(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図を参照して、本発明の実施形態について当業者が容易に実施できるように詳しく記載する。しかし、本発明は多様な形態に具現でき、ここで記載する実施形態に限定されない。そして、図面において本発明を明確に記載するために説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一の部分については同一の参照符号を付けた。
【0020】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「接続」されているというとき、これは「直接的に接続」されている場合だけでなく、その間に他の素子をおいて「電気的に接続」されている場合も含んでいる。また、ある部分が他の構成要素を「具備する」とするとするとき、これは特に逆となる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに具備することもありうることを意味する。
【0021】
まず、
図1および
図2を参照して、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置について説明する。
【0022】
図1は本発明の第1実施形態による有機発光表示装置のブロック図であり、
図2は本発明の第1実施形態による有機発光表示装置である画素の等価回路図である。
【0023】
図1に示したように、本発明の第1実施形態による有機発光表示装置は、表示板(display panel)100と、走査駆動部(scanning driver)200と、データ駆動部(data driver)300と、階調電圧生成部(gray voltage generator)500と、電圧生成部(voltage generator)600と、信号制御部(signal controller)400と、を具備している。
【0024】
前記表示板300は駆動電圧線(VL)、複数の走査信号線(S
1-S
n)、複数のデータ線(D
1-D
m)、そしてこれらに接続されていて概観して行列(matrix)状に配列された複数の画素(PX)を具備している。
【0025】
前記複数の走査信号線(S
1-S
n)を通して複数の各走査信号が伝えられ、データ線(D
1-D
m)を通して複数の各データ信号が伝えられる。走査信号線(S
1-S
n)はほぼ行方向に延びていて互いにほぼ平行であり、データ線(D
1-D
m)は略列方向に延びていて互いにほぼ平行である。
【0026】
前記駆動電圧線(VL)は駆動電圧(Vdd)を伝達し、幹線(VLm)と、これから分岐された複数の枝線(VLb)と、を含む。幹線(VLm)は略行方向に延びていて、枝線(VLb)は略列方向に延びている。しかし、幹線(VLm)が列方向に、枝線(VLb)が行方向に延びることもでき、それ以外にも多様な形態に具現することができる。
【0027】
図2に示したように、各画素(PX)、例えば、i番目の走査信号線(S
i)とj番目のデータ線(D
j)に接続されている画素(PX)は、有機発光素子(OLED)、駆動トランジスタ(M1)、ストレージキャパシタ(C1)およびスイッチングトランジスタ(M2)を具備している。
【0028】
前記スイッチングトランジスタ(M2)は、制御端子(control terminal)、入力端子(input terminal)および出力端子(output terminal)を有するが、制御端子は走査信号線(S
i)に接続されており、入力端子はデータ線(D
j)と接続されており、出力端子は駆動トランジスタ(M1)と接続されている。スイッチングトランジスタ(M2)は、走査信号線(S
i)に印加される走査信号に応じてデータ線(D
j)に印加されるデータ電圧を伝達する。本発明の実施形態による有機発光素子を用いる表示装置のデータ信号は、当該画素(PX)の階調により他のレベルを有する電圧信号である。しかし、本発明は、これに限定されない。
【0029】
前記駆動トランジスタ(M1)も、制御端子、入力端子および出力端子を有するが、制御端子はスイッチングトランジスタ(M2)と接続されており、入力端子は駆動電圧線(VL)の枝線(VLb)と接続されており、入力端子を通して駆動電圧(VDD)が印加される。出力端子は有機発光素子(OLED)と接続されている。駆動トランジスタ(M1)は制御端子と入力端子の間にかかる電圧によってその大きさが変わる出力電流(I
