【実施例】
【0031】
本発明のよりよい理解は以下の図解で説明される実施例を通して得られうるが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0032】
(比較例1)
アルミナに対するシリカのモル比が50であるアンモニア系のZSM−5は、無機バインダーとしてアルミナを使用して、混合粉末に対してZSM−5の量が50質量%になるような混合粉末を形成した。続いて、この混合粉末は触媒を製造するために、0.3質量%の白金と1.5質量%の錫との混合酸溶液で担持させた。ここで、塩化白金酸が白金前駆体として使用され、及び錫塩化物が錫前駆体として使用された。前記製造された触媒は500℃の温度でか焼した。
【0033】
キシレン異性化反応において、パラキシレンを除去してから、オルト−キシレン及びメタ−キシレンの混合物80ないし97質量%と、エチルベンゼン3ないし20質量%とを含む炭素原子数8の芳香族化合物が反応剤として使用され、該炭素原子数8の芳香族化合物は、内径1インチ及び全長30cmを有する小型ステンレススチール反応容器に導入された。キシレン異性化反応は1.0ないし5.0gの触媒存在下、300ないし460℃の反応温度、5ないし30kg/cm
2の反応圧力、2.0ないし10.0の水素の炭化
水素に対するモル比、及び5.0ないし30.0h
-1の液体反応剤の重量空間速度(WHSV)、の条件下で実施した。
【0034】
キシレン異性化反応結果は
図1、2及び3に示す。
【0035】
(
参考例1)
硝酸カルシウムは、カルシウム量がZSM−5量に基づいて1.0質量%になるように蒸留水に溶解させ、溶解した硝酸カルシウムはアルミナに対するシリカのモル比が50であるアンモニウム系のZSM−5中に担持され、その後硝酸カルシウムで担持したZSM−5を500℃の温度でか焼した。続いて、か焼されたZSM−5は混合粉末に形成され、バインダーとしてアルミナを使用し、該混合粉末中における該ZSM−5の質量比が70質量%であるように形成された。続いて、この混合粉末は、触媒を製造するために0.3質量%の白金及び1.5質量%の錫の混合酸溶液で担持された。ここで、塩化白金酸が白金前駆体として使用され、及び塩化錫が錫前駆体として使用された。製造された触媒は500℃の温度でか焼した。
【0036】
キシレン異性化反応は比較例1にあるように実施し、そしてその結果は
図1に示した。
図1から、前記
参考例で得られた触媒は比較例1で得られた慣用の触媒よりも、よりよい触媒作用を有した。
【0037】
(
参考例2)
ナフテン酸カルシウムは、カルシウム量がZSM−5量に基づいて0.5質量%になるようにジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、溶解したナフテン酸カルシウムはアルミナに対するシリカのモル比が50であるアンモニウム系のZSM−5中に担持され、その後ナフテン酸カルシウムで担持されたZSM−5を550℃の温度でか焼した。続いて、か焼されたZSM−5は混合粉末に形成され、バインダーとしてアルミナを使用し、該混合粉末中における該ZSM−5の質量比が70質量%であるように形成された。続いて、この混合粉末は、触媒を製造するために0.3質量%の白金及び1.5質量%の錫の混合酸溶液で担持された。ここで、塩化白金酸が白金前駆体として使用され、及び塩化錫が錫前駆体として使用された。製造された触媒は500℃の温度でか焼した。
【0038】
キシレン異性化反応は比較例1にあるように実施し、そしてその結果は
図1に示した。
【0039】
(
参考例3)
グルコン酸カルシウムは、カルシウム量がZSM−5量に基づいて1.0質量%になるように蒸留水に溶解させ、溶解したグルコン酸カルシウムアルミナに対するシリカのモル比が50であるアンモニウム系のZSM−5中に担持され、その後グルコン酸カルシウムで担持されたZSM−5を500℃の温度でか焼した。続いて、か焼されたZSM−5は混合粉末に形成され、バインダーとしてアルミナを使用し、該混合粉末中における該ZS
M−5の質量比が70質量%であるように形成された。続いて、この混合粉末は、触媒を製造するために0.3質量%の白金及び1.4質量%の錫の混合酸溶液で担持された。ここで、塩化白金酸が白金前駆体として使用され、及び塩化錫が錫前駆体として使用された。製造された触媒は550℃の温度でか焼した。
【0040】
キシレン異性化反応は比較例1にあるように実施し、そしてその結果は
図1に示した。
【0041】
(
参考例4)
クエン酸カルシウムは、カルシウム量がZSM−5量に基づいて0.5質量%になるように
、アルミナに対するシリカのモル比が50であるアンモニウム系のZSM−5と混合した。続いて、その混合物を、混合粉末中のZSM−5の質量比が70質量%であるような混合粉末を形成するためにアルミナと混合した。続いて、この混合粉末は、触媒を製造するために0.2質量%の白金及び1.0質量%の錫の混合酸溶液で担持された。ここで、塩化白金酸が白金前駆体として使用され、及び塩化錫が錫前駆体として使用された。製造された触媒は450℃の温度でか焼した。
