特許第5674217号(P5674217)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5674217ワイヤード及びモバイルのデバイスに対するネットワーク化と配信のためのコンテンツ及びキャッシュを階層的に追跡するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674217
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】ワイヤード及びモバイルのデバイスに対するネットワーク化と配信のためのコンテンツ及びキャッシュを階層的に追跡するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   G06F13/00 520D
【請求項の数】19
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-506124(P2013-506124)
(86)(22)【出願日】2010年5月7日
(65)【公表番号】特表2013-525901(P2013-525901A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】US2010034011
(87)【国際公開番号】WO2011133167
(87)【国際公開日】20111027
【審査請求日】2012年12月17日
(31)【優先権主張番号】61/325,847
(32)【優先日】2010年4月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(73)【特許権者】
【識別番号】510279365
【氏名又は名称】ゼットティーイー (ユーエスエー) インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】クハスナビッシュ, ブミップ
【審査官】 小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−271440(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
G06F 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分散型ネットワークを介して広められるコンテンツの位置を提供するように構成され、且つエンドポイント内に含まれる少なくとも1つのマイクロトラッカと、
前記コンテンツの前記位置の情報を保持し、第1の管轄区域内のマイクロトラッカにこの情報を配信するように構成された、少なくとも1つのミニトラッカと、
第2の管轄区域内における、論理的又は物理的な地理的境界である領域内の前記コンテンツの前記位置の情報を保持し、この情報を前記第2の管轄区域内のミニトラッカに配信するように構成された、少なくとも1つのゾーントラッカと、
第3の管轄区域内のすべての領域内の前記コンテンツの前記位置の情報を保持して、前記第3の管轄区域内のゾーントラッカにこの情報を配信するように構成された、マスタトラッカと
を備える階層的システムであって、
前記コンテンツの前記位置の提供に係る所定のホストが過負荷状態又は誤作動状態となる場合に、前記マイクロトラッカが、前記ミニトラッカ又は前記ゾーントラッカのうちの少なくとも1つから前記コンテンツの前記位置の情報を取得するように構成された、
階層的システム。
【請求項2】
前記ミニトラッカが、前記第1の管轄区域内の複数の前記マイクロトラッカに対して上位のサーバとして動作する、請求項1に記載の階層的システム。
【請求項3】
前記ゾーントラッカが、前記第2の管轄区域内の複数の前記ミニトラッカに対して上位のサーバとして動作する、請求項1に記載の階層的システム。
【請求項4】
前記マスタトラッカが、前記第3の管轄区域内のすべての前記ゾーントラッカに対して上位のサーバとして動作する、請求項1に記載の階層的システム。
【請求項5】
通常動作中、前記エンドポイントが、前記ミニトラッカから最新の前記コンテンツの前記位置の情報を受信する、請求項1に記載の階層的システム。
【請求項6】
