特許第5673456号(P5673456)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5673456
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月18日
(54)【発明の名称】工場設備用液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20150129BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20150129BHJP
【FI】
   G02F1/1333
   G09F9/00 350Z
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-198223(P2011-198223)
(22)【出願日】2011年9月12日
(65)【公開番号】特開2013-61393(P2013-61393A)
(43)【公開日】2013年4月4日
【審査請求日】2014年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 一生
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−334244(JP,A)
【文献】 特開2007−316671(JP,A)
【文献】 特開2007−47693(JP,A)
【文献】 特開2000−10082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/1333
G09F9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
夫々矩形状をなし各側端部に横穴状の取付凹部を備えた大きさが異なる複数の液晶表示パネルを、ケースに選択的に取り付けることが可能な工場設備用液晶表示装置であって、
前記ケースは、矩形状をなす底壁部を有すると共にこの底壁部の各辺縁部から略直角方向に立ち上がる側壁部を有して上面が開口するケース本体と、このケース本体の上部に取り付けられる矩形状をなすパネル枠とを有して構成され、
前記ケース本体の底壁部における前記各側壁部の近傍部位に、夫々立設状態に設けられた係合部材を備え、
前記各係合部材は、前記ケース本体の底壁部から立ち上がる形態をなし、下部が弾性変形可能でこの弾性変形可能部分を中心として自由状態である初期位置から、各係合部材の近傍の側壁部方向へ傾動可能であると共に傾動後の位置から前記初期位置へ弾性復帰することが可能であり、
前記各係合部材の上端部が、各係合部材の近傍の側壁部側から前記ケース本体の内部中央部方向へ下降傾斜する傾斜状に形成され、この上端部における前記ケース本体の内部中央部側の端部には、この内部中央部方向に突出して前記取付凹部と係合可能な爪部を有し、
前記各係合部材において各係合部材の近傍の側壁部側となる部位に、前記弾性変形可能部分を中心とした仮想円弧線に沿って複数の被係止凹部を有する被固定部が形成され、
前記パネル枠の内側には、当該パネル枠の前記ケース本体への取り付けに伴い前記被固定部のいずれかの被係止凹部を係止して前記係合部材の前記近傍の側壁部方向への傾動を阻止する係止部が形成され、
前記液晶表示パネルが、前記ケース本体の上面開口を通してこのケース本体内に挿入されたときに、当該液晶表示パネルの各側端部が前記各係合部材の前記傾斜状の上端部に当接することにより各係合部材を前記弾性変形可能部分を中心として夫々の近傍の側壁部方向へ弾性的に傾動させ、前記取付凹部が爪部に遭遇したときに各係合部材が弾性復帰方向へ動いて当該爪部先端部がこの取付凹部に係合し、この後、前記パネル枠が前記ケース本体の上面開口部に取り付けられたときに当該パネル枠の前記係止部が前記被固定部のいずれかの被係止凹部を係止することを特徴とする工場設備用液晶表示装置。
【請求項2】
前記被固定部は、V形をなす被係止凹部を連続して有するジグザク状をなし、各被係止凹部の谷部にスリットが形成され、前記係止部は、このスリットに食い込むことを特徴とする請求項1の工場設備用液晶表示装置。
