(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記溝は、直線部分および湾曲部分を含み、該湾曲部分は、前記第一の配向と前記第二の配向との間での前記ピンの回転を容易にするように適合されている、請求項1に記載の外科手術用器具。
前記突出部は、前記ピンの遠位部分に隣接して位置しており、前記溝は、第一の配向と第二の配向との間での前記ピンの回転をガイドするように適合されている湾曲部分を含む、請求項3に記載の外科手術用器具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの間の係合を増強するための整列ピン配置を提供することが、有利である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1A)
ハンドル部分;
長手方向軸を規定し、該ハンドル部分から遠位に延びる細長部分;
該細長部分に隣接して配置されたエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、第一の顎部材および第二の顎部材を備え、該第一の顎部材および該第二の顎部材は、間に組織をクランプするように構成されている、エンドエフェクタ;
該第一の顎部材と機械的に協働するように配置され、係合セクションを備えるピンであって、該ピンは、第一の位置と第二の位置との間で移動可能であり、該第一の位置において、該係合セクションは、該第二の顎部材から間隔を空けており、そして該第二の位置において、該ピンの該係合セクションは、該第二の顎部材と係合している、ピン;ならびに
該第二の顎部材に配置されたロック構造体であって、該ロック構造体は、該エンドエフェクタの起動中に、該ピンを該第二の顎部材に固定して、該第一の顎部材に対する該第二の顎部材の位置を維持するように構成されている、ロック構造体、
を備える、外科手術用器具。
(項目2A)
上記ピンが、該ピンから放射状に延びる突出部を備え、そして上記第一の顎部材が、該突出部をスライド可能に受容するように適合された溝を備え、該溝が、該ピンを第一の配向から第二の配向へと回転させるように適合された幾何学的形状を有する、上記項目に記載の外科手術用器具。
(項目3A)
上記ロック構造体が、上記ピンを受容するための寸法にされた空洞を備え、該空洞が、該ピンが上記第二の配向に位置している間、該ピンを保持するように適合されており、そして上記第二の顎部材が、該空洞に通じるボアを備え、該ボアが、該ピンが上記第一の配向で配置されている間にのみ該ピンを受容するような寸法にされている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目4A)
上記ピンが、該ピンから放射状に延びる突出部を備え、そして上記第二の顎部材が、該ピンの該突出部をスライド可能に受容するように適合された溝を備え、該溝が、該ピンを第一の配向から第二の配向へと回転させるように適合された幾何学的形状を有する、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目5A)
上記ピンの上記係合セクションが、フックを備え、該フックは、上記ロック構造体にしっかりと係合するように適合されており、該ロック構造体は、上記ピンが上記第二の位置にあるときに該フックを保持するように適合されたキャッチを備える、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目6A)
上記ピンの周りにおねじが形成されており、そして上記ロック構造体が、該ピンの該おねじと係合するように適合されためねじを備える、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目7A)
上記ロック構造体が、キャッチ、および該キャッチに作動可能に接続された付勢部材を備え、該付勢部材は、上記ピンが上記第二の位置に位置しているときに該ピンの方へと該キャッチを付勢するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目8A)
上記キャッチが上記第二の顎部材に旋回可能に接続されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目9A)
上記ロック構造体が、穴を有するシートメタルを備え、該穴が、上記ピンの上記係合セクションを受容するように適合されており、該シートメタルが、変形可能な材料から作製されており、該変形可能な材料は、該穴を通る該ピンの通過の際に該穴が拡張することを可能にし、そして該係合セクションの少なくとも一部分が該穴を通過した後に収縮する、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目10A)
上記ピンの上記係合セクションが、上記第二の顎部材に対して旋回可能であり、上記ロック構造体が、該係合セクションを受容するように構成された空洞、および上記ピンが上記第二の位置に位置しているときに該係合セクションを保持するように適合された壁を備え、該壁は、該ピンを該第二の顎部材にロックするように該係合セクションの方へと移動するように適合され、そして該ピンが該第二の位置に位置しているときに該ピンを該第二の顎部材から解放するように該係合セクションから離れるように移動するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目11A)
近位位置と遠位位置との間で長手軸方向に移動するように構成されたナイフをさらに備え、上記ロック構造体が、上記第二の顎部材に回転可能に接続されたカムレバーを備え、該カムレバーは、該ナイフが該遠位位置に位置しているときに回転して、上記係合セクションを上記壁から離すように旋回させるように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目12A)
近位位置と遠位位置との間で長手軸方向に移動するように構成されたナイフをさらに備え、上記ロック構造体が、上記第二の顎部材に対して移動するように適合されたカム作用部材を備え、該カム作用部材は、該ナイフが該遠位位置に位置しているときに、該ナイフとの係合に応答して、上記係合セクションを上記壁から離すように駆動するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目13A)
上記ロック構造体が、上記ピンの上記係合セクションを受容するための寸法にされた空洞、および該ピンの該係合セクションを保持するように適合された壁を有するカム作用部材を備え、該カム作用部材は、該壁が該ピンの該係合セクションを上記第二の顎部材に固定するように、該空洞の方へと移動するように適合されており、そして該ピンの該係合セクションを該第二の顎部材から解放するように該空洞から離れるように移動するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目14A)
近位位置と遠位位置との間で移動可能なナイフをさらに備え、上記カム作用部材は、該ナイフが該遠位位置に位置しており、そして上記ピンが上記第二の位置に位置しているときに、該ピンの上記係合セクションから離れるように移動するように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目15A)
上記ロック構造体が、上記第二の顎部材に旋回可能に接続されたラッチを備え、該ラッチは、上記ピンが上記第二の位置にあるときに、該ピンの上記係合セクションを保持するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目16A)
上記ロック構造体が、互いに対して移動するように適合された第一の顎部材および第二の顎部材を備え、該第一の顎部材および該第二の顎部材は、上記ピンの上記係合セクションを協働して保持するように構成されており、上記外科手術用器具が、近位位置と遠位位置との間で移動可能なナイフをさらに備え、該第一の顎部材および第二の顎部材は、該ナイフが該遠位位置に位置しているときに、互いから離れるように移動し、これによって、該係合セクションを解放するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目17A)
上記ロック構造体が、上記ピンの上記係合セクションを受容するように構成された空洞、上記第二の顎部材に回転可能に接続されたカム、および該カムに作動可能に結合された留め金を備え、該留め金は、該カムの回転に応答して長手軸方向に移動するように適合されており、該留め金は、該ピンが上記第二の位置にあるときに、該ピンの該係合セクションを該空洞内に保持するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目18A)
上記ロック構造体が、第一のカム作用部材および第二のカム作用部材を備え、該第二のカム作用部材は、該第一のカム作用部材に作動可能に接続されており、そして上記ピンの上記係合セクションを受容するように構成された空洞を有し、上記外科手術用器具が、遠位位置と近位位置との間で移動可能なナイフをさらに備え、該第一のカム作用部材は、該ナイフが該遠位位置に位置しているときに、該第二のカム作用部材を駆動するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
【0008】
本発明はさらに、以下を提供する:
(項目1B)
ハンドル部分;
長手方向軸を規定し、該ハンドル部分から遠位に延びる細長部分;
該細長部分に隣接して配置されたエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、第一の顎部材および第二の顎部材を備え、該第一の顎部材および該第二の顎部材は、間に組織をクランプするように構成されている、エンドエフェクタ;
該第一の顎部材と機械的に協働するように配置され、係合セクションを備えるピンであって、該ピンは、第一の位置と第二の位置との間で移動可能であり、該第一の位置において、該係合セクションは、該第二の顎部材から間隔を空けており、そして該第二の位置において、該ピンの該係合セクションは、該第二の顎部材と係合している、ピン;ならびに
該第二の顎部材に配置されたロック構造体であって、該ロック構造体は、該エンドエフェクタの起動中に、該ピンを該第二の顎部材に固定して、該第一の顎部材に対する該第二の顎部材の位置を維持するように構成されている、ロック構造体、
を備える、外科手術用器具。
(項目2B)
上記ピンが、該ピンから放射状に伸びる突出部を備え、そして上記第一の顎部材が、該突出部をスライド可能に受容するように適合された溝を備え、該溝が、該ピンを第一の配向から第二の配向へと回転させるように適合された幾何学的形状を有する、上記項目に記載の外科手術用器具。
(項目3B)
上記ロック構造体が、上記ピンを受容するための寸法にされた空洞を備え、該空洞が、該ピンが上記第二の配向に配置されている間、該ピンを保持するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目4B)
上記第二の顎部材が、上記空洞に通じるボアを備え、該ボアが、上記ピンが上記第一の配向に配置されている間にのみ該ピンを受容するような寸法にされている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目5B)
上記溝が、直線部分および湾曲部分を備え、該湾曲部分が、上記ピンの上記第一の配向と第二の配向との間での回転を容易にするように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目6B)
上記ピンが、該ピンから放射状に延びる突出部を備え、そして上記第二の顎部材が、該ピンの該突出部をスライド可能に受容するように適合された溝を備え、該溝が、該ピンを第一の配向から第二の配向へと回転させるために適合された幾何学的形状を有する、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目7B)
上記突出部が、上記ピンの遠位部分に隣接して位置し、そして上記溝が、該ピンの第一の配向と第二の配向との間での回転を案内するために適合された湾曲部分を備える、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目8B)
上記ピンの係合セクションがフックを備え、該フックが、上記ロック構造体としっかりと係合するように適合されており、該ロック構造体が、該ピンが上記第二の位置にある場合に該フックを保持するように適合されたキャッチを備える、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目9B)
上記ピンの周りにおねじが形成されており、そして上記ロック構造体が、該ピンの該おねじと係合するように適合されためねじを備える、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目10B)
上記ピンが、該ピンの近位端にノブを備え、該ノブが、該ピンの手での回転を可能にするように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目11B)
上記ロック構造体が、キャッチ、および該キャッチに作動可能に接続された付勢部材を備え、該付勢部材が、上記ピンが上記第二の位置に位置する場合に該ピンの方へと該キャッチを付勢するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目12B)
上記キャッチが上記第二の顎部材に旋回可能に接続されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目13B)