前記第3の管轄区域が複数の前記第2の管轄区域を含み、前記第2の管轄区域が複数の前記第1の管轄区域を含む、請求項1に記載の階層的システム。
【請求項7】
ブロードキャスト、グループ/セレクトキャスト、マルチキャスト、又はオンデマンド技法のうちの少なくとも1つが、前記トラッカ間で情報を広める際に使用される、請求項1に記載の階層的システム。
【請求項8】
情報が、最初に、所定の時間に、前記ゾーントラッカ及び前記ミニトラッカそれぞれを介して、前記マスタトラッカから前記マイクロトラッカに送信される、請求項1に記載の階層的システム。
【請求項9】
前記ゾーントラッカ及び前記ミニトラッカそれぞれを介して、前記マスタトラッカから前記マイクロトラッカに情報が送信される期間を示す最初の期間の後に、
前記ゾーントラッカが、リアルタイム更新を前記マスタトラッカに要求し、前記マスタトラッカから受信するように構成され、
前記ミニトラッカが、リアルタイム更新を前記ゾーントラッカに要求し、前記ゾーントラッカから受信するように構成され、
前記マイクロトラッカが、リアルタイム更新を前記ミニトラッカに要求し、前記ミニトラッカから受信するように構成された、請求項1に記載の階層的システム。
【請求項10】
前記ゾーントラッカ及び前記ミニトラッカそれぞれを介して、前記マスタトラッカから前記マイクロトラッカに情報が送信される期間を示す最初の期間の後の所定の期間に、
前記ミニトラッカが、前記ゾーントラッカを介して、更新を前記マスタトラッカに要求し、前記マスタトラッカから受信するように構成され、
前記マイクロトラッカが、前記ミニトラッカを介して、更新を前記ゾーントラッカに要求し、前記ゾーントラッカから受信するように構成された、請求項1に記載の階層的システム。
【請求項11】
前記マイクロトラッカが、当該階層的システムの最下位レベルに置かれ、前記ミニトラッカが次のレベルに置かれ、前記ゾーントラッカが前記ミニトラッカの上の次のレベルに置かれ、前記マスタトラッカが最高レベルに置かれた、請求項1に記載の階層的システム。
【請求項12】
常動作中に前記マイクロトラッカがニトラッカから前記コンテンツの前記位置の情報を取得するように構成され、
異常動作中に、前記マイクロトラッカが前記ニトラッカをバイパスし、前記ミニトラッカと異なるホストである2次又は3次ホストを使用して前記コンテンツの前記位置の情報を検索するように構成された、請求項1に記載の階層的システム。
【請求項13】
前記ミニトラッカ又は前記ゾーントラッカに紐づいたシャドーホストを示す代替ホストが発見され、前記ゾーントラッカ又は前記ニトラッカが検証できる故障状態を有するときに、前記マイクロトラッカが、前記ーントラッカ又は前記ニトラッカをバイパスするように構成された、請求項12に記載の階層的システム。
【請求項14】
前記マイクロトラッカは、モバイルの前記エンドポイント内に含まれている、請求項1に記載の階層的システム。
【請求項15】
所定の時間に、ゾーントラッカ及びミニトラッカそれぞれを介して、マスタトラッカからマイクロトラッカにコンテンツの位置の情報を送信するステップと、
前記ゾーントラッカ及び前記ミニトラッカそれぞれを介して、前記マスタトラッカから前記マイクロトラッカに情報が送信される期間を示す最初の期間の後に、前記ゾーントラッカが前記マスタトラッカにリアルタイム更新を要求し、受信するステップと、
前記最初の期間の後に、前記ミニトラッカが前記ゾーントラッカにリアルタイム更新を要求し、受信するステップと、
前記最初の期間の後に、前記マイクロトラッカが前記ミニトラッカにリアルタイム更新を要求し、受信するステップと
を含む方法であって、
各トラッカがシステム内の異なる階層的レベルに置かれ、前記コンテンツの前記位置の提供に係る所定のホストが過負荷状態又は誤作動状態となる場合に、前記マイクロトラッカが、前記ミニトラッカ又は前記ゾーントラッカのうちの少なくとも1つから前記コンテンツの前記位置の情報を取得するように構成された、
方法。
【請求項16】
前記最初の期間の後の所定の期間に、前記ゾーントラッカを介して、前記ミニトラッカが前記マスタトラッカに更新を要求し、受信するステップと、
前記最初の期間の後の所定の期間に、前記ミニトラッカを介して、前記マイクロトラッカが前記ゾーントラッカに更新を要求し、受信するステップと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
