(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判断部は、前記携帯用ナビゲーション装置がナビゲーションモード以外の動作モードである場合であって、前記経路情報格納部に経路情報が格納されている場合に、前記現在地が、前記経路情報が示す経路に対して予め指定された条件を満たすか否かを判断する請求項1記載の携帯用ナビゲーション装置。
地図に関する情報であって、地図が示す道路に関する情報である道路情報を有する地図情報が格納される地図情報格納部と、受付部と、経路探索部と、表示部と、前記経路探索部が取得した経路情報が格納される経路情報格納部と、蓄積部と、現在地情報取得部と、判断部と、出力部とを用いて行われる携帯用ナビゲーション方法であって、
前記受付部が、出発地を示す情報である出発地情報と、目的地を示す情報である目的地情報を受け付ける受付ステップと、
前記経路探索部が、前記道路情報と出発地情報と目的地情報とを用いて、前記出発地から目的地までの経路を探索して、探索した経路の情報である経路情報を取得する経路探索ステップと、
前記表示部が、前記地図情報が示す地図を含むナビゲーション画面を表示する表示ステップと、
前記蓄積部が、前記経路探索ステップで取得した経路情報を前記経路情報格納部に蓄積する蓄積ステップと、
前記現在地情報取得部が、現在地を示す情報である現在地情報を取得する現在地情報取得ステップと、
前記判断部が、前記現在地情報が示す現在地が、前記経路情報が示す経路に対して予め指定された条件である、当該経路を逸脱したという条件、または目的地情報が示す地点であるという条件を満たすか否かを判断する判断ステップと、
前記出力部が、前記判断ステップによる判断結果に応じた出力を行う出力ステップとを備え、
ナビゲーション画面を表示する動作モードであるナビゲーションモードと、ナビゲーション画面を表示せずに他の画面を表示する一以上の動作モードとを有し、
前記判断ステップは、ナビゲーション画面を表示する動作モードであるナビゲーションモード以外の、ナビゲーション画面せずに他の画面を表示する一以上の動作モードにおいて、現在地が、前記経路情報が示す経路に対して予め指定された条件を満たすか否かを判断する携帯用ナビゲーション方法。
地図に関する情報であって、地図が示す道路に関する情報である道路情報を有する地図情報が格納される地図情報格納部と、経路情報が格納される経路情報格納部と、にアクセス可能なコンピュータを、
出発地を示す情報である出発地情報と、目的地を示す情報である目的地情報を受け付ける受付部と、
前記道路情報と出発地情報と目的地情報とを用いて、前記出発地から目的地までの経路を探索して、探索した経路の情報である経路情報を取得する経路探索部と、
前記地図情報が示す地図を含むナビゲーション画面を表示する表示部と、
前記経路探索部が取得した経路情報を前記経路情報格納部に蓄積する蓄積部と、
現在地を示す情報である現在地情報を取得する現在地情報取得部と、
前記現在地情報が示す現在地が、前記経路情報が示す経路に対して予め指定された条件である、当該経路を逸脱したという条件、または目的地情報が示す地点であるという条件を満たすか否かを判断する判断部と、
前記判断部の判断結果に応じた出力を行う出力部として機能させるためのプログラムであって、
前記判断部は、ナビゲーション画面を表示する動作モードであるナビゲーションモード以外の、ナビゲーション画面を表示せずに他の画面を表示する一以上の動作モードにおいて、現在地が、前記経路情報が示す経路に対して予め指定された条件を満たすか否かを判断するプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、携帯用ナビゲーション装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0023】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における携帯用ナビゲーション装置1のブロック図である。
【0024】
携帯用ナビゲーション装置1は、地図情報格納部101、受付部102、経路探索部103、表示部104、経路情報格納部105、蓄積部106、現在地情報取得部107、判断部108、出力部109、出力中止指示受付部110、削除部111を備える。
【0025】
携帯用ナビゲーション装置1は、ユーザが携帯可能なナビゲーション装置である。自転車に着脱可能なナビゲーション装置も携帯用ナビゲーション装置と考えても良い。ナビゲーション装置とは、例えば、現在地や目的地の地図等を出力したり、現在地から目的地までの経路を出力したりする装置である。携帯用ナビゲーション装置1は、ナビゲーション専用の装置であっても良いし、ナビゲーション機能を実現する携帯電話やスマートフォンやカメラ等の携帯端末であっても良い。携帯用ナビゲーション装置1は、ナビゲーション機能以外の、一以上の機能を有していてもよい。ナビゲーション機能とは、例えば、ナビゲーション用の地図を表示する機能や、経路探索を行う機能等である。ナビゲーション機能以外の一以上の機能とは、例えば、電話による通話を行う機能や、メールを行う機能や、写真の撮影や閲覧を行う機能や、ウェブページを閲覧する機能である。ナビゲーション機能やその他の機能を実現する手段は、例えば、携帯用ナビゲーション装置1上で動作する個別のアプリケーション等として提供されていても良い。
【0026】
本実施の形態においては、特に、携帯用ナビゲーション装置1が、後述する表示部104とナビゲーション画面を表示する動作モードであるナビゲーションモードと、その他の一以上の動作モードを有するものであるものとする。動作モードとは、例えば、動作状態と考えても良い。あるいは、特定のジョブを行っている状態や、特定のアプリケーションやタスクやプログラムがアクティブとなっている状態を、一の動作モードと考えても良い。ここでのアクティブとは、マルチタスク等におけるアクティブを意味し、例えば、ユーザによる入力や操作の対象となっていること等を意味する。例えば、ナビゲーションモードは、ナビゲーション画面を表示して、ナビゲーションの機能を実現するプログラムがアクティブな状態と考えても良い。なお、アクティブな動作モードを、フォアグラウンドで行われている動作モードと考えても良い。その他の動作モードとは、例えば、電話として通話を行う電話モードや、メールの送受信を実行するメールモードや、WEBページを閲覧するWEB閲覧モード等である。その他の動作モードとは、例えば、ナビゲーション画面を非表示として、他の画面を表示する動作モードと考えても良い。携帯用ナビゲーション装置1は、携帯できる小型のものであるため、モニタの表示領域が小さいものが多い。このため、通常、モニタに、一の動作モードの画面だけが表示されるものが多い。つまり、動作モードを切り替えると、多くの場合、切り替えられた一の動作モードの画面だけが表示される。本実施の形態の携帯用ナビゲーション装置1も、このような一の動作モードの画面だけが表示部104に表示される携帯用ナビゲーション装置としてもよい。なお、ナビゲーション画面の表示中に、バッテリーの消費を抑えるために、画面表示を中止すること等も、ここでは、ナビゲーションモード以外の動作モードと考えてよい。
