(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記押圧手段は、前記圧電アクチュエータを間において前記胴部とは反対側に位置すると共に前記ベースに一体的に立設された片持ち状の押圧片である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のレンズ駆動装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態について図面を参照して説明するが、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0023】
[第1実施形態]
レンズ駆動装置1は、
図1〜
図12に示されるように、ベース100と、レンズホルダ200と、圧電アクチュエータ300と、導電プレート400と、図示しないカバーとを備える。レンズ駆動装置1は、例えば携帯電話などに搭載されるカメラ用レンズを駆動する装置である。上方(Z方向)から見たときのレンズ駆動装置1の大きさは、例えば8.5mm×8.5mm程度に設定できる。本実施形態では、ベース100がカバーと共にハウジングとして機能する。
【0024】
ベース100は、
図6〜
図8に示されるように、底部102と、一対の支柱104A,104Bと、一対のシャフト106A,106Bと、押圧片108とを有する。ベース100は、例えば、ガラスファイバや無機質などのフィラーを含んだ液晶ポリマーにより形成される。
【0025】
底部102は、平面視で略矩形状を呈する板状部材である。略矩形形状とは、角が直角とされた形状のみならず、角が面取りされた形状も含む。底部102は、4つの角部102A〜102Dを有する。角部102Aは角部102B,102Cと隣り合い、角部102Bは角部102A,102Dと隣り合い、角部102Cは角部102A,102Dと隣り合い、角部102Dは角部102B,102Dと隣り合っている。底部102には、中央部分に矩形状の開口102aが形成されている。
【0026】
一対の支柱104A,104Bは、底部102の厚み方向(Z軸方向)において底部102の主面から立設されている。支柱104Aは、底部102の角部102Aの近傍に配置されており、支柱104Bは、底部102の角部102Bの近傍に配置されている。支柱104A,104Bは、カバーをベース100に取り付ける際の取り付け部材として機能する。そのため、支柱104A,104Bの上端は、レンズホルダ200がベース100に取り付けられた状態においてレンズホルダ200の上端と同程度に位置する。レンズ駆動装置1の駆動時及び非駆動時において、支柱104A,104Bはレンズホルダ200と離間している。
【0027】
一対のシャフト106A,106Bは、円柱形状を呈し、底部102の厚み方向(Z軸方向)に向けて底部102から立設されている。シャフト106Aは、底部102の角部102Cの近傍に配置されており、シャフト106Bは、底部102の角部102Dの近傍に配置されている。シャフト106A,106Bの高さは、シャフト106A,106Bと、後述するレンズホルダ200の貫通孔218A,218Bとが係合可能な程度の高さに設定できる。
【0028】
押圧片108は、矩形状を呈する基端部108aと、基端部108aから離れるに従い幅狭となる台形状を呈する先端部108bとを有する。基端部108aは、一対のシャフト106の間に位置しており、底部102の側面に底部102に一体的に取り付けられている。先端部108bは、自由端となっている。先端部108bの突起108cは、角部102A,102Bと角部102C,102Dとの対向方向(Y軸方向)において支柱104側に向けて突出している。つまり、押圧片108は、L字形状を呈し、底部102に対して片持ち状である。押圧片108は、レンズ駆動装置1が組み立てられた状態において、圧電アクチュエータ300及び主壁部208を間において胴部202とは反対側に位置する。
【0029】
一対の支柱104と、一対のシャフト106と、押圧片108とは、底部102の主面から同じ側に向けて延びている。
【0030】
レンズホルダ200は、
図2、
図4、
図6、
図7及び
図9〜
図11に示されるように、胴部202と、一対の突出部204,206と、主壁部208と、一対の連結部210,212と、基板214とを有する。レンズホルダ200は、例えば、エラストマーや、カーボンファイバを含んだ液晶ポリマーや、ナイロンによって形成される。レンズホルダ200がエラストマーで形成されていると、後述する腕部材210A,210B,212A,212Bが屈曲した場合でも異音などのノイズが発生しないため好ましい。エラストマーとしては、例えば熱可塑性エラストマーを用いることができる。
