特許第5674464号(P5674464)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5674464薄型の側面発光LEDを用いた、薄いフラッシュ又は薄いビデオ録画用ライト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674464
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】薄型の側面発光LEDを用いた、薄いフラッシュ又は薄いビデオ録画用ライト
(51)【国際特許分類】
   G03B 15/05 20060101AFI20150205BHJP
   F21S 2/00 20060101ALI20150205BHJP
   G03B 15/02 20060101ALI20150205BHJP
   G03B 15/03 20060101ALI20150205BHJP
   G03B 17/00 20060101ALI20150205BHJP
   G03B 17/12 20060101ALI20150205BHJP
   G03B 17/02 20060101ALI20150205BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20150205BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150205BHJP
【FI】
   G03B15/05
   F21S2/00 419
   F21S2/00 412
   F21S2/00 439
   G03B15/02 J
   G03B15/02 Q
   G03B15/02 F
   G03B15/03 F
   G03B17/00 Q
   G03B17/12 Z
   G03B17/02
   H01L33/00 L
   F21Y101:02
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2010-511774(P2010-511774)
(86)(22)【出願日】2008年6月13日
(65)【公表番号】特表2010-530082(P2010-530082A)
(43)【公表日】2010年9月2日
(86)【国際出願番号】IB2008052347
(87)【国際公開番号】WO2008152610
(87)【国際公開日】20081218
【審査請求日】2011年6月9日
(31)【優先権主張番号】11/763,311
(32)【優先日】2007年6月14日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100087789
【弁理士】
【氏名又は名称】津軽 進
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】シュチェキン オレグ ビー
(72)【発明者】
【氏名】エプラー ジョン
(72)【発明者】
【氏名】エング グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ビールハイゼン セルジェ
(72)【発明者】
【氏名】ハーベース ジェラルド
【審査官】 高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−036435(JP,A)
【文献】 特開2005−093622(JP,A)
【文献】 特開2009−033061(JP,A)
【文献】 特開2007−033860(JP,A)
【文献】 特開2008−216540(JP,A)
【文献】 特開2007−005791(JP,A)
【文献】 実用新案登録第3134270(JP,Y2)
【文献】 特開2006−019409(JP,A)
【文献】 特開2007−178988(JP,A)
【文献】 特開2004−319340(JP,A)
【文献】 特開2007−019024(JP,A)
【文献】 特開2009−054593(JP,A)
【文献】 特開2007−234385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/05
F21S 2/00
G03B 15/02
G03B 15/03
G03B 17/00
G03B 17/02
G03B 17/12
H01L 33/00
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のタイプの第1の半導体層と、第2のタイプの第2の半導体層と、前記第1の半導体層及び前記第2の半導体層の間にあり、主面をもつ活性層と、を有する側面発光の、レーザー発振ではない、発光ダイオード(LED)であって、前記LEDがフリップチップ構造であるよう、前記第1の半導体層に接触する第1の電極及び前記第2の半導体層に接触する第2の電極を当該LEDの第1の側に有する、発光ダイオードLEDと、