OLED)を流す。
【0030】
前記ストレージキャパシタ(C1)は、駆動トランジスタ(M1)の制御端子と入力端子の間に接続されている。ストレージキャパシタ(C1)はデータ電圧によって充電され、データ電圧と駆動電圧(VDD)の電圧差を一定に維持する。それにより、駆動トランジスタ(M1)の制御端子と入力端子の電圧差は、スイッチングトランジスタ(M2)が遮断された後にも一定に維持される。
【0031】
前記有機発光素子(OLED)は、有機発光ダイオード(OLED)として駆動トランジスタ(M1)の出力端子に接続されているアノード(anode)と、共通電圧(Vcom)に接続されているカソード(cathode)を有している。アノードは二つの走査信号線(S
1-S
n)と二つのデータ線(D
1-D
m)に区切られる領域内にほぼ位置する画素電極(pixel electrode)(図示せず)でもよく、カソードは表示板300の全面に形成されている共通電極(common electrode)(図示せず)の一部でもよい。有機発光素子(OLED)は、駆動トランジスタ(M1)の出力電流(I
OLED)に応じて強さを変化させて発光することによって映像を表示する。
【0032】
前記有機発光素子(OLED)は、基本色(primary color)のうちの一つの光を発光したり、基本色と白色のうちの一つの光を発光したりすることができる。基本色の例としては、赤色、緑色、青色の三原色が挙げられ、これら三原色の空間的合計で所望の色を表示する。これとは異なって、全画素(PX)の有機発光素子(OLED)が白色の光を発光でき、一部画素(PX)は有機発光素子(OLED)から出る白色光を基本色のうちのいずれか一つに変える色フィルター(図示せず)をさらに具備することができる。
【0033】
前記スイッチングトランジスタ(M2)および駆動トランジスタ(M1)は、非晶質シリコンまたは多結晶シリコンで形成されたp-チャンネル電界効果トランジスタ(FET)である。しかし、スイッチングトランジスタ(M2)と駆動トランジスタ(M1)のうちの少なくとも一つは、n-チャンネル電界効果トランジスタでありうる。また、トランジスタ(M1,M2)、キャパシタ(C1)および有機発光素子(OLED)の接続関係が変わることもありうる。
【0034】
再び
図1を参照すると、前記階調電圧生成部500は画素(PX)の輝度と関連する複数の基準階調電圧を生成する。基準階調電圧の数は全体階調の数より少ない。
【0035】
前記走査駆動部200は、表示板100の走査信号線(S
1-S
n)に接続されてスイッチングトランジスタ(M1)を導通できる低電圧(Von)と遮断できる高電圧(Voff)との組み合わせで構成された走査信号を走査信号線(S
1-S
n)に印加する。
【0036】
前記データ駆動部300は、表示板100のデータ線(D
1-D
m)に接続されており、階調電圧生成部500から受信した基準階調電圧を分圧してデータ電圧を生成し、これをデータ線(D
1-D
m)に印加する。
【0037】
前記電圧生成部600は、表示板100の駆動電圧線(VL)と接続されており、駆動電圧(Vdd)を生成して駆動電圧線(VL)に印加する。また電圧生成部600は表示板300に共通電圧(Vcom)を印加する。
【0038】
前記信号制御部400は、走査駆動部200、データ駆動部300および階調電圧生成部500を制御する。
【0039】
このような各駆動装置200,300,400,500,600は、信号線(S
1-S
n,D
1-D
m)および薄膜トランジスタ(M1,M2)と共に表示板100に集積される。これとは異なって、これら駆動装置200,300,400,500,600が少なくとも一つの集積回路チップ状に表示板100上に直接装着されたり、可撓性印刷回路膜(flexible printed circuit film)(図示せず)上に装着されてTCP(tape carrier package)状に表示板100に付着されたり、別途の印刷回路基板(printed circuit board)(図示せず)上に装着されることもありうる。また、駆動装置200,300,400,500,600は単一チップで集積でき、この場合、これらの中の少なくとも一つまたはこれらを構成する少なくとも一つの回路素子が単一チップの外側に位置する場合もありうる。
【0040】
それでは、このような有機発光表示装置の動作について詳細に説明する。