【0027】
地図情報格納部101には、地図情報が格納される。地図情報は、地図に関する情報である。地図情報は、道路情報を有している。道路情報は、地図が示す道路に関する情報である。地図情報は、通常、地図の画像である地図図柄情報を更に有している。地図図柄情報は、例えば、地図を構成するビットマップデータ(ラスタデータ)またはベクタデータ、またはこれらの組合せなどである。地図図柄情報のファイル形式は、GIF形式やJPEG形式や、PNG形式等問わない。地図情報は、ISOのkiwi地図データフォーマットであっても良い。地図情報は、地図上に表記されている地名や、建物や名勝や場所の名称などの文字列を有していても良い。
【0028】
地図情報は、例えば、その地図情報が表示する地域の経度や緯度を有する座標情報等の、絶対的な位置を示す位置情報や、各地図情報間においてそれぞれの地図が示す領域間の位置関係が分かるような相対的な位置を示す位置情報を有している、もしくは対応付けられている。例えば、地図情報の表示する地図の範囲や中心点を、緯度と経度との範囲で定義する情報を有していてもよい。このような位置情報を用いることで、地図上の座標と、実空間における座標(例えば、緯度及び経度)とを適宜変換することが可能となる。また、地図情報は、当該地図情報により示される地図内の住所等の位置を指定可能な位置情報を有していても良い。また、地図情報は、縮尺ごとに地図図柄情報を有していてもよいし、縮尺ごとに地図情報が用意されていても良い。通常、地図情報は地図の縮尺と対応付けて管理されている。具体的には、地図情報は、当該地図情報により出力される地図の縮尺の値の情報を有していても良いし、地図情報が地図の縮尺と対応付けて101に格納されていてもよい。ここでの地図の縮尺とは、地図の縮尺の値を示す情報と考えても良い。
【0029】
道路情報は、道路に関する情報である。道路情報は、例えば、ノードデータと、リンクデータとを含んでいる。ノードは、交差点や分岐点等の、道路同士が接続される地点を示すものである。ノードデータは、ノードに関する情報である。ノードデータは、道路網の接続関係を示すデータと考えても良い。行き止まり等の道路網の端点、即ち他の道路と接続されていない道路の端点もノードと考えてもよい。また、ノードは、道路同士が接続される地点以外の道路上の任意の箇所にも設けられていてもよい。ノードデータは、例えば、ノードを識別する識別情報と、ノードの地図上の座標、あるいは、実空間の座標を有する。また、ノードデータは、ノードに接続されるリンクを示す情報等を有していても良い。リンクは、ノードを結ぶ道路を示すものである。リンクは、例えば、ノード間の道路と考えても良いし、ノードを結ぶ線等と考えても良い。リンクデータは、リンクに関するデータである。リンクデータは、例えば、リンクを識別する情報であるリンク識別情報や、リンクが接続されるノード(例えば、両端のノード)を示す情報(例えばノード識別情報)を有している。また、リンクデータは、リンクの端部の地図上の座標あるいは実空間の座標を有していても良い。また、各リンクデータには、リンクデータが示すリンクを含む道路の名称や道路番号等の道路の識別情報(例えば、京浜バイパスや、烏丸通りや、国道1号線等)を有していても良い。例えば、一の道路が複数のリンクで構成されているとすると、各リンクのリングデータには、同じ道路の識別情報が付与される。なお、リンクは、必ずしも隣り合わせのノードで区切られた道路でなくても良く、一の道路上の、隣り合わせでない一組のノードで区切られた道路を示すものであっても良い。
【0030】
リンクデータは、また、複数の道路特性パラメータについてのコスト、および、道路属性としての道路種別等を有していても良い。道路特性パラメータとしては、距離、通行時間、有料・無料の区別、通りやすさ、道路幅などがあり、それぞれの道路特性パラメータについてコスト(距離のコスト、通行時間のコスト等)が定められている。コストは、例えば、経路を探索する場合等において、選択する道路を評価する際等に利用する評価値である。コストは、例えば、経路選択のための優先度を示す値と考えても良い。また、コストはスコアと考えても良い。ダイクストラ法等の経路探索は、例えば、各リンクに対応するコストを利用して行われる。また、道路種別は、高速道路、それ以外の有料道路、国道、県道などの種別を意味する。
【0031】
なお、道路情報は、上記のノードデータやリンクデータに加えて、道路の道筋を示すデータを有していてもよい。道路あるいはリンクの道筋を示すデータは、例えば、道路の道筋に沿った直線や曲線の線状、あるいは帯状の情報(例えば、スプライン曲線や、ベジェ曲線の情報)や、道路に沿って配置された複数の座標の集合や、道路に沿って設けられた一以上のベクトルの情報等であっても良い。道路の道筋を示すデータは、リンクデータ毎に設けられていても良い。
【0032】
また、経路探索が、リンクやノードを利用せずに行われる場合においては、道路情報は、上記のノードデータやリンクデータの代わりに、経路探索に必要な道路の情報を有していても良い。
【0033】
なお、ここでの格納は一時記憶も含む概念である。地図情報格納部101は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0034】
受付部102は、出発地を示す情報である出発地情報と、目的地を示す情報である目的地情報を受け付ける。受付部102は、目的地情報を含む指示であり、出発地から目的地までの経路を出力する指示である経路出力指示を受け付けても良い。経路出力指示は、経路探索のための様々な条件を指定する情報を有していてもよい。経路出力指示は、出発地情報と目的地情報を有することは好適である。出発地情報とは、例えば、(緯度,経度)の位置情報、地名などである。出発地情報は、経路探索のスタート地点を示す情報であれば良い。また、出発地情報として、後述する現在地情報取得部107が経路探索の開始時等に出力する現在位置を示す情報を用いても良い。目的地情報とは、例えば、(緯度,経度)の位置情報、地名など、目的地を示す情報であれば良い。目的地情報は、経路探索の終了地点を示す情報であればよい。なお、経路探索の出発地を始点、目的地を終点と考えても良い。ここでの受け付けは、ナビゲーション装置のタッチパネルやキーボードやマウス等の入力デバイスを利用したユーザ入力の受け付け、音声入力による受け付け、外部装置からの受信、記録媒体からの読み出しなどである。現在地情報の入力手段は、キーボードやマウスやテンキーやメニュー画面によるもの等、何でも良い。受付部102は、キーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る
