(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記レイアウト選択手段は、前記付帯領域の長辺の長さを、前記印刷領域の長辺または短辺の長さと略同一とし、かつ前記印刷領域の中心または当該中心近傍を含むように前記付帯領域を配置した分割レイアウトパターンの選択を受け付けることを特徴とする、請求項1に記載の写真撮影遊戯装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、上記従来の遊戯用写真作成装置では、レイアウトされる写真画像は互いに同一の形状または相似の形状であることが多い。特別にトリミング等を行わない限り、撮影画像の形状により写真画像の形状が規定されるからである。通常この形状は長方形であり、分割の便宜からその長辺に対する短辺の比率は約1/1.4に設定されることが多い。
【0008】
この点、利用者は、上記のような同一または相似の形状を有する複数の写真画像とは異なる形状を有する写真画像を欲することがあり、特に正方形状の写真画像は利用者のニーズが高い。
【0009】
しかし、予め定められた長方形状の印刷範囲内に印刷されるよう、正方形状の複数の写真画像と長方形状の複数の写真画像とを、いびつな隙間を生じることなく整然と美しくレイアウトすることは難しい。
【0010】
そこで、本発明の目的は、正方形状の1つ以上の写真画像と長方形状の複数の写真画像とを整然とレイアウトする写真撮影遊戯装置、写真撮影遊戯方法、および写真撮影遊戯プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、撮影を行い、得られた複数の撮影画像を表示し、編集入力を受け付け、編集入力に基づいて、撮影画像の編集を行うものである。そして、撮影画像に基づいて、複数の正方形の画像を含む複数の配置用画像であって、正方形の形状を有する配置用画像と、長方形の形状を有する配置用画像とを含む複数の配置用画像を生成し、長方形の記録用紙上での複数の配置用画像の配置に関する分割レイアウトパターンの選択を受け付ける。選択された分割レイアウトパターンに応じて、記録用紙上の印刷可能領域のうち、配置用画像に関連する付帯情報が印刷される付帯領域の配置位置を決定し、決定された付帯領域の配置位置に基づいて記録用紙に付帯情報を印刷し、印刷可能領域のうち付帯領域以外の領域に、選択された分割レイアウトパターンに応じて複数の配置用画像を印刷する。そして、上記2つの表示を行う表示手段とは別に設けられ、利用者が配置用画像を装置外部の端末装置によって取得するための操作入力を受け付ける表示手段が設けられる。
さらに、複数の付加画像の中から、正方形の形状を有する配置用画像に含まれる正方形用付加画像と、長方形の形状を有する配置用画像に含まれる長方形用付加画像とを、利用者に選択させる。
ここで、正方形用付加画像に対応する正方形撮影画像と、長方形用付加画像に対応する長方形撮影画像とを取得するための撮影が行われ、利用者に選択された正方形用付加画像を使用して撮影を行う場合、正方形用付加画像に対応する撮影範囲をリアルタイムで表示し、利用者に選択された長方形用付加画像を使用して撮影を行う場合、長方形用付加画像に対応する撮影範囲をリアルタイムで表示する。
また、上記表示手段は、当該表示手段を利用する利用者とは別の利用者に関する、撮影に関連する処理および編集に関連する処理の少なくとも一つの処理と並行して、操作入力の受付を可能とする。
【0012】
なお、本発明に関連する構成としては以下のようなものが考えられる。
第1の構成は、被写体である利用者を含む像を撮影する撮影手段と、前記撮影手段により得られる撮影画像または当該撮影画像を含む合成画像からなり矩形の形状を有する複数の写真画像を写真として印刷媒体に印刷する出力手段とを備える自動写真作成装置であって、
前記印刷媒体における矩形の形状を有する印刷領域に、前記複数の写真画像が印刷されない余剰領域が生じないように、または生じるべき前記余剰領域が1つであって隣接辺の直交する直角
多角形の形状を有するように、前記複数の写真画像のうちの正方形の形状を有する1つ以上の写真画像と長方形の形状を有する複数の写真画像とを配置するレイアウト手段を備え、
前記出力手段は、前記レイアウト手段により配置された複数の写真画像を前記印刷媒体に印刷し出力することを特徴とする。
【0013】
第2の構成は、第1の構成において、
前記レイアウト手段は、前記余剰領域を囲む最小の矩形の長辺の長さを、前記印刷領域の長辺または短辺の長さと略同一とし、かつ前記印刷領域の中心または当該中心近傍を含むように前記余剰領域を配置することにより、少なくとも2つのグループに分かれるように前記複数の写真画像を配置することを特徴とする。
【0014】
第3の構成は、第2の構成において、
前記レイアウト手段は、前記余剰領域が長方形の形状を有するように、前記複数の写真画像を配置することを特徴とする。
【0015】
第4の構成は、第2または第3の構成において、
前記出力手段は、前記余剰領域内に切り取り線を示す記号を印刷することを特徴とする。
【0016】
第5の構成は、第1から第4までのいずれか1つの構成において、
前記出力手段は、前記余剰領域内に所定の文字を印刷することを特徴とする。
【0017】
第6の構成は、第5の構成において、
前記レイアウト手段は、長方形の形状を有する前記余剰領域を配置し、当該余剰領域の長辺に沿って当該余剰領域内に所定の文字を印刷することを特徴とする。
【0018】
第7の構成は、第1から第6までのいずれか1つの構成において、
前記長方形の形状を有する複数の写真画像の長辺の長さは、当該写真画像の短辺の長さに対して2の平方根または当該値の近傍値を乗算した値に等しく、
前記正方形の形状を有する写真画像の辺の長さは、前記長方形の形状を有する複数の写真画像のうち少なくとも1つの写真画像の長辺または短辺の長さに等しいことを特徴とする。
【0019】
第8の構成は、第1から第7までのいずれか1つの構成において、
前記撮影手段による撮影の際に、正方形の形状を有する撮影画像の数または当該数を推定可能な利用者による操作入力を受け付ける第1の入力手段と、
前記印刷媒体に印刷されるべき写真画像の数または当該数を推定可能な利用者による操作入力を受け付ける第2の入力手段とをさらに備え、
前記撮影手段は、前記第1の入力手段により受け付けられる前記操作入力により決定または推定される前記数に応じた回数または当該回数以上の撮影を行うことにより、前記正方形の形状を有する撮影画像を取得し、
前記レイアウト手段は、前記第1の入力手段により決定または推定される前記数の整数倍となる数の前記正方形の形状を有する写真画像を含む前記複数の写真画像を配置することを特徴とする。
【0020】
第9の構成は、被写体である利用者を含む像を撮影する撮影ステップと、前記撮影ステップにより得られる撮影画像または当該撮影画像を含む合成画像からなり方形の形状を有する複数の写真画像を写真として印刷媒体に印刷する出力ステップとを備える自動写真作成方法であって、
前記印刷媒体における矩形の形状を有する印刷領域に、前記複数の写真画像が印刷されない余剰領域が生じないように、または生じるべき前記余剰領域が1つであって隣接辺の直交する直角多角形の形状を有するように、前記複数の写真画像のうちの正方形の形状を有する1つ以上の写真画像と長方形の形状を有する複数の写真画像とを配置するレイアウトステップを備え、
