特許第5673058号(P5673058)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5673058
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】ダクト型空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20150129BHJP
【FI】
   F24F1/00 401E
【請求項の数】2
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2010-276927(P2010-276927)
(22)【出願日】2010年12月13日
(65)【公開番号】特開2012-127532(P2012-127532A)
(43)【公開日】2012年7月5日
【審査請求日】2013年10月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100083194
【弁理士】
【氏名又は名称】長尾 常明
(72)【発明者】
【氏名】菅野 彰
(72)【発明者】
【氏名】澤田 大貴
(72)【発明者】
【氏名】石井 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】中本 壮彦
【審査官】 佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−156464(JP,U)
【文献】 特開平10−332171(JP,A)
【文献】 特開2004−301424(JP,A)
【文献】 特開2006−010178(JP,A)
【文献】 特開平01−247931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、吹出口を有する前面板と、吸込口を有する背面板と、底面板を兼ねるセーフティドレンパンと、全体の上面を覆う天板と、前記前面板の片端と前記背面板の片端を接続する側面板とで筐体を構成し、前記前面板の裏面に送風装置を固定し、前記背面板の裏面に熱交換器を配置して、室内機本体を構成したダクト型空気調和機の室内機において、
前記筐体内を左右に区画する仕切板を設け、前記仕切板の片端を前記前面板の裏面に固定し、前記熱交換器の配管出口側に前記熱交換器を縦姿勢に保持させるための熱交側板を配置し、該熱交側板の一端を前記背面板に固定し、前記熱交側板の他端と前記仕切板の他端を相互に固定して前記熱交側板と前記仕切板を一列に立設して区画壁とし、前記区画壁で区画された一側に前記送風装置および前記熱交換器を配置する送風室を形成し、前記区画壁で区画された他側に電装品室を形成し、
前記電装品室を、前記仕切板に対して隙間を介して配置し
前記電装品室を、前記仕切板に対して前記隙間を介して並列配置した電装品室側板と、該電装品室側板に対してL字形状に曲折して連続する電装品室背面板と、前記セーフティドレンパンに対して上げ底形状に配置された電装品室底面板と、前記電装品室を外部に対して閉じる電装品室蓋と、前記天板の一部と、前記前面板の一部とで閉じられる空間として構成したことを特徴とするダクト型空気調和機の室内機。
【請求項2】
請求項1に記載のダクト型空気調和機の室内機において、
前記仕切板と前記電装品室側板の間を、前記隙間が生じるように電装品室取付具により接続したことを特徴とするダクト型空気調和機の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電装品室の露付きを防止したダクト型空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のダクト型空気調和機の室内機には、電装品箱を筐体の外部に固定するものと、電装品箱を筐体の内部に設けて電装品室としたものがある。電装品箱を筐体の外部に固定するものは、筐体を設計する際、内部の構造が簡単になることや筐体内を流れる空気に対する電装品箱の影響を考慮する必要がない等の理由で採用され、一方、電装品箱を内部に設けて電装品室とするものは、電装品室を構成する壁と筐体の一部を共通化できることによるコストダウンや、室内機本体がほぼ箱形状となるため梱包が容易になる、等の理由から採用される。
【0003】