【0031】
胴部202は、内周面に螺旋状のねじ溝が形成された円筒形状を呈する。レンズが収納されたレンズバレルLBが胴部202のねじ溝に螺合されることで、レンズホルダ200はレンズを保持する。胴部202は、支柱104、シャフト106及び押圧片108の延びる方向(Z方向)に沿って延びている。本実施形態において、レンズの光軸方向は、胴部202の軸方向(Z方向)と略同一である。
【0032】
一対の突出部204,206は、矩形状を呈する板状部材である。一対の突出部204,206は、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)と交差する方向(X方向)において、胴部202の外周面から互いに反対向きに突出している。言い換えると、一対の突出部204,206は、上方(Z方向)から見て胴部202の周囲上の任意の点Pに対する接線方向に延びている。本実施形態では、点Pは、Y方向において最も支柱104A,104B側に位置している。一対の突出部204,206の突出方向(X方向)において、突出部204,206の先端は、胴部202の外周面よりも外方に位置している。突出部204は、突出方向(X方向)とは交差する方向(Y方向)において、胴部202側に位置する面204aを有する(
図9及び
図11参照)。突出部206は、突出方向(X方向)とは交差する方向(Y方向)において、胴部202側に位置する面206aを有する(
図10及び
図11参照)。
【0033】
主壁部208は、矩形状を呈する板状部材である。主壁部208は、胴部202とは離間した状態で、胴部202を間において突出部204,206とは反対側に位置している。主壁部208は、突出部204,206の面204a,206aと対向する面208aを有する(
図10及び
図11参照)。面208aは、面204a,206aと略平行である。主壁部208の中央部には、圧電アクチュエータ300の外形と同程度の寸法を有する矩形状の貫通孔208bが形成されている。
【0034】
一対の連結部210,212は、胴部202を間に置くように位置している。一対の連結部210,212は、各突出部204,206からそれぞれ同一方向に向けて(主壁部208)に向けて延びている。
【0035】
連結部210は、突出部204と主壁部208との間に位置してこれらを連結している。具体的には、連結部210は、四角柱状を呈する一対の腕部材210A,210Bを有する。一対の腕部材210A,210Bは、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)において並んで配置されており、突出部204の面204aと主壁部208の面208aとの対向方向(Y方向)において略平行に延在する。
【0036】
腕部材210A,210Bの各一端部210Aa,210Baはそれぞれ、突出部204の面204aと接続されており、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)において薄肉状とされている。そのため、各一端部210Aa,210Baが撓むことにより、各一端部210Aa,210Baはそれぞれ突出部204の面204aに対して屈曲可能である。腕部材210A,210Bの各他端部210Ab,210Bbはそれぞれ、主壁部208の面208aと接続されており、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)において薄肉状とされている。そのため、各他端部210Ab,210Bbが撓むことにより、各他端部210Ab,210Bbはそれぞれ主壁部208の面208aに対して屈曲可能である。
【0037】
このように、
図2、
図6、
図7及び
図9に示されるように、腕部材210A,210B、突出部204及び主壁部208により、平行四辺形が形成されている。そのため、平行四辺形の一辺(本実施形態では主壁部208)を拘束することにより、当該一辺の対辺(本実施形態では突出部204)は平行移動が可能である。従って、突出部204が設けられている胴部202は、ベース100に対して近接及び離間するよう、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)に沿って移動可能である。
【0038】
主壁部208の面208aからは、腕部材210A,210Bの各他端部210Ab,210Bbに向けて、L字形状を呈する補助壁部216Aが配置されている。すなわち、補助壁部216Aは、主壁部208と連結部210(腕部材210A,210B)とを連結している。主壁部208、連結部210及び補助壁部216Aで囲まれる空間によって、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)に延びる貫通孔218Aが構成されている。
