特許第5674461号(P5674461)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5674461対象物の非破壊試験のための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674461
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】対象物の非破壊試験のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/04 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   G01N23/04
【請求項の数】18
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2010-510631(P2010-510631)
(86)(22)【出願日】2008年4月8日
(65)【公表番号】特表2010-529436(P2010-529436A)
(43)【公表日】2010年8月26日
(86)【国際出願番号】CH2008000157
(87)【国際公開番号】WO2008148228
(87)【国際公開日】20081211
【審査請求日】2011年4月5日
(31)【優先権主張番号】PCT/CH2007/000286
(32)【優先日】2007年6月7日
(33)【優先権主張国】CH
(31)【優先権主張番号】PCT/CH2007/000476
(32)【優先日】2007年9月26日
(33)【優先権主張国】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】509335177
【氏名又は名称】ハーフナー,ゲオルグ
【氏名又は名称原語表記】HAFNER, GEORG
(74)【代理人】
【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎
(74)【代理人】
【識別番号】100085132
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100083703
【弁理士】
【氏名又は名称】仲村 義平
(74)【代理人】
【識別番号】100096781
【弁理士】
【氏名又は名称】堀井 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100109162
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 將行
(74)【代理人】
【識別番号】100111246
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 伸夫
(74)【代理人】
【識別番号】100124523
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 眞人
(72)【発明者】
【氏名】コクラン,デイヴィッド・ロブ
【審査官】 比嘉 翔一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−155845(JP,A)
【文献】 特開平09−304301(JP,A)
【文献】 特開2001−074672(JP,A)
【文献】 英国特許第01219837(GB,B)
【文献】 実開昭53−059825(JP,U)
【文献】 特開昭62−049246(JP,A)
【文献】 特開平09−089810(JP,A)
【文献】 実開平04−003438(JP,U)
【文献】 特開平06−222484(JP,A)
【文献】 特開平03−016562(JP,A)
【文献】 特開2004−125450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00−23/227
G01T 1/00− 7/12
A61B 6/00− 6/14
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の放射線透過写真術による非破壊試験のための装置であって、放射能を有する放射源(5)からの放射線が伝送され、試験対象物(40)に放射線を出射するコリメータ(1)を試験対象物(40)に対し位置決めするための第1の位置決め手段(10)と、前記試験対象物(40)を透過した放射線を受けることで放射線透過写真を作成する記録媒体を搬送可能な記録担体(21)を試験対象物(40)に対して位置決めするための第2の位置決め手段(20)とを備え、前記第1の位置決め手段(10)は、下側端部が静止面上にある状態で固定または設置可能であり、前記コリメータ(1)は、対向する上側端部に取付けられ、前記第1の位置決め手段(10)は、前記第2の位置決め手段(20)とは別々に移動可能であり、前記第2の位置決め手段(20)とは独立して位置決め可能であ
前記第1の位置決め手段(10)および前記第2の位置決め手段(20)の長さは、2メートルを超え9メートル以下であり
前記第2の位置決め手段(20)は、前記記録担体(21)を前記試験対象物に対して位置決めするための保持管(30)を含み、前記第2の位置決め手段(20)は、取外し可能な接続によって前記記録担体(21)の表面上の異なる場所に締結可能であり、
前記記録担体(21)は、前記第2の位置決め手段(20)の保持管(30)に対して、前記保持管(30)の軸に垂直な軸(28)の周りを回転可能である、装置。