内部に電装品室を備えたものとして、たとえば図12に示すように、その室内機本体200は、ほぼ箱形状の筐体210を有し、その筐体210の内部に、送風装置220と、熱交換器230と、電装品室240を備えている。筐体210の内部は、仕切板213により、一方が、送風装置220と電装品室240が配置される送風室S1になり、他方が、熱交換器230が配置される熱交換室S2になるように区画されている。送風装置220は、モータ221とこれによって駆動される3個の両側面に吸込口を備えた送風ファン222A,222B,222Cを有している。電装品室240は、送風室S1内の筐体210の右側板211の側に形成され、送風室S1内に電装品室240を2方から囲うように立設した上面から見てL字状の壁212の一片212aによって送風装置220と区画されている。電装品室240と送風ファン222Cの一側の吸込口は隣接している。また、送風室S1内に電装品室240を構成するためのL字状の壁212は、送風ファン222Cに対向する一片212aと、電装品室240の仕切板213に対向する片212bとで構成されている。この仕切板213に対向する片212bは、仕切板213から一定の距離を空けた位置に配置されている。
【0004】
この構成により、送風装置220によって、図示しない被空調室から吸い込まれる空気は、送風室S1内の送風ファン222A、222B、222Cの両側面にある吸込口から、それぞれの送風ファン内に吸い込まれ、それぞれの送風ファンの吹出口から熱交換室S2内に吹出され、熱交換器230で冷媒と熱交換された後、被空調室に戻される。(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−069177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、この構成によって、被空調室から送風室S1内を通り熱交換室S2内を流れる空気は、送風室S1内では電装品室240の送風ファン222Cに対向する片212aの横を流れ、熱交換室S2内では仕切板213の横を流れることになる。電装品室240の内部には発熱部品があるため、電装品室240に開口部を設けて、筐体210の外から送風装置220によって電装品室240内に空気を吸い込み、電装品室240内を通過させることで、電装品室240内を冷却させるようになっているが、冷却は十分ではない。
【0007】
このため、電装品室240内の温度は、被空調室から送風室S1内を通り熱交換室S2内を流れる空気より高くなり、電装品室240内に露が発生する。この露は電装品室240の送風ファン222Cに対向する片212aの電装品室240の内側に付着する。これにより、電装品に露が影響して、ショートする恐れが生じる。また、仕切板213に対向した片212bは、仕切板213から一定の距離を空けて配置されているため、熱交換室S2の熱の影響は少なくなるものの完全ではないため、仕切板213の電装品室に対向した面に露が付くことがある。この露は、熱交換室S2内および電装品室240内に落ちることがないため直接影響を与えることないが、仕切板213に付着した露は、筐体210の下部に配置される図示しないドレンパン上に落下し、仕切板213と電装品室240で囲まれた空間の内に留まることになり、仕切板213や電装品室240を構成する壁212が錆びる可能性がある。
【0008】
また、電装品室240の送風ファン222Cに対向する片212aの電装品室240の内側に露が付着する問題を解決するため、電装品室240と送風ファン222Cの間に、新たに仕切板Z(図示せず)を設け、電装品室240と仕切板Zを、その間に一定の空間を空けるように配置することで、電装品室240内に露が発生することは防止できるものの、新たな仕切板Zが必要になったり、電装品室240の構造が複雑になるという問題が発生し、更に、電装品室240の仕切板213と対向した片212bで発生する上記した錆の問題は解決できない。
【0009】
本発明の目的は、構造が簡単で、送風室と電装品室の間で熱が伝わらないようにして、電装品室に露が生じないうようにしたダクト型空気調和機の室内機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、少なくとも、吹出口を有する前面板と、吸込口を有する背面板と、底面板を兼ねるセーフティドレンパンと、全体の上面を覆う天板と、前記前面板の片端と前記背面板の片端を接続する側面板とで筐体を構成し、前記前面板の裏面に送風装置を固定し、前記背面板の裏面に熱交換器を配置して、室内機本体を構成したダクト型空気調和機の室内機において、前記筐体内を左右に区画する仕切板を設け、前記仕切板の片端を前記前面板の裏面に固定し、前記熱交換器の配管出口側に前記熱交換器を縦姿勢に保持させるための熱交側板を配置し、該熱交側板の一端を前記背面板に固定し、前記熱交側板の他端と前記仕切板の他端を相互に固定して前記熱交側板と前記仕切板を一列に立設して区画壁とし、前記区画壁で区画された一側に前記送風装置および前記熱交換器を配置する送風室を形成し、前記区画壁で区画された他側に電装品室を形成し、前記電装品室を、前記仕切板に対して隙間を介して配置し、前記電装品室を、前記仕切板に対して前記隙間を介して並列配置した電装品室側板と、該電装品室側板に対してL字形状に曲折して連続する電装品室背面板と、前記セーフティドレンパンに対して上げ底形状に配置された電装品室底面板と、前記電装品室を外部に対して閉じる電装品室蓋と、前記天板の一部と、前記前面板の一部とで閉じられる空間として構成したことを特徴とする。
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のダクト型空気調和機の室内機において、前記仕切板と前記電装品室側板の間を、前記隙間が生じるように電装品室取付具により接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電装品室を仕切板に対して隙間を介して配置したので、送風室と電装品室の温度差で露が発生した場合は、仕切板の電装品室の側に露がつくが、この仕切板についた露はセーフティドレンパンに流れるため、電装品室内に露が発生することはない。また、電装品室底面板を上げ底形状に配置することで、セーフティドレンパンに露が貯まっても、その露が電装品に悪影響を与えることはない。また、電装品室内での露発生防止用の特別の仕切板を用意する必要がなく、構造も簡単となり、錆が発生することもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施例のダクト型空気調和機の室内機の配置の側面図である。
図2】本実施例のダクト型空気調和機の室内機の室内機本体の斜視図である。
図3】本実施例のダクト型空気調和機の室内機の室内機本体の天板を取り外した状態の平面図である。
図4図3のA−A線の断面図である。
図5】本実施例のダクト型空気調和機の室内機の室内機本体の天板を取り外した状態の仕切板近傍の部分斜視図である。
図6】本実施例のダクト型空気調和機の室内機の室内機本体の送風装置の組立の説明図である。
図7】本実施例のダクト型空気調和機の室内機の室内機本体の天板を取り外した状態の電装品室と配管室の部分斜視図である。
図8】本実施例のダクト型空気調和機の室内機の室内機本体の天板を取り外した状態の電装品室と配管室の部分平面図である。
図9】本実施例のダクト型空気調和機の室内機の室内機本体の電装品室近傍のフレーム構成の説明図である。
図10】本実施例のダクト型空気調和機の室内機の室内機本体の天板を取り外した状態の電装品室の部分斜視図である。
図11】本実施例のダクト型空気調和機の室内機の室内機本体の配管カバーを取り外した状態の配管室の部分斜視図である。
図12】従来のダクト型空気調和機の室内機の室内機本体の天板を取り外した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に本発明の1つの実施例のダクト型空気調和機の室内機の側面から見た取り付け状態を示す。1は室内機本体であり、その吸込口1aに吸込ダクト2Aの一端が取り付けられ、その吸込ダクト2Aの他端は吸込グリル3Aにより室内空間4に通じている。また、室内機本体1の吹出口1bに吹出ダクト2Bの一端が取り付けられ、その吹出ダクト2Bの他端は吹出グリル3Bにより室内空間4に通じている。室内機本体1は、天井空間5において、建屋の天井板6に床置き設置されている。室内機本体1は、建屋天井から吊り下げられる場合もある。
【0014】
室内機本体1は、図2および図3に示すように、底面板を兼ねるセーフティドレンパン101と、吹出口1bを備えた前面板102と、吸込口1aを備えた背面板103と、前面板102と背面板103をつなぐ左側の側面板104と、天板105によって、その筐体が構成されている。前面板102と、背面板103と、側面板104と、前面板102に取り付けられる仕切板106は、セーフティドレンパン101から立設し、筐体骨組αを形成している。セーフティドレンパン101は、筐体骨組αより一回り大きく、本体内の水を外部に漏らさないように周囲に枠101aを備えている。この枠101aと前面板102及び背面板103とを固定することで、筐体骨組αにセーフティドレンパン101が取り付けられている。そして、前面板102には吹出ダクト2Bを取り付ける吹出ダクト取付枠108が設けられ、背面板103には吸込ダクト2Aを取り付ける吸込ダクト取付枠107が設けられている。
【0015】
室内機本体1の内部は、図3に示すように、仕切板106と後述する熱交側板141を一列に立設することによって区画壁βを構成し、その区画壁βで区画された一側が送風室120となり、他側が電装品室130と配管室160となる。仕切板106は、図5図8図10に示すように、前面板102の裏面に、側面板104と並行な向きでその前面板102に直交するように、つまり上面から見てT字形状に片端が固定され、筐体内を左右に区画している。そして、電装品室130と配管室160は、その電装品室130の電装品室背面板131によって区画されている。送風室120内には、前面板102の吹出口1bの背面に送風装置150が直接取り付けられ、背面板103の近傍に熱交換器140が縦姿勢で配置されている。この構成により、送風装置150によって吸込口1aから吸い込まれる空気は、室内空間4から吸込グリル3Aと吸込ダクト2Aを通り、熱交換器140で冷媒と熱交換された後、吹出口1bから吹出ダクト2Bと吹出ダクト3Bを通過して、室内空間4に吹き出される。
【0016】
熱交換器140は、筐体骨組αに固定するための熱交側板141を備えており、この熱交側板141の一方を仕切板106に、他方を背面板103に取付けることで、筐体骨組αに固定される。送風装置150は、回転軸151に送風ファン152を2台結合して構成され、回転軸151の片端にはモータ支持具153で支持されたモータ154を備え、他端には軸固定台155で支持された軸受具156を備える。送風ファン152は、送風ファン152を囲い、それぞれ上下に分割でき、前面板102の吹出口1b内に開口するファンケーシング157を備える。モータ支持具153は、前面板102に取り付けるための取付基台158を備える。送風装置150は、軸固定台155、ファンケーシング157、取付基台158を前面板102に取り付けることで、前面板102に固定されている。
【0017】
この送風装置150を組み立てる際は、まず、前面板102に対し、表面(本体外側)に、吹出ダクト取付枠108を、裏面(本体内側)に、仕切板106、軸固定台155、モータ支持具153を固定した取付基台158等を、それぞれ固定する。次に、前面板102の表面を底にして、モータ154、ファンケーシング157、軸受具156、回転軸151等を、それぞれ所定の位置に合わせて固定する。このとき、モータ154は、前面板102に対して、仕切板106の側に偏った位置に取り付けられる。そして、図6に示すように、天地を逆さにした天板105の上に、前面板102を起こす。天板105は、その天板105の補強および筐体骨組αを固定するための天板枠105aを備えている。この天板枠105aに前面板102を固定する。
【0018】
このときは、まだ、側面板104は取り付けられていないため、前面板102は天板105の天板枠105aと固定されただけとなり、前面板102の裏面に取り付けられた重量の大きな送風装置150の影響により不安定となる可能性があるが、前面板102に対して上面から見てT字形状となるように仕切板106の片端が固定されているので、仕切板106が天板105で支持され、前面板102は安定して起きた状態を維持できる。さらに、仕切板106は、送風装置150のうち、最も重量が大きいモータ154側に偏った位置に取り付けているので、前面板102の荷重は仕切板106にバランスよくかかり、安定して縦姿勢を維持できる。同様に、背面板103に対し、表面(本体外側)に吸込ダクト取付枠107を、裏面(本体内側)に熱交換器140を取り付ける。熱交換器140は、その熱交換器140に備えられた熱交側板141の一側を背面板103に固定することで取り付けられる。前面板102が取り付けられた天板105内に背面板103を配置し、天板枠105aに背面板103を固定する。次に、熱交側板141の他側を仕切板106の前面板102と固定されない側に固定する。さらに、前面板102と背面板103を繋ぐように、側面板104を取り付け、続いて後述する電装品室130を構成する部材を取り付け、最後にセーフティドレンパン101を被せて取付けることにより、組立が完了する。
【0019】
このように、組立途中では図6に示したように、送風装置150が仕切板106によって支えられるため、その他の部品の取り付けをスムーズに行うことができ、組立性が向上する。また、熱交側板141と仕切板106を一列に繋ぐことで、送風室120が電装品室130および配管室160から分離されているので、送風が電装品室130や配管等の影響をうけることがなく、送風効率が向上し、吸い込んだ空気によって電装品室130が冷やされて結露することがない。
【0020】
電装品室130は、図7図10で示すように、2方を囲うように立設された上面から見てL字形状の一片の電装品室背面板131と他片の電装品室側板132と、その開放した一方の面(電装品室側板132の対面)を外部に対して閉じる電装品室蓋133と、他方の面(前面)を覆う前面板102の一部とで周囲が閉じられ、天板105の一部で上面が閉じられ、底面が上げ底(図9参照)の電装品室底面板134で閉じられた構成となっている。そして、電装品室側板132と仕切板106の間に装着された電装品室取付具135により、電装品室側板132と仕切板106が並列配置され、その間に間隔Xが形成されている(図7参照)。そして、電装品室130の内部にはリアクタ136やコンデンサ137やその他の電装品が取り付けられている(図8参照)。なお、リアクタ136やコンデンサ137は、前面板102とは逆の奥上方角部に配置されている。
【0021】
この構成により、仕切板106の送風室120側の電装品室130近傍は熱交換された空気が流れており、電装品室130にはリアクタ136やコンデンサ137等の発熱部品があるため、送風室120と電装品室130には温度差があり、仕切板106に露が発生する場合もあるが、その場合は、仕切板106の電装品室130の側に露が付き、仕切板106についた露はセーフティドレンパン101に流れる。一方、電装品室130は、仕切板106から間隔Xだけ離れているため、送風室120および仕切板106の温度の影響を受けず、電装品室130の外側に露が発生することはない。また、電装品室130が上げ底となっているため、セーフティドレンパン101に露が溜まっても、電装品への影響は無い。
【0022】
また、図10に示すように、電装品室130の電装品室側板132には、リアクタ136やコンデンサ137の近傍に電装品室通孔132aが形成され、その電装品室通孔132aと対応する仕切板106の位置にも、図5に示すように、仕切板通孔106aが形成されている。さらに、上げ底の電装品室底面板134には、セーフティドレンパン101の枠101aに対向する上げ底側面に、電装品室蓋133によって閉塞されることがない切欠きによる空気取入口134aが形成されている。なお、この電装品室底面板134は、電装品室側板132の前後幅よりも狭く形成され、このため、図10に示すように、前面板102の裏面と電装品室底面板134との間で電装品室130の下方角部に隙間G1が形成されている。また、セーフティドレンパン101は筐体骨組αよりも大きいため、セーフティドレンパン101の枠101aと電装品室蓋133との間に隙間G2が形成されている。
【0023】
この構成により、送風装置150によって吸い込まれる天井裏内の空気は、セーフティドレンパン101の枠101aと電装品室蓋133との隙間G2から、電装品室底面板134の空気取入口134aに入り込み、その電装品室底面板134の下面とセーフティドレンパン101との間を通り、前面板102との隙間G1から電装品室130内に入り、電装品室側板132の電装品室通孔132a、仕切板106の同様な仕切板通孔106aを通過し、送風室120の送風装置150の送風ファン152に吸引される。この結果、電装品室130内に、図10に矢印で示すように、前面板102側の下方角部から前面板102と逆側の上方角部に向かう空気通路が形成され、電装品室130内の全体が効果的に冷却される。また、発熱部品であるリアクタ136やコンデンサ137は空気通路の出口である電装品室通孔132aの近傍に配置されているため、リアクタ136やコンデンサ137で発生した熱は、電装品室130内には流れず、そのまま電装品室通孔132aから出ることになり、他の部品に影響を与えることがない。
【0024】
熱交換器140は、セーフティドレンパン101に縦姿勢で配置されている。熱交換器140の配管出口側を支える熱交側板141は、一側を背面板103に固定され、他側を仕切板106に固定されている。また、熱交換器140は、その熱交換器140の底面とセーフティドレンパン101との間に熱交換器140の露を受けるドレンパン142を備え、このドレンパン142は熱交側板141の下を通って配管室160内まで配置され、配管室160の配管の露受けを兼ねている。
【0025】
さらに、配管室160は、熱交換器140の配管部分を内包するように、熱交側板141と、その熱交側板141と一列に繋がれた仕切板106の一部と、電装品室130の電装品室背面板131と、背面板103の一部とで周囲が囲まれることで形成されている。この配管室160の開放面(側面)には、図10および図11に示すように、着脱自在の配管室蓋161が取り付けられる。また、配管室蓋161には、メンテナンス用に開口161aが設けられていて、着脱自在の配管カバー162で閉じられるようになっている。さらに、配管室160内には、熱交換器140から伸びる冷媒配管163、温度センサとしてのサーミスタ164、電子膨張弁(図示せず)等が配置されている。サーミスタ164は、棒形状であって、銅板を折り曲げて形成した装着用の筒形状のサーミスタ取付カバーを備えており、冷媒配管163の冷媒温度を正確に検知できるように、その冷媒配管163にそのサーミスタ取付カバーによって取り付けられている。そして、室外機に対して冷媒を導出/導入する熱交換器140の外部接続配管165は、配管室蓋161および配管カバー162の切欠き部161b,162aを通って外部に引き出されている。
【0026】
これにより、送風室120や電装品室130と区切られた配管室160内のサーミスタ取付カバーを備えたサーミスタ164は、熱交側板141とその熱交側板141と一列に繋がれた仕切板106とにより送風室120から分離されているため、熱交換器140を通る空気の影響を受けず、また、電装品室130と配管室160を区切る電装品室背面板131は、熱交側板141とその熱交側板141と一列に繋がれた仕切板106の繋ぎ目ではなく、仕切板106側に配置されているため、電装品室130の温度の影響を受けることもなく、冷媒配管163を流れる冷媒温度を正確に検知する。また、背面板103の吸込口1aから取り込まれて送風室120に至る空気は、配管室160の影響を受けずに、熱交換器140を通過した空気だけとなるため、効率のよい送風が可能となる。また、配管室蓋161は、天板105の側面や電装品室蓋133の上からネジ等で固定される(図11)ので、配管のメンテナンス時には、配管室蓋161の取り外し/取り付けが簡単となり、メンテナンスの作業性が向上する。また、配管室蓋161は、天板105の下に差し込むように構成することでも、同様な効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0027】
1:室内機本体、1a:吸込口、1b:吹出口、2A:吸込ダクト、2B:吹出ダクト、3A:吸込グリル、3B:吹出グリル、4:室内空間、5:天井空間、6:天井
101:セーフティドレンパン、101a:枠、102:前面板、103:背面板、104:側面板、105:天板、106:仕切板、106a:通孔、107:吸込ダクト取付枠、108:吹出ダクト取付枠
120:送風室
130:電装品室、131:電装品室背面板、132:電装品室側板、132a:通孔、133:電装品室蓋、134:電装品室底面板、134a:空気取入口、135:電装品室取付具、136:リアクタ、137:コンデンサ
140:熱交換器、141:熱交側板、142:ドレンパン
150:送風装置、151:回転軸、152:送風ファン、153:モータ支持具、154:モータ、155:軸受固定台、156:軸受具、157:ファンケーシング、158:取付基台
160:配管室、161:配管室蓋、161a:開口、161b:切欠き部、162:配管カバー、162a:切欠き部、163:冷媒配管、164:サーミスタ取付カバー、165:外部接続配管
200:室内機本体
210:筐体、211:右側板、212:仕切板、212a,212b:片、213:仕切板
220:送風装置、221:モータ、222A,222B,222C:送風ファン
230:熱交換器
240:電装品室
図1
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図3
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図12