特許第5674645号(P5674645)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5674645温度勾配型化学気相成長(TGE−CVD)
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674645
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】温度勾配型化学気相成長(TGE−CVD)
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/46 20060101AFI20150205BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20150205BHJP
【FI】
   C23C16/46
   C23C16/455
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-511083(P2011-511083)
(86)(22)【出願日】2009年5月27日
(65)【公表番号】特表2011-522119(P2011-522119A)
(43)【公表日】2011年7月28日
(86)【国際出願番号】GB2009001326
(87)【国際公開番号】WO2009144456
(87)【国際公開日】20091203
【審査請求日】2012年5月16日
(31)【優先権主張番号】61/056,619
(32)【優先日】2008年5月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510314105
【氏名又は名称】アイクストロン・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】テオ,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ルペシンヘ,ナリン
【審査官】 安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−274103(JP,A)
【文献】 特開2004−047887(JP,A)
【文献】 特開2000−087224(JP,A)
【文献】 特開2002−348670(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0132374(US,A1)
【文献】 特表2008−530724(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/042691(WO,A2)
【文献】 特開2006−332676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00−16/56
H01L 21/205,21/31,21/365,21/469
C01B 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に被膜を化学気相成長させるために構成されたチャンバを備えた装置であって、
前記チャンバは、前記基板を支持するように構成された下側加熱器と、前記下側加熱器の上方に特定の垂直距離で配設された上側加熱器とを内部に有し、
前記上側加熱器、前記チャンバ内部のガス分配装置から基板に向けての反応ガスの垂直な通過を可能とする貫通穴を有し
前記下側加熱器は冷却要素を含み、
前記加熱器間の垂直距離の調節を容易にするために、前記上側加熱器と前記冷却要素を含む前記下側加熱器の両方が互いに対して垂直運動できるように構成され、
前記加熱器間の温度差および前記加熱器間の垂直距離により、前記基板にわたる温度勾配が制御される、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記上側加熱器が前記ガス分配装置と一体化される請求項に記載の装置。
【請求項3】
基板上に被膜を化学気相成長させるように構成されたチャンバを備えた装置であって、
前記チャンバは、前記基板を支持するように構成された下側加熱器と、前記下側加熱器の上方に特定の垂直距離で配設された上側加熱器とを内部に有し、
前記上側加熱器、前記基板に向けて反応ガスが垂直に通ることができるようにする貫通穴を有するガス分配装置の上方に位置決めされ
前記下側加熱器は冷却要素を含み、
前記加熱器間の垂直距離の調節を容易にするために、前記上側加熱器と前記冷却要素を含む前記下側加熱器の両方が互いに対して垂直運動できるように構成され、
前記加熱器間の温度差および前記加熱器間の垂直距離により、前記基板にわたる温度勾配が制御される、
ことを特徴とする装置。
【請求項4】
基板上に被膜を化学気相成長させるために構成されたチャンバを備えた装置あって、
前記チャンバは、前記基板を支持するように構成された下側加熱器と、前記下側加熱器の上方に特定の垂直距離で配設された上側加熱器とを内部に有し、
前記上側加熱器が、基板に向けて反応ガスが垂直に通ることができるようにするために貫通穴を有するガス分配装置の周囲に円周方向で位置決めされ
前記下側加熱器は冷却要素を含み、
前記加熱器間の垂直距離の調節を容易にするために、前記上側加熱器と前記冷却要素を含む前記下側加熱器の両方が互いに対して垂直運動できるように構成され、
前記加熱器間の温度差および前記加熱器間の垂直距離により、前記基板にわたる温度勾配が制御される、
ことを特徴とする装置。
【請求項5】
前記上側加熱器と下側加熱器の一方または両方が、プラズマを発生させるために電圧を印加できるように構成される請求項1〜のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載された装置を用いて、基板上に被膜を化学気相成長させる方法であって、チャンバ内で、前記上側加熱器と前記下側加熱器の間に前記温度勾配を確立するステップと、
前記基板上に堆積を形成するために反応ガスを前記チャンバ内に垂直に導入するステップと、