【請求項2】
前記装置を形成する部品は、火花を生じない材料で製造されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の位置決め手段(10)および前記第2の位置決め手段(20)の長さは、メートルを超え9メートル以下である、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記記録担体(21)は、面ファスナー接続によって前記第2の位置決め手段(20)の接続プレート(26)に締結されている、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記記録担体(21)を試験対象物(40)上で支持し、案内するための案内体(34)を備え、前記案内体(34)は、前記記録担体(21)の側面に調節可能に締結可能であり、前記側面は、保持管(30)から離れた位置に配置される、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記案内体(34)は、前記記録担体(21)に面ファスナー接続によって調節可能に締結可能である、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記記録担体(21)は、可撓性かつ屈曲可能であることによって、前記試験対象物(40)の内壁または外壁に押付けると、その表面でこの壁を圧迫する、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記第2の位置決め手段(20)は、前記記録担体(21)を前記試験対象物(40)の外側に固定するための磁石(42)を含む、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記第2の位置決め手段(20)は、前記記録担体(21)を前記試験対象物(40)の外側に固定するために、前記記録担体(21)の端縁領域に係合する端縁取付具である2つの別個のロッド(43)またはフォーク状保持具(44)を含む、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記第1の位置決め手段(10)は、機械的案内部(13)を含み、前記機械的案内部は、前記試験対象物に押付けられることによって、前記コリメータ(1)を試験対象物(40)に対してセンタリングするためのものである、請求項1からのいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記機械的案内部(13)は、前記コリメータ(1)が前記試験対象物(40)から距離をおくようにし、前記試験対象物(40)と前記コリメータ(1)との間の前記距離は、前記機械的案内部(13)を調節することによって設定可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記コリメータ(1)および前記機械的案内部(13)は、ロッド(2)に締結されており、前記コリメータ(1)は、前記機械的案内部(13)の上方または下方に選択的に締結可能である、請求項1または1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1の位置決め手段(10)は、傾斜可能に設置可能なロッド(2)を含み、前記第1の位置決め手段(10)は、前記ロッド(2)と延長アーム(3)との間に調節可能な継手(14)をさらに含み、この手段によって、前記延長アーム(3)に締結された機械的案内部(13)は、試験対象物(40)に対して選択可能な角度で移動され、前記試験対象物(40)にもたせかけられる、請求項1から1のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記ロッド(2)は、回転中心軸の周りを回転可能に継手脚部に締結されているか、または二脚スタンドに締結されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
請求項から1の少なくとものいずれかに記載の装置で放射線透過写真術による記録を撮るための方法であって、
・前記第1の位置決め手段(10)を、前記コリメータ(1)が前記試験対象物(40)の一方の側にある状態で設置するステップと、
・前記第2の位置決め手段(20)の接続プレート(26)を、前記記録担体(21)上で前記記録担体(21)の第1の表面上の自由に選択可能な位置に位置決めし、前記接続プレート(26)を取外し可能な接続によって固定するステップと、
・前記第2の位置決め手段(20)を、前記第2の位置決め手段(20)を前記第1の位置決め手段(10)から独立して位置決めすることにより、前記記録担体(21)が前記試験対象物(40)の前記コリメータ(1)と対向する側にある状態で設置するステップと、
・前記記録担体(21)を移動させて前記試験対象物(40)にもたせかけるステップとを備え、前記記録担体(21)は、前記第2の位置決め手段(20)のロッドに対して軸の周りを自由に回転可能であり、
・前記記録担体(21)を前記試験対象物(40)上の安定した位置に配置するステップと、
・撮影をトリガするステップとを備える、方法。
【請求項16】
前記第1の位置決め手段(10)を設置するステップは、
・機械的案内部(13)を設定することによって、または、前記コリメータ(1)の前記第1の位置決め手段(10)上での位置決めを選択することによって、前記コリメータ(1)と前記試験対象物(40)との間の計画された距離を設定し、固定するステップと、