- 前記LEDの第2の側にあり、前記活性層の前記主面と実質的に平行な反射器であって、当該反射器に当たる全ての光が、実質的に前記LEDへと戻るよう導かれ、前記LEDは、側面発光レンズを使用することなく、前記LEDの側面のみから実質的に光を発する、反射器と、
- 光が発される上面、及び反射性の底面をもち、側面発光の前記LEDが置かれる少なくとも一つの開口部をもち、これにより前記LEDの側面から発された光が、光学的に結合されるライトガイドと、
- カメラにより対象物の画像を撮影するために、当該対象物を照明する目的で前記LEDにパワーを供給するために、前記LEDの前記第1の電極及び前記第2の電極に電気的に接続されているドライバと、
を有し、前記LED及びコントローラが、カメラハウジング内に取り付けられており、前記第1の半導体層、前記第2の半導体層、前記活性層が透明成長基板の上に成長され、前記透明成長基板が、前記LEDの第1の側とは反対の前記LEDの第2の側から除去され、
前記反射器は反射性膜により形成され、前記反射性膜は、前記LEDと前記反射性膜との間に空気ギャップを形成することなく前記LEDの第2の側に形成され、前記反射性膜の領域は、前記LEDの第2の側の領域のみに限られる、対象物を照明するためのカメラの照明装置。
【請求項2】
前記カメラは静止画像カメラであり、前記ドライバは、前記対象物の静止画像を撮るためにフラッシュを出力するよう前記LEDを制御する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記カメラはビデオ・カメラであり、前記ドライバは、前記対象物のビデオ録画をするために光を連続的に出力するよう前記LEDを制御する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記活性層及び前記反射器の底面が、前記ライトガイドの上面と底面との間に位置しているか、又は両者と接して位置していることさえある、請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記ライトガイドは2mm未満の厚みをもつ、請求項1に記載の照明装置。
【請求項6】
前記LEDは2mm未満の厚みをもつ、請求項1に記載の照明装置。
【請求項7】
前記LEDが更に、前記反射器と前記第2の半導体層との間に蛍光層を有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項8】
前記蛍光層を含む前記LEDが白色光を発する、請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記LEDの発光側は、0.4mm未満の高さをもつ、請求項1に記載の照明装置。
【請求項10】
前記活性層が青色光を発する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項11】
前記ライトガイドの前記底面が、光を前記上面の方へと散乱させる、請求項1に記載の照明装置。
【請求項12】
前記ライトガイドの前記上面は、25mm2よりも大きな発光面積をもつ、請求項1に記載の照明装置。
【請求項13】
前記ライトガイドの前記上面は、50mm2よりも大きな発光面積をもつ、請求項1に記載の照明装置。
【請求項14】
前記照明装置が、フラッシュ・モジュールである、請求項1に記載の照明装置。
【請求項15】
前記反射器が、エアギャップなしで前記LEDの残余側に取り付けられている、請求項1に記載の照明装置。
【請求項16】
複数の側面発光LEDを、前記ライトガイドのそれぞれの開口部に更に有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項17】
前記カメラが携帯電話用カメラである、請求項1に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ用の半導体フラッシュ、又はビデオ・カメラ用の照明に関し、特に、小型カメラ用の非常に薄いフラッシュ及び照明に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラを組み込んだ携帯電話に付随しているフラッシュ・モジュールは、現在珍しくない。携帯電話の望ましい特徴がその小さなサイズであるので、斯様なフラッシュ・モジュールは薄くなければならない。多くのタイプの携帯電話のカメラがデジタル動画も撮影し、これは、ビデオが録画されている間は、照明装置が連続して点灯していることを必要とする。フラッシュ用及びビデオ照明用の照明装置は、簡潔のために、フラッシュと呼称されよう。ここで使用するカメラという用語は、静止画用カメラ及び/又はビデオレコーダを指す。
