(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記保持部は、前記下方延出部が上下に挿し通される貫通孔と、前記貫通孔の下方側において前記下方延出部の下端側部分と当接し当該下端側部分の下方側への変位を規制する変位規制部とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学的情報読取装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のトリガスイッチ(20)は、押圧部の下側にヒンジ構造が設けられた下ヒンジタイプのものであるが、このような下ヒンジタイプは、押圧部の上側にトリガスイッチ(トリガ操作部)を支持するためのスペースをそれほど確保しなくて済み、本体部側を小型化しやすいというメリットを有している。
【0006】
しかしながら、このような下ヒンジタイプを採用する場合、通常はスペース的な制約からトリガスイッチの部材全体を把持部の前側の壁部に沿って配置することになり、ヒンジ機構は押圧部の真下に配置されることになるため、機構上、押圧部は、やや下方側に沈みながら回動することになる。また、押圧部は、ボタン下部を引くように操作がなされるため、操作位置がヒンジ機構に近くなりやすく、このような機構では、押圧部(特にボタン下部)の後方側へのストロークが小さくなり、やや下方に沈む動作が加わってしまうため、自然なストロークが得られない懸念もある。
【0007】
一方、押圧部から部材を延出させ、この延出部の上端部をヒンジ構造によって本体部(特に本体部の読取口側)で保持するような構成も考えられる。このように押圧部の上側にヒンジ構造を設ける上ヒンジタイプでは、通常はスペース的な制約からトリガスイッチの部材全体を本体部の下壁部に沿って配置することになり、一般的には本体部に対してやや傾斜して把持部が設けられるため、本体部において押圧部の上方側かつ前方側にヒンジ機構が設けられることになる。この構造の場合、トリガ操作位置(ボタン下部)をヒンジ機構から遠ざけやすく、押圧部(特にボタン下部)の後方側へのストロークを大きくしやすくなる。
【0008】
しかしながら、上記のような上ヒンジタイプでは、収容部品が多い本体部側にヒンジ構造を設けなければならず、本体部の大型化、ひいては装置構成の大型化を招きやすいという問題がある。このように本体部が大型化すると、デザイン性やコスト面で不利となり、本体部の重量が増すことに起因して操作性を阻害してしまうという問題もある。
【0009】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、トリガ操作部を備えた光学的情報読取装置において、トリガ操作部のストローク量を確保し得る構成を、装置構成の大型化を抑えて実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る光学的情報読取装置は、
読取口を介して情報コードから反射光を取り込む構成をなし、第1ケース部によって外郭が構成される本体部と、
前記本体部から延出する構成をなし、前記第1ケース部と一体部材又は別部材として構成された第2ケース部によって外郭が構成される把持部と、
押圧操作可能に構成されたトリガ操作部と、
前記トリガ操作部が押圧操作されたことを検出するスイッチと、
を備えた光学的情報読取装置であって、
前記把持部の長手方向を上下方向とすると共に前記把持部の先端側を下方とし前記本体部側を上方とし、前記本体部において前記読取口が設けられる側を前方側としたとき、前記トリガ操作部は、外部からの押圧操作が可能な押圧部と、前記押圧部の上方側且つ前方側に設けられる上方延出部と、前記押圧部から下方側に延出すると共に撓み変形可能に構成された下方延出部とを備え、前記第1ケース部の内部側には、前記上方延出部の先端側部分の後方側を支持する後方支持壁と、前記上方延出部の下方側を支持する下方支持壁とが設けられ
前記第2ケース部の内部側には、前記下方延出部の下端側部分を保持する保持部が設けられており、
前記トリガ操作部は、
前記押圧部に対して押圧操作がなされていないときには、前記上方延出部が所定の初期位置に維持されると共に、前記下方延出部が所定の初期形状で維持され、
前記押圧部が後方側に押圧操作されたときには、前記上方延出部は、前記先端側部分が前記後方支持壁に支持されつつ下降すると共に前記下方支持壁に支持される被支持部が後方側に変位し、前記下方延出部は、前記保持部の上方側の部分が後方に撓み変形し、前記スイッチは、前記下方延出部の撓み変形に伴う前記トリガ操作部の変位を検出するように構成されており、