・前記第1の位置決め手段(10)を、前記機械的案内部(13)が前記試験対象物(40)を所望の位置で圧迫するまで、手で移動させるステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の位置決め手段(20)を設置するステップは、
案内体(34)を前記記録担体(21)の第2の表面上に位置決めするステップと、
前記記録担体(21)を移動させ、前記試験対象物(40)にもたせかける際に前記試験対象物(40)を圧迫する前記案内体(34)によって前記記録担体(21)が案内されるステップとを含む、請求項1または1に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の位置決め手段(20)の移動と静止は、単数または複数の人が前記第2の位置決め手段(20)の第1の端部を保持して移動することで行われ、この移動によって前記第2の位置決め手段(20)の第2の端部で、所望の測定位置に前記記録担体(21)が配置される、請求項15から17のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は非破壊試験の分野に関し、特に、化学工業、加工工業などにおける石油精製所などの工業プラントの導管の非破壊試験に関する。この発明は、それぞれの独立特許請求項のプリアンブルに従った対象物の非破壊試験のための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術
石油精製所にある配管の試験に関して、現在、配管のX線写真を撮るために枠組が設置される。枠組からのフィルムプレートおよびX線放射源は、配管および枠組にしっかりと接続されている。原則として、オペレータは、写真撮影をトリガする際に、枠組を離れなくてはならない。この方法は、時間がかかり、プラントの停止を必要とし、それ相応の高い費用がかかる。これは、他の産業部門における配管および導管の試験にも同様に当てはまる。
【0003】
JP09−89810には、配管の検査のための装置が示されている。この装置は、モータ駆動の関節アームまたはマニピュレータを含み、この関節アームは、一方には放射源を受けるためのコリメータを、他方にはX線フィルムのための傾斜可能な保持板を含む。写真撮影を行なうために、関節アームは、配管の下を横切らせられ、X線板は、配管の後ろに直立に置かれ、放射源は、コリメータ中まで伝達される。この装置は、機械的に複雑であり、限定的適用できないことがある。
【0004】
放射源を容器からコリメータ中まで伝達し、戻すための装置は、たとえばGB2251047およびUS2,965,761において知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の説明
したがって、この発明は、上述の不利点を軽減する、最初に述べた種類の対象物の非破壊試験のための装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、それぞれの独立請求の範囲の特徴を備えた、対象物の非破壊試験のための装置および方法によって達成される。
【0007】
対象物の非破壊試験のための装置は、放射源を受けるためのコリメータを試験対象物に向かって(すなわち、対象物に接してまたは対象物のすぐ近くで)位置決めするための第1の位置決め手段と、記録担体を試験対象物に向かって位置決めするための第2の位置決め手段とを含む。第1の位置決め手段は、下側端部が静止面上にある状態で固定または設置されていてもよく、コリメータは、第1の位置決め手段の対向する上側端部に取付けられている。
【0008】
これによって、枠組を組立て、撤去する必要なしに、試験される配管の写真を撮ることが可能となる。その上、狭い空間で、縦穴貫通孔の中で、または届きにくい場所に向かって写真を撮ることができる。
【0009】
好ましくは、放射源は、放射能のある放射源、好ましくは放射能物質含有体である。よって、記録担体中の記録媒体で試験対象物のX線写真を撮ることができ、この記録媒体は
、放射能のある放射に対して感受性がある。
【0010】
この発明の好ましい実施例において、放射源は、伝達管を介してコリメータまで導かれ、好ましくはケーブル牽引によってコリメータから取除かれてもよい。これによって、放射源は、コリメータ中に位置しないとき、遮蔽されたアイソトープ容器または蓄積容器中に蓄積され、蓄積容器は、コリメータから距離をおいて配置されている。放射源の外側ケーシングは、おおよそ円筒形の丸剤またはカプセルの形状を有する。伝達管は、好ましくは、第1の位置決め手段に固定されているが、別個のロッドによって案内され、保持されてもよい。放射源を伝達管を通して空気中に吹き込むことによって空気圧伝達することも可能であるが、安全上の理由から好ましくない。
【0011】
この発明は、ケーブル牽引の使用に限定されない。この発明のさらなる実施例において、この発明は、放射源を所与の位置に伝達するための他の手段、またはたとえば規定の場所に遮蔽されて位置する放射源を活性化するための手段も含んでもよい。
【0012】
好ましくは、装置の部品、特にすべての外部または触ることができる部品は、火花を生じない材料、特に真鍮、アルミニウム、および/またはプラスチックで製造されている。これはとりわけ2つの位置決め装置の支持管およびロッドに関するが、ロッドを接続しロックするためのナット、ねじ、またはボルト、およびそれ以上の小さな部品も含む。そのような小さな部品は、鋼から製造されているため、プラスチックまたはゴムなどの火花を生じない別の材料で完全にまたは部分的に被覆されていてもよい。枠組が車輪上に組立てられる場合、好ましくは静電防止、すなわち導電性車輪材料が用いられる。これによって、爆発の危険性がある環境で作業が可能となる。
