【実施例1】
【0015】
本実施形態のランプ装置1は、
図1ないし
図5に示すように構成される。
図3において、ランプ装置1は、発光体2、点灯装置3、筐体4および制光体5を備えている。
【0016】
発光体2は、平板状の基板6、この基板6の一面6aに複数個が設けられた半導体発光素子としてのLEDベアチップ7およびLEDベアチップ7を覆う封止樹脂8を有して形成されている。基板6は、例えばアルミニウム(Al)板からなり、略長方形状に形成されて、一面6aに図示しない絶縁層を介してLEDベアチップ7を実装し、図示しない配線パターンを形成している。LEDベアチップ7は、配線パターンにより直列接続されている。また、基板6の一面6aには、コネクタ9が配設されており、このコネクタ9に点灯装置3の出力コード10が接続されている。
【0017】
LEDベアチップ7は、平板状の基板6の一面6aに実装されることにより、平面状に設けられているとともに、その複数個が例えばマトリックス状に実装されている。LEDベアチップ7は、例えば青色光を放射する。そして、基板6の一面6aには、複数個のLEDベアチップ7を包囲して、例えばシリコーン樹脂の土手11が長方形状に形成されている。この土手11の内側に封止樹脂8が充填されて、LEDベアチップ7が埋められている。封止樹脂8の外表面は、平坦状に形成されている。
【0018】
封止樹脂8は、透光性の例えばシリコーン樹脂であり、黄色蛍光体12が混入されている。黄色蛍光体12は、LEDベアチップ7から放射された青色光が入射されると、青色光を黄色光に波長変換する。この黄色光と、LEDベアチップ7から放射された青色光が封止樹脂8の外表面から出射し混色(混光)することにより、発光体2から白色光が放射される。封止樹脂8の外表面は、発光体2の発光面となっている。
【0019】
点灯装置3は、回路基板13およびこの回路基板13に実装された点灯回路部品14等により形成される点灯回路15を有して形成されている。
図4に示すように、回路基板13は、例えばガラスエポキシ材からなり、略円形状に形成されているとともに、その中央部に切り欠き部16aを有する円形状の開口16が設けられている。この開口16周りの回路基板13の一面13aに抵抗R1〜R3、コンデンサC1、トランスT1など、多種類かつ多数の電子部品等からなる点灯回路部品14を実装している。また、回路基板13の他面13bは、点灯回路部品14のはんだ面になっているとともに、スイッチング素子Q1などの小型の面実装部品を実装している。回路基板13に実装された点灯回路部品14および回路基板13に形成された図示しない配線パターンにより、点灯回路15が形成されている。
【0020】
図5に示すように、点灯回路15は、直流電源回路17、降圧チョッパ回路18、電流検出回路19および制御回路20を有して形成されている。
【0021】
直流電源回路17は、整流器21、コンデンサC1およびトランスT1からなるノイズフィルタ回路22を有して形成されている。整流器21の入力端は、ノイズフィルタ回路22を介して一対の入力電源端子23a,23bに接続されている。一対の入力電源端子23a,23bは、商用交流電源Vsに接続される。
直流電源回路17は、商用交流電源Vsの交流電圧を直流電圧に変換してコンデンサC1の両端間に出力する。
【0022】
降圧チョッパ回路18は、スイッチング素子Q1、ダイオードD1、インダクタL1および平滑用コンデンサC2を有する既知の回路構成により形成されている。そして、スイッチング素子Q1のオンオフ動作により、コンデンサC1の両端間に発生している直流電圧をチョッピングして、平滑用コンデンサC2の両端間に所定の直流電圧を出力する。スイッチング素子Q1は、例えば50〜80KHzの高周波でスイッチングする。
【0023】
電流検出回路19は、抵抗R3を有して形成され、LEDベアチップ7に流れる電流を検出する。そして、制御回路20は、LEDベアチップ7に所定の電流が流れるように、降圧チョッパ回路18のスイッチング素子Q1のオンオフ動作を制御する。また、制御回路20は、外部から調光信号を入力すると、当該調光信号に応じてスイッチング素子Q1のオンオフ動作を制御する。
【0024】
平滑用コンデンサC2の両端間は、電流検出回路19を介して出力端子24a,24bに接続されている。出力端子24a,24bは、出力コネクタ25に設けられている。そして、出力端子24a,24bは、出力コード10を介して直列接続されたLEDベアチップ7のLED回路26に接続されている。こうして、点灯回路15(点灯装置3)は、高周波でスイッチングするスイッチング素子Q1を有してなり、LEDベアチップ7を点灯するように形成されている。
