特許第5674105号(P5674105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星電子株式会社の特許一覧

特許5674105無線通信システムにおけるアイドルモード端末の短文メッセージの送信を支援するための方法及び装置
<>
  • 特許5674105-無線通信システムにおけるアイドルモード端末の短文メッセージの送信を支援するための方法及び装置 図000004
  • 特許5674105-無線通信システムにおけるアイドルモード端末の短文メッセージの送信を支援するための方法及び装置 図000005
  • 特許5674105-無線通信システムにおけるアイドルモード端末の短文メッセージの送信を支援するための方法及び装置 図000006
  • 特許5674105-無線通信システムにおけるアイドルモード端末の短文メッセージの送信を支援するための方法及び装置 図000007
  • 特許5674105-無線通信システムにおけるアイドルモード端末の短文メッセージの送信を支援するための方法及び装置 図000008
  • 特許5674105-無線通信システムにおけるアイドルモード端末の短文メッセージの送信を支援するための方法及び装置 図000009
  • 特許5674105-無線通信システムにおけるアイドルモード端末の短文メッセージの送信を支援するための方法及び装置 図000010
  • 特許5674105-無線通信システムにおけるアイドルモード端末の短文メッセージの送信を支援するための方法及び装置 図000011
  • 特許5674105-無線通信システムにおけるアイドルモード端末の短文メッセージの送信を支援するための方法及び装置 図000012
  • 特許5674105-無線通信システムにおけるアイドルモード端末の短文メッセージの送信を支援するための方法及び装置 図000013
  • 特許5674105-無線通信システムにおけるアイドルモード端末の短文メッセージの送信を支援するための方法及び装置 図000014
  • 特許5674105-無線通信システムにおけるアイドルモード端末の短文メッセージの送信を支援するための方法及び装置 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674105
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおけるアイドルモード端末の短文メッセージの送信を支援するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/14 20090101AFI20150205BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20150205BHJP
   H04W 76/02 20090101ALI20150205BHJP
【FI】
   H04W4/14
   H04M1/00 R
   H04W76/02
【請求項の数】15
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2010-210839(P2010-210839)
(22)【出願日】2010年9月21日
(65)【公開番号】特開2011-71983(P2011-71983A)
(43)【公開日】2011年4月7日
【審査請求日】2013年9月4日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0089414
(32)【優先日】2009年9月22日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2009-0104173
(32)【優先日】2009年10月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】姜 賢貞
(72)【発明者】
【氏名】孔 棟建
(72)【発明者】
【氏名】李 知徹
(72)【発明者】
【氏名】元 鍾衒
(72)【発明者】
【氏名】▲都▼ 京泰
(72)【発明者】
【氏名】李 成眞
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−502891(JP,A)
【文献】 特表2002−509385(JP,A)
【文献】 "Short Data Burst Support for MSS in Sleep Mode",IEEE C802.16e-04/299r2,2004年 8月30日,URL,http://www.ieee802.org/16/tge/contrib/C80216e-04_299r2.pdf
【文献】 "Proposed Text on L2 Short Messaging Service for AWD (AWD-15.2.6)",IEEE C802.16m-09/1585,2009年 7月 6日,URL,http://grouper.ieee.org/groups/802/16/tgm/contrib/C80216m-09_1585.doc
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/14
H04M 1/00
H04W 76/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける短文メッセージサービス(Short Message Service:SMS)を支援するための端末の動作方法であって、
アイドルモード(Idle Mode)でレンジング応答メッセージを介して基地局から短文メッセージを受信する過程と、
前記基地局から短文メッセージを受信する際、タイマーを始める過程と、ここで、前記レンジング応答メッセージは識別子を利用して前記基地局から伝送され、
前記タイマーが動作する間に、前記短文メッセージに対するACK(ACKnowledge)メッセージを送信するためのアップリンク資源割り当てを待機する過程と、
前記識別子を基盤にして、前記ACKメッセージを送信するためのアップリンク資源を決定する過程と、
前記アップリンク資源を利用して前記ACKメッセージを送信する過程とを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
無線通信システムにおける短文メッセージサービスを支援するための基地局の動作方法であって、
レンジング応答メッセージを介して短文メッセージを送信する過程と、ここで、前記レンジング応答メッセージは識別子を利用して前記基地局から伝送され、
前記短文メッセージを送信した後、タイマーを始める過程と、
前記タイマーが動作する間に、前記識別子を基盤にして、前記短文メッセージに対するACKメッセージを送信するためのアップリンク資源を割り当てる過程と、
前記短文メッセージに対するACKメッセージ受信する過程とを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
無線通信システムにおける短文メッセージサービスを支援するための端末装置であって、
アイドルモードでレンジング応答メッセージを介して基地局から短文メッセージを受信する受信部と、ここで、前記レンジング応答メッセージは識別子を利用して前記基地局から伝送され、
前記基地局から短文メッセージを受信する際、タイマーを始め、
前記タイマーが動作する間に、前記短文メッセージに対するACKメッセージを送信するためのアップリンク資源割り当てを待機するとともに、前記識別子を基盤にして前記ACKメッセージを送信するためのアップリンク資源を決定する制御部と、
前記アップリンク資源を利用して前記ACKメッセージを送信する送信部とを備える
ことを特徴とする装置。
【請求項4】
無線通信システムにおける短文メッセージサービスを支援するための基地局装置であって、
レンジング応答メッセージを介して短文メッセージを送信する送信部と、ここで、前記レンジング応答メッセージは識別子を利用して基地局から伝送され、
前記短文メッセージを送信した後、タイマーを始め、