【0013】
好ましくは、第1の位置決め手段および第2の位置決め手段の長さは、1メートル半または2メートルを超え、たとえば、6または9メートルまでである。この長さは、第1の位置決め手段が載る底部とコリメータとの間の距離であり、同様に、第2の位置決め手段の脚部と記録担体との間の距離である。これによって、伝達管の長さも少なくとも2から5メートル以上であり、すなわちしたがって1からたとえば5メートル長い。なぜなら、伝達管は、実用上の理由により第1の位置決め手段の脚部から距離をおいていなくてはならないためである。
【0014】
第2の位置決め手段は、好ましくは、記録担体を試験対象物に対して位置決めするための保持管を含み、第2の位置決め手段は、取外し可能な接続によって記録担体のさまざまな場所に締結されていてもよい。取外し可能な接続は、たとえば、保持管の接続プレートと記録担体との間の面ファスナー接続である。これによって、記録担体が傾斜して離れることなしに、記録担体を試験対象物に立てかけるまたは押付けることも可能となる。このために、記録担体の表面上での保持管と記録担体との間の接続場所は、記録担体が所望の位置で試験対象物に安定してもたれかかるように選択される。
【0015】
面ファスナー接続の代わりに、基本的に、別の種類の接続も選択してもよく、この接続は、記録担体上での接続プレートの本質的に自由な位置決めを可能にする。例えば:
・磁石によって。
【0016】
・接続プレートが異なる場所で捩じ込まれてもよい穴パターンを備えた、記録担体に締結されたプレートによって。
【0017】
・記録担体の後ろ側にわたって架かり、その下側に接続プレートがさまざまな場所で押されてもよい一連のゴムケーブルによって。
【0018】
しかしながら、面ファスナー接続は、面ファスナーは軽量である、記録担体が面ファスナーで周囲すべておよび側面すべてを被覆されてもよいことにより緩衝材としても機能する、および案内体も面ファスナーで締結されてもよい、という利点を有する。
【0019】
第1の位置決め手段は、好ましくは、第2の位置決め手段とは別々に移動可能であり、独立に位置決めされてもよい。
【0020】
好ましくは、その上記録担体は、第2の位置決め手段の保持管に対して、保持管の軸に垂直な軸の周りを回転されてもよい。これによって、記録担体は、試験対象物に寄りかかる際、さらにより安定した位置に回転してもよい。この位置は、対象物の幾何学的配置により、たとえば表面または管または管の平面に平行である。
【0021】
この発明のもう1つの好ましい実施例に従って、記録担体は、記録担体を試験対象物上で支持し、案内するための案内体を含む。これによって、案内体は、記録担体の側面に調節可能に締結されてもよく、この側面は、保持管から遠い(よって試験対象物に面する側にある)。案内体は、好ましくは、記録担体上に好ましくは面ファスナー接続によって締結可能である。これによって、試験対象物に対する記録担体の位置は、記録担体の位置決め前に試験対象物上の所望される位置に従って記録担体上に置かれている案内体によって規定されてもよい。
【0022】
上述の装置の使用方法において、以下のステップが実行される。
・第1の位置決め手段を、コリメータが試験対象物の一方の側にある状態で設置するステップ。
【0023】
・第2の位置決め手段を、記録担体が試験対象物のコリメータと対向する側にある状態で設置するステップ。
【0024】
・放射源を活性化させることにより撮影をトリガするステップ。
これによって、撮影をトリガするステップは、好ましくは以下のステップを含む。
【0025】
・放射能のある放射源をコリメータまで伝達管によって伝達するステップ。
・放射源をコリメータから遮蔽された容器まで伝達管によって戻すよう伝達するステップ。
【0026】
第1の位置決め手段を設置するステップは、好ましくは以下のステップを含む
・機械的案内部を調節することによって、また任意選択的に、コリメータの第1の位置決め手段上の位置決めを選択することにもよって、コリメータと試験対象物との間の計画された距離を設定し、固定するステップ。
【0027】
・任意選択的に、コリメータが所望の高さにあるようになるまで伸縮式ロッドを延長させるステップ。
【0028】
・機械的案内部が試験対象物を所望の位置で圧迫するまで、第1の位置決め手段を好ましくは手で移動させるステップ。
【0029】
これによって、この方法の好ましい変形例は、以下のステップを含む。
・ロッドと延長アーム(または単なるアーム)との間の計画された角度を機械的案内部で設定し、固定するステップ。
【0030】
・ロッドを試験対象物の付近まで好ましくは手で延長させるまたは持上げるステップ。
・機械的案内部が試験対象物にもたれかかるまで、ロッドを試験対象物に対して回転点または回転軸の周りを好ましくは手で傾斜させるステップ。
【0031】
上述の距離および角度を設定し、固定するステップは、好ましくは手動で行なわれる。第1の位置決め手段の移動または傾斜は、同様に好ましくは、第1の位置決め手段の下側端部を保持し、移動させることによって上側端部に配置された案内部およびコリメータを所望の測定位置に移動させる1人以上の人によって、行なわれる。
【0032】
第2の位置決め手段を設置するステップは、好ましくは以下のステップを有する。