前記押圧部に対する押圧操作が解除されたときには、前記下方延出部が前記初期形状に復帰し、その復帰動作に応じて前記上方延出部が前記初期位置に復帰することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、本体部の外郭をなす第1ケース部の内部側に、トリガ操作部の一部をなす上方延出部の先端側部分の後方側を支持する後方支持壁が設けられ、更に上方延出部の下方側を支持する下方支持壁が設けられている。そして、押圧部が後方側に押圧操作されたときには、上方延出部は、先端側部分が後方支持壁に支持されつつ下降すると共に下方支持壁に支持される被支持部が後方側に変位するようになっている。このように、押圧部の上方側の保持構造については、後方支持壁及び下方支持壁によって先端側部分を支持するという簡易な構造としているため、本体部側に複雑な或いは大掛かりな保持構造を設ける必要が無く、部品点数が多くなりやすい本体部側においてトリガスイッチに関連するスペースを削減しやすくなる。従って、本体部側の小型化を図りやすく、ひいては装置全体の小型化を図りやすくなる。
また、押圧部に対する押圧操作がなされたときには、上述のような上方延出部の変位に応じ、トリガ操作部の下方延出部における保持部の上方側の部分が後方に撓み変形するようになっており、スイッチは、下方延出部の撓み変形に伴うトリガ操作部の変位を検出するように構成されている。そして、押圧部に対する押圧操作が解除されたときには、下方延出部が初期形状に復帰し、その復帰動作に応じて上方延出部が初期位置に復帰するようになっている。
この構成では、押圧部に対する押圧操作時に上方延出部の先端側部分が下方に沈みつつ上方延出部が後方側に退避しながら下方延出部が後方に撓み変形するため、押圧部付近を全体的に後方側に移動させることができる。特に、上方延出部及び下方延出部を共に後方側に移動させることができるため、単純なヒンジ構造(特に上述の下方ヒンジ構造)と比較して押圧部の後方側へのストローク量を確保しやすくなる。
【0012】
請求項2の発明では、保持部は、把持部の内壁部において当該把持部の先端側寄りの位置に形成されている。
このように、把持部の先端側寄りの位置に保持部を設けるようにすれば、下方延出部の延出量をより大きくすることができ、押圧操作に伴う下方延出部の撓み変形量をより大きくすることができるため、押圧部の後方側へのストローク量を一層大きくすることができる。
【0013】
請求項3の発明では、保持部は、下方延出部が上下に挿し通される貫通孔と、貫通孔の下方側において下方延出部の下端側部分と当接し当該下端側部分の下方側への変位を規制する変位規制部とを有している。
このように、貫通孔と変位規制部とによって下方延出部を保持する構造とすれば、大掛かりな保持構造を用いることなく下方延出部の下端側部分を安定的に位置決めすることができ、下方延出部を撓み変形させ得る構成を実現しつつトリガ操作部や把持部の簡素化、小型化を図りやすくなる。
【0014】
請求項4において、下方延出部は、板状に構成されると共に貫通孔よりも下方側において当該下方側延出部の板厚方向に貫通するスリットが形成され、保持部は、貫通孔の下方側において後方側に突出する構成をなし且つスリットに挿入される突起部を備えており、突起部の上面部は、下方側となるにつれて後方位置となるように傾斜したテーパ部として構成されている。そして、通常動作時には、貫通孔に下方延出部が挿し通され且つスリット内に突起部が挿入された状態で下方延出部が保持されるようになっているため、下方延出部が貫通孔から抜けない構造(抜け止め構造)を簡易に実現でき、押圧操作に伴う撓み変形及び復帰動作をより安定的に行うことができる。
また、トリガ操作部は、下方延出部の下端部側を貫通孔に対して上方側から下方側に挿入することで下方延出部を保持部に組み付け可能とされており、下方延出部の組み付け時には、下方延出部を貫通孔に挿し通して下方側に移動させる際に下方延出部の下端部側がテーパに沿って後方側に案内されつつ後方側に撓み変形するようになっており、スリットが突起部の位置となるまで下方延出部が下方に移動したときにスリット内に突起部が挿入されてその下端部側の撓み変形が解除されるようになっている。
このように構成されているため、トリガ操作部を保持部に組み付ける際には、下方延出部の下端部側を貫通孔に対して挿入するという簡易な挿入操作によってスリット内に突起部を挿入させた抜け止め構造を実現でき、安定的な保持構造を簡易な組み付け操作によって実現できることになる。
【0015】
請求項5の発明では、スイッチが実装される基板が設けられ、スイッチは、トリガ操作部の後方において基板上に配置され、トリガ操作部によって押圧されたときに検出信号を出力する構成をなしている。そして、トリガ操作部には、押圧部が後方側に変位したときにスイッチと当接する第1当接部と、スイッチと当接しない位置に配置され、押圧部が後方側に所定量以上変位したときに基板又は基板上の他部品に当接する第2当接部とが形成されている。
この構成によれば、押圧部の押圧操作時に確実に検出信号を発生しうる構成を簡易に実現できる。また、第2当接部が設けられ、押圧部が後方側に所定量以上変位したときに基板又は基板上の他部品に当接するようになっているため、押圧部が後方側に変位しすぎることが規制され、押圧操作時にスイッチに負荷がかかりすぎること無くなる。従って、押圧部からの衝撃に起因するスイッチの劣化や損傷等を抑えることができ、スイッチの耐久性を効果的に高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[第1実施形態]