【0003】
信頼性を改善し、コストを減らし、及びサイズを減じるために、従来の半導体ではないフラッシュ用電球(バルブ)を、白色光を発する強力な発光ダイオード(LED)と置き換えることが知られている。
【0004】
バルブ(例えば、キセノン電球)は比較的大きく、対象物へ向かって光を導くために、湾曲したミラーを使用する。これは、極度の薄さが所望されるときに、反対に、比較的奥行きのあるバルブ・モジュールとなってしまう。斯様なモジュールは比較的高価でもあり、特別な、大きな高電圧発生器も必要とする。バルブで生成されたアークは、すべての光出力を実質的に点光源へと集中させる、強烈な光の点である。
【0005】
フラッシュとして使用されるLEDも、通常、鏡状のお椀に取り付けられる。LEDは、ランバート・パターンの光を出力し、湾曲したミラーは対象物の方へ光を導く。LED素子が非常に薄い場合であっても、当該素子は、通常サブマウントに取り付けられると共にパッケージに入れられる。当該パッケージは反射器とレンズとを含み、全体のパッケージは通常5mm程度の厚みをもつ。当該パッケージは印刷回路基板(PCB)に取り付けられ、この事は、より一層の厚みをモジュールに加える。LED素子は大体1mmx1mmであるので、LEDフラッシュは実質的に点光源である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
バルブ又はLEDによって発される強烈な光の点は、撮影されている対象物にとっては好ましくない。光が、点光源から隔てられた拡散レンズによって拡散された場合、全体の光モジュールの厚みは非常に増すことであろうし、点光源に対して必要とされる極端な拡散は、結果として拡散装置によって吸収されるか、又は光源の方向に反射して戻される沢山の点光源の光出力を本質的に生じることだろう。
【0007】
必要なものは、照明装置の光出力が比較的大きなエリアに広げられる、カメラ用の、特に携帯電話のカメラ用の極めて薄い照明装置である。
【0008】
さまざまな側面発光のLEDの設計例が、カメラ用の非常に薄いフラッシュを作成するために、本願明細書において説明されている。LED素子の上に置かれた小さな反射器は、比較的狭い角度の範囲内では、概してフラッシュ・モジュールの光出力面と平行に、光が効率的に発されるようにする。横方向の発光を引き起こすためのレンズは使用されない。LEDは薄型であり、フラッシュ・モジュール全体が1mm未満であることを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一つ以上の側面発光しているLEDが、上部の開口部以外は反射壁を備えた、薄いライトガイド内に置かれる。当該ライトガイドの底部は、光を上方へ反射する特徴をもつ。ライトガイドの上部の開口部から発される光は、光源が対象物に対して、0.5cm2乃至2cm2、又はより大きく等々、比較的大きな表面積へと広げられるよう、十分に拡散される。LED素子から発されたLED光が対象物によって直接見られることはないので、対象物により見られる強烈な点光源は存在しない。
【0010】
更なる拡散のために、薄い拡散層がライトガイド上に置かれてもよい。対象物のある方向の明るさを増すために、輝度強化層が使われてもよい。
【0011】
実施例では、フラッシュ・モジュールで使用されるLED素子は青色光を発し、赤、緑及び/又は黄の成分を有する光を発するために、発光の結果として生じる色の組合せは、どのような所望の色温度をも有する白色光にもなることが可能な、一つ以上のタイプの蛍光体がLEDの上に置かれる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例によるフラッシュ・モジュールで使用される、薄型で側面発光するLEDの横断面図を示す。
図2】本発明の実施例によるフラッシュ・モジュールの、LEDに沿って切断された横断面図を示す。
図3図2のモジュールの平面図を示す。
図4】本願明細書において説明されているフラッシュ・モジュールのいずれかを組み込んだ携帯電話用カメラを例示する。
図5】モジュールの厚みを減らすために、LEDがライトガイド内の空所にさかさまに取り付けられているフラッシュ・モジュールの横断面図を示す。
図6図5のモジュールの、部分的な透視平面図を示す。
図7図1のLEDが用いられている、ライトガイドの空所部のクローズアップを示す。
図8】反射フィルムを備えていないLEDが用いられている、ライトガイドの空所部のクローズアップを示す。
図9】LEDが反射器と接触している、ライトガイドの空所部のクローズアップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
さまざまな図において、同様又は同一である要素は、同じ番号のラベルがつけられている。
【0014】