【請求項3】
前記被固定部の被係止凹部は、円錐形又は角錐形の穴からなり、又、前記係止部は先端部が円錐形又は角錐形をなすことを特徴とする請求項1の工場設備用液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示パネルを備えた工場設備用液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置としては、ケース内に液晶表示パネルを備えて構成される。前記液晶表示装置には、その大きさを示すために例えば4インチ型、7インチ型、10インチ型などの呼び型があるが、おなじ呼び型の液晶表示装置であっても、液晶表示パネルの大きさとしてはメーカー各社によって僅かに異なることがある。例えば、4インチ型液晶表示装置を例にとると、当該液晶表示装置に用いられる液晶表示パネルとしては、3.8インチであったり、4.0インチであったり、4.3インチであったりする。この場合、この液晶表示装置では、ケース自体の大きさは変えず(ケースは共通化し)、上記異なる大きさの液晶表示パネルを選択的に取り付け得るようにしている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−83486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1においては、異なる大きさの液晶表示パネルごとに、異なる大きさの取付具を複数種用意し、この複数種の取付具の中から、使用する大きさの液晶表示パネルに対応した取付具を選択し、選択した取付具を前記ケースにねじ止めすると共に、液晶表示パネルにねじ止めすることにより、どの大きさの液晶表示パネルもケースに取り付け得るようにしている。
【0005】
しかし、これでは、複数種類の取付具が必要で、部品管理が面倒であり、さらにねじ止め工数が多く、組立が煩雑で時間もかかるという問題がある。さらに、工場で使用される設備(例えばロボットや、プログラマブルコントローラ、各種検出装置など)に用いられる液晶表示装置では、振動環境下で使用されることも多く、この振動によって、上記ねじが緩んで液晶表示パネルが動いてしまうおそれもある。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数種類の取付具が不要であると共に組立も容易且つ簡単で、振動による問題も軽減できる工場設備用液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、次に述べる試作及びこれに伴う調査などを行って案出されている。すなわち、参考図である図16図18には、本発明者が案出した試作品(この場合4インチ型液晶表示装置S)を示している。この液晶表示装置Sのケース1はケース本体2とパネル枠3とから構成されている。ケース本体2内には、基板4が配置され、その上部に液晶表示パネル5A又は5Bが配置されるようになっている。この場合液晶表示パネル5Aは、例えば4.3インチサイズの液晶表示パネルであり、もう一つの液晶表示パネル5Bは、例えば3.8インチサイズの液晶表示パネルである。なお、液晶表示パネルとしては、これら4.3インチサイズ及び3.8インチサイズ以外にも、4.0インチサイズなどもあるが、ここでは前者2つの場合を例にとって説明する。
【0008】
前記ケース本体2は矩形状をなしていて、図19に示すように、その底壁部2aにおいて各側壁部2bの中央に対応する部位に、夫々係合部材7が設けられている。この係合部材7は、合成樹脂製であり、下部に弾性変形可能な湾曲部7aが形成され、この湾曲部7aの上方へ腕部7bが延出され、そしてこの腕部7bの上部に爪部7cが形成されている。この係合部材7の上端部7dは傾斜している。
【0009】
各係合部材7は、夫々爪部7cがケース本体2の内部中央部を向く姿勢で当該ケース本体2に取り付けられていて、各爪部7cの初期位置(前記液晶表示パネル5A、5Bが配置される前の自由状態での位置)は、図19に示すように、前記上端部7dの一部が各液晶表示パネル5A、5Bが配置される領域(夫々二点鎖線Ea、Eb参照)内に進入する位置にある。
