(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
共存のための決定を行うことが、送信電力を変えることの決定、動作周波数を変えることの決定、動作帯域幅を変えることの決定、動作無線アクセス技術を変えることの決定、送信スケジュールを変えることの決定のうちの少なくともひとつの決定を行う請求項1記載の方法。
【背景技術】
【0002】
現在、ホワイトスペース周波数帯における動作を目指したいくつかのタイプのコグニティブ無線システムが開発の途上にある。例として、ECMA 392、IEEE 802.22、IEEE 802.11afがある。それらが供用されればすぐにこの発明を応用することができ、そしてこれらのシステムの共存が可能になる。
【0003】
無線通信において、スペクトラムは非常に限られた資源である。FCC(米連邦通信委員会)の測定では、多くの免許周波数帯において、90%の時間、使われていないことが示されている(文献1:FCC Spectrum Policy Task Force, “Report of the Spectrum Efficiency Working Group”, Nov. 2002, http://www.fcc.gov/sptf/files/SEWGFinalReport_1.pdf.)。このことは、無線システムに、一時的に不使用のスペクトラムを検出して使用する好機を提供する。このような機会の利用を可能にするためには、2つの必要条件が満たされるべきことになろう。1)無線システムが、一時的に不使用のスペクトラム部分を検出し使用する能力をもつ。2)無線規則が、無線システムに、その一時的に不使用のスペクトラム部分で動作することを許可する。
【0004】
第1の必要条件は、現状の無線通信技術、特にコグニティブ無線システムを使うことで満足され得る。コグニティブ無線システムは、“システムに、その動作のおよび地理的な環境の認知、確立された方法の認知、および内部状態の認知を取得せしめ、あらかじめ定められた目的を達成するために、その動作パラメータとプロトコルとをその取得された認知に従い、動的にかつ自律的に変化せしめ、そして得られた結果から学習せしめる技術を採用した無線システム”と定義される(文献2:Definitions of Software Defined Radio (SDR) and Cognitive Radio System (CRS), Report ITU-R SM.2152, September 2009.)。
【0005】
上記定義から分かるように、コブニティブ無線システムは動作環境の認知を得ることができる。このことは、一時的に使用されていない、免許周波数帯の部分について認知を得ることを含む。また、このことは、確立された方法、すなわち、これらの一時的に不使用のスペクトラム部分で動作するために従わなければならない無線規則の認知を得ることを含む。
【0006】
コグニティブ無線システムは、また、その動作パラメータおよびプロトコルを動的にかつ自律的に調整することができる。このことは、以下の動作パラメータ:送信電力、動作周波数と帯域幅、変調タイプ、無線アクセス技術、を変化させる能力を含む。動作パラメータのこのリストは、コグニティブ無線システムが、検知された不使用スペクトラムを利用することに融通性高くかつ効率的に順応し得ることを意味する。
【0007】
第2の必要条件は、現在、いくつかの国で満足されている。“TV放送帯における免許外動作事項における第2の報告と命令”がFCCによって2008年11月に発行された(文献3:FCC 08-260, “Second Report and Order in the Matter of Unlicensed Operation in the TV Broadcast Bands”, Nov. 14, 2008.)。米国市場を統制するこの文書は、可搬性のデバイスのため、TVホワイトスペースにおける二次的な動作を容認する。現状、ほかの国々、例えば、連合王国、カナダ、シンガポール、欧州のいくつかの国が同様の行動を考慮中である。
【0008】
