(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明における好ましい実施例について、添付図面を参照しながら説明する。
図1に示す1は全体として本発明のパチンコ台の吸い殻回収装置(以下、吸い殻回収装置)を示す。かかる構成の吸い殻回収装置1は、複数台のパチンコ台1Aが並べて設置され、前方に段部が形成された基台1Bに設けられており、下縁付近に沿って配設された中空部材2と、前記中空部材2内に配置され、一端側に吸い殻Sを搬送する搬送手段3と、当該基台1Bの段部を貫通して搬送手段3に連通する複数の吸い殻投入部4と、この搬送手段3の一端側に設置され、当該搬送手段3によって搬送された吸い殻Sを回収する吸い殻回収容器5とを有する。
【0020】
ここで、搬送手段3は、スクリューコンベアであって、中空部材2の長手方向に沿って当該中空部材2内に搬送用のスクリュー部材7を備えた回動軸8が配置されており、この回動軸8の他端が軸受部9に軸支されているとともに、当該回動軸8の一端側が搬送用の駆動モータ10に接続され、これにより中空部材2内に投下された吸い殻Sを一端側へ搬送し得るように構成されている。
【0021】
搬送手段3の一端側には、前記吸い殻回収容器5を収納するケース11が設けられており、前記ケース11内に、前記搬送手段3の駆動モータ10を操作する操作部12が設置されている。この操作部12は、駆動モータ10と電気的に接続されていると共に、先端に図示しない受電プラグを備えたコード13が接続されている。
【0022】
ケース11は、
図2に示すように、ステンレスなどの金属製の有底筒状の筐体からなるケース本体14と、前記ケース本体14の一面を開閉する蓋体15とからなり、上端に前記駆動モータ10が固定されている。ケース本体14は、一面の側壁が略「門」の字状に開口して形成され、前記吸い殻回収容器5を出し入れ可能な開口部16と、前記蓋体15が当接する当接部17とを備える。 さらに、ケース本体14内部の中段部分には、水平に架設されたステンレスなどの金属製の板体の中央部分に開口部が形成された仕切板18を備えている。仕切板18の下面の開口部の周縁部分には、L字型の取り付け金具19を介してステンレスなどの金属製の板体からなる中空円筒状の案内管20が吊設されている。
【0023】
また、仕切板18の上面中央には消火用の駆動モータ21が固定されており、この駆動モータ21に接続され、仕切板18を貫通して、案内管20の上部開口部分の中心付近まで延設された回転軸22の下方には、案内管20の中心軸と同軸上に回転可能に備えた吸い殻消火用のスクリュー部材23が接続されている。案内管20の略中心部分に配設されたスクリュー部材23は、回転軸22と同軸上に設けられた軸芯部材24と、この軸芯部材24の周囲に案内管20の内径よりわずかに小さく形成された外径を有して螺旋状に形成された螺旋翼25を有しており、螺旋翼25の下端は容器本体31の底面板34と平行に形成されている。
【0024】
さらに、仕切板18の下面左右両端には、一定の曲率で曲げられた長尺の板ばねをドラムに巻き回して構成された定荷重ばね装置26がブランケット27を介して2個ずつ固定されており、各定荷重ばねの一端は、ケース本体14の両側面部下方の内面にそれぞれ配設された各スライドレール28のスライド体29に固定されている。
【0025】
各スライド体29は、上下方向に長手方向を有するスライドレール28上を上下動可能に備えたものであり、定荷重ばね装置26の一端に接続されたことにより上向きの付勢力が付勢されている。さらに、この付勢力は、定荷重ばね装置26の長尺の板ばねを直線に引き伸ばしたときに生じる戻り力であるため、スライド体29の上下方向のストローク量にかかわらずに一定に設定されている。
【0026】
30は、スライド体29,29間に水平に架設され、スライド体29とともに上下動自在に備えたステンレスなどの金属製の板体からなる載置部であり、その上面を容器本体31を載置可能に形成したものである。さらに、この載置部30の上面には、容器本体31の外周形状に沿うように複数の位置決め用の爪片32が立設されており、載置部30上において容器本体31の中心部分が案内管20の軸芯上にくるように位置決め可能に構成されている。
【0027】
容器本体31は、案内管20の外径より大きな内径を有する中空円筒状体33の一方の開口部を載置部30より小さな面積の半円状に形成されたステンレスなどの金属製の板体からなる底面板34によって閉塞されたものであり、この底面板34の一方を垂直に立ち上げて、その立ち上げ部分に、人間の指が挿通可能な大きさの貫通部として形成された指掛け部35を備えている。