前記出力ステップでは、前記レイアウトステップにより配置された複数の写真画像を前記印刷媒体に印刷し出力することを特徴とする。
【0021】
第10の構成は、第9の構成に記載の自動写真作成方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラムである。
【0022】
第11の構成は、撮影画像または撮影画像を含む合成画像からなる写真画像が印刷された方形の形状を有する印刷領域を備える印刷媒体であって、
前記写真画像は、正方形の形状を有する1つ以上の第1の画像および長方形の形状を有する複数の第2の画像からなり、
前記印刷領域には、前記写真画像が印刷されない余剰領域が生じないように、または生じるべき前記余剰領域が1つであって隣接辺の直交する直角多角形の形状を有するように配置された前記第1および第2の画像が印刷されていることを特徴とする。
【0023】
第12の構成は、第11の構成において、
前記印刷領域には、前記余剰領域を囲む最小の矩形の長辺の長さを、当該印刷領域の長辺または短辺の長さと略同一とし、かつ前記余剰領域の中心を当該印刷領域の中心に略一致させるように前記余剰領域を配置することにより、少なくとも2つのグループに分かれるように前記複数の写真画像が配置され、前記余剰領域内に所定の文字および切り取り線を示す記号のうち少なくとも一方が印刷されていることを特徴とする。
【0024】
第13の構成は、方形の形状を有する印刷領域に、撮影画像または撮影画像を含む合成画像からなる写真画像を印刷するための印刷レイアウト方法であって、
前記印刷領域に、前記写真画像が印刷されない余剰領域が生じないように、または生じるべき前記余剰領域が1つであって隣接辺の直交する直角多角形の形状を有するように、前記複数の写真画像のうちの正方形の形状を有する1つ以上の写真画像と長方形の形状を有する複数の写真画像とを配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
上記本発明によれば、付帯領域以外の領域に、選択された分割レイアウトパターンで、正方形および長方形の写真画像を美しくレイアウトすることができる。
【0026】
なお、上記第1の構成によれば、矩形の形状を有する印刷領域に、複数の写真画像が印刷されない余剰領域が生じないように、または生じるべき余剰領域が1つであって隣接辺の直交する直角多角形の形状を有するように、正方形の形状を有する1つ以上の写真画像と長方形の形状を有する複数の写真画像とを配置するので、余剰領域が生じない場合はもちろん、1つ生じる場合であっても、当該余剰領域以外の無駄な余白(隙間)を生じることなく、正方形および長方形の写真画像を美しくレイアウトすることができる。
【0027】
上記第2の構成によれば、印刷領域の中心または当該中心を通って印刷領域を架け渡されるように余剰領域が配置されることになるので、少なくとも2つのグループに分かれるように複数の写真画像が配置される。このことから、全ての写真画像を美しくレイアウトすることができるだけでなく、この余剰領域に沿って印刷媒体を切断することができるため、写真画像を(典型的には利用者の人数に応じて)少なくとも2つのグループに切り分けやすくすることができる。
【0028】
上記第3の構成によれば、余剰領域が長方形の形状を有するので、さらに美しくレイアウトすることができるとともに、上記長方形をまっすぐに切断すればよいことから、印刷媒体の切断がさらに容易になるため、写真画像を少なくとも2つのグループにさらに切り分けやすくすることができる。
【0029】
上記第4の構成によれば、余剰領域内に切り取り線を示す記号(例えば点線など)が印刷されるので、利用者は当該切り取り線に沿って印刷媒体を簡単に切断することができる。
【0030】
上記第5の構成によれば、余剰領域内に所定の文字(例えばURLなど)が印刷されるので、当該文字による利用者への情報伝達を図ることができ、余剰領域を有効に活用することができる。
【0031】
上記第6の構成によれば、長方形の形状を有する余剰領域を配置し、当該余剰領域の長辺に沿って当該余剰領域内に所定の文字が印刷されるので、利用者はこの文字上または文字の配列方向に沿って印刷媒体を簡単に切断することができ、かつ当該文字による利用者への情報伝達を図ることができる。
【0032】
上記第7の構成によれば、長方形の写真画像の長辺の長さは、その短辺の長さに対して2の平方根または当該値の近傍値を乗算した値に等しく、正方形の写真画像の辺の長さは、長方形の長辺または短辺の長さに等しいので、異なる大きさの長方形の写真画像を余剰領域以外の余白(隙間)を生じることなく美しくレイアウトすることができ、かつ正方形写真画像のレイアウトも余剰領域以外の余白(隙間)を生じることなく美しくレイアウトすることができる。
【0033】
上記第8の構成によれば、印刷されるべき写真画像の数または当該数を推定可能な利用者による操作入力を受け付ける第2の入力手段とは別に、撮影の際に、第1の入力手段において正方形の形状を有する撮影画像の数または当該数を推定可能な利用者による操作入力を受け付け、撮影手段により正方形の撮影画像が取得され、第1の入力手段により決定または推定される数の整数倍となる数の正方形の形状を有する写真画像を含む写真画像が配置されるので、第2の入力手段による入力時点で正方形写真画像の数を特に指定する必要がなくなる。よって、利用者のレイアウト選択が容易になる。また撮影時に正方形写真画像に対応する正方形の撮影画像が取得されるので、長方形写真画像から正方形写真画像を生成するためのトリミング等の画像処理が必要なくなる。
【0034】
上記第9の構成によれば、上記第1の構成と同様の効果を当該自動写真作成方法において奏することができる。
【0035】
上記第10の構成によれば、上記第1の構成と同様の効果を当該プログラムにおいて奏することができる。
【0036】
上記第11の構成によれば、上記第1の構成と同様の効果を当該印刷媒体において奏することができる。
【0037】
上記第12の構成によれば、印刷領域の中心または当該中心を通って印刷領域を架け渡されるように余剰領域が配置されることになるので、少なくとも2つのグループに分かれるように複数の写真画像が配置される。このことから、全ての写真画像を美しくレイアウトすることができるだけでなく、この余剰領域に沿って印刷媒体を切断することができるため、写真画像を少なくとも2つのグループに切り分けやすくすることができる。さらに、余剰領域内に所定の文字または切り取り線を示す記号が印刷されるので、切り取り線が印刷される場合にはそれに沿って印刷媒体を簡単に切断することができ、文字が印刷される場合には、当該文字による利用者への情報伝達を図ることができる。
【0038】
上記第13の構成によれば、上記第1の構成と同様の効果を当該印刷レイアウト方法において奏することができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
<1.全体構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る自動写真作成装置である遊戯用写真作成装置(写真撮影遊戯装置)の外観を示す図である。より詳細には、