無線規則がコグニティブ無線システムに一時的不使用のこれらの周波数帯部分で動作することを容認している周波数帯は、典型的に、“ホワイトスペース周波数帯”と呼ばれる。ここで、“ホワイトスペース”という言葉は、一時的不使用の周波数帯部分を言っている。これらの周波数帯が割り当てられる無線システムは、“一次的無線システム”あるいは“一次ユーザ”と呼ばれる。これらの周波数帯のホワイトスペースで動作するコグニティブ無線システムは“二次的無線システム”または“二次ユーザ”と呼ばれる。米国無線規則(文献3)を例として用いて、TV放送システムは一次ユーザである一方、コグニティブ無線システムは二次ユーザである。この例において、ホワイトスペース周波数帯は、TV周波数帯におけるいくつかのチャンネルに制限されている。
【0009】
免許帯で動作する無線システムの定例の機能性(ユーザトラフィックの受け渡し)に加わって、ホワイトスペース周波数帯で動作するコグニティブ無線システムは、2つの付加的機能、1)一次ユーザ保護、2)ほかの2次ユーザとの共存、を持つことになろう。
【0010】
第1の機能は、無線規則で要求されるように典型的に義務的である。理由は、コグニティブ無線システムは二次ユーザとして動作することである。このことは、それが、ホワイトスペース周波数帯の一時的不使用の部分(ホワイトスペース)でのみ動作が許されていることを意味する。
【0011】
第1に、コグニティブ無線システムは、ホワイトスペースを検出すること、および、このスペクトラム部分が、与えられた場所、時間においてどの一次ユーザにもその動作のために必要とはされないと保証することを可能としよう。これは、種々の方法でなされ得、典型的には、ホワイトスペースデータベースアクセスとスペクトラムセンシングとの組み合わせによってなされる。動作を始める前に、コグニティブ無線システムは、ホワイトスペースデータベースに、例えばインターネット接続を用い、アクセスする。コグニティブ無線システムは、ホワイトスペースデータベースに要求を送る。ホワイトスペースデータベースでは、このような要求はそのコグニティブ無線システムの位置を示している。ホワイトスペースデータベースは、そのコグニティブ無線システムに、このコグニティブ無線システムのその位置で、現状不使用のスペクトラム部分(ホワイトスペース)を示す応答を返す。コグニティブ無線システムがホワイトスペースデータベースから応答を受けたあと、それは、ホワイトスペースデータベースによって示されたホワイトスペースのどこかでの動作の開始を決めることができる。しかしながら、動作を始める前に、コグニティブ無線システムは、典型的に、動作を始めようとするそのホワイトスペースでスペクトラムセンシングを行うであろう。仮にスペクトラムセンシングの結果が、どの一次ユーザもこれらのホワイトスペースに検出されないことを示すなら、コグニティブ無線システムはこれらのホワイトスペースでの動作開始を許される。
【0012】
第2に、コグニティブ無線システムは、それがその動作のため使うホワイトスペースにおける一次ユーザの動作を検出することを可能としよう。仮に一次ユーザがホワイトスペースで検出されたら、コグニティブ無線システムは、そのホワイトスペースでのその動作を直ちにやめる必要がある。この一次ユーザ検出もまた、典型的に、ホワイトスペースデータベースアクセスとスペクトラムセンシングとの組み合わせによりなされる。コグニティブ無線システムは、時間を置いてホワイトスペースデータベースにアクセスし、時間を置いてスペクトラムセンシングを行う。
【0013】
2番目の機能、すなわち、ほかのコグニティブ無線システムとの共存は、無線規則では要求されない。この機能を持つことの理由は、以下のようである。ホワイトスペースは、ひとつの特定のコグニティブ無線システムに排他的に割り当てられていない。一次ユーザ保護のための無線規則を満足するどのコグニティブ無線システムもホワイトスペースを使うことができる。その結果、1つ以上のコグニティブ無線システムがその動作のため同じホワイトスペースを選択できる。このような場合、同じホワイトスペースで動作するいくつかのコグニティブ無線システムは、パフォーマンス低下やあるいは動作継続不能にさえ至る、互いへの妨害を発生する可能性がある。コグニティブ無線システムにこのような状況を回避させる仕組みは、“共存の仕組み”と呼ばれる。
【0014】
共存の仕組みは、2つのグループ、1)同種のコグニティブ無線システム間での共存の仕組み、2)異種のコグニティブ無線システム間での共存の仕組み、にカテゴリー化され得る。