本発明の実施例は、比較的大きな発光面を提供するために、薄いライトガイドの設計と連携して薄型の側面発光のLEDを有するフラッシュ・モジュールを含む。当該フラッシュは、等価な光出力を供するにもかかわらず、点光源のフラッシュよりも好ましく、このフラッシュ・モジュールは、従来技術によるフラッシュ・モジュールと比べて非常に薄い。
【0015】
図1は、薄く、側面発光するLED10をもつ一実施例の横断面図である。フラッシュ・モジュールの実施例において用いられている、薄く側面発光するLEDの他の実施例が、Oleg Shchekin等による、薄型の側面発光するLEDと名付けられ、現在の譲受人に割り当てられた、米国特許出願番号US11/423,419、出願日2006年6月9日に見いだされることができ、本願明細書でも組み込まれている。
【0016】
LED10の活性層は、一例として青色光を発生している。LED10は、サファイヤ、SiC、又はGaNなどの成長基板の上に形成される。概して、n-層12が成長され、活性層14が続き、更にp-層16が続いて成長される。p-層16は、下部にあるn-層14の一部を露出させるために、エッチングされる。(銀、アルミニウム、又は合金等の)反射する金属電極18が、次に、n-層及びp-層と接触するよう、LEDの表面に形成される。ダイオードが順方向にバイアスされるとき、活性層14は、その波長が(AlInGaN等の)活性層の構成によって決定される光を発する。斯様なLEDを形成する手順はよく知られており、更に詳細に説明される必要はない。LEDを形成する更なる詳細が、Steigerwald等による米国特許公報US6,828,596、及びBhat等による米国特許公報US6,876,008において説明されており、両者とも現在の譲受人に割り当てられ、本願明細書でも組み込まれている。
【0017】
半導体LEDは、次にフリップチップとしてサブマウント22上に取り付けられる。当該フリップチップは、サブマウント又は他の取付け構造へのダイレクトボンディングのために、同チップの「底部」面上に全ての電気端子を備えたチップである。サブマウント22は、半田ボール26を介して、LED上の金属18に半田付けされるか、又は超音波溶着される金属電極24を含む。他のタイプの固着法も、使われることができる。電極自体が一緒に超音波溶着されることができる場合、半田ボール26は省略されてもよい。
【0018】
サブマウント部の電極24は、サブマウントの底部にあるパッドに、バイアを介して電気的に接続され、サブマウント部は、印刷回路基板(PCB)28上の金属パッドに表面実装されることができる。回路基板28上の回路パターンは、パッドを電源に電気的に結合する。サブマウント22は、セラミック、シリコン、アルミニウム等など、どのような適切な材料でも形成されることができる。サブマウントの材料が導電性である場合、絶縁層が基板材料上に形成され、金属電極パターンが当該絶縁層上に形成される。サブマウント22は機械的支持部として作用し、LEDチップ上にある精密なn-電極及びp-電極と電源との間の電気的インタフェース、及びヒートシンク機能を供する。サブマウントは、よく知られている。
【0019】
LED10を非常に薄型にするために、及び光が成長基板によって吸収されるのを防ぐために、成長基板はCMP(化学的機械研磨)によって、又はレーザーが、基板をGaNから押しのける高圧ガスをつくるために、GaN及び成長基板のインタフェースを加熱する、レーザー・リフトオフ法などを使用して除去される。ある実施例では、成長基板の除去は、LEDのアレイがサブマウントのウェーハに取り付けられた後で、LED/サブマウントが(例えば、鋸で切ることによって)切り離される前に、実行される。
【0020】
成長基板が除去された後、平面状の蛍光層30が、活性層14から発された青色光を波長変換するために、LEDの上部に置かれる。蛍光層30はセラミックシートとして予備成形され、LED層に貼られてもよいし、又は、蛍光体粒子が、電気泳動法などによって、薄膜蒸着されてもよい。蛍光体セラミックシートは、透明又は半透明の結合材中にある、有機又は無機の焼結蛍光体粒子又は蛍光体粒子でもよい。蛍光層30によって発される光は、青色光と混合されると白色光又は別の所望の色をつくる。当該蛍光体は、黄色の光(Y+B=白色)を生成するYAG蛍光体でもよいし、又は、赤及び緑の蛍光体(R+G+B=白色)でもよい。
【0021】
YAG蛍光体(すなわち、Ce:YAG)については、白色光の色温度は、蛍光層30の厚さと同様、主に蛍光体のCeドーピングに依存する。
【0022】