上記ロック構造体が、穴を有するシートメタルを備え、該穴が、上記ピンの上記係合セクションを受容するように構成されており、該シートメタルが、変形可能な材料から作製されており、該変形可能な材料は、該穴を通る該ピンの通過の際に該穴が拡張することを可能にし、そして該係合セクションの少なくとも一部分が該穴を通過した後には収縮する、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目14B)
上記ピンの上記係合セクションが、上記第二の顎部材に対して旋回可能であり、上記ロック構造体が、該係合セクションを受容するように構成された空洞、および該ピンが上記第二の位置に位置する場合に該係合セクションを保持するように適合された壁を備える、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目15B)
上記壁が、上記係合セクションの方へと移動して上記ピンを上記第二の顎部材にロックするように適合されており、そして該ピンが上記第二の位置に位置するときに、該係合セクションから離れるように移動して該ピンを該第二の顎部材から解放するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目16B)
近位位置と遠位位置との間で長手軸方向に移動するように構成されたナイフをさらに備え、上記ロック構造体が、上記第二の顎部材に回転可能に接続されたカムレバーを備え、該カムレバーは、該ナイフが該遠位位置に位置するときに回転し、これによって、上記係合セクションを上記壁から離すように旋回させるように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目17B)
近位位置と遠位位置との間で長手軸方向に移動するように構成されたナイフをさらに備え、上記ロック構造体が、上記第二の顎部材に対して移動するように適合されたカム作用部材を備え、該カム作用部材は、該ナイフが該遠位位置に位置するときに、該ナイフとの係合に応答して、上記係合セクションを上記壁から離すように駆動するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目18B)
上記ロック構造体が、上記ピンの上記係合セクションを受容するための寸法にされた空洞、および該ピンの該係合セクションを保持するように適合された壁を有するカム作用部材を備え、該カム作用部材が、該壁が該ピンの該係合セクションを上記第二の顎部材に固定するように、該空洞の方へと移動するように適合されており、そして該ピンの該係合セクションを該第二の顎部材から解放するように、該空洞から離れるように移動するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目19B)
近位位置と遠位位置との間で移動可能なナイフをさらに備え、上記カム作用部材は、該ナイフが該遠位位置に位置するときに、上記空洞から離れるように移動するように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目20B)
上記ロック構造体が、上記ピンの上記係合セクションを受容するための寸法にされた空洞、および該ピンの該係合セクションを保持するように適合された留め金を有するカム作用部材を備え、該カム作用部材は、該壁が該ピンの該係合セクションを上記第二の顎部材に固定するように、該空洞の方へと移動するように適合されており、そして該ピンの該係合セクションを該第二の顎部材から解放するように、該空洞から離れるように移動するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目21B)
近位位置と遠位位置との間で移動可能なナイフをさらに備え、上記カム作用部材は、該ナイフが該遠位位置に位置し、そして上記ピンが上記第二の位置に位置するときに、該ピンの上記係合セクションから離れるように移動するように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目22B)
上記ロック構造体が、上記第二の顎部材に旋回可能に接続されたラッチを備え、該ラッチは、上記ピンが上記第二の位置にあるときに、該ピンの上記係合セクションを保持するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目23B)
上記ロック構造体が、互いに対して移動するように適合された第一の顎部材および第二の顎部材を備え、該第一の顎部材および該第二の顎部材が、上記ピンの上記係合セクションを協働して保持するように構成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目24B)
近位位置と遠位位置との間で移動可能なナイフをさらに備え、上記第一の顎部材および上記第二の顎部材は、該ナイフが該遠位位置に位置するときに、互いから離れるように移動し、これによって、該係合セクションを解放するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目25B)
上記ロック構造体が、上記ピンの上記係合セクションを受容するように構成された空洞、上記第二の顎部材に回転可能に接続されたカム、および該カムに作動可能に結合された留め金を備え、該留め金は、該カムの回転に応答して長手軸方向に移動するように適合されており、該留め金は、該ピンが該第二の位置に位置するときに、該ピンの係合セクションを該空洞内に保持するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目26B)
上記ロック構造体が、第一のカム作用部材および第二のカム作用部材を備え、該第二のカム作用部材が、上記第一のカム作用部材に作動可能に接続され、そして上記ピンの上記係合セクションを受容するように構成された空洞を有する、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
(項目27B)
遠位位置と近位位置との間で移動可能なナイフをさらに備え、上記第一のカム作用部材が、該ナイフが該遠位位置に位置しているときに上記第二のカム作用部材を駆動するように適合されている、上記項目のうちのいずれかに記載の外科手術用器具。
【0009】
(摘要)
ハンドル部分、長手方向軸を規定する細長部分、エンドエフェクタ、およびピンを有する外科手術用器具。この細長部分は、このハンドル部分から遠位に延びる。このエンドエフェクタは、この細長部分に隣接して配置され、そして第一の顎部材および第二の顎部材を備える。このピンは、この第一の顎部材と機械的に協働するように配置され、そして係合セクションを備える。操作において、このピンは、第一の位置と第二の位置との間で移動する。この第一の位置にある間、このピンの係合部分は、この第二の顎部材から間隔を空けている。この第二の位置において、このピンの係合部分は、この第二の顎部材と係合する。この第二の顎部材は、ロック構造体を備え、このロック構造体は、このエンドエフェクタの起動中にこの第一の顎部材に対するこの第二の顎部材の位置を維持するように構成されている。
【0010】
(要旨)
本開示は、整列ピンを固定するためのロック機構を有する外科手術用器具に関する。この外科手術用器具は、一般に、ハンドル部分、長手方向軸を規定する細長部分、エンドエフェクタ、および整列ピンを備える。この細長部分は、このハンドル部分から遠位に延びる。このエンドエフェクタは、この細長部分の遠位端に隣接して配置され、そして第一の顎部材および第二の顎部材を備える。このピンは、この第一の顎部材と機械的に協働するように配置され、そして係合セクションを備える。操作において、このピンは、第一の位置と第二の位置との間で移動する。この第一の位置にある間、このピンの係合セクションは、この第二の顎部材から間隔を空けている。この第二の位置において、このピンの係合セクションは、この第二の顎部材と係合する。この第二の顎部材は、ロック構造体を備え、このロック構造体は、このエンドエフェクタの起動中に、このピンを第二の位置に維持して、この第一の顎部材に対するこの第二の顎部材の位置を維持するように構成されている。
【0011】
本開示の外科手術用ステープル留め器具の種々の実施形態が、図面を参照しながら本明細書中に開示される。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの間の係合を増強するための整列ピン配置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、先行技術の外科手術用ステープル留め器具の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示される外科手術用ステープル留め器具のエンドエフェクタの斜視図である。
【
図3】
図3は、顎部材が開位置にある、
図2に示されるエンドエフェクタの側面断面図である。
【
図4】
図4は、顎部材が閉位置にある、
図2に示されるエンドエフェクタの側面断面図である。
【
図5】
図5は、本開示のエンドエフェクタの第一の実施形態の斜視図である。
【
図6】
図6は、
図5に示されるエンドエフェクタと一緒に使用するためのピンの斜視図である。
【
図6A】
図6Aは、
図5に示されるエンドエフェクタと一緒に使用するためのピンの代替の実施形態の斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6に図示されるピンが内部に配置され、そして第一の位置または脱係合位置に位置しているピンを示す、
図5に示されるエンドエフェクタの斜視図である。
【
図8】
図8は、
図6に図示されるピンが内部に配置され、そして第二の位置または係合位置に位置しているピンを示す、
図5に示されるエンドエフェクタの斜視図である。
【
図9】
図9は、脱係合位置にあるピンを示す、
図5に図示されるエンドエフェクタ内のロック構造体および
図6に示されるピンの上断面図である。
【
図10】
図10は、係合位置にあるピンを示す、
図5に示されるエンドエフェクタ内のロック構造体および
図6に図示されるピンの、
図8の線10−10に沿って見た上断面図である。
【
図11】
図11は、エンドエフェクタの別の実施形態の斜視図である。
【
図12】
図12は、
図11に示されるエンドエフェクタと一緒に使用するためのピンの別の実施形態の斜視図である。
【
図13】
図13は、
図12に図示されるピンが内部に配置されている、
図11に示されるエンドエフェクタの一部分の斜視図である。
【
図14】
図14は、脱係合位置に位置しているピンを示す、
図13に図示されるエンドエフェクタ内のロック構造体の上断面図である。
【
図15】
図15は、係合位置に位置しているピンを図示する、
図13に示されるエンドエフェクタ内のロック構造体の、
図13の線15−15に沿って見た上断面図である。
【
図16】
図16は、エンドエフェクタの別の実施形態の斜視図である。
【
図17】
図17は、
図16に図示されるエンドエフェクタと一緒に使用するためのピンの別の実施形態の斜視図である。
【
図18】
図18は、エンドエフェクタのさらなる実施形態の斜視図である。
【
図19】
図19〜21は、ピンの脱係合位置から係合位置までの移動を図示するための作動の異なる段階における、
図18に図示されるピンおよびエンドエフェクタの一部分の側面図である。
【
図20】
図19〜21は、ピンの脱係合位置から係合位置までの移動を図示するための作動の異なる段階における、
図18に図示されるピンおよびエンドエフェクタの一部分の側面図である。
【
図21】
図19〜21は、ピンの脱係合位置から係合位置までの移動を図示するための作動の異なる段階における、
図18に図示されるピンおよびエンドエフェクタの一部分の側面図である。
【
図22】
図22は、エンドエフェクタの別の実施形態の斜視図である。
【
図23】
図23は、
図22に示されるエンドエフェクタと一緒に使用するためのピンの別の実施形態の斜視図である。
【
図24】
図24は、
図23に図示されるピンが内部で係合位置に配置されている、
図22に図示されるエンドエフェクタの斜視図である。
【
図26】
図26は、
図25に示されるピンが係合位置に配置されている、エンドエフェクタの1つの実施形態の斜視図である。
【
図27】
図27は、ピンの別の代替の実施形態の斜視図である。
【
図28】
図28は、エンドエフェクタ内に配置された、
図27に図示されるピンの正面断面図である。
【
図29】
図29は、ピンが内部に配置されたエンドエフェクタの別の実施形態の斜視図である。
【
図30】
図30〜32は、ピンの脱係合位置から係合位置までの移動を図示するための、作動の異なる段階における、
図29のピンおよびエンドエフェクタの係合構造体の側面図である。
【
図31】
図30〜32は、ピンの脱係合位置から係合位置までの移動を図示するための、作動の異なる段階における、
図29のピンおよびエンドエフェクタの係合構造体の側面図である。
【
図32】
図30〜32は、ピンの脱係合位置から係合位置までの移動を図示するための、作動の異なる段階における、
図29のピンおよびエンドエフェクタの係合構造体の側面図である。
【
図33】
図33は、エンドエフェクタのシートおよびピンの代替の実施形態の斜視図である。
【
図34】
図34〜36は、ピンの脱係合位置から係合位置までの移動を図示するための、作動の異なる段階における、
図33のピンおよびシートの側面断面図である。
【
図35】
図34〜36は、ピンの脱係合位置から係合位置までの移動を図示するための、作動の異なる段階における、
図33のピンおよびシートの側面断面図である。
【
図36】
図34〜36は、ピンの脱係合位置から係合位置までの移動を図示するための、作動の異なる段階における、
図33のピンおよびシートの側面断面図である。
【
図38】
図38〜40は、作動の異なる段階における、ピンおよびエンドエフェクタの別の代替の実施形態の側面図である。