【0015】
第1グループの共存の仕組みは、“自己共存の仕組み”とも呼ばれる、同種のコグニティブ無線システム間での共存の仕組みである。同種のコグニティブ無線システムは、同じ無線通信規格に従う動作のコグニティブ無線システムを意味する。ホワイトスペース周波数帯で動作が可能な無線システムを定義する無線通信規格の例は、IEEE 802.22、IEEE 802.11af、ECMA 392である。典型的には、自己共存の仕組みは、無線通信規格に組み入れられる。この結果、この規格に従い動作するコグニティブ無線システムによって使用され得る。
【0016】
特許文献1は、フレームの自己共存窓部分および共存ビーコンプロトコルに基づき、802.22無線システムの、異なる基地局の共存を可能にする方法を記載する。
【0017】
特許文献2は、送信電力制御、動的な周波数選択、およびオンデマンドスペクトラムコンテンションに基づき、異なる802.22基地局の共存を可能にする方法を記載する。この方法は、協調的な共存方法を実現する。異なる基地局が、ブリッジカスタマプレミス機器を介してまたはバックホール接続を介して、互いの共存のため必要とされる情報の交換を行う。
【0018】
自己共存の仕組みは、同じ無線通信規格に従い動作するコグニティブ無線システムでの、共存の課題を解決する種々の仕組みを提供する。しかしながら、このような仕組みは、異なる無線通信規格に従い動作するコグニティブ無線システムでの、その共存の課題を解決するためには使用され得ない。
【0019】
特許文献3は、周波数帯で分かれた異種の無線デバイス(異なる通信規格に従いトラフィックを送受する無線デバイス)の共存を可能にするシステムと方法を記載する。この方法は、次の5つのステップを有する。1)分かれた周波数帯における無線周波数エネルギを監視する。2)パフォーマンスに劣化があるときを決定する。3)この劣化が妨害信号で引き起こされるかどうか決定する。4)監視結果に基づき、妨害信号を分類する。5)いかにして劣化を小さくすることに順応するかの勧告を発する。そのシステムは、無線デバイスとこの無線デバイスに結合された計算デバイスとを有する。
【0020】
特許文献3の方法およびシステムは、非協調/自律的な共存解決を実現する。このことは、コグニティブ無線システムのそれぞれは、共存の課題をいかに解決するかについて独立した決定を下すことを意味する。
【0021】
特許文献4は、免許された帯域での異なる無線システム(異なる通信規格に従うトラフィックの送受を行う無線システム)の共存を可能にする方法を記載する。その方法は、異なる無線システムが同じ分け与えられた放送チャンネルを使用して、互いの共存に必要な情報を交換し、協調的な共存解決を可能にする。このような情報には、搬送周波数、帯域幅、特定の無線システムによるトラフィック送信で使われる通信規格、デューティーサイクル、送信電力などを含むことができる。この情報は、ひとつの無線システムで使用されて、別の無線システムからの(への)妨害を小さくする。
【0022】
特許文献4の方法は、協調的共存解決を実現する。それは、自律的共存解決のみを実現する特許文献3の方法より、よい結果を得ることになろう。しかしながら、特許文献4の方法は、次の不利益がある。共存に必要な情報を交換するため使用される、分け与えられた放送チャンネルは、幾分かのスペクトラムを消費する。それは、ユーザのトラフィック送信に使われ得る。また、そのようなスペクトラムは、いつも使えるわけではない。最後に、特許文献4の方法は、すべてのコグニティブ無線システムが、その分け与えられた放送チャンネルのフォーマットをサポートすることができるソフトウエアとハードウエアとを持つことを要求される。それは、コグニティブ無線システムにおける無線機器のコスト増の結果を招く。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以上を踏まえ、以下では本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1は、互いに共存を必要とすべき、ホワイトスペース周波数帯で動作する異種のコグニティブ無線システムの展開例を図解している。
【0029】