・第2の位置決め手段の接続プレートを、記録担体上で記録担体の第1の表面上の自由に選択されてもよい位置に位置決めし、接続プレートを、取外し可能な接続によって固定するステップ。
【0033】
・任意選択的に、案内体を記録担体の第2の表面上に位置決めするステップ。
・試験対象物を圧迫する案内体によって行なわれる案内に任意選択的によって、記録担体を移動させ、試験対象物に対してもたせかけるステップ。
【0034】
これによって、記録担体上での接続プレートの位置決めは、これが試験対象物上で離れて傾斜しないように選択される。記録担体は、好ましくは、記録担体が安定した位置で試験対象物を圧迫するように、第2の位置決め手段のロッドに対して軸の周りを自由に回転する。
【0035】
第2の位置決め手段の移動および静止は、同様に好ましくは、第2の位置決め手段の第1の、典型的には下側端部を保持し、移動させることによって第2の、典型的には上側端部に配置された記録担体を所望の測定位置に移動させる1人以上の人によって行なわれる。
【0036】
もう1つの好ましい実施例において、記録担体は、可撓性で曲げやすいことによって容器の内壁または外壁に押付けられてもよい。この押すことまたは圧力印加により、記録担体は変形し、容器の凹または凸形状に適合し、壁を圧迫する。内側を押す際は、既に説明した第2の位置決め手段が適用されてもよい。
【0037】
容器の外側に締結する際は、この発明の好ましい実施例において、記録担体を固定するための磁石が用いられる。磁石は、別個の部品であってもよく、記録担体に対して外側から当てられてもよく、または磁石は、記録担体中に固定されて設置されてもよい。この発明の別の実施例において、記録担体は、端縁取付具としての少なくとも2つの別個のロッドで外側に押付けられている。
【0038】
よって、記録担体を位置決めするための対応する方法は
・記録担体を容器の外壁に磁石によって位置決めし、固定するステップまたは
・記録担体を容器の外壁に端縁取付具によって位置決めし、固定するステップを含む。
【0039】
この発明のもう1つの実施例に従った記録担体は、端縁取付具としての弾性的に広げることができるフォーク状部に締結されてもよい。フォーク状部は、記録担体の外側端縁まで届き、記録担体の左および右端縁に回転可能に締結されている。よって記録担体は、曲げることができ、フォーク状部の端部間に配置されている。凸状体を押す際、フォーク状部はわずかに閉じ、記録担体はフォーク状部に対して撓み、よって凸状体を圧迫する。
【0040】
この発明の好ましい実施例における第1の位置決め手段は、機械的案内部を含み、この機械的案内部は、試験対象物に対して押付けられることによって、コリメータを試験対象
物に対してセンタリングするためのものである。この案内は、Y字形に広がったフォーク状部であってもよく、または別の方法で試験対象物の幾何学的配置に適合してもよい。その上、機械的案内部は、コリメータが試験対象物まで距離をおくようにもし、よって、コリメータと試験対象物との間の距離を正確に設定することを可能にする。これによって、距離は、機械的案内部を対象物に対してずらすことによって設定されてもよく、そこにコリメータは締結される。
【0041】
この、正確に距離をおくことは、適用される測定原理によっては有利である。たとえば、配管の横方向のX線写真に関して、画像すなわちX線フィルムへの投影の幾何学的配置は、一方でコリメータと配管との間の設定可能な距離と、記録担体が配管に押付けられていることとを考慮すると分かる。たとえば、X線写真中の壁の厚みを測定することができ、配管の実際の壁の厚みは、分かっている幾何学的配置のおかげで算出することができる。
【0042】
好ましくは、コリメータおよび機械的案内部は、ロッドに締結されており、コリメータは、機械的案内部の上方または下方に選択的に締結可能である。これによって、コリメータと案内部との間の相対的位置は、試験対象物の幾何学的配置に適合させることができる。
【0043】
この発明のもう1つの好ましい実施例において、第1の位置決め手段は、傾斜可能に設置されてもよいロッドを含むことよって、回転軸または回転点の周りで傾斜されてもよい。好ましくはこのために、ロッドは、軸の周りを回転可能に継手脚部に締結されているか、または二脚スタンドに締結されている。その上、第1の位置決め手段は、さらに、ロッドと延長アームとの間に調節可能な継手を含み、この手段により、延長アームに締結された機械的案内部は、試験対象物に対して選択可能な角度で移動可能であり、試験対象物にもたせ掛けられてもよい。これによって、ロッドを施設内の制限された状態においても適用することが可能である。傾斜させることによって生じるロッドの傾いた位置は、延長アームがコリメータが試験対象物に対して予め規定された配向にある状態で位置決めされるように、ロッドと延長アームとの間にある継手によって補償される。ロッドと延長アームとの間の角度は、たとえば、延長アームが持上げられ、試験対象物まで導かれ、案内部が試験対象物に接した状態で適用される前に、手で設定または固定される。
【0044】
少ない数の構成要素でコリメータと記録担体とを位置決めするための説明された装置は、多数の異なる状態への柔軟な適合を可能にする。
【0045】
第1の位置決め手段は基本的に、試験ヘッド保持具として試験ヘッドを他の測定原理で位置決めするのにも適している。そのようなものは、たとえば、超音波測定ヘッド、渦電流試験ヘッド、温度測定ヘッド、カメラ(ビデオまたは静止画)、または内視鏡である。これによって、第2の位置決め手段なしに測定を行なうこともできる。この発明の対応するもう1つの好ましい実施例において、この実施例はこういった測定原理に特に適しており、よって第1の位置決め手段は、試験ヘッドを試験対象物に対して位置決めするために設計されている。このために、第1の位置決め手段は、
