよい。
【0045】
図12は、第1フロントガイド31、第2フロントガイド32、及び第3フロントガイド33を繋げた状態の展開図を示している。
【0046】
図12に示すように、第1フロントガイド前部31a、第2フロントガイド前部32a、及び第3フロントガイド前部33aの天板20aからの突出した高さ(突出高さともいう)は同じである。又、第1フロントガイド右側周端部31R、第2フロントガイド左側周端部32L、第2フロントガイド右側周端部32R、及び第3フロントガイド左側周端部33Lは、天板20aから突出した高さが同じになるように形成されている。
【0047】
尚、第1フロントガイド左側周端部31Lの突出高さは、第1フロントガイド前部31aの突出高さよりも約20cm低く(すなわち天板20a側に近くなるように)なるように形成されている(
図12のh1参照)。又、第1フロントガイド右側周端部31R、第2フロントガイド左側周端部32L、第2フロントガイド右側周端部32R、及び第3フロントガイド左側周端部33Lの突出高さは、第1フロントガイド前部31a、第2フロントガイド前部32a、及び第3フロントガイド前部33aの天板20aからの突出高さよりも約60cm低くなっている(
図12のh2参照)。
【0048】
又、
図8(b)に示すように、第1回転刈り刃21、第2回転刈り刃22、及び第3回転刈り刃23は、同じ高さに形成されており、第1直線ガイド50及び第2直線ガイド51は、天板20aからの突出高さが、第1回転刈り刃21、第2回転刈り刃22、及び第3回転刈り刃23の高さよりも低くなるように形成されている。
【0049】
図13(a)〜(d)は、フロントガイドの各位置における高さと回転刈り刃の高さの関係を示す図である。
【0050】
図13(a)には、第1フロントガイド前部31aの下端の位置と、第1回転刈り刃21の位置の関係だけを示しているが、第1フロントガイド前部31a、第2フロントガイド前部32a、及び第3フロントガイド前部33aの下端の位置は、第1回転刈り刃21、第2回転刈り刃22、及び第3回転刈り刃23の位置と実質上一致している。
【0051】
すなわち、地面からの第1回転刈り刃21、第2回転刈り刃22、及び第3回転刈り刃23の高さと、第1フロントガイド前部31a、第2フロントガイド前部32a、第3フロントガイド前部33aの下端の位置の高さは実質上同じ高さになっている。
【0052】
そのため、第1フロントガイド31の左側の周端部及び右側の周端部、第2フロントガイド32の左側の周端部及び右側の周端部、並びに第3フロントガイド33の左側の周端部の位置、すなわち、
図8中、第1位置41、第2位置42、及び第3位置43において、フロントガイドの突出高さは、第1回転刈り刃21、第2回転刈り刃22、及び第3回転刈り刃23よりも低くなっている。
図13(b)には、第1フロントガイド左側周端部31Lの下端(第1位置41)の高さと、第1回転刈り刃21の高さの位置関係が示されている。
図13(c)には、第1フロントガイド右側周端部31R及び第2フロントガイド左側周端部32Lの下端(第2位置42)の高さと、第1回転刈り刃21の高さの位置関係が示されている。
図13(d)には、第2フロントガイド右側周端部32R及び第3フロントガイド左側周端部33Lの下端(第3位置43)の高さと、第2回転刈り刃22の高さの位置関係が示されている。
【0053】
すなわち、第1位置41では、フロントガイドの下端の位置は、地面から見て第1回転刈り刃21及び第2回転刈り刃22の位置よりもh1高くなっている。また、第2位置42、及び第3位置43において、フロントガイドの下端の位置は、地面から見て第1回転刈り刃21、第2回転刈り刃22、及び第3回転刈り刃23の位置よりもh2高くなっている。
【0054】
尚、本発明のブレードの一例は、本実施の形態の第1回転刈り刃21,第2回転刈り刃22、及び第3回転刈り刃23に対応する。又、本発明のガイドの一例は、本実施の形態の第1ガイド101、第2ガイド102、及び第3ガイド103に対応し、本発明の前方部の一例は、本実施の形態の第1フロントガイド31、第2フロントガイド32、及び第3フロントガイド33に対応する。又、本発明の「ブレードの先端が草刈装置の進行方向に向かう位置に対応するガイド部位」の一例は、本実施の形態の第1フロントガイド左側周端部31L、第2フロントガイド左側周端部32L、第3フロントガイド左側周端部33Lに対応し、本発明の「前記ブレードの先端が前記進行方向に対して横切るように動く位置に対応するガイド部位」の一例は、本実施の形態の第1フロントガイド前部31a、第2フロントガイド前部32a、及び第3フロントガイド前部33aに対応する。又、本発明の「ブレードの先端が進行方向から遠ざかる位置に対応するガイド部位」の一例は、本実施の形態の第3フロントガイド右側周端部33R、第2フロントガイド右側周端部32R、第1フロントガイド右側周端部31Rに対応する。本発明の「両端に位置するガイドのうち、ブレードの先端が進行方向から遠ざかる位置に対応するガイド部位の隣にガイドが存在しない一方のガイド」の一例は、第3ガイド103に対応する。本発明の「両端に位置するガイドのうち他方のガイド」の一例は、本実施の形態の第1ガイド101に対応し、本発明の「両端に位置するガイドに挟まれる他のガイド」の一例は、第2ガイド102に対応する。