以下、本発明を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
(全体構成)
まず、
図1〜
図3等を参照して本実施形態に係る情報コード読取装置の全体構成について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る光学的情報読取装置の斜視図である。
図2は、
図1の光学的情報読取装置の側面図である。
図3は、
図1の光学的情報読取装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
【0018】
本実施形態に係る情報コード読取装置1は、一次元コード、二次元コード等の情報コードを読み取るコードリーダとして構成されるものであり、
図1、
図2のような外観をなし、ケース2の内部に各種電子部品が収容されている。
図1、
図2に示す情報コード読取装置1は、いわゆるガンタイプとして構成されており、端部に読取口3cが形成されてなる本体部3aの下側の壁部から把持部3bが長手状に延びており、把持部3bの上端部付近に押圧操作可能なトリガ操作部50(トリガスイッチ)が配置され、把持部3bの下端部付近にはケーブルが組み付けられた構造となっている。
【0019】
情報コード読取装置1の電気的構成は
図3のようになっており、主に、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示装置46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、図示しない電源回路等の電源系と、から構成されている。なお、これらは、
図7に示す基板20に実装あるいはケース2の内部に内装されている。
【0020】
光学系は、照明光源21、受光センサ23、フィルタ25、結像レンズ27等から構成されている。照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられる拡散レンズ、集光レンズ等とから構成されている。本実施形態では、例えば、ケース2に形成された読取口3を介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に構成されている。この読取対象物Rとしては、例えば、樹脂材料、金属材料等の様々な対象が考えられ、このような読取対象物Rに情報コード(
図3ではQRコードQ)が印刷、ダイレクトマーキングなどによって形成されている。なお、以下の説明では、情報コードとしてQRコードQを例示して説明するが、データマトリックコードやマキシコードなどの他の二次元コードに置き換えてもよい。
【0021】
受光センサ23は、読取対象物RやQRコードQに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を2次元に配列したエリアセンサが、これに相当する。この受光センサ23は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光面23aで受光し得るように配置されている。
【0022】
フィルタ25は、反射光Lrの波長相当以下の光の通過を許容し、当該波長相当を超える光の通過を遮断し得る光学的なローパスフィルタであり、ケース2に形成された読取口3cと結像レンズ27との間に設けられている。これにより、反射光Lrの波長相当を超える不要な光が受光センサ23に入射することを抑制している。また、結像レンズ27は、例えば、鏡筒とこの鏡筒内に収容される複数の集光レンズとによって構成されており、本実施形態では、ケース2に形成された読取口3cに入射する反射光Lrを集光し、受光センサ23の受光面23aにQRコードQのコード画像を結像するように構成されている。
【0023】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示装置46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御回路40及びメモリ35を中心として構成され、前述した光学系によって撮像されたQRコードQの画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。
【0024】
光学系の受光センサ23から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されて所定ゲインで増幅され、その後、A/D変換回路33に入力され、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力され、当該メモリ35の画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0025】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM、不揮発性メモリ等がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。またROMには、後述する読取処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ23等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0026】