常動作中、前記マイクロトラッカが、前記ミニトラッカから前記コンテンツの前記位置の情報を取得するように構成され、
異常動作中、前記マイクロトラッカが、前記ニトラッカをバイパスし、前記ミニトラッカと異なるホストである2次又は3次ホストを使用して前記コンテンツの前記位置の情報を検索するように構成された、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記ミニトラッカ又は前記ゾーントラッカに紐づいたシャドーホストを示す代替ホストが発見され、前記ゾーントラッカ又は前記ニトラッカが検証できる故障状態を有するときに、前記マイクロトラッカによって、前記ーントラッカ又は前記ニトラッカをバイパスするステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
所定の時間に、ゾーントラッカ及びミニトラッカそれぞれを介して、マスタトラッカからマイクロトラッカにコンテンツの位置の情報を送信するための手段と、
前記ゾーントラッカ及び前記ミニトラッカそれぞれを介して、前記マスタトラッカから前記マイクロトラッカに情報が送信される期間を示す最初の期間の後に、前記ゾーントラッカがリアルタイム更新を前記マスタトラッカに要求し、前記マスタトラッカから受信するための手段と、
前記最初の期間の後に、前記ミニトラッカがリアルタイム更新を前記ゾーントラッカに要求し、前記ゾーントラッカから受信するための手段と、
前記最初の期間の後に、前記マイクロトラッカがリアルタイム更新を前記ミニトラッカに要求し、前記ミニトラッカから受信するための手段と
を備えるシステムであって、
各トラッカが、システム内の異なる階層的レベルに置かれ、前記コンテンツの前記位置の提供に係る所定のホストが過負荷状態又は誤作動状態となる場合に、前記マイクロトラッカが、前記ミニトラッカ又は前記ゾーントラッカのうちの少なくとも1つから前記コンテンツの前記位置の情報を取得するように構成された、
システム
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、ワイヤード(wired)及びモバイルのデバイスに対する情報の効率的引渡し及び配信のためのコンテンツ及び/又はキャッシュを階層的に追跡するための方法及び装置を対象とする。
【背景】
【0002】
従来のコンテンツ引渡し/配信ネットワークでは、コンテンツは、1つ又は複数の集中化した位置に記憶され、次いで、集中サーバからエンドポイント(endpoints)に配信される。コンテンツは、直接に、又は事前に決められたプロキシサーバを介して、配信される。この構成は、コンテンツがほとんど静的である小規模システムではうまく機能する。
【0003】
しかし、コンテンツが非常に頻繁に更新されるとき、及びユーザ及び配信ネットワークのセットが非常に大きいとき、サーバ間のコンテンツの配信と最新のコンテンツについてのこれらのサーバへの中及び長距離アクセスとの両方が、いくつかの問題を引き起こす。たとえば、これは、転送ネットワークにおいて過量のトラフィックをもたらし、ネットワークの転送区分における輻輳により、コンテンツのダウンロードで極端な遅延を引き起こす。
【0004】
これらの問題を克服するために、研究者たちは、ピアツーピア通信及びファイル共有のための分散ハッシュテーブル(Distributed hash table:DHT)の概念を試みた。DHTは、効率的ルーティングのためのアルゴリズム手法を使用してピアツーピアからのコンテンツ又はファイルに関連する制御情報を広めることによって、集中サーバの必要性からシステムを解放する。したがって、DHT手法は、スケーラビリティ及びストレージのレベルの改善を達成するのに役立つ。
【0005】
しかし、DHTはキーワード探索を使用して所望の情報又はファイルを見つけないので、正確な所望の情報を成功裏に見つける確率は大きく変わる。成功の確率は、特定の情報が用いられたとすれば、改善可能である。しかし、必要とされる特定の情報はほとんど入手可能ではない。各ピアでの異なるウイルス防護機構の使用により、ダウンロードされるファイルは、ホスト及びモバイルデバイスに深刻なセキュリティ脅威を意図せずにもたらし得る。