図1(a)は、この遊戯用写真作成装置を横から見た外観側面図であり、
図1(b)は、上から見た外観平面図である。この遊戯用写真作成装置は、利用者が入る撮影室2と、利用者を撮影し背景画像および前景画像の選択を受け付ける撮影ユニット3と、利用者による落書き(描画操作)を含む編集操作を受け付け撮影画像に合成した合成画像を生成する編集ユニット4と、合成画像を出力する出力ユニット5とを備えている。
図2は、撮影ユニット3の正面図であり、
図3は、編集ユニット4の正面図である。以下、
図1から
図3を参照しつつ、本実施形態における遊戯用写真作成装置の全体構成について説明する。
【0041】
撮影室2は、略直方体形状であって、撮影ユニット3は、内部に入る利用者から見て前の面である撮影室2の前面に沿って配置されている。なお、撮影室2の左右両側面の一部には、それぞれ利用者が出入りするための開口部と、当該開口部の一部または全部を覆う遮光カーテンとが設けられている。また、撮影室2の内部に入る利用者から見て後ろの面である背面には電動ロールカーテン装置25が配置されている。
【0042】
撮影ユニット3は、利用者を撮影する撮像手段としてのカメラ10と、当該カメラ10の上下左右の位置に配置され閃光を発するストロボ11,12,13L,13R,14と、当該カメラ10の下方に配置され利用者からの操作の受け付けや撮影画像の表示等を行う撮影操作用タッチパネル20とを備えている。
【0043】
カメラ10は、典型的には、CCD(電荷結合素子)を利用してデジタル画像信号を生成するデジタルカメラであって、利用者を撮影し、その撮影画像を表す画像信号を出力する。ストロボ11〜14は、撮影のための充分な光を得るために利用者に向かって閃光を発する。撮影操作用タッチパネル20は、撮影の際に利用者による各種操作を受け付けるための操作画面を提供するとともに、上記画像信号に基づく画像をリアルタイムで表示するように構成されている。
【0044】
撮影操作用タッチパネル20には、リアルタイムで撮影画像を表示するためのリアルタイムプレビュー領域、ポーズの見本を表示するためのポーズ見本表示領域、および撮影によって得られる落書き対象画像を表示するための落書き対象画像表示領域などを含む画面が表示される。
【0045】
また撮影ユニット3は、コンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置、I/O制御装置、および編集ユニット4と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵している。また、撮影ユニット3は、前面下方にコイン投入口26を備えている。
【0046】
編集ユニット4は、撮影ユニット3と同様のコンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置、および撮影ユニット3等と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵している。また、編集ユニット4は、
図1(b)に示すように、2組の利用者がプレイ可能なように2つのユニット4a、4bに分かれている。そのうちの一方のユニット4aには、落書き領域や落書きのためのメニュー、ツール等を表示する領域を含む編集操作用タッチパネル400と、当該編集操作用タッチパネル400に対する操作に使用されるタッチペン49L、49Rとが設けられている。なお、他方のユニット4bについても同様の構成となっている。ここで
図1(a)において手前に見えるユニット4aを「落書きブースA」と呼び、その反対側(図では裏側)のユニット4bを「落書きブースB」と呼ぶ。
【0047】
本実施形態における編集操作用タッチパネル400は、各ユニット4a、4bにおいてそれぞれ2人の利用者が同時に落書きを行えるような画面構成となっている。なお、本説明においては、左側の利用者が使用する構成要素には「L」を含む参照符号を付し、右側の利用者が使用する構成要素には「R」を含む参照符号を付している。
【0048】
出力ユニット5は、典型的には携帯電話端末に備えられる赤外線ポートを使用して行われるような近距離で接触を要しない通信(以下「非接触通信」という)により、利用者の携帯電話端末に画像を送信する際に利用者によって操作される出力操作用タッチパネル30と、出力操作用タッチパネル30の下方に配置され上記画像送信のための赤外線通信を行う非接触通信ポート31と、上記非接触通信の際に必要な操作方法や効果音などを音声によって利用者に知らせるスピーカ32とを備えている。また、出力ユニット5は、前面下方に、編集ユニット4で編集操作が行われた合成画像を印刷した写真シールや写真カード等を取り出す取出口33を備えている。
【0049】
出力操作用タッチパネル30は、利用者が合成画像を印刷された写真シールを携帯電話端末でも見たい場合に、上記非接触通信機能を備えた携帯電話端末に送信するのに必要な各種操作を受け付けるための操作画面を提供するように構成されていている。
【0050】
このような出力ユニット5は、撮影ユニット3と同様のコンピュータを中心に構成され各部の制御等を行う制御装置および編集ユニット4等と通信を行うためのネットワークアダプタ等を内蔵しているほか、合成画像を写真シールとして印刷するネットワークプリンタ35を備えている。
【0051】
以上のような構成において、利用者は、撮影室2において撮影を行った後、編集ユニット4の落書きブースAまたは落書きブースBの編集操作用タッチパネル400を使用することにより、撮影画像に基づいて生成された落書き対象画像に対して落書きを行う。そして、利用者は、落書きによって生成された合成画像をネットワークプリンタによって印刷したり、非接触通信機能を有する携帯電話端末に非接触通信を利用して画像を送信し、携帯電話端末で受信した画像を端末画面に表示させたりする。
【0052】
<2.機能的構成>
図4は、本実施形態に係る遊戯用写真作成装置の要部を機能面から見た構成を示すブロック図である。
図4に示されるようにこの遊戯用写真作成装置は、機能的には、主として利用者を撮影する処理(撮影処理)を行うための撮影処理部7と、主として落書き対象画像に対する利用者の落書き操作に応じて当該落書き対象画像の編集処理を行うための編集処理部8と、編集処理が行われた落書き対象画像を写真シールとして出力したり、非接触通信を利用して携帯電話端末に出力したりする処理(出力処理)を行う出力処理部9とから構成されている。
【0053】
撮影処理部7は、第1の制御部70と、撮像部71と、第1の表示・操作部72と、I/O制御部73と、照明部74と、第1の通信部75とによって構成されている。編集処理部8は、第2の制御部80と、第2の表示・操作部81,82と、第2の通信部83とによって構成されている。出力処理部9は、第3の制御部90と、第3の表示・操作部91と、印刷出力部92と、音声出力部93と、非接触通信部94と、第3の通信部95とによって構成されている。ネットワークアダプタである第1、第2および第3の通信部75,83,95は、LAN(Local Area Network)であるネットワーク6を介してそれぞれ相互に通信可能となっている。
【0054】