【0042】
キシレン異性化反応は比較例1にあるように実施し、そしてその結果は
図1に示した。
【0043】
(
参考例5)
炭酸カルシウムは、カルシウム量がZSM−5量に基づいて0.5質量%になるように、アルミナに対するシリカのモル比が50であるアンモニウム系のZSM−5と混合した。続いて、その混合物を、混合粉末中のZSM−5の質量比が70質量%となるような混合粉末を形成するためにアルミナと混合した。続いて、この混合粉末は、触媒を製造するために0.1質量%の白金及び1.0質量%の錫の混合酸溶液でを担持された。ここで、塩化白金酸が白金前駆体として使用され、及び塩化錫が錫前駆体として使用された。製造された触媒は450℃の温度でか焼した。
【0044】
キシレン異性化反応は比較例1にあるように実施し、そしてその結果は
図1に示した。
【0045】
(
参考例6)
アセチルアセトン酸カルシウムは、カルシウム量がZSM−5量に基づいて1.0質量%になるようにジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、溶解したアセチルアセトン酸カルシウムはアルミナに対するシリカのモル比が50であるアンモニウム系のZSM−5中に担持させ、その後アセチルアセトン酸カルシウムで担持されたZSM−5を500℃の温度でか焼した。続いて、か焼されたZSM−5は混合粉末に形成され、バインダーとしてアルミナを使用し、該混合粉末中における該ZSM−5の質量比が70質量%であるように形成された。続いて、この混合粉末は、触媒を製造するために0.3質量%の白金及び1.5質量%の錫の混合酸溶液で担持された。ここで、塩化白金酸が白金前駆体と
して使用され、及び塩化錫が錫前駆体として使用された。製造された触媒は550℃の温度でか焼した。
【0046】
キシレン異性化反応は比較例1にあるように実施し、そしてその結果は
図1、2及び3に示した。
【0047】
(
参考例7)
アセチルアセトン酸マグネシウムは、マグネシウム量がZSM−5量に基づいて0.9質量%になるようにジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、溶解したアセチルアセトン酸マグネシウムはアルミナに対するシリカのモル比が50であるアンモニウム系のZSM−5中に担持させ、その後アセチルアセトン酸マグネシウムで担持されたZSM−5を500℃の温度でか焼した。続いて、か焼されたZSM−5は混合粉末に形成され、バインダーとしてアルミナを使用し、該混合粉末中における該ZSM−5の質量比が70質量%であるように形成された。続いて、この混合粉末は、触媒を製造するために0.3質量%の白金及び1.5質量%の錫の混合酸溶液を担持させた。ここで、塩化白金酸が白金前駆体として使用され、及び塩化錫が錫前駆体として使用された。製造された触媒は500℃の温度でか焼した。
【0048】
キシレン異性化反応は比較例1にあるように実施し、そしてその結果は
図2に示した。
【0049】
(
参考例8)
アセチルアセトン酸バリウムは、バリウム量がZSM−5量に基づいて1.2質量%になるようにジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、溶解したアセチルアセトン酸バリウム
はアルミナに対するシリカのモル比が50であるアンモニウム系のZSM−5中に担持させ、その後アセチルアセトン酸バリウムで担持されたZSM−5を500℃の温度でか焼した。続いて、か焼されたZSM−5は混合粉末に形成され、バインダーとしてアルミナを使用し、該混合粉末中における該ZSM−5の質量比が70質量%であるように形成された。続いて、この混合粉末は、触媒を製造するために0.2質量%の白金及び1.0質量%の錫の混合酸溶液で担持された。ここで、塩化白金酸が白金前駆体として使用され、及び塩化錫が錫前駆体として使用された。製造された触媒は450℃の温度でか焼した。
【0050】
キシレン異性化反応は比較例1にあるように実施し、そしてその結果は
図2に示した。
【0051】
(
参考例9)
アセチルアセトン酸ベリリウムは、ベリリウム量がZSM−5量に基づいて0.3質量%になるようにジメチルホルムアミド(DMF)に溶解させ、溶解したアセチルアセトン酸ベリリウムはアルミナに対するシリカのモル比が50である水素系のZSM−5中に担持させ、その後アセチルアセトン酸ベリリウムで担持されたZSM−5を500℃の温度
でか焼した。続いて、か焼されたZSM−5は混合粉末に形成され、バインダーとしてアルミナを使用し、該混合粉末中における該ZSM−5の質量比が70質量%であるように形成された。続いて、この混合粉末は、触媒を製造するために0.3質量%の白金及び1.5質量%の錫の混合酸溶液で担持された。ここで、塩化白金酸が白金前駆体として使用され、及び塩化錫が錫前駆体として使用された。製造された触媒は500℃の温度でか焼した。
【0052】
キシレン異性化反応は比較例1にあるように実施し、そしてその結果は
図2に示した。
【0053】
(
参考例10)