【発明の簡単な概要】
【0006】
本発明の実施形態は、大規模広域(large-scale wide-area)の分散型ネットワーク(distributed network)においてメディアコンテンツ(ストレージ)及びそのキャッシュ(元のコンテンツと同期される)を追跡するための方法及び装置を対象とする。システムは、ワイヤードデバイス及びモバイルワイヤレスデバイスにメディアコンテンツをシームレスに配信する能力をもつ。本システムは、スケーラビリティ、弾力性、セキュリティ、及び効率性の所要のレベルをサポートし、次世代コンテンツ配信ネットワーキング(next-generation content distribution networking:NG-CDN)に適している。本発明の実施形態は、システム内に4つのタイプのトラッカを用いて、メディアコンテンツ又はファイルに関連する制御情報を階層的に広めることによって、メディアコンテンツの階層的追跡を実施する。
【0007】
本発明の実施形態は、ここで、以下のような添付の図面を参照して読まれると、本明細書の以下のより詳細な説明でさらに説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】階層的トラッカに基づくNG−CDNアーキテクチャの実施形態を示す図である。
図2】マスタ/スーパートラッカ(master/super tracker)からマイクロトラッカ(micro tracker)にストレージ、キャッシュ、及びチャンク(chunk)の位置情報を配信するための本発明の実施形態を示す図である。
図3】マイクロトラッカでチャンク/ストレージの位置情報を更新する際に本発明の実施形態で実施されるステップを示す図である。
図4】チャンク/ストレージの位置情報を取得するためのマイクロトラッカによるエッジ/ミニトラッカ(edge/mini tracker)及びゾーン/領域トラッカ(zonal/regionaltracker)のバイパスにおいて本発明の実施形態で実装されるステップを示す図である。
【発明の詳細な説明】
【0009】
本発明はここで、本発明の実施形態のいくつかの例が示された添付の図面を参照し、以下にさらに十分に説明される。実際に、これらの発明は、多数の異なる形で実施可能であり、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、そうではなくて、これらの実施形態は、本開示が適用される法的要求事項を満たすように、例として提供される。
【0010】
システムが階層的トポロジを使用するとき、プレフィックスルーティング機構が必要とされる、又はルーティングキーが集成可能でなければならない。コンテンツ配信ネットワーキング(CDN)システムにおいて、ルーティングキーは、コンテンツ識別子(ID)又はチャンクIDであって、乱数であり集成可能ではないファイル/チャンク名から通常はハッシュされる。チャンクは、コンテンツのファイル又は区分である。さらに、ファイル/チャンク名から位置情報を推定することは不可能である。コンテンツ製作者がそれ自体の位置情報をコンテンツID又はチャンクIDに挿入する場合、コンテンツ消費者による元の位置情報の判定及び正しいコンテンツ/チャンクIDの考案は困難であることがある。1つの解決法は、仮想プレフィックス変換法(virtual prefixing method)を使用することであり、最悪の場合、いくつかのリダイレクション又は埋込みURLの手順が、元の位置を識別するために必要とされることがある。
【0011】
当業者には知られているように、小さなネットワークでは、コンテンツ及びチャンクのキャッシュ及びストレージに同じ物理プラットフォームを使用するために、ストレージサーバの容量を分割することが一般的な方法である。しかし、非常に大きなネットワークでは、集中サーバの使用は、ユーザがコンテンツをダウンロードしたいときに、かなりの量の転送トラフィックを生成することになり、サービスのコストとサービスの性能の両方に否定的な影響を及ぼすことになるので、推奨されない。管理されたピアツーピア及びピアツーピアストリーミングの技法は、ユーザが最も近いコンテンツ/チャンクサーバからコンテンツをダウンロードすることができるように、コンテンツ及びチャンクの位置に関する情報を配信することによって、CDNにおける状況の改善を試みる。