撮像部71は、CCD等の撮像素子を用いて構成されるカメラ10に相当し、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像(撮影画像)を表す画像信号を出力する。この画像信号は第1の制御部70に入力されて、その内部のメモリに撮影画像データとして一時的に記憶される。また、この撮影画像データは撮影画像信号として第1の制御部70から第1の表示・操作部72に供給され、当該撮影画像信号に基づく撮影画像がリアルタイムに表示される。
【0055】
第1の表示・操作部72は、撮影操作用タッチパネル20に相当し、撮影モードの選択や、撮影画像に合成されるべき背景画像および前景画像(特に正方形用フレームを含むフレーム画像)を選択する操作、シャッター操作等を受け付ける。これらの操作を示す信号は、操作信号として第1の制御部70に入力される。ここで、利用者を撮影するための(選択された撮影メニューに対応する)所定の処理が開始されると、第1の表示・操作部72に利用者のための案内が表示され、その後の第1の制御部70からの指示に基づき、数秒程度の予め決められた時間の経過後にカメラ10の撮影方向にストロボ11〜14から閃光が放たれる。そのとき、利用者の撮影画像を表す信号として撮像部71から出力される画像信号が第1の制御部70に入力され、第1の制御部70内のメモリまたは補助記憶装置としてのハードディスク装置等に撮影画像データとして格納される。
【0056】
照明部74は、カメラ10の上下左右の位置に配置されたストロボ11,12,13L,13R,14に相当し、第1の制御部70からの指示に基づきI/O制御部73によって点灯/消灯および調光が制御される。I/O制御部73は、撮影ユニット3に内蔵されるI/O制御装置に相当し、第1の制御部70からの指示に基づき、照明部74を制御する。また、後述のコイン検出部(不図示)からの検出信号等の入力信号を第1の制御部70へ転送する。第1の通信部75は、撮影ユニット3に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0057】
第1の制御部70は、撮影ユニット3に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー、補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、上述のようにして入力される操作信号等に基づき各部を制御するために、上述のように各部に指示を出す。また撮影された画像に基づいて落書き対象画像を生成する。生成された落書き対象画像はフレームバッファに書き込まれることにより、第1の表示・操作部72に表示される。さらに、第1の制御部70は、落書き対象画像に所定の背景画像や前景画像を描画した画像である合成画像を生成する。生成された合成画像はフレームバッファに書き込まれることにより第1の表示・操作部72に表示される。こうして撮影および合成画像の生成が終了すると、生成された合成画像は利用者の入力操作に応じて適宜選択された後、第1の通信部75を介して、編集ユニット4に対応する第2の制御部80へ送られる。
【0058】
上記の構成要素の他、撮影ユニット3におけるコイン投入口26に投入されたコインを検出するためのコイン検出部(不図示)が更に撮影ユニット3に設けられており、第1の制御部70は、コイン検出部での検出結果に基づき、利用者に所定時間だけ撮影や背景画像および前景画像の選択や落書き等、本遊戯用写真作成装置によるプレイを許容するように各部を制御する。このコイン検出部による検出動作やその検出結果に基づく第1の制御部70による制御動作は、従来の遊戯用写真作成装置と同様であって周知であるので、その詳しい説明を省略する。
【0059】
第2の制御部80は、編集ユニット4に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、および補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、編集処理に関する全体の制御を行う。また、第2の制御部80は、第1の制御部70から送られてきた撮影画像に対する落書き処理を行うための操作信号に基づき、落書き対象画像に所定画像を描画した画像である合成画像を生成する。生成された合成画像は利用者の指示に応じて対応する第2の表示・操作部81,82に表示される。上記のような合成画像の生成が終了すると、当該合成画像は出力ユニット5に送られる。なお、印刷出力部92が別の合成画像を出力中である場合には、その旨が表示されるとともに終了を待って送られる。
【0060】
第2の表示・操作部81、82は、落書きのための編集操作用タッチパネル400に相当し、タッチペンを用いた利用者の落書きのための操作や、出力されるべき写真のレイアウトを決定するための利用者の後述する操作を受け付ける。第2の通信部83は、編集ユニット4に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0061】
第3の制御部90は、出力ユニット5に内蔵され、CPU、メモリ、フレームバッファ、タイマー、および補助記憶装置等を含むコンピュータを中心に構成される制御装置に相当し、内部メモリに格納された所定プログラムをCPUが実行することにより、出力処理に関する全体の制御を行う。第3の制御部90は、第2の制御部80から送られてきた合成画像を合成画像データとしてメモリに格納する。印刷出力部92は出力ユニットに内蔵されるネットワークプリンタ35に相当し、メモリに格納された複数の合成画像データを利用者が選択した態様でレイアウトした写真シール(ここでは写真シールであるものとするが、写真カード等であってもよい)として印刷する。印刷された写真シールは、出力ユニット5の正面下方に設けられた取出口33から取り出される。
【0062】
また、第3の制御部90は、編集ユニット4から送られてきた合成画像に基づいて写真シールの印刷処理を開始すると同時に、利用者が作成した合成画像のデータを携帯電話端末にダウンロードできるように、利用者の入力操作を受け付けるための操作画面を第3の表示・操作部91に表示する。この第3の表示・操作部91は出力操作用タッチパネル30に相当し、受け付けた入力操作を操作信号として第3の制御部90に入力する入力手段として機能する。
【0063】
第3の制御部90は、入力された操作信号に基づき、利用者の携帯電話端末に画像データを送信するように非接触通信部94に対して指示を出す。非接触通信部94は非接触通信ポート31に相当する。上記画像データは、非接触通信部94から非接触通信方式の赤外線信号として利用者の携帯電話端末に直接送信される。第3の通信部95は、出力ユニット5に内蔵されるネットワークアダプタに相当し、ネットワーク6を介したデータ送受信の際のインタフェースとして機能する。
【0064】
ここで、第3の制御部90は、上記入力操作が行われていない間、補助記憶装置に予め記憶されているデモ画像(デモンストレーション用の画像)やミニゲームの画像等をフレームバッファに書き込むことにより第3の表示・操作部91に表示する。また音声出力部93は、スピーカ32に相当する。音声出力部93は、第3の表示・操作部91に表示される操作画面と連動して入力操作方法を利用者に説明し、また第3の表示・操作部91にデモ画像やミニゲームが表示されているときに楽曲や効果音等を流す。
【0065】