を含む方法。
【請求項7】
前記上側加熱器の温度が前記下側加熱器よりも高く維持される請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記下側加熱器の温度が前記上側加熱器よりも高く維持される請求項に記載の方法。
【請求項9】
さらに、真空ポンプを使用して前記チャンバから反応ガスを排気するステップを含む請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記反応ガスが、前記上側加熱器の穴を通って垂直に流れるようにされてから前記基板の上面に当たる請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、正規の出願であり、参照として本明細書に組み込む2008年5月28日出願の米国仮特許出願第61/056619号の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
(技術分野)
本発明は、温度勾配型化学気相成長のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
一般に受け入れられているナノチューブおよびナノワイヤに関する成長メカニズムは、触媒によるガスの拡散である。ガスの拡散率を制御する因子の1つは、触媒または基板にわたる温度勾配である(例えば、R.T.K.Baker,「Catalytic Growth of Carbon Filaments」Carbon,v.27,pp.315−329(1989)およびR.S.Wagner,in Whisker Technology,A.P.Levitt Ed.,p.47(Wiley,New York,1970)参照)。したがって、特に基板の上での垂直方向のナノチューブおよびナノワイヤの成長に関して、垂直方向で温度勾配を制御することが重要である。
【0004】
図1を参照すると、高温壁装置10内で、加熱器12が、チャンバ14を取り囲み、チャンバおよびチャンバ内部の基板16を成長温度まで加熱する。ガスが、水平にチャンバを通って基板16の上に流れて、成長を促進する。チャンバと基板は同じ温度であり、したがって、ウェハの両面間にわたる垂直方向の温度勾配を生成することはできない。
【0005】
図2を参照すると、加熱式の基板装置20において、チャンバ26内で、基板22が加熱器24の上に配置される。次いで、基板が成長温度まで加熱される。ガスが(例えばガス分配装置28によって)上からチャンバ26内に導入され、これにより基板の上面が冷却され、次いでガスが排気口30を通して除去される。ウェハの上面の温度が、加熱器と接触するウェハの底面よりも低いので、これは負の温度勾配を成す。負の温度勾配は、ナノチューブおよびナノワイヤの成長を妨げることがある。いくつかの場合には、基板の上方でガスを分解するためにプラズマが使用されるが、依然として負の温度勾配の問題がある。
【0006】
図3を参照すると、ホットワイヤ化学気相成長法(hot filament chemical vapour deposition)において、加熱式の基板装置20に関連して使用されるものと同様の装置20’が使用され、ただし、チャンバ26内でガス分配装置と基板22との間に細いワイヤまたはフィラメント32が導入される点が異なる。細いワイヤまたはフィラメントは、ガスが基板に達する前にガスを分解するために使用される。細いワイヤまたはフィラメントは、多くの場合、1000℃を超える温度で動作される。ワイヤは細いことが多く、面積被覆率が50%未満であり、基板に対する加熱効果を低下させる。また、ワイヤと基板の間の距離は固定されている。
【発明の概要】
【0007】
一実施形態では、本発明は、基板上に被膜を化学気相成長させるために構成されたチャンバであって、前記基板を支持するように構成された下側加熱器と、下側加熱器の上方に特定の垂直距離で配設された上側加熱器とを内部に含むチャンバを含む気相成長装置を提供する。上側加熱器は、チャンバ内部のガス分配装置から基板に向けて反応ガスが垂直に通ることができるようにするために貫通穴を有する。いくつかの例では、上側加熱器の面積被覆率は50%よりも大きい。また、加熱器間の垂直距離の調節を容易にするために、上側加熱器と下側加熱器の一方が垂直運動できるように、または両方が互いに対して垂直運動できるように構成されることがある。いくつかの場合には、上側加熱器がガス分配装置と一体化される。
【0008】
本発明のさらなる実施形態は、基板上に被膜を化学気相成長させるために構成されたチャンバであって、前記基板を支持するように構成された下側加熱器と、下側加熱器の上方に特定の垂直距離で配設された上側加熱器とを内部に含むチャンバを含む気相成長装置であって、上側加熱器が、基板に向けて反応ガスが垂直に通ることができるようにするために貫通穴を有するガス分配装置の上方に位置決めされる気相成長装置を提供する。
【0009】
気相成長装置のさらなる別の例示形態は、基板上に被膜を化学気相成長させるために構成されたチャンバであって、前記基板を支持するように構成された下側加熱器と、下側加熱器の上方に特定の垂直距離で配設された上側加熱器とを内部に含むチャンバであって、上側加熱器が、基板に向けて反応ガスが垂直に通ることができるようにするために貫通穴を有するガス分配装置の周囲に円周方向で位置決めされるチャンバを提供する。
【0010】
上記の任意の、またはすべての実施形態において、底部加熱器が冷却要素を含むことがある。同様に、上側加熱器と下側加熱器の一方または両方が、プラズマを発生させるために電圧を印加できるように構成されることもある。
【0011】
本発明の一実施形態に合致する方法は、基板が下側加熱器の近傍に位置決めされる真空チャンバ内で、上側加熱器と下側加熱器の間に温度勾配を確立するステップと、基板上に堆積を形成するために反応ガスをチャンバ内に垂直に導入するステップとを含む。上側加熱器の温度は下側加熱器よりも高く、または低く維持することができ、反応ガスは、上側加熱器の穴を通って垂直に流れるようにされてから基板の上面に当たった後、真空ポンプを使用してチャンバから排気することができる。