【0035】
経路探索部103は、道路情報と出発地情報と目的地情報とを用いて、出発地から目的地までの経路を探索して、探索した経路の情報である経路情報を取得する。例えば、経路探索部103は、地図情報格納部101に格納されている道路情報に含まれるノードデータとリンクデータとを用いて、出発地情報が示す出発地から、目的地情報が示す目的地までの経路探索を行う。例えば、経路探索部103は、各経路に対応付けられているコスト等の評価値を用いて最適な経路を探索する。例えば、累積したコストが最小となる(あるは最大となる)の経路を探索する。最適な経路とは、例えば、所要時間が短い経路や、距離が最短の経路等であり、どのような評価値を利用するかによって、得られる経路の種類が決定される。経路探索部103が利用する経路探索方法やアルゴリズムは、例えば、上述したようなダイクストラ法や、A*アルゴリズムや、その他の様々な経路探索方法や、経路探索アルゴリズム等が利用可能である。経路探索のアルゴリズム等として、コストが小さくなる経路を探索するものを用いる場合には、経路探索部103は、コストが小さい経路を探索される。そして、探索された経路を示す経路情報を取得する。
【0036】
経路情報は、経路を特定可能な情報であればよい。例えば、経路情報は、経路で通過する一以上の道路や交差点や分岐点を示す情報を、それらの通過順番と対応付けて示した情報である。経路情報は、例えば、経路探索により探索された各経路における、出発地から目的地にたどり着くまでに通過するノードおよびリンクを示す情報(例えば、ノード識別情報やリンク識別情報等)で構成される。また、経路情報は、出発地情報および目的地情報、あるいはこれらの識別情報を更に有していても良い。経路情報は、例えば、出発地情報と、出発地から目的地にたどり着くまでに通過する道路情報(ノードデータやリンクデータ)と、目的地情報とを、通過順番と対応付けて有する情報、もしくはこれらの識別情報を、通過順番と対応付けて有する情報である。通過順番と対応付けて有する情報とは、通過順番を示す番号等の情報を対応付けた情報であっても良いし、通過順番に従って、予め指定されたルール等に従って配列したり蓄積したものであっても良い。例えば、ノード及びリンクの識別情報が、通過順番を示す番号の情報と対応付けて蓄積された情報であっても良いし、ノード及びリンクの識別情報が通過順番が示す順番に配列されて蓄積された情報であっても良い。
【0037】
経路探索部103は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。経路探索部103の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0038】
表示部104は、ナビゲーション画面を表示する。ナビゲーション画面とは、地図情報が示す地図を含む画面である。ナビゲーション画面は、地図上に経路情報が示す経路を示した画面であってもよい。経路を示すとは、例えば、経路を他の部分に対して識別可能な表示態様で表示することである。例えば、地図情報が示す地図の、経路情報が示す経路に沿った道路上に、予め指定された色やパターンの線や帯を表示することであっても良いし、この道路を、他の道路と異なる色で着色して表示することであっても良い。また、ナビゲーション画面は、その他のナビゲーションに必要な操作メニュー等を有する画面であっても良い。また、ナビゲーション画面は、ユーザの現在地の情報を、後述する現在地情報取得部107から取得して、地図上にユーザの位置を示した画面であっても良い。表示部104は、地図情報や、経路情報を用いてナビゲーション画面の画像を生成し表示する。
【0039】
表示部104は、ディスプレイデバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。表示部104は、ディスプレイデバイスのドライバーソフトまたは、ディスプレイデバイスのドライバーソフトとディスプレイデバイス等で実現され得る。
【0040】
経路情報格納部105には、経路探索部103が取得した経路情報が格納される。経路情報格納部105は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0041】
蓄積部106は、経路探索部103が取得した経路情報を経路情報格納部105に蓄積する。蓄積部106は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。蓄積部106の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0042】
現在地情報取得部107は、現在地を示す情報である現在地情報を取得する。ここでの現在地は、携帯用ナビゲーション装置1の現在地である。現在地情報は、例えば、現在地の緯度及び経度の情報である。例えば、現在地情報取得部107は、GPS受信機と同様の処理を行うことで、現在位置の情報を取得する。また、無線LANや携帯電話の位置検出を行う処理等と同様の処理により現在位置の情報を取得しても良い。また、その他の処理によって、現在位置の情報を取得しても良い。現在地情報取得部107は、例えば、受付部102や判断部108が出力する現在位置の情報の取得を要求する情報に応じて、現在の位置情報を取得する。また、予め指定された一定または不定のタイミングで位置情報を取得しても良い。現在地情報取得部107は、例えばGPS受信機で実現可能である。また、無線LANや携帯電話の位置検出を行う処理部と同様の構成等により実現可能である。
【0043】
判断部108は、現在地情報取得部107が取得した現在地情報が示す現在地が、経路情報格納部105に格納されている経路情報が示す経路に対して予め指定された条件を満たすか否かを判断する。判断部108がこの判断処理を行うタイミングやトリガー等は問わない。また、判断部108は、この判断処理を繰り返し行っても良い。判断部108は、例えば、予め指定された一定または不定のタイミングで、この判断処理を繰り返し行っても良い。例えば、判断部108は、経路探索部103により経路探索が行われた時点で自動的にこの判断処理を開始して、その後、一定または不定のタイミングでこの処理を繰り返し行うようにしてもよい。また、ユーザが経路探索後に、この処理を実行する指示を与えた場合に、この処理を開始するようにしても良い。
【0044】