前記タイマーが動作する間に、前記識別子を基盤にして前記短文メッセージに対するACKメッセージを送信するためのアップリンク資源を割り当てる制御部と、
前記短文メッセージに対するACKメッセージを受信する受信部とを備える
ことを特徴とする装置。
【請求項5】
前記アイドルモードでレンジングメッセージを介して基地局から短文メッセージ受信する過程は、
前記基地局からページング聴取区間にページングメッセージを介して短文メッセージを受信するための位置登録更新手順要求を受信する過程と、
前記基地局にレンジングコードを送信して、前記レンジングコードに対する応答を受信する過程と、
前記基地局にレンジング要請メッセージを送信する過程と、
前記基地局から前記短文メッセージを含んだレンジング応答メッセージを受信する過程とを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記レンジング応答メッセージを介して短文メッセージを送信する過程は、
端末にページング聴取区間にページングメッセージを介して短文メッセージを受信するための位置登録更新手順要求を送信する過程と、
前記端末からレンジングコードを受信して、前記レンジングコードに対する応答を送信する過程と、
前記端末からレンジング要請メッセージを受信した後、前記端末に前記短文メッセージを含んだレンジング応答メッセージを送信する過程とを含む
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記レンジング要請メッセージは、短文メッセージ情報のための位置更新登録手順である
ことを指示する情報を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記レンジング応答メッセージは、短文メッセージ情報のための位置更新登録手順成功を指示する情報を含む
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
【請求項9】
前記アップリンク資源は、CDMA Allocation A−MAP IEである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記アップリンク資源割り当てをデコードするための識別子は、
前記レンジング応答メッセージに含まれるか、又は
前記アイドルモードで用いられる端末識別子に基づいて構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ACKメッセージのMACヘッダに含まれるFID(Flow IDentifier)は、
前記レンジング応答メッセージを介して基地局から受信するか、又は
前記短文メッセージの受信応答のために予め定義されたFIDである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項12】
前記タイマーが満了すると、前記アイドルモードに遷移する過程をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記受信部は、前記基地局からページング聴取区間にページングメッセージを介して短文メッセージを受信するための位置登録更新手順要求を受信し、前記基地局にレンジングコードを送信して、前記レンジングコードに対する応答を受信し、前記基地局から前記短文メッセージを含んだレンジング応答メッセージを受信し、
前記送信部は、前記基地局にレンジング要請メッセージを送信する
ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項14】
前記送信部は、
端末にページング聴取区間にページングメッセージを介して短文メッセージを受信するための位置登録更新手順要求を送信し、レンジングコードに対する応答を送信し、前記端末に前記短文メッセージを含んだレンジング応答メッセージを送信し、
前記受信部は、前記端末から前記レンジングコードを受信し、前記端末からレンジング要請メッセージを受信する
ことを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項15】
前記レンジング応答メッセージは、端末から前記基地局に送られたレンジング要請メッセージに対する応答であって、前記レンジング要請メッセージに含まれる、短文メッセージ情報のための位置更新登録手順遂行であることを知らせる指示子は、前記レンジング要請メッセージのフィールドであるRanging purpose indicatorの1ビットを用いる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、さらに詳細には、アイドルモード端末を支援する無線通信システムにおける短文メッセージを送信するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代通信システムである第4世帯(4th Generation;以下、4Gとする)通信システムでは、約100Mbpsの送信速度を有する多様なサービスをユーザに提供するための研究及び商用化が進められている。特に、現在4G通信システムでは、無線近距離通信ネットワーク(Local Area Network;以下、LANとする)システム及び無線メトロポリタンエリアネットワーク(Metropolitan Area Network;以下、MANとする)システムのような広帯域無線アクセス(Broadband Wireless Access;BWA)通信システムに対して移動性とQoSとを保障する形態で高速サービスを支援するための研究が盛んに行われており、その代表的な通信システムがIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.16通信システムである。
【0003】
前記IEEE 802.16通信システム規格によれば、端末(Mobile Station)は、一定時間の間に送受信するトラフィックが存在しない場合、アイドルモード(idle mode)で動作して電力消費を最小化する。前記端末は、アイドルモードでページング聴取区間(paging listening interval)の間に起動して(wake up)ページングメッセージを受信する。前記ページングメッセージには、前記アイドルモードの端末に伝達されるダウンリンクデータが存在し、前記アイドルモードから接続モード(connected state)に遷移するようにネットワーク再進入動作を行うことを指示するか、又は前記アイドルモードの端末に位置登録更新(location update)を行うことを指示する等の情報を含む。前記ダウンリンクデータは、前記アイドルモード端末に送信する短文メッセージ情報を含み、前記端末への短文メッセージが前記基地局で待機している場合に、前記基地局は、ページングメッセージを用いて前記端末がネットワーク再進入動作を行うように指示しなければならない。
【0004】
一方、IEEE 802.16m通信システムでは、前記アイドルモードの端末に短文メッセージを送信しなければならない場合には、前記端末がアイドルモードから接続モードへの遷移手順無しで前記短文メッセージを受信することができる方案を提供する。前記IEEE 802.16m通信システムに定義された前記アイドルモード端末への短文メッセージの送信を支援する手順を、図1を参照して説明する。
【0005】
図1は、無線通信システムにおける基地局からアイドルモード端末への短文メッセージの送信を示している。
【0006】
前記図1に示すように、端末100がアイドルモードのページング非聴取区間動作を行う途中(ステップ101)、前記基地局150に前記端末100への短文メッセージが到達する(ステップ103)。ステップ105にて前記端末100のページング聴取区間動作が行われ、ステップ107にて前記基地局150は、前記端末100の情報を含むページングメッセージを送信する。前記ステップ107のページングメッセージは、前記端末100に位置登録更新手順を行うように指示する情報を含む。前記ステップ107にて位置登録更新手順遂行指示情報を含むページングメッセージを受信した前記端末100は、前記基地局にレンジングコードを送信する(ステップ109)。前記端末100は、前記ステップ109にて前記基地局150から送信されたレンジングコードに対する応答メッセージを受信する(ステップ111)。前記端末100は、前記基地局150に位置更新登録手順遂行であることを知らせる指示子を含むレンジング要請メッセージを送信する(ステップ113)。前記端末100から前記ステップ113のレンジング要請メッセージを受信した後、前記基地局150は、前記短文メッセージ情報を含むレンジング応答メッセージを送信する(ステップ115)。