制御回路40は、情報コード読取装置1全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるものであり、情報処理機能を有している。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)が接続されており、本実施形態の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42、LED43、ブザー44、液晶表示装置46、通信インタフェース48等が接続されている。また、通信インタフェース48には、情報コード読取装置1の上位システムに相当するホストコンピュータHSTなどを接続できるようになっている。
【0027】
(特徴的構成)
次に、本実施形態の主な特徴部分について説明する。
図4は、第1実施形態に係る光学的情報読取装置の正面図である。
図5は、
図4のA−A断面概略図である。
図6は、第1ケース体に対するトリガ操作部の組み付け構造を示す側面図である。
図7は、
図6の構造の背面図である。
図8は、
図6の構造の平面図である。
図9は、
図8のB−B断面図である。
図10は、
図9の一部を拡大して示す拡大図である。
図11は、
図5の断面図から要部を抜き出して示す概略断面図である。
図12は、押圧操作がなされて
図11の状態から変化した様子を説明する説明図である。
【0028】
なお、本明細書では、把持部4の長手方向を上下方向としており、把持部4の先端側を下方、把持部4の基端側(本体部3側)を上方としている。また、上下方向と直交する方向を前後方向とし、把持部4において押圧部51が設けられる側を前方側、その裏側を後方側としている。また、これら上下方向及び前後方向と直交する方向を左右方向(幅方向)としている。
【0029】
ケース2は、光学的情報読取装置1の大部分の外郭をなすものであり、
図1、
図2、
図4等に示すように上下方向に延びる長手状に構成されている。このケース2は、例えば硬質の樹脂部材によって構成されており、前側に配置される第1ケース体2cとこの第1ケース体2cに組み付けられる第2ケース体2dとによって構成されている。なお、
図6〜
図12では、ケース2の内、第2ケース体2dを省略し、第1ケース体2cのみを示して説明している。
【0030】
本体部3は、一端側(前端側)に読取口3aが形成され、この読取口3aを介して情報コードから反射光を取り込む構成をなし、第1ケース部2aによって外郭が構成されている。なお、第1ケース部2aは、ケース2のうち、本体部3の外郭をなす部分を指している。
【0031】
把持部4は、基板10の一部やケーブルを接続するコネクタなどを収容するものであり、上述の本体部3から延出する構成をなしている。この把持部4は、第1ケース部2aと一体部材又は別部材として構成された第2ケース部2bによって外郭が構成されている。なお、第2ケース部2bは、ケース2のうち、把持部4の外郭をなす部分を指している。
【0032】
次に、トリガ操作部50について説明する。
図13は、
図1等に示す光学的情報読取装置に用いるトリガ操作部の斜視図である。
図14は、
図13のトリガ操作部を
図13とは異なる方向から見た斜視図である。
図15(A)は、
図13のトリガ操作部の平面図であり、
図15(B)はその正面図であり、
図15(C)は、その側面図であり、
図15(D)は、その裏面図である。
図16(A)は、
図15(B)のC−C断面図であり、
図16(B)は、
図13のトリガ操作部の背面図である。
【0033】
図13〜
図16に示すトリガ操作部50は、例えば弾性変形可能な樹脂部材等によって構成されており、
図1等に示すように、少なくとも押圧部51の一部が外部に露出した構成をなしており、この押圧部51に対する押圧操作が可能に構成されている。このトリガ操作部50は、把持部4の長手方向を上下方向とすると共に把持部4の先端側を下方とし本体部3側を上方とし、本体部3において読取口3aが設けられる側を前方側としたとき、前方側からの外部押圧操作が可能な押圧部51と、押圧部51の上方側且つ前方側に設けられる上方延出部52と、押圧部51から下方側に延出すると共に撓み変形可能に構成された下方延出部53とを備えている。
【0034】
上方延出部52は、押圧部51の上方側且つ前方側に配置され、左右方向に延びる先端側部分58を有している。
図13等に示すように、先端側部分58は、左右方向に延びる棒状に構成されており、左右の端部58a、58bが両側にそれぞれ突出しており、端部58a,58bの間の部分に押圧部51が一体的に連結している。
図8、
図10等に示すように、先端側部分58の両端部58a,58bは、それぞれケース2に形成された後方支持壁71,71の前側に配置されてこれら後方支持壁71,71にそれぞれ対向しており、そして、押圧部51の押圧操作時には、この先端側部分58の両端部58a,58bの後方側が、後述する後方支持壁71,71によって支持されるようになっている。また、先端側部分58の後方側且つ下方側に配置される被支持部60の下方側がケース2に形成された後述する下方支持壁73によって支持されるようになっている。