【0028】
ここで、載置部30は、スライド体29の上下動に伴いケース本体14内を上下動可能に備えられており、載置部30に載置された容器本体31の上端が案内管20の外周上部に設けられたフランジ部20Aの下端に当接するまで上昇した位置を載置部30の上死点とし、載置部30がケース本体14の底面付近まで下降した位置を載置部30の下死点とし、この下死点において載置部30をケース本体14の底面中央に固定可能とする固定手段36として、ケース本体14の底面中央に固定されたマグネット部材37と、載置部30の下面中央に固定され、マグネット部材37と磁着可能な鉄等の金属製の板体からなるプレート38を備えている。
【0029】
また、案内管20の下端が、下死点に位置する載置部30上に載置された容器本体31の上端より上方に配設されているため、載置部30が下死点に達した場合に容器本体31をケース本体14から取り出し可能に備えている。
【0030】
さらに底面板34には、短冊状に形成されたステンレスなどの金属製の板体を、底面板34の中空円筒状体33に囲まれた円形の領域の中心部分から放射方向外向きに配置して溶接等によって固定した凸条部39を備えている。
【0031】
また、底面板34の下面の一側には、ケース本体14の前面よりも突設された操作杆40を備えており、この操作杆40は、ケース本体14の開口部16傍に形成された長孔41に挿通されており、底面板34の上下動に伴い長孔41内を上下動可能に配置されている。
【0032】
さらに、ケース本体14上端から案内管20にかけては、中空部材の一端下方に接続された断面半円弧状の樋体を下向きに傾斜して備えた外部接続シュート42と、この外部接続シュート42の下端に接続された断面半円弧状の樋体の下端を下向きに傾斜させて仕切板18の開口部を介して案内管20内部へ挿通された吸い殻受けシュート43を備えている。
【0033】
前記蓋体15は、ケース本体14と同じステンレスなどの金属製の板部材からなり、ケース本体14に横開き可能に軸支されている。蓋体15は、開口部16の他方に図示しないロック部でケース本体14に当接した状態で係止し、表面に設けられた把手44で開閉される。
【0034】
前記操作部12は、前記駆動モータ10を逆回転させる逆転スイッチ(図示せず)と、前記蓋体15を開放したときに駆動モータ10,21を停止させ、前記蓋体15を閉塞したときに駆動モータ10,21を起動するリミットスイッチ46と、運転状態を表示するランプ47と、吸い殻回収容器5内の満杯状態を表示して、吸い殻回収容器5内の吸い殻Sの排除時期を報知するランプ48とからなる。前記逆転スイッチ(図示せず)は、前記ケース本体14内の前記蓋体15に覆われる位置に設置されている。この逆転スイッチ(図示せず)は、本実施形態では逆転スイッチ(図示せず)を押下したときにオンするスイッチを用い、当接部17の裏側に設けられている。
【0035】
また、リミットスイッチ46は、
図10に示すように、前記当接部17の内側に設置され、スイッチボックス49と、前記スイッチボックス49内に設けられた図示しない接点を開閉する可動片50とからなる。可動片50は、ばね性を有する金属板からなり、開方向に付勢されている。この可動片50は、基端において、前記スイッチボックス49に揺動可能に設けられると共に、前記接点に直結した押下部51と当接している。また、可動片50の先端には、前記蓋体15に当接する作用部52が設けられている。この作用部52は、合成樹脂で形成され、可動片50の先端に回動自在に設けられている。そして、前記可動片50の先端が前記当接部17に設けた挿通孔34から外側、すなわち、蓋体15と当接する側に突出するようにケース本体14に支持されている。尚、このリミットスイッチ31は、接点が開成した状態が原点である。
【0036】
次に上記構成の作用について説明する。まず、通常運転する場合について説明する。ケース11は蓋体15が閉じた状態であり、リミットスイッチ46は、可動片50の作用部52が蓋体15に押されることによって押下部51が接点を閉成する(
図10(B))。次いで、受電プラグを図示しない屋内コンセントに接続すると、電源が供給される。電源が供給されると、駆動モータ10及び駆動モータ21が回転し、これによって、スクリュー部材7が中空部材2内において回転するとともに、吸い殻回収容器5のスクリュー部材23が回転する。
【0037】
この状態で吸い殻投入部4を介して中空部材2に投入された吸い殻Sは、スクリュー部材7によって押されて中空部材2の一端側まで搬送され、外部接続シュート42、吸い殻受けシュート43を通過して、当該中空部材2の一端下方に設置した吸い殻回収容器5に落下して回収される(