【0007】
前記図1を参照して説明したIEEE 802.16mでアイドルモード端末に短文メッセージを送信する方案では前記レンジング手順に使用するレンジングメッセージを活用するが、前記レンジング手順と前記短文メッセージを結合する方案では前記アイドルモード端末の処理を複雑にするという点から、前記レンジング手順と関係なく前記アイドルモード端末に短文メッセージを送信する方案の必要性が台頭し始めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2006−0043533号公報
【特許文献2】韓国公開特許第10−2010−0035578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、アイドルモードにある端末の短文メッセージ送信処理方案を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的を達成するために、本発明の第1見地によれば、無線通信システムにおける短文メッセージサービス(Short Message Service:SMS)を支援するための端末の動作方法であって、アイドルモード(Idle Mode)でレンジングメッセージを介して基地局から短文メッセージを受信する過程と、前記基地局から短文メッセージを受信した場合に、タイマーを開始する過程と、前記タイマーが動作する間に、前記短文メッセージに対するACK(ACKnowledge)メッセージを前記基地局に送信するためのアップリンク資源割り当てを待つ過程と、前記ACKメッセージを送信するためのアップリンク資源が前記基地局によって割り当てられた場合に、前記アップリンク資源を利用して前記ACKメッセージを前記基地局に送信する過程とを含む。
【0011】
また、上述の目的を達成するために、本発明の第2見地によれば、無線通信システムにおける短文メッセージサービスを支援するための基地局の動作方法であって、前記レンジングメッセージを介して短文メッセージを端末に送信する過程と、前記短文メッセージを前記端末に送信した後に、タイマーを開始する過程と、前記タイマーが動作する間に、前記端末が前記短文メッセージに対するACKメッセージを前記端末に送信するためのアップリンク資源を割り当てるとともに、前記短文メッセージに対するACKメッセージを前記端末から受信する過程とを含むことを特徴とする。
【0012】
また、上述の目的を達成するために、本発明の第3見地によれば、無線通信システムにおける短文メッセージサービスを支援するための端末装置であって、アイドルモードでレンジングメッセージを介して基地局から短文メッセージを受信する受信部と、前記基地局から短文メッセージを受信した場合に、タイマーを開始するとともに、前記タイマーが動作する間に、前記短文メッセージに対するACKメッセージを前記基地局に送信するためのアップリンク資源割り当てを待つ制御部と、前記ACKメッセージを送信するためのアップリンク資源が前記基地局によって割り当てられた場合に、前記アップリンク資源を利用して前記ACKメッセージを前記基地局に送信する送信部とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、上述の目的を達成するために、本発明の第4見地によれば、無線通信システムにおける短文メッセージサービスを支援するための基地局装置であって、前記レンジングメッセージを介して短文メッセージを端末装置に送信する送信部と、前記短文メッセージを前記端末装置に送信した後に、タイマーを開始するとともに、前記タイマーが動作する間に、前記端末装置が前記短文メッセージに対するACKメッセージを前記基地局に送信するためのアップリンク資源を割り当てる制御部と、前記短文メッセージに対するACKメッセージを前記端末装置から受信する受信部とを備えることを特徴とする。
【0014】
また、上述の目的を達成するために、本発明の第5見地によれば、無線通信システムにおける短文メッセージサービス(Short Message Service:SMS)を処理するための端末の動作方法であって、アイドルモードで送信すべき短文メッセージが発生した場合に、タイマーを駆動して前記短文メッセージの送信に必要なアップリンク資源割り当てを基地局から受信する過程と、前記基地局によって割り当てられたアップリンク資源を利用して短文メッセージを前記基地局に送信する過程と、前記短文メッセージに対するACKメッセージを前記基地局から受信する過程とを含むことを特徴とする。
【0015】
また、上述の目的を達成するために、本発明の第6見地によれば、無線通信システムにおける短文メッセージサービスを処理するための基地局の動作方法であって、短文メッセージの送信に必要なアップリンク資源を割り当てるとともに、タイマーを駆動する過程と、前記タイマーを駆動する間に、前記短文メッセージを端末から受信したか否かを確認する過程と、前記短文メッセージを前記端末から受信した場合に、前記タイマーを中止するとともに、前記短文メッセージに対するACKメッセージを前記端末に送信する過程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、無線通信システムにおいてアイドルモードの端末に短文メッセージを送信するための方案、及びアイドルモード端末から短文メッセージを送信するための方案を提供することによって、アイドルモードと接続モードとの間で不必要な状態遷移をせずにデータを送信することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】無線通信システムにおける基地局からアイドルモード端末への短文メッセージの送信を示す図である。
図2】本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、アイドルモード端末に短文メッセージを送信する場合の基地局と端末との間の信号フローチャートである。
図3】本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、アイドルモード端末が短文メッセージを送信する場合の基地局と端末との間の信号フローチャートである。
図4】本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、アイドルモードで短文メッセージを受信する端末の動作フローチャートである。
図5】本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、アイドルモードの端末に短文メッセージを送信する基地局の動作フローチャートである。
図6】本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、アイドルモードで短文メッセージを送信する端末の動作フローチャートである。
図7】本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、アイドルモードの端末から短文メッセージを受信する基地局の動作フローチャートである。
図8】本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、アイドルモードの端末から短文メッセージを送受信するための装置図である。
図9】本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、短文メッセージに対する受信応答を処理する端末の動作フローチャートである。