この例では、第1のコグニティブ無線システムCRS1が、2つの端末T11、T12と通信する第1の基地局BS11と、2つの端末T13、T14と通信する第2の基地局BS12とを有する。第2のコグニティブ無線システムCRS2は、2つの端末T21、T22と通信するひとつの基地局BS21を有する。第3のコグニティブ無線システムCRS3は、2つの端末T31、T32と通信する基地局BS31を有する。
【0030】
また、この例では、第1のコグニティブ無線システムCRS1は、送受領域CA1を持ち、第2のコグニティブ無線システムCRS2は、送受領域CA2を持ち、第3のコグニティブ無線システムCRS3は、送受領域CA3を持つ。
【0031】
送受領域は、無線システムがそのユーザにサービスを提供できる領域である。これは、送受領域内にある端末で受信される基地局からの信号強度が信頼性のある受信ができるぐらいに高く、また、基地局で受信される、送受領域内にある端末からの信号強度が信頼性のある受信ができるぐらいに高いことを意味する。
【0032】
この例では、コグニティブ無線システムCRS2の送受領域CA2は、その全体がコグニティブ無線システムCA1の送受領域CA1の中にある。これは、もしコグニティブ無線システムCRS1と同CRS2とがそれらの動作のため同じホワイトスペースを使うならば、それらが互いに妨害し合うことを意味する。このような状況を避けるため、それらは互いに共存すべきものであり、例えば、それらの動作のため異なるホワイトスペースを選択すればよい。同様に、コグニティブ無線システムCRS1と同CRS3とでは、それらの送受領域CA1と同CA3とが部分的に重なっており、よってそれらも互いに共存すべきものである。コグニティブ無線システムCRS2と同CRS3とでは、それらの送受領域CA2と同CA3とで互いに重なりがなく、よって互いに共存すべきものとはならない。
【0033】
要約すれば、この例では、コグニティブ無線システムCRS1は、コグニティブ無線システムCRS2および同CRS3と共存する必要がある一方、コグニティブ無線システムCRS2と同CRS3とは互いに共存する必要がない。
【0034】
この例は、実際的な状況における、ひとつの典型的な展開シナリオと考えられる。コグニティブ無線システムCRS1は、大きな送受領域を伴うIEEE 802.22システムとすることができ、コグニティブ無線システムCRS2および同CRS3は、それぞれ小さな送受領域を伴うIEEE 802.11afシステムとすることができる。
【0035】
ホワイトスペース周波数帯において、異種のコグニティブ無線システム間の共存を可能にする方法は、例えば、
図2に示される共存システムを用いて実施され得る。
【0036】
この共存システムは、4つの機器と6つのインターフェースとを有する。以下に説明する。
【0037】
この共存システムが有する機器は以下である。
・共存実現器(CE;付加機器;被管理機器;被管理サブシステム)2
・共存マネージャ(CM;管理機器;管理サブシステム)1
・共存発見サーバ4
・共存情報サーバ5
【0038】
この共存システムが有するインターフェースは以下である。
・CE2と再構成可能な無線機3とのインターフェースA
・CE2とCM1とのインターフェースB1
・CM1と共存発見サーバ4とのインターフェースB2
・CM1間のインターフェースB3
・CM1と共存情報サーバ5とのインターフェースB4
・TVホワイトスペースデータベース6とCM1との間、またはTVホワイトスペースデータベース6と共存情報サーバ5との間のインターフェースC
【0039】
CE2は以下の機能を担う機器である。
・このCE2よりサービスを受ける再構成可能な無線機3から、共存に必要な情報を取得する。
・このCE2が位置するコグニティブ無線システムにサービス提供を行うCM1によってなされた共存のための決定に従い、上記の再構成可能な無線機3を再構成することを要求する。
ここで、再構成可能な無線機3は、ホワイトスペース周波数帯における無線通信を担っているコグニティブ無線システムの一部と理解する。例えば、基地局、端末、基地局と端末の組、基地局といくつかの端末との組、いくつかの基地局といくつかの端末の組、いくつかの端末、などである。
【0040】
CM1は以下の機能を担う機器である。
・このCM1によってサービスを受けるコグニティブ無線システムとの共存を必要とすべき、ホワイトスペース周波数帯で動作する近隣のコグニティブ無線システムの発見を行う。