反射フィルム32が、次に蛍光層30上に形成される。当該反射フィルム32は、鏡面又は散乱面であってもよい。鏡面反射器は、有機層又は無機層で形成された分布ブラッグ反射鏡(DBR)でもよい。鏡面反射器は、アルミニウム若しくは他の反射性のある金属の層、又はDBR及び金属の組合せでもよい。散乱型の反射器は、凸凹にされた表面上に蒸着された金属で、又は、適切な白い塗料などの散乱材料で形成されることができる。蛍光層30も、光の抽出効率を改善するために光を拡散するのを助ける。
【0023】
側面発光用のレンズが、LEDの上面によって発されたすべての光を環状の側面発光パターンへと変更するために時折用いられるにもかかわらず、斯様なレンズはしばしばLED自体の厚み部分であり、超薄型のフラッシュには適していない。
【0024】
LEDがサブマウント22に取り付けられる前後に、LED半導体層の処理が発生する可能性がある。
【0025】
実質的には、活性層14によって発された全ての光は、LEDの側面から直接発されるか、又は1回以上の内部反射の後に、側面から発されるかの何れかである。
【0026】
ある実施例では、サブマウント22は約380ミクロンの厚さをもち、半導体層は約5ミクロンの合わせた厚さをもち、蛍光層30は約200ミクロンの厚さをもち、及び反射フィルム32は約150ミクロンの厚さをもち、この結果、LEDとサブマウントとを加えたものは、1mm未満の厚さである。もちろん、LED10は、より厚く作られることができる。LEDの各々の側の長さは、通常1 mm未満である。
【0027】
LEDが超薄型である必要はない場合、側面発光の効率は、n-層12上に透明な導波層によって、蛍光層の上に反射粒子又は凹凸のある/プリズム面を組み込んだ散乱層によって、及び反射フィルム32によって下方へ反射された光が半導体層によって吸収されないように、蛍光物質層30の下に、ダイクロイックミラー、又はマジックミラーを加えることによって増す可能性がある。
【0028】
図2は、3個のLED10を組み込んだフラッシュ・モジュール34の横断面図であり、図3は、露出したLED10を備えたフラッシュ・モジュール34の平面図である。図3の平面図においてLED10は、拡散シートが用いられる場合、通常はきれいに一列にはならないであろう。
【0029】
複数のLED10が、薄いPCB28に取り付けられている。PCB28は、モジュール34の基部を供することができるか、又は、モジュール34に対する、反射箱などの、別個の支持構造部があってもよい。サブマウントの電極24(図1参照)は、PCB28上に従来からある金属トレース(回路パターン)に超音波で固着され、モジュール34の端にある接続パッド35で終端となる。ピン、半田パッド、プラグ等など、いかなるタイプのコネクタも使われることができ、当該コネクタは、いかなる場所にあってもよい。PCB28上にある回路パターンは、直列及び/又は並列など、何らかの適切な態様でLED10と相互接続する。電流源(図示せず)がパッド35に電気的に結合され、これはモジュール34の一部であってもよい。
【0030】
固体の透明なライトガイド36は、複数のLED10が挿入される複数の空所37をもつ。当該ライトガイド36は、プラスチック(例えば、PMMA)でもよい。LED10の側面発光部が厚さ約0.25mm乃至0.5mmであり得るので、ライトガイド36の厚みは約0.3mm乃至0.5mmであろう。ライトガイド36の底部に射出成形されているものは、光を上方へと反射する、プリズムのような、小さなギザ部38である。当該ギザ部は、ライトガイド36の上面から発される光の均一性を最大にするために、周期的に配置又は分散されることができる。ギザ部は、代替的に、粗い底面を形成するために、エッチング、又はサンドブラストによって形成されてもよい。
【0031】
ライトガイド36は、反射壁40及び反射底面42をもつ。ライトガイド36の表面上に反射フィルムが反射器として用いられることができる。又は、当該反射器は、ライトガイド36がその中に置かれている、箱を形成する別個の部品でもよい。当該反射フィルムは、3M社から入手可能な強力散乱反射(ESR)フィルムでもよい。LED10によって生成された側面光はライトガイド36内で反射され、ライトガイド36の上面全体に実質的に均一な輝度パターンをつくるために、ギザ部38によって外部へ漏洩される。
【0032】
ライトガイド36の上部には、オプションで拡散シート44が配置され、これはLED10上の小さな暗いスポットを光で満たすのを助け、及びギザ部38上の何らかの輝いているスポットを拡散するのを助ける。拡散シート44は、厚さ約0.1mmでよい。
【0033】
輝度強化フィルム(BEF)46及び同48が、表面に対して概して垂直の光を導くために、拡散シート44上に置かれている。BEFは、光を選択された角度に導くことが知られている。BEFの一つのタイプは、光を対象物の方へ屈折させるプリズム面の特徴をもつ。BEF 46は水平方向の光放出角を限定することができ、他方、BEF48は垂直方向の光放出角を限定することができる。BEF46及びBEF48の各々は、厚さ約0.062mmである。