予め指定された条件とは、例えば、「現在地情報が示す現在地が、経路情報が示す経路を逸脱した」という条件である。このような条件を用いて、判断部108は、例えば、現在地が経路情報の示す経路から逸脱したか否かを判断する。判断部108は、例えば、現在地情報が示す現在地の座標と、経路情報が示す道路(例えばリンク)との距離が、予め指定された距離以上となったか否かを判断する。そして、予め指定された距離以上となった場合に、経路を逸脱したことを検出する。また、例えば、現在の座標が、経路情報が示す経路に含まれる道路(例えばリンク)以外の道路上の領域であるか否かを検出する。そして、経路情報に含まれる道路以外の道路上の領域であると判断された場合に、経路を逸脱したことを検出する。そして、判断部108は、「現在地が経路情報の示す経路を逸脱した」という条件を満たすと判断する。なお、現在地が、経路情報が示す経路から逸脱したことを検出する処理等については、どのような処理を用いてもよい。経路情報が示す経路から逸脱したことを検出する処理は、カーナビゲーション等の技術として公知であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0045】
なお、この条件の代わりに、予め指定された条件として、「現在地情報が示す現在地が、経路情報が示す経路を逸脱していない」という条件を用いることも、ここでは、実質的に上記の条件を用いる場合と同じ処理であると考える。この場合、現在地が経路を逸脱したことを検出した場合に、判断部108は、予め指定された条件を満たさないと判断すればよい。
【0046】
また、予め指定された条件とは、例えば、「現在地情報が示す現在地が目的地情報の示す地点である」という条件という条件である。このような条件を用いて、判断部108は、現在地が目的地情報の示す地点であるか否かを判断する。例えば、判断部108は、現在地情報が示す現在地が、目的地情報の示す地点であるか否かを判断する。現在地が目的地情報の示す地点であるか否かは、どのように判断してもよく、例えば、現在地の座標と、目的地情報が示す地点との距離が予め指定された距離以下となった場合に地点であると判断しても良い。あるいは、現在地が、目的地情報が示す地点を含む予め指定された形状およびサイズを有する領域内の座標となった場合に、地点であると判断しても良い。そして、現在地が目的地情報の示す地点であると判断された場合に、「現在地情報が示す現在地が、目的地情報の示す地点である」という条件を満たすと判断する。なお、現在地が、目的地情報の示す地点であることを判断する処理等については、カーナビゲーション等の技術として公知であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0047】
なお、この条件の代わりに、予め指定された条件として、「現在地情報が示す現在地が目的地情報の示す地点でない」という条件を用いることも、ここでは、実質的に上記の条件を用いる場合と同じ処理であると考える。この場合、現在地が、目的地情報の示す地点であると判断された場合に、判断部108は、この条件を満たさないと判断すればよい。
【0048】
本実施の形態においては、特に、判断部108は、ナビゲーションモード以外の動作モードにおいて、現在地が、経路情報が示す経路に対して予め指定された条件を満たすか否かの判断を行う。例えば、判断部108は、ナビゲーション画面がアクティブでない状態において、いわゆるバックグラウンドで経路情報についての判断を行うようにしてもよい。
【0049】
例えば、判断部108は、ナビゲーションモードにおいて、一旦、経路情報が示す経路に対して予め指定された条件を満たすか否かの判断処理を開始した後に、現在の動作モードが、ナビゲーションモード以外の動作モードに変更された場合に、上記の判断処理を終了せずに、バックグラウンド等で継続して行うようにしてもよい。あるいは、表示はナビゲーションモード以外のアクティブな動作モードの表示としたままで、時分割で、他のモードの処理と、上記の判断処理とを切り替えて行うようにしても良い。
【0050】
なお、判断部108は、例えば、このような経路についての判断を行うか否かを決定するために、動作モードがナビゲーションモード以外であるか否かの判断を行うようにしてもよい。この場合、例えば、このナビゲーションモードであるか否かの判断は、少なくとも、予め指定された条件を満たすか否かの判断を行う前に、行われているようにすればよく、そのタイミングは、トリガー等は問わない。例えば、判断部108は、動作モードの変更を監視して、現在の動作モードが、ナビゲーションモード以外の動作モードに変更された場合に、変更後の動作モードを検出しても良い。そして、次の変更までは、この動作モードが現在の動作モードであると判断するようにしてもよい。また、判断部108は、どのように、ナビゲーションモード以外の動作モードであることを検出しても良い。例えば、ナビゲーションモードであるか否かは、例えば、ジョブやプログラムやタスクやアプリケーションの実行を管理する情報を用いて判断可能である。また、表示部104が、現在、ナビゲーション画像を表示しているか否かによって、判断してもよい。
【0051】
さらに、本実施の形態においては、判断部108は、携帯用ナビゲーション装置1がナビゲーションモード以外の動作モードである場合であって、経路情報格納部105に経路情報が格納されている場合に、判断部108は、現在地が経路情報の示す経路に対して予め指定された条件を満たすか否かを判断するようにしても良い。例えば、判断部108は、ナビゲーション画面がアクティブでない状態において、経路情報が格納されている場合に、いわゆるバックグラウンドで経路情報についての判断を行うようにしてもよい。また、例えば、経路情報が格納されていない場合には、予め指定された条件を満たすか否かの判断を行わないようにしてよい。
【0052】
なお、判断部108は、例えば、このような経路についての判断を行うか否かを決定するために、動作モードがナビゲーションモード以外であるか否かの判断を行ってもよい。また、経路情報格納部105に経路情報が格納されているか否かの判断を行っても良い。この二つの判断を行う場合、判断を行う順番は問わない。動作モードがナビゲーションモード以外であるか否かの判断は上記と同様である。経路情報が格納されているか否かの判断については、例えば、少なくとも予め指定された条件を満たすか否かの判断を行うまでに行われていれば良く、その判断を行うタイミングやトリガー等は問わない。例えば、予め指定された条件を満たすか否かの判断を行う直前に経路情報が格納されているか否かの判断を行うようにしてもよい。
【0053】
判断部108は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。判断部108の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0054】
出力部109は、判断部108の判断結果に応じた出力を行う。例えば、出力部109は、判断部108が経路から逸脱したと判断した場合に、経路から逸脱したことを示す情報を出力する。また、出力部109は、判断部108が目的地であると判断した場合に、目的地に到着したことを示す情報を出力する。なお、判断部108が行う判断は、経路情報に応じた判断であるため、出力部109が判断部108の判断結果に応じて行う出力を、ここでは、一例として、経路サポート通知と呼ぶ。経路サポート通知を行うための処理は、例えば、判断部108の判断処理や出力部109の出力処理等である。