・共存のための決定を行う。
・共存に必要な情報を、ほかのコグニティブ無線システムにサービス提供している別のCMとの間で交換する。
・TVホワイトスペースデータベース6から、共存に必要な情報を得る。
【0041】
共存発見サーバ4は、互いに共存を必要とすべき、ホワイトスペース周波数帯で動作する近隣のコグニティブ無線システムの発見をサポートする機能を担う機器である。
【0042】
共存情報サーバ5は、共存に必要な情報を収集し、統合し、提供する機能を担う機器である。
【0043】
CE2と再構成可能な無線機3との間のインターフェースAは、次の機能を担う。
・再構成可能な無線機3から、共存に必要な情報を得る。
・再構成可能なこの無線機3を再構成することを要求する。
【0044】
CE2とCM1との間のインターフェースB1は、次の機能を担う。
・再構成可能な無線機3から得た共存に必要な情報をCM1に提供する。
・共存のための決定に対応する再構成コマンドをCE2に提供する。
【0045】
CM1と共存発見サーバ4との間のインターフェースB2は、次の機能を担う。
・このCM1によってサービス提供を受けるコグニティブ無線システムを共存発見サーバに登録する。
・このCM1によってサービス提供を受けるコグニティブ無線システムと共存すべき、近隣のコグニティブ無線システムに関する情報を得るため、CM1により共存発見サーバにアクセスする。
【0046】
CM1と別の異なるCMとの間のインターフェースB3は、これらのCM間で、共存に必要な情報を交換する機能を担う。
【0047】
CM1と共存情報サーバ5との間のインターフェースB4は、次の機能を担う。
・CM1から得られた共存に必要な情報を、共存情報サーバ5に提供する。
・共存に必要な情報を、共存情報サーバ5から得る。
・共存情報サーバ5によってTVホワイトスペースデータベース6から得られた情報を、CM1に提供する。
【0048】
TVホワイトスペースデータベース6とCM1との間、またはTVホワイトデータベース6と共存情報サーバ5との間のインターフェースCは、CM1によってサービス提供を受けるコグニティブ無線システムがある位置でのその動作に利用できるTVチャンネルに関する情報を得る機能を有する。
【0049】
図3は、互いに共存を必要とすべき、2つのコグニティブ無線システムCRS1、CRS2における共存システムの展開シナリオを図解している。
【0050】
図3の展開例では、互いに共存を必要とすべき、2つのコグニティブ無線システムCRS1、CRS2が存在する。コグニティブ無線システムCRS1は、2つの基地局BS11、BS12と、4つの端末T11、T12、T13、T14とを含む。基地局BS11は、端末T11、T12と通信する。基地局BS12は、端末T13、T14と通信する。コグニティブ無線システムCRS2は、基地局BS21と、2つの端末T21、T22とを含む。基地局BS21は、端末T21、T22と通信する。
【0051】
この展開シナリオの例では、各CEは、基地局内に展開される。CE11は、BS11内に展開され、CE12はBS12内に展開され、CE21は、BS21内に展開される。これらのCEは、基地局内で動作するソフトウエアと考えることができる。これに対応して、各CEと再構成可能な各無線機との間のインターフェースAもまた基地局内にある。インターフェースAの3つの適用例が、A_11、A_12、A_21として、
図3に示される。
【0052】
インターフェースAの例示的な実装を記述する、CE2の例示的な参照モデルが
図4に示される。
【0053】
図4の左側は、物理レイヤ、MACサブレイヤ、およびコンバージェンスサブレイヤの、データ、制御、管理の各プレーンを含む無線インターフェースの典型的な参照モデルを示す。これは、例えば、IEEE 802.22、IEEE 802.11af、あるいはECMA 392の無線インターフェースとすることができる。
図4の中間部分は、基地局管理機能部Aaを示す。
図4の右側はCE2を示す。
【0054】
典型的に、無線インターフェースは、基地局管理機能部Aaに対する管理インターフェースを提供するように実装される。