図10】本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、短文メッセージに対する受信応答を処理する基地局の動作フローチャートである。
図11】本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、短文メッセージを処理する端末の動作フローチャートである。
図12】本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、短文メッセージを処理する基地局の動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付された図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明を説明するに当たって、関連した公知機能あるいは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を不明にするおそれがあると判断された場合には、その詳細な説明を省略する。そして、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であり、これは、ユーザ、運用者の意図又は慣例などによって変わりうる。したがって、その定義は、本明細書全般にわたる内容に基づいて行わなければならない。
【0019】
以下、本発明は、無線通信システム(例:IEEE 802.16mシステム)におけるアイドルモード端末への短文メッセージ送信及びアイドルモード端末からの短文メッセージの送信を支援するための方法、並びに装置について説明する。
【0020】
図2は、本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、アイドルモード端末に短文メッセージを送信する場合の基地局と端末との間の信号フローを示している。
【0021】
前記図2に示すように、前記端末200は、ステップ201にてアイドルモードのページング非聴取区間動作を行う途中、ステップ205にて前記アイドルモードのページング聴取区間に遷移する。一方、前記基地局250は、ステップ203にて前記アイドルモードにある前記端末200に送信する短文メッセージ(Short Message Service:SMS)の発生を認知し、ステップ207にてページング聴取区間動作を行う前記端末200の情報を含むページングメッセージを送信する。前記ページングメッセージは、前記端末200に位置登録更新手順を行うことを指示する情報を含む。ここで、前記位置登録更新手順を行う指示は、一般的な位置登録更新手順を行う指示情報に該当するが、短文メッセージを受信するための位置登録更新手順を行えという指示情報を別途に定義する場合には、このような指示情報を前記ステップ207のページングメッセージに含めてもよい。
【0022】
前記端末200は、ステップ209にて前記基地局250へレンジングコードを送信し、ステップ209にて前記基地局250からレンジングコード応答メッセージを受信する。前記端末200は、ステップ213にて前記基地局250に位置更新登録手順遂行を知らせる指示子を含むレンジング要請メッセージを送信する。一方、前記端末200が前記ステップ207のページングメッセージを介して短文メッセージ送信情報を既に知っている場合には、前記ステップ213にて送信するレンジング要請メッセージに短文メッセージ情報のための位置更新登録手順遂行であることを知らせる指示子を含めることができる。
【0023】
前記レンジング要請メッセージに含まれる、短文メッセージ情報のための位置更新登録手順遂行であることを知らせる指示子は、前記レンジング要請メッセージのフィールドであるRanging purpose indicatorの1ビットを用いることができる。
【0024】
【表1】
【0025】
「Ranging Purpose Indicator」のbit#0が1にセットされた場合、serving BSIDと結合してBSIDは、端末が現在HOを試みていることを表し、bit#1が1にセットされた場合、Paging Controller IDと結合して端末は、アイドルモードから基地局へネットワーク再進入を試みていることを表し、bit#2が1にセットされた場合、現在端末が用意したハンドオーバを試みていることを表し、Bit#3が1にセットされた場合、MSがIdle Mode Location Update processを行うことを表す。そして、Bit#4が1にセットされた場合、緊急呼処理(emergency call process)の端末動作を表す。最後に、Bit#5が1にセットされた場合、短文メッセージサービスのためのIdle Mode Location Update processを始めていることを表す。
【0026】
以後、前記端末200は、ステップ215にて前記基地局250から前記レンジング要請メッセージに対する応答としてレンジング応答メッセージを受信する。前記レンジング応答メッセージは、前記端末200に短文メッセージ情報のための位置更新登録手順であることを知らせる指示子を含む。前記短文メッセージ情報のための位置更新登録手順であることを知らせる指示子は、前記端末200の位置登録更新手順遂行に対する応答として前記端末200が受信する短文メッセージがあることを知らせる。
【0027】
前記レンジング応答メッセージに含む短文メッセージ情報のための位置更新登録手順であることを知らせる指示子は、前記レンジング応答メッセージのフィールドであるLocation update responseの1ビットを活用できる。
【0028】
【表2】
【0029】
また、前記レンジング応答メッセージは、前記端末200が短文メッセージを受信するために使用する端末識別子(STationI Dentifier:STID)を含む。
【0030】
以後、前記端末200は、ステップ217にて前記基地局250から前記短文メッセージ情報を含むL2送信メッセージを受信する。前記L2送信メッセージは、前記ステップ215にて受信したSTID情報を利用してエンコードされており、前記L2送信メッセージのヘッダには、primary connectionに該当するフロー識別子(以下、FID(Flow IDentifier)とする)が含まれる。前記端末200は、ステップ219にて前記短文メッセージ情報を含むL2送信メッセージを受信した後、前記基地局250にACKメッセージを送信する。以後、前記端末200は、ステップ221にてアイドルモード動作を行う。前記基地局250は、前記端末200からACKメッセージを受信した後、前記端末200に割り当てたSTIDとprimary connectionとを解除し、前記端末200をアイドルモード端末として管理する。
【0031】
図3は、本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、アイドルモード端末が短文メッセージを送信する場合の基地局と端末との間の信号フローチャートを示している。
【0032】
前記図3に示すように、ステップ301にてアイドルモード動作を行う途中、前記端末300は、ステップ303にてアップリンクに送信する短文メッセージがバッファにあることを認知する。前記端末300は、ステップ305にて前記短文メッセージを送信するために、前記基地局350への接続のためにレンジングコードを送信する。以後、前記端末300は、ステップ307にて前記基地局350から送信したレンジングコードに対するレンジングコード応答メッセージを受信する。前記端末300は、ステップ309にて前記基地局350にレンジング要請メッセージを送信する。前記レンジング要請メッセージは、短文メッセージを送信するための位置更新手順を行うことを知らせる指示子を含み、前記レンジング要請メッセージに含んだ前記指示子は、前記表1のように表すことができる。前記短文メッセージを送信するための位置更新手順を行うことを知らせる指示子を含んだ前記レンジング要請メッセージを受信した前記基地局350は、ステップ311にて前記端末300にレンジング応答メッセージを送信する。前記ステップ311にて送信する前記レンジング応答メッセージは、前記表2のような構造を有する短文メッセージを送信するための位置更新手順遂行を知らせる指示子を含む。前記位置更新手順遂行を知らせる指示子は、前記位置更新手順を行うことを知らせる指示子に対する応答であって、前記基地局350は、端末が送信する短文メッセージを受信する用意を知らせる。
