(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674168
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】蒸着ソース
(51)【国際特許分類】
C23C 14/24 20060101AFI20150205BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20150205BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20150205BHJP
【FI】
C23C14/24 B
H05B33/10
H05B33/14 A
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-43884(P2013-43884)
(22)【出願日】2013年3月6日
(62)【分割の表示】特願2010-57418(P2010-57418)の分割
【原出願日】2010年3月15日
(65)【公開番号】特開2013-117073(P2013-117073A)
(43)【公開日】2013年6月13日
【審査請求日】2013年4月5日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0038451
(32)【優先日】2009年4月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(72)【発明者】
【氏名】李 鍾禹
(72)【発明者】
【氏名】金 兌承
(72)【発明者】
【氏名】池 昶恂
(72)【発明者】
【氏名】趙 源錫
(72)【発明者】
【氏名】沈 ▲ヒェ▼娟
(72)【発明者】
【氏名】趙 龍訓
(72)【発明者】
【氏名】韓 尚辰
【審査官】
安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−186787(JP,A)
【文献】
特開平01−208453(JP,A)
【文献】
特開2007−332458(JP,A)
【文献】
特開昭62−169321(JP,A)
【文献】
特開2006−188762(JP,A)
【文献】
特表2003−513169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00−14/58
H01L 51/50
H05B 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱炉と、
前記加熱炉に熱を加えるように、前記加熱炉を覆い包みながら配された第1加熱部と、
前記第1加熱部と所定間隔に離隔され、前記加熱炉を覆い包みながら配された第2加熱部と、を備え、
前記第2加熱部は、それぞれ相互離隔された複数の副加熱部を備え、前記複数の副加熱部は、相互離隔された状態にされ、
前記副加熱部のうち少なくとも一つの副加熱部は、前記加熱炉の一側面を覆い包み、前記副加熱部のうち少なくとも他の一つの副加熱部は、前記加熱炉の前記一側面に対向する側面を覆い包み、
前記第1加熱部及び前記第2加熱部は、それぞれ別途の外部電源に連結され、さらに、前記第2加熱部を構成する複数の副加熱部は、それぞれ別途の外部電源に連結され、
前記副加熱部は、それぞれ前記加熱炉の異なる領域に対応するように配され、前記加熱炉の異なる領域を加熱して、
前記加熱炉は一方向に延びた線形に形成され、
前記第1加熱部及び前記第2加熱部は前記加熱炉の前記一方向に対応する側面の上部及び下部にそれぞれ配され、
前記第2加熱部の副加熱部は、前記加熱炉の一方向を基準に互いに重畳されず、相互離隔されるように形成されて前記加熱炉の一方向を基準に前記加熱炉の一領域及び少なくとも前記一領域と対向する他の一領域を個別的に加熱でき、
前記第1加熱部及び第2加熱部の副加熱部は少なくとも複数回屈曲形態を有することを特徴とする蒸着ソース。
【請求項2】
前記第1加熱部は、それぞれ相互離隔された複数の副加熱部を備え、前記第1加熱部の複数の副加熱部は、相互離隔された状態で前記加熱炉を覆い包むことを特徴とする請求項1に記載の蒸着ソース。
【請求項3】
前記第1加熱部を構成する複数の副加熱部は、それぞれ別途の外部電源に連結されることを特徴とする請求項2に記載の蒸着ソース。
【請求項4】