ここで、各制御装置において実行される上記所定プログラムは、例えば、そのプログラムを記録した記録媒体であるDVD−ROMによって提供される。すなわち、上記所定プログラムの記録媒体としてのDVD−ROMが補助記憶装置として制御装置内に内蔵されたDVD−ROM駆動装置に装着され、そのDVD−ROMから所定プログラムが読み出されて補助記憶装置としてのハードディスク装置にインストールされる。また、上記所定プログラムは、DVD−ROM以外の記録媒体(CD−ROM等)や通信回線を介して提供されてもよい。そして、本遊戯用写真作成装置の起動のための操作がなされると、ハードディスク装置にインストールされた所定プログラムは、各制御装置内のメモリに転送されてそこに一時的に格納され、各制御装置内のCPUによって実行される。これにより、各制御装置による上記各部の制御処理が実現される。このように本遊戯用写真作成装置は、複数のコンピュータからなるが、上記各制御処理は1つ以上のコンピュータにより実行される構成であればよい。
【0066】
<3.遊戯用写真作成装置における処理手順>
上述したように、この遊戯用写真作成装置には、撮影ユニット3と編集ユニット4と出力ユニット5とが含まれている。撮影ユニット3では撮影処理が行われ、編集ユニット4では編集処理が行われ、出力ユニット5では出力処理が行われる。なお、或る利用者が撮影ユニット3でプレイしている時に他の利用者は編集ユニット4でプレイし、さらに他の利用者は出力ユニット5で合成画像を出力することができるように構成されている。すなわち、この遊戯用写真作成装置は、撮影処理と編集処理と出力処理とを並行して行うことができる。以下、撮影処理および編集処理の処理手順の概要について説明する。
【0067】
<3.1 撮影処理>
図5は、本実施形態における撮影処理の処理手順を示すフローチャートである。この遊戯用写真作成装置が使用されていない時(プレイが行われていない時)には、撮影操作用タッチパネル20にはデモ画像が表示されている。デモ画像の表示中に利用者がコイン投入口26にコインを投入すると、プレイが開始される(ステップS100)。
【0068】
プレイが開始されると、第1の制御部70は、利用者による撮影モードの選択を受け付ける(ステップS110)。ステップS110では、例えば画質(具体的にはコントラストが高いくっきりとした画質、柔らかなふんわりとした画質、または透明感のあるクールな画質のうちのいずれか)を選択し、明るさを選択し、自動で撮影するか手動で撮影するかを選択し、自動で撮影する場合には撮影用テーマの選択が行われる。この場合、第1の制御部70は、予め用意された複数の撮影用テーマの中から1つ以上の撮影用テーマを利用者に選択させるための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第1の制御部70は、利用者の選択操作に基づいて選択情報を取得し、選択された撮影用テーマに基づいて、撮影の際に使用する(前景画像となる)フレーム画像と背景との組み合わせを決定する。また手動で撮影する場合は、上記フレームと背景とを利用者が自由に決定する。
【0069】
ここで利用者により決定される上記フレームとしては、一般的な長方形の写真画像に対して使用される長方形用フレームのほかに、後述する正方形の写真画像に対して使用される正方形用フレームがそれぞれ複数種類用意されており、利用者はこれらの中から所望のフレームを適宜選択することができる。
【0070】
具体的には、第1の制御部70は、2人の利用者による3回ずつ合計6種類のフレーム画像の選択操作を受け付ける。この選択操作は利用者によって自由になされるが、ここでは説明の便宜のため、上記選択操作の受け付けが終了した時点で、1つ以上の長方形用フレームと1つ以上の正方形用フレームとが必ず選択されているものとする。
【0071】
以上のように利用者の選択操作に基づき使用されるフレーム等が選択された後、ステップS120に進み、撮影が行われる。この撮影により、撮影画像データが第1の制御部70のメモリに格納される。
【0072】
なお、上記正方形用フレームが選択された場合、生成される撮影画像データも正方形の写真を示すものとなる。すなわち、長方形用フレームが選択される場合には、長方形の写真画像が取得されるよう撮影が行われ、正方形用フレームが選択される場合には、正方形の写真画像が取得されるよう撮影が行われる。そのため、正方形用フレームが選択される場合には、長方形フレームが選択される場合よりも撮影範囲が限定されることになる。しかし、この撮影範囲は撮影操作用タッチパネル20に表示されるので、利用者が撮影時に知ることができる。そのため、長方形の写真画像が取得される場合と同様に利用者による位置調整が自ずと行われ、撮影範囲が限定される点についての問題点は生じない。これに対して、全ての写真画像を長方形の画像として取得した後、所望の画像を正方形の画像になるようトリミングする構成であってもよいが、この構成では、装置の処理動作が複雑となり、また利用者にトリミング範囲を選択させるなどの煩瑣な操作を要求することになるなどの問題点がある。よって、撮影時に正方形の写真画像を取得する上記構成が好適である。
【0073】
次にステップS130では、撮影画像に基づいて生成された落書き対象画像が、撮影操作用タッチパネル20に表示される。具体的には、ステップS130の処理が行われる都度、
図2に示した撮影操作用タッチパネル20の落書き対象画像表示領域に落書き対象画像が順次追加表示される。その後処理はステップS140に進み、第1の制御部70は、予め定められた枚数の撮影が終了したか否かを判定する。判定の結果、当該枚数の撮影が終了していればステップS150に進み、当該枚数の撮影が終了していなければステップS120に戻る。なお、実際には撮影のための制限時間(例えば3分)が設けられる。
【0074】
ステップS150では、複数の落書き対象画像の中から実際の落書き対象となる画像の(利用者による)選択が行われる。具体的には、第1の制御部70は、落書きおよび印刷に使用する画像を利用者に選択させるために、落書き対象画像の一覧を撮影操作用タッチパネル20に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。したがって、撮影時に正方形用フレームが選択され、正方形の撮影画像が取得される場合であっても、この選択操作により正方形の撮影画像が選択されない場合もあり得る。しかし、ここでは説明の便宜のため、前述したように上記選択操作の終了時点で、1つ以上の長方形の撮影画像と、1つ以上の正方形の撮影画像とが必ず選択されているものとする。そして、第1の制御部70は、利用者によって選択された画像を実際の落書き対象画像として第2の制御部80に送る。ステップS150の終了後、ステップS160に進む。ステップS160では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第1の制御部70は、利用者を編集ユニット4のいずれか(4aまたは4b)に導くための画面を撮影操作用タッチパネル20に表示する。これにより、撮影処理が終了する。
【0075】
<3.2 編集処理>
図6は、本実施形態における編集処理の処理手順を示すフローチャートである。上述した撮影処理の終了後、第2の制御部80は、ネットワーク6を介して第1の制御部70から送られる落書き対象画像(