【0039】
連結部212は、突出部206と主壁部208との間に位置してこれらを連結している。具体的には、連結部212は、四角柱状を呈する一対の腕部材212A,212Bを有する。一対の腕部材212A,212Bは、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)において並んで配置されており、突出部206の面206aと主壁部208の面208aとの対向方向(Y方向)において略平行に延在する。
【0040】
腕部材212A,212Bの各一端部212Aa,212Baはそれぞれ、突出部206の面206aと接続されており、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)において薄肉状とされている。そのため、各一端部212Aa,212Baが撓むことにより、各一端部212Aa,212Baはそれぞれ突出部206の面206aに対して屈曲可能である。腕部材212A,212Bの各他端部212Ab,212Bbはそれぞれ、主壁部208の面208aと接続されており、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)において薄肉状とされている。そのため、各他端部212Ab,212Bbが撓むことにより、各他端部212Ab,212Bbはそれぞれ主壁部208の面208aに対して屈曲可能である。
【0041】
図10に示されるように、腕部材212A,212B、突出部206及び主壁部208により、平行四辺形が形成されている。そのため、平行四辺形の一辺(本実施形態では主壁部208)を拘束することにより、当該一辺の対辺(本実施形態では突出部206)は平行移動が可能である。従って、突出部206が設けられている胴部202は、ベース100に対して近接及び離間するよう、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)に沿って移動可能である。
【0042】
主壁部208の面208aからは、腕部材212A,212Bの各他端部212Ab,212Bbに向けて、L字形状を呈する補助壁部216Bが配置されている。すなわち、補助壁部216Bは、主壁部208と連結部212(腕部材212A,212B)とを連結している。主壁部208、連結部212及び補助壁部216Bで囲まれる空間によって、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)に延びる貫通孔218Bが構成されている。
【0043】
図2に示されるように、貫通孔218Aにはシャフト106Aが挿通されており、貫通孔218Bにはシャフト106Bが挿通されている。貫通孔218A,218Bとシャフト106A,106Bとの係合により、主壁部208はベース100に対して取り付けられていると共に、シャフト106A,106Bの延在方向(Z方向)と交差する方向(X方向又はY方向)におけるレンズホルダ200の移動が規制されている。その結果、主壁部208は、ベース100に立設され、ベース100に対して移動しない。一方、腕部材210A,210Bは突出部204及び主壁部208に対して屈曲可能であり、腕部材212A,212Bは突出部206及び主壁部208に対して屈曲可能であるので、突出部204,206及び連結部210,212を介して主壁部208と連結されている胴部202は、主壁部208によってベース100上で支持されると共に、ベース100に対して近接及び離間するようにレンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)において移動可能である。
【0044】
基板214は、矩形状を呈する板状部材である。基板214は、胴部202の外周面のうち、突出部204,206とは反対側の領域(主壁部208の面208aと対向する領域)202aに取り付けられている。基板214は、胴部202の外周面として実質的に機能する。基板214は、例えばSiC又はジルコニアなどで構成される。基板214は、レンズホルダ200と一体に形成されていてもよい。
【0045】
圧電アクチュエータ300は、
図12に示されるように、直方体形状を呈する素子302と、一対の摩擦部304A,304Bと、外部電極306A〜306Cを有する。素子302は、いわゆる積層型圧電素子である。素子302は、一対の対向する主面302a,302bを有する。素子302の長さは、例えば2.5mm程度に設定される。素子302の厚さは、例えば0.5mm程度に設定される。素子302の幅は、例えば1.8mm程度に設定される。素子302は、印加された電圧値に応じて伸縮する複数(本実施形態では4つ)の活性部A1〜A4をその内部に有する。