【0025】
図4において、一対の電源入力端子23a,23bは、回路基板13に一面13aの周縁側に互いに隣り合うように設けられている。例えば、回路基板13の中心13cに対して例えば45°の回転位置に配設されている。電源入力端子23a,23bは、それぞれリード線27により後述するランプピン32,32に接続されている。また、出力端子24a,24bを有する出力コネクタ25は、電源入力端子23a,23bの近辺の回路基板13の一面13aに実装されている。
【0026】
そして、スイッチング素子Q1は、一対の電源入力端子23a,23bを結ぶ仮想線Aと平行であって、回路基板13の中心13cを通る中心線Bよりも一対の電源入力端子23a,23bの反対側の領域(図中の斜線部分)に設けられている。スイッチング素子Q1は、
図4(b)に示すように、回路基板13の他面13bの前記領域に実装されている。なお、スイッチング素子Q1は、回路基板13の前記領域に設けられていれば、回路基板13の一面13a又は他面13bのどちらに実装されていてもよい。
【0027】
図3において、筐体4は、合成樹脂例えばポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂により略円筒状に形成され、一端側4aにGX53形の口金としての口金部28および他端側4bに開口部29がそれぞれ設けられている。口金部28は、天板部30を有している。この天板部30の上面30aには、その中央部に外方に突出する円筒状の突出部31と、この突出部31に隣接する給電部としての一対のランプピン32,32(
図3中、一方のみを示す。)が配設されている。
【0028】
また、天板部30の下面30bには、その中央部に上面30aに連通するとともに下方に小さく突出する筒状の突出体33が配設されている。この突出体33は、回路基板13の円形状の開口16よりも若干小さい円柱状の貫通孔を有する円柱状部33aと、切り欠き部16aよりも小さい略四角柱状の貫通孔を有する図示しない四角柱状部に形成されている。
【0029】
突出部31の上面には、例えばアルミダイキャストによって成型された蓋部34が取り付けられている。蓋部34は、その内面34b側に肉厚であって直方体形状の取付部35が突出形成されている。この取付部35に図示しない絶縁板を介して発光体2が図示しないねじにより取り付けられている。
【0030】
そして、突出部31から蓋部34の外周縁に向かって略直方体の固定部36が形成されている。この固定部36の先端には、キー部37が設けられている。また、固定部36には、ねじ孔38が設けられている。固定部36は、
図2(a)に示すように、蓋部34の中心34cに対して120°間隔で3個形成されている。
【0031】
図3に示すように、天板部30の上面30aには、段付きの貫通孔39を有する円柱状のダボ40が固定部36に当接するように突出形成されている。そして、天板部30の下面30bから貫通孔39に挿入されたねじ41が固定部36のねじ孔38に螺着されている。これにより、蓋体34は、突出部31に取り付けられている。突出部31は、固定部36に対応する部位が切り欠きされている。
【0032】
そして、蓋体34は、突出部31の外周面よりも当該外周面の法線方向に若干突出し、さらにキー部37が突出している。蓋体34は、突出部31を略密閉する。キー部37は、ランプ装置1が取り付けられるソケットのキー溝に挿入されて取り付けられる。
【0033】
こうして、蓋体34が突出部31に取り付けられることにより、蓋体34に取り付けられている発光体2が突出部31に収容される。なお、蓋体34の上面34aには、図示しない放熱シートが配設される。蓋体34のねじ孔38は、放熱シートにより、上面34a側が閉じられる。
【0034】
給電部としての一対のランプピン32,32は、例えば黄銅からなり、その頂部側が略半球状に形成された略円筒状に形成され、突出部31に隣接するとともに、天板部30の上面30aから上方に突出するように設けられている。そして、ランプピン32,32は、点灯装置3の回路基板13に設けられた電源入力端子23a,23bに対応して設けられ、点灯装置3が筐体4内に配設されたときに、電源入力端子23a,23bの近傍に位置する部位に設けられている。
【0035】
天板部30の下面30bには、下方に小さい突出長で突出する貫通孔を有するダボ42が一対形成されている。このダボ42にランプピン32が圧入されて取り付けられている。ランプピン32は、電源入力端子23a,23bに接続されているリード線27を挿通して、その頂部側でリード線27をはんだ付けしている。こうして、一対のランプピン32,32は、点灯装置3の一対の電源入力端子23a,23bに電気接続されている。点灯装置3は、筐体4内において、口金部28および開口部29の中間に配設されている。