図4において、この無線インターフェースは、物理レイヤ、MACサブレイヤ、およびコンバージェンスサブレイヤに対応する、3つのサービスアクセスポイントPHY_ME_SAP、MAC_ME_SAP、CS_ME_SAPで表わされる。このサービスアクセスポイントは、無線インターフェースから情報を得るため、そして無線インターフェースの再構成を要求するために使われ得る。対応して、CE2は、これらのサービスアクセスポイントを使って、インターフェースAを実装することができる。
図4において、このインターフェースは、サービスアクセスポイントCOEX_MEDIA_SAPで表わされる。無線インターフェース管理サービスアクセスポイントPHY_ME_SAP、MAC_ME_SAP、CS_ME_SAPと、CEサービスアクセスポイントCOEX_MEDIA_SAPとの間の通信は、基地局管理機能部Aaを介してなされ得る。
【0055】
図3の展開例では、コグニティブ無線システムのそれぞれは、おのおのひとつのCMによってサービスを受けている。コグニティブ無線システムCRS1は、CM10によりサービスを受け、コグニティブ無線システムCRS2は、CM20によりサービスを受ける。これらのCMは、例えば汎用のコンピュータの内部で動作するソフトウエアと考えることができる。CE2とCM1との間のインターフェースB1は、IPベースのネットワーク、例えばインターネットを使って実現され得る。インターフェースB1の3つの適用例が、
図3に示されるB1_11、B1_12、B1_21である。
【0056】
インターフェースB1の例示的な実装を示す、CE2およびCM1の例示的な参照モデルが
図5に示される。
【0057】
インターフェースB1を介してCE2とCM1との間で交換される、共存に必要な情報および再構成コマンドは、送信のため、トランスポートレイヤ、例えばTCPに送られる。これは、CE2、CM1のCOEX_TR_SAPサービスアクセスポイントを介してなされる。
【0058】
図3の展開例では、ひとつの共存発見サーバ4によっていくつかのCMがサービスを受ける。共存発見サーバ4は、例えば汎用のコンピュータ内で動作するソフトウエアと考えることができる。CM1と共存発見サーバ4との間のインターフェースB2は、IPベースのネットワーク、例えばインターネットを使って実現され得る。インターフェースB2の2つの適用例が、
図3に示されているB2_1、B2_2である。
【0059】
インターフェースB2の例示的な実装を示す、CM1および共存発見サーバ4の例示的な参照モデルが
図6に示される。
【0060】
インターフェースB2を介してCM1と共存発見サーバ4との間で交換される情報は、送信のため、トランスポートレイヤ、例えばTCPに送られる。これは、CM1および共存発見サーバ4のCOEX_TR_SAPサービスアクセスポイントを介してなされる。
【0061】
図3の展開例では、ひとつの共存情報サーバ5によっていくつかのCMがサービスを受ける。共存情報サーバ5は、例えば汎用のコンピュータの内部で動作するソフトウエアと考えることができる。CM1と共存発見サーバ4との間のインターフェースB4は、IPベースのネットワーク、例えばインターネットを使って実現され得る。インターフェースB4の2つの適用例が、
図3に示されているB4_1、B4_2である。
【0062】
インターフェースB4の例示的な実装を示す、CM1および共存情報サーバ5の例示的な参照モデルが
図7に示される。
【0063】
インターフェースB4を介してCM1と共存情報サーバ5との間で交換される情報は、送信のため、トランスポートレイヤ、例えばTCPに送られる。これは、CM1および共存情報サーバ5のCOEX_TR_SAPサービスアクセスポイントを介して行われる。
【0064】
CM1は、共存のための決定を行うために、そのコグニティブ無線システムが置かれる位置でのその動作に利用できるTVチャンネルに関する情報を必要とする。この情報は、インターフェースCを使ってTVホワイトデータベース6から得られる。
図3の展開例では、インターフェースCの2つのオプションを示す。ひとつは、CM1とTVホワイトスペースデータベース6との間に設けられ、別のものは、共存情報サーバ5とTVホワイトスペースデータベース6との間に設けられる。後者では、CM1は、TVホワイトスペースデータベース6から、共存情報サーバ5を介して情報を得る。
【0065】
インターフェースCの例示的な実装を示す、共存情報サーバ5の例示的な参照モデルが
図8に示される。