前記第1加熱部は、前記加熱炉の上側の外周面を覆い包むように配され、前記第2加熱部は、前記加熱炉の下側の外周面を覆い包むように配されることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の蒸着ソース。
【請求項5】
前記第1加熱部は、前記加熱炉の下側の外周面を覆い包むように配され、前記第2加熱部は、前記加熱炉の上側の外周面を覆い包むように配されることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の蒸着ソース。
【請求項6】
前記加熱炉の側面に対向する位置に配され、前記加熱炉に充填された蒸着材料が蒸発される量を感知するセンサー部をさらに備えることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の蒸着ソース。
【請求項7】
前記センサー部は、前記加熱炉の一側面及び前記一側面に対向する一側面に対応するように配されたことを特徴とする請求項6に記載の蒸着ソース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸着ソースに係り、さらに詳細には、蒸着膜を均一に形成できる蒸着ソースに関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置は、微細な薄膜を形成するために多様な方法を利用する。特に、平板表示装置は、複数の薄膜を形成して製造されるので、薄膜の特性向上が重要である。
【0003】
平板表示装置のうち、有機発光表示装置は、他の平板表示装置に比べて、視野角が広く、かつコントラストに優れており、応答速度が速くて次世代表示装置として注目されている。
【0004】
有機発光表示装置において、可視光線を発光する有機発光層及び有機発光層の周囲に配される有機層は、多様な方法を利用して形成するが、工程が単純な真空蒸着法が頻繁に使われる。真空蒸着法は、蒸着するための粉末、固状の蒸着材料を加熱炉に入れ、加熱炉を加熱して所望の部分に蒸着膜を形成することである。
【0005】
このような真空蒸着法は、点状の蒸着ソースを利用するか、または線形の蒸着ソースを利用する。しかし、点状の蒸着ソースを利用すれば、点状の蒸着ソースから広い基板に蒸着物が広がるので、蒸着膜の均一度が確保し難い。
【0006】
また、線形の蒸着ソースを利用した蒸着方法は、一方向に長く延びた加熱炉に粉末を入れ、加熱炉を加熱して蒸着膜を形成するが、加熱炉の周辺には、加熱のために加熱部が配される。
【0007】
しかし、長く延びた形態の加熱炉の特性上、加熱部が加熱炉を均一に加熱できない。これを通じて、加熱炉から粉末が不均一に蒸発し、結果的に、蒸着膜が均一に形成できないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、蒸着膜の均一度を向上できる蒸着ソースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を達成するために、本発明は、加熱炉、前記加熱炉に熱を加えるように、前記加熱炉を覆い包んで配された第1加熱部と、前記第1加熱部と所定間隔離隔され、前記加熱炉を覆い包んで配された第2加熱部と、を備え、前記第2加熱部は、それぞれ相互離隔された複数の副加熱部を備え、前記複数の副加熱部は、相互離隔された状態で前記加熱炉を覆い包む蒸着ソースを開示する。
【0010】
本発明において、前記副加熱部は、それぞれ前記加熱炉の異なる領域に対応するように配され、前記加熱炉の異なる領域を加熱できる。
【0011】
本発明において、前記副加熱部のうち少なくとも一つの副加熱部は、前記加熱炉の一側面を覆い包み、前記副加熱部のうち少なくとも他の一つの副加熱部は、前記加熱炉の前記一側面に対向する側面を覆い包みうる。
【0012】
本発明において、前記第1加熱部は、前記加熱炉の上側外周面を覆い包むように配され、前記第2加熱部は、前記加熱炉の下側外周面を覆い包むように配されうる。
【0013】
本発明において、前記第1加熱部は、前記加熱炉の下側外周面を覆い包むように配され、前記第2加熱部は、前記加熱炉の上側外周面を覆い包むように配されうる。
【0014】
本発明において、前記第1加熱部及び前記第2加熱部は、外部電源に連結され、前記第1加熱部及び前記副加熱部は、それぞれ別途の外部電源に連結されうる。
【0015】
本発明において、前記加熱炉側面に対向する位置に配され、前記加熱炉に充填された蒸着材料が蒸発される量を感知するセンサー部をさらに備えうる。
【0016】