【0055】
出力部109は、例えば、判断部108の判断結果に応じて、振動を出力するようにしてもよい。振動を出力するとは、例えば、携帯用ナビゲーション装置1を振動させることである。例えば、判断部108が経路から逸脱したと判断した場合や目的地に到着したと判断した場合に、出力部109は、携帯用ナビゲーション装置1を振動させる。経路から逸脱した場合と、目的地に到着した場合とで、振動を発生させるパターン等(例えば振動が繰り返される間隔や、繰り返される回数、繰り返される時間等)を異なるものとしても良いし、同じものとしても良い。携帯用の装置を振動させるための構成等は、携帯電話等のバイブレーション機能の構成等が利用可能である。
【0056】
また、例えば、判断部108が経路から逸脱したと判断した場合や目的地に到着したと判断した場合に、出力部109は、音声を出力するようにしても良い。音声の出力は、例えば、予め記録されている文章等を読み上げた音声の再生であっても良いし、特定の警告音や、チャイム、音楽等の出力であっても良い。出力される音声は、経路から逸脱した場合と、目的地に到着した場合とで、異なるものとしても良いし、同じものとしても良い。また、出力部109の出力は、経路から逸脱したことを示す文字列や、目的地に到着したことを示す文字列等を含むいわゆるポップアップ画面等の表示であっても良い。ここで述べる出力とは、ディスプレイへの表示、音出力、外部の装置への送信、他のプログラムなどへの処理結果の引渡しなどを含む概念である。
【0057】
また、出力部109は、判断部108の判断結果に応じた出力を行う際に、携帯用ナビゲーションモードの現在アクティブな動作モード(即ちフォアグラウンドの動作モード)を検出し、その動作モードに応じた出力を行うようにしても良い。動作モードを検出するとは、例えば、電話モードや、メールモード等の動作モードの種類を検出することである。動作モードの検出は、例えば、実行されているジョブや、アプリケーションや、タスクや、プログラム等を検出することで判断可能である。動作モードに応じた出力を行うとは、例えば、予め動作モード別に指定されている出力のうちの、検出された動作モードに対応する出力を行うことである。例えば、出力部109は、判断部108が、経路から逸脱したと判断した場合や、目的地に到達したと判断した場合において、アクティブな動作モードの検出を行い、検出した動作モードが、ナビゲーションモードであれば、音声による出力を行い、ナビゲーションモード以外であれば、振動を出力する。また、検出した動作モードが電話モードであれば、音声以外の振動等の出力を行い、その他の動作モードであれば、音声による出力を行うようにしてもよい。これにより、現在アクティブな動作モードの動作の邪魔にならないように、判断結果を示す出力を行うことが可能となる。
【0058】
出力部109は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部109は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0059】
出力中止指示受付部110は、出力部109による判断結果の出力を止める指示である出力中止指示を受け付ける。出力部109による判断結果の出力とは、ここでは、例えば、上述した経路サポート通知である。出力中止指示受付部110は、例えば、ユーザ等により予め指定された操作が行われた場合に、出力中止指示を受け付ける。出力中止指示を与えるための操作の入力手段は、テンキーやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。出力中止指示受付部110は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0060】
削除部111は、出力中止指示を受け付けた場合に、経路情報格納部105から経路情報を削除する。ここで述べる削除は、経路情報を経路情報格納部105から完全に消去することであっても良いし、経路情報に、削除されたことを示す削除フラグ等の情報を付与することであっても良い。削除フラグをたてることでもよい。削除部111が経路情報を削除することで、例えば、判断部108による経路情報についての判断処理が行われなくなる。削除部111は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。削除部111の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
【0061】
図2は、本実施の形態にかかる携帯用ナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。以下、携帯ナビゲーション装置1の動作について説明する。ここでは、経路情報に応じた通知として、現在地が経路から逸脱したことを示す出力と、目的地に到着したことを示す出力とを行う場合を例に挙げて説明する。なお、ここでは、例えば、携帯用ナビゲーション装置1の起動時のデフォルトの動作モードをナビゲーションモードとして、表示部104が、現在地情報取得部107が取得した現在地周辺の地図を、地図情報格納部101から読み出してデフォルトのナビゲーション画面として、表示するようにしても良い。
【0062】
(ステップS100)携帯用ナビゲーション装置1は、現在の動作モードがナビゲーションモードであるか否かを判断する。ナビゲーションモードであれば、ステップS101に進み、なければ、ステップS106に進む。
【0063】
(ステップS101)受付部102は、出発地情報と目的地情報とをユーザ等から受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS102に進み、受け付けていない場合、ステップS106に進む。出発地情報としては、現在地情報取得部107が取得した現在地の情報を受け付けるようにしても良い。
【0064】
(ステップS102)経路探索部103は、地図情報格納部101に格納されている道路情報を用いて、ステップS101で受け付けた出発地から目的地までの経路探索を行う。そして、経路情報を取得する。
【0065】
(ステップS103)表示部104は、ナビゲーション画面を表示する。例えば、ステップS102で取得した経路情報が示す経路を含む地図図柄情報を地図情報格納部101から取得し、取得した地図図柄情報が示す地図上の経路情報が示す経路上に予め指定された色の線等を配置した地図の画像を生成して表示する。
【0066】