【0041】
まず、表示装置を導通させると、表示装置は外部電源から電力の供給を受ける。表示装置が携帯電話機に搭載されている場合、外部電源は携帯電話機のバッテリー(battery)でありうる。つまり、携帯電話機をオンすると、バッテリーの電源が表示装置に印加される。携帯電話機と異なるモニター、TVなどのような表示装置は、電力線を通して入力される電源を駆動装置200,300,400,500,600に印加する。このとき、データ駆動部300および走査駆動部200は、表示板100に走査信号とデータ信号を印加する駆動部として電源印加後に起動するためのリセット信号を必要とする。信号制御部400は表示装置が点灯されると、各データ駆動部200および走査駆動部300にリセット信号を印加する。具体的な説明は動作説明と共に後述する。
【0042】
前記信号制御部400は、外部のグラフィック制御機(図示せず)から入力映像信号(R、G、B)およびその表示を制御する入力制御信号を受信する。入力映像信号(R,G,B)は各画素(PX)の輝度(luminance)情報を含んでおり、輝度は所定の数、例えば、1024(=2
10)、256(=2
8)または64(=2
6)個の階調(gray)を有している。入力制御信号の例としては、垂直同期信号(Vsync)と水平同期信号(Hsync)、メインクロック信号(MCLK)、データイネーブル信号(DE)等がある。
【0043】
前記信号制御部400は入力映像信号(R,G,B)と入力制御信号に基づいて入力映像信号(R,G,B)を表示板100の動作条件に合うように適切に処理して出力映像信号(DAT)を生成し、走査制御信号(CONT1)およびデータ制御信号(CONT2)等を生成する。信号制御部400は、走査制御信号(CONT1)をゲート駆動部200に出力し、データ制御信号(CONT2)および出力映像信号(DAT)をデータ駆動部300に出力する。また、信号制御部400は、各走査駆動部200およびデータ駆動部300にリセット信号(RTS)を伝達し、リセット信号が正常でない場合、これを正常のリセット信号に復旧して再伝送する。
【0044】
前記走査制御信号(CONT1)は、低電圧(Von)の走査開始を指示する走査開始信号(STV)と、低電圧(Von)の出力周期を制御する少なくとも一つのクロック信号と、を含む。また、走査制御信号(CONT1)は、ゲートオン電圧(Von)の持続時間を限定する出力イネーブル信号(OE)をさらに含むことができる。
【0045】
前記データ制御信号(CONT2)は、一行の画素(PX)に対するデジタル映像信号(DAT)の伝送開始を知らせる水平同期開始信号(STH)と、データ線(D
1-D
m)にアナログデータ電圧を印加することを指示するロード信号(LOAD)、およびデータクロック信号(HCLK)を具備している。
【0046】
前記階調電圧生成部500は、基準階調電圧を生成して、これをデータ駆動部300に提供する。
【0047】
前記データ駆動部300は、リセット信号(RTS)により動作を開始し、データ制御信号(CONT2)により一行の画素に対する出力映像データ(DAT)を受信し、基準階調電圧を分圧して出力映像データ(DAT)に対応するアナログデータ電圧を生成した後に、これを当該データ線(D
1-D
m)に印加する。
【0048】
前記走査駆動部200は走査リセット信号(RTS)により動作を開始し、信号制御部400からの走査制御信号(CONT1)により走査信号線(S
1-S
n)に印加される走査信号を低電圧(Von)に変換する。そして、この走査信号線(S
1-S
n)に接続されたスイッチングトランジスタ(M2)が導通されてデータ線(D
1-D
m)に印加されたデータ電圧は、当該画素(PX)の駆動トランジスタ(M1)の制御端子に印加される。
【0049】
前記駆動トランジスタ(M1)に印加されたデータ電圧は、キャパシタ(Cst)に充電され、スイッチングトランジスタ(M2)が遮断されても充電された電圧は維持される。データ電圧が印加された駆動トランジスタ(M1)は導通されて、データ電圧に依存する値を有する出力電流(I
OLED)を出力する。そして、有機発光素子(OLED)は、駆動電流(I
OLED)の大きさにより変動する強さで発光し、それにより当該画素(PX)は映像を表示する。
【0050】