本発明において、前記センサー部は、前記加熱炉の一側面及び前記一側面に対向する一側面に対応するように配されうる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に関する蒸着ソースは、加熱炉を全体領域にわたって均一に加熱できるので、蒸着膜の均一度を容易に向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に関する蒸着ソースを備えた蒸着装置を概略的に示す正面図である。
【
図3】
図1の蒸着ソースを概略的に示す斜視図である。
【
図4】
図3の第1加熱部と第2加熱部との構成を説明するための図面である。
【
図5】本発明の他の実施形態に関する蒸着ソースを概略的に示す斜視図である。
【
図6】本発明のさらに他の実施形態に関する蒸着ソースを概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面に示された本発明に関する実施形態を参照して、本発明の構成及び作用を詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態に関する蒸着ソースを備えた蒸着装置を概略的に示した正面図であり、
図2は、
図1の側面図である。具体的に、
図2は、
図1の左側面図または右側面図でありうる。
【0021】
図1及び
図2を参照すれば、蒸着装置1000は、チャンバ10の内部に基板20及び蒸着ソース100を備える。
【0022】
チャンバ10の内部は、真空または低圧を維持するために、一つ以上のポンプ(図示せず)に連結される。また、チャンバ10の側面には、基板20の出入のための一つ以上の出入口(図示せず)が形成される。
【0023】
基板20は、所望の物質が蒸着される被蒸着材としてクランプまたは支持台によって固定される。基板20が固定された後に、蒸着工程が進められうる。
【0024】
チャンバ10の内部に、基板20に対向するように蒸着ソース100が配される。蒸着ソース100は、基板20の長手方向に長く延びた線形蒸着ソース100である。
【0025】
図1に示したように、蒸着ソース100は、一方向に長く延びるが、
図2に示したように、蒸着ソース100の他方向への幅は、基板20の長さに比べて、狭く形成される。
【0026】
蒸着ソース100が一方向に長く延びた線形であるので、基板20の全体面積を蒸着するために、蒸着ソース100が移動することが望ましい。蒸着ソース100の下端部には、一方向または多方向に移動する移動部30が配される。このような移動部30によって、蒸着ソース100は、直線運動をしつつ、基板1000を均一に蒸着できる。
【0027】
図3は、
図1の蒸着ソースを概略的に示した斜視図であり、
図4は、
図3の第1加熱部と第2加熱部との構成を説明するための図面である。具体的に、
図4は、
図3の上部から見た平面図であって、
図4の(a)は、第1加熱部120のみを示し、
図4の(b)は、第2加熱部150のみを示している。説明の便宜上、
図4の(a)及び(b)に、加熱炉110は図示しなかった。
【0028】
蒸着ソース100は、加熱炉110、第1加熱部120及び第2加熱部150を備える。加熱炉110には、蒸着のための蒸着材料が充填される。具体的に、加熱炉110には、有機発光素子に備えられる有機物を蒸着するための蒸着材料を塊形態または粉末形態で充填できる。本発明は、これに限定されず、多様な形態の蒸着材料を加熱炉110に充填できる。
【0029】
加熱炉110は、一方向に長く延びた構造を有している。加熱炉110の長さは、被蒸着材である基板20の長さに対応することが望ましい。
【0030】
加熱炉110の上部、すなわち、基板20に対向する方向には、複数の排出口101が形成されている。加熱炉110に充填された蒸着物質が加熱されれば、排出口101を通じて蒸発物質が基板20に移動する。排出口101は、基板20のサイズ、蒸着材料の特性など、工程条件によって多様な形態、サイズ及び数で形成されうる。
【0031】
加熱炉110の周辺には、第1加熱部120及び第2加熱部150が配される。第1加熱部120及び第2加熱部150は、正弦波またはジグザグパターンに形成されたコイルを備え、コイルは、外部の電源(図示せず)に連結される。
【0032】
第1加熱部120及び第2加熱部150は、熱エネルギーを加熱炉110に供給して、加熱炉110に充填された有機物のような蒸着材料を蒸発させる。
【0033】