【0010】
各液晶表示パネル5A、5Bは、図20に示すように、それぞれ、矩形状をなし、各側端部中央に取付凹部(これは既存のねじ穴を利用している)6が予め形成されている。
ここで、例えば液晶表示パネル5Aをケース本体2内に配置する場合には、図22の状態から、各係合部材7をケース本体2の底壁部2a方向へ押し込むことで、図23に示すように、液晶表示パネル5Aの側端部の下端部が各係合部材7の爪部7cの上端部7dに当接して、この爪部7cを側壁部2b方向へ押しやることで、係合部材7をその方向へ弾性変形させる(図24参照)、そして、さらに液晶表示パネル5Aを挿入してゆくと、前記取付凹部6が爪部7cに遭遇したところで係合部材7が弾性復帰力により初期位置方向へ弾性変位することで爪部7cが取付凹部6に係合する(図16及び図21参照)。
【0011】
この場合、各係合部材7のケース本体2内部中心部方向(図16及び図17の矢印Q1〜Q4方向)へ弾性係合力により、液晶表示パネル5Aを四方から押圧してこの液晶表示パネル5Aをケース本体2内に配置固定する。なお、液晶表示パネルが3.8インチサイズの液晶表示パネル5Bの場合には、図21の符号7´で示すように、上述の係合部材7の弾性変形度が異なるものの、同様にケース本体2内に配置固定される。この後、パネル枠3をケース本体2に被せた形態に取り付ける(図16及び図21参照)。
【0012】
この構成によると、異なる大きさの液晶表示パネル5A、5Bを選択的に配置固定でき、しかも、複数種類の取付具を必要としないと共に、多数のねじ止めといった取り付け作業も必要せず、液晶表示パネル5A又は5Bをケース本体2へ挿入させるだけで済み、組立も容易且つ簡単となる。
【0013】
上述のように構成した場合、複数種類の取付具を必要とせず且つ多数のねじ止めも必要としないという効果を得ることができるものの、工場などの振動環境下での使用では次の懸念がある。すなわち、図16及び図21に示したように、係合部材7の弾性力により液晶表示パネル5A又は5Bを取り付ける上記構成では、液晶表示装置Sが、振動が発生する工場で使用されると、液晶表示パネル5A又は5Bが弾性支持されていることでパネル面に沿う二次元方向(図7のX方向及びY方向)へ動くことが懸念される。なお、上記係合部材7による弾性係合力を強くすると(湾曲部7aのばね定数を高くすると)、振動による動きをある程度抑制できると期待できるが、しかしこの場合、弾性力を強くしたことで、この弾性力に抗してなされる液晶表示パネル5A又は5Bの挿入組み立てに極め多大な労力が必要で、あまり弾性係合力を強くすることも採用できない。
【0014】
そこで、本発明では、上記した係合部材を用いる構成としながら、上述の振動による液晶表示パネルの動きの問題も解消し、且つ液晶表示パネルの組み立てに要する労力も軽減できるようにしている。
すなわち、請求項1においては、ケース本体の底壁部における各側壁部の近傍部位に、夫々立設状態に設けられた係合部材を備えている。そして、この各係合部材は、前記ケース本体の底壁部から立ち上がる形態をなし、下部が弾性変形可能でこの弾性変形可能部分を中心として自由状態である初期位置から、各係合部材の近傍の側壁部方向へ傾動可能であると共に傾動後の位置から前記初期位置へ弾性復帰することが可能である。前記各係合部材の上端部が、各係合部材の近傍の側壁部側から前記ケース本体の内部中央部方向へ下降傾斜する傾斜状に形成され、この上端部における前記ケース本体の内部中央部側の端部には、このケース本体の内部中央部方向に突出して前記取付凹部と係合可能な爪部を有している。そして、前記各係合部材において前記各係合部材の近傍の側壁部側となる部位に、前記弾性変形可能部分を中心とした仮想円弧線に沿って複数の被係止凹部を有する被固定部が形成され、パネル枠の内側には、当該パネル枠の前記ケース本体への取り付けに伴い前記被固定部のいずれかの被係止凹部を係止して各係合部材の近傍の側壁部方向への傾動を阻止する係止部が形成されている。
【0015】