【
図39】
図38〜40は、作動の異なる段階における、ピンおよびエンドエフェクタの別の代替の実施形態の側面図である。
【
図40】
図38〜40は、作動の異なる段階における、ピンおよびエンドエフェクタの別の代替の実施形態の側面図である。
【
図41】
図41および42は、作動の異なる段階における、ピンおよびエンドエフェクタの代替の実施形態の側面図である。
【
図42】
図41および42は、作動の異なる段階における、ピンおよびエンドエフェクタの代替の実施形態の側面図である。
【
図43】
図43および44は、作動の異なる段階における、ピンおよびエンドエフェクタの別の代替の実施形態の側面図である。
【
図44】
図43および44は、作動の異なる段階における、ピンおよびエンドエフェクタの別の代替の実施形態の側面図である。
【
図45】
図45および46は、作動の異なる段階における、ピンおよびエンドエフェクタのなお別の代替の実施形態の側面図である。
【
図46】
図45および46は、作動の異なる段階における、ピンおよびエンドエフェクタのなお別の代替の実施形態の側面図である。
【
図47】
図47および48は、作動の異なる段階における、ピンおよびエンドエフェクタの別の代替の実施形態の側面図である。
【
図48】
図47および48は、作動の異なる段階における、ピンおよびエンドエフェクタの別の代替の実施形態の側面図である。
【
図49】
図49は、スロットが形成されたピンの1つの実施形態の側面図である。
【
図50】
図50は、切り欠きが形成されたピンの代替の実施形態の側面図である。
【
図51】
図51および52は、ピンと、このピンに近付く方向および離れる方向に旋回するように適合されたフックとの、代替の実施形態の斜視図である。
【
図52】
図51および52は、ピンと、このピンに近付く方向および離れる方向に旋回するように適合されたフックとの、代替の実施形態の斜視図である。
【
図53】
図53は、ピンを固定するためのロック機構の代替の実施形態の斜視図であり、このロック機構は、第一のアーム部材および第二のアーム部材を備える。
【
図54】
図54〜57は、作動の異なる段階における、ピンに係合する
図53に示されるロック機構の側面図である。
【
図55】
図54〜57は、作動の異なる段階における、ピンに係合する
図53に示されるロック機構の側面図である。
【
図56】
図54〜57は、作動の異なる段階における、ピンに係合する
図53に示されるロック機構の側面図である。
【
図57】
図54〜57は、作動の異なる段階における、ピンに係合する
図53に示されるロック機構の側面図である。
【
図58】
図58および59は、作動の異なる段階におけるカム機構を示す、ピンと、このピンを固定するためのカム機構を備えるエンドエフェクタとの代替の実施形態の側面図である。
【
図59】
図58および59は、作動の異なる段階におけるカム機構を示す、ピンと、このピンを固定するためのカム機構を備えるエンドエフェクタとの代替の実施形態の側面図である。
【
図60】
図60および61は、作動の異なる段階におけるスライド式カム部材を図示する、ピンと、このピンをエンドエフェクタにロックするためのスライド式カム部材を備えるエンドエフェクタとの代替の実施形態の側面図である。
【
図61】
図60および61は、作動の異なる段階におけるスライド式カム部材を図示する、ピンと、このピンをエンドエフェクタにロックするためのスライド式カム部材を備えるエンドエフェクタとの代替の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の外科手術用ステープル留め器具の実施形態が、図面を参照しながら詳細に記載される。図面において、同じ参照番号は、数枚の図の各々における対応する要素を表す。以下の説明において、用語「近位」とは、外科手術用ステープル留め器具の使用者に近い方の端部または部分をいい、一方で、用語「遠位」とは、外科手術用ステープル留め器具の使用者から遠い方の端部または部分をいう。
【0015】
簡潔さのために、本開示は、図面において参照番号100により指定される外科手術用ステープル留め器具のためのピンロック機構に焦点を当てる。米国特許第7,407,076号(その全内容は、本明細書中に参考として援用される)は、外科手術用ステープル留め器具100の実施形態の構造および作動を詳細に記載する。
【0016】
図1は、ファスナーを適用するため、組織を切断するため、またはこれらの両方のために設計された、外科手術用ステープル留め器具100を図示する。手短には、外科手術用ステープル留め器具100は、ハンドル部分110、細長部分120、およびこの細長部分120の遠位部分から延びるエンドエフェクタ130を備える。ハンドル部分110は、エンドエフェクタ130を起動するためのトリガ140を備える。細長部分120は、ハンドル部分110から遠位に延び、そしてこの細長部分に沿った長手方向軸A−Aを規定する。エンドエフェクタ130は、細長部分120の遠位部分に隣接して配置され、そして第一の顎部材またはカートリッジアセンブリ150、および第二の顎部材またはアンビルアセンブリ160を備える。この実施形態において、カートリッジアセンブリ150は、トリガ140の起動の際に、アンビルアセンブリ160に対して長手軸方向に移動して、顎部材150と160との間に組織をクランプするように適合される。カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを近接させ、そして間に組織をクランプする目的で、このアンビルアセンブリがこのカートリッジの方に移動させられ得ること、およびこのカートリッジアセンブリとこのアンビルアセンブリとの両方が互いの方に移動させられ得ることもまた、想定される。
【0017】
図2〜
図3を参照すると、エンドエフェクタ130のカートリッジアセンブリ150およびアンビルアセンブリ160は、協働して組織を連結し得る。カートリッジアセンブリ150は、複数のスロット152を備え、各々のスロットが、ステープルまたは他の任意の適切なファスナーを保持し得る。各スロット152は、プッシャースラストバーまたはプランジャー122と作動可能に関連する。プッシャー122は、細長部分120に沿って、部分的にカートリッジアセンブリ150内に延びる。カートリッジアセンブリ150は、必要に応じてナイフを備え得、このナイフは、カートリッジアセンブリ150とアンビルアセンブリ160との間にクランプされた組織を切断するために、前進可能である。使用において、プッシャー122は、トリガ140(
図1を参照のこと)の起動の際に遠位に移動し、そしてスロット152内に配置されたステープルの排出を引き起こす。スロット152に加えて、カートリッジアセンブリ150は、プッシャー122に作動可能に接続されたピン154、およびピン154をスライド可能に受容するための寸法にされたボア156を備える。ピン154は、プッシャー122の並進に応答して、ボア156に沿って長手軸方向に移動するように適合される。あるいは、ピン154は、ハンドル部分110内のスライド式ノブ115によって移動させられ得る。
図2に図示される実施形態において、アンビルアセンブリ160は、ピン154の少なくとも一部分を受容するように設計された穴162を有する。アンビルアセンブリ160は、カートリッジアセンブリ150から排出されたファスナーを変形させるための、ステープル変形ポケット164を有する。細長スロットが、アンビルアセンブリにおいて、ポケット164の列の間に提供されて、ナイフ(提供される場合)を収容し得る。
【0018】
アンビルアセンブリ160が操作中にカートリッジアセンブリ150に対して静止状態を維持する一方で、カートリッジアセンブリ150は、トリガ140(
図1を参照のこと)の起動の際に、近位位置と遠位位置との間で長手軸方向に移動可能である。この近位位置において、カートリッジアセンブリ150は、
図3に見られるように、アンビルアセンブリ160から間隔を空けている。トリガ140の起動は、クランプスライド170を遠位に移動させ、これは次に、ピン174に起因して、スラストバー122をより遠位に移動させる。次に、スラストバー122の遠位への並進は、カートリッジアセンブリ150の、アンビルアセンブリ160に向かう近接位置への遠位への移動を引き起こす。カートリッジアセンブリ150が近位位置から遠位位置の方へと移動する間、エンドエフェクタ130は、
図4に示されるように、カートリッジアセンブリ150とアンビルアセンブリ160との間に配置された任意の組織「T」をクランプする。この遠位位置において、カートリッジアセンブリ150は、アンビルアセンブリ160のより近くに位置し、そして組織「T」をアンビルアセンブリ160に対して押し付ける。
【0019】
一旦、カートリッジアセンブリ150が遠位(近接)位置に位置すると、トリガ140のさらなる起動(すなわち、トリガ140の2回目の握り)は、スロット152内に配置されたファスナーの排出を引き起こす。すなわち、プッシャー122の連続的な遠位への並進は、一旦、カートリッジアセンブリ150が遠位位置に位置すると、スロット152内に配置されたファスナーの展開を引き起こす。展開中、これらのファスナーはスロット152を出、そして組織を通って前進して、これらのファスナーの形成(例えば、B字型の構成)のために、アンビルアセンブリ160のステープル変形ポケットと接触する。ナイフが提供される場合、トリガ140の起動はまた、このナイフを前進させ得る。
【0020】
クランプスライド170の遠位への動きが、ピン154をボア156に沿って遠位に移動させることに留意のこと。これは、米国特許第7,407,076号に記載されるような、ピンプッシャー172の細長スロットを通って延びるピンを介しての、整列ピンプッシャー172とクランプスライド170との作動可能な接続に起因する。ピンプッシャー172は、ピン154の近位端に係合するように構成された当接部材を有する、垂直部分を備える。充分な遠位への移動の際に、アンビルアセンブリ160の穴162は、ピン154の一部分を受容する。ピン154と穴162との間の構造的相互作用(カートリッジアセンブリ150が遠位位置に位置しているとき)は、スロット152とステープル変形ポケット164との整列を補助する。ピン154は、実質的に円柱形の形状を有するように示されている。整列ピン154は、代替的に、ピンプッシャー172が例えばスライド式ノブ115によって手動で移動させられる際に、手動で移動させられてもよいことが理解されるべきである。
【0021】
ここで本開示の実施形態を参照すると、
図5〜
図61は、ピンの保持を増強するための種々のピン/穴構造体を図示する。これらの構造体は、上に記載された
図1のステープラーと一緒に使用されても、他の適切な外科手術用ステープラーと一緒に使用されてもよい。これらの構造体は、カートリッジの近接と共に自動的に移動するように、かつ/または近接とは別に使用者により移動させられるように、構成され得る。簡潔さのために、本明細書中に開示されるピンの移動は、いくつかの実施形態においてはトリガの起動に応答して起こるように、そして他の実施形態においては例えば独立したスライド式または他のノブによって選択的に移動可能であるように、一般的に議論されることに留意のこと。しかし、本明細書中に開示されるピンは、いずれかの様式または両方の様式で移動させられ得ることが想定されることが理解されるべきである。
【0022】
本開示のロックピン構造体の第一の実施形態を図示する
図5および
図6を最初に参照すると、エンドエフェクタ230は、カートリッジアセンブリ250およびアンビルアセンブリ260を備える。カートリッジアセンブリ250は、整列ピン254を受容するように適合されたボア256を備える。ピン254は、近位部分270および遠位部分272を備え、そしてこのピンに沿った長手方向軸B−Bを規定する。ピン254の近位部分270は、実質的に円柱形の本体274、および本体274から放射状に延びる1対の突出部276を備える。ピン254は、本体274から遠位に延びる細長プレート278をさらに備える。細長プレート278は、好ましくは、実質的に平坦な構成を有し、そしてピン254の近位部分270と遠位部分272との間で延びる。ピン254の遠位部分272は、矢じりの形態の実質的に三角形の形状を有する、平坦な係合セクションまたはヘッドセクション280を備える。以下でより詳細に議論されるように、ピン254は、トリガ140(
図1を参照のこと)の起動の際に、またはノブ115の移動によって、カートリッジアセンブリ250のボア256を通って長手軸方向に前進するように適合される。
【0023】
図6Aのピン278’は、シャベル型の遠位部分280’を有する。他の全ての局面において、ピン278’は、
図6のピン278と同一であるので、簡便なために、同じ部品は、
図6Aにおいて「プライム印」の指定で標識されている。
【0024】
カートリッジアセンブリ250は、ピン254の長手軸方向の動きを補助するためにボア256に沿って形成された、少なくとも1つの溝282をさらに備える。
図5に示される実施形態において、カートリッジアセンブリ250は、2つの溝282を特徴とする。各溝282は、ピン272の突出部276をスライド可能に受容するように構成される。各溝282の幾何学的形状は、ピン254が最初にボア256を通ってスライドし、次いで回転して、係合セクション280の配向または位置を、アンビルアセンブリ260およびカートリッジアセンブリ250に対して変化させることを可能にする。より具体的には、各溝282は、長手軸方向部分または直線部分284、およびこの溝の遠位端288に位置する弓形部分または湾曲部分286を備える。溝282の直線部分284は、ピン254のボア256を通る最初の長手軸方向並進を方向付け、一方で、湾曲部分286は、ピン254の回転を案内する。ピン254が遠位に移動する際に、突出部276は、最初に溝282の直線部分284に沿ってスライドする。ピン254が充分に遠位に前進すると、突出部276は最終的に、溝282の湾曲部分286とスライド可能に係合する。突出部276が溝282の湾曲部分286内で移動する場合、ピン254は、長手軸方向B−Bの周りで回転する。ピン254が長手方向軸B−Bの周りで回転するにつれて、係合セクション280がその位置または配向を変化させ、これによって、以下でより詳細に議論されるように、ピン254をアンビルアセンブリ260に固定する。