【0055】
本実施の形態の草刈機では、第1回転刈り刃21、第2回転刈り刃22、及び第3回転刈り刃23を回転させながら、走行車体1を前進させることにより、草又は芝を刈ることが出来る。
【0056】
従来の草刈機では、地面からのフロントガイドの全ての下端の高さは、地面からの回転刈り刃の高さと同じ高さになっていたため、第1位置41、第2位置42、及び第3位置43で草又は芝の刈り残しが生じる場合があった。一方、第3フロントガイド右側周端部33Rでは、刈り残しが生じなかった。
【0057】
ここで、第1位置41で刈り残しが生じる理由としては、第1位置41では、第3フロントガイド右側周端部33Rと異なり、第1回転刈り刃21の先端が後側から近づいてくるため、フロントガイドで前方に倒された草を刈り難いためと考えられる。又、第2位置42、及び第3位置43では、前側から近づいてくる回転刈り刃と後側から近づいてくる回転刈り刃のスキマ部分であるからと考えられる。
【0058】
そこで、本実施の形態では、
図13に示すように第1位置41、第2位置42及び第3位置43におけるフロントガイドの下端の位置を、第1回転刈り刃21、第2回転刈り刃22、及び第3回転刈り刃23の位置よりも地面から高くすることによって、草刈機を前進させて草刈動作を行う際に、草又は芝の刈り残しを出来るだけ生じないようにすることが可能となる。
【0059】
又、本実施の形態では、プロテクタ29の前部29aが水平方向内側に湾曲するように形成されていることにより、プロテクタとモーアデッキの間に草を挟み込むことが無く、刈り後に挟まった草を落下させないようにすることが可能となる。また、プロテクタの前部を水平方向内側に湾曲するように形成していない場合、プロテクタとモーアデッキの間に草をはさんだ状態で前進し、草を引きちぎり、刈り跡を悪くすることがあるが、これを防ぐことが可能となる。更に、モーアデッキ20の両側面の前端部分が最も障害物に衝突しやすい部分であるが、ここがプロテクタ29により覆われているため、モーアデッキ20を保護することが可能となる。たとえ、プロテクタ29が障害物に衝突して曲がったとしても、モーアデッキ20本体への直接的な衝撃が少なく、ダメージを減少させることが可能となる。尚、芝刈りなど、草を挟み込むことがない場合には、プロテクタ29の前部を水平方向内側でなく、上方に曲げてもよいし、曲がっている前部を設けなくても良い。
【0060】
尚、本実施の形態では、第1フロントガイド31に突出高さの変化がゆるやかな変化から急な変化に変わる第1フロントガイド第1位置31bが形成されているが、第1フロントガイド第1位置31bが形成されておらず、第1フロントガイド前部31aから第1フロントガイド右側周端部31Rまで天板20aからの突出高さが徐々に緩やかに低くなるように形成されていてもよい。第2フロントガイド32、及び第3フロントガイド33も同様に、突出高さの変化がゆるやかな変化から急な変化に変わる位置が設けられていなくても良い。このような構成のフロントガイドの展開図が、
図14(a)に示されている。
【0061】
又、突出高さの変化がゆるやかな変化から急な変化に変わる位置が設けられておらず、第1フロントガイド右側周端部31R、第2フロントガイド左側周端部32L、第2フロントガイド右側周端部32R、及び第3フロントガイド左側周端部33Lの突出高さが、第1フロントガイド前部31a、第2フロントガイド前部32a、及び第3フロントガイド前部33aの天板20aからの突出高さよりも約20cm低く(第1フロントガイド左側周端部31Lと同じ高さ)なっていてもよい。このような構成のフロントガイドの展開図が、
図14(b)に示されている。
【0062】
又、本実施の形態では、3つの回転刈り刃が設けられていたが、1つの回転刈り刃が設けられている草刈装置であってもよい。この場合、回転刈り刃の端が後ろ側から近づいてくる側のフロントガイドの周端部の天板からの突出高さを回転刈り刃の高さよりも低くすればよい。
【0063】
又、本実施の形態では、モーアデッキ20内に配置されている内側リヤローラ28は、前側45aが天板20aから立設するように配置されたブラケット45(
図4参照)に回転可能に取り付けられているが、
図15(a)に示すように、傾斜状ブラケット46に内側リヤローラ28が取り付けられていても良い。このような傾斜状ブラケット46を、
図15(b)に示すように、その傾斜面46aが下側(
図1の状態では地面側)を向くように配置することによって、傾斜状ブラケット46の傾斜面46aで草が滑り、ブラケットに草が引っ掛かることを防ぐことが可能となる。