【0033】
また、前記端末300が前記短文メッセージを送信するのに使用するSTID(端末識別子)を前記レンジング応答メッセージを介して送信する。前記端末300は、ステップ313にて前記基地局350へ短文メッセージ情報を含むL2送信メッセージを送信する。前記端末300は、前記L2送信メッセージを送信するとき、前記ステップ311にて受信したSTID及びprimary connectionに該当するFIDを利用する。また、ここで、前記L2送信メッセージを送信するために、前記端末300は、前記基地局350からアップリンク帯域を割り当てなければならないが、このとき、前記STIDとprimary connectionに該当するFIDを利用する。前記基地局350は、前記端末300から前記短文メッセージ情報を含むL2送信メッセージを受信した後、ステップ315にて前記端末300にACKメッセージを送信する。前記端末300は、前記ACKメッセージを受信した後、ステップ317に進んでアイドルモード動作を行い続ける。前記ステップ317にて前記基地局350は、前記端末300の短文メッセージを送信するために割り当てたSTID及びprimary connectionに該当するFIDを解除した後、前記端末300をアイドルモード端末として管理し続ける。
【0034】
図4は、本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、アイドルモードで短文メッセージを受信する端末の動作を示す。
【0035】
前記図4に示すように、前記端末は、ステップ401にてアイドルモードのページング非聴取区間に存在する。前記端末は、ステップ403にてページング聴取区間へ遷移する時点であるか否かを確認し、前記ページング聴取区間に遷移する場合、ステップ405に進んで前記ページング聴取区間でページングメッセージを受信する。前記ステップ403の判断の結果、ページング聴取区間に遷移する時点でないと、ステップ401のページング非聴取区間を維持する。
【0036】
以後、前記端末は、ステップ407にて前記ページングメッセージに該当情報が含まれているか否かを判断し、前記ページングメッセージに該当情報が含まれていない場合、前記ステップ401に進む。前記ステップ407の判断の結果、前記ページングメッセージに前記端末の情報が含まれているとき、前記端末は、ステップ409に進んで前記端末の情報がネットワーク再進入指示であるか否かを判断する。前記ステップ409にてネットワーク再進入指示を受信すると、前記端末は、ステップ411にてネットワーク再進入手順を行い、ステップ413にてアイドルモードを終了する。前記ステップ411にて行うネットワーク再進入手順は、前記端末が前記基地局とレンジング手順を行うことから始まる。ただし、前記ネットワーク再進入手順は、本発明とは直接関係がないので詳細な説明は省略する。
【0037】
これに対し、ネットワーク再進入指示ではないとき、前記端末は、ステップ415にて前記端末情報が位置登録更新遂行を指示しているか否かを判断する。前記ステップ415にて前記端末の位置登録更新手順遂行を指示するとき、前記端末は、ステップ417にて前記基地局へのコード基盤のレンジング手順を行う。前記レンジング手順は、前記図2のステップ209〜ステップ211に該当する。前記端末は、ステップ419にて前記基地局へレンジング要請メッセージを送信し、前記レンジング要請メッセージには前記端末が位置登録更新手順を行うことを知らせる情報を含む。このとき、前記表1の情報を含むことができる。以後、前記端末は、ステップ421にて前記基地局からレンジング応答メッセージを受信し、ステップ423にて前記レンジング応答メッセージに短文メッセージ指示情報が含まれているか否かを判断する。前記ステップ423の短文メッセージ指示情報は、前記短文メッセージを送信するための位置登録更新遂行指示子であり、前記表2の情報に該当する。
【0038】
前記ステップ423の判断の結果、前記端末に短文メッセージが送信されるのを知らせる指示子が含まれている場合、前記ステップ421のレンジング応答メッセージは、前記端末が短文メッセージを受信するのに必要なSTID情報を含む。また、前記端末は、前記短文メッセージを受信するために、primary connectionが設定されており、前記primary connectionに該当するFIDを使用しうることを認知する。
【0039】
前記端末は、ステップ425にて前記短文メッセージ情報を含んだL2送信メッセージを受信する。前記L2送信メッセージは、前記STID及びprimary connectionに該当するFIDを利用してデコードできる。前記端末は、ステップ427にて前記基地局へACKメッセージを送信し、ステップ401に進んでアイドルモード動作を行い続ける。
【0040】
前記ステップ423の判断の結果、短文メッセージ情報指示子が含まれていない場合、前記端末は、前記ステップ401に進んでアイドルモード動作を行い続ける。
【0041】
前記ステップ415の判断の結果、前記端末の位置登録更新手順遂行が指示されていない場合、その他の定義された手順を行う(例:ステップ401に進む)。
【0042】
図5は、本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、アイドルモードの端末に短文メッセージを送信する基地局の動作を示す。
【0043】
前記図5に示すように、前記基地局は、ステップ501にてメッセージバッファにアイドルモードにある端末への短文メッセージが到着したことを認知する。前記基地局は、ステップ503にて前記端末のページング聴取区間に該当する時点まで待機する。前記基地局は、ステップ505にて前記端末のページング聴取区間で前記端末に位置登録更新手順を行うことを指示するページングメッセージを送信する。
【0044】
以後、前記基地局は、ステップ507にて前記端末の位置登録更新手順メッセージ(レンジング要請メッセージ)を受信するまで待機し、ステップ509にて前記端末から位置登録更新手順であることを指示する情報を含むレンジング要請メッセージを受信しているか否かを判断する。前記ステップ509にて前記端末から受信するレンジング要請メッセージは、前記表1の情報を含むことができる。前記基地局は、ステップ511にて前記レンジング要請メッセージに対する応答としてレンジング応答メッセージを送信する。前記レンジング応答メッセージは、前記端末に短文メッセージを送信することを指示する指示子(前記表2の情報)と前記端末のSTID情報とを含む。
【0045】
以後、前記基地局は、ステップ513にて前記端末に前記短文メッセージ情報を含むL2送信メッセージを送信する。前記基地局は、ステップ515にて前記端末からACKメッセージを受信し、ステップ517にて前記端末がアイドルモードに進んだことを認知する。
【0046】
図6は、本発明の他の実施例にかかる無線通信システムにおいて、アイドルモードで短文メッセージを送信する端末の動作を示す。
【0047】