【0025】
図7〜
図10は、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)の起動中の、ピン254の作動段階を図示する。発射中にアンビルアセンブリ260がカートリッジアセンブリ250から片持ち状態で離れることを最小にするかまたは防止するために、ピン254は、アンビルアセンブリ260内に配置されたロック構造体290と一緒に働く。アンビルアセンブリ260の穴262は、ロック構造体290に通じている。ロック構造体290は、その近位端294に位置するスロット292、およびその遠位端298に位置する空洞296を備える。空洞296は、スロット292と連絡するように配置される。スロット292は、ピンが
図9に示されるような第一の位置に配向してる間、係合セクション280および細長プレート278の少なくとも一部分を受容するように構成される。空洞296は、ピン254が(
図7に見られるような)第一の位置または(
図8に図示されるような)第二の位置のいずれかで配向する場合に、係合セクション280を受容し得る。ピン254の係合セクション280が空洞296内に配置される場合、空洞296およびスロット292の幾何学的形状は、ピン254が
図10に示されるような第二の位置で配向する場合に、係合セクション280がアンビルアセンブリ260から抜けることを防止するか、または少なくとも妨げる。
【0026】
図9および
図10に図示されるように、空洞296は、スロット292の幅「W
1」より大きい幅「W
2」を有する。係合セクション280および細長プレート278は、実質的に類似の厚さを有する。係合セクション280の厚さ「E
1」は、スロット292の幅「W
1」および空洞296の幅「W
2」より小さい。ピン254の係合セクション280は、スロット292の幅「W
1」より大きいが空洞296の幅「W
2」より小さい寸法「E
2」を有する。空洞296、スロット292、およびピン254の係合セクション280の幾何学的形状は、ピンが第一の位置で配置される場合には、ピン254の係合セクション280がスロット292および空洞296を通過することを可能にし(
図9を参照のこと)、一方で、ピン254が第二の位置に配向されて係合セクション280が空洞296の内側に位置する場合には、係合セクション280がアンビルアセンブリ260から抜けることを防止するか、または少なくとも妨げる。ピン254が第二の位置で配向され、そしてその係合セクション280が空洞296内に位置する場合、ロック構造体290は、エンドエフェクタ230(
図5を参照のこと)の起動中に、カートリッジアセンブリ250に対するアンビルアセンブリ260の位置を維持し、これによって、アンビルアセンブリ260がカートリッジアセンブリ250から片持ち状態で離れることを妨害するか、または妨げる。
【0027】
操作において、使用者がトリガ140(
図1を参照のこと)を起動させてカートリッジアセンブリをアンビルアセンブリの方に前進させると、ピン254が遠位に前進する。ピン254が遠位に移動するにつれて、突出部276は最初、溝282の直線部分284に沿ってスライドする。この時点で、ピン254は、ボア256を通って長手軸方向に並進する。ピン254が遠位方向に前進する間、係合セクション280は、(
図9に見られるような)第一の位置に配向し、従って、スロット292を通過し得る。ボア256を通るピン254の引き続く長手軸方向の動きは、突出部276を溝282の湾曲部分286の方へと駆動する。直線部分284の長さは、係合セクション280が空洞296に入ると同時に、突出部276が溝282の湾曲部分286に達することを可能にする。この時点で、ピン254は、長手方向軸B−Bの周りで回転し始め、係合セクション280を、(
図9に示されるような)第一の位置から(
図10に図示されるような)第二の位置へと再配向させる。突出部276が溝282の湾曲部分286に沿ってスライドする時点までには、係合部分280はすでに、空洞296の内部に位置している。一旦、係合部分280がその第二の位置まで回転すると(例示的には、約180°の回転であるが、他の回転もまた想定される)、空洞296およびスロット292の幾何学的形状は、係合部分280がアンビルアセンブリ260から出ることを阻止し(スロットの開口部は、部分280の高さより小さいので、この係合セクションは、引き込まれる場合、このスロットの壁と接触する)、これによって、エンドエフェクタ230(
図5を参照のこと)の起動中に、カートリッジアセンブリ250に対するアンビルアセンブリ260の位置を維持する。ピン278を逆に回転させてこのピンをスロット292からの解放のために再配向させて、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを離すために、解放機構(図示せず)が提供され得る。
【0028】
図11および
図12は、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)のカートリッジアセンブリ350およびアンビルアセンブリ360の、別の実施形態を図示する。この実施形態において、カートリッジアセンブリ350は、ピン354を受容するように適合されたボア356を備える。ピン354は、近位部分370および遠位部分372を備え、そしてこのピンに沿った長手方向軸C−Cを規定する。本体374は、ピン354の近位部分370から、ピン354の遠位部分372の近位の位置まで延びる。さらに、本体374は、実質的に円柱形の形状を特徴とし、そして近位端375および遠位端377を有する。1対の突出部が、本体374の遠位端377から放射状に突き出る。ピン354は、本体374の遠位端377から遠位に延びる細長プレート378をさらに備える。細長プレート378は、実質的に平坦なプロフィールを有し、そして本体374と係合セクション380との間で延びる。ピン354の遠位部分372は、実質的に平坦な係合セクション380を備え、この係合セクションは、矢じりの形態の実質的に三角形の形状を有する。以下で詳細に議論されるように、ピン354は、トリガ140(
図1を参照のこと)の起動に応答して、カートリッジアセンブリ350のボア356およびアンビルアセンブリ360の穴362を通って長手軸方向に移動するように適合される。
【0029】
アンビルアセンブリ360は、発射プロセス中に係合セクション380の再配向を容易にするための、穴362に沿って形成された少なくとも1つの溝382をさらに備える。
図11に示される実施形態において、アンビルアセンブリ360は、互いに対して直径方向に向かい合っている関係で配置された2つの溝382を備える。各溝382は、突出部376をスライド可能に受容するように構成され、そしてアンビルアセンブリ360の組織係合表面366からアンビルアセンブリ360の内側部分まで延びる。各溝382の幾何学的形状は、ピン354が最初にボア356を通って直線経路を長手軸方向にスライドし、次いで回転して、アンビルアセンブリ360およびカートリッジアセンブリ350に対する係合セクションまたはヘッドセクション380の配向または位置を変化させることを可能にする。いくつかの実施形態において、各溝382は、長手軸方向部分または直線部分384、および弓形部分または湾曲部分386を備え、この弓形部分または湾曲部分は、この溝の遠位端388に位置し、近位方向にわずかに戻る方向を向く。溝382の直線部分384は、穴362を通るピン354の最初の長手軸方向並進を方向付け、一方で、湾曲部分386は、ピン354の長手方向軸C−Cの周りでの回転を案内する。近位に延びる部分は、ロックを外す位置を規定することを補助するので、ピンは、最初に溝382から脱係合するために最初に遠位に移動することが必要である。このことは、ピン354の不注意な回転および戻って出ることを防止することを補助する。
【0030】
本明細書中に開示されるピンを受容する溝の他の実施形態はまた、
図11においてのように近位に方向付けられた溝部分を備えてピンの遠位への移動を必要とし、引き続いて近位への移動を行って、このピンをアンビルアセンブリの溝から脱係合させ得ることが、理解されるべきである。
【0031】
プッシャー122(
図3および
図4を参照のこと)の遠位への移動の結果としてピン354が遠位に移動するにつれて、突出部376は、最初に、溝382の直線部分384に沿ってスライドする。突出部376は、最終的に、プッシャー122およびピン354の引き続く遠位への前進の結果として、溝382の湾曲部分386に沿ってスライドする。突出部376が溝382の湾曲部分386内で移動する場合、ピン354は、長手方向軸C−Cの周りで回転する。ピン354が長手方向軸C−Cの周りで回転するにつれて、係合セクション380は、その位置または配向を調節し、これによって、ピン354をアンビルアセンブリ360に固定する。近位に方向付けられた直線部分が上記のように湾曲部分の端部に提供される場合、回転後、突出部
376は、この直線部分内を移動するにつれて、これらの突出部はわずかに近位に移動する。示されるように、ピン
354は、約180°回転するが、ピン
354および本明細書中に開示される他のピンについての他の回転角度もまた、ピンをアンビルアセンブリに対してロックするために想定されることが、理解されるべきである。
【0032】
図13〜
図15は、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)の起動中の、ピン354の作動段階を図示する。発射中にアンビルアセンブリ360がカートリッジアセンブリ350から片持ち状態で離れることを最小にするかまたは防止するために、ピン354は、アンビルアセンブリ360内に配置されたロック構造体390と一緒に働く。アンビルアセンブリ360の穴362は、ロック構造体390に通じる。ロック構造体390の構造および作動は、
図9および
図10のロック構造体290の構造および作動と実質的に類似である。ロック構造体390は、その近位端394に配置されたスロット392、およびその遠位端398に位置する空洞396を備える。空洞396は、スロット392と連絡するように配置される。スロット392は、ピン354が
図14に示されるような第一の位置で配向している間、係合セクション380および細長プレート378の少なくとも一部分を受容するように構成される。空洞396は、ピン354が(
図14に見られるような)第一の位置または(
図15に図示されるような)第二の位置のいずれかで配向されているときに、係合セクション380を受容し得る。係合セクション380が空洞396の内側に配置されている場合、空洞396およびスロット392の幾何学的形状は、ピン354が
図15に示されるような第二の位置で配向されている場合に、係合セクション380がアンビルアセンブリ360から出ることを妨害するか、または少なくとも防ぐ。係合セクション380と空洞396との間のしっかりとした係合は、エンドエフェクタ130(
図1を参照のこと)の起動中に、カートリッジアセンブリ350に対するアンビルアセンブリ360の位置を維持し、これによって、アンビルアセンブリ360がカートリッジアセンブリ350から片持ち状態で離れることを妨害するか、または妨げる。
【0033】
使用者がトリガ140(
図1を参照のこと)を起動させると、ピン354が遠位に移動し、そして最終的に、係合セクション380を第一の位置から第二の位置の方へと再配向する。ピン354が遠位に移動する間、突出部376は、最初に、溝382の直線部分384に沿ってスライドする。この時点で、ピン354は、穴362を通って長手軸方向に並進する。ピン354が遠位方向に並進する間、係合セクション380は、(
図13および
図14に見られるような)第一の位置で配向され、従って、ロック構造体390のスロット392を通過し得る。穴362を通るピン354の連続的な長手軸方向の動きは、突出部376を溝382の湾曲部分386の方へと駆動する。直線部分384の長さは、係合セクション380が空洞396に入ると同時に、突出部376が溝382の湾曲部分386に達することを可能にする。この時点で、ピン354は、長手方向軸C−Cの周りで回転し始めて、係合セクション380を(
図14に示されるような)第一の位置から(
図15に図示されるような)第二の位置へと再配向させる。突出部376が溝382の湾曲部分386に沿ってスライドするときに、係合セクション380は、すでに空洞396の内側に配置されている。一旦、係合セクション380がその第二の位置まで回転すると、空洞396の幾何学的形状は、(空洞396の壁によって)係合セクション380がアンビルアセンブリ360から出ることを阻止し、これによって、エンドエフェクタ130(
図1を参照のこと)の起動中に、カートリッジアセンブリ350に対するアンビルアセンブリ360の位置を維持する。
【0034】
図16および
図17は、外科手術用器具(例えば、
図1の器具100)と組み合わせて使用するための、カートリッジアセンブリ450、アンビルアセンブリ460、およびピン454を示す。アンビルアセンブリ460は、アンビルアセンブリ260(