【0066】
インターフェースCの例示的な実装を示す、CM1の例示的な参照モデルが
図9に示される。
【0067】
インターフェースCを介して交換される、CM1または共存情報サーバ5と、TVホワイトスペースデータベース6との間の情報は、送信のため、トランスポートレイヤ、例えばTCPに送られる。これは、CM1および共存情報サーバ5のCOEX_TR_SAPサービスアクセスポイントを介して行われる。
【0068】
図3の展開例では、異なるCMが異なるコグニティブ無線システムにサービス提供を行う。これらのコグニティブ無線システムは、共存のために必要な情報の交換を必要とする可能性がある。この情報を交換するひとつの方法は、上記のように共存情報サーバ5を経由することである。もうひとつの方法が、CM1間のインターフェースB3を使うものである。
【0069】
インターフェースB3の例示的な実装を示す、CM1の例示的な参照モデルが
図10に示される。
【0070】
インターフェースB3を介して交換される、異なるCM1間の情報は、送信のため、トランスポートレイヤ、例えばTCPに送られる。これは、CMのCOEX_TR_SAPサービスアクセスポイントを介して行われる。
【0071】
図11は、共存マネージャ1、共存発見サーバ4、および共存情報サーバ5の参照モデルを要約し示している。
【0072】
これらの機器のそれぞれは、ひとつのCOEX_TR_SAPサービスアクセスポイントを有する。このサービスアクセスポイントは、下にあるレイヤからトランスポートサービスを受けるため使われる。このレイヤは、
図5ないし
図10に示されるようなトランスポートレイヤには限られない。下にあるレイヤは、アプリケーションレイヤ、トランスポートレイヤ、ネットワークレイヤ、リンクレイヤとすることもできる。
【0073】
図12は、共存実現器2の参照モデルを要約し示している。
【0074】
共存実現器2は、ひとつのCOEX_TR_SAPサービスアクセスポイントとひとつのCOEX_MEDIA_SAPサービスアクセスポイントとを有する。COEX_TR_SAPサービスアクセスポイントは、下にあるレイヤからトランスポートサービスを受けるために使われる。このレイヤは、
図5に示されるトランスポートレイヤに限られない。下にあるレイヤは、アプリケーションレイヤ、トランスポートレイヤ、ネットワークレイヤ、リンクレイヤとすることもできる。COEX_MEDIA_SAPサービスアクセスポイントは、例えば
図4に示されるように、(共存に必要な情報を得る目的で)情報サービスを受けるため、また、(共存のための決定に相当する再構成を要求する目的で)無線機のインターフェースから再構成サービスを受けるため使われる。
【0075】
提案方法の例示的な実現を、
図3を参照して以下説明する。
図3に示す展開例では、2つのコグニティブ無線システムCRS1、CRS2が互いに共存を必要とする。
【0076】
コグニティブ無線システムCRS1、CRS2は互いの発見を行う。CRS1にサービス提供を行うCM10は、インターフェースB2_1を介して共存発見サーバにアクセスし、CRS1を登録する。CRS2にサービス提供を行うCM20は、インターフェースB2_2を介して共存発見サーバにアクセスし、CRS2を登録する。この目的のため、共存発見サーバ4は、既知のネットワークアドレス、例えばIPまたはHTTPのアドレスを持っている。
【0077】
登録のため、CM10は、そのネットワークアドレス、CRS1識別子、およびCRS1位置を、共存発見サーバ4に提供する。CM20は、そのネットワークアドレス、CRS2識別子、およびCRS2位置を、共存発見サーバ4に提供する。
【0078】
CRS1にサービス提供を行うCM10は、インターフェースB2_1を介して共存発見サーバ4にアクセスし、このCRS1と共存を必要とすべき近隣のコグニティブ無線システムに関する情報(存在情報)を得る。結果として、CM10は、CRS2に関する情報を受け取る。この情報は、CRS2識別子、CM20ネットワークアドレスを含む。この情報を用いて、CM10は、共存のため、CM20にアクセスすることができる。
【0079】