図5のステップS150で利用者によって選択された画像)を取得する(ステップS200)。その後、タイマーが所定の時間(利用者に落書きを許可する時間)に設定され、カウントダウンが開始される(ステップS210)。
【0076】
タイマーのカウントダウン開始後、編集ユニット4では、利用者による落書き操作(描画操作)が受け付けられる(ステップS220)。この落書きのための各種機能については様々な態様があるが、ここでは周知の態様であるものとして説明を省略する。
【0077】
その後利用者に落書きを許可する残り時間が60秒になると、第2の制御部80は、落書き時間を延長するか否かを判定する(ステップS230)。落書き時間を延長するか否かは、次にこのユニット4aまたは4bでプレイすることになる利用者が撮影室2にいるか否か(撮影ユニット3で撮影処理が行われているか否か)によって判定される。その結果、落書き時間を延長する旨の判定がなされると、ステップS240に進む。一方、落書き時間を延長しない旨の判定がなされると、ステップS250に進む。ステップS240では、タイマーが所定の時間(利用者に更に落書きを許可する時間)に設定され、再度カウントダウンが開始される。ステップS240の終了後、ステップS250に進む。
【0078】
ステップS250では、ステップS220と同様、編集ユニット4で利用者による落書き操作が受け付けられる。そして落書き時間が0になる(終了する)と、出力される写真画像を適宜レイアウトするための分割パターンの選択が行われる(ステップS260)。
【0079】
具体的には、第2の制御部80は、予め用意された複数の分割パターンの中からいずれかの分割パターンを利用者に選択させるための画面を編集操作用タッチパネル400に表示し、利用者による選択操作を受け付ける。そして、第2の制御部80は、利用者の選択操作に基づいて、選択情報を取得する。本実施形態では、この分割パターンによって配置される複数の写真画像の中に正方形の写真画像が含まれている点、および写真画像が配置されない余剰領域に所定の情報が記載される点などに特徴を有している。この分割パターンについてはあらためて後述する。なお、選択可能な分割パターンは、例えば2人用、3人用、および多人数用に分かれ、それぞれについて異なる分割数のパターンがそれぞれ数種類ずつ定められる。その後処理はステップS270に進む。
【0080】
ステップS270では、案内画面の表示が行われる。具体的には、第2の制御部80は、利用者を出力ユニット5に導くための画面を編集操作用タッチパネル400に表示する。これにより、編集処理が終了する。その後出力ユニット5において前述した出力処理が行われる。次に、レイアウトのための分割パターンについて
図7から
図10までを参照して説明する。
【0081】
<4.分割パターンの構成>
図7は、写真シールおよびその印刷領域の大きさを示す図である。
図7に示されるように、写真シール600は、横Sa×縦Sbの大きさを有している。典型的には、写真シールはポストカードサイズであって、Sa=147[mm]、Sb=100[mm]である。また、写真シール600に設定される印刷領域601は、ここではそれより小さい横Ra×縦Rbの大きさを有している。
【0082】
この印刷領域601は、印刷可能領域内に、利用者により撮影され落書きされた長方形および正方形の写真画像をレイアウトするために適宜の大きさに設定される矩形領域である。したがって、この印刷領域601とは、少なくとも画像が印刷されうる矩形領域を指すが、本明細書における印刷領域とは、全ての写真画像(および後述する余剰領域)を包括する最小の矩形領域をいう。したがって、印刷領域601は、出力ユニット5に備えられるネットワークプリンタ35による印刷可能領域と同一である必要はないが、もちろん同一であってもよい。
【0083】
また、印刷領域601の大きさは、写真シール600の大きさと等しくてもよいが、通常のプリンタは、写真シール600周囲の額縁領域に印刷できる構造となっていないことが多い(または印刷できるとしても保守や経済性の観点から好適でないことが多い)ので、一般的には印刷領域601は、周囲の印刷不能領域である額縁領域を除く印刷可能領域内の適宜の範囲に設定される。このように設定された印刷領域601内には、多くの写真画像が例えば
図8に示されるようにレイアウトされる。
【0084】
図8は、長方形および正方形の写真画像をレイアウトするための分割パターンを示す図である。
図8に示される分割パターンでは、斜線により示されている後述する矩形の余剰領域603がレイアウトされており、その右側には10個の長方形の写真画像611と5個の正方形の写真画像612がレイアウトされており、その左側にも同数の長方形写真画像611および正方形写真画像612が同様に(余剰領域の長手方向中心線で左右に線対称になるよう)レイアウトされている。その結果、写真画像の総数が30個となる30分割レイアウトが実現されている。
【0085】
なお、
図8には印刷領域601が示されていないが、前述したように印刷領域601は、各写真画像と余剰領域603とを包括する最小の矩形領域であるため、その横の長さRaおよび縦の長さRbは、長方形写真画像の短辺の長さをPaとし、その長辺の長さをPbとし、余剰領域の横方向の(短辺の)長さをMaとするとき、次式(1)の関係を満たすことになる。
Ra=4×Pb+2×Pa+Ma
Rb=5×Pa …(1)
【0086】
また、長方形写真画像611の短辺は、正方形写真画像612の一辺と等しい長さPaであり、長方形写真画像611の長辺の長さPbは長さPaの約1.4倍である。すなわち、長さPbは長さPaに対して2の平方根またはその近傍値を乗算した値となっている。このように設定すると、異なる大きさの長方形写真画像を余剰領域以外の余白(隙間)を生じることなく美しくレイアウトすることができるようになり、かつ正方形写真画像のレイアウトも余剰領域以外の余白(隙間)を生じることなく美しくレイアウトすることができるようになるという作用と、長方形写真画像を簡単に生成することができるようになるという作用とが生じる。これらの点について
図9および
図10を参照して説明する。
【0087】
図9は、異なる大きさの長方形写真画像と正方形写真画像とをレイアウトするための分割パターンの一例を示す図である。なお、この
図9に示される分割パターンによれば、写真画像の総数が26個となる26分割レイアウトが実現される。
【0088】
前述した
図8では、長方形写真画像612は全て同一の大きさである例が示されているが、
図9では、
図8に示すと同一の長方形写真画像612のほか、その短辺の長さがPbであり長辺の長さがPaの2倍である長方形写真画像613と、その短辺の長さがPaの2倍であり長辺の長さがPbの2倍である長方形写真画像614と、その短辺の長さがPbの1/2であり長辺の長さがPaである長方形写真画像615とが示されている。
【0089】
このように、長辺の長さが短辺の長さの約1.4倍になるよう設定された長方形を、当該長辺の長さの半分の位置で2つに分割すると、分割された2つの長方形は分割前の長方形の相似形になる。したがって、このような縦横の比率になるよう長方形写真画像の辺の長さを設定すれば、異なる大きさの互いに相似する長方形写真画像を隙間無くレイアウトすることができるので余剰領域以外の無駄な余白(隙間)を生じず、かつ美しくレイアウトすることができる。