図5を参照のこと)と実質的に同一である。カートリッジアセンブリ450は、ピン454をスライド可能に受容するように適合されたボア456を備える。ピン454は、近位部分470および遠位部分472を備え、そしてこのピンに沿った長手方向軸D−Dを規定する。ピン454の近位部分470は、実質的に円柱形の本体474を備える。円柱形本体474には、1つ以上の溝476が形成されている。溝476は、互いに対して直径方向に向かい合っている関係で配置され、そして各々が、以下でより詳細に議論されるように、カートリッジ450内に配置された突出部482をスライド可能に受容するように適合される。溝476に加えて、ピン454は、本体474から遠位部分472に配置された係合セクション480まで延びる細長プレート478を備える。細長プレート478は、実質的に平坦な構成を有する。係合セクション480は、実質的に三角形の形状を有する。作動中に、係合セクション480は、ピン454がカートリッジアセンブリ450のボア456を通って遠位に前進した後に、ピン454をアンビルアセンブリ460に固定する。
【0035】
カートリッジアセンブリ450は、ボア456に向かって内向きに延びる1つ以上の突出部482を組み込む。各突出部482は、ボア456の長さの一部と並んで延びる直線部分484、およびボアの遠位端488に位置する弓形部分または湾曲部分486を有する。各突出部482の湾曲部分486のねじれは、ボア456の周に従う。各突出部482は、ピン
454の溝476によってスライド可能に受容されるように適合される。各突出部482の幾何学的形状は、プッシャー122(例えば、
図3および
図4を参照のこと)の遠位への前進の際に、ピン454が最初にボア456を通ってスライドし、引き続いて長手方向軸D−Dの周りで回転して、係合セクション480を第一の位置から第二の位置へと再配向させることを可能にする。係合セクション480が第一の位置で配向しているとき、細長プレート478および係合セクション480は、アンビルアセンブリ460のロック構造体(図示せず)の内側に入ることが可能である。アンビルアセンブリ460のロック構造体の構造および作動は、
図9および
図10に示されるロック構造体290と実質的に同一である。ロック構造体290と同様に、アンビルアセンブリ460のロック構造体は、係合セクション480が遠位に移動してアンビルアセンブリ460に入り、そして第二の位置に再配向された後に、ピン454の係合セクション480をアンビルアセンブリ460の内側に捕捉する。
【0036】
操作において、ピン454は、トリガ140(
図1を参照のこと)の起動の際に、アンビルアセンブリ460の方へと遠位に移動する。最初に、ピン454は、ボア456を通って遠位に並進する。ピン454の溝476と突出部482の直線部分484との間のスライド係合は、ピン454の遠位への並進を案内する。ピン454の引き続く遠位への前進に起因して、ピン454の溝476は、最終的に、突出部482の湾曲部分486と係合する。溝476が突出部482の湾曲部分486に沿ってスライドするにつれて、ピン454は長手方向軸D−Dの周りで回転し、そして係合セクション480を第一の位置から第二の位置へと再配向させる。突出部482の幾何学的形状は、一旦、係合セクション480がロック構造体の空洞(図示せず)内に位置すると、ピン454が長手方向軸D−Dの周りで回転することを可能にする。この時点で、ピン454は、アンビルアセンブリ460に固定される。本明細書中の他の実施形態においてと同様に、ピンを回転させて取り外しのために再配向させるための、解除装置が提供され得る。
【0037】
図18〜
図21は、外科手術用器具(例えば、
図1の器具100)と一緒に使用するための、カートリッジアセンブリ550、アンビルアセンブリ560、およびピン554の代替の実施形態を図示する。カートリッジアセンブリ550は、ピン554をスライド可能に受容するためのボアを備える。ピン554は、近位部分570および遠位部分572を有し、そしてこのピンに沿った長手方向軸E−Eを規定する。ピン554の遠位部分572は、係合セクションまたはフック580を組み込む。フック580は、第一の固定表面582および第一のカム作用表面584を有する。この第一の固定表面は、長手方向軸E−Eに対して実質的に直角である角度を規定し、そしてこの第一のカム作用表面は、長手方向軸E−Eに対して斜めの角度を規定する。使用において、フック580は、外科手術用ステープル留め器具の発射中に、ピン554をアンビルアセンブリ560に固定して、カートリッジアセンブリ550に対するアンビルアセンブリ560の位置を維持する。
【0038】
アンビルアセンブリ560は、ピン554を受容するように構成されたスロット562を有する。スロット562は、アンビルアセンブリ560の組織係合表面566から内側部分まで延びる。さらに、スロット562は、平面Fを規定する下表面590を有する。下表面590は、組織係合表面566からロック構造体またはキャッチ594まで延びる。ロック構造体594は、第二のカム作用表面592および第二の固定表面596を備える。この第二のカム作用表面は、面Fに対して斜めである角度を規定し、そしてこの第二の固定表面は、面Fに対して実質的に直角である角度を規定し、そしてカム作用表面592の遠位に形成される。第二のカム作用表面592は、ピン554の第一のカム作用表面584とスライド可能に係合するように構成される。1つの実施形態において、第二のカム作用表面592により規定される斜めの角度は、第一のカム作用表面584により規定される斜めの角度と補完的である。使用において、ピン554は、ピン554の第一の固定表面582がロック構造体594の第二の固定表面596に当接するときに、ロック構造体594にしっかりと係合する。
【0039】
図19〜
図21に示されるように、フック580は、ピン554が任意の適切な手段により遠位に移動させられると、ロック構造体594に達する。1つの実施形態において、トリガ140(
図1を参照のこと)の起動は、
図19に見られるような、ピン554の遠位への並進を促す。ピン554が連続的に遠位方向に移動するにつれて、
図20に見られるように、フック580の第一のカム作用表面584がロック構造体594の第二のカム作用表面592上をスライドし、ピン554を、下表面590から離れるように移動させる。ピン554の連続的な遠位への前進に起因して、第一のカム作用表面584は、最終的に、第二のカム作用表面592を越えて、第一の固定表面582が第二の固定表面596と係合することを可能にする。一旦、第一の固定表面582が第二の固定表面596と接触すると、ロック構造体594は、ピン554をアンビルアセンブリ560に固定し、これによって、カートリッジアセンブリ550に対するアンビルアセンブリ560の位置を維持する。ピンを垂直に、第二の固定表面596より上に移動させて、ピン554を表面596から脱係合させ、ピン554の引き込みを可能にし、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを離すことを可能にするための機構が、提供され得る。
【0040】
図22および
図23は、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)と一緒に使用するための、ピン654、カートリッジアセンブリ650、およびアンビルアセンブリ660を示す。カートリッジアセンブリ650は、ピン654を受容するように適合されたボア656を備える。ピン654は、近位部分670および遠位部分672を有し、そしてこのピンに沿った長手方向軸G−Gを規定する。ピン654の近位部分670は、本体674、および本体674から放射状に延びる2つの突出部676を備える。
図23は、実質的に円柱形の形状を有する本体674を示すが、本体674は、任意の適切な形状または構成を有し得る。細長部材678が、近位部分670と遠位部分672との間に延びる。ピン654の遠位部分672の周りには、おねじ680が形成されている。おねじ680は、アンビルアセンブリ660のめねじ
692と螺合係合するための構成にされる。その結果として、ピン654は、カートリッジアセンブリ650をアンビルアセンブリ660に固定する。
【0041】
カートリッジアセンブリ650は、上で議論されたようなピン654を受容するためのボア656、およびピン654の突出部676をスライド可能に受容するように各々適合された1対の溝682を備える。溝682は、ボア656と並んで配置され、そして直線部分684、およびこの溝の遠位端688に位置するらせん部分686を備える。図示される実施形態において、らせん部分686は、複数のループを備える。ピン654がボア656を通って遠位方向に移動するとき、溝682の幾何学的形状は、ピン654が、最初に長手軸方向に前進すること、そして後に、長手軸方向に並進しながら長手方向軸G−Gの周りで回転することを可能にする。ピン654が長手方向軸G−Gの周りで回転している間、おねじ680は、アンビルアセンブリ660のロック構造体690と螺合係合する。
【0042】
アンビルアセンブリ660は、組織係合表面666からロック構造体690まで延びる穴662を備える。ロック構造体690は、アンビルアセンブリ660内に配置され、そして穴662の周りに形成されためねじ692を備える。めねじ692は、ピン654のおねじ680にしっかりと係合するように適合される。
【0043】
図24は、ピン654の作動を図示する。作動中、ピン654は、カートリッジアセンブリ650に対するアンビルアセンブリ660の位置を固定して、外科手術用ステープル留め器具の発射中に、アンビルアセンブリ660とカートリッジアセンブリ650とが片持ち状態で離れることを防止するか、または少なくとも妨げる。ピン654は、トリガ140の起動に応答して遠位に移動し、これが、上で議論されたように、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを近接させる。ピン654のこの遠位への移動中に、溝682は(突出部676と一緒に)、ボア656を通るピン654の移動を案内する。具体的には、ピン654の遠位への前進中に、突出部676は最初に、溝682の直線部分684に沿ってスライドする。突出部676が直線部分684に沿ってスライドする間、ピン654は回転せず、そして単に、アンビルアセンブリ660に向かって遠位に並進する。次いで、ピン654は、穴662を通ってアンビルアセンブリ660内に移動し、そして突出部676が溝682のらせん部分686に沿ってスライドするときに、おねじ480は、めねじ692と係合する。突出部676が溝682のらせん部分686に沿ってスライドする間、ピン654は、長手方向軸G−G(
図23を参照のこと)の周りで回転し、そしてまた、アンビルアセンブリ660の方へと遠位に移動して、ピン654のおねじ680をロック構造体690のめねじ692と螺合係合させて、ピン654をアンビルアセンブリ660に固定する。ピン654の回転を逆にして、このピンを引き込み、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを離すための機構が、提供され得る。
【0044】
図25および
図26を参照すると、カートリッジアセンブリ750、アンビルアセンブリ760、およびピン754は、螺合係合が存在するという点で、カートリッジアセンブリ650、アンビルアセンブリ660、およびピン654と同様に働く。しかし、ピン754は、アンビルアセンブリ760に手動で固定され、このカートリッジは、らせん状の溝を有さない。
図25に示されるように、ピン754は、近位部分770および遠位部分772を有し、そして長手方向軸H−Hを規定する。ピン754の近位部分770は、長手方向軸H−Hの周りで回転可能なノブまたはハンドル774を備える。ノブ774は、手で回転させられるように適合される。細長部材778が、ノブ774と遠位部分772との間に延びる。操作において、ノブ774を回転させると、係合部材778および遠位部分772の回転を引き起こす。遠位部分772の周囲には、おねじ780が形成されている。ピン754のおねじ780は、カートリッジアセンブリ750とアンビルアセンブリ760との間のしっかりとした係合を容易にする。
【0045】
カートリッジアセンブリ750は、ピン754を受容するように適合されたボアを備える。ノブ774は、カートリッジアセンブリ750の外側に配置される。カートリッジアセンブリ750に対するノブ774の位置は、使用者がノブ774を手で操作することを可能にする。ピン754が長手方向軸H−Hの周りで回転するにつれて、おねじ780は、アンビルアセンブリ760のロック構造体790と螺合係合する。
【0046】
アンビルアセンブリ760は、ピン754をアンビルアセンブリ760に固定するための穴762およびロック構造体790を有する。ロック構造体790は、穴762の周りに形成されためねじ792を備える。めねじ792は、ピン754のおねじ780と螺合係合するように構成される。
【0047】
操作において、使用者は、(例えば、
図1におけるような)トリガ140を起動させて、カートリッジアセンブリ750をアンビルアセンブリ760の方へと前進させる。トリガ140を起動させた後に、使用者は、ノブ774を介してピン754を回転させ、ピン754を穴762にねじ込む。使用者がノブ774を回転させるにつれて、おねじ780は、長手方向軸H−Hの周りを回転し、そしてロック構造体790のめねじ792としっかりと係合し、これによって、ピン754をアンビルアセンブリ760に固定する。ノブ774の逆回転は、ピン754とねじ792との螺合を外して、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを離すために、ピン754を引き抜く。
【0048】
図27および
図28は、ピン854およびカートリッジアセンブリ850の代替の実施形態を図示する。ピン854およびカートリッジアセンブリ850の構造および作動は、