【0046】
活性部A1は、第1の内部電極と、グランド内部電極と、これらの電極に挟まれた圧電体層とを含む(いずれも図示せず)。活性部A2は、第2の内部電極と、グランド内部電極と、これらの電極に挟まれた圧電体層とを含む(いずれも図示せず)。活性部A3は、第3の内部電極と、グランド内部電極と、これらの電極に挟まれた圧電体層とを含む(いずれも図示せず)。活性部A4は、第4の内部電極と、グランド内部電極と、これらの電極に挟まれた圧電体層とを含む(いずれも図示せず)。
【0047】
活性部A1,A2は、主面302a,302bの対向方向と直交する方向に沿って配列されている。活性部A3,A4は、主面302a,302bの対向方向と直交する方向に沿って配列されている。活性部A1,A3は、主面302a,302bの対向方向に沿って隣り合うように配列されている。活性部A2,A4は、主面302a,302bの対向方向に沿って隣り合うように配列されている。
【0048】
一対の摩擦部304A,304Bは、主面302a,302bの対向方向から見て楕円形状を呈し、素子302の主面302aから突出するように当該主面302aに設けられている。一対の摩擦部304A,304Bは、活性部A1,A2(活性部A3,A4)の配列方向(以下、「配列方向」という。)において離間して配置されている。各摩擦部304A,304Bは、配列方向に直交し且つ主面302a,302bの対向方向に直交する方向(X方向)に沿って延びている。摩擦部302a,302bの高さは、例えばそれぞれ50μm程度に設定される。
【0049】
レンズ駆動装置1が組み立てられた状態において、圧電アクチュエータ300は、
図2、
図4に示されるように、素子302の主面302aが胴部202(基板214)に向かうように、主壁部208の貫通孔208b内に配置される。この状態において、素子302の主面302bに押圧片108の突起108cが当接すると、
図1〜
図4に示されるように、押圧片108はレンズホルダ200から離れる側に向けて曲げられる。曲げられた押圧片108は、元の形状に戻ろうとするため、後述する連結部410を介して圧電アクチュエータ300を胴部202に対して押しつける(
図3及び
図4の矢印A参照)。その結果、各摩擦部304A,304Bは共に、非駆動時において、胴部202の外周面(基板214の表面)に当接する。
【0050】
素子302は、駆動時において、素子302の長手方向(配列方向)に振動する縦振動モード(第1の振動モード)と、素子302の厚さ方向(主面302aと主面302bとの対向方向)への曲げ振動モード(第2の振動モード)との、2つの共振モードを有する。素子302は、縦振動モードと、曲げ振動モードとの重ね合わせによって振動する。
【0051】
具体的には、第1及び第4の内部電極と第2及び第3の内部電極とに位相を90度ずらした電圧をそれぞれ印加して素子302を駆動させると、摩擦部304A,304Bにそれぞれ位相が180度ずれた楕円運動が生ずる。この楕円運動の結果、交互に胴部202の外周面(基板214の表面)との間に摩擦力が作用する。
【0052】
活性部A1,A4が伸張され、活性部A2,A3が収縮されると、側方(X方向)から見て素子302がS字形状に屈曲すると共に微少回転運動を行う。押圧片108によって圧電アクチュエータ300が胴部に対して押しつけられているので、一方の摩擦部304Bは、胴部202の外周面(基板214の表面)に接触して胴部202に押圧力を付与するのに対し、他方の摩擦部304Aは、胴部202の外周面(基板214の表面)から離間するか、又は、胴部202の外周面(基板214の表面)との接触は維持されるものの胴部202に押圧力を付与しない状態(Z方向において摩擦部304Aと胴部202との間において力が作用していない状態)となる。その結果、摩擦部304Bと胴部202の外周面(基板214の表面)との間に摩擦力が生ずる。主壁部208はベース100に取り付けられており、圧電アクチュエータ300は主壁部208の貫通孔208b内に保持されているため、胴部202はレンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)に沿って移動する。
【0053】