アセチルアセトン酸カルシウム(カルシウム量がZSB−5量に基づいて1.0質量%である)、アンモニウム系のZSM−5(アルミナに対するシリカのモル比が50である)及びバインダーの役目をするアルミナを、同時にお互いに混合して、混合粉末を形成した。この際、混合粉末を、混合粉末中でカルシウムと混合したZSM−5の質量比が70質量%となるように形成した。続いて、この混合粉末は、触媒を製造するために0.3質量%の白金及び1.5質量%の錫の混合酸溶液で担持された。ここで、塩化白金酸が白金前駆体として使用され、及び塩化錫が錫前駆体として使用された。製造された触媒は450℃の温度でか焼した。
【0054】
キシレン異性化反応は比較例1にあるように実施し、そしてその結果を
図2及び3に示した。
【0055】
(
参考例11)
アセチルアセトン酸カルシウム(カルシウム量がZSM−5量に基づいて0.8質量%である)、水素系のZSM−5(アルミナに対するシリカのモル比が50である)及びバインダーの役目をするアルミナを、同時にお互いに混合して、このように混合粉末を成形した。この際、混合粉末を、混合粉末中でカルシウムと混合したZSM−5の質量比が70質量%となるように形成した。続いて、この混合粉末は、触媒を製造するために0.2質量%のパラジウムで担持された。ここで、硝酸パラジウムがパラジウム前駆体として使用された。製造された触媒は500℃の温度でか焼した。
【0056】
キシレン異性化反応は比較例1にあるように実施し、そしてその結果を
図2に示した。
【0057】
(比較例2)
硝酸マグネシウムは、マグネシウム量がZSM−5量に基づいて0.5質量%になるように蒸留水に溶解させ、溶解した硝酸マグネシウムはアルミナに対するシリカのモル比が50であるアンモニウム系のZSM−5と混合し、その後85℃の温度でイオン交換し、その後イオン交換されたZSM−5を500℃の温度でか焼した。続いて、か焼されたZSM−5は混合粉末に形成され、バインダーとしてアルミナを使用し、該混合粉末中における該ZSM−5の質量比が70質量%であるように形成された。続いて、この混合粉末は、触媒を製造するために0.2質量%の白金及び1.0質量%の錫の混合酸溶液で担持された。ここで、塩化白金酸が白金前駆体として使用され、及び塩化錫が錫前駆体として使用された。製造された触媒は500℃の温度でか焼した。
【0058】
キシレン異性化反応は比較例1にあるように実施し、そしてその結果を
図3に示した。
【0059】
(実施例12)
硝酸マグネシウムは、マグネシウム量がZSM−5量に基づいて1.0質量%になるように蒸留水に溶解させ、溶解した硝酸マグネシウムはアルミナに対するシリカのモル比が50であるアンモニウム系のZSM−5と混合し、その後55℃の温度でイオン交換し、
その後イオン交換されたZSM−5を500℃の温度でか焼した。続いて、マグネシウムイオン交換されたZSM−5を、カルシウム量がZSM−5量に基づいて0.5質量%であるようにアセチルアセトン酸カルシウムと混合した。その後、アセチルアセトン酸混合ZSM−5は混合粉末に形成され、バインダーとしてアルミナを使用し、該混合粉末中におけるカルシウムと混合された該ZSM−5の質量比が70質量%であるように形成された。続いて、この混合粉末は、触媒を製造するために0.03質量%の白金及び0.5質量%の錫の混合酸溶液で担持された。ここで、塩化白金酸が白金前駆体として使用され、及び塩化錫が錫前駆体として使用された。製造された触媒は500℃の温度でか焼した。
【0060】
キシレン異性化反応は比較例1にあるように実施し、そしてその結果を
図3に示した。
【0061】
(実施例13)
硝酸マグネシウムは、マグネシウム量がZSM−5量に基づいて2.0質量%になるように蒸留水に溶解させ、溶解した硝酸マグネシウムはアルミナに対するシリカのモル比が50であるアンモニウム系のZSM−5と混合し、その後85℃の温度でイオン交換し、その後イオン交換されたZSM−5を500℃の温度でか焼した。続いて、マグネシウムイオン交換されたZSM−5を、カルシウム量がZSM−5量に基づいて0.5質量%であるようにアセチルアセトン酸カルシウムと混合した。その後、アセチルアセトン酸混合ZSM−5は混合粉末に形成され、バインダーとしてアルミナを使用し、該混合粉末中におけるカルシウムと混合された該ZSM−5の質量比が70質量%であるように形成された。続いて、この混合粉末は、触媒を製造するために0.03質量%の白金及び0.5質量%の錫の混合酸溶液で担持された。ここで、塩化白金酸が白金前駆体として使用され、及び塩化錫が錫前駆体として使用された。製造された触媒は550℃の温度でか焼した。
【0062】
キシレン異性化反応は比較例1にあるように実施し、そしてその結果を
図3に示した。
【0063】
図1、2及び3に示された結果から、本発明による金属塩を含浸又は直接混合した触媒が慣用の触媒と比較して高いエチルベンゼン転化及び低いキシレン損失有し、及び特に、金属塩(I)としてアセチルアセトン酸カルシウム及び炭酸カルシウムを使用して製造された触媒が、多の触媒と比較して優れた触媒作用を有することがわかる。