図23のピン654およびカートリッジアセンブリ650の構造および作動と実質的に類似である。この実施形態において、カートリッジアセンブリ850は、溝682の代わりに突出部882を有し、そしてピン854は、突出部676の代わりに溝876を備える。突出部882は、カートリッジアセンブリ850に沿って長手軸方向に延び、一方で、溝876は、らせんの様式でピン854の周りを巻くように形成される。
【0049】
溝876と突出部882との間のスライド係合は、カートリッジアセンブリ850を通るピン854の移動を案内する。使用において、ピン854が遠位に押されるにつれて、溝876は、ピン854を回転させ、同時に遠位方向に移動させる。ピン854は、アンビルアセンブリ(図示せず)との係合のために、ピンの遠位端におねじを備え得、これによって、
図22および
図23のピン654のおねじ680およびアンビルアセンブリ660のめねじ
692と類似の様式で、ロック構造体を形成する。
【0050】
図29〜
図32は、カートリッジアセンブリ950、アンビルアセンブリ960、およびピン954の別の実施形態を示す。カートリッジアセンブリ950は、ピン954を受容するように適合されたボア(図示せず)を備える。アンビルアセンブリ960は、ピン954をアンビルアセンブリ960の内側に固定するためのロック構造体990を備える。ピン954は、近位部分970および遠位部分972を有し、そして長手方向軸I−Iを規定する。ピン954の遠位部分972は、係合セクションまたはフック980を備える。フック980は、第一の固定表面982および第一のカム作用表面984を有する。この第一の固定表面は、長手方向軸I−Iに対して実質的に直角である角度を規定し、この第一のカム作用表面は、長手方向軸I−Iに対して斜めの角度を規定する。使用において、フック980は、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)の発射中に、ピン954をアンビルアセンブリ960に固定して、カートリッジアセンブリ950に対するアンビルアセンブリ960の位置を維持する。
【0051】
アンビルアセンブリ960は、ピン954を受容するように適合されたスロット962を有する。スロット962は、アンビルアセンブリ960内に配置されたロック構造体990に通じる。ロック構造体990は、アンビルアセンブリ960に旋回可能に結合されたフックまたはキャッチ992、およびキャッチ992を付勢するように構成された付勢部材994を備える。1つの実施形態において、旋回ピン996が、キャッチ992をアンビルアセンブリ
960に旋回可能に接続する。キャッチ992は、第二のカム作用表面998および第二の固定表面999を有する。この第二のカム作用表面は、第一のカム作用表面984とスライド可能に係合するように適合され、そしてこの第二の固定表面は、第一の固定表面982と当接するように構成される。
【0052】
使用において、ロック構造体990は、ピン954を介して、カートリッジアセンブリ950に対するアンビルアセンブリ960の位置を固定する。最初に、使用者が(例えば、
図1におけるような)トリガ140を起動させて、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを近接させ、そしてピン954を遠位方向に移動させると、ピン954は、スロット962を通ってアンビルアセンブリ960に入り、そしてロック構造体990に係合する。具体的には、
図30および
図31に見られるように、第一のカム作用表面984が第二のカム作用表面998上をスライドし、キャッチ992を、付勢部材994の影響に逆らってピン954から離すように移動させる。第一のカム作用表面984が第二のカム作用表面998を越えて遠位にスライドした後に、付勢部材994は、キャッチ992をピン954の方へと付勢し、その結果として、第一の固定表面982が第二の固定表面999にしっかりと係合し、これによって、ピン954をアンビルアセンブリ960にロックする。すなわち、固定表面982と固定表面999との当接は、ピン954の近位への移動を防止する。表面982と999とを(例えば、
図32の配向で見られる場合にフック980を上方に持ち上げること、またはキャッチ992を下に押し付けることによって)離し、固定表面999を越えてピン954を近位に通過させて、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの後退(離隔)を可能にするための、解放機構が提供され得る。
【0053】
図33は、カートリッジアセンブリ(図示せず)に取り付けられたピン1054およびロック構造体1090を有するアンビルアセンブリ(図示せず)の代替の実施形態を示す。ピン1054は、近位部分(図示せず)および遠位部分1072を有する。細長本体1086が、近位部分と遠位部分1072との間に延びる。ピン1054の遠位部分1072は、ロック構造体1090に取り付けられるように構成された係合セクション1080を備える。係合セクション1080は、この係合セクションの周りに形成された環状凹部1082、およびテーパ状の構成を有する先端1084を組み込む。代替の実施形態において、先端1084は、
図37に見られるような丸みを帯びた形状を有する。先端1084は、ロック構造体1090にしっかりと係合するように適合される。
【0054】
ロック構造体1090は、アンビルアセンブリ(図示せず)に固定された1片以上のシートメタル1092を備える。あるいは、シートメタル1092は、アンビルアセンブリの一体的な部分である。シートメタル1092は、ピン1054の直径より小さい直径を有する穴1094を有する。穴1094は、シートメタル1092が変形する場合に収縮および拡張し得る。シートメタル1092は、応力を受けると変形し、そしてこの応力が除去または減少されるとその元の構成に戻る。1つの実施形態において、シートメタル1092は、応力の除去または付与の際に、元の構成と応力を受けた構成との間で移行し得る、形状記憶材料から作製される。他の材料もまた想定される。
【0055】
図34〜
図35を参照すると、ピン1054は、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)の起動中に、アンビルアセンブリ(図示せず)をカートリッジアセンブリ(図示せず)に固定する。操作において、使用者は、外科手術用ステープル留め器具100をトリガ140(
図1を参照のこと)を起動させることにより発射させる。このような起動に応答して、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとが近接し、そしてピン1054がロック構造体1090の方へと遠位に前進する。本明細書中に開示されるピンの他の実施形態においてと同様に、代替の実施形態において、使用者は、必要に応じて、ピン1054を手で移動させ得る。ピン1054は、シートメタル1092の方へと遠位に移動し、次いで、先端1084が、穴1094内に押し分けて進む。先端1084が穴1094を通過する際に、シートメタル1092は変形し、引き続いて、穴1094を拡張させて、先端1084の通過を可能にする。先端1084が穴1094を通過した後に、穴1094は、環状凹部1082の周りで収縮し、これによって、ピン1054をシートメタル1092にロックする。なぜなら、凹部1082に隣接するピンの直径は、穴1094の直径より大きいからである。
【0056】
図38〜
図40は、ピン1154と、ロック構造体1190を有するアンビルアセンブリ1160との代替の実施形態を示す。ピン1154は、旋回するように構成され、そして近位部分(図示せず)および遠位部分1172を有する。さらに、ピン1154は、ピンに沿った長手方向軸J−Jを規定する。ピン1154の遠位部分1172は、ロック構造体1190と相互作用するように適合されたフックまたは係合セクション1180を備える。係合セクション1180は、第一の固定表面1182および第一のカム作用表面1184を備える。この第一の固定表面は、長手方向軸J−Jに対して実質的に直角である角度を規定し、この第一のカム作用表面は、長手方向軸J−Jに対して斜めである。使用において、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)の起動中に、係合セクション1180は、ピン1154をアンビルアセンブリ1160に固定して、カートリッジアセンブリ(図示せず)に対するアンビルアセンブリ1160の位置を維持する。
【0057】
アンビルアセンブリ1160のロック構造体1190は、アンビルアセンブリ1160の内側に位置する空洞1194に通じる開口部分1192を備える。開口部分1192は、ピン1154を受容するように構成される。ロック構造体1190は、
図38の配向で見られる場合に上向きに延びる、壁1196をさらに備える。壁1196は、ピン1154の第一の固定表面1182と係合するように適合された、第二の固定表面1198を有する。この壁は、このアンビルアセンブリと一体的であっても、このアンビルアセンブリに取り付けられる別の構成要素であってもよい。
【0058】
操作中に、使用者は、ピン1154を(手でか、またはトリガ140を介して機械的に)遠位に移動させて、係合セクション1180を空洞1194に挿入する。ピン1154が遠位に並進するにつれて、係合セクション1180は、最初に開口部分1192を通過し、最終的に空洞1194に到る。壁1198の接触が、カム作用表面に上向きにカム作用して、壁の上に載り、次いで
図39の位置まで下がるようにすることに留意のこと。一旦、ピン1154の係合セクション1180が空洞1194内に位置すると、第一の固定表面1182が壁1196の第二の固定表面1198に接触し、これによって、ピン1154をアンビルアセンブリ1160にロックする。なぜなら、当接する表面1192および1198が、ピン1154の近位への移動を防止するからである。カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを離すためにピン1154をアンビルアセンブリ1160から解放するためには、使用者は、
図40に示されるように、ピン1154に作動可能に接続された解放機構(図示せず)によって、ピン1154を上向きに、壁1196から離すように旋回させる。ピン1154が壁1196から離れるように旋回して表面1198から脱係合した後に、使用者は、ピン1154を近位に、その元の位置の方へと移動させ得る。
【0059】
図41および
図42は、ロック構造体1290を有するアンビルアセンブリ1260と、ピン1254との代替の実施形態を示す。ピン1254は、ピン1154と実質的に類似である。ピン1154と同様に、ピン1254は、係合セクション1280を有し、そしてロック構造体1290に近付く方向および離れる方向に、旋回するように構成されている。ロック構造体1290は、ロック構造体1190と実質的に類似である。ロック構造体1190においてと同様に、ロック構造体1290は、開口部分1292、空洞1294、および壁1296を備える。開口部分1292、空洞1294、および壁1296に加えて、ロック構造体1290は、アンビルアセンブリ1260に回転可能に接続されたカムレバー1258を特徴とする。カムレバー1258は、中心部分1216、ならびに中心部分1216から延びる第一のレッグ1218および第二のレッグ1220を備える。ピン1212、または他の任意の適切な部材が、カムレバー1258の中心部分1216をアンビルアセンブリ1260に回転可能に結合する。カムレバー1258は、ナイフ1214の係合または脱係合の際に、ピン1212の周りで、
図41に見られるような第一の位置と、
図42に図示されるような第二の位置との間で回転するように適合される。この実施形態において、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)は、遠位に前進し得るナイフ1214または他の任意の適切な切断デバイスを備える。操作中に、トリガ(例えば、
図1のトリガ140)によるナイフ1214の前進は、第一のレッグ1218を押して、ピン1212の周りでのカムレバー1258の回転を引き起こす。カムレバー1258の第一のレッグ1218は、ナイフ1214に係合するように適合された当接表面1222を有し、そして第二のレッグ1220は、係合セクション(またはフック)1280のカム作用表面1284と係合するように適合されたカム作用表面1224を有する。
【0060】
操作において、トリガ140(
図1)を起動させると、ピン1254が遠位に前進して、ピン1254が空洞1294に挿入される。いくつかの実施形態において、使用者は、ピン1254を手で並進させ得る。並進中に、ピン1254は、開口部分1292を通過して空洞1294に入り、
図38のピン1154に関して上に記載されたように上向きにカム作用され、次いで、ピン1254の固定表面1282が壁1296に係合し、固定表面1282と壁1296の内側表面との係合に起因して、ピン1254をアンビルアセンブリ1260にロックする。この時点で、カムレバー1258は、
図41に示されるような第一の位置で配向する。ピン1254がアンビルアセンブリ1260に固定された後に、使用者は、発射機構を起動させて、近接したカートリッジアセンブリからファスナーを前進させる。このような起動は、ナイフ1214を遠位方向に前進させ、そしてカムレバー1258を回転させる。具体的には、ナイフ1214は、第一のレッグ1218の当接表面1222を押す。その結果として、カムレバー1258は、