【0035】
下方延出部53は、押圧部51と一体的に形成されると共に板状かつ長手状に構成されると共に貫通孔82よりも下方側において当該下方側延出部の板厚方向に貫通するスリット65が形成されている。また、この下方延出部53は、弾性的に撓み変形しうるように構成されている。
【0036】
図8〜
図10に示すように、第1ケース部2aの内部側には、上方延出部52の先端側部分58の後方側を支持する後方支持壁71,71と、上方延出部52の下方側を支持する下方支持壁73とが設けられている。後方支持壁71,71は、先端側部分58の両端部の後方において、前方側に面するように形成されており、下方側となるにつれてやや前方となるように上下方向に対してやや傾斜した構成をなしている。
【0037】
図5、
図11、
図12に示すように、第2ケース部2bの内部側には、下方延出部53の下端側部分を固定して保持する保持部80が設けられている。下方延出部53を保持する保持部80は、把持部4の内壁部において当該把持部4の先端側寄りの位置に形成されており、下方延出部53が上下に挿し通される貫通孔82と、貫通孔82の下方側において下方延出部53の下端側部分と当接し当該下端側部分の下方側への変位を規制する変位規制部84とを有している。更に、保持部80には、貫通孔82の下方側において後方側に突出する構成をなし且つスリット65に挿入される突起部86が形成されており、突起部86の上面部は、下方側となるにつれて後方位置となるように傾斜したテーパ部87として構成されている。
【0038】
また、トリガ操作部50は、下方延出部53の下端部側を貫通孔82に対して上方側から下方側に挿入することで下方延出部53を保持部80に組み付け可能とされており、下方延出部53の組み付け時には、下方延出部53を貫通孔82に挿し通して下方側に移動させる際に下方延出部53の下端部側がテーパに沿って後方側に案内されつつ後方側に撓み変形するようになっており、スリット65が突起部86の位置となるまで下方延出部53が下方に移動したときにスリット65内に突起部86が挿入されてその下端部側の撓み変形が解除されるようになっている。
【0039】
このように構成されるトリガ操作部50は、
図5、
図11のように、押圧部51に対して押圧操作がなされていないときには、上方延出部52が所定の初期位置に維持されると共に、下方延出部53が所定の初期形状で維持されるようになっている。
【0040】
一方、
図12のように、押圧部51が後方側に押圧操作されたときには、上方延出部52は、先端側部分58の両端部58a,58bがそれぞれ後方支持壁71,71に支持されつつ下降すると共に、被支持部60,60はやや下方に沈みながら下方支持壁73に支持されつつやや後方側に変位し、下方延出部53は、押圧部51の下方側であって且つ保持部80の上方側の部分が後方に凸となるように撓み変形するようになっている。このとき、スイッチ42は、下方延出部53の撓み変形に伴うトリガ操作部50の変位を検出している。このスイッチ42は、トリガ操作部50の後方において基板10上に実装されて配置され、トリガ操作部50によって押圧されたときに検出信号を出力する構成をなしている。
【0041】
トリガ操作部50には、押圧部51が後方側に変位したときにスイッチ42と当接する第1当接部55と、スイッチ42と当接しない位置に配置され、押圧部51が後方側に所定量以上変位したときに基板10に当接する第2当接部56とが形成されており、押圧部51が押圧操作されたときには、第1当接部55がスイッチ42を押圧するようになっている。また、押圧部51が後方側に所定量以上変位したときには第2当接部56が基板10に当接し、それ以上押圧部51が後方側に移動しないようになっている。
【0042】
また、
図12のような状態から押圧部51に対する押圧操作が解除されたときには、
図11のような状態に戻り、下方延出部53が初期形状に復帰し、その復帰動作に応じて上方延出部52が初期位置に復帰するようになっている。
【0043】
(第1実施形態の主な効果)
第1実施形態の光学的情報読取装置1では、本体部3の外郭をなす第1ケース部2aの内部側に、トリガ操作部50の一部をなす上方延出部52の先端側部分58の後方側を支持する後方支持壁71が設けられ、更に上方延出部52の下方側を支持する下方支持壁73が設けられている。そして、押圧部51が後方側に押圧操作されたときには、上方延出部52は、先端側部分58が後方支持壁71に支持されつつ下降すると共に下方支持壁73に支持される被支持部が後方側に変位するようになっている。このように、押圧部51の上方側の保持構造については、後方支持壁71及び下方支持壁73によって先端側部分58を支持するという簡易な構造としているため、本体部3側に複雑な或いは大掛かりな保持構造を設ける必要が無く、部品点数が多くなりやすい本体部3側においてトリガ操作部50に関連するスペースを削減しやすくなる。従って、本体部3側の小型化を図りやすく、ひいては装置全体の小型化を図りやすくなる。