【0090】
そして、上記のように全ての長方形写真画像が互いに相似する形状となるので、撮影され落書きされることにより生成された合成画像を単純に拡大または縮小する(変倍する)だけで、全ての長方形写真画像を生成することができる。よって、当該合成画像のうちの所定の部分を適宜に切り取って(トリミングして)異なる形状の長方形写真画像を生成するなどの画像処理動作が不要となる。よって、上記のようにレイアウトを行うことにより、装置の動作を簡単にすることができる。
【0091】
さらに、
図9に示されるように、長方形写真画像611の短辺は、正方形写真画像612の一辺と等しい長さPaであるため、正方形写真画像612を図の縦方向へ1つずつ並べることにより無駄なく美しくレイアウトすることができる。
【0092】
さらにまた、
図9に示されるように縦方向へ一列となるよう正方形写真画像612を配置しない場合であっても、長方形写真画像の長辺の長さを短辺の長さの約1.4倍とし、長方形写真画像の短辺または長辺の長さと正方形写真画像612の一辺の長さを等しくすると、全ての写真画像を無駄なく美しくレイアウトすることができる。
【0093】
図10は、異なる大きさの長方形写真画像と正方形写真画像とをレイアウトするための分割パターンの他の例を示す図である。
図9に示されるように、正方形写真画像612は(
図8に示されるような)縦方向へ一列に並ぶ配置とは異なる配置となっている。しかし、
図8と同一の余剰領域603を配置しつつ、異なる大きさの互いに相似する長方形写真画像612、613と正方形写真画像612とを隙間無くレイアウトすることができるので、無駄な余白(隙間)を生じず、かつ美しくレイアウトすることができる。
【0094】
なお、この
図10に示す分割パターンは一例に過ぎず、長方形写真画像の長辺の長さを短辺の長さの約1.4倍とし、長方形写真画像の短辺または長辺の長さと正方形写真画像612の一辺の長さを等しくすると、単一の余剰領域を適宜に位置に配置しつつ異なる大きさの互いに相似する長方形写真画像612、613と正方形写真画像612とを隙間無くレイアウトすることができるので、無駄な余白(隙間)を生じず、かつ美しくレイアウトすることができる。
【0095】
次に、
図8(および
図9、
図10)に示される余剰領域603について説明する。この余剰領域603は、印刷領域601内の画像が印刷されない領域であって、ここでは図の左右2つのグループに複数の写真画像を分かつように、印刷領域601の中心を通って上下方向に架け渡されるように設けられている。
【0096】
この余剰領域の横方向の(短辺の)長さMaは、上式(1)により定まるが、この余剰領域は不要な余白領域とは異なり、左右2つのグループに複数の写真画像を分かつために或る程度の長さMaとなるように設定されている。すなわち、(通常は2人以上であることも多いが)ここでは2人で利用される自動写真作成装置における出力ユニット5から出力される1枚の写真シールは、2人の利用者で分けて利用することが多い。このとき、ハサミなどで写真シールを2分割することが多いが、ハサミで写真画像を正確に切り分けることは困難であり、写真画像の一部を誤って切断してしまうこともある。そこで、
図8に示されるように、写真画像が印刷されない余剰領域603を、写真画像を2つのグループに分かつ位置に設ける。また、切断しやすい程度に十分な大きさの長さMaとなるよう余剰領域を設ける。そうすれば、当該余剰領域に沿ってハサミなどで写真画像を切り分けることができるので、写真画像の一部を誤って切断してしまうことを防止することができる。
【0097】
また、この余剰領域603には写真画像が印刷されていなければよいので、利用者による切り分けをしやすくするため、
図11に示されるように点線などの切り取り線を印刷してもよい。
図11は、この切り取り線が印刷された写真シールの外観を簡略に示す図である。
図11に示されるように、余剰領域603の長辺(ここでは長手方向の中心線)に沿って点線で示される切り取り線604が印刷されているので、利用者はこの切り取り線604に沿ってハサミなどで写真シール600を簡単に切断することができる。なお、この切り取り線604は切り分けをしやすくするための記号であれば点線でなくてもよい。
【0098】
また、上記切り取り線に代えてまたはこれと共に、自動写真作成装置に関連する情報(例えば作成した合成画像を取得することができるように構成されたウェブサイトのURLなど)や、宣伝などを示す文字を余剰領域603に印刷してもよい。
図12はこのURLを示す文字が印刷された写真シールの外観を簡略に示す図である。
図12に示されるように、余剰領域603には、その長辺(ここでは長手方向の中心線)に沿って文字605が印刷されている。このように文字605が印刷されている場合であっても、写真画像が印刷されていない余剰領域603が設けられている限り、利用者はこの文字上または文字の配列方向に沿ってハサミなどで写真シール600を簡単に切断することができ、かつ上記文字605による利用者への情報伝達を図ることができる。
【0099】
なお、余剰領域を情報伝達のために有効利用するという観点からは、余剰領域の短辺方向(またはその他の方向)に沿って文字が印刷される構成でもよく、さらには余剰領域の形状が長方形でなくても、その余剰領域内に文字が印刷される構成であればよい。
【0100】
<5.効果>
以上のように、本実施形態では、写真画像が印刷されていない余剰領域603が印刷領域の中心を通るよう設けられており、この余剰領域603によって長方形写真画像711と正方形写真画像712とが左右2つのグループに分かれるように配置される。このように配置することにより、余剰領域以外の無駄な余白(隙間)を生じることなく、全ての写真画像を美しくレイアウトすることができる。
【0101】
また、この余剰領域603に沿って写真シールを切断することができるため、写真画像を2つのグループに切り分けやすくすることができる。さらに余剰領域603が長方形であることにより、利用者は当該上記長方形をまっすぐに切断すればよいので、切り分けやすくすることができる。特に余剰領域603に切り取り線604や文字605が印刷される場合には、さらに切り分けやすくすることができる。
【0102】
<6.変形例>
<6.1 第1の主要な変形例>
図13は、本変形例における写真シールおよびその印刷領域の大きさを示す図である。
図13に示されるように、この変形例における写真シール700は、
図7に示されるサイズと同じサイズであるが、この写真シール700に設定される印刷領域701は、
図7に示される場合とは異なる横Rn×縦Rmの大きさを有している。
【0103】
図14は、本変形例において、長方形および正方形の写真画像をレイアウトするための分割パターンの一例を示す図である。
図14では、斜線により示されている矩形の余剰領域703がレイアウトされており、その上側には20個の長方形の写真画像611、および10個の正方形の写真画像612がレイアウトされている。
【0104】
なお、
図14には印刷領域701が示されていないが、前述したように印刷領域701は、印刷領域701と同様、各写真画像と余剰領域703とを包括する最小の矩形領域であるため、その横の長さRnおよび縦の長さRmは、長方形写真画像の短辺の長さをPnとし、その長辺の長さをPmとし、余剰領域の縦方向の(短辺の)長さをMmとするとき、次式(2)の関係を満たすことになる。