1水平周期(または「1H」)[水平同期信号(Hsync)、データイネーブル信号(DE)の一周期]が終わると、データ駆動部300と走査駆動部200は次行の画素(PX)に対して同様の動作を繰り返す。このような方式で、1フレーム間のすべての走査信号線(S
1-S
n)に対して順に走査信号を印加し、すべての画素(PX)にデータ電圧を印加する。1フレームが終わると、次のフレームが始まって次のフレームでも同じ動作を繰り返す。
【0051】
以下、
図3および4を参照して本発明の実施形態によるリセット信号の復旧について詳しく説明する。
【0052】
図3はリセット信号に異常がある場合のリセット信号の波形を示した図である。
【0053】
時点(T1)で走査駆動部200およびデータ駆動部300に電源が印加されると、正常のリセット信号(RTS)は電源印加後にローレベル(VL)からハイレベル(VH)になる波形を有する。具体的に、電源印加後、リセット信号(RTS)のライジングエッジタイミング(rising‐edge timing)が生じ、走査駆動部200およびデータ駆動部300がリセット信号のライジングエッジタイミングを認識すれば、動作を開始する。しかし、
図3に示された三つのリセット信号(RTS1-3)は正常波形を有しない。
【0054】
まず、リセット信号(RTS1)は電源印加時点(T1)以後にも、ローレベル(VL)に維持される。そうすると、走査駆動部200およびデータ駆動部300が起動しない。
【0055】
リセット信号(RTS2)は継続してハイレベル(VH)であるため、走査駆動部200およびデータ駆動部300がローレベル(VL)からハイレベル(VH)になる時点を認識できる。この場合にも、走査駆動部200およびデータ駆動部300は起動しない。
【0056】
前記リセット信号(RTS2)は、ローレベル(VL)からハイレベル(VH)になる時点が電源印加時点(T)と同一であるため、走査駆動部200およびデータ駆動部300が認識することはできない。
【0057】
前記信号制御部400はリセット信号を感知し、走査駆動部200およびデータ駆動部300に電源が印加される時点、およびその時点に同期されてリセット信号を感知する。信号制御部400は、電源印加時点に同期されて所定期間リセット信号を感知し、感知されたリセット信号を用いて、リセット信号の正常の可否を判断する。判断結果、
図3に示された波形のように非正常の場合、これを復旧して、走査駆動部200およびデータ駆動部300に伝達する。
【0058】
図4は
図3に示された正常でない波形を有するリセット信号(RTS1-3)が復旧されたことを示した図である。
【0059】
まず、リセット信号(RTS1)が時点(T1)以後にも期間(TD11)程度のローレベル(VL)が維持されると、信号制御部400はリセット信号(RTS1)をハイレベル(VH)に増加させて出力する。
【0060】
前記信号制御部400は、リセット信号(RTS2)が時点(T1)にハイレベル(VH)であり、時点(T1)以後の所定期間(TD21)の間のリセット信号(RTS2)を感知する。所定期間(TD21)の間にリセット信号(RTS2)のレベル変化がなければ、信号制御部400はリセット信号(RTS2)をローレベル(VL)に減少させた後、所定期間(TD22)後にハイレベル(VH)に増加させる。そうすると、時点(T1)以後にリセット信号(RTS2)はローレベル(VL)からハイレベル(VH)になる波形を有することになる。所定期間(TD21)および所定期間(TD22)は適切に設定でき、リセット信号(RTS2)がローレベルからハイレベルに上昇するライジングエッジタイミングが発生すれば良い。
【0061】
前記信号制御部400は、リセット信号(RTS3)がローレベルからハイレベルになる時点が時点(T1)に一致すると、所定期間(TD31)後にローレベルに減少させた後、所定期間(TD32)後にハイレベルに増加させる。そうすると、時点(T1)以後に、リセット信号(RTS3)は、ローレベル(VL)からハイレベル(VH)になる波形を有する。所定期間(TD31)および所定期間(TD32)は適切に設定でき、リセット信号(RTS3)がローレベルからハイレベルに上昇するライジングエッジタイミングが発生すれば良い。
【0062】
このように、前記信号制御部400がリセット信号を復旧して、走査駆動部およびデータ駆動部に伝達することによって、電源印加後に走査駆動部およびデータ駆動部が正常に起動できる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。