図1)。
【0038】
吸い殻回収容器5に落下した吸い殻Sは、容器本体31の底面板34まで落下して、図中、R方向に回転する螺旋翼25の下向き面によって底面板34に押し付けられながら底面板34上を回転していくと、底面板34に設けた凸条部39で回転移動を止められ、回転してくる螺旋翼25の下向き面の下端と凸条部39との間で押し潰されることによって、吸い殻Sの火はもみ消される。
【0039】
ここで、螺旋翼25の下端が容器本体31の底面板34と平行に形成されたことにより、螺旋翼25の下部と底面板34とに隙間を一定にすることにより螺旋翼25が吸い殻Sを底面板34へ押し付ける力が安定し、吸い殻Sの消火効果が安定する。
【0040】
その後、スクリュー部材23と底面板34との間に吸い殻Sが堆積していき、スクリュー部材23と底面板34との間の圧力が増大して、載置部30、しいては容器本体31を上昇させようとする上向きの付勢力を上回ると、容器本体31を上向きの付勢力に抗して下降させて、容器本体31と案内管20からなる吸い殻回収容器5の容積を増加させることにより、吸い殻回収容器5内の圧力上昇を回避している。
【0041】
続いて、吸い殻回収容器5内が満杯状態となった場合の対応について説明すると、載置部30の位置が下死点より上方に在り、しかも吸い殻回収容器5内の吸い殻Sの量が所定量に達したところで、容器本体31又は載置部30の上下位置や駆動モータ21のトルク等を検知する検知手段(図示せず)によって吸い殻回収容器5内の満杯状態が検知されると、ランプ48が点灯する。使用者は、ランプ48の点灯を確認して、蓋体15を開けると、リミットスイッチ46によって駆動モータ10及び駆動モータ21は停止するので、操作杆40と掴んで載置部30を下死点まで下降させると、固定手段36によって載置部30が下死点で固定されるので、指掛け部35に指を掛けて容器本体31を載置部30から取り出して、容器本体31内の吸い殻Sを廃棄する。その後、空になった容器本体31を載置部30に戻した後、操作杆40を掴んで上向きに引き上げて、固定手段36のマグネット部材37とプレート38の磁着を解除すると、定荷重ばね装置26による上向きの付勢力によって載置部30が上死点まで上昇した後に蓋体15を閉じると、リミットスイッチ46によって駆動モータ10,21が駆動するので、直ちに通常運転を開始することができる。
【0042】
次に、上記通常運転中に搬送手段3に吸い殻Sが詰まった場合に、詰まった吸い殻Sを除去するなどの点検時について説明する。点検するには、把手19を把持し、ケース11の蓋体15を開放する(
図2)。そうすると、リミットスイッチ46は蓋体15が作用部52から離れることによって、可動片50が開放され押下部51が復帰し接点が開成する(
図10(A))。これにより、電源が遮断されるので、駆動モータ10,21が停止する。したがって、直接受電プラグを屋内コンセントから引き抜かなくても、蓋体15を開けることによってのみ駆動モータ10,21を停止するので、安全性を向上することができると共に、利便性を向上できる。
【0043】
また、この状態で逆転スイッチ(図示せず)を押下し、駆動モータ10を逆回転させる。そうすると、スクリュー部材7が逆回転するので、スクリュー部材7に詰まった吸い殻Sを一旦戻すことができる。さらに、逆転スイッチ(図示せず)を復帰させ、作用部52を指で押してリミットスイッチ46を閉成し、駆動モータ10を正回転させることによって、吸い殻Sを吸い殻回収容器5に回収することができる。このように、逆転スイッチ(図示せず)及びリミットスイッチ46を操作することによって、搬送装置内に詰まった吸い殻Sを取り除くことができる。
【0044】
また、点検後は蓋体15を閉じることによって、リミットスイッチ46がオンするので、直ちに通常運転を開始することができる。
【0045】
また、作用部52は合成樹脂製で形成されているので、蓋体15が作用部52に当接するときの蓋体15の傷つきを防止できる。また、作用部52は回動自在に可動片50の先端に設けられているので、部材同士の擦れによる異音が発生するのを防ぐことができる。したがって、スムーズに蓋体15を作用部52に当接し、接点を閉成、及び開成することができる。
【0046】
以上のように、吸い殻Sを収容する吸い殻回収容器5と、吸い殻回収容器5内に配置された押圧手段としてのスクリュー部材23と、スクリュー部材23を回転駆動させて、吸い殻Sを吸い殻回収容器5の底面である底面板34に押圧移動させる駆動手段としての駆動モータ21を備えている。
【0047】
