(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は、調色と調光の両方を行えるようにした光源点灯装置において、調色時または調色および調光時に人に認識されるような不連続性がなく調色および調光を行うことができるようには配慮されていないという課題がある。
【0005】
本発明の実施形態は、調色と調光の両方を行えるようにするとともに調色時または調色および調光時に人に認識されるような不連続性がなく調色および調光を行うことができる光源点灯装置およびこれを備えた照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、光源点灯装置は、第1および第2の光源、点灯回路ならびに制御手段を具備している。第2の光源は、第1の光源よりも色温度が低いとともに、色温度が2500〜3200Kである。点灯回路は、第1および第2の光源をそれぞれ点灯する。
光源点灯装置は、所望の調色及び調光制御が可能であるとともに、フェードアウトモードも選択可能である。制御手段は、フェードアウトモードの選択時においては、その前段と後段では第1の光源と第2の光源との点灯制御形態が異なり、フェードアウトモード前段では
第1、第2の光源は点灯状態が互いに同期するように制御され、後段では非同期となるように設定され、当該後段で第2の光源の光量が第1の光源の光量より多くなるように制御しつつ最初に第1の光源が消灯し、その後第2の光源が消灯するように点灯回路を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によれば、室内の第1および第2の光源を備えた照明を調色時または調色および調光する際に、そのフェードアウトモードの後段には第2の光源の光量を第1のそれより多くすることにより、室内照明光の色温度が下がるので、人に認識されるような調色および調光の不連続性なく調色および調光を行うことができる効果が期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔第1の実施形態〕
図1を参照して第1の実施形態を説明する。第1の実施形態において、光源点灯装置は、第1の光源1、第2の光源2、点灯回路3、制御手段4、補助灯5および補助灯点灯回路6を具備している。
【0010】
第1の光源1は、その光出力の色温度が相対的に高くて、例えば相関色温度が5000K程度の昼白色(範囲4600〜5400K)である。なお、この色温度は、単体の光源により得てもよいし、色度の異なる複数の光源の発光を加法混光して得るようにしてもよい。複数の光源を用いて所定色温度を得る場合、その種類は同種および異種の組み合わせのいずれであってもよい。
【0011】
第2の光源2は、その光出力の色温度が相対的に低くて、例えば相関色温度2800K程度の電球色(範囲2500〜3200K)である。この色温度は、第1の光源1と同様に単体の光源により得てもよいし、色度の異なる複数の光源の発光を加法混光して得るようにしてもよい。
【0012】
第1および第2の光源1、2は、その種類を問わない。例えば、蛍光ランプ、HIDランプ、LED、EL(有機、無機)および電界放出形ランプなどどのようなランプであってもよい。また、その種類は、色温度がほぼ同じであれば同一種および異種の組み合わせのいずれであってもよい。なお、図示の実施形態においてはLEDを用いている。
【0013】
また、第1および第2の光源1、2は、その数が特段限定されないので、1個および任意の複数個のいずれかを適宜用いることができる。そして、第1の光源1と第2の光源2との数が等しくてもよいし、等しくなくてもよい。なお、図示の実施形態においては同一色温度の複数のLEDを例えば直列接続して用いている。
【0014】
さらに、第1および第2の光源1、2の光出力を混光するとともに、それらの混光比率を変化させることにより、多様な色温度の混光色を得ることができる。例えば、昼白色および電球色の中間に位置する相関色温度3500K程度の温白色(範囲3200〜3700K)の照明光を得ることができる。
【0015】
点灯回路3は、第1および第2の光源1、2を、それぞれ個別に、しかも点灯モードによっては同期して点灯するために、第1の光源1に対しては第1の点灯回路要素3aを、また第2光源2に対しては第2の点灯回路要素3bを、それぞれ備えているとともに、第1の点灯回路要素3aおよび第2の点灯回路要素3bに対して直流電力を供給する共通の直流電源3cを備えている。
【0016】
第1および第2の点灯回路要素3a、3bは、第1および第2の光源1、2を連続調光可能に点灯することができる。また、後述する制御手段4の制御により第1および第2の光源1、2を同期して連続調光するが、所望により非同期としていずれか一方のみまたは両者を点灯するように切り換えることもできる。
【0017】
点灯回路3の具体的な回路方式は、本実施形態において特段限定されないので、光源の種類に応じた適当な回路を採用することができる。代表的な光源1、2の一例としてLEDを用いた場合、直流点灯方式を用いる。この場合の回路方式は、DC-DCコンバータ、例えば降圧チョッパを好ましくは定電流制御する回路構成を採用することにより、回路効率が高くなるとともに、制御が容易になるなどの利点がある。