(ステップS104)判断部108は、ステップS103で取得した経路情報に応じた通知である経路サポート通知を行うようにするか否かを判断する。例えば、判断部108は、受付部102等が、経路情報に応じた通知を行う指示をユーザ等から受け付けたか否かを判断し、受け付けた場合は経路サポート通知を行うようにすることを決定し、受け付けていない場合は経路サポート通知を行わないようにすることを決定する。通知を行う場合はステップS105に進み、行わない場合はステップS100に戻る。
【0067】
(ステップS105)蓄積部106は、ステップS103で取得した経路情報を経路情報格納部105に蓄積する。そして、ステップS100に戻る。
【0068】
(ステップS106)携帯用ナビゲーション装置1は、動作モードを切り替える指示をユーザ等から受け付けたか否かを判断する。例えば、この操作は、受付部102等が受け付けるようにしても良い。受け付けた場合、ステップS107に進み、受け付けていない場合、ステップS112に進む。
【0069】
(ステップS107)判断部108は、現在の動作モードが、ナビゲーションモードであるか否かを判断する。ナビゲーションモードであれば、ステップS108に進み、なければステップS111に進む。
【0070】
(ステップS108)判断部108は、経路情報格納部105に経路情報が格納されているか否かを判断する。格納されている場合、ステップS109に進み、格納されていない場合、ステップS111に進む。
【0071】
(ステップS109)出力中止指示受付部110は、出力部109による経路サポート通知を行うことを終了する指示である出力中止指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS111に進み、受け付けていない場合、ステップS110に進む。
【0072】
(ステップS110)削除部111は、経路情報格納部105に格納されている経路情報を削除する。
【0073】
(ステップS111)携帯用ナビゲーション装置1は、動作モードを変更する。動作モードの変更に応じて、変更された動作モードの画面等が表示部104等により表示される。そして、ステップS100に戻る。
【0074】
(ステップS112)携帯用ナビゲーション装置1は、動作モードに応じた動作を行うタイミングであるか否かを判断する。例えば、ユーザ等から、動作モードに対応した予め指定された操作を受け付けた場合に、動作を行うタイミングであると判断しても良い。動作を行うタイミングであれば、ステップS114に進み、タイミングでなければ、ステップS115にすすむ。なお、動作モードがナビゲーションモード以外であれば、このステップS112の動作および次のステップS113の動作は、マルチタスク等によって、後述するステップS114からステップS122までの処理等と並列して行われるようにしても良い。
【0075】
(ステップS113)携帯用ナビゲーション装置1は、動作モードに応じた動作を行う。なお、ステップS112及びステップS113の処理は、例えば、携帯用ナビゲーション装置1内の図示しない処理部等が行うようにしてもよい。そして、ステップS114に進む。
【0076】
(ステップS114)判断部108は、経路サポート通知のための処理を行う予め指定されたタイミングであるか否かを判断する。例えば予め指定された時間間隔を経過したか否かを判断する。経路サポート通知のための処理を行うタイミングであれば、ステップS115に進み、タイミングでなければ、ステップS100に戻る。なお、ステップS104で経路サポート通知を行わないことが判断されている場合、このステップは省略して、ステップS100に戻るようにしても良い。
【0077】
(ステップS115)判断部108は、経路情報格納部105に経路情報が格納されているか否かを判断する。格納されている場合、ステップS116に進み、格納されていない場合、ステップS100に戻る。なお、この処理は、予め指定されたタイミングの場合にだけ行うようにしてもよい。例えば指定された時間間隔を経過する毎に行うようにしてもよい。
【0078】
(ステップS116)現在地情報取得部107は、現在地情報を取得する。
【0079】
(ステップS117)判断部108は、地図情報格納部101に格納されている道路情報を用いて、経路情報格納部105に格納されている経路情報が示す経路から現在地が逸脱したか否かを判断する。逸脱した場合、ステップS118に進み、逸脱していない場合、ステップS119に進む。
【0080】
(ステップS118)出力部109は、現在地が経路情報の示す経路から逸脱したことを示す出力を行う。そして、ステップS121に進む。
【0081】
(ステップS119)判断部108は、目的地に到着したか否かを判断する。具体的には、現在地情報が示す現在地が、目的地情報が示す地点であるか否かを判断する。目的地情報が示す地点であれば、ステップS120に進み、目的地情報が示す地点でなければ、ステップS121に進む。
【0082】
(ステップS120)出力部109は、目的地に到着したことを示す出力を行う。そして、ステップS121に進む。
【0083】
(ステップS121)出力中止指示受付部110は、出力部109による経路サポート通知を終了する指示である出力中止指示を受け付けたか否かを判断する。受け付けた場合、ステップS122に進み、受け付けていない場合、ステップS100に戻る。
【0084】
(ステップS122)削除部111は、経路情報格納部105に格納されている経路情報を削除する。そして、ステップS100に戻る。
【0085】
なお、
図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0086】
以下、本実施の形態における携帯用ナビゲーション装置1の具体的な動作について説明する。携帯用ナビゲーション装置1の概念図は
図3である。なお、ここでは、一例として、携帯用ナビゲーション装置1はタッチパネルを備えており、携帯電話を兼用しているものであるとする。
【0087】
図4は、地図情報格納部101に格納されている地図図柄情報の一例を示す図である。地図情報格納部101には、例えば、同様の地図図柄情報が複数格納されている。なお、地図図柄情報には、予め、この地図図柄情報の中心位置が示す位置の緯度経度の座標が対応付けられているものとする。
【0088】
図5は、地図情報格納部101に格納されている道路情報のうちのノードデータを管理するノード管理表である。ノード管理表は、各ノードデータの識別情報である「ノードID」と、ノードの示す緯度と経度である「緯度,経度」等の項目を有する。
【0089】
図6は、地図情報格納部101に格納されている道路情報のうちのリンクデータを管理するリンク管理表である。リンク管理表は、各リンクデータの識別情報である「リンクID」と、リンクデータの両端のノードIDである「両端ノード」と、リンクのコストである「コスト」と、「道路名」等の項目を有する。リンクの「コスト」は、リンクの一以上の道路特性パラメータから決定された値である。ここでは、例えば、コストの値が小さいほど、リンクは、実質的な距離が短いと判断されるものとする。「道路名」は、道路の識別情報であり、一の道路に複数のリンクが含まれる場合、ここでは一例として、これらのリンクの「道路名」の値は同じ値としている。ただし、同じ道路名の末尾等に、連結順番を示す番号等を追加しても良い。