活性部A2,A3が伸張され、活性部A1,A4が収縮されると、側方(X方向)から見て素子302がS字形状に屈曲すると共に微少回転運動を行う。押圧片108によって圧電アクチュエータ300が胴部に対して押しつけられているので、一方の摩擦部304Aは、胴部202の外周面(基板214の表面)に接触して胴部202に押圧力を付与するのに対し、他方の摩擦部304Bは、胴部202の外周面(基板214の表面)から離間するか、又は、胴部202の外周面(基板214の表面)との接触は維持されるものの胴部202に押圧力を付与しない状態(Z方向において摩擦部304Bと胴部202との間において力が作用していない状態)となる。その結果、摩擦部304Aと胴部202の外周面(基板214の表面)との間に摩擦力が生ずる。主壁部208はベース100に取り付けられており、圧電アクチュエータ300は主壁部208の貫通孔208b内に保持されているため、胴部202はレンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)で且つ摩擦部304Bによる移動方向とは反対方向に沿って移動する。
【0054】
図12(b)に示された例では、素子302は、3つのノードポイントN1〜N3を有している。ノードポイントN1は、活性部A1,A3の境界部分の位置で、且つ、素子251の長手方向(活性部A1〜A4の配列方向)における素子302の長さをLとした場合に素子302の端部からL/6程度内側となる位置に、存在している。ノードポイントN2は、活性部A2,A4の境界部分の位置で、且つ、素子302の端部からL/6程度内側となる位置に、存在している。ノードポイントN3は、素子302の長手方向及び厚さ方向における中央部分の位置に、存在している。そのため、ノードポイントN3は、ノードポイントN1とノードポイントN2との間に位置している。ノードポイントN1,N2は、素子302の長手方向には変位するが、素子302の厚さ方向における変位が最小となる点である。ノードポイントN3は、素子302の長手方向及び厚さ方向の双方における変位が最小となる点である。
【0055】
外部電極306A〜306Cは、
図12に示されるように、素子302の主面302bに設けられている。電極306A〜306Cはそれぞれ、活性部A1〜A4の配列方向に直交すると共に主面302a,302bの対向方向に直交する方向(Z方向)に沿って延びている。電極306A,306C,306Bは、Z方向において互いに離間しながらこの順に並んでいる。
【0056】
外部電極306Aは、第1及び第4の内部電極と電気的に接続される。外部電極306Bは、第2及び第3の内部電極と電気的に接続される。外部電極306Cは、各グランド内部電極に電気的に接続される。外部電極306A〜306Cは、主面302a,302bとの対向方向から見たときに、ノードポイントN3と重なる。外部電極306A〜306Cの厚みは、例えば2μm程度に設定される。
【0057】
導電プレート400は、例えば板ばねのような弾性板状体である。導電プレート400は、例えばステンレス鋼で構成される。導電プレート400は、
図5〜
図7に示されるように、主壁部208のうち面208aとは反対側の面208cに取り付けられている。導電プレート400は、外部電極306Cに接続される第1及び第2の配線402,404と、外部電極306Aに接続される第3の配線406と、外部電極306Bに接続される第4の配線408とを有する。
【0058】
第1の配線402は、
図5に示されるように、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)に沿って延びる一対の枠部402a,402aと、枠部402a,402aの先端同士を接続するように延びる枠部402bと、枠部402bに接続された配線部402cとを有する。枠部402a,402bのうち主壁部208の面208cと重なる部分(
図5において斜線で示された部分)は、主壁部208と接着剤等により接着されている。配線部402cは、枠部402bに沿って延びる直線部402dと、貫通孔208b(圧電アクチュエータ300)の両側で枠部402bに接続される一対の端部402e,402eと、直線部402dの両端から端部402e,402eに延びる連結部402f,402fとを有する。
【0059】
第2の配線404は、貫通孔208b(圧電アクチュエータ300)よりもベース100側となる位置で枠部402a,402aの間に延びる枠部404aと、枠部404aに接続された配線部404bとを有する。枠部404aのうち主壁部208の面208cと重なる部分(
図5において斜線で示された部分)は、主壁部208と接着剤等により接着されている。配線部404cは、枠部404aに沿って延びる直線部404cと、貫通孔208b(圧電アクチュエータ300)の両側で枠部404aに接続される一対の端部404d,404dと、直線部404cの両端から端部404d,404dに延びる連結部404e,404eとを有する。