【0012】
以下、本発明のこれらおよび他の特徴および実施形態をさらに説明する。
【0013】
本発明を、添付図面の図に例として、限定を意図せずに示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】チャンバを取り囲む加熱要素によって基板が加熱される従来の装置を示す図である。
図2】ただ1つの基板加熱要素を備えて構成された従来のチャンバを示す図である。
図3】基板上で従来のホットワイヤ化学気相成長(CVD)を行うために構成されたチャンバを示す図である。
図4】基板上にナノ構造を成長させるために構成されたチャンバ内で上部加熱要素と底部加熱要素の両方を採用する、本発明の一実施形態に従って構成された装置を示す図である。
図5A-B】本発明の実施形態による温度勾配型CVDのために構成された装置の代替構成を示す図である。
図6A-B】本発明の実施形態に従って構成された装置内でのナノ構造の成長を示す、サンプル・ウェハの撮影画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書では、温度勾配型化学気相成長(TGE−CVD)のための方法およびシステムを説明する。様々な例示形態において、本発明は、上側と下側両方の加熱器または加熱要素を含むCVD用(または他の形態の堆積用)のチャンバを提供する。下側加熱器(動作中、20〜1000℃の間の温度で維持されることがある)は、基板または他の加工物を支持するように構成されることがあり、上側加熱器(動作中、20〜1000℃の間の温度で維持されることがある)は、下側加熱器の上方に特定の距離(例えば5〜75mm)で配設される。いくつかの例では、上側加熱器は、チャンバ内部のガス分配装置から基板に向けて反応ガスが垂直に通ることができるようにするために貫通穴を有することがある。例えば、上側加熱器は、ガス分配装置と一体化することができる。
【0016】
上側および/または下側加熱器の一方が垂直運動できるように、または両方が互いに対して垂直運動できるように構成することができる。これにより、加熱器間の垂直距離の調節が容易になる。さらに、上側加熱器の面積被覆率は50%よりも大きいことがある。
【0017】
代替の例示形態は、基板を支持するように構成された下側加熱器と、下側加熱器の上方に特定の垂直距離で、しかもガス分配装置の上方に配設された上側加熱器とを内部に含むCVD用(または他の形態の堆積用)のチャンバを含む。この配置により、反応ガスが、基板に向けて垂直方向に妨げられずに進むことができるようになる。
【0018】
さらなる他の例示形態は、CVDチャンバを含む装置を提供する。このCVDチャンバ内には、基板を支持するように構成された下側加熱器と、下側加熱器の上方に特定の垂直距離で配設された上側加熱器とが含まれ、上側加熱器は、基板に向けて垂直に反応ガスが進むことができるようにするために貫通穴を有するガス分配装置の周囲に円周方向で位置決めされる。いくつかの例では、下側加熱器が冷却要素を含むことがある。さらに、上側加熱器と下側加熱器の一方または両方が、プラズマを発生させるために電圧を印加できるように構成されることがある。
【0019】
物理的な例示形態とは関係なく、本発明に従って構成されたシステムは、(必ずしもそうである必要はないが、通常は下側加熱器の近傍に)基板が位置決めされる真空チャンバ内部で、上側加熱器と下側加熱器との間に温度勾配を確立することができる。基板上に堆積を形成するためにチャンバ内に反応ガスが垂直に導入され、温度勾配は、加熱器の一方の温度を他方よりも高く維持することによって保たれる。
【0020】
ここで図4を参照すると、本発明の一実施形態による温度勾配型CVD用に構成された装置34が示されている。チャンバ26内部で、基板22が底部加熱器38の上に配置される。これは、当技術分野で知られているような従来の真空ロボット・ウェハ搬送装置を使用して行うことができる。ガス分配装置28から基板22に反応ガスが垂直に通ることができるようにするために貫通穴37を有する上部加熱器36が、基板22の上方に懸垂される。チャンバ内部に垂直方向の温度勾配を生成するのに上部加熱器の効率が最大となるように、上部加熱器の面積被覆率は50%よりも大きいことが好ましい。加熱器間の垂直距離の調節を容易にするために、上部加熱器36または底部加熱器38の一方または両方を垂直方向で移動させることができる。
【0021】
基板22の垂直次元にわたる温度勾配を制御するために、加熱器間の温度の差および加熱器間の距離を用いることができる。例えば、上部加熱器の温度が底部加熱器よりも高い場合、(基板の上部から基板の底部への)正の温度勾配が生成される。他方、底部加熱器の温度が上部加熱器よりも高い場合、(基板の上部から基板の底部への)負の温度勾配が生成される。
【0022】
様々な異なるチャンバ/加熱器構成を採用することができる。例えば、図5Aは、装置34’が、ガス分配装置40と一体化された上部加熱器36’(可動であっても、固定されていてもよい)を含む構成を示す。ガス分配装置40は、基板の方向にガスを供給するために複数のガス出口またはインジェクタを有するシャワーヘッドとして構成されることがある。この特定の例では、上部加熱器36’がシャワーヘッド40の上方に位置決めされるが、他の実施形態は、これらの要素を異なる様式で組み込むことがある。例えば、加熱器要素がシャワーヘッドの周囲に円周方向で位置決めされたり、シャワーヘッドの中央に位置決めされたりすることがある。
【0023】
さらなる実施形態が図5Bに示される。この例示形態では、装置34’’は、冷却要素42をそれ自体が含む底部加熱器38を含む。底部加熱器38と冷却要素42はどちらも(一緒に、または互いに独立して)可動にすることができ、それにより、大きな温度勾配を形成するために上部加熱器が基板の近傍に移動される状況で、上部加熱器36からの余剰の放射加熱がある場合に、基板22の一定温度を維持する。さらