【実施例】
【0022】
以下、実施例および比較例により本発明の内容を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、例中の各種分析および合成したPC化合物の評価は、以下の方法に従って実施した。
1.NMR分析
PC化合物を内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を含む重クロロホルムに溶解させた後、JNM−AL400(日本電子社製)を用いて化合物の同定・分析を行った。
2.質量分析
PC化合物をマトリックス(m−ニトロベンジルアルコール)に混ぜ、JMS−700(日本電子社製)を用いてFAB(Pos)法にて化合物の同定・分析を行った。
3.水への溶解性
PC化合物1gをビーカーに採り、これに水99gを加え、70℃の温浴中で10分間攪拌した。次いで、卓上型ホモミキサー(機種:LR−1(みづほ工業株式会社製))を用いて、70℃の温浴中にて6,000rpmで30分間攪拌した。所定時間後、ビーカーを取り出し、室温まで冷却した後、目視により外観観察を行い、溶解性を下記の基準により3段階評価した。
〔評価基準内容〕
評価記号;○:透明〜微濁、△:白濁、×:二層分離とした。
【0023】
4.安全性
PC化合物の安全性は、細胞毒性試験から評価した。具体的には、ウサギ角膜上皮様細胞の懸濁液100μlを96ウェルプレートに播種し(1万個/ウェル)、24時間CO
2インキュベーターにて培養した。次いで、PC化合物の2質量%水溶液を各ウェルに100μl添加し、CO
2インキュベーターにて24時間培養した。所定時間後、培養液を除去し、5mg/100mlのニュートラルレッド溶液を各ウェルに加え、更にCO
2インキュベーターにて3時間培養した。各ウェルより培養液を除去し、pH7.4のリン酸緩衝液100μlで各ウェルを2回洗浄した。1%酢酸を含む50%エタノール水溶液を各ウェルに100μl添加し、5分間振とうさせた後、540nmの吸光度を測定した。得られた吸光度を下記式に導入することで細胞生存率(%)を算出した。
細胞生存率(%)=吸光度(PC化合物添加系)÷吸光度(PC化合物無添加系)×100
5.界面特性
上記3にて作製したPC化合物の水溶液若しくは水分散液を水で適宜希釈し、各種濃度の測定用サンプルを調製した。作製したサンプルの表面張力は、ウィルヘルミー平板法により、表面張力測定装置(CBVP−A3、協和界面科学社製)を用いて25℃にて測定した。得られた結果から、各PC化合物の臨界会合濃度(CAC)と臨界会合濃度における表面張力(γ
CAC)を算出した。
6.脂溶性成分のカプセル化能
PC化合物の1gをサンプル瓶に採り、1,3−ブチレングリコール9gを加え、70℃の温浴中で1時間攪拌し、溶液を得た。この溶液全量に酢酸トコフェロール1gを加え、70℃の温浴中で30分間攪拌することにより溶解させた。次いで、溶液全量を70℃に加温した90gの温水中に攪拌しながら徐々に加えた後、70℃に温度を保ちながらホモミキサー(3,000rpm、15分間)を用いて分散処理することで乳化物を調製した。得られた乳化物の状態を目視により観察し、カプセル化能を下記の基準により3段階評価した。
〔評価基準内容〕
評価記号;○:均一・油膜なし、△:油膜あり、×:二層分離とした。
【0024】
実施例1−1:(PC1の合成)
温度計、滴下漏斗及び撹拌機を備えた1L丸底フラスコに、ラウリルアルコール37.3g(0.2mol)、トリエチルアミン20.2g(0.2mol)及びテトラヒドロフラン250gを加え、4℃で攪拌・混合した。次いで、2−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン28.5g(0.2mol)とテトラヒドロフラン50gの混合溶液を、滴下漏斗を用いて上記の冷却した混合溶液に滴下した。滴下は、冷却した混合溶液を撹拌しながら、反応温度が10℃を超えないように冷却し、2時間かけて徐々に行った。滴下終了後、さらに1時間撹拌しつづけた。続いて、副生成物として析出したトリエチルアミン塩酸塩を濾別した。得られた濾液の全量を、撹拌機を備えた2L丸底フラスコに投入し、更にステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド147.5g(0.4mol)とアセトニトリル300gを加え、75℃で30時間攪拌した。その後、反応液を冷却することにより得られた析出物を濾別し、70℃で減圧乾燥することで粗結晶59.5gを得た。得られた粗結晶を酢酸エチルとエタノールの混合溶媒にて再結晶し、白色結晶(以下、PC1と略す)17.8gを得た。得られた白色結晶の
1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
【0025】
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl
3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH
2C
H3)、1.29(42H、m、−CH
2(C
H2)
8CH
2CH
3、−CH
2(C
H2)
13CH
2CH
3)、1.33(4H、m、−C
H2CH
3)、1.48(2H、m、−POCH
2C
H2CH
2−)、1.57(2H、m、−HNCOCH
2C
H2−)、1.99(2H、m、N
+(CH
3)
2CH
2C
H2CH
2)、2.18(2H、m、−HNCOC
H2CH
2−)、3.20(2H、m、N
+(CH
3)
2CH
2CH
2C
H2)、3.24(2H、m、N
+(CH
3)
2C
H2CH
2CH
2)、3.30(6H、m、N
+(C
H3)
2CH
2CH
2CH
2)、3.43(2H、t、POCH
2C
H2N
+(CH
3)
2)、3.53(2H、m、−POC
H2CH
2CH
2−)、3.97(2H、t、POC
H2CH
2N
+(CH
3)
2)、8.00(1H、s、−N
HCOCH
2CH
2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=661が観測された。
【0026】
以上の結果から、得られた化合物は式(4)で表される化合物であることを確認した。また合成したPC1の水への溶解性、安全性、界面特性、脂溶性成分のカプセル化能について評価した。結果を表1に示す。
【化4】
【0027】
実施例1−2:(PC2の合成)
原料アルコールとしてラウリルアルコールの代わりにステアリルアルコール54.1gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、PC2と略す)20.5gを得た。得られた白色結晶の
1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl
3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH
2C
H3)、1.29(54H、m、−CH
2(C
H2)
14CH
2CH
3、−CH
2(C
H2)
13CH
2CH
3)、1.33(4H、m、−C
H2CH
3)、1.48(2H、m、−POCH
2C
H2CH
2−)、1.57(2H、m、−HNCOCH
2C
H2−)、1.99(2H、m、N
+(CH
3)
2CH
2C
H2CH
2)、2.18(2H、m、−HNCOC
H2CH
2−)、3.20(2H、m、N
+(CH
3)
2CH
2CH
2C
H2)、3.24(2H、m、N
+(CH
3)
2C
H2CH
2CH
2)、3.30(6H、m、N
+(C
H3)
2CH
2CH
2CH
2)、3.43(2H、t、POCH
2C
H2N
+(CH
3)
2)、3.53(2H、m、−POC
H2CH
2CH
2−)、3.97(2H、t、POC
H2CH
2N
+(CH
3)
2)、8.00(1H、s、−N
HCOCH
2CH
2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=746が観測された。
【0028】
以上の結果から、得られた化合物は式(5)で表される化合物であることを確認した。また合成したPC2について実施例1−1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【化5】
【0029】
実施例1−3:(PC3の合成)
原料アルコールとしてラウリルアルコールの代わりにテトラエチレングリコールモノメチルエーテル41.7gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、PC3と略す)24.8gを得た。得られた白色結晶の
1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl
3、内部標準TMS): 0.96(3H、m、−CH
2C
H3)、1.29(26H、m、−CH
2(C
H2)
13CH
2CH
3)、1.33(2H、m、−CH
2(CH
2)
13C
H2CH
3)、1.57(2H、m、−NHCOCH
2C
H2−)、1.99(2H、m、−N
+(CH
3)
2CH
2C
H2CH
2−)、2.18(2H、m、−NHCOC
H2CH
2−)、3.20(2H、t、−N
+(CH
3)
2CH
2CH
2C
H2−)、3.24(5H、m、−N
+(CH
3)
2C
H2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2OC
H3)、3.30(6H、s、−N
+(C
H3)
2CH
2CH
2CH
2−)、3.43(2H、m、−POCH
2C
H2N
+(CH
3)
2)、3.54(12H、m、−POCH
2CH
2(OC
H2C
H2)
3OCH
3)、3.56(2H、m、−POCH
2C
H2(OCH
2CH
2)
3OCH
3)、3.70(2H、m、−POC
H2CH
2(OCH
2CH
2)
3OCH
3)、3.97(2H、t、POC
H2CH
2N
+(CH
3)
2)、8.00(1H、s、−N
HCOCH
2CH
2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=683が観測された。
【0030】
以上の結果から、得られた化合物は式(6)で表される化合物であることを確認した。また合成したPC3について実施例1−1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【化6】
【0031】
実施例1−4:(PC4の合成)
原料アルコールとしてラウリルアルコールの代わりにエチレンオキシドの付加モル数が2であるポリオキシエチレンステアリルエーテル71.7gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、PC4と略す)25.9gを得た。得られた白色結晶の
1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl
3、内部標準TMS): 0.96(6H、m、−CH
2C
H3)、1.29(54H、m、−CH
2(C
H2)
14CH
2CH
3、−CH
2(C
H2)
13CH
2CH
3)、1.33(4H、m、−CH
2(CH
2)
14C
H2CH
3、−CH
2(CH
2)
13C
H2CH
3)、1.46(2H、m、−POCH
2CH
2OCH
2CH
2OCH
2C
H2−)、1.57(2H、m、−NHCOCH
2C
H2−)、1.99(2H、m、−N
+(CH
3)
2CH
2C
H2CH
2−)、2.18(2H、m、−NHCOC
H2CH
2−)、3.20(2H、t、−N
+(CH
3)
2CH
2CH
2C
H2−)、3.24(2H、t、−N
+(CH
3)
2C
H2CH
2CH
2−)、3.30(6H、s、−N
+(C
H3)
2CH
2CH
2CH
2−)、3.37(2H、m、−POCH
2CH
2OCH
2CH
2OC
H2CH
2−)、3.43(2H、m、−POCH
2C
H2N
+(CH
3)
2)、3.54(4H、m、−POCH
2CH
2OC
H2C
H2O−)、3.56(2H、m、−POCH
2C
H2OCH
2CH
2O)、3.70(2H、m、−POC
H2CH
2OCH
2CH
2O)、3.97(2H、t、POC
H2CH
2N
+(CH
3)
2)、8.00(1H、s、−N
HCOCH
2CH
2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=834が観測された。
【0032】
以上の結果から、得られた化合物は式(7)で表される化合物であることを確認した。また合成したPC4について実施例1−1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【化7】
【0033】
実施例1−5:(PC5の合成)
原料アミンとしてステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの代わりにラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド107.4gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、PC5と略す)19.5gを得た。得られた白色結晶の
1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl
3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH
2C
H3)、1.29(30H、m、−CH
2(C
H2)
8CH
2CH
3、−CH
2(C
H2)
7CH
2CH
3)、1.33(4H、m、−C
H2CH
3)、1.48(2H、m、−POCH
2C
H2CH
2−)、1.57(2H、m、−HNCOCH
2C
H2−)、1.99(2H、m、N
+(CH
3)
2CH
2C
H2CH
2)、2.18(2H、m、−HNCOC
H2CH
2−)、3.20(2H、m、N
+(CH
3)
2CH
2CH
2C
H2)、3.24(2H、m、N
+(CH
3)
2C
H2CH
2CH
2)、3.30(6H、m、N
+(C
H3)
2CH
2CH
2CH
2)、3.43(2H、t、POCH
2C
H2N
+(CH
3)
2)、3.53(2H、m、−POC
H2CH
2CH
2−)、3.97(2H、t、POC
H2CH
2N
+(CH
3)
2)、8.00(1H、s、−N
HCOCH
2CH
2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=577が観測された。
【0034】
以上の結果から、得られた化合物は式(8)で表される化合物であることを確認した。また合成したPC5について実施例1−1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【化8】
【0035】
実施例1−6:(PC6の合成)
原料アルコールとしてラウリルアルコールの代わりにステアリルアルコール54.1gを、また原料アミンとしてステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの代わりにラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド107.4gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、PC6と略す)23.8gを得た。得られた白色結晶の
1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl
3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH
2C
H3)、1.29(42H、m、−CH
2(C
H2)
14CH
2CH
3、−CH
2(C
H2)
7CH
2CH
3)、1.33(4H、m、−C
H2CH
3)、1.48(2H、m、−POCH
2C
H2CH
2−)、1.57(2H、m、−HNCOCH
2C
H2−)、1.99(2H、m、N
+(CH
3)
2CH
2C
H2CH
2)、2.18(2H、m、−HNCOC
H2CH
2−)、3.20(2H、m、N
+(CH
3)
2CH
2CH
2C
H2)、3.24(2H、m、N
+(CH
3)
2C
H2CH
2CH
2)、3.30(6H、m、N
+(C
H3)
2CH
2CH
2CH
2)、3.43(2H、t、POCH
2C
H2N
+(CH
3)
2)、3.53(2H、m、−POC
H2CH
2CH
2−)、3.97(2H、t、POC
H2CH
2N
+(CH
3)
2)、8.00(1H、s、−N
HCOCH
2CH
2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=661が観測された。
【0036】
以上の結果から、得られた化合物は式(9)で表される化合物であることを確認した。また合成したPC6について実施例1−1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【化9】
【0037】
実施例1−7:(PC7の合成)
原料アルコールとしてラウリルアルコールの代わりにテトラエチレングリコールモノメチルエーテル41.6gを、また原料アミンとしてステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの代わりにラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド107.4gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、PC7と略す)19.8gを得た。得られた白色結晶の
1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl
3、内部標準TMS):0.96(3H、m、−CH
2C
H3)、1.29(14H、m、−CH
2(C
H2)
7CH
2CH
3)、1.33(2H、m、−CH
2(CH
2)
7C
H2CH
3)、1.57(2H、m、−NHCOCH
2C
H2−)、1.99(2H、m、−N
+(CH
3)
2CH
2C
H2CH
2−)、2.18(2H、m、−NHCOC
H2CH
2−)、3.20(2H、t、−N
+(CH
3)
2CH
2CH
2C
H2−)、3.24(5H、m、−N
+(CH
3)
2C
H2CH
2CH
2−、−CH
2CH
2OC
H3)、3.30(6H、s、−N
+(C
H3)
2CH
2CH
2CH
2−)、3.43(2H、m、−POCH
2C
H2N
+(CH
3)
2)、3.54(12H、m、−POCH
2CH
2(OC
H2C
H2)
3OCH
3)、3.56(2H、m、−POCH
2C
H2(OCH
2CH
2)
3OCH
3)、3.70(2H、m、−POC
H2CH
2(OCH
2CH
2)
3OCH
3)、3.97(2H、t、POC
H2CH
2N
+(CH
3)
2)、8.00(1H、s、−N
HCOCH
2CH
2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=599が観測された。
【0038】
以上の結果から、得られた化合物は式(10)で表される化合物であることを確認した。また合成したPC7について実施例1−1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【化10】
【0039】
実施例1−8:(PC8の合成)
原料アルコールとしてラウリルアルコールの代わりにエチレンオキシドの付加モル数が2であるポリオキシエチレンステアリルエーテル71.7gを、また原料アミンとしてステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの代わりにラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド107.4gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、PC8と略す)26.2gを得た。得られた白色結晶の
1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl
3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH
2C
H3)、1.29(42H、m、−CH
2(C
H2)
14CH
2CH
3、−CH
2(C
H2)
7CH
2CH
3)、1.33(4H、m、−CH
2(CH
2)
14C
H2CH
3、−CH
2(CH
2)
7C
H2CH
3)、1.46(2H、m、−POCH
2CH
2OCH
2CH
2OCH
2C
H2−)、1.57(2H、m、−NHCOCH
2C
H2−)、1.99(2H、m、−N
+(CH
3)
2CH
2C
H2CH
2−)、2.18(2H、m、−NHCOC
H2CH
2−)、3.20(2H、t、−N
+(CH
3)
2CH
2CH
2C
H2−)、3.24(2H、t、−N
+(CH
3)
2C
H2CH
2CH
2−)、3.30(6H、s、−N
+(C
H3)
2CH
2CH
2CH
2−)、3.37(2H、m、−POCH
2CH
2OCH
2CH
2OC
H2CH