【0060】
第2の配線404の直線部404cは、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)に沿って延びる連結部410によって、第1の配線402の直線部402dと接続されている。連結部410は、外部電極306Cと当接している。そのため、第1及び第2の配線402,404は、連結部410を介して外部電極306Cと電気的に接続されている。第1実施形態において、連結部410は、外部電極306Cと接着等により接着されていない。
【0061】
第3の配線406は、枠部406aと、接続部406bとを有する。枠部406aは、第1の配線402の枠部402aと第2の配線404との間に位置すると共に、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)に沿って延びている。枠部406aのうち主壁部208の面208cと重なる部分(
図5において斜線で示された部分)は、主壁部208と接着剤等により接着されている。接続部406bは、第1の配線402の配線部402cと、第2の配線404の配線部404bとの間に位置すると共に、枠部402a,404aに沿って延びている。接続部406bの先端は、外部電極306Aに当接している。そのため、第3の配線406は、外部電極306Aと電気的に接続されている。第1実施形態において、接続部406bは、外部電極306Aと接着等により接着されていない。
【0062】
第4の配線408は、枠部408aと、接続部408bとを有する。枠部408aは、第1の配線402の枠部402aと第2の配線404との間に位置すると共に、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)に沿って延びている。枠部408aのうち主壁部208の面208cと重なる部分(
図5において斜線で示された部分)は、主壁部208と接着剤等により接着されている。接続部408bは、第1の配線402の配線部402cと、第2の配線404の配線部404bとの間に位置すると共に、枠部402a,404aに沿って延びている。接続部408bの先端は、外部電極306Bに当接している。そのため、第4の配線408は、外部電極306Bと電気的に接続されている。第1実施形態において、接続部408bは、外部電極306Bと接着等により接着されていない。
【0063】
以上のような第1実施形態では、一対の摩擦部304A,304Bのうち少なくとも一つが胴部202の外周面と当接している状態を維持するように、押圧片108が圧電アクチュエータ300を胴部202に対して押しつけている。この際、胴部202全体が支柱104に向けて押されるものの、シャフト106A,106Bが貫通孔218A,218Bと係合しているため、連結部210,212(腕部材210A,210B,212A,212B)には張力が生ずる。この状態で、圧電アクチュエータ300を駆動させることにより、胴部202が、圧電アクチュエータ300を介して押圧片108からの押圧力を受けつつ、ベース100に対し近接及び離間するようにレンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)に沿って並進運動する。つまり、胴部202は、圧電アクチュエータ3000の駆動の状態によらず、ベース100(シャフト106A,106B)と押圧片108との間で弾性的に保持されている。そのため、レンズ駆動装置1の外部から衝撃力が加わった場合でも、衝撃を吸収する緩衝作用が発揮される。その結果、外部からの衝撃力に強く、信頼性の高いレンズ駆動装置1を得ることができる。
【0064】
第1実施形態では、押圧片108によって、一対の摩擦部304A,304Bのうち少なくとも一つが胴部202の外周面と当接している状態が維持されている。そのため、胴部202がベース100に対し近接及び離間するようにレンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)に沿って並進運動した場合であっても、当該並進運動中に光軸の傾きがほとんど生じない。そのため、レンズホルダ200を精度よく駆動することができる。
【0065】
第1実施形態では、押圧片108は、圧電アクチュエータ300を間において胴部202とは反対側に位置すると共にベース100に一体的に立設された片持ち状を呈しているそのため、押圧片108の先端部108bが撓むことで、レンズホルダ200(胴部202)に向かう力を圧電アクチュエータ300に付与することができる。
【0066】