そして、前記液晶表示パネルが、前記ケース本体の上面開口を通してこのケース本体内に挿入されたときに、当該液晶表示パネルの各側端部が前記各係合部材の前記傾斜状の上端部に当接することにより、各係合部材を前記弾性変形可能部分を中心として夫々の近傍の側壁部方向へ弾性的に傾動させ、前記取付凹部が爪部に遭遇したときに各係合部材が弾性復帰方向へ動いて当該爪部先端部がこの取付凹部に係合する。このとき、爪部には係合部材の弾性復帰力が作用するから、爪部が液晶表示パネルの取付凹部にがたつきなく圧接係合する。そして、異なる大きさの液晶表示パネルが挿入配置される場合には、各係合部材の弾性変形度が異なるものの、当該異なる大きさの液晶表示パネルも同様にケース本体内に配置固定できる。
【0016】
この後、パネル枠が前記ケース本体の上部に取り付けられると、当該パネル枠の前記係止部が前記被固定部のいずれかの被係止凹部を係止して、各係合部材の前記周壁部方向へ変位(傾動)を阻止する。つまり、液晶表示パネルが、ケース本体の各側壁部方向へ動き止めされるから、液晶表示パネルは平面的に見て二次元方向(X、Y方向)の動きが確実に止められる。従って、振動環境下であっても液晶表示パネルが動くことを抑制できる。なお、各係合部材の爪部が液晶表示パネルの各取付凹部にがたつきなく係合しているから、上記二次元方向と直交する方向(Z方向)にも確実に動き止めされる。
【0017】
このように、各係合部材の弾性変形により異なる大きさの液晶表示パネルを取り付けることができ、且つ各係合部材を係止部によって固定できる。これによって、大きさの異なる液晶表示パネルを選択的に取り付けるについて、複数種類の取付具が不要であると共に、組立も容易且つ簡単で、そして、液晶表示パネルの振動による動きの問題も軽減できる。
【0018】
しかも係合部材は、係止部により確実に係止される(固定される)から、つまり液晶表示パネルの固定が係止部により確実化されているから、この係合部材の弾性係合力としては、係合部材自身が液晶表示パネルと係合できる程度で良い。この結果、係合部材の弾性係合力のみによって液晶表示パネルを強固に保持する場合と違って、弾性力をさほど強くせずに済み、よって、液晶表示パネルの挿入について多大な労力を必要としない。
【0019】
又、請求項2においては、前記被固定部を、V形をなす被係止凹部を連続して有するジグザク状に形成し、各被係止凹部の谷部にスリットを形成し、前記係止部を、このスリットに食い込むようにしている。これによれば、パネル枠の係止部が前記被係止凹部のスリットに食い込むことで、係合部材が係止部ひいてはパネル枠により強固に固定され、液晶表示パネルの動き止めをさらに確実化できる。
又、請求項3においては、前記被固定部の被係止凹部を、円錐形又は角錐形の穴から形成し、前記係止部の先端部を円錐形又は角錐形をなす構成としている。これによれば、係合部材を、側壁部方向以外の方向にも動き止めでき、液晶表示パネルの動き止めをさらに確実化できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態による工場設備用液晶表示装置の縦断側面図
図2】工場設備用液晶表示装置の平面図
図3】ケース本体、液晶表示パネル、パネル枠を分離した縦断側面図
図4】ケース本体の平面図
図5】(a)は4.3インチサイズの液晶表示パネルの平面図、(B)は3.8インチサイズの液晶表示パネルの平面図
図6】自由状態における係合部材部分の縦断側面図
図7】組立状態における係合部材部分の縦断側面図
図8】(a)は被固定部部分の斜視図、(b)係止部部分の斜視図
図9】組立途中状態(その1)を示す縦断側面図
図10図9における係合部材部分の拡大縦断側面図
図11】組立途中状態(その2)を示す縦断側面図
図12】組立途中状態(その3)を示す縦断側面図
図13】3.8インチサイズの液晶表示パネルを組立てた状態を示す縦断側面図
図14】第2実施形態を示す係合部材部分の縦断側面図
図15】第3実施形態を示す図8相当図
図16】参考例を示す図1相当図
図17図2相当図
図18図3相当図
図19図4相当図
図20図5相当図
図21図7相当図
図22図9相当図