前記図6に示すように、前記端末は、ステップ601にてアイドルモード状態にとどまる途中にステップ603にてバッファに短文メッセージが発生したか否かを判断する(すなわち、ユーザにより短文メッセージの入力がある場合)。前記ステップ603にて前記端末が送信する短文メッセージが存在すると判断された場合、ステップ605に進んで前記端末は、前記短文メッセージを送信するための位置登録更新手順を行うために、コード基盤のレンジング手順を行う。前記ステップ605は、前記図3のステップ305〜ステップ307に該当する。前記端末は、ステップ607にて短文メッセージを送信するための位置登録更新手順を行うことを知らせる指示情報を含むレンジング要請メッセージを送信する。前記短文メッセージを送信するための位置登録更新手順遂行を知らせる指示情報は、前記表1に該当する。前記端末は、ステップ609にて前記基地局からレンジング応答メッセージを受信する。前記レンジング応答メッセージは、前記表2に該当する短文メッセージを送信するための位置登録更新手順遂行を知らせる指示情報を含み、前記端末が前記短文メッセージ送信に使用するSTID情報を含む。前記端末は、ステップ611にて短文メッセージ情報を含むL2送信メッセージを送信する。このとき、前記端末は、前記L2送信メッセージを送信するためのアップリンク帯域要請/割り当て手順のために、前記ステップ609のレンジング応答メッセージに含まれたSTID及びprimary connectionFID情報を利用する。前記端末は、ステップ613にて前記基地局からACKメッセージを受信し、前記ステップ601に進んでアイドルモード動作を行い続ける。
【0048】
図7は、本発明の他の実施例にかかる無線通信システムにおいて、アイドルモードの端末から短文メッセージを受信する基地局の動作を示す。
【0049】
前記図7に示すように、前記基地局は、ステップ701にて短文メッセージを送信するための位置登録更新手順遂行であることを指示するレンジング要請メッセージを受信する。前記レンジング要請メッセージは、前記表1の情報を含む。前記基地局は、ステップ703の前記レンジング要請メッセージを送信した端末がアイドルモードにある端末であることを認知し、ステップ705にて前記端末に前記短文メッセージを送信するための位置登録更新手順遂行指示子を含むレンジング応答メッセージを送信する。前記指示子情報は、前記表2の情報に該当する。前記基地局は、前記端末が短文メッセージ送信に使用するSTID情報を前記レンジング応答メッセージに送信する。また、前記基地局は、前記端末が短文メッセージ情報を送信するprimary connectionを設定する。以後、前記基地局は、ステップ707にて前記端末から短文メッセージ情報を含んだL2送信メッセージを受信する。前記ステップ707の前に前記基地局は、前記端末が送信するL2送信メッセージのためのアップリンク帯域要請/割り当て手順を行うことができる。
【0050】
以後、前記基地局は、ステップ709にて前記端末にACKメッセージを送信し、ステップ711にて前記端末が再度アイドルモードの動作を行い続けることを認知する。前記ステップ711にて前記基地局は、前記ステップ705にて前記端末に割り当てたSTID及びprimary connectionを解除する。
【0051】
以上、図3図6及び図7の手順において前記端末と基地局との間の前記短文メッセージ情報を含むL2送信メッセージを送信するためのアップリンク帯域要請及び割り当て手順を行うことを仮定して説明した。一方、前記基地局は、前記端末が送信するレンジング要請メッセージを介して前記端末が短文メッセージ情報を含むL2送信メッセージを送信することが予め分かる。このとき、前記別途のアップリンク帯域要請及び割り当て手順無しで前記レンジング応答メッセージを介して前記L2送信メッセージを送信する帯域割り当て情報を共に送信することもできる。
【0052】
一方、アイドルモード端末に伝達する短文メッセージ及び一般的なダウンリンクデータが基地局に存在する場合、前記基地局は、前記アイドルモード端末のページング聴取区間でネットワーク再進入を指示するページングメッセージを送信する。以後、前記端末とのネットワーク再進入手順が完了すると、前記基地局は、前記端末に前記短文メッセージ及び一般的なダウンリンクデータを伝達する。反対に、アイドルモード端末が送信する短文メッセージ及び一般的なアップリンクデータが存在する場合、前記端末は、基地局へのネットワーク再進入手順を行い、以後、前記短文メッセージ及び一般的なアップリンクデータを送信する。上述の動作は、一般的なアイドルモードから接続状態(connected state)への遷移動作と異ならず、状態遷移の際に行うネットワーク再進入手順に従うようになる。
【0053】
図8は、本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、アイドルモードの端末から短文メッセージを送受信するための装置を示している。前記装置は、基地局あるいは端末でありうる。
【0054】
前記図8に示すように、前記装置は、RF処理器801、ADC803、OFDM復調器805、復号化器807、メッセージ処理部809、制御部811、メッセージ生成部817、符号化器819、OFDM変調器821、DAC(Digital to Analog Converter)823、RF処理器825を備えて構成される。ここで、RF処理器801とRF処理器825とは、TDD(Time Division Duplex)あるいはFDD(Frequency Division Duplex)モードで動作できる。例えば、TDDモードで動作する際、時間制御機829は、受信区間の間にスイッチ827を制御してRF処理器801を動作させ、送信区間の間にスイッチ827を制御してRF処理器825を動作させる。
【0055】
前記RF処理器401は、アンテナを介して受信されるRF(Radio Frequency)信号をベースバンドアナログ信号に変換する。ADC803は、前記RF処理器801からのアナログ信号をサンプルデータに変換して出力する。OFDM復調器805は、前記ADC803から出力されるサンプルデータをFFT(Fast Fourier Transform)して周波数領域のデータに変換し、前記周波数領域のデータから実際受信しようとする副搬送波のデータを選択して出力する。復号化器807は、前記OFDM復調器805からのデータを予め決まった変調水準(MCSレベル)に応じて復調(demodulation)及び復号(decoding)化して出力する。前記メッセージ処理部809は、前記復号化器807から入力される制御メッセージを分割して、その結果を制御部811に提供する。例えば、レンジング要請メッセージ、レンジング応答メッセージ、ページングメッセージなどを分割して、その結果を制御部811に提供する。
【0056】
前記制御部811は、前記メッセージ処理部809からの情報に対する該当処理を行い、また送信する情報を生成してメッセージ生成部817に提供する。前記メッセージ生成部817は、前記制御部811から提供された各種情報をもってメッセージを生成して、物理階層の符号化器819に出力する。例えば、レンジング要請メッセージ、レンジング応答メッセージ、ページングメッセージなどを生成して、物理階層の符号化器819に出力する。
【0057】
前記符号化器819は、前記メッセージ生成部817からのデータを予め決まった変調水準(MCSレベル)に応じて符号及び変調して出力する。OFDM変調器821は、前記符号化器819からのデータをIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)してサンプルデータ(OFDMシンボル)を出力する。DAC823は、前記サンプルデータをアナログ信号に変換して出力する。前記RF処理器825は、前記DAC823からのアナログ信号をRF(Radio Frequency)信号に変換してアンテナを介して送信する。
【0058】
上述した構成において、前記制御部811は、プロトコル制御部であって、前記メッセージ処理部809及び前記メッセージ生成部817を制御する。すなわち、前記制御部811は、前記メッセージ処理部809、前記メッセージ生成部817の機能を果たすことができる。本発明においてこれを別途に構成したことは、各機能を区別して説明するためである。したがって、実際に具現する場合、これら全部を制御部811で処理するように構成でき、これらのうちの一部のみを前記制御部811で処理するように構成できる。また、前記制御部811は、プロトコル処理遂行中に必要な情報を物理階層の該当構成部に提供するか、又は物理階層の該当構成部に制御信号を発生する。
【0059】
基地局が端末に短文メッセージを送信する場合の動作を述べると、前記端末200の制御部811は、アイドルモードのページング非聴取区間動作を行う途中、前記アイドルモードのページング聴取区間に遷移する。