・試験ヘッドを位置決めするためのロッドと、
・試験ヘッドを試験対象物に対してセンタリングするための機械的案内部と、
・ロッドを第1の端部で試験ヘッドおよび機械的案内部に調節可能かつ締結可能に接続する調節可能な接続装置、特に継手装置とを含み、
・試験ヘッドの位置合わせは、接続装置によって、少なくともロッドの方向に垂直な角度とロッドに平行な角度の間でロッドの第2の端部の方向に設定されてもよい。
【0046】
これによって、試験ヘッドを、制限された状態において障害物の周りを試験対象物の予
め規定された場所まで導くことが可能となる。この装置は、ロッドと試験ヘッドとの間の角度を設定することによって、各場合に存在する障害物に適合されてもよい。
【0047】
好ましくは、継手装置は、それぞれ少なくとも約90°回転させることができ、ロックすることができる2つの継手を含み、これらの90°継手の回転軸は、互いに平行に延びている。これによって、単純で頑強な設計で、非常に高い使用柔軟性が可能となる。
【0048】
好ましくは、試験ヘッドをセンタリングするための機械的案内部は、試験対象物を向いている案内部の長手方向の軸の周りを回転可能に調節可能である。これによって、装置は、試験対象物の異なる配向に適合されてもよい。
【0049】
試験ヘッド保持具として設計された装置の使用方法において、以下のステップが実行される。
【0050】
・試験ヘッドとロッドとの間の計画された相互位置を接続装置を調節することによって設定し、固定するステップ。
【0051】
・機械的案内部が試験対象物を所望の位置で圧迫するまで、装置を好ましくは手で移動させるステップ。
【0052】
装置の移動は、好ましくは、ロッドの下側端部を保持することによって上側端部に配置された接続装置を試験ヘッドとともに所望の測定位置に移動させる1人以上の人によって行なわれる。
【0053】
さらなる好ましい実施例は、従属特許請求項から推論されるべきである。これによって、方法請求項の特徴は、内容に関して装置請求項と組合されてもよく、逆もまた同様である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
この発明は、以下に添付の図面に表わされる好ましい例示的な実施例によってより詳細に説明される。各図において、概略的に以下が説明されている。
図1】コリメータ保持具およびプレート保持具の一部を示す図である。
図2】プレート保持具を示す図である。
図3】フィルムホルダを示す図である。
図4】フィルムホルダの変形例を示す図である。
図5】この発明に従った装置の適用を示す図である。
図6】この発明の適用のためのもう1つの例を示す図である。
図7】この発明の適用のためのもう1つの例を示す図である。
図8】この発明の第3の実施例の適用を示す図である。
図9】試験ヘッドのための保持具を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図中に用いられた参照番号およびその意味は、参照番号一覧に決定的に列挙されている。基本的に、同じ部品は図中で同じ参照番号を与えられている。
【0056】
発明を実施する方法
図1にはコリメータ保持具10の第1の実施例が示されている。コリメータ保持具10は、長さがたとえば2から6または9メートル以上あるロッド2を含む。ロッド2は、好ましくは、長さが調節可能であり、このために、好ましくは伸縮式ロッドとして設計されている。伸縮式ロッドは、非常に単純に手で組立てられてもよいが、手動、電子式、空気
圧式、または液圧式に伸張可能である。ロッド2は、下側端部でスタンド4の中に組立てられているが、異なる種類の固定具でも接続されてもよい。上側端部で、ロッド2は、延長アーム3に固定式に、または調節可能な継手14を介して接続されている。延長アーム3は、4メートルまでの長さを有し、コリメータ1を支える。コリメータ1は、好ましくは、延長アーム3にストラップ15で、特に面ファスナーストラップで締結されているが、またはたとえばねじ接続またはクランプ接続で締結されている。この発明の別の好ましい実施例における延長アームは、コリメータ1と対向する側にロッド2を越えて突出し、コリメータ1に対する釣合い錘を備えている。もう1つの実施例において、ロッド2とコリメータ1との間にもう1つの回転継手が配置されている。この発明の好ましい実施例において、装置は、コリメータ1を試験される配管40の軸に対してセンタリングするための機械的案内部13を含む。これは図1中に点線で描かれている。図2に関連してより詳細に説明されるプレート保持具20の最上部は、配管40のコリメータ1と対向する側に描かれている。
【0057】
放射源は、既知の方法で、伝達管8を通してコリメータ1までケーブル索引で案内されてもよい。伝達管8は、遮蔽されていてもよい。
【0058】
放射源をコリメータ1に伝達するために、放射源は、それ自体知られた方法で、遮蔽されたアイソトープ容器から伝達管8を通してコリメータ1までケーブル伝達によって押出される。受取り後、放射源は、ケーブル牽引によってアイソトープ容器まで再び引き戻される。ケーブルの牽引は、好ましくは、手動で行なわれ、または電気式もしくは他の駆動装置で行なわれる。
【0059】