【0034】
ある実施例では、モジュール34の全厚は、0.62mmである。通常の全厚は、0.3mmと2mmとの間で変動してもよい。フラッシュ・モジュール34の発光面積は、実質的に、0.5cm2乃至2cm2、又はこれよりも大きな、どのような実際的なサイズでもあってもよい。
【0035】
別の実施例では、ライトガイドは楔型に成形され、光は、角度をもった底面に起因して、本質的に上方へと反射される。これ故、光を導くための、光を散乱させる凹みは必要としない。
【0036】
図4は携帯電話用カメラ50の簡略図であり、これはビデオ又は静止画像を撮ることができる。カメラ50は、静止画像又はビデオをとるかどうかに関係なく、(デジタル又は銀塩の)どのようなタイプのカメラをも表している。携帯電話用カメラ50は、従来からあるキーパッド52、ディスプレー54、及びカメラレンズ55をもつ。カメラ50のすべての態様は、フラッシュ・モジュール34を除いて従前通りである。当該フラッシュ・モジュール34は、輝度を点光源よりも遥かに大きなエリアに広げるために、好ましくは少なくとも5mmの幅がある。ある実施例において、フラッシュ・モジュール34の光放射面は、5mm x 10mmよりも大きい。別の実施例では、1個のLEDのみが用いられ、フラッシュ・モジュール34は5mm x 5mmである。フラッシュ・モジュール34の厚みは、その発光面積によって変化することはない。
【0037】
図5は、フラッシュ・モジュール60の別の実施例の断面であり、図6は、図5のモジュール60の平面方向に見た、LED素子の場所を示している、透視図である。
【0038】
ポリマー又はガラスなどで形成された、固体で透明なライトガイド62は、内部に形成された空所64をもち、当該空所は、(図1のLED10と同様)側面発光のLED66と類似の寸法をもつ。複数のLEDが、光出力を増すために、追加された空所に挿入されてもよい。側面発光のLED66は、当該LED素子の周囲360度に、低い角度で大部分の光を発する。したがって、LED66からの大部分の光が、ライトガイド62に直接伝搬される。反射器(図示せず)が、側壁から逃げる光を防止するために、ライトガイド62の側壁の周囲に置かれてもよい。
【0039】
底部にある反射器68は、ライトガイド62の光を上方へと反射する。底部にある反射器6が、LED66の下へ延在し、LED66の表面に取り付けられた別個の反射器はオプションである。ライトガイド62は、光がライトガイド62の上面から外に漏れるのを可能にするために、小面、粗面、又は他の変形面をもつことができる。当該ライトガイド62は、楔形状であってさえもよい。光をライトガイドから均一に出射させるための、多くの技術が知られている。
【0040】
半透明フィルムでもよい拡散シート70は、表面全体の光の均一性を増すために、ライトガイド62からの光を拡散する。少なくとも1枚の輝度強化フィルム(BEF)72が、狭い角度の範囲内で輝度を増すために、光をより狭い角度へと導く。
【0041】
LED66は、サブマウント74に取り付けられている。当該サブマウント74は、セラミック、シリコン、断熱金属板、又は他の適切な材料で形成されることができる。LED66上にある金属パッドは、サブマウント74上の対応するパッドに固着される(半田ボール76が示されている)。LED66は、厚みを最小化するために、好ましくはフリップチップである。
【0042】
サブマウント74は、静止画像を撮るためのフラッシュ用の電流パルス、又はビデオをとるための直流、の何れかをLED66に供する、LEDドライバ80と接続する端子78をもつ。カメラ内の従来からある制御回路81が、動作がフラッシュか、又は連続照明であるかどうかを決定する。フラッシュ用に、LEDドライバ80は、コンデンサを充電し、次にコンデンサのエネルギを強力なパルスとしてLEDに放出する、昇圧レギュレータを有する。好ましくは、フラッシュ・モジュールの光出力は、少なくとも10lux.sec乃至15lux.secであり、100lux以上の光が約0.1秒の間、モジュールによって発される。1枚の画像に対して、カメラのシャッタが開いている間の総光エネルギ量が、当該フラッシュに関する性能指数である。LEDに1アンペアを供給することができるフラッシュ用LEDドライバは、Micrel社などにより市販されている。
【0043】
高出力LEDは、良好なビデオ品質を得るために対象物を照明するには、0.5アンペア以上を必要とするので、ビデオ用の連続光出力は非常に強力な電源を必要とする。
【0044】
ドライバ80とLED66との間の電気的インタフェースとして動作するサブマウント74に加えて、当該サブマウント74は、LED66から熱を取り除くヒートシンクとしても作用する。サブマウント74の表面は、ライトガイド62の方へLED光を戻して反射するために反射性であってもよい。