【0036】
そして、開口部29には、保護カバー43が取り付けられている。保護カバー43は、透光性を有する例えばポリカーボネート(PC)樹脂にて成型されている。その外面43aは、平面であって円形状に形成されている。その内面43bには、開口部29の内面29bに沿う突出体44が断続的に複数設けられている。その突出体44には、係止爪45が設けられたものがあり、係止爪45が開口部29の内面29bに形成された係止溝46に係止される。これにより、保護カバー43は、筐体4の開口部29に取り付けられている。そして、保護カバー43は、筐体4内をほぼ閉塞するように取り付けられている。
【0037】
そして、保護カバー43の外面43aの周縁側には、直方体状の指掛け部47,47が突出形成されている。
図2(b)に示すように、指掛け部47,47は、180°回転対称に設けられている。また、外面43aの周縁側には、照明器具への装着位置を表示する三角形のマーク48が設けられている。
【0038】
そして、
図1に示すように、筐体4の口金部28側の外周面には、三角形状の凹部49が一定の間隔で形成されている。
【0039】
図3において、制光体5は、例えばアルミダイキャストにより成型され、一端側5aから他端側5bに向かうにつれ連続的にかつ段階的に拡開する円錐台状の筒状であって、他端側5bに円形状のフランジ部50を形成している。制光体5は、一端側5aに円形状の一端側開口51、他端側5bに円形状の他端側開口52を有し、その内面5dは反射面に形成されている。
【0040】
制光体5は、一端側5aが点灯装置3の回路基板13の開口16を挿通するとともに、筐体4の突出体33に挿入されている。そして、保護カバー43が筐体4の開口部29に取り付けられることにより、一端側開口51が発光体2に正対するように向かい、他端側開口52が開口部29に位置し、フランジ部50が保護カバー43の内面43bに接している。
【0041】
回路基板13は、その開口16の周縁側が制光体5の外面5cおよび筐体4の突出体33に挟まれて、
図3中上下方向の移動が規制される。また、回路基板13は、その開口16の切り欠き部16aに突出体33の図示しない四角柱状部が挿入されていて、これにより、周方向への回転が規制されている。こうして、点灯装置3および制光体5は、筐体4に収容、配設されている。
【0042】
次に、本発明の実施例1の作用について述べる。
【0043】
筐体4の突出部31が図示しないソケット装置の挿通孔に挿入され、一対のランプピン32,32がソケット装置の接続孔に挿入されて、筐体4が回動されることにより、一対のランプピン32,32がソケット装置の一対の受金に電気接続される。これにより、点灯装置3は、ソケット装置を介して外部電源が供給可能となる。
【0044】
なお、突出部31をソケット装置の挿通孔に挿入するときに、保護カバー43のマーク48が照明器具またはソケット装置に設けられる位置合わせマークに合わされる。そして、蓋体34のキー部37は、突出部31がソケット装置の挿通孔に挿入されたときに、ソケット装置のキー溝に挿入され、筐体4が回動されたときに、キー溝に固定される。
【0045】
外部電源が投入されると、点灯装置3に一対のランプピン32,32およびリード線27,27を介して外部電源の交流電圧(例えばAC100V)が入力する。点灯装置3は、スイッチング素子Q1が高周波例えば50〜80KHzでスイッチングするなど、その点灯回路15が動作して、出力コード線10を介して発光体2に定電流を供給する。これにより、LEDベアチップ7は、点灯し、発光体2から白色光が放射される。当該放射光は、制光体5により狭角配光に制御されて、保護カバー43を通過して出射する。出射光は、外方の被照射面や被照射物などを狭角配光で照明する。
【0046】
点灯装置3の点灯回路15のスイッチング素子Q1が高周波でスイッチング動作(オンオフ動作)をすると、高周波ノイズが発生する。このノイズは、点灯回路15のノイズフィルタ回路22で吸収される。また、スイッチング素子Q1は、一対の電源入力端子23a,23bを結ぶ仮想線Aと平行である回路基板13の中心線Bよりも一対の電源入力端子23a,23bの反対側の領域に設けられていて、一対の電源入力端子23a,23bとは離間しているので、スイッチング素子Q1のスイッチング動作によって発生したノイズが一対の電源入力端子23a,23bおよびリード線27,27を介してランプピン32,32に伝播しにくくなる。すなわち、商用交流電源Vsの交流電圧に点灯装置3からのノイズが重畳することが抑制される。