【0012】
本発明の実施形態は、そのシステムの分散及び階層的性質によりCDNシステムをよりスケーラブルにする階層情報の組込み、及び(複数のドメインにおける)複数の層の追加を可能にする。階層情報の組込み、及び複数のドメインにおける複数の層はまた、安価な記憶容量を信頼度に影響を及ぼすことなく徐々に増やして追加することが可能なので、CDNシステムを非常に費用効果の高いものにすることになる。
【0013】
階層的機構が使用されるとき、任意のワイヤード及びモバイルのデバイスは、複数の方法でチャンク及び/又はコンテンツの位置に関する更新された情報を取得することができる。たとえば、チャンク及び/又はコンテンツの位置に関する更新された情報は、1次ソースが混み過ぎている又は誤作動している場合には、ミニトラッカ又は領域トラッカから及び複数のソースから取得可能である。階層的構成は、頑強性をもたらす、又は記憶を可能にするだけではなく、PSTN(公衆交換電話網)ネットワークのように有界の時間内のアクセス可能性も保証する。
【0014】
図1は、階層的トラッカに基づくNG−CDNアーキテクチャの実施形態を示す。4つのタイプのトラッカは、コンテンツ又はファイルに関連する制御情報を階層的に広めるために定義される。これらのトラッカは、マイクロトラッカ(μトラッカ)、ミニトラッカ(MNT)、ゾーン/領域トラッカ(Z/RT)、及びマスタ又はスーパートラッカ(M/ST)を含む。概して、複数のマイクロトラッカ(μトラッカ)は1つのミニトラッカ(MNT)によって供され、ミニトラッカの(1つのadminドメインにおける)複数のクラスタは1つのゾーン/領域トラッカ(Z/RT)によって供され、複数のゾーン/領域トラッカは1つの論理的(仮想)マスタ又はスーパートラッカ(M/ST)によって供される。1つのM/STは、大容量トラッカ(サーバ)の完全に保護された論理的リングによって実施可能であり、これらのサーバは地理的冗長性(geo-redundancy)をサポートするために地理的に分散され得る。
【0015】
マイクロトラッカは、コンテンツ、又はコンテンツのチャンク、ファイル若しくは区分のある種のデフォルトの、若しくは事前に提供された、又は最も可能性の高い位置を提供する。マイクロトラッカは、ソフトエンドポイント及びハードエンドポイントに埋め込むことができる。ミニトラッカはそのコンテンツ及びチャンクの位置の情報を保持し、次いで、この情報をその管轄区域(jurisdiction)内のマイクロトラッカに配信する。複数のマイクロトラッカが、1つのミニトラッカによって供される。ゾーン/領域トラッカは、ゾーン又は領域(論理的又は物理的な地理的境界)内のコンテンツ及びチャンクの位置の情報を保持し、次いで、この情報をその管轄区域内のミニトラッカに配信する。ミニトラッカの(1つのadminドメインにおける)複数のクラスタは1つのゾーン/領域トラッカによって供される。マスタ/スーパートラッカは、その管轄区域内のすべてのゾーン又は領域(論理的又は物理的な地理的境界)内のコンテンツ及びチャンクの位置の情報を保持し、次いで、この情報をこれらのゾーン/領域トラッカに配信する。複数のゾーン/領域トラッカは、1つの論理的(仮想)マスタ/スーパートラッカによって供される。
【0016】
したがって、図1は、マスタ/スーパートラッカが複数のゾーン/領域トラッカに供(serve)する階層的システムを示す。ゾーン/領域トラッカは、いくつかのエッジ/ミニトラッカに供する。エッジ/ミニトラッカは、各々埋め込まれたマイクロトラッカを有するいくつかのエンドポイントに供する。任意のカテゴリのホストの過負荷又は誤作動がない通常動作では、エンドポイントは、その階層における次のホスト、すなわち関連エッジ/ミニトラッカから、チャンク/ストレージの位置に関する最新の情報を受信する。しかし、故障又は過負荷の状況では、エンドポイントは故障(又は過負荷の)ホストをバイパス(bypass)する権限を有する。
【0017】