図23図10相当図
図24図11相当図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の第1実施形態につき図1から図13を参照して説明する。まず図1及び図2において、この実施形態の工場設備用液晶表示装置11(以下単に液晶表示装置11)は、工場の各種設備(例えばロボットや、プログラマブルコントローラ、各種検出装置など)の表示装置として用いられる。この液晶表示装置11は、図1図4に示すように、ケース12に、基板13と液晶表示パネル14とが配置されるようになっている。上記液晶表示パネル14としては、4.3インチサイズの液晶表示パネル14Aと、3.8インチサイズの液晶表示パネル14Bのいずれかが配置される。この液晶表示パネル14としては、4.3インチサイズ、3.8インチサイズ以外にも、4.0インチサイズなどもあるが、この実施形態では、前者2つの場合を例にとって説明する。なお、液晶表示パネル14は、液晶表示パネル14A、14Bを総称している。
【0022】
前記4.3インチサイズの液晶表示パネル14A及び3.8インチサイズの液晶表示パネル14Bは、図5(a)及び図6(b)に示すように、平面形状が矩形状をなしている。そして、4.3インチサイズの液晶表示パネル14Aの各側端部14Aa、14Ab、14Ac、14Adの中間部に横穴状の取付凹部15a、15b、15c、15dが設けられている。又、3.8インチサイズの液晶表示パネル14Bの各側端部14Ba、14Bb、14Bc、14Bdの中間部にも横穴状の取付凹部16a、16b、16c、16dが設けられている。これら取付凹部15a〜15d、16a〜16dは、いずれも各4.3インチサイズの液晶表示パネル14A及び3.8インチサイズの液晶表示パネル14Bに予め設けられたねじ穴を利用している。なお、このねじ穴は各側端部14Aa〜14Adに複数あるが他のねじ穴は図示していない。
【0023】
前記ケース12は、いずれも合成樹脂からなるケース本体17とパネル枠18とを有して構成されている。ケース本体17は、図3及び図4に示すように、矩形状をなす底壁部17aを有すると共に、この底壁部17aの辺縁部から略直角方向に立ち上がる側壁部17b1〜17b4を有し、上面が開口する。
【0024】
前記ケース本体17の底壁部17aにおいて前記側壁部17b1〜17b4の中間部の近傍部位には、夫々係合部材19A〜19Dが立設状態に設けられている。この場合、この係合部材19A〜19Dは、その基端部(下端部)が、前記底壁部17aに形成された配置凹部17dに嵌合されて例えば接着されている。
【0025】
前記各係合部材19A〜19Dは、配置向きは異なるがいずれも同じ構成であるので、係合部材19Aを代表して述べる。図6に示すように、係合部材19Aは、前記ケース本体17の底壁部17a近くの部分19aが若干幅狭に形成されており、この部分19aで弾性変形可能でこの弾性変形可能部分19aを中心(その仮想中心点を符号Cpで示している)として自由状態である初期位置Pa(図3図4図6に示すようにこの位置は後述する爪部22の先端の位置で示している)から、この係合部材19A自身の近傍の前記側壁部17b1方向(図6の矢印Ga方向)へ傾動可能であると共に傾動後の位置から前記初期位置Paへ弾性復帰することが可能である。
【0026】
前記各係合部材19Aの上端部19bは、前記近傍の側壁部17b1側から前記ケース本体17の内部中央部方向へ下降傾斜する傾斜状に形成されている。そして、この上端部19bにおいてケース本体17の内部中央部側の端部には、この内部中央部方向に突出する爪部20が形成されている。
【0027】
前記上端部19bにおけるケース本体17内部側の端部は、平面的に見て、前記係合部材19Aの前記初期位置Paで、ケース本体17内に配置が予測される前記4.3インチサイズの液晶表示パネル14A及び3.8インチサイズの液晶表示パネル14Bの各仮想配置領域Ea、Eb(図4参照)に進入した位置にあり、ただし上端部19bにおける側壁部17b1側の端部は上記各仮想配置領域Ea、Ebに進入しないようになっている。つまり、初期位置Paにおける係合部材19Aの上端部19bは平面的に見て上記仮想配置領域Ea、Ebの端(各液晶表示パネル14Aの側端部14Aa、及び液晶表示パネル14Bの側端部14Ba相当)にかかるようになっている。