【0090】
図7は、
図5および
図6に示したノード管理表およびリンク管理表が管理するノード及びリンクの一部を、
図4に示した地図上に配置した模式図である。
【0091】
ここで、まず、ユーザが、携帯用ナビゲーション装置1を起動すると、携帯用ナビゲーション装置1はナビゲーションモードとして起動し、現在地情報取得部107が現在地情報を取得し、この現在地情報が示す位置を中心とした地図図柄情報等を、表示部104が地図情報格納部101から読み出して、この地図図柄情報を用いた地図をナビゲーション画面として表示したとする。
【0092】
次に、ユーザが、経路探索を行うために、地図の表示領域を調整した後、タッチパネルを操作して出発地Sと目的地Pとをナビゲーション画面の地図上で指定したとする。ここでは、具体的には、出発地Sと、目的地Pをナビゲーション画面上でタップしたとすると、このタップされた地点が、それぞれ現在地Sと目的地Pに指定される。なお、予め、現在地が出発地Sとして地図上に指定されているようにしても良い。
【0093】
図8は、現在地を中心としたナビゲーション画面において、出発地Sと目的地Pとを指定した状態の表示例を示す図である。この地図は、
図4の地図の一部であるとする。出発地Sおよび目的地Pに指定された箇所には、例えば、予め指定されたマーク81およびマーク82等が表示される。
【0094】
そして、ユーザが、経路探索を開始するための「決定」ボタン83を押したとすると、受付部102は、地図上で指定された出発地Sと目的地Pの座標(ここでは、緯度及び経度)を取得する。ここでは、例として、地図上で指定された位置に最も近いリンク上の座標を出発地Sと目的地Pの座標として、取得するものとする。出発地S及び目的地Pの座標は、ここでは、(xs,ys)及び(xp,yp)であり、それぞれ、リンク「L3」およびリンク「L10」上の座標であるとする。
【0095】
そして、
図5および
図6に示したに示したようなリンクデータおよびノードデータを用いて、出発地Sから目的地Pまでの経路を探索する。経路の探索方法としては、例えば、ダイクストラ法等が用いられる。そして、探索の結果、経路情報を取得する。経路情報の取得方法については、ここでは詳細な説明は省略する。
【0096】
図9は、経路探索部103が取得した経路情報の一例を示す図である。ここでは、経路情報として、出発点S(xs,ys)から目的地P(xp,yp)までに通過するリンクの両端の座標とリンクIDとを、通過順番を示す情報と対応付けて示している。「始端」は、各リンクに入る地点を示し、「終端」は各リンクから出る地点を示す。なお、出発点Sを通るリンクの始端の座標および目的地Pを通過するリンクの終端の座標は、それぞれ出発点S(xs,ys)および目的地P(xp,yp)となっている。
【0097】
そして、表示部104は、ここで検索された経路に対応する道路上に、予め指定された色の線を配置した地図を含むナビゲーション画面を表示する。
【0098】
図10は、表示部104による経路探索結果を示すナビゲーション画面の表示例である。
【0099】
ここでは、
図10に示すように、経路探索結果を示すとともに、この経路を示す経路情報に応じた経路サポート通知を行う処理を開始する指示を受け付けるための「経路サポート通知を行う」ボタン10が表示されるものとする。
【0100】
そして、ユーザがこの「経路サポート通知を行う」ボタン10を押したとすると、この操作に応じて、
図9に示したような経路情報が経路情報格納部105に蓄積される。
【0101】
判断部108は、予め指定された時間間隔毎(例えば、30秒毎)に、経路情報が経路情報格納部105に格納されているか否かを判断し、格納されている場合、経路サポート通知のための判断処理を行う。具体的には、判断部108は、現在地情報取得部107に現在地情報の取得を要求する指示を出して、この指示に応じて現在地情報取得部107が取得した現在地情報を取得する。そして、この現在地情報を用いて、現在地が、経路情報が示す経路を逸脱していないか否かを判断する。そして、逸脱していると判断した場合、逸脱していることを示す判断結果を取得する。
【0102】
現在地が経路を逸脱していることを示す判断結果を判断部108が取得した場合、出力部109は、経路が逸脱していることを示す出力を行う。ここでは、例えば、「経路を逸脱しています。正しい経路を確認して下さい。」等の音声出力を行う。
【0103】
また、現在地が経路を逸脱しておらず、判断部108によって、現在地が、経路情報に含まれる目的地情報が示す地点(xp,yp)であると判断されたとする。例えば、目的地から、半径10メートルの範囲に現在地が位置すると判断されたとする。この場合、判断部108は、目的地に到着したことを示す判断結果を出力し、出力部109は、例えば、目的地に到着したことを示す「目的地に到着しました。」等の音声出力を行う。
【0104】
ここで、ユーザが、目的地に到着する前に、タッチパネル等を操作して、携帯用ナビゲーション装置の動作モードを、携帯電話として機能するモードである電話モードに切り替える操作を行ったとする。この操作に応じて、まず、判断部108は、動作モード切替前の現在の動作モードが、ナビゲーションモードであるか否かを判断する。ここでは、ナビゲーションモードであるため、判断部108は、経路情報格納部105に経路情報が格納されているか否かを判断する。ここでは、経路情報が格納されているため、出力中止指示受付部110は、動作モードの切り替え後において、経路サポート通知の出力を中止するか否かをユーザに質問する画面を表示部104に表示させる。
【0105】
図11は、経路サポート通知の出力の中止を質問する画面の表示例を示す図である。
【0106】
ユーザが、このような表示画面において「中止する」ボタン11を押すと、出力中止指示受付部110は、出力中止指示を受け付け、この出力中止指示の受け付けに応じて、削除部111は、経路情報格納部105に格納されている経路情報を削除する。これにより、その後の経路サポート通知が行われなくなる。
【0107】
一方、ユーザが「継続する」ボタン12を押すと、経路情報格納部105に格納されている経路情報は削除されず、経路サポート通知が継続されることとなる。
【0108】
そして、携帯用ナビゲーション装置1のモニタには、例えば、表示部104によって電話モードの画面が表示される。
【0109】
図12は、表示部104による電話モードの画面の表示例を示す図である。
【0110】
携帯用ナビゲーション装置1は、現在のモードが電話モードであるため、電話モードによる処理を行うタイミングにおいては、電話として動作を行う。