第1加熱部120は、加熱炉110を覆い包むように、加熱炉110の上側の外周面に配される。第1加熱部120は、外部電源に連結される。また、
図3及び
図4の(a)に示したように、第1加熱部120は、分離されず、一体に形成される。
【0034】
第2加熱部150は、第1加熱部120と離隔されるように、加熱炉110の下側の外周面に配されて加熱炉110を覆い包む。第2加熱部150は、一体に形成されず、複数の副加熱部を備え、複数の副加熱部が離隔された状態で加熱炉110を覆い包む。
図4を参照すれば、第2加熱部150は、副加熱部A130及び副加熱部B140を備える。
【0035】
副加熱部A130及び副加熱部B140は、独立した加熱部であって、副加熱部A130及び副加熱部B140は、第1加熱部120の外部電源と独立した外部電源に連結される。また、副加熱部A130と副加熱部B140とは、それぞれ別途の外部電源に連結される。
【0036】
副加熱部A130と副加熱部B140とは、互いに加熱炉110の異なる領域を覆い包むように配される。
図4の(a)及び(b)を参照すれば、副加熱部A130は、加熱炉110の左側の外周面を覆い包み、副加熱部B140は、加熱炉110の右側の外周面を覆い包んでいる。副加熱部A130と副加熱部B140とは、所定間隔に離隔されるが、加熱炉の効率的な熱伝逹のために、副加熱部A130と副加熱部B140とは、可能な限り、小さな間隔で離隔させる。
【0037】
本実施形態において、第2加熱部150は、二つの副加熱部を備える。しかし、本発明は、これに限定されない。加熱炉110の異なる領域に対応するように、3つ以上の副加熱部が配されうる。
【0038】
別途の電源に連結された副加熱部130,140は、加熱炉110の異なる領域を覆い包みながら加熱する。これを通じて、各副加熱部130,140は、別途にそれぞれ制御できる。
【0039】
従来に点状の蒸着ソースの不均一な蒸着特性を改善するために、線形蒸着ソースが開発された。しかし、加熱炉110の全体面積に対して、均一な熱エネルギーを供給するのが容易でなかった。すなわち、長く延びた構造の加熱炉110の長手方向を基準に、左側領域と右側領域との熱分布が均一でなかった。特に、大面積の基板に有機物を蒸着するためには、線形蒸着ソースも大きくなるが、この時、加熱炉110の全体に均一な熱エネルギーを供給することがさらに難しい。
【0040】
加熱炉110の全体面積に対して、均一な熱エネルギーが供給されなければ、加熱炉の内部にある蒸着材料が均一な速度で蒸発できない。すなわち、加熱炉110に配された排出口101から蒸発される蒸着材料の速度が異なる。これにより、基板20に蒸着物質が到達する速度が異なり、基板20に形成された蒸着膜の特性が不均一になる。
【0041】
しかし、本実施形態による蒸着ソース100は、加熱炉110を覆い包む第1加熱部120以外に、第2加熱部150を備え、第2加熱部150は、分離された副加熱部A130及び副加熱部B140を備える。これを通じて、加熱炉110の左側領域と右側領域とが均一に加熱される。加熱炉110が全体的に均一に加熱されれば、加熱炉110内の蒸着材料が均一な速度で蒸発され、基板20に形成される蒸着膜の特性が均一になる。
【0042】
本実施形態は、加熱炉110から蒸発される蒸着材料の速度をモニタリングできるように、センサー部160を備えうる。
【0043】
センサー部160は、加熱炉110の一側面及びこれに対向する他側面に配される。センサー部160は、加熱炉110から蒸発される蒸着材料の量をリアルタイムでモニタリングするように、多様な形態のセンサーを備えるが、具体的にクリスタルセンサーを備えうる。
【0044】
図5は、本発明の他の実施形態に関する蒸着ソースを概略的に示した斜視図である。説明の便宜上、前述した実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0045】
本実施形態の蒸着ソース200は、加熱炉210、第1加熱部220及び第2加熱部250を備える。
【0046】
第1加熱部220は、加熱炉210を覆い包むように、加熱炉210の下側の外周面に配される。第1加熱部220は、外部電源に連結される。また、第1加熱部220は、分離されず、一体に形成される。
【0047】
第2加熱部250は、第1加熱部220と離隔されるように、加熱炉210の上側の外周面に配され、加熱炉210を覆い包む。第2加熱部250は、一体に形成されず、複数の副加熱部を備え、複数の副加熱部が離隔された状態で加熱炉210を覆い包む。