図42に示されるように、ピン1212の周りで第二の位置まで回転する。カムレバー1258が第二の位置の方へと回転する間、第二のレッグ1220のカム作用表面1224は、係合セクション1280のカム作用表面1284と係合し、これによって、ピン1254を矢印の方向に旋回させて、係合セクション1280をロック構造体1290から解放する。なぜなら、表面1282が壁1296との係合から強制的に外されるからである。カムレバー1258を回転させてピン1254を旋回させるために、他の機構が使用され得ることが理解されるべきである。例えば、タブまたは他の係合構造体が、ナイフ棒から延びるか、またはナイフ棒により起動されて、カムレバー1258を旋回させ得る。ナイフとは無関係に作動可能なタブまたは構造体もまた、提供され得る。
【0061】
図43および
図44は、ピン1354と、ロック構造体1390を有するアンビルアセンブリ1360との別の実施形態を図示する。ピン1354は、ピン1154と実質的に類似である。なぜなら、ピン1354は、係合セクションまたはフック1380を備え、そしてロック構造体1390から離れる方向およびロック構造体1390に向かう方向に旋回するように構成されているからである。ロック構造体1390は、ロック構造体1190と実質的に類似である。なぜなら、ロック構造体1390は、開口部分1392、空洞1394、および壁1396を備えるからである。ロック構造体1390はまた、ピン1354の係合セクション1380を押すように適合されたカム作用部材1358を備える。カム作用部材1358は、三角形の形状を特徴とし、そしてナイフ1314に面する当接表面1322、およびピン1354が空洞1394内に位置している場合にピン1354に面するカム作用表面1324を備える。さらに、カム作用部材1358は、スライドピン1312をスライド可能に受容するための構成にされた斜めのスロット1315を備える。スライドピン1312は、カム作用部材1358をアンビルアセンブリ1360にスライド可能に結合する。使用において、カム作用部材1358は、アンビルアセンブリ1360に対して、
図43に見られるような第一の位置と、
図44に示されるような第二の位置との間でスライドする。ロック構造体1390は、カム作用部材1358を空洞1394から離すように付勢するための付勢部材1316(例えば、ばね)をさらに備える。この実施形態において、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)は、アンビルアセンブリ1360に近付く方向および離れる方向に並進するように構成された、ナイフ1314を備える。
【0062】
操作において、使用者は、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとが近接する際に自動的に、そして/またはいくつかの実施形態においては手動でのいずれかで、ピン1354を開口部分1392に通して空洞1394内に移動させる。一旦、ピン1354が空洞1394の内側に位置すると(カム作用表面が壁1396に載った後に)、ピン1354の係合セクション1380は、壁1396に係合し、これによって、ピン1354をアンビルアセンブリ1360にロックする。なぜなら、ピンのカム作用表面と壁との当接が、このピンの近位への移動を防止するからである。ピン1354は、ナイフ1314を遠位に前進させることによって、アンビルアセンブリ1360から解放される。ナイフ1314がアンビルアセンブリ1360の方へと並進すると、ナイフ1314は、カム作用部材1358の当接表面1322と接触し、そしてカム作用表面1358を空洞1394の方へと押し、カム作用部材1358を第一の位置から第二の位置の方へと移動させる。カム作用部材1358が第一の位置から第二の位置へと移動する間、スロット1315およびスライドピン1312は、カム作用部材1358の動きを案内する。この動きの間、カム作用部材1358は、
図44に示されるように、ピン1354を壁1396から離すように押す。その結果として、ピン1354の係合セクション1380は、ロック構造体1390の壁1396から解放され、ピン1354とアンビルアセンブリ1360とのロックを解除して、ピン1354の引き込みを可能にし、そしてカートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとを離すことを可能にする。カム作用部材1358を移動させ、ピン1354を移動させて解放するために、他の機構(例えば、手動タブ)が利用され得ることが理解されるべきである。
【0063】
図45および
図46は、ピン1454と、ロック構造体1490を有するアンビルアセンブリ1460との代替の実施形態を示す。ピン1454は、ピン1154と実質的に類似である。ピン1454は、係合セクションまたはフック1480を備え、そしてアンビルアセンブリ1460に向かう方向および離れる方向に長手軸方向に移動するように適合される。ロック構造体1490は、ロック構造体1190と実質的に類似である。ロック構造体1490は、空洞1494、空洞1494に通じる開口部分1492、およびカム作用部材1458を備える。このカム作用部材は、ピン1454を保持するように、そしてピン1454をアンビルアセンブリ1460から外すように、構成される。カム作用部材1458は、ナイフ1414に面する当接表面1422、空洞1494に向かって延びる1496、およびスライドピン1412をスライド可能に受容するように構成された斜めのスロット1415を備える。スライドピン1412は、カム作用部材1458をアンビルアセンブリ1460にスライド可能に接続する。操作中に、カム作用部材1458は、アンビルアセンブリ1460に対して、
図45に見られるような第一の位置と、
図46に図示されるような第二の位置との間でスライドする。この第一の位置において、カム作用部材1458の壁1496は、部分的に、空洞1494の内側に位置する。この第二の位置において、壁1496は、空洞1494の外側に位置するか、または係合セクション1480から少なくとも充分に間隔を空けて、ピン1454の近位への移動を可能にする。ロック構造体1490はまた、カム作用部材1458を空洞1494の方へと付勢するための付勢部材1416(例えば、ばね)を備える。
図46に示されるように、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)は、アンビルアセンブリ1460に向かう方向および離れる方向に長手軸方向に移動するように適合された、ナイフ1414を備える。
【0064】
使用中に、使用者は、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとが近接する際に自動的に、そして/またはいくつかの実施形態においては手動でのいずれかで、ピン1454を開口部分1492に通して空洞1494内へと遠位に移動させる。ピン1454は、部材1458に載り、そして
図45に見られるような第一の位置まで移動する。ピン1454が空洞1494の内側に位置し、そしてカム作用部材1458が第一の位置にある場合、係合セクション1480は、カム作用部材1458の壁1496に係合し、ピン1454をアンビルアセンブリ1460にロックする。なぜなら、当接する表面が、ピン1454の近位への移動を防止するからである。付勢部材1416は、カム作用部材1458を第一の位置に維持する。ナイフ1414を遠位に、アンビルアセンブリ1460の方へと前進させると、ピン1454がアンビルアセンブリ1460から解放される。なぜなら、ナイフ1414がカム作用部材1458を遠位方向に押して、カム作用部材1458を(壁1496と一緒に)空洞1494から離すように移動させるからである。壁1496が空洞1494から離れるように移動するときに、壁1496は、ピン1454の係合セクション1480から脱係合し(
図46)、ピン1454を、引き続く引き込みのためにアンビルアセンブリ1460から解放する。カム作用部材1458を移動させてピンを解放するために、他の機構(例えば、手動タブ)が利用され得ることが理解されるべきである。
【0065】
図47および
図48は、ピン1554と、ロック構造体1590を有するアンビルアセンブリ1560との代替の実施形態を示す。ピン1554は、ピン1154と実質的に類似である。ピン1554は、係合セクション1580を備え、そしてアンビルアセンブリ1560に向かう方向および離れる方向に長手軸方向に移動するように構成される。ロック構造体1590は、空洞1594、空洞1594に通じる開口部分1952、ピン1554を保持および解放するように適合されたカム作用部材1558、ならびにカム作用部材1558の少なくとも一部分をスライド可能に受容するための構成にされた斜めの開口部1518を備える。カム作用部材1558は、斜めの開口部1518を通ってスライドするように適合されたスライド可能部分1522、およびピン1554の係合セクション1580を保持するように構成された留め金1524を備える。カム作用部材1558のスライド可能部分1522は、スライドピン1512を受容するための構成にされた斜めのスロット1515を備える。スライドピン1512は、アンビルアセンブリ1560に固定され、そして斜めのスロット1515と一緒に、アンビルアセンブリ1560を通るカム作用部材1558の動きを案内する。付勢部材1516(例えば、ばね)が、斜めのスロット1515内に配置され、カム作用部材1558を下向きに付勢するように適合される。
【0066】
この実施形態において、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)は、アンビルアセンブリ1560から離れる方向および向かう方向に長手軸方向に移動可能なナイフ1514を備える。ナイフ1514が外科手術用ステープル留め器具の発射機構により遠位に前進させられる場合、ナイフ1514は、スライド可能部分1522を押し、そしてカム作用部材1558に遠位への力を付与する。このような遠位への力に応答して、カム作用部材1558は、第一の位置(
図47)から第二の位置(
図48)の方へと移動する。この第一の位置において、カム作用部材1558の留め金1524は、ピン1554の係合セクション1580と係合して、ピン1554をアンビルアセンブリ1560に固定した状態に維持する。この第二の位置において、カム作用部材1558の留め金1524は、ピン1554が空洞1594の内側に位置するときに係合セクション1580から間隔を空け、従って、ピン1554を保持しない。
【0067】
操作において、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの近接の際に自動的に、そして/またはいくつかの実施形態においては手動で、ピン1554が空洞1594内に遠位に移動する場合、このピンは、カム作用部材1558を、下向きの付勢に逆らって強制的にわずかに持ち上げ、留め金1524の係合フック部分の下にスライドさせる。一旦、フックの下の位置にくると、カム作用部材1558は、その第一の位置に戻って、表面の当接に起因して、ピン1558をアンビルアセンブリ1560に固定する。カム作用部材1558が第一の位置に位置する場合、留め金1524は、
図47に示されるように、係合セクション1580を部分的に囲み、そしてピン1554の近位への移動を防止することによって、ピン1554をアンビルアセンブリ1560に固定する。その後、ナイフ1514が、発射機構によりカム作用部材1558に向かって遠位に前進させられると、ナイフ1514は、カム作用部材1558のスライド部分1522に係合し、カム作用部材1558を(
図48の配向において)上向きに、第二の位置の方へと推進する。カム作用部材1558が第二の位置にある場合、留め金1524は、係合セクション1580から離れるように移動し、これによって、
図48に見られるように、ピン1554をアンビルアセンブリ1560から解放して、引き込みを可能にする。
【0068】
図49および
図50は、開示される実施形態と一緒に使用するためのピンの代替の実施形態を図示する。
図49において、ピン1654は、横断スロット1682を有する係合セクション1680を備える。
図50において、ピン1754は、切り欠き1782を有する係合セクション1780を備える。
【0069】
図51および
図52を参照して、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)と一緒に使用するためのピン1854およびロック構造体1890が開示される。ピン1854は、長手方向軸K−Kを規定し、そして近位部分1870および遠位部分1872を有する。円柱形の本体1874が、近位部分1870から遠位部分1872まで延びる。遠位部分1872は、テーパ状の構成を有する係合セクション1880を組み込む。係合セクション1880のこのテーパ状の構成は、セクション1880の近位端1882から遠位先端1884まで延びる。近位端1882の直径は、円柱形本体1874の直径より大きい、ピン1854は、カートリッジアセンブリ(図示せず)内に配置され、そしてアンビルアセンブリ(図示せず)に向かう方向および離れる方向に長手軸方向に移動するように構成される。
【0070】
ロック構造体1890は、アンビルアセンブリ(図示せず)内に配置され、そしてこのアンビルアセンブリに旋回可能に接続されるラッチ1892を備える。旋回ピン1894、または他の任意の適切な装置もしくは手段が、ラッチ1982をアンビルアセンブリに旋回可能に結合する。ラッチ1892は、長手方向軸K−Kに対して横断方向に、(
図51に見られるような)第一の位置と、(
図52に示されるような)第二の位置との間で旋回するように適合される。この第一の位置において、ラッチ1892は、ピン1854から間隔を空けており、従って、ピン1854は、アンビルアセンブリから離れるように自由に動く。この第二の位置において、ラッチ1892は、ピン1854に係合し、そしてピン1854をアンビルアセンブリに固定する。ラッチ1892が第二の位置に位置する場合、ラッチ1892の少なくとも一部分は、係合セクション1860の近位端1882に当接し、これによって、ピン1854をアンビルアセンブリ内に固定する。