【0028】
前記各係合部材19Aにおいて前記ケース本体17の側壁部17b1側の部位に、前記弾性変形可能部分19aの仮想中心点Cpを中心とした仮想円弧線rに沿って複数の被係止凹部21a(図8(a)にも図示)を有する被固定部21が形成されている。前記被係止凹部21aはV形をなしていて、もって、この被固定部21は、側面から見て当該被係止凹部21aが連続するジグザク状をなしている。この被係止凹部21aの形成ピッチ間隔は、比較的小さく設定されており、係合部材19Aの爪部20が4.3インチサイズの液晶表示パネル14Aの取付凹部15aを係止した状態(図7の符号SAで示す状態)、及び3.8インチサイズの液晶表示パネル14Bの取付凹部16aを係止した状態(図7の符号SBで示す状態)のいずれの場合でも、いずれかの被係止凹部21aが後述の係止部22と係合するようになっている。
【0029】
上述した係合部材19Aに対して係合部材19Cは、図3及び図4に示すように、ケース本体17の中心部を中心とした左右対称形状をなし且つ左右対称配置形態に取り付けられている。又、側壁部17b2近傍の係合部材19Bと側壁部17b4近傍の係合部材19Dとは、図4に示すように、同じくケース本体17の中心部を中心として前後対称形状をなし且つ前後対称配置形態に取り付けられている。
【0030】
一方、前記パネル枠18は、合成樹脂からなり、図3及び図7に示すように、矩形状の枠本体18aと、この枠本体18aから垂下する形態の枠壁部18bと、前記枠本体18aから当該枠本体18a内方へ張り出す張り出し板部18cとを有して構成されている。この張り出し板部18cの中央部は矩形状に開口しており、この開口18dは矩形状をなしていて、前記液晶表示パネル14A及び14Bよりも小さくなるように形成されている。つまり、図2から判るように、液晶表示パネル14A及び14Bの各側端部を隠すようになっている。
【0031】
このパネル枠18は前記ケース本体17の上部に図示しない係合手段により取り付けられるものであり、この場合枠壁部18bの下端部が前記ケース本体17の側壁部17b1〜17b4の上端部に当接する。この場合、枠壁部18bの下端部と前記ケース本体17の側壁部17b1〜17b4の上端部とは段付き形状となっていて、当接嵌合する。
【0032】
このパネル枠18の内側において前記ケース本体17の前記係合部材19A〜19Dに対応する位置には、図3及び図7に示すように、やや内向きで下向き(前記中心点Cpに対する求心方向)の傾斜状態で突出する係止部22が形成されている(図8(a)にも図示)。この係止部22の先端部はV状をなしている。この係止部22は、その先端部が、前記係合部材19A〜19Dの各被係止凹部21aに嵌合し得る長さに設定されている。従って、当該パネル枠18の前記ケース本体17への取り付けに伴い前記被固定部21のいずれかの被係止凹部21aと係合する。
【0033】
さて、4.3インチサイズの液晶表示パネル14Aと3.8インチサイズの液晶表示パネル14Bとのうち例えば4.3インチサイズの液晶表示パネル14Aをケース12に組み込む手順について説明する。
【0034】
図3及び図4においては、夫々係合部材19A〜19Dは自由状態である初期位置Pa〜Pdにある。この状態から、図9に示すように、4.3インチサイズの液晶表示パネル14Aを表示面が上面を向き且つケース本体17の上面と平行な姿勢とし、このケース本体17へと押し込む。すると、図10に示すように、この液晶表示パネル14Aの側端部14Aa、14Ab、14Ac、14Adの下端部(図10には側端部14Aaの下端部のみ図示)が係合部材19A〜19Dの傾斜状の上端部19bに当接し、このまま液晶表示パネル14Aを挿入することにより、この上端部19bが外側(ケース本体17の側壁部17b1〜17b4方向)へ押され、これに伴って係合部材19A〜19Dがケース本体17の側壁部17b1〜17b4方向へ前記中心点Cpを中心として傾動(弾性変形)する(図11参照)。この傾動によって係合部材19A〜19D自身に弾性復帰力が蓄えられる。なお、図11には液晶表示パネル14Aが各係合部材19A〜19Dを最大弾性変形させた状態を示している。この場合、液晶表示パネル14Aの側端部14Aaが爪部20先端に摺接している。