【0064】
又、本実施の形態では、
図16(a)に示すように、前左壁部20bと前右壁部20cによって形成される前端20fの前側にフロント中央ローラ25が配置されるように構成されているが、
図16(b)に示すように、構成されていても良い。
図16(b)では、前左壁部20bと前右壁部20cの間に左右に延びた前壁部20dが更に形成されている。この前壁部20dと並行にフロント中央ローラ25が配置されている。
【0065】
図16(a)の構成では、前端20fに角が形成されているため、芝生を傷つけたり、剥いだりする場合があるが、
図16(b)のように、先端の角が形成されないようにすることで、芝生を傷つけたり、剥いだりすることを減少させることが可能となる。
【0066】
又、
図16(b)の構成のほうが、フロント中央ローラ25をよりモーアデッキ20に近づけることが可能となるため、全長を短くすることが可能となる。尚、フロント中央ローラ25は
図16(b)のローラ形状に限らず、
図16(c)に示すように、2つの分かれたローラ部分25aから構成されていてもよい。
【0067】
図17は、本実施の形態のモーアデッキを裏面側から視た図であり、ガイドの構成を示す図である。
図17に示すように、本実施の形態の草刈装置には、第1フロントガイド31、第2フロントガイド32、第3フロントガイド33、湾曲ガイド34、第1斜めガイド35、第2斜めガイド36、第1直線ガイド50、及び第2直線ガイド51が設けられているが、湾曲ガイド34、第1斜めガイド35、第2斜めガイド36、第1直線ガイド50、及び第2直線ガイド51が着脱可能で、他の形状のガイドを取り付けてもよい。尚、
図17では、着脱可能なガイドが点線で示されている。以下の
図18〜
図20でも同様である。
【0068】
例えば、
図18では、湾曲ガイド34、第1斜めガイド35、及び第2斜めガイド36の代わりに、左側後部ガイド52、及び右側後部ガイド53が取り付けられている。左側後部ガイド52は、モーアデッキ20の左壁部20Lの内側からモーアデッキ20の後端部20Eまで形成されている。又、右側後部ガイド53は、モーアデッキ20の右壁部20Rの内側からモーアデッキ20の後端部20Eまで形成されている。
【0069】
又、
図19に示すように、
図18に示す第1直線ガイド50、第2直線ガイド51、左側後部ガイド52、及び右側後部ガイド53の代わりに、第3斜めガイド54、第4斜めガイド55、第5斜めガイド56、第6斜めガイド57、第7斜めガイド58、第8斜めガイド59、第9斜めガイド60、第10斜めガイド61が配置されていても良い。第3斜めガイド54は、第1回転刈り刃21の後側であってモーアデッキ20の左壁部20Lの内側から右後方に向かって配置され、第3斜めガイド54の後端から第4斜めガイド55が、モーアデッキ20の後端部20Eまで、右後方に向かって配置されている。第5斜めガイド56は、第3回転刈り刃23の後側であってモーアデッキ20の右壁部20Rの内側から左後方に向かって配置され、第5斜めガイド56の後端から第6斜めガイド57が、モーアデッキ20の後端部20Eまで、左後方に向かって配置されている。又、第2フロントガイド左側周端部32Lから右後方に向かって第7斜めガイド58が配置されており、第7斜めガイド58の後方に間隔を空けて、第8斜めガイド59が、右後方に向かって斜めに配置されている。又、第2フロントガイド右側周端部32Rから左後方に向かって第9斜めガイド60が配置されており、第9斜めガイド60の後方に間隔を空けて、第10斜めガイド61が、左後方に向かって斜めに配置されている。尚、
図19では、第8斜めガイド59と第10斜めガイド61と干渉するため、左右一対の内側リヤローラ28の代わりに中央に1つの内側リヤローラ28が配置されている。この内側リヤローラ28も
図18の位置と
図19の位置の間で着脱自在に構成されている。
【0070】
このようにガイドを着脱自在に構成することによって、草の状態により最適なガイド形状で作業を行うことが可能となる。
【0071】
又、
図20に示すように、第1回転刈り刃21を囲むように第1フロントガイド31の後側に円弧状の第1リヤガイド62を配置し、第2回転刈り刃22を囲むように第2フロントガイド32の後側に円弧状の第2リヤガイド63を配置し、第3回転刈り刃23を囲むように第3フロントガイド33の後側に円弧状の第3リヤガイド64を配置してもよい。このようにガイドを配置することによって、マルチング作業を行うことが可能となる。
【0072】
図21は
図4の変形例である。
図21と
図4とは第1直線ガイド50に相当する前方湾曲後方直線ガイド65の形状が異なる以外は概ね同じなので符号は部分的に省略している。
図21における
図4の第1直線ガイド50に相当する前方湾曲後方直線ガイド65の前端は第1フロントガイド31の後面に取り付け、前部を円弧状に形成し、途中部から後方に向かって直線状に構成している。