よって、コリメータ保持具10は、第1の位置決め手段として機能する。第1の端部に、コリメータ保持具は、コリメータ1を含み、(第1の端部と対向する)第2の端部をしっかりと保持することによって人により移動させることが可能であり、この移動によって、コリメータ1は、試験対象物40に対して所望される位置に合わされてもよい。
【0060】
同様に、プレート保持具20は、第2の位置決め手段として機能する。プレート保持具は、第1の端部に記録担体またはフィルムホルダ21を含み、人がプレート保持具を(第1の端部と対向する)第2の端部でしっかりと保持することによって自由に移動させることができ、この移動によって、記録担体21は、試験対象物40に対して所望される位置に合わされてもよい。
【0061】
図2には、保持管30を含むプレート保持具20が示されており、保持管の上端には、フィルムホルダ21が締結されている。下側端部で、保持具30は、位置決め向上のために継手31で底板32に締結されていてもよい。保持管は、図6において明らかなように、伸縮式管である。好ましくは、フィルムホルダ21は、取外し可能に接続プレート26に接続されており、接続プレート26は、次に回転継手28を介して保持管30の弓状部29に回転可能に接続されている。弓状部29と接続プレート26との間にある回転継手28の回転軸は、保持管30の長手方向軸に本質的に垂直に延びている。これによって、フィルムホルダ21を試験される配管40にあてがうことが可能となり、フィルムホルダ21の傾きは、保持管30の配管40の位置に対する傾きとは独立して配管40の位置に適合する。
【0062】
フィルムホルダ21と接続プレート26との間の接続は、好ましくは、面ファスナー接続によって、たとえばフィルムホルダ21上にある第1の面ファスナー接続材料22(たとえば綿毛状部)と、接続プレート26上にある第2の面ファスナー接続材料27(たとえば鉤状部)とで行なわれる。このために、好ましくは、少なくともフィルムホルダの一方の側面、さらによりよくは両方の側面は、表面全体を面ファスナー接続材料22で被覆
されている。好ましくは、接続プレート26の外側も、表面全体を対応する面ファスナー接続材料27で被覆されている。よって面ファスナー材料は、安定して、速やかに、および簡単に取外し可能であり、火花を招くおそれのある金属部品を含まない。その上、フィルホルダ21は、第1の面ファスナー接続材料22によって緩衝され、これによって、配管40の存在する絶縁材は、損傷から保護される。ここで、面ファスナー接続のための材料は、締結ストラップ15とも同様に好ましくは、爆発の危険性がある環境において適用してもよいように、帯電防止材料からなる。面ファスナー材料で表面を完全に被覆することによって、接続プレートがフィルムホルダ上の本質的に任意の場所に位置決めされことが可能になる。
【0063】
図3には、記録担体としてのフィルムホルダ21が示されている。フィルムホルダ21は、薄いアルミニウム板金部品からなる枠組を有し、この枠組の中に、X線感受性フィルムを備えたフィルムカセット25が挿入されてもよい。この発明の好ましい実施例において、フィルムホルダ21は、案内体34(図1および図3中に点線で描かれている)を含む。案内体34は、たとえば硬質発泡体からなり、面ファスナー接続材料が設けられているかまたは面ファスナー接続材料で被覆されている。よって、案内体34は、フィルムホルダ21の表面上の任意の位置に位置決めされてもよく、配管の経路に適合されてもよい。よって、フィルムホルダ21を配管にもたせかける際、フィルムホルダ21の位置は、付加的に安定化される。
【0064】
案内体の他の実施例は、たとえば大きさがおよそ5cm×20cmのアルミニウム板金部品からなる。アルミニウム板金部品は、好ましくは、すべての側面かまたは少なくとも所々を、面ファスナー型材料で包まれている。これによって、それらを任意の形状に曲げ、フィルムホルダ21の任意の場所に固定することができる。
【0065】
図4には、フィルムホルダ21の1つの変形例が示されている。これは、保持弓状部33を含み、この保持弓状部でフィルムホルダ21を配管40にぶら下げることができる。これによって、照射中のフィルムホルダ21の安定性向上がもたらされる。弓状部の機能は、上述の包まれたアルミニウム板金部品からなる案内体でも実現化されてもよい。
【0066】
図5には、この発明に従った装置の第1の実施例の適用が示されている。コリメータ保持具10は、延長アーム3の端部にあるコリメータ1が配管40の一方の側にある状態で配置され、プレート保持具20は、フィルムホルダ21が対向する側にある状態で配置されている。プレート保持具20は、下側端部が底部の上に載っており(図示せず)、配管40に寄りかかり、よって、全体として底部と配管40との間にクランプされており、または少なくともその自重により固定されている。
【0067】
フィルムホルダ21は、回転軸の周りを保持管に対して回転可能であり、フィルホルダ21を試験対象物に押付けることによって、および保持管30または接続プレート26がフィルムホルダに締結された位置に対応する、継手28の回転軸の周りにおけるフィルムホルダ21の自由な回転によって、試験対象物に対して−よって傾斜なしに−安定位置に合わせられてもよい。
【0068】
配管40のX線写真を記録するために、好ましくは以下のように進める。
・コリメータ1と伝達管8とを備えたコリメータ保持具10を設置するステップ。
【0069】
・フィルムホルダ21を備えたプレート保持具20を設置するまたはもたせかけるステップ。
【0070】
・必要な場合、オペレータが安全距離を遵守するステップ。
・放射源をアイソトープ容器9からコリメータ1中に伝達するステップ、または別の方法でコリメータ1中の放射源を活性化させるステップ。