第1実施形態では、レンズ駆動装置1が、ベース100と、レンズホルダ200と、圧電アクチュエータ300と、導電プレート400と、カバーとの5点の部品で構成されている。そのため、部品点数が少なく、組み立てが極めて容易である。
【0067】
[第2実施形態]
続いて、
図13〜
図23を参照して、第2実施形態に係るレンズ駆動装置2の構成について説明する。第2実施形態に係るレンズ駆動装置2は、主として、ベース100の構成及びレンズホルダ200の構成が、第1実施形態に係るレンズ駆動装置1と相違する。以下では、第1実施形態に係るレンズ駆動装置1との相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0068】
ベース100は、
図18〜
図20に示されるように、底部102と、一対の支柱104A,104Bと、一対のシャフト106A,106Bと、壁部材110,112A,112Bとを有する。壁部材110,112A,112Bは、矩形状を呈する板状体であり、底部102の厚み方向(Z軸方向)において底部102から立設されている。壁部材110は、底部102の角部102Cと角部102Dとの間に延在している。壁部材112Aは、底部102の角部102C近傍において、壁部材110のうち角部102C側の端部から角部102Aに向けて延びている。壁部材112Bは、底部102の角部102D近傍において、壁部材110のうち角部102D側の端部から角部102Bに向けて延びている。すなわち、壁部材110,112A,112Bは、底部102の厚み方向(Z軸方向)から見て略C字形状を呈している。一対の支柱104と、一対のシャフト106と、壁部材110,112A,112Bとは、底部102の主面から同じ側に向けて延びている。
【0069】
図19及び
図20に示されるように、壁部材110のうち一対の支柱104側に向かう面110aの中央部には、突起110bが設けられている。突起110bは、半円柱形状を呈し、角部102Cと角部102Dとを結ぶ方向(X方向)に沿って延びている。突起110bは、圧電アクチュエータ300を胴部202に対して押すためのものである。そのため、レンズ駆動装置2が組み立てられた状態において、突起110bは、レンズホルダ200の貫通孔208bと対向しており、突起110bの幅は、貫通孔208bの幅よりも小さく設定されている。突起110bは、圧電アクチュエータ300を押圧できればよいため、半球形状や角錐形状など他の形状を呈していてもよい。突起110bは、面110aに複数設けられていてもよい。
【0070】
レンズホルダ200の主壁部208の面208cには、
図13、
図14、
図18、
図19及び
図21〜
図23に示されるように、一対の凹溝220A,220Bが設けられている。一対の凹溝220A,220Bは、断面が半円形状を呈しており、レンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)に沿って延びている。凹溝220Aは、貫通孔208bと補助壁部216Aとの間に位置している。凹溝220Bは、貫通孔208bと補助壁部216Bとの間に位置している。そのため、凹溝220A,220Bの近傍が撓むことにより、主壁部208のうち凹溝220A,220Bで囲まれた部分(以下、「中央部208d」という)は、主壁部208の厚さ方向(Y方向)において若干移動可能である。
【0071】
導電プレート400は、第1実施形態に係るレンズ駆動装置1と、構成において同じであるが、接着されている部分が異なっている。具体的には、第1の配線402の枠部402bのうち中央部208dと重なる部分(
図17において斜線で示された部分)は、中央部208dと接着剤等により接着されている。第1の配線402の配線部402cのうち中央部208d及び圧電アクチュエータ300と重なる部分(
図17において斜線で示された部分)は、中央部208d及び圧電アクチュエータ300と接着剤等により接着されている。
【0072】
第2の配線404の枠部404bのうち中央部208dと重なる部分(
図17において斜線で示された部分)は、中央部208dと接着剤等により接着されている。第2の配線404の配線部404cのうち中央部208d及び圧電アクチュエータ300と重なる部分(
図17において斜線で示された部分)は、中央部208d及び圧電アクチュエータ300と接着剤等により接着されている。連結部410の全体(
図17において斜線で示された部分)は、圧電アクチュエータ300と接着剤等により接着されている。
【0073】
第3の配線406の接続部406bのうち中央部208d及び圧電アクチュエータ300と重なる部分(
図17において斜線で示された部分)は、中央部208d及び圧電アクチュエータ300と接着剤等により接着されている。第4の配線408の接続部408bのうち中央部208d及び圧電アクチュエータ300と重なる部分(