Rn=4×Pb+2×Pa
Rm=5×Pa+Mm …(2)
【0105】
このように、余剰領域703を印刷領域701の中央ではなく、図の下方に配置する構成であっても、長方形の写真画像611と正方形の写真画像612とを余剰領域以外の余白(隙間)を生じることなく美しくレイアウトすることができる。
【0106】
さらに余剰領域703に自動写真作成装置に関連する情報(例えばURL)や、宣伝などを示す文字を印刷すれば、上記実施形態と同様に、当該印刷された文字による利用者への情報伝達を図ることができ、余剰領域の有効活用を図ることができる。
【0107】
なお、この余剰領域703に文字などを印刷しない場合には、印刷領域701の端部に接する余剰領域703は、印刷不能領域などの額縁領域である余白領域と結果的には同様の状態にあるとも言え、そのため、当該余剰領域が印刷領域701の範囲外であるとも言える。しかし、このような余剰領域703(または余白領域と結果的には同一となるような余剰領域)が印刷領域内に存在する場合はもとより、存在しない場合であっても、印刷領域701の範囲内に長方形の写真画像611と正方形の写真画像612とを無駄な余白(隙間)を生じることなく美しくレイアウトすることができるという作用を有している。したがって、印刷領域内に余剰領域が配置されない場合であっても、本発明を適用可能であると言える。
【0108】
<6.2 第2の主要な変形例>
図15は、本変形例において、長方形および正方形の写真画像をレイアウトするための分割パターンの他の例を示す図である。
図15に示される分割パターンでは、斜線により示されている余剰領域813が、
図8に示される余剰領域603と同様、(図示されていないが
図7と同一の)印刷領域の中心を通って上下方向へ架け渡されるようにレイアウトされている。しかし、この余剰領域813の形状は、長方形ではなく、隣接する辺が直交する直角多角形となっている。このように
図8に示す分割パターンとは異なって、余剰領域813の形状が長方形とならないのは、
図8を参照して比較すれば分かるように、
図8においてレイアウトされる10個の正方形写真画像612のうち、右上と左下に位置する2つの正方形の写真画像612が省略され、これらに代えて2つの長方形の写真画像821a、821bが配置されているためである。その他の構成は、
図7に示す印刷領域および
図8に示す分割パターンと同様であるので説明を省略する。
【0109】
なお、直角多角形である余剰領域813が印刷領域の上下方向へ架け渡されるために必要なことは、当該余剰領域を囲む最小の矩形を想定し、当該矩形の長辺の長さが印刷領域の上下方向に延びる辺(ここでは短辺)の長さに略等しいという条件を満たすことである。また余剰領域813が印刷領域の左右方向へ架け渡されるために必要なことは、同様に当該矩形の長辺の長さが印刷領域の左右方向に延びる辺(ここでは長辺)の長さに略等しいという条件を満たすことである。
【0110】
この
図15に示されるように、余剰領域813の形状が長方形でない直角多角形である場合にも、余剰領域が印刷領域の中心を通って上下方向に架け渡されるように設けられている限り、複数の写真画像を左右2つのグループに分かつように当該余剰領域813に沿ってハサミなどで写真画像を切り分けることができる。したがって、このように配置された直角多角形である本変形例における余剰領域813もまた、写真画像の一部を利用者が誤って切断してしまうことを防止することができるという作用を有している。
【0111】
ただし、この
図15に示される余剰領域813の横方向の(最も短い辺の)長さは、
図8に示される余剰領域603に比べてかなり小さくなっているため、余剰領域813は切り取りにくくなっているとも言える。しかし、複数の写真画像を左右2つのグループに分かつための切り取りに必要な最低限の(短辺の)長さ(例えば1ミリ程度)があれば、上記作用を有していると言える。また、余剰領域は、複数の写真画像を左右2つ(またはそれ以上)のグループに分かつことができるものである限り、どのような形状の直角多角形であってもよい。ただし余剰領域は、長方形である方がまっすぐに切り分けやすい点でより好適である。
【0112】
なお、写真画像が正方形および長方形の形状を有しており、1つの余剰領域が形成されるように上記写真画像を適宜の位置にレイアウトする場合、当該1つの余剰領域の形状は、長方形を1つ以上組み合わせた直角多角形となる。したがって、2つ以上の余剰領域が形成される場合、典型的には印刷領域内のあちこちに余剰領域が形成される場合に比べて1つのみの余剰領域が(典型的には印刷領域の中心を通るように)形成される場合には、写真画像が美しくレイアウトされる。また、この直角多角形が長方形であれば、より美しくレイアウトされる。
【0113】
<6.3 その他の変形例>
上記実施形態では、
図8(および
図9、
図10)に示されるように、余剰領域603はは図の左右2つのグループに複数の写真画像を分かつように、印刷領域601の中心を通って上下方向に架け渡されるように設けられているが、図の上下2つのグループに複数の写真画像を分かつように、印刷領域601の中心を通って左右方向に架け渡されるように設けられていてもよい。
【0114】
また、余剰領域は、図の左右2つずつのグループと上下2つずつのグループの合計4つのグループに複数の写真画像を分かつように、印刷領域601の中心を通って上下方向と左右方向とにそれぞれに架け渡されるように設けられる長方形を組み合わせた(十字状の)直角多角形であってもよい。このような形状であっても、当該余剰領域に沿ってハサミなどで写真画像を切り分けることができるので、写真画像の一部を誤って切断してしまうことを防止することができるという作用を有している。さらに、余剰領域は、3つまたは5つ以上のグループ数で写真画像を分かつように印刷領域の中心を通って架け渡される長方形を組み合わせた形状であってもよい。
【0115】
上記実施形態では、撮影時に正方形用フレームが選択された場合、生成される撮影画像データも正方形の写真を示すものとなるため、落書き対象画像としてそれらが選択される限り、正方形用フレームが選択された回数の整数倍の数の写真画像が正方形写真画像612としてレイアウトされ写真シールに印刷されることになる。なお、正方形の撮影画像の取得枚数(または撮影回数)は、フレーム選択などの形で推定される上記構成のほか、撮影時に正方形の撮影画像の数を指定する操作入力を受け付ける構成であってもよい。このように撮影時に正方形の撮影画像の数が指定または推定される構成であれば、レイアウトの選択時に正方形写真画像の数を特に指定する必要がなくなるので、利用者のレイアウト選択が容易になる。また正方形写真画像に対応する正方形の撮影画像が取得されるので、長方形写真画像から正方形写真画像を生成するためのトリミング等の画像処理が必要なくなる。
【0116】
もっとも、撮影時に長方形の撮影画像を取得し、当該長方形の撮影画像または合成画像に対してトリミング等の画像処理を自動的にまたは利用者の操作入力に応じて行う構成であっても、長方形および正方形の写真画像を上記のように配置する構成であればよい。そのような構成であれば、余剰領域以外の無駄な余白(隙間)を生じることなく、全ての写真画像を美しくレイアウトすることができる。