【0045】
サブマウント74とLEDドライバ80との間の電気的接続は、例えば、Gould Electronics社によって製造されている JTC Flex(登録商標)、所謂フレキによる相互接続によって、容易に実現されることができる。サブマウントがフレキを取り付けるにはあまりにも小さい場合、サブマウントの側に固定された、ワイヤボンディングがフレキへの電気接続を成すために用いられてもよいし、又は、サブマウントがフレキの空孔に置かれる(接着される)か、若しくはLED66が薄いフレキの上部に直接取り付けられてもよい。フレキなどの電気コネクタは、LED素子から熱を取り除くためのヒートシンクとして追加で役立つ可能性がある。
【0046】
金属サポート部82が、サブマウント74を適所に固定し、追加のヒートシンクとして作用するために、ライトガイド62及びサブマウント74の両方に接続される。当該サブマウント74は、接着剤で適所に固定されてもよいし、又は熱伝導テープなど、他の適切な手段によって固定されてもよい。別の実施例では、サブマウント74は、いかなるサポート部材も必要とせずに、ライトガイド62に直接固定されている。
【0047】
金属サポート部82は、リードフレームでもよく、当該金属サポート部は、機械的なサポート及びヒートシンク機能を供することと同様、各々が陽極電圧及び陰極電圧をLED素子に供する電気接続部である、少なくとも二つの部分に分割される。バイアを有するサブマウントが、サブマウント電極のリードフレームへのダイレクトボンディングのために用いられるか、又は、サブマウントはワイヤボンディングを用いてリードフレームに接続されるかの何れかである。
【0048】
LED66及びサブマウント74が、機械的なサポート、ヒートシンク機能、及び電気的なインタフェースのための、何らかの印刷回路基板(PCB)を必要としないので、モジュール60は、図2のモジュール34よりも遥かに薄くなる可能性がある。
【0049】
サブマウントを有する複数のLEDが、追加の光パワーをライトガイド62へと結合するために、当該ライトガイド62の一つ以上の側面に沿って、ライトガイド62の複数の角に、ライトガイド62の中心線に、又は他の何らかの構成にて使用されることができる。LEDは、赤色、緑色、及び/又は黄色の成分に寄与するために、青色LED素子と蛍光体とを用いて白色光を発する。
【0050】
様々な層の厚さは、図2に関して説明した数値と同じであり、結果として生じるモジュール全体の厚みは、2mm未満である。モジュール60が、モジュール34の代わりに図4のカメラ50に用いられることができる。モジュールの表面寸法は、モジュール34に対して説明されたのと同じ数値でもよい。ドライバ80は、いずれのモジュールでも用いられることができる。
【0051】
図7乃至図9は、ライトガイド84の空所内にあるLEDのクローズアップである。ライトガイド84は、(図2の)ライトガイド36、又は(図5の)ライトガイド62と同一であってもよい。図7乃至図9では、LEDがライトガイド84の光の放射面から水平方向に距離を置かれているので、光はライトガイド84によって、より均一に発される。
【0052】
図7では、LED10の表面上に形成された反射フィルム32をもつ、図1のLED10が用いられている。LED素子は、サブマウント22に取り付けられている。反射面88、同92、及び同93は、ライトガイド84の上面から以外は、光が逃げるのを防止する。層96は、図2及び図5に示されたのと同じ拡散層及びBEFでもよい。光出力を増すために、ライトガイド84の全体にわたって分布させた、複数の側面発光のLEDがあってもよい。結果として生じるフラッシュ・モジュールは、(図4の)カメラ50で使われた図2のモジュール34と、同じ厚み及び表面寸法をもってもよい。
【0053】
図8は、LED98が、自身の上に形成される反射フィルムをもたないことを除いては、図7と同様である。反射器92は、ライトガイド84への横方向のみの発光を作り出す目的と、撮影された対象物が点光源を見るのを防止する目的とに役立つ。
【0054】
図9は、LED98がより薄いフラッシュ・モジュールを作るために、反射器92に接触することを除いては、図8と同様である。
【0055】
様々な実施例の特徴が、比較的大きな発光面積を有する非常に薄いカメラ用照明装置を作るために、所望通りに組み合わせられることができる。
【0056】
詳細に本発明を説明したので、当業者は、本開示を与えられ、本願明細書において説明された本発明の意図と概念とから逸脱することなく、本発明に対する変更が成され得ると理解することであろう。これ故、本発明の範囲が、例示され説明された具体的な実施例に限定されるとは意図されていない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9