【0018】
制御手段4は、少なくとも第1および第2の光源1、2を共に同期させて連続調光してフェードアウトするフェードアウトモードで点灯させることを選択可能である。そして、フェードアウトモードの選択時においては、その後段で第2の光源2の光量が第1の光源1の光量よりも多くなるように点灯回路3を制御する。なお、この場合、第1の光源1の光量は消灯状態を含む意味である。また、第1および第2の光源1、2を共に同期して連続調光するとは、フェードアウトモード期間の前段ないし中段において両光源1、2をほぼ等しい光出力の下で連続調光することを意味する。
【0019】
フェードアウトモードは、これを判りやすく表現すれば「おやすみタイマ」であり、例えば30分〜1時間程度の時間をかけて室内照明の照度をゆっくり低下させてフェードアウトに至らせる緩行調光動作の態様である。この動作態様を導入すると、人が不快に感じることを抑制しながら周囲の照度を低下させることができる。
【0020】
フェードアウトモードの後段において、第2の光源2の光量が第1の光源1の光量よりも多くなるとは、例えば約30分間に設定されたフェードアウトモード期間の後半の約10分間程度において、第2の光源2の光量が第1の光源1のそれより多くなることを意味する。フェードアウトモードの後段になると、第1および第2の光源1、2の光出力が相当に低下して暗くなってくるから、このようなときの照明の色温度を低くすると、人に落ち着き感ややすらぎ感を与えるとされるので、人の自然な就眠を促進したり、睡眠上対から覚醒してしまうことを抑制する効果が期待できる。
【0021】
フェードアウトモードの後段は、フェードアウトモードの時間に比例して設定することとして、その時間を例えば全体の約1/3程度の時間に設定してもよいし、フェードアウトモードの時間の長短に関係なく一定時間、例えば10分間程度としてもよい。
【0022】
第2の光源2の光量を第1の光源1のそれより多くする手段は、本実施形態において特段限定されない。例えば、フェードアウトモードの調光が後段まで進んだときに、第1の光源1の光出力を、フェードアウトモードの終端に達するより以前、例えば後段の前半の時間で調光下限、例えば調光度1%にまで連続的に調光して低減させ、後段の後半の時間帯では調光下限一定に維持するか、第1の光源1を消灯させる。これに対して、第2の光源2の光出力を、後段の前半は一定レベルに固定的に維持し、後半に入ってからフェードアウトモードの終端までを調光して終端で調光下限に維持するか、第2の光源2を消灯させる。
【0023】
次に、
図2を参照して説明する。
図2は、第1および第2の光源1、2の30分コースの場合のフェードアウトモードの時間と明るさの関係を示すグラフである。横軸の時間t1はフェードアウトモードの開始時、時間t2はフェードアウトモードの後段の開始時、t3は後段の前半および後半の境界時、t4はフェードアウトモードの後段の終端時である。また、縦軸は、照明装置としての明るさを示し、その100%のときには、第1および第2の光源1、2がそれぞれ均等に50%の光出力を分担し、以後時間t2まで同様の分担比率でそれぞれ直線的に光出力が減少していく。
【0024】
図2において、時間t0からt1までの通常点灯の期間において、照明装置は、グラフLに示すように、図においては100%の明るさで出力一定の点灯状態であるが、この期間は使用者の好みに応じた明るさレベルに設定することができる。時間t1以降は30分間のフェードアウトモードに入る。照明装置がフェードアウトモードに入ると、第1および第2の光源1、2は、グラフRに示すように、それぞれ同期して連続調光を行い、光出力が50%から徐々に直線的に減少していく。そして、時間t2になると、フェードアウトモードの10分間からなる後段に達する。以上の間、照明装置の光出力は、混光により昼白色と電球色の中間に位置する温白色の光色を呈する。
【0025】
フェードアウトモードが時間t2−t4で示す後段の前半期間に入ると、第1の光源1は、図中長点線R1で示すように光出力の低減率が大きくなって前半の5分間で調光下限に達し、その後は終端まで調光下限を維持する。
【0026】
これに対して、第2の光源2は、フェードアウトモードが後段に入ると、図中短点線R2で示すように時間t2−t3で示す前半の5分間では光出力の低減率が第1の光源のそれより小さな値に維持される。そして、時間t3−t4で示す後半の5分間になると、光出力の低減率が照明装置のそれと同じまで大きくなり、フェードアウトモードの終端時間t4では、約1%の調光下限に達する。
【0027】
したがって、時間t2−t4で示すフェードアウトモードの後段における照明装置としての図においてLのグラフが示す実線の光出力は、後段以前の期間における勾配と同じ勾配で調光下限まで低減し、以降は消灯される。しかしながら、フェードアウトモードの後段の前半における照明装置の光出力は、第2の光源2の光出力の混光比率が高くなるので、その色温度がそれ以前より低下し、後段の後半期間になると、さらに色温度が低下して第2の光源2の色温度に等しくなる。
【0028】