【0060】
前記基地局250の制御部811は、前記アイドルモードにある前記端末200に送信する短文メッセージ(Short Message Service:SMS)の発生を認知し、ページング聴取区間動作を行う前記端末200の情報を含むページングメッセージを送信する。前記ページングメッセージは、前記端末200に位置登録更新手順を行うことを指示する情報を含む。
【0061】
前記端末200の制御部811は、前記基地局250にレンジングコードを送信し、前記基地局250からレンジングコード応答メッセージを受信する。前記端末200の制御部811は、前記基地局250に位置更新登録手順遂行を知らせる指示子を含むレンジング要請メッセージを送信する。前記レンジング要請メッセージに含む短文メッセージ情報のための位置更新登録手順遂行であることを知らせる指示子は、前記レンジング要請メッセージのフィールドであるRanging purpose indicatorの1ビットを用いることができる。
【0062】
前記端末200の制御部811は、前記基地局250から前記レンジング要請メッセージに対する応答としてレンジング応答メッセージを受信する。前記レンジング応答メッセージは、前記端末200に短文メッセージ情報のための位置更新登録手順であることを知らせる指示子を含む。前記短文メッセージ情報のための位置更新登録手順であることを知らせる指示子は、前記端末200の位置登録更新手順遂行に対する応答として前記端末200が受信する短文メッセージがあることを知らせる。
【0063】
前記端末200の制御部811は、前記基地局250から前記短文メッセージ情報を含むL2送信メッセージを受信する。前記L2送信メッセージは、前記ステップ215にて受信したSTID情報を利用してエンコードされており、前記L2送信メッセージのヘッダには、primary connectionに該当するFID(Flow IDentifier)が含まれる。前記端末200の制御部811は、前記短文メッセージ情報を含むL2送信メッセージを受信した後、前記基地局250にACKメッセージを送信する。前記端末200の制御部811は、ACKメッセージを送信した後、アイドルモード動作を行う。前記基地局250の制御部811は、前記端末200からACKメッセージを受信した後、前記端末200に割り当てたSTIDとprimary connectionとを解除し、前記端末200をアイドルモード端末として管理する。
【0064】
反対に、端末が基地局に短文メッセージを送信する場合の動作を述べると、アイドルモード動作を行う途中、前記端末300の制御部811は、アップリンクに送信する短文メッセージがバッファにあることを認知し、前記短文メッセージを送信するために前記基地局350への接続のためのレンジングコードを送信する。前記端末300の制御部811は、前記基地局350から送信したレンジングコードに対するレンジングコード応答メッセージを受信する。前記端末300の制御部811は、前記基地局350にレンジング要請メッセージを送信する。前記レンジング要請メッセージは、短文メッセージを送信するための位置更新手順を行うことを知らせる指示子を含み、前記レンジング要請メッセージに含んだ前記指示子は、前記表1のように表すことができる。
【0065】
前記基地局350の制御部811は、前記端末300にレンジング応答メッセージを送信する。前記レンジング応答メッセージは、前記表2のような構造を有する短文メッセージを送信するための位置更新手順遂行を知らせる指示子を含む。前記位置更新手順遂行を知らせる指示子は、前記位置更新手順を行うことを知らせる指示子に対する応答で、前記基地局350は、端末が送信する短文メッセージを受信する用意を知らせる。
【0066】
また、前記端末300の制御部811は、前記短文メッセージを送信するのに使用するSTID(端末識別子)を前記レンジング応答メッセージを介して送信する。前記端末300の制御部811は、前記基地局350に短文メッセージ情報を含むL2送信メッセージを送信する。前記端末300の制御部811は、前記L2送信メッセージを送信するとき、受信したSTID及びprimary connectionに該当するFIDを利用する。また、ここで、前記L2送信メッセージを送信するために、前記端末300の制御部811は、前記基地局350からアップリンク帯域を割り当てられなければならないが、このとき、前記STIDとprimary connectionに該当するFIDとを利用する。前記基地局350の制御部811は、前記端末300から前記短文メッセージ情報を含むL2送信メッセージを受信した後、前記端末300にACKメッセージを送信する。前記端末300の制御部811は、前記ACKメッセージを受信した後、アイドルモード動作を行い続ける。
【0067】
一方、前記図2の例では、L2送信メッセージを利用して短文メッセージが送信される場合、前記短文メッセージを受信し、該受信した短文メッセージに対するACKを送信するために端末にSTID及びFIDを割り当てる場合について説明した。前記STID及び前記FIDは、基地局と端末との間の接続(connection)がなされた状態で割り当てられる。換言すれば、図2の例では、L2送信メッセージを利用するためには、端末識別子(STID)に基づく帯域幅要請動作が必要である。
【0068】
下記の図9図12の他の実施の形態では、前記アイドルモードにある端末にSTID及びFIDを割り当てずに、前記L2階層の短文メッセージを送信するために、前記基地局は、前記ステップ215のレンジング応答メッセージ中に前記短文メッセージを含むことができる。このような場合、前記レンジング応答メッセージに含まれた短文メッセージに対する受信応答を端末が送信する方案が必要である。このために、基地局と端末との間が非接続(connectionless)の状態で別途の短文メッセージに対する受信応答資源を利用する。換言すれば、端末からの資源要請がなくても(unsolicited)基地局は、ACKメッセージを送信するための上位リンク資源を割り当てる。
【0069】
図9は、本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、短文メッセージに対する受信応答を処理する端末の動作フローチャートを示している。
【0070】
図9に示すように、前記端末は、ステップ901にて短文メッセージを含むレンジング応答メッセージを受信すると、ステップ903にてタイマーXを開始させる。前記ステップ901にて前記短文メッセージを含むレンジング応答メッセージは、前記ステップ215のレンジング応答メッセージに該当する。前記タイマーXが開始された後に前記端末は、ステップ905にて前記基地局と非接続状態で前記基地局から前記短文メッセージに対するACKメッセージを送信するアップリンク資源が割り当てられるのを待つ。
【0071】
前記端末にアップリンク資源が割り当てられたか否かを判断できる前記アップリンク資源のデコードの際に用いられる識別子は、前記ステップ901のレンジング応答メッセージに含まれている。あるいは前記識別子は、前記端末がアイドルモードで使用する端末識別子に基づいて構成することができ、前記端末のページング周期などのような情報と結合して前記端末を区分するために使用することができる。前記ステップ905の確認の結果、前記端末に前記ACKメッセージを送信するためのアップリンク資源が割り当てられると、前記端末は、ステップ909にて前記タイマーXを中断し、ステップ911にて前記基地局にACKメッセージを送信する。前記ACKメッセージは、前記ステップ219のACKメッセージと同一でありうる。このとき、前記ACKメッセージのMACヘッダに含むFIDは、前記ステップ901のレンジング応答メッセージを介して基地局から受信する、又は短文メッセージの受信応答用途として予め定義されたFIDに該当する。前記端末は、前記ACKメッセージを送信した後、前記ステップ913のアイドルモードに進む。仮に前記ACKメッセージを送信するアップリンク資源を割り当てずに前記ステップ907にて前記タイマーXが満了すると、前記端末は、ステップ913のアイドルモードに進む。一方で、前記ACKメッセージを送信するアップリンク資源が割り当てられておらず、かつ前記ステップ907にて前記タイマーXが満了していない場合、ステップ905に進んでACKメッセージ資源割り当てを待つ。