【0035】
そして、液晶表示パネル14Aがさらに挿入されて、前記取付凹部15a〜15dが爪部20の先端部に遭遇すると、各係合部材19A〜19Dの弾性復帰が許容されて夫々初期位置Pa〜Pd方向へ動き、これにより爪部20の先端部が、取付凹部15a〜15dに進入し係合する(図12参照)。
【0036】
この後、前記パネル枠18を前記ケース本体17の上部に取り付ける。このときに、係合部材19A〜19Dは中心点Cpを中心として図12の位置SAに変位しているが、この被固定部21の被係止凹部21aのいずれも中心点Cpを中心とした仮想円弧線r上にあって、当該パネル枠18の係止部22が、いずれかの被係止凹部21aと係止する(図7実線参照)。
【0037】
この係止部22による係止により、前記各係合部材19A〜19Dは、その前記近傍の側壁部17b1〜17b4方向への傾動が阻止される。
なお、3.8インチサイズの液晶表示パネル14Bを配置した場合には、その最終配置形態は図13に示すようになる。この場合被係止凹部21aのうち側壁部17b1〜17b4に近い被係止凹部21aが係止部22によって係止される。
【0038】
上述したように実施形態では、各係合部材19A〜19Dを、ケース本体17の底壁部17aに立設し、そして、この係合部材19A〜19Dの下部を弾性変形可能とし、この係合部材19A〜19Dの略全体が、この弾性変形可能部分19aを中心として自由状態である初期位置Pa〜Pdから前記近傍の側壁部17b1〜17b4方向へ傾動可能であると共に傾動後の位置から前記初期位置Pa〜Pdへ弾性復帰することが可能な構成としている。
【0039】
そして、この係合部材19A〜19Dの初期位置Pa〜Pdでは、各係合部材19A〜19Dの上端部19bの一部が、4.3インチサイズの液晶表示パネル14A及び3.8インチサイズの液晶表示パネル14Bの仮想配置領域Ea、Ebに進入する形態となるようにし、且つこの上端部19bを、近傍の側壁部17b1〜17b4側からケース本体17の内部中央部方向へ下降傾斜する傾斜状に形成し、この上端部19bにおけるケース本体17の内部中央部側の端部に、この内部中央部方向に突出する爪部20を形成している。
【0040】
さらにこの実施形態では、各係合部材19A〜19Dにおいて夫々の近傍の側壁部17b1〜17b4側の部位に、前記弾性変形可能部分19aを中心とした仮想円弧線rに沿って複数の被係止凹部21aを有する被固定部21を形成し、前記パネル枠18の内側には、当該パネル枠18の前記ケース本体17への取り付けに伴い前記被固定部21のいずれかの被係止凹部21aを係止して前記係合部材19A〜19Dの夫々の近傍の側壁部14b1〜14b4方向への傾動を阻止する係止部22を形成している。
【0041】
この構成によれば、液晶表示パネル14A(又は14B)が、ケース本体17内部へ挿入されたときに、当該液晶表示パネル14の各側端部が各係合部材19A〜19Dの前記傾斜状の上端部19bに当接することにより係合部材19A〜19Dを夫々の近傍の側壁部17b1〜17b4方向へ弾性的に前記弾性変形可能部分19aを中心として傾動させ、液晶表示パネル14A(又は14B)の取付凹部15a〜15d(又は16a〜16d)が爪部20の先端部に遭遇したときに当該爪部20が弾性復帰方向へ動いて当該爪部20先端部がこの取付凹部15a〜15d(又は16a〜16d)に係合する。このとき、爪部20には係合部材19A〜19Dの弾性復帰力が弾性係合力として作用するから、爪部20が液晶表示パネル14A(又は14B)の取付凹部15a〜15d(又は16a〜16d)にがたつきなく圧接係合する。このように各係合部材19A〜19Dの弾性変形により異なる大きさの液晶表示パネル14A、14Bを選択的に取り付けることができる。なお、この実施形態では、多数の被係止凹部21aを備えているから、4.0インチサイズの液晶表示パネルも取り付けることが可能である。