この場合、スクリュー部材23の回転によって吸い殻Sを吸い殻回収容器5の底面板34に押圧して、吸い殻Sの火をもみ消すという、簡単でしかも水を使用しない構成により、回収された吸い殻Sに対して汚水を生じることなく消火することができる。
【0048】
また、吸い殻回収容器5は、スクリュー部材23の周囲に配設された中空筒状の案内部材としての案内管20と、案内管20の下方に配置され、スクリュー部材23の軸芯方向に移動可能に設けた有底筒状の容器本体31とを具備したことにより、容器本体31を移動させて、案内管20と容器本体31によって構成される吸い殻回収容器5の容積を任意に可変させることにより、吸い殻回収容器5内の吸い殻Sの量の増減に左右されないスクリュー部材23による吸い殻Sの消火が可能となる。
【0049】
さらに、容器本体31の底面板34をスクリュー部材23方向へ付勢する付勢手段としての定荷重ばね装置26を備え、底面板34をスクリュー部材23方向へ付勢させることで、スクリュー部材23による吸い殻Sへの押し付け力を最適なものとして、スクリュー部材23による消火効果を安定させることができる。
【0050】
前記押圧手段を、スクリュー部材23としたことにより、発塵を抑えて、衛生的に吸い殻Sを押圧することができる。
【0051】
また、少なくとも吸い殻Sを収容する吸い殻回収容器5と、吸い殻回収容器5内に配置されたスクリュー部材23と、スクリュー部材23を回転駆動させて、吸い殻Sを吸い殻回収容器5の底面である底面板34に押圧移動させる駆動手段としての駆動モータ21を備えた吸い殻消火装置と、複数台のパチンコ台1Aの下縁付近に沿って配設された中空部材2と、前記中空部材2内に配置され、該中空部材2の一端側に設置された吸い殻回収容器5まで吸い殻Sを搬送する搬送手段3とを備えている。
【0052】
この場合、パチンコ台1Aの吸い殻回収装置1によって回収された吸い殻Sを、スクリュー部材23の回転によって吸い殻回収容器5の底面板34に押圧して、吸い殻Sの火をもみ消すという、簡単でしかも水を使用しない構成により、回収された吸い殻Sに対して汚水を生じることなく消火することができる。
【0053】
さらに実施例上の効果として、複数台のパチンコ台1Aの下縁付近に沿って配設された中空部材2と、前記中空部材2内に配置され、該中空部材2の一端側に設置された吸い殻回収容器5まで吸い殻Sを搬送する搬送手段3とを備え、前記搬送手段3は搬送方向を逆転させる逆転スイッチ(図示せず)を有することとしたから、搬送手段3に吸い殻Sが詰まった場合に、搬送手段3の搬送方向を逆転させることによって、容易に吸い殻Sを取り除くことができる。
【0054】
また、前記吸い殻回収容器5が、蓋体15を有するケース11に収納され、前記搬送手段3は蓋体15を開放すると停止し前記蓋体15を閉塞すると起動するリミットスイッチ46を備えるから、蓋体15を開放したときに搬送手段3が停止するので、安全性を向上することができる。
【0055】
また、前記リミットスイッチ46が前記ケース11と前記蓋体15との当接部17に設けられることとしたから、蓋体15を開いた状態でも、リミットスイッチ46を操作し、搬送手段3を作動させることができるので、より円滑に吸い殻Sの詰まりを除去するなどの点検作業を行なうことができる。
【0056】
また、前記逆転スイッチ(図示せず)が前記蓋体ケース11内の前記蓋体15に覆われる位置に設置されていることとしたから、蓋体15を開くことによって搬送手段3が停止すると共に逆転スイッチ(図示せず)を操作することができるので、操作性を向上することができる。
【0057】
また、前記搬送手段3はスクリューコンベアであることとしたから、発塵がすくないので、衛生的に吸い殻Sを搬送し、回収することができる。
【0058】
図11乃至
図14は、本発明の第2実施例を示し、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では螺旋翼の外周部と案内管20の内周面が溶接等により接合されており、これにより案内管20の内周面とスクリュー部材23との隙間を無くして、案内管20をスクリュー部材23と一体的に回転可能に設けている。
【0059】
この場合、スクリュー部材23の外周部分と案内管20との隙間を無くすことによって、スクリュー部材23の回転等によって前記隙間に挟まった吸い殻Sが案内管20との間で抵抗となりスクリュー部材23の回転の妨げとなることを防いで、スクリュー部材23をスムーズに回転させることで、スクリュー部材23による吸い殻Sの消火動作を安定させることができる。
【0060】
図15乃至