【0071】
・放射源をアイソトープ容器9に戻すよう伝達するステップ、または放射源を不活性化させるステップ。
【0072】
その後、プレート保持具20は降ろされ、X線写真が現像される。写真撮影は、たとえば、結果によっては繰返されてもよく、またはコリメータ保持具10は、次の写真撮影のためにずらされてもよい。
【0073】
図6および図7には、この発明の適用のためのさらなる例が示されている。図中、どのように案内部13が好ましくはロッド2に延長アーム3を介して締結されるか、および次にコリメータ1がロッド2またはロッド2の末端部6に締結されるかが見えるであろう。図6および図8中の伝達管8は、コリメータ1の付近に部分的にしか示されていない。案内部13および延長アーム3は、コリメータ1と試験対象物との間の距離を設定する。延長アーム3の延長長さ、調節可能な継手14の位置、およびロッド2または末端部6に沿ったコリメータ1の位置は、配管40の試験される箇所の位置に応じて選択されるべきである。接続プレート26のフィルムホルダ21上での位置も、それに従って選択されるべきである。ここで接続プレート26は、図2および図5の矩形の接続プレートと対照的に円形である。しかしながら、ここでもフィルムホルダ21への接続は好ましくは、面ファスナー接続を介して、フィルムホルダ21の表面が表面全体を面ファスナー接続材料22で被覆された状態で行なわれる。図6において、接続プレート26は、パイプの弧の上のフィルムホルダ21の押圧点がフィルムホルダ21の安定した位置をもたらすように、フィルムホルダ21の左上領域に位置決めされている。対照的に、図7において、接続プレート26は、フィルムホルダ21の右下領域に位置決めされている。配管のT字接続での写真撮影については、接続プレート26は、フィルムホルダ21の中央に配置される傾向があるだろう。
【0074】
末端部は、好ましくは、コリメータ1を末端部6にしっかり締結するための締結補助具11を含む。締結補助具11は、コリメータ1の形状に対応して成形されており、1つ以上の取付具を形成し、この取付具に、コリメータ1は、工具なしに、たとえば面ファスナーストラップ15の助けで異なる位置に組立てられ、分解されてもよい。
【0075】
調節可能な継手14は好ましくは、案内部13が延長アーム2の長手方向軸の周りを回転することも可能にする。これによって、案内部13の配向は、たとえば管の方向に(水平に、垂直に、または斜めに)適合されてもよい。
【0076】
図8には、この発明の第3の実施例の適用が示されている。ロッド2の末端部6は、ロッド2の第1の上側端部に回転継手7によって回転可能に締結されている。継手7の回転軸は、ロッド2の長手方向軸に垂直に延びている。二脚スタンド5は、ロッド2の第2の下側端部に配置されている。これによって、このコリメータ保持具10は、二脚スタンド5の接触静止点の周りで全体として傾斜させることができる。この発明の別の実施例において、ロッド2は、回転継手によって、傾斜不可能な脚部の上でロッド2の長手方向軸に垂直な軸の周りで同様に傾斜されてもよい。これによって、コリメータ1を備えたロッド2は、制限された状況で配管40まで障害物(図示せず)の周りを導かれてもよく、案内部13は、配管40にもたせかけられていてもよい。基本的に、より高い柔軟性を実現するために、ロッド2と末端部6との間に1つ以上の回転継手7を配置することもできる。
【0077】
図9には、試験ヘッド37のための保持具が示されている。保持具は、ロッド2の上側端部に締結されてもよい接続装置38である(たとえばスタンドの)。接続装置は、第1
の部材41を含み、第2の部材43は、この第1の部材に回転継手44を介して回転可能に締結されている。次に、第3の部材45は、第2の部材43に回転継手を介して回転可能に締結されている。試験ヘッド37は、第3の部材45に締結されており、好ましくは、試験ヘッド37を被験体上で位置合わせするための案内部13も締結されている。2つの回転継手42、44は、2つの矢印によって示されるように、互いに平行な軸の周りをそれぞれ90°から180°またはそれ以上回転可能であり、継手42、44は、固定されてもよく、固定可能なボール継手によっても実現化されてもよい。
【0078】
試験ヘッド37の少なくともロッド2の方向に垂直な角度とロッド2に平行な角度との間およびロッド2の下側端部の方向への位置合わせは、接続装置38によって調節されてもよい。接続装置38は、試験ヘッド37が任意の側からたとえば配管40に対して案内され、試験ヘッドをセンタリングすることを可能にする。
【符号の説明】
【0079】
参照番号一覧
1 コリメータ、2 ロッド、3 延長アーム、4 スタンド、5 二脚スタンド、6
末端部、7 回転継手、8 伝達管、9 アイソトープ容器、10 コリメータ保持具、11 締結補助具、13 案内部、14 調節可能な継手、15 面ファスナーストラップ、18 遮蔽中の開口部、19 ケーブル牽引装置およびアイソトープ容器、20 プレート保持具、21 フィルムホルダ、22 面ファスナー接続材料、24 細隙、25 フィルムカセット、26 接続プレート、27 面ファスナー接続材料、28 回転継手、29 弓状部、30 保持管、31 継手、32 底板、33 保持弓状部、34
案内体、35 継手脚部、37 試験ヘッド、38 接続装置、39 案内体の長手方向軸、40 配管、41,43,45 部材、42,44 継手。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9