図5を参照すれば、第2加熱部250は、副加熱部A230及び副加熱部B240を備える。
【0048】
副加熱部A230及び副加熱部B240は、独立した加熱部であって、副加熱部A230及び副加熱部B240は、第1加熱部220の外部電源と独立した外部電源に連結される。また、副加熱部A230と副加熱部B240とは、それぞれ別途の外部電源に連結される。
【0049】
副加熱部A230と副加熱部B240とは、互いに加熱炉210の異なる領域を覆い包むように配される。
図5を参照すれば、副加熱部A230は、加熱炉210の左側の外周面を覆い包み、副加熱部B240は、加熱炉210の右側の外周面を覆い包んでいる。別途の電源に連結された副加熱部230,240は、加熱炉210の異なる領域を覆い包みながら加熱するので、各副加熱部230,240を容易に制御できる。
【0050】
本実施形態の蒸着ソース200も、前述した実施形態の蒸着ソース100と同様に、加熱炉210の全体領域に対して均一な熱エネルギーを供給できる。結果的に、均一な蒸着膜を基板20に容易に形成できる。
【0051】
図6は、本発明のさらに他の実施形態に関する蒸着ソースを概略的に示した斜視図である。説明の便宜上、前述した実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0052】
本実施形態の蒸着ソース300は、加熱炉310、第1加熱部320及び第2加熱部350を備える。
【0053】
第1加熱部320は、加熱炉310を覆い包むように、加熱炉310の上側の外周面に配される。第1加熱部320は、一体に形成されず、複数の副加熱部を備え、複数の副加熱部が離隔された状態で加熱炉310を覆い包む。
図6を参照すれば、第1加熱部320は、副加熱部A321及び副加熱部B322を備える。
【0054】
副加熱部A321及び副加熱部B322は、独立した加熱部であって、副加熱部A321及び副加熱部B322は、第2加熱部350の外部電源と独立した外部電源に連結される。また、副加熱部A321と副加熱部B322とは、それぞれ別途の外部電源に連結される。
【0055】
第2加熱部350は、第1加熱部320と離隔されるように、加熱炉310の下側の外周面に配され、加熱炉310を覆い包む。第2加熱部350は、一体に形成されず、複数の副加熱部を備え、複数の副加熱部が離隔された状態で加熱炉310を覆い包む。
図6を参照すれば、第2加熱部350は、副加熱部A330及び副加熱部B340を備える。
【0056】
副加熱部A330及び副加熱部B340は、独立した加熱部であって、副加熱部A330及び副加熱部B340は、第1加熱部320の外部電源と独立した外部電源に連結される。また、副加熱部A330と副加熱部B340とは、それぞれ別途の外部電源に連結される。
【0057】
本実施形態の蒸着ソース300は、別途の電源に連結された第1加熱部320及び第2加熱部350を備え、第1加熱部320と第2加熱部350とは、それぞれ副加熱部を備える。このような副加熱部は、加熱炉310の異なる領域を覆い包みながら加熱炉310を加熱する。各副加熱部321,322,330,340をそれぞれ制御できるので、蒸着工程中に加熱炉310から蒸発する蒸着材料をモニタリングして、加熱炉310を加熱する条件を補正でき、これを通じて、加熱炉310を均一に加熱し易い。
【0058】
結果的に、本実施形態の蒸着ソース300は、加熱炉310の全体領域に対して均一な熱エネルギーを供給できる。それによって、均一な蒸着膜を基板20に容易に形成できる。
【0059】
図面に示した実施形態を参照して説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということが分かるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、蒸着膜形成関連の技術分野に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
10 チャンバ
20 基板
30 移動部
100,200,300 蒸着ソース
101,201,301 排出口
110,210,310 加熱炉
120,220,320 第1加熱部
130,140,230,240,321,322,330,340 副加熱部
150,250,350 第2加熱部
160,260,360 センサー部
1000 蒸着装置