また、制御手段4は、第1および第2の光源1、2の発光を加法混光して所望の相関色温度の光色を得るための制御を容易にするために、マイコンおよびDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)などのディジタルデバイスを主体として構成することができる。なお、
図1に示す実施形態においては、制御手段4は、マイコンを主体として構成されるとともに、リモコン信号RCSを受信可能に構成されている。リモコンを使用することにより、使用者の手元で遠隔制御により、または壁面に配設した操作部における操作により、所望の調色および調光を行うとともに、上述のフェードアウトモードなどの制御操作を容易に選択することができる。
【0029】
図1に示す実施形態において、符号IF1〜IF4は、インターフェース回路であり、第1および第2の点灯回路要素の電流帰還インターフェースIF1、IF3と、同じく電圧帰還インターフェースIF2、IF4とである。また、符号DSG1は第1の点灯回路要素3aのスイッチング素子を駆動する駆動信号発生回路、符号DSG2は第2の点灯回路要素3bのスイッチング素子を駆動する駆動信号発生回路である。
【0030】
次に、リモコンを用いた遠隔制御について説明する。リモコンは、照明装置を離間した位置から遠隔的に制御する手段であり、その具体的な構成は特段限定されないが、リモコン操作器およびリモコン受信器からなる。また、リモコンは、一般的にはワイヤレス方式が採用されるが、所望によりワイヤード方式であってもよい。ワイヤレス方式の場合、赤外線を通信媒体とするのが一般的であるが、電波など既知の各種媒体を通信媒体とすることもできる。
【0031】
リモコン操作器は、例えば使用者の手元で第1および第2の光源1、2などを制御する手段であり、照明装置から離間した位置で操作される。また、調光の場合にそのレベルを使用者の好みに応じて調整可能に設定することができるとともに、フェードアウトモードを例えば「おやすみタイマ」と称して選択することができる。そのために、リモコン操作器は、例えば全光点灯スイッチ、調光点灯スイッチ、消灯スイッチおよびおやすみタイマなどの操作スイッチならびに調光レベルを変化させる際のアップスイッチおよびダウンスイッチなどを配設することができる。
【0032】
リモコン受信器は、制御手段4の一部を構成していて、照明装置側に配設され、リモコン操作器から送信された操作信号で変調された
図1に示すリモコン信号RCSを受信してこれを復調し、制御手段4の本体部分に制御入力される。このため、リモコン受信器は、ワイヤレスの場合、少なくともその受信部が照明装置のリモコン信号を受信しやすい位置、例えば下面側に配置される。
【0033】
また、リモコン受信器は、所望により光色の切り換えが可能なように制御手段4を構成することができる。照明装置の光出力の色温度を所望値にワンタッチで選択したり、連続的に変化させて所望の光色になったときにその変化を停止させて選択したりすることができるように構成することもできる。
【0034】
補助灯5は、LEDからなる。LEDの発光色は第2の光源に近い色温度で点灯し、例えば暖色系の黄色である。したがって、フェードアウトモードに引き続いて点灯する際の光色差が少なくなり、違和感を生じない。
【0035】
補助灯点灯回路6は、第1および第2の光源1、2の点灯回路3に備えられている直流電源3cから直流電源を得て作動し、補助灯5を点灯させる。なお、
図1中の符号DSG3は、補助灯点灯回路6のスイッチング素子に供給される駆動信号発生回路であり、制御手段4により制御される。
【0036】
さらに、制御手段4は、補助灯5の点灯について以下の制御を行う。すなわち、使用者の操作に基づいて都度点滅を選択的に制御する。また、フェードアウトモードにおいては、その終端時に補助灯5を引き続いて点灯させる。しかし、所望により補助灯5を点灯しないように切り換えることができるように構成してもよい。
〔第2の実施形態〕
図3を参照して第2の実施形態を説明する。なお、図において、
図2と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。本実施形態は、フェードアウトモードにおける第1および第2の光源1、2の調光態様が第1の実施形態におけるそれと異なる。
【0037】
すなわち、フェードアウトモードの後段の前半および後半を通じて終端に至るまで第1および第2の光源1、2を継続して点灯させるが、その間常に第2の光源2の光量が第1の光源2のそれより多くなるように制御される。
【0038】
第2の実施形態においては、フェードアウトモードの全期間を通じて照明装置としての光出力の色温度に急な変化が生じない。すなわち、フェードアウトモードの後段において色温度が自然な感じで緩やかに低下する。
【0039】
次に、照明装置の実施形態について説明する。照明装置は、照明装置本体と、照明装置本体に配設された上述の実施形態の光源点灯装置とを具備している。上記において、照明装置は、第1および第2の光源を含む各種装置であることを許容する。照明装置本体は、照明装置から光源点灯装置を除外した残余の部分をいう。また、光源点灯装置は、以上説明した実施形態である。また、点灯回路は、照明装置本体から離間した位置に配設されていてもよい。