【0071】
使用において、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの近接の際に自動的に、そして/またはいくつかの実施形態においては手動で、使用者は最初に、ピン1854をアンビルアセンブリの内側に移動させ、この間、ラッチは、
図51に図示されるような第一の位置に位置している。次いで、使用者は、ラッチ1892を、
図52に図示されるような第二の位置の方へと旋回させる。ラッチ1892が第二の位置に位置しているとき、ラッチ1892は、ピン1854の係合セクション1860と係合して、ピン1854をアンビルアセンブリに固定する。
【0072】
図53および
図54は、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)と一緒に使用するための、ピン1954とロック構造体1990との代替の実施形態を図示する。ピン1954は、カートリッジアセンブリ(図示せず)から、近位位置と遠位位置との間で長手軸方向に移動するように構成される。さらに、ピン1954は、近位部分(図示せず)および遠位部分1972を有する。ピン1954の遠位部分1972は、ロック構造体1990によりしっかりと受容されるように適合された係合セクション1980を備える。係合セクション1980は、テーパ状構成を有して矢じり様の構成を形成し、そしてロック構造体1990により保持されるように適合される。
【0073】
ロック構造体1990は、アンビルアセンブリ(図示せず)内に配置され、そして第一の顎部材1992および第二の顎部材1994を備える。第一の顎部材1992および第二の顎部材1994は、互いに作動可能に接続される。旋回ピン1996、または他の任意の適切な部材が、第一の顎部材1992と第二の顎部材1994とを旋回可能に相互接続する。第一の顎部材1992および第二の顎部材1994は、
図53に見られるような第一の位置と、
図54に図示されるような第二の位置との間で旋回するように適合される。第一の顎部材1992および第二の顎部材1994は、第二の位置においてよりも第一の位置において、互いにより近付く。第一の顎部材1992および第二の顎部材1994の各々は、これらの顎部材から横断方向に延びる突出部1998を備える。ロック構造体1990は、第一の顎部材1992および第二の顎部材1994をそれらの第一の位置の方へと付勢するための、付勢部材1982(例えば、ねじりばね)をさらに備える。
【0074】
図55〜
図57を参照すると、使用者は、ロック構造体1990を使用して、ピン1954をアンビルアセンブリに固定し得る。カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの近接の際に自動的に、そして/またはいくつかの実施形態においては手動でのいずれかで、ピン1954をロック構造体1990の方へと遠位に前進させると、ピン1954は引き続いて、ロック構造体1990内に押し分けて進む。ピン1954がロック構造体1990内に前進するにつれて、係合セクション1980は、第一の顎部材1992と第二の顎部材1994との間隔を空け、第一の顎部材1992および第二の顎部材1994を、
図55に見られるような第二の位置の方へと推進する。一旦、係合セクション1980がロック構造体1990内に位置すると、付勢部材1996は、第一の顎部材1992および第二の顎部材1994を、
図56に見られるようなそれらの第一の位置へと推進し、これによって、ピン1954をアンビルアセンブリに固定する。アンビルアセンブリからのピン1954の解放は、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)のナイフ1914が遠位方向に前進して、ナイフ1914を突出部1998に係合させ、そして第一の顎部材1992および第二の顎部材1994を
図57に見られるようなそれらの第二の位置まで押させる場合に、起こる。第一の顎部材1992と第二の顎部材1994との間隔をナイフ1914により空けた後に、ピン1954は、近位に移動して、係合セクション1980をロック構造体1990から脱係合させ得る。
【0075】
図58および
図59は、ピン2054と、ロック構造体2090を有するアンビルアセンブリ2060との代替の実施形態を示す。ピン2054は、
図28の実施形態のピン1554と実質的に類似である。具体的には、ピン2054は、その遠位部分2072に配置された係合セクション2080を備える。係合セクション2080は、ロック構造体2090にしっかりと係合するように適合される。
【0076】
ロック構造体2090は、空洞2094、空洞2094に通じる開口部分2092、ならびにピン2054を保持および解放するように適合されたカム作用機構2058を備える。カム作用機構2058は、アンビルアセンブリ2060に回転可能に接続されたカム2012、およびアンビルアセンブリ2060の長手軸方向開口部2062内にスライド可能に配置された留め金2014を備える。旋回ピン2016または他の任意の適切な手段が、カム2012をアンビルアセンブリ2060に旋回可能に接続する。留め金2014は、長手軸方向開口部2062内に少なくとも部分的に配置されたカム従動子2018、およびピン2054の係合セクション2080を囲んで保持するように適合された留め金セクション2022を備える。カム従動子2018は、カム2016と作動可能に関連し、その結果、カム従動子2018は、カム2016の回転に応答して長手軸方向に移動する。カム従動子2018は、留め金セクション2022に接続されている(または一体である)ので、カム従動子2018の長手軸方向の動きは、留め金セクション2022を、
図58に図示されるような第一の位置から、
図59に示されるような第二の位置へと軸方向に移動させる。この第一の位置において、留め金セクション2022は、ピン2054の係合セクション2080と係合して、この係合セクションを部分的に囲み、これによって、ピン2054をアンビルアセンブリ2060に固定する。この第二の位置において、留め金セクション2022は、係合セクション2080から間隔を空け、ピン2054は、アンビルアセンブリ2060から離れるように自由に移動する。ロック構造体2090は、留め金セクション2022を第一の位置の方へと付勢するための付勢部材2024(例えば、ばね)をさらに備える。付勢部材2024は、カム従動子2018に形成された長手軸方向スロット2026内に配置される。長手軸方向スロット2026は、スライドピン2028をスライド可能に受容するように構成される。スライドピン2028は、アンビルアセンブリ2060に固定され、そして長手軸方向スロット2026と組み合わせて、長手軸方向開口部2062を通るカム従動子2018の長手軸方向の動きを方向付ける。
【0077】
操作において、アンビルアセンブリ2060に向かうピン2054の遠位への動きは、カム従動子2018を強制的にわずかに持ち上げる。なぜなら、係合セクションが留め金セクション2022を押し分けて通るからであり、これは、係合セクション2080の角度の付いたカム作用表面2081により容易にされる。ピン2054は、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの近接の際に自動的に、そして/またはいくつかの実施形態においては手動で前進して、最終的に、係合セクション2080が空洞2094の内側に位置する。従って、この移動は、ピン2054が、
図47の実施形態において記載された様式と類似の様式で、留め金2014の留め金セクション2022のフック部分の下をスライドすることを可能にする。次いで、留め金2014は、係合セクションが留め金セクション2022の近くを通り過ぎた後に、
図58のその第一の位置まで戻り、ピン2054を固定/保持する。第一の位置にある間、留め金セクション2022は、係合セクション2080と係合して、表面の当接がピン2054の近位への移動を防止することに起因して、ピン2054をアンビルアセンブリ2060に固定された状態に維持する。使用者は、カム2012を旋回ピン2016の周りで回転させることにより、ピン2054をアンビルアセンブリ2060から解放し得る。カム2012のこの回転運動は、留め金セクション2022を、
図59に見られるような第二の位置に(示される配向では上向きに)移動させる。留め金セクション2022がこの第二の位置に位置する場合、ロック構造体2090は、係合セクション2080とアンビルアセンブリ2060とのロックを解除する。一旦、係合セクション2080のロックが解除されると、ピン2054は、アンビルアセンブリ2060から離れるように近位に移動し得、そしてカートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとが離される。代替的に、留め金2014の第一の位置を得るために、カム2012は、
図58の位置まで回転させられることが理解されるべきである。種々の機構が、カム2012を回転させるために使用され得る。
【0078】
カム2012は、必要に応じて、カム2012のラックと係合する一連の歯を備えて、カムの段階的な(漸増的な)移動を提供し得る。
【0079】
図60および
図61は、外科手術用ステープル留め器具(例えば、
図1の器具100)と一緒に使用するための、ピン2154とロック構造体2090との別の実施形態を示す。この実施形態において、この外科手術用器具は、近位位置と遠位位置との間で長手軸方向に移動するように適合されたナイフ2114を備える。ピン2154は、その遠位部分2172に配置された、拡大ヘッド係合セクション2180を備える。係合セクション2180は、テーパ状の構成を有し、そしてロック構造体2190によりしっかりと受容されるように構成される。
【0080】
ロック構造体2190は、アンビルアセンブリ(図示せず)と機械的に協働するように配置され、そして互いに作動可能に接続された第一のカム作用部材2116および第二のカム作用部材2118を備える。第一のカム作用部材2116は、直角三角形の形状を特徴とし、そしてナイフ2114との係合の際に、アンビルアセンブリ(図示せず)に対して横断方向に移動するように適合される。さらに、第一のカム作用部材2116は、第一のピン2122をスライド可能に受容するように構成された、斜めのスロット2120を備える。第一のピン2122は、アンビルアセンブリ(図示せず)に固定され、そして作動中に、第一のカム作用部材2116の動きを案内する。操作において、第一のカム作用部材2116は、ナイフ2114と係合すると、
図60に見られるような第一の位置から、
図61に示されるような第二の位置まで移動する。第二の位置まで移動する間、第一のカム作用部材2116は、第二のカム作用部材2118を、
図60に図示されるような第一の位置から、
図61に図示されるような第二の位置へと駆動する。第二のカム作用部材2118は、ピン2154の通過を可能にするための開口部分2192、ピン2154をアンビルアセンブリ(図示せず)に固定するように構成されたキャッチ2196、および第二のスライド可能なピン2128をスライド可能に受容するように適合されたスロット2198を備える。第二のスライド可能なピン2128は、アンビルアセンブリに固定され、そしてスロット2198と一緒に、作動中の第二のカム作用部材2118の長手軸方向の動きを方向付ける。第二のカム作用部材2118のキャッチ2196は、ピン2154の係合セクション2180を受容するように構成された空洞2194を備える。
【0081】
操作において、ピン2154は、カートリッジアセンブリとアンビルアセンブリとの近接の際に自動的に、そして/またはいくつかの実施形態においては手動で、キャッチ2196の方へと遠位に移動し、この間、第一のカム作用部材2116および第二のカム作用部材2118は、
図61に示されるようなそれらのそれぞれの第二の位置にある。遠位への並進の際に、ピン2154は開口部分2196を通過し、そして空洞2194内に位置して、カム作用部材2118を強制的にわずかに(
図60の配向において)上方に持ち上げ、これにより、ピンが空洞内に滑り込み得る。係合セクション2180の角度の付いた表面は、このような上向きの移動を容易にする。第一のカム作用部材2116は、
図60におけるその第一の位置にある。第一のカム作用部材2116がその第一の位置にある間、第二のカム作用部材2118は、その第一の位置にあり、そしてキャッチ2196は、ピン2154の係合セクション2180に係合し、これによって、ピン2154をロック構造体2190にロックする。ピン2154は、ナイフ2114を遠位に、第一のカム作用部材2116の方へと(外科手術用ステープラーの発射機構の起動により)並進させることによって、ロック構造体2190から解放される。ナイフ2114が第一のカム作用部材2116に係合すると、第一のカム作用部材2116は、第二の位置の方へと移動し、そして第二のカム作用部材2118を、
図61に示されるような第二の位置の方へと駆動する(矢印を参照のこと)。第二のカム作用部材2118がその第二の位置に達した後に、使用者は、ピン2154をロック構造体2190から取り外し得る。なぜなら、係合セクション2180は、キャッチ2196から間隔を空けるからである。ナイフ2114の引き込みは、カム作用部材が
図60のそれらの通常位置まで戻ることを可能にする。
【0082】
上記説明は、多くの詳細を含むが、これらの詳細は、本開示の範囲に対する限定であると解釈されるべきではなく、単に、本開示の種々の実施形態の例示であると解釈されるべきである。従って、上記説明は、限定であると解釈されるべきではなく、単に、種々の実施形態の例示であると解釈されるべきである。当業者は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内で、他の改変を予測する。