【0044】
また、押圧部51に対する押圧操作がなされたときには、上述のような上方延出部52の変位に応じ、トリガ操作部50の下方延出部53における保持部80の上方側の部分が後方に撓み変形するようになっており、スイッチ42は、下方延出部53の撓み変形に伴うトリガ操作部50の変位を検出するように構成されている。そして、押圧部51に対する押圧操作が解除されたときには、下方延出部53が初期形状に復帰し、その復帰動作に応じて上方延出部52が初期位置に復帰するようになっている。この構成では、押圧部51に対する押圧操作時に上方延出部52の先端側部分58が下方に沈みつつ上方延出部52が後方側に退避しながら下方延出部53が後方に撓み変形するため、押圧部51付近を全体的に後方側に移動させることができる。特に、上方延出部52及び下方延出部53を共に後方側に移動させることができるため、単純なヒンジ構造(特に上述の下方ヒンジ構造)と比較して押圧部51の後方側へのストローク量を確保しやすくなる。
【0045】
また、保持部80は、把持部4の内壁部において当該把持部4の先端側寄りの位置に形成されている。このように、把持部4の先端側寄りの位置に保持部80を設けるようにすれば、下方延出部53の延出量をより大きくすることができ、押圧操作に伴う下方延出部53の撓み変形量をより大きくすることができるため、押圧部51の後方側へのストローク量を一層大きくすることができる。
【0046】
また、保持部80は、下方延出部53が上下に挿し通される貫通孔82と、貫通孔82の下方側において下方延出部53の下端側部分と当接し当該下端側部分の下方側への変位を規制する変位規制部84とを有している。
このように、貫通孔82と変位規制部84とによって下方延出部53を保持する構造とすれば、大掛かりな保持構造を用いることなく下方延出部53の下端側部分を安定的に位置決めすることができ、下方延出部53を撓み変形させ得る構成を実現しつつトリガ操作部50や把持部4の簡素化、小型化を図りやすくなる。
【0047】
また、下方延出部53は、板状に構成されると共に貫通孔82よりも下方側において当該下方側延出部の板厚方向に貫通するスリット65が形成され、保持部80は、貫通孔82の下方側において後方側に突出する構成をなし且つスリット65に挿入される突起部86を備えており、突起部86の上面部は、下方側となるにつれて後方位置となるように傾斜したテーパ部87として構成されている。そして、通常動作時には、貫通孔82に下方延出部53が挿し通され且つスリット65内に突起部86が挿入された状態で下方延出部53が保持されるようになっているため、下方延出部53が貫通孔82から抜けない構造(抜け止め構造)を簡易に実現でき、押圧操作に伴う撓み変形及び復帰動作をより安定的に行うことができる。
また、トリガ操作部50は、下方延出部53の下端部側を貫通孔82に対して上方側から下方側に挿入することで下方延出部53を保持部80に組み付け可能とされており、下方延出部53の組み付け時には、下方延出部53を貫通孔82に挿し通して下方側に移動させる際に下方延出部53の下端部側がテーパに沿って後方側に案内されつつ後方側に撓み変形するようになっており、スリット65が突起部86の位置となるまで下方延出部53が下方に移動したときにスリット65内に突起部86が挿入されてその下端部側の撓み変形が解除されるようになっている。
このように構成されているため、トリガ操作部50を保持部80に組み付ける際には、下方延出部53の下端部側を貫通孔82に対して挿入するという簡易な挿入操作によってスリット65内に突起部86を挿入させた抜け止め構造を実現でき、安定的な保持構造を簡易な組み付け操作によって実現できることになる。
【0048】
また、スイッチ42が実装される基板10が設けられ、スイッチ42は、トリガ操作部50の後方において基板10上に配置され、トリガ操作部50によって押圧されたときに検出信号を出力する構成をなしている。そして、トリガ操作部50には、押圧部51が後方側に変位したときにスイッチ42と当接する第1当接部55と、スイッチ42と当接しない位置に配置され、押圧部51が後方側に所定量以上変位したときに基板10に当接する第2当接部56とが形成されている。
この構成によれば、押圧部51の押圧操作時に確実に検出信号を発生しうる構成を簡易に実現できる。また、第2当接部56が設けられ、押圧部51が後方側に所定量以上変位したときに基板10に当接するようになっているため、押圧部51が後方側に変位しすぎることが規制され、押圧操作時にスイッチ42に負荷がかかりすぎること無くなる。従って、押圧部51からの衝撃に起因するスイッチ42の劣化や損傷等を抑えることができ、スイッチ42の耐久性を効果的に高めることができる。
【0049】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0050】
上記実施形態では、押圧部51が後方側に変位したときに第2当接部56が基板10に当接するように構成されていたが、押圧部51が後方側に変位したときに第2当接部56が基板10上の他部品(スイッチ42以外の部品)に当接する構成であってもよい。