【0111】
また、携帯用ナビゲーション装置1は、経路サポート通知を行うタイミングにおいては、携帯用ナビゲーション装置1の表示は、電話モードの表示のまま、経路情報格納部105に経路情報が格納されているか否かを判断する。そして、経路情報が格納されている場合、電話モードの表示のまま、上記と同様の経路サポート通知の処理を行う。具体的には、現在地情報を現在地情報取得部107から取得し、取得した現在地情報が、経路情報が示す経路を逸脱しているか否か判断し、逸脱していれば、出力部109が「経路を逸脱しています。正しい経路を確認して下さい。」等の音声出力を行う。また、現在地が、経路情報に含まれる目的地情報が示す地点であるか否かを判断し、目的地情報が示す地点であれば、出力部109が「目的地に到着しました。」等の音声出力を行う。
【0112】
なお、上記の経路サポート通知を行うための動作を、マルチタスク等により、上記の電話モードの動作に対して、バックグラウンドで並列処理させるようにしても良い。
【0113】
また、この具体例においては、ユーザによる予め指定された操作等に応じて、経路サポート通知の出力を中止するか否かをユーザに質問する画面を、
図11と同様に、表示部104に表示される。そして、中止するボタン等をユーザが押すと、出力中止指示受付部110は、出力中止指示を受け付け、この出力中止指示の受け付けに応じて、削除部111は、経路情報格納部105に格納されている経路情報を削除する。これにより、その後の経路サポート通知が行われなくなる。
【0114】
なお、この具体例においては、ナビゲーションモードと電話モードとを切り替える場合を例に挙げて説明したが、ナビゲーションモードから切り替えられる動作モードは、どのような動作モードであっても良い。また、ナビゲーションモードと、他の複数の動作モードとを切り替えられるようにしてもよい。
【0115】
以上、本実施の形態によれば、ナビゲーションモード以外のモードであっても、経路情報が示す経路が、予め指定された条件を満たすか否かを判断して、その判断結果を出力することができるため、探索した経路を移動するユーザの移動状況を、ユーザに対して適切に通知することができる。
【0116】
なお、本実施の形態においては、ナビゲーションモードにおいては、経路探索により得られた経路情報は、バッファやRAM等の揮発性の記録媒体に保持されるようにするともに、動作モードの切り替えの際には、経路情報は、メモリカードや、ハードディスク等の不揮発性の記録媒体に蓄積して、揮発性の記録媒体の容量を開放してやるようにしても良い。このような構成とすることにより、動作モードがナビゲーションモード以外の場合には、比較的に高速である揮発性の記録媒体の容量を、より多く実行中のアプリケーションやタスク等に割り当てて、高速に処理を行わせることができる。また、携帯用ナビゲーション装置1においては、カーナビゲーション装置等とは異なり、一定時間内の移動距離が非常に遅く、また、バックグラウンド等で行われる経路サポート通知の処理については、画面にもナビゲーションの画面が表示されないため、ナビゲーションモード以外の場合の経路サポート通知の処理は、それほど高速な処理が不要であるため、比較的に低速な記録媒体に経路情報が蓄積されていても、実際の処理速度としては、ほとんど問題が生じない。
【0117】
また、本実施の形態においては、携帯用ナビゲーション装置1の動作モードがナビゲーションモードである場合において、電話がかかってきたというイベントや、メールが届いたというイベント等の予め指定されたイベントが発生した場合に、動作モードが、ナビゲーションモードから、イベントに対応した電話モードやメールモード等の動作モードに自動的に切り替わるとともに、判断部108による判断処理等が、上述したようにバックグラウンドで実行されるようにしても良い。このようにすることで、ナビゲーションモードで実行している経路サポート通知の処理を、ユーザが意識的に切り替えることなく継続して行うことができる。
【0118】
なお、上記各実施の形態における携帯用ナビゲーション装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、地図に関する情報であって、地図が示す道路に関する情報である道路情報を有する地図情報が格納される地図情報格納部と、経路情報が格納される経路情報格納部と、にアクセス可能なコンピュータを、出発地を示す情報である出発地情報と、目的地を示す情報である目的地情報を受け付ける受付部と、道路情報と出発地情報と目的地情報とを用いて、出発地から目的地までの経路を探索して、探索した経路の情報である経路情報を取得する経路探索部と、地図情報が示す地図を含むナビゲーション画面を表示する表示部と、経路探索部が取得した経路情報を経路情報格納部に蓄積する蓄積部と、現在地を示す情報である現在地情報を取得する現在地情報取得部と、現在地情報が示す現在地が、経路情報が示す経路に対して予め指定された条件を満たすか否かを判断する判断部と、判断部の判断結果に応じた出力を行う出力部として機能させるためのプログラムであって、判断部は、ナビゲーション画面を表示する動作モードであるナビゲーションモード以外の、ナビゲーション画面を表示しない一以上の動作モードにおいて、現在地が、経路情報が示す経路に対して予め指定された条件を満たすか否かを判断するプログラムである。
【0119】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
【0120】
図13は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による携帯用ナビゲーション装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0121】
図13において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0122】
図14は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。
図14において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0123】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による携帯用ナビゲーション装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0124】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による携帯用ナビゲーション装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0125】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。