【0042】
この後、パネル枠18をケース本体17の上部に取り付けたときに当該ケース本体17の前記係止部22が前記被固定部21のいずれかの被係止凹部21aを係止する。これにより、各係合部材19A〜19Dが夫々の近傍の側壁部17b1〜17b4方向へ変位(傾動)することが阻止される。つまり、係合部材19Aは図2の矢印Xa方向へ動き止めされ、又、係合部材19Cは矢印Xb方向(矢印Xa方向とは反対方向)へ動き止めされ、係合部材19Bは矢印Ya方向へ動き止めされ、係合部材19Dは矢印Yb方向(矢印Ya方向とは反対方向)へ動き止めされる。
【0043】
これによって、液晶表示パネル14A(又は14B)は二次元方向に動き止めされる。従って、振動環境下であっても液晶表示パネル14が動くことを抑制できる。なお、各係合部材19A〜19Dの爪部20が液晶表示パネル14A(又は14B)の各取付凹部15a〜15d(又は16a〜16d)にがたつきなく係合しているから、上記二次元方向と直交する方向(Z方向)にも確実に動き止めされる。
【0044】
このようにこの実施形態によれば、各係合部材19A〜19Dの弾性変形により、異なる大きさの液晶表示パネル14を選択的に取り付けることができ、且つ各係合部材19A〜19Dを係止部22によって固定できるから、大きさの異なる液晶表示パネルを選択的に取り付けるについて、複数種類の取付具が不要であると共に、組立も容易且つ簡単で、そして、振動による問題も軽減できる。
【0045】
しかも係合部材19A〜19Dは、係止部22により確実に係止される(固定される)から、つまり液晶表示パネル14の固定が係止部22により確実化されているから、この係合部材19A〜19Dの弾性係合力としては、係合部材19A〜19D自身が液晶表示パネル14と係合できる程度で良い。この結果、係合部材の弾性係合力のみによって液晶表示パネルを強固に保持する場合(図16の場合)と違って、弾性力をさほど強くせずに済み、よって、液晶表示パネルの挿入について多大な労力を必要としない。
【0046】
次に図14は、第2実施形態を示しており、この第2実施形態においては、各被被係止凹部21aの谷部にスリット31を形成し、前記係止部22の長さを、この係止部22がこのスリット31に食い込むように、若干長くした点が第1実施形態と異なる。これによれば、パネル枠18の係止部22が前記被係止凹部21aのスリット31に食い込むことで、係合部材19A〜19Dが係止部22ひいてはパネル枠18により強固に固定され、液晶表示パネル14の動き止めをさらに確実化できる。
【0047】
又、図15は第3実施形態を示し、第1実施形態とは被固定部及び係止部の構成が異なる。この第3実施形態の被固定部32の被係止凹部32aは、円錐形の穴からなり、又、係止部33は先端部が円錐形をなしている。これによれば、各係合部材19A〜19Dを、これの近傍の側壁部17b1〜17b4方向以外の方向にも動き止めでき、液晶表示パネルの動き止めをさらに確実化できる。この場合、円錐形でなく角錐形でも良い。
【0048】
なお、上述した実施形態では、説明の便宜上、被係止凹部21aの数を4つ程度にしたが、多数の被係止凹部21aを細かいピッチ間隔で設けるようにしても良い。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適宜変更して適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
図面中、11は工場設備用液晶表示装置、12はケース、14A、14Bは液晶表示パネル、15a〜15d、16a〜16dは取付凹部、17はケース本体、18はパネル枠、19A〜19Dは係合部材、19aは弾性変形可能部分、19bは上端部、20は爪部、21は被固定部、21aは被係止凹部、22は係止部、31はスリットを示す。
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