図17において斜線で示された部分)は、中央部208d及び圧電アクチュエータ300と接着剤等により接着されている。
【0074】
このように、貫通孔208b内に保持されている圧電アクチュエータ300は、導電プレート400を介して中央部208d(主壁部208)と接続されている。そのため、中央部208dの移動に応じて圧電アクチュエータ300も移動する。
【0075】
以上のような第2実施形態では、ベース100の突起110bとレンズホルダ200との相互作用により、一対の摩擦部304A,304Bのうち少なくとも一つが胴部202の外周面と当接している状態を維持するように、圧電アクチュエータ300が胴部202に対して押しつけられている。具体的には、レンズ駆動装置2が組み立てられた状態において、壁部材110及び突起110bはほとんど変形せず、突起110bが圧電アクチュエータ300を胴部202に押しつける。この際、胴部202全体が支柱104に向けて押されるものの、シャフト106A,106Bが貫通孔218A,218Bと係合しているため、連結部210,212(腕部材210A,210B,212A,212B)には張力が生ずる(
図23の矢印B参照)。そうすると、主壁部208にも張力が生じ、主壁部208が外側に向けて引っ張られる(
図23の矢印C参照)。中央部208dは主壁部208の厚さ方向(Y方向)において若干移動可能であるので、主壁部208が外側に向けて引っ張られると、中央部208dにはその場に留まろうとする内向き(胴部202向き)の力が生ずる(
図23の矢印D参照)。圧電アクチュエータ300は導電プレート400を介して中央部208dに接続されているため、圧電アクチュエータ300には胴部202に押しつけられる力が更に作用する。この状態で、圧電アクチュエータ300を駆動させることにより、胴部202が、圧電アクチュエータ300を介して押圧片108からの押圧力を受けつつ、ベース100に対し近接及び離間するようにレンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)に沿って並進運動する。つまり、胴部202は、圧電アクチュエータ3000の駆動の状態によらず、ベース100(シャフト106A,106B)と突起110bとの間で弾性的に保持されている。そのため、レンズ駆動装置1の外部から衝撃力が加わった場合でも、衝撃を吸収する緩衝作用が発揮される。その結果、外部からの衝撃力に強く、信頼性の高いレンズ駆動装置2を得ることができる。
【0076】
第2実施形態では、ベース100の突起110bとレンズホルダ200との相互作用によって、一対の摩擦部304A,304Bのうち少なくとも一つが胴部202の外周面と当接している状態が維持されている。そのため、胴部202がベース100に対し近接及び離間するようにレンズの光軸方向(胴部202の軸方向、Z方向)に沿って並進運動した場合であっても、当該並進運動中に光軸の傾きがほとんど生じない。そのため、レンズホルダ200を精度よく駆動することができる。
【0077】
第2実施形態では、レンズ駆動装置2が、ベース100と、レンズホルダ200と、圧電アクチュエータ300と、導電プレート400と、カバーとの5点の部品で構成されている。そのため、部品点数が少なく、組み立てが極めて容易である。
【0078】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、圧電アクチュエータ300が2つの摩擦部304A,304Bを有していたが、圧電アクチュエータ300が摩擦部を3つ以上有していてもよい。
【0079】
上記実施形態では、連結部210が一対の腕部材210A,210Bを有しており、連結部212が一対の腕部材212A,212Bを有していた。しかしながら、連結部210,212の腕部材と、突出部204,206と、主壁部208とを、連結部210,212の対向方向から見たときの形状が平行四辺形であれば、連結部210,212の腕部材が少なくとも一つずつであってもよいし、連結部210の腕部材のみが2つ以上あってもよいし、連結部212の腕部材のみが2つ以上あってもよい。
【0080】
上記実施形態では、主壁部208がベース100と別体であったが、主壁部208とベース100とが一体的に構成されていてもよい。
【0081】
上記実施形態では、1つの主壁部208に対して2つの連結部210,212が接続されていたが、主壁部が複数に分離され、各連結部210,212が異なる主壁部に接続されていてもよい。この場合も、各主壁部とベース100とが別体でもよいし、各主壁部とベース100とが一体的に構成されていてもよい。