図16は、本発明の第3実施例を示し、上記第1実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述すると、この例では押圧手段として、仕切板18の上面中央には消火用の駆動モータ21が固定されており、この駆動モータ21に接続され、仕切板18を貫通して、案内管20の内部まで延設され、案内管20の中心軸と同軸上に回転可能に備えた回転軸60と、回転軸60の下部に形成された凹部60Aに回転軸60と直交する水平方向に配置されたシャフト61を備え、このシャフト61にベアリング62を介して回動自在に設けられた押圧体として、回転軸60を介して対称に配置された一対の円筒形状のローラ63,63とを備えている。
【0061】
吸い殻回収容器5に落下した吸い殻Sは、容器本体31の底面板34まで落下して、図中、R方向に回転するローラ63,63によって底面板34に押し付けられながら底面板34上を回転していくと、底面板34に設けた凸条部39で回転移動を止められ、回転してくるローラ63,63と凸条部39との間で押し潰されることによって、吸い殻Sの火はもみ消される。
【0062】
この一対のローラ63,63が、回転軸60を回転中心とする底面板34の平面と平行な軌道を描きながら回転移動を行うことにより、各ローラ63,63と底面板34との隙間を一定にすることにより、一対のローラ63,63が吸い殻Sを底面板34へ押し付ける力が安定し、一対のローラ63,63が吸い殻Sを均等に押し潰しながら消火していくので、吸い殻Sの消火効果が安定する。
【0063】
また、ローラ63,63を、回動軸60と直交するシャフト61を軸とする方向に回動自在に設けたことにより、ローラ63,63を容器本体31内の吸い殻S上において転動可能とすることにより、回転軸60を軸とする回転移動を行うローラ63,63が吸い殻Sに引っ掛ることを防いで、吸い殻Sの消火効果がさらに安定する。
【0064】
その後、ローラ63,63と底面板34との間に吸い殻Sが堆積していき、ローラ63,63と底面板34との間の圧力が増大して、載置部30、しいては容器本体31を上昇させようとする上向きの付勢力を上回ると、容器本体31を上向きの付勢力に抗して下降させて、容器本体31と案内管20からなる吸い殻回収容器5の容積を増加させることにより、吸い殻回収容器5内の圧力上昇を回避している。
【0065】
以上のように、吸い殻Sを収容する吸い殻回収容器5と、吸い殻回収容器5内に配置された押圧手段としての回転軸60及び一対のローラ63,63と、回転軸60を回転駆動させて、吸い殻Sを吸い殻回収容器5の底面である底面板34に押圧移動させる駆動手段としての駆動モータ21を備えている。
【0066】
この場合、一対のローラ63,63の回転によって吸い殻Sを吸い殻回収容器5の底面板34に押圧して、吸い殻Sの火をもみ消すという、簡単でしかも水を使用しない構成により、回収された吸い殻Sに対して汚水を生じることなく消火することができる。
【0067】
また、押圧手段は、駆動手段である駆動モータ21に連結された回転軸60と、回転軸60の周方向に配置された押圧体である一対のローラ63,63とを備えたことにより、回転するローラ63,63によって、吸い殻Sを均等に押し潰しながら消火していくので、吸い殻Sの消火効果が安定する。
【0068】
さらに、一対のローラ63,63は、回転軸60と直交する軸であるシャフト61周りに回動自在に設けたものとすることで、ローラ63,63を容器内の吸い殻S上において転動可能とすることにより、回転軸60を軸とする回転移動を行うローラ63,63が吸い殻Sに引っ掛ることを防いで、吸い殻Sの消火効果をさらに安定させることができる。
【0069】
本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、搬送手段はスクリュー部材によるものを例示したが、本発明はこれに限らず、ベルト部材によるものでもよい。また、付勢手段についても、定荷重ばね装置に限らず、載置部とケース本体の底面に備えたコイルスプリング等の弾性部材によって、載置部に上向きの付勢力を付勢する構造としてもよい。また、圧送手段についても、スクリュー部材23の構造に限らず、プロペラ状の回転羽根を備えたものでもよい。さらに、スクリュー部材23を逆回転させる機構を備えたものとしてもよく、その場合、吸い殻回収容器5に詰まった吸い殻の除去が行いやすくなる。また、固定手段も、磁石式に限らず、ケース本体及び載置部のいずれか一方に備えたフックを、他方に備えた止め具に係止する構造としてもよい。さらに、回転軸60に備えたローラ63の個数も適宜変更可能とする。