【0047】
上述したように、本実施形態のランプ装置1は、点灯装置3のスイッチング素子Q1が一対の電源入力端子23a,23bを結ぶ仮想線Aと平行である回路基板13の中心線Bよりも一対の電源入力端子23a,23bの反対側の領域に設けられているので、スイッチング素子Q1と一対の電源入力端子23a,23bとは離間し、スイッチング素子Q1に発生したノイズが一対の電源入力端子23a,23bに重畳しにくくなり、外部の交流電源Vsへのノイズの重畳が抑制できるという効果を有する。
【0048】
また、点灯回路15のノイズフィルタ回路22を簡素な構成にすることができ、開口16が設けられることにより実装面積が小さくなっている回路基板13に設計裕度を持って点灯回路部品14を実装することができるとともに、点灯装置3を安価に形成することができるという効果を有する。
【0049】
なお、本実施形態において、発光体2は、基板6を用いて形成したが、基板6を用いずに、LEDベアチップ7を蓋体34の取付部35に設けるようにして形成してもよい。この場合、蓋体34は、金属であるので、取付部35に絶縁層が形成され、この絶縁層上にLEDベアチップ7などが実装される。
【0050】
また、制光体5は、一端側5aから他端側5bに向かうにつれ拡開するように形成したが、略円筒状など、筒状に形成されていればよいものである。また、その一部に切り欠きが設けられていてもよい。
【0051】
そして、筐体4は、その口金部28にランプピン32,32の他に調光ピンを設けてもよく、この調光ピンを点灯回路15の制御回路20に接続して、発光体2のLEDベアチップ7を調光点灯させるように形成してもよい。
【実施例2】
【0052】
図6および
図7は、本発明の実施例2を示す照明器具であり、
図6は概略斜視図、
図7は一部切り欠き概略正面図である。なお、
図1および
図2と同一部分には、同一符号を付して説明は省略する。
【0053】
図6および
図7に示す照明器具53は、天井等に埋設されるダウンライトである。
図7において、照明器具53は、ソケットとしてのソケット装置54を有する器具本体55および
図1に示すランプ装置1を具備して構成されている。
【0054】
器具本体55は、アルミダイキャストによって成型され、下端側55aに開口部56および外方に突出する環状のフランジ部57を有し、上端側55bに上端側55bを閉塞するとともに平坦状に形成された上板部58を有する略円筒状の箱体に形成されている。また、器具本体55の外面55cには、複数の放熱フィンを兼ねる補強片59,60などが形成されている。さらに、外面55cの下端側55aには、フランジ部57との間で天井等を挟持する一対の取付けばね61,61が設けられている。そして、器具本体55の内面55dは、例えば白色塗装により反射面に形成されている。
【0055】
上板部58の外面には、天板62がねじ63等により取り付けられている。天板62は、
図6に示すように、その下面62aに端子台64を取り付けている。端子台64には、外部電源からの図示しない電源線およびソケット装置54に接続される図示しないリード線がそれぞれ接続されている。そして、器具本体55の内面55dには、ランプ装置1のマーク48と位置合わせをするための三角形の位置合わせマーク65が設けられている。
【0056】
図7に示すように、上板部58の内面には、ソケット装置54が図示しないねじにより取り付けられている。ソケット装置54は、GX53形の口金である筐体4の口金部28を装着する周知の構成で形成されている。そして、ソケット装置54にランプ装置1が装着されている。ランプ装置1は、その筐体4の突出部31(図示しない。)がソケット装置54の図示しない挿通孔に挿入され、その一対のランプピン32,32(図示しない。)がソケット装置54の図示しない一対の接続孔に挿入された後、回動されることにより、ソケット装置54に固定されるとともに、一対のランプピン32,32がソケット装置54の図示しない一対の受金に電気接続している。
【0057】
照明器具53は、端子台64に外部電源が供給されると、ランプ装置1のLEDベアチップ7(図示しない。)が点灯して発光体2(図示しない。)から白色光が放射され、当該白色光が保護カバー43を透過する。白色光は、器具本体55の開口部56から外方に出射され、被照射面例えば床面を照明する。
【0058】
ランプ装置1は、薄形であり、狭角配光の放射光を放射するので、照明器具53は、天井等に埋設される奥行き側を小さく形成することができるとともに、ダウンライトとして適合し、被照射面例えば床面を狭角配光で照明できるという効果を有する。