CRS2にサービス提供を行うCM20は、インターフェースB2_2を介して共存発見サーバ4にアクセスし、このCRS2と共存を必要とすべき近隣のコグニティブ無線システムに関する情報を得る。結果として、CM20は、CRS1に関する情報(存在情報)を受け取る。この情報は、CRS1識別子、CM10ネットワークアドレスを含む。この情報を用いて、CM20は、共存のため、CM10にアクセスすることができる。
【0080】
コグニティブ無線システムCRS1、CRS2は、共存に必要な情報を得る。CE11は、インターフェースA_11を介して、CRS1の、再構成可能な無線機RR11から構成情報を得る。この情報は、基地局BS11からの情報には限られず、端末T11、T12からの情報を含んでもよい。CRS1の、再構成可能な無線機RR11からの情報は、スペクトラムセンシング情報、位置情報、送信電力情報、動作周波数および帯域幅の情報、動作無線アクセス技術情報、再構成能力を含み得る。CE12は、同様に、インターフェースA_12を介して、CRS1の、再構成可能な無線機RR12から情報を得る。CE11は、再構成可能な無線機RR11から得られたこの情報を、インターフェースB1_11を介してCM1に提供する。CE12は、再構成可能な無線機RR12から得られた情報を、インターフェースB1_12を介してCM10に提供する。
【0081】
CE21は、同様に、インターフェースA_21を介して、CRS2の、再構成可能な無線機RR21から構成情報を得る。CE21は、再構成可能な無線機RR21から得られたこの情報を、インターフェースB1_21を介してCM20に提供する。
【0082】
CM10は、TVホワイトスペースデータベース6から情報を得る。CM10は、インターフェースC_1経由で直接にこの情報を得ることができ、または、インターフェースB4_1経由で共存情報サーバ5を介してこの情報を得ることができる。共存情報サーバ5では、インターフェースCを介してTVホワイトスペースデータベース6から情報を得ることができる。TVホワイトスペースデータベース6からの情報は、CRS1が置かれている位置でその動作に利用できるTVチャンネルに関する情報を含む。
【0083】
CM20は、同様に、TVホワイトスペースデータベース6から情報を得る。TVホワイトスペースデータベース6からの情報は、CRS2が置かれている位置でその動作に利用できるTVチャンネルに関する情報を含む。
【0084】
コグニティブ無線システムCRS1、CRS2は、共存に必要な情報を互いの間で交換することができる。このような情報交換は、CM10とCM20との間のインターフェースB3を介して直接に行うことができる。また、この情報交換は、共存情報サーバ5を介して行うこともできる。この場合、CM10は、インターフェースB4_1を介して、CRS1に関する情報(構成情報)を共存情報サーバ5に提供する。CM20は、インターフェースB4_2を介して、CRS2に関する情報(構成情報)を共存情報サーバ5に提供する。CM10は、共存情報サーバ5からCRS2に関する情報を、インターフェースB4_1を介して得る。CM20は、共存情報サーバ5からCRS1に関する情報を、インターフェースB4_2を介して得る。
【0085】
コグニティブ無線システムCRS1、CRS2は、得られた各情報に基づき、共存のための決定を行う。共存のためのこの決定は、CRS1においてはCM10によってなされ、CRS2においてはCM20によってなされる。
【0086】
CM10によってなされるCRS1に対する、共存のための決定は、送信電力を変更するという決定、動作周波数を変更するという決定、動作帯域幅を変更するという決定、無線アクセス技術を変更するという決定、送信スケジュールを変更するという決定のうち少なくともひとつの決定を含むとすることができる。決定は、再構成コマンドとして反映される。
【0087】
CM20によってなされるCRS2に対する、共存のための決定は、送信電力を変更するという決定、動作周波数を変更するという決定、動作帯域幅を変更するという決定、無線アクセス技術を変更するという決定、送信スケジュールを変更するという決定のうち少なくともひとつの決定を含むとすることができる。決定は、再構成コマンドとして反映される。
【0088】
共存のための決定を行う間は、CM10、CM20は、インターフェースB3を介して互いに交信することができる。
【0089】
以上、実施形態を説明したが、有用性のある実施形態は上記説明のものに限られるわけではない。