階層的機構が使用されるとき、それはより高いレベルのスケーラビリティを提供するので、複数のレベルの認証及び許可が容易に実施され保守され得る。領域トラッカ及び/又はスーパートラッカへのアクセスは、埋め込まれたマイクロトラッカを有するエンドポイントがミニトラッカから時宜を得た更新を得ることができないときにのみ許可され得る。
【0018】
図2は、マスタ/スーパートラッカからマイクロトラッカにストレージ、キャッシュ、及びチャンクの位置情報を配信するための本発明の実施形態を示す。本発明の実施形態によれば、ブロードキャスト(broadcast)、グループ/セレクトキャスト(Group/Select-Cast)、マルチキャスト(multi-cast)、及びオンデマンド技法(On-Demand technique)のうちの1つ又は複数が、情報を広める際に使用され得る。位置情報をオンデマンドで広める場合には、リアルタイム、非リアルタイム、及び(バックグラウンドでの)オフタイムの更新がサポートされる。
【0019】
図2に示すように、情報が、最初に、ゾーン/領域トラッカ及びミニトラッカそれぞれを介して、マスタ/スーパートラッカからマイクロトラッカに送信される。情報は、所定の時間に、たとえば1時間に一度、送信することができる。その後、ゾーン/領域トラッカは、リアルタイム更新をマスタ/スーパートラッカに要求し、このマスタ/スーパートラッカから受信することができ、ミニトラッカは、リアルタイム更新をゾーン/領域トラッカに要求し、このゾーン/領域トラッカから受信することができ、マイクロトラッカは、リアルタイム更新をミニトラッカに要求し、このミニトラッカから受信することができる。所定の期間(たとえば、3時間又は6時間又は12時間ごと)に、ミニトラッカは、ゾーン/領域トラッカを介して、更新をマスタ/スーパートラッカに要求し、このマスタ/スーパートラッカから受信することができ、マイクロトラッカは、ミニトラッカを介して、更新をゾーン/領域トラッカに要求し、このゾーン/領域トラッカから受信することができる。
【0020】
図3は、マイクロトラッカでのチャンク/ストレージ位置情報の更新において本発明の実施形態で実施されるステップを示す。1次、2次、及び3次ソースは、マイクロトラッカ内に保持される。この場合も、何れのカテゴリのホストの過負荷も誤作動もない通常動作では、エンドポイントは、その階層の1次ホストからチャンク/ストレージの位置に関する最新の情報を得る。しかし、検証された(たとえば、事前設定された時間間隔内に応答が受信されない)故障又は過負荷状況では、エンドポイントは、故障した(又は過負荷の)ホストをバイパスする権限を有することになり、最新の位置情報を検索するために、2次及び/又は3次ホストを使用することができる。
【0021】
図4は、チャンク/ストレージ位置情報を取得するためのマイクロトラッカによるエッジ/ミニトラッカ及びゾーン/領域トラッカのバイパスで本発明の一実施形態において実装されるステップを示す。マイクロトラッカは、代替/シャドーホストファミリ(エッジ/ミニトラッカ及び/又はゾーン/領域トラッカ)が発見され、ホームエッジ/ミニトラッカ及びホームゾーン/領域トラッカが検証可能な過負荷及び/又は故障状態を有するときにのみ、ホームエッジ/ミニトラッカ及びホームゾーン/領域トラッカをバイパスすることができる。
【0022】
1つのM/STが、大容量トラッカ(サーバ)の(伝送の各方向において)完全に保護された論理的リングを介して実施可能であり、これらのサーバは、地理的冗長性をサポートするために、地理的に分散され得る。同機構は、マイクロトラッカを除いて、他のトラッカにも同様に使用され得る。
【0023】
本発明の前述の説明は、本発明の実施形態を示し、説明する。本発明は、様々な他の組合せ、修正形態及び環境で使用することができ、前述の教示及び/又は関連技術の技能又は知識に相応する、本明細書に記載されるような本発明の概念の範囲内で変更又は修正が可能であることを理解されたい。本明細書に記載の実施形態は、本発明を実施する知られている最良の形態を説明すること、及び、そのような又は他の実施形態で本発明の特定の適用又は使用によって必要とされる様々な修正とともに本発明を当業者が使用することができるようにすることをさらに意図する。したがって、本明細書は、本明細書で開示される形又は適用例に本発明を限定するものではない。
図1
図2
図3
図4