【0072】
図10は、本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、短文メッセージに対する受信応答を処理する基地局の動作フローチャートを示している。
【0073】
前記図10に示すように、前記基地局は、前記ステップ1001にてレンジング応答メッセージを介して前記端末に短文メッセージを送信する。前記レンジング応答メッセージは、前記ステップ215のレンジングメッセージに該当する。このとき、前記基地局は、前記端末がACKメッセージを送信するアップリンク資源のデコードの際に必要な識別子を前記レンジング応答メッセージを介して提供できる。前記基地局は、ステップ1003にて前記端末がACKメッセージを送信するのに必要なアップリンク資源を割り当て、ステップ1005にてタイマーYを開始する。前記基地局は、ステップ1007にて前記端末からACKメッセージを受信しているか否かを確認する。前記端末からACKメッセージを受信すると、前記基地局は、ステップ1011にて前記タイマーYを中断し、ステップ1013にて前記受信したACKメッセージを処理する。以後、前記基地局は、ステップ1015にて前記端末をアイドルモードで管理し続ける。あるいは前記ステップ1007の確認の結果、前記端末からACKメッセージが受信されていないと、ステップ1009にて前記タイマーYが満了したか否かを確認する。前記端末からACKメッセージを受信していない状態で前記タイマーYが満了した場合、前記基地局は、ステップ1015に進んで前記端末をアイドルモードで管理し続け、前記端末の次のページング聴取区間で前記ステップ1001の短文メッセージの送信を再び試みる。一方で、前記端末からACKメッセージを受信していない状態でかつ前記タイマーYが満了していないと、ステップ1007に進んでACKメッセージの受信を待つ。
【0074】
一方、図3の実施例においてアイドルモード端末が短文メッセージを送信しようとする場合について説明したが、この場合に前記短文メッセージ送信及びACKメッセージ受信に必要なSTIDとFIDとを割り当てた。ここで、前記STIDとFIDとの割り当て無しで前記アイドルモード端末が短文メッセージを送信し、前記ACKメッセージを受信する方案について説明する。
【0075】
図11は、本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、短文メッセージを処理する端末の動作フローチャートを示している。
【0076】
前記図11に示すように、アイドルモード端末は、送信すべき短文メッセージが発生した場合、前記図3の場合と同様に、短文メッセージを送信するための位置更新手順を行う(ステップ1101)。前記端末は、ステップ1103にて基地局からレンジング応答メッセージを受信する。前記ステップ1103のレンジング応答メッセージは、前記図3の311にて受信するレンジング応答メッセージに該当する。前記端末は、ステップ1105にてタイマーAを開始し短文メッセージの送信に必要なアップリンク資源を前記基地局が割り当てることを待つ。前記端末は、ステップ1107にて前記短文メッセージの送信に必要なアップリンク資源が割り当てられたか否かを確認し、前記アップリンク資源が割り当てられた場合、ステップ1111にて前記タイマーAを中断する。ここで、前記端末に割り当てたアップリンク資源のデコードの際に用いられる識別子は、前記基地局が前記ステップ1101のレンジング応答メッセージを介して割り当てることができる。あるいは前記端末のアイドルモード識別子に基づいて前記端末のページング周期などのように、前記端末を区分することのできる情報から構成された識別子に該当する。前記端末は、ステップ1113にて前記割り当てられたアップリンク資源を利用して短文メッセージを送信する。ステップ1113にて送信する短文メッセージは、前記ステップ313のL2送信メッセージに該当するか、又はさらに他のL2階層メッセージ(例えば、レンジング要請メッセージ)に該当する。前記短文メッセージのメッセージヘッダに含むFIDは、前記ステップ1101にて基地局がレンジング応答メッセージを介して割り当てるFIDであるか、又は短文メッセージを送信するために予め定義されたFIDでありうる。以後、端末は、ステップ1115にて前記短文メッセージに対するACKメッセージを基地局から受信し、ステップ1117に進んでアイドルモード動作を行い続ける。一方、前記ステップ1109の判断の結果、タイマーAが満了するまでに前記短文メッセージを送信するためのアップリンク資源が割り当てられなかった場合、前記端末は、ステップ1101に進んで短文メッセージを送信するための位置更新手順を再び行う。一方で、前記端末は、ステップ1109に進んでタイマーAが満了していないとき、ステップ1107に進んで前記短文メッセージの送信に必要なアップリンク資源の割り当てを待つ。
【0077】
図12は、本発明の実施例にかかる無線通信システムにおいて、短文メッセージを処理する基地局の動作フローチャートを示している。
【0078】
前記図12に示すように、基地局は、短文メッセージを送信するために位置更新手順を行う端末にステップ1201にてレンジング応答メッセージを送信する。前記レンジング応答メッセージは、前記ステップ311のレンジング応答メッセージに該当する。前記基地局は、ステップ1203にて前記端末に短文メッセージを送信するのに必要なアップリンク資源を割り当て、ステップ1205にてタイマーBを開始する。前記アップリンク資源は、前記端末に割り当てることを表すために前記端末を指示する識別子にエンコードされなければならず、前記識別子は、前記基地局が割り当て、前記ステップ1201のレンジング応答メッセージを介して送信するか、又は前記端末のアイドルモード識別子に基づいて前記端末のページング周期などを結合して構成することができる。前記基地局は、前記ステップ1203にて割り当てたアップリンク資源を介して、前記端末から短文メッセージが受信されるか否かを確認する(ステップ1207)。前記ステップ1207にて短文メッセージを受信すると、前記基地局は、ステップ1211にて前記タイマーBを中断し、ステップ1213にて前記短文メッセージを処理する。前記基地局は、前記短文メッセージに対するACKメッセージをステップ1215にて前記端末に送信し、ステップ1217に進んで前記端末をアイドルモードで管理し続ける。前記ステップ1209にて前記タイマーBが満了すると、前記基地局は、前記ステップ1217に進む。一方で、前記基地局は、ステップ1209に進んでタイマーBが満了していないと、ステップ1207に進んで前記短文メッセージの受信を待つ。上述したように、本発明は、無線通信システムにおけるアイドルモードの端末に短文メッセージを送信するための方案、及びアイドルモード端末から短文メッセージを送信するための方案を提供することによって、アイドルモードと接続モードとの間で不必要な状態遷移をせずにデータを送信することができるという利点がある。
【0079】
一方、本発明の詳細な説明では具体的な実施の形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内で多様な変形が可能であることは勿論である。したがって、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲だけでなく、特許請求の範囲と均等なものによって決まらねばならない。
【符号の説明】
【0080】
100、200、300:端末
150、250、350:基地局
801:RF処理器
803:ADC
805:OFDM復調器
807:復号化器
809:メッセージ処理部
811:制御部
813:メッセージ生成部
819:符号化器
821:OFDM変調器
823:DAC
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12