2−)、3.43(2H、m、−POCH
2C
H2N
+(CH
3)
2)、3.54(4H、m、−POCH
2CH
2OC
H2C
H2O−)、3.56(2H、m、−POCH
2C
H2OCH
2CH
2O)、3.70(2H、m、−POC
H2CH
2OCH
2CH
2O)、3.97(2H、t、POC
H2CH
2N
+(CH
3)
2)、8.00(1H、s、−N
HCOCH
2CH
2−)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=750が観測された。
【0040】
以上の結果から、得られた化合物は式(11)で表される化合物であることを確認した。また合成したPC8について実施例1−1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【化11】
【0041】
比較例1−1
原料アミンとしてステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの代わりにN,N-ジメチルラウリルアミン85.4gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、CE1と略す)18.4gを得た。得られた白色結晶の
1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl
3、内部標準TMS): 0.96(6H、m、−CH
2C
H3)、1.29(32H、m、−CH
2(C
H2)
8CH
2CH
3、−CH
2(C
H2)
8CH
2CH
3)、1.33(4H、m、−CH
2(CH
2)
8C
H2CH
3、−CH
2(CH
2)
8C
H2CH
3)、1.48(2H、m、−POCH
2C
H2CH
2−)、1.73(2H、m、−N
+(CH
3)
2CH
2C
H2−)、3.24(2H、m、−N
+(CH
3)
2C
H2CH
2−)、3.30(6H、s、−N
+(C
H3)
2CH
2CH
2CH
2−)、3.43(2H、m、−POCH
2C
H2N
+(CH
3)
2)、3.53(2H、m、−POC
H2CH
2CH
2−)、3.97(2H、m、−POC
H2CH
2N
+(CH
3)
2)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=506が観測された。
【0042】
以上の結果から、得られた化合物は式(12)で表される化合物であることを確認した。また合成したCE1について実施例1−1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【化12】
【0043】
比較例1−2
原料アルコールとしてラウリルアルコールの代わりにステアリルアルコール54.1gを、また原料アミンとしてステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの代わりにN,N-ジメチルステアリルアミン119.0gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、CE2と略す)27.6gを得た。得られた白色結晶の
1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl
3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH
2C
H3)、1.29(56H、m、−CH
2(C
H2)
14CH
2CH
3、−CH
2(C
H2)
14CH
2CH
3)、1.33(4H、m、−CH
2(CH
2)
14C
H2CH
3、−CH
2(CH
2)
14C
H2CH
3)、1.48(2H、m、−POCH
2C
H2CH
2−)、1.73(2H、m、−N
+(CH
3)
2CH
2C
H2−)、3.24(2H、m、−N
+(CH
3)
2C
H2CH
2−)、3.30(6H、s、−N
+(C
H3)
2CH
2CH
2CH
2−)、3.43(2H、m、−POCH
2C
H2N
+(CH
3)
2)、3.53(2H、m、−POC
H2CH
2CH
2−)、3.97(2H、m、−POC
H2CH
2N
+(CH
3)
2)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=645が観測された。
【0044】
以上の結果から、得られた化合物は式(13)で表される化合物であることを確認した。また合成したCE2について実施例1−1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【化13】
【0045】
比較例1−3
原料アルコールとしてラウリルアルコールの代わりに1,2−ドデカンジオール40.5gを、また原料アミンとしてステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの代わりにN,N-ジメチルラウリルアミン85.4gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、CE3と略す)15.7gを得た。得られた白色結晶の
1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl
3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH
2C
H3)、1.29(30H、m、−CH
2(C
H2)
7CH
2CH
3、−CH
2(C
H2)
8CH
2CH
3)、1.33(4H、m、−CH
2(CH
2)
7C
H2CH
3、−CH
2(CH
2)
8C
H2CH
3)、1.44(2H、m、−POCH
2CH(OH)C
H2−)、1.73(2H、m、−N
+(CH
3)
2CH
2C
H2−)、2.00(1H、s、−POCH
2CH(O
H)CH
2−)、3.24(2H、m、−N
+(CH
3)
2C
H2CH
2−)、3.30(7H、m、−N
+(C
H3)
2CH
2CH
2CH
2−、−POCH
2C
H(OH)CH
2−)、3.43(2H、m、−POCH
2C
H2N
+(CH
3)
2)、3.68(2H、m、−POC
H2CH(OH)CH
2−)、3.97(2H、m、−POC
H2CH
2N
+(CH
3)
2)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=522が観測された。
【0046】
以上の結果から、得られた化合物は式(14)で表される化合物であることを確認した。また合成したCE3について実施例1−1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【化14】
【0047】
比較例1−4
原料アルコールとしてラウリルアルコールの代わりに1,2−オクタデカンジオール57.3gを、また原料アミンとしてステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミドの代わりにN,N-ジメチルステアリルアミン119.0gを用いた以外は実施例1−1と同様な操作を行い、白色結晶(以下、CE4と略す)18.7gを得た。得られた白色結晶の
1H-NMRおよび質量分析結果を以下に示す。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl
3、内部標準TMS):0.96(6H、m、−CH
2C
H3)、1.29(54H、m、−CH
2(C
H2)
13CH
2CH
3、−CH
2(C
H2)
14CH
2CH
3)、1.33(4H、m、−CH
2(CH
2)
13C
H2CH
3、−CH
2(CH
2)
14C
H2CH
3)、1.44(2H、m、−POCH
2CH(OH)C
H2−)、1.73(2H、m、−N
+(CH
3)
2CH
2C
H2−)、2.00(1H、s、−POCH
2CH(O
H)CH
2−)、3.24(2H、m、−N
+(CH
3)
2C
H2CH
2−)、3.30(7H、m、−N
+(C
H3)
2CH
2CH
2CH
2−、−POCH
2C
H(OH)CH
2−)、3.43(2H、m、−POCH
2C
H2N
+(CH
3)
2)、3.68(2H、m、−POC
H2CH(OH)CH
2−)、3.97(2H、m、−POC
H2CH
2N
+(CH
3)
2)。
質量分析:メインピークとしてM+1に相当するMw=691が観測された。
【0048】
以上の結果から、得られた化合物は式(15)で表される化合物であることを確認した。また合成したCE4について実施例1−1と同様な評価を行った。結果を表1に示す。
【化15】
【0049】
【表1】
【0050】
実施例2−1〜2−8
<化粧水の使用感評価>
表2の処方に従い、イの各成分を室温下にて溶解した。一方、表2に示すロの各成分を60℃にて均一に溶解し、これにかき混ぜながらイの成分を加え、ローション状化粧水を調製した。得られた化粧水に関して、下記官能試験を実施した。結果を表2に示す。
(官能試験)
20代〜50代の女性10人を対象として、化粧水を前腕内側部に適量塗布し、のび、滑り、肌への馴染みについて、下記基準により5段階評価した。更にそれを平均して判定した。
(官能評価試験基準)
評価点;5点:非常に良好、4点:良好、3点:普通、2:やや不良、1:不良
判定基準;平均点4.0点以上を合格、平均点4.0点未満を不合格とした。
【0051】
比較例2−1及び2−2
<化粧水の使用感評価>
表2の処方に従い、実施例1−1〜1−8のPC化合物(PC1〜PC8)の代わりに、比較例1−1において得られた化合物(CE1)若しくは比較例1−3において得られた化合物(CE3)を用いた以外は、実施例2−1〜2−8に記載の方法に準じて化粧水を調製した。得られた化粧水に関して、実施例2−1〜2−8と同様にして官能試験にて評価した。結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】
実施例2−9〜2−16
<乳液の使用感評価>
表3の処方に従い、イの各成分を75℃にて均一に溶解した。またロの各成分を同様に75℃にて均一に溶解し、イを徐々に加えて予備乳化した。次に、75℃に温度を保ちながらホモミキサーにて均一に乳化した。これをかき混ぜながら冷却し、乳液を調製した。得られた乳液に関して、実施例2−1〜2−8と同様に官能試験を実施した。結果を表3に示す。
【0054】
比較例2−3及び2−4
<乳液の使用感評価>
表3の処方に従い、実施例1−1〜1−8のPC化合物(PC1〜PC8)の代わりに、比較例1−1において得られた化合物(CE1)若しくは比較例1−3において得られた化合物(CE3)を用いた以外は、実施例2−9〜2−18に記載の方法に準じて乳液を調製した。得られた乳液に関して、実施例2−9〜2−16と同様にして官能試験にて評価した。結果を表3に示す。
【0055】
【表3】
【0056】
実施例2−17〜2−24
<O/W型クリームの使用感評価>
表4の処方に従い、イの各成分を75℃にて均一に溶解した。またロの各成分を同様に75℃にて均一に溶解し、イを徐々に加えて予備乳化した。次に、75℃に温度を保ちながらホモミキサーにて均一に乳化した。これをかき混ぜながら冷却し、O/W型クリームを調製した。得られたクリームに関して、実施例2−1〜2−8と同様に官能試験を実施した。結果を表4に示す。
【0057】
比較例2−5及び2−6
<O/W型クリームの使用感評価>
表4の処方に従い、実施例1−1〜1−8のPC化合物(PC1〜PC8)の代わりに、比較例1−1において得られた化合物(CE1)若しくは比較例1−3において得られた化合物(CE3)を用いた以外は、実施例2−17〜2−24に記載の方法に準じてO/W型クリームを調製した。得られたクリームに関して、実施例2−17〜2−24と同様にして官能試験にて評価した。結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】
実施例2−25〜2−32
<ファンデーションの使用感評価>
表5の処方に従い、イ及びハの各成分を別に混合し、それぞれを80℃で加熱溶解した。続いて、ロの各成分をヘンシェルミキサーに秤り込み、高速で2分間混合した後、イに加えてホモミキサーを用いて、75℃の温浴中で混合した。次いで、ハを徐々に加えて乳化し、攪拌しながら冷却してファンデーションを調製した。得られたファンデーションに関して、20代〜50代の女性10人を対象として、顔に塗布して、しっとり感、化粧映え、密着性及び化粧持ちの4項目について評価した。評価基準及び判定は、実施例2−1〜2−8に準じて行った。結果を表5に示す。
【0060】
比較例2−7及び2−8
<ファンデーションの使用感評価>
表5の処方に従い、実施例1−1〜1−8のPC化合物(PC1〜PC8)の代わりに、比較例1−1において得られた化合物(CE1)若しくは比較例1−3において得られた化合物(CE3)を用いた以外は、実施例2−25〜2−32に記載の方法に準じてファンデーションを調製した。得られたファンデーションに関して、実施例2−25〜2−32と同様にして官能試験にて評価した。結果を表5に示す。
【0061】
【表5】
【0062】
実施例2−33〜2−40
<ヘアトニックの使用感評価>
表6の処方に従い、イの各成分を室温下にて溶解した。次いで、ロの各成分を40℃にて溶解し、これを攪拌しながらイを加え、ローション状のヘアトニックを調製した。得られたヘアトニックに関して、20代〜50代の女性10人を対象として、使用時の指通り性、乾燥した後の髪の滑らかさ、髪のまとまりの3項目について評価した。評価基準及び判定は、実施例2−1〜2−8に準じて行った。結果を表6に示す。
【0063】
比較例2−9及び2−10
<ヘアトニックの使用感評価>
表6の処方に従い、実施例1−1〜1−8のPC化合物(PC1〜PC8)の代わりに、比較例1−1において得られた化合物(CE1)若しくは比較例1−3において得られた化合物(CE3)を用いた以外は、実施例2−33〜2−40に記載の方法に準じてヘアトニックを調製した。得られたヘアトニックに関して、実施例2−33〜2−40と同様にして官能試験にて評価した。結果を表6に示す。
【0064】
【表6】
【0065】
実施例2−41〜2−48
<シャンプーの使用感評価>
表7の処方に従い、シャンプーを調製した。得られたシャンプーに関して、実施例2−33〜2−40と同様な項目について頭髪官能評価試験を実施した。結果を表7に示す。
【0066】
比較例2−11及び2−12
<シャンプーの使用感評価>
表7の処方に従い、実施例1−1〜1−8のPC化合物(PC1〜PC8)の代わりに、比較例1−1において得られた化合物(CE1)若しくは比較例1−3において得られた化合物(CE3)を用いた以外は、実施例2−41〜2−48と同様にシャンプーを調製した。得られたシャンプーに関して、実施例2−41〜2−48と同様にして官能試験にて評価した。結果を表7に示す。
【0067】
【表7】
【0068】
実施例2−49〜2−56
<リンスの使用感評価>
表8の処方に従い、リンスを調製した。得られたリンスに関して、実施例2−33〜2−40と同様な項目について頭髪官能評価試験を実施した。結果を表8に示す。
【0069】
比較例2−13及び2−14
<リンスの使用感評価>
表8の処方に従い、実施例1−1〜1−8のPC化合物(PC1〜PC8)の代わりに、比較例1−1において得られた化合物(CE1)若しくは比較例1−3において得られた化合物(CE3)を用いた以外は、実施例2−49〜2−56と同様にリンスを調製した。得られたリンスに関して、実施例2−49〜2−56と同様にして官能試験にて評価した。結果を表8に示す。
【0070】
【表8】
【0071】
表1より、本発明のホスホリルコリン類似構造を有する化合物は、水に対して良好な溶解性を示し、安全性も高いこと、また卓越した界面特性や脂溶性成分に対する優れたカプセル化能を有することが明らかになった。また表2〜表8より、本発明のホスホリルコリン類似構造を有する化合物を配合した皮膚用及び毛髪用化粧料は、いずれも使用感に優れ、感触を改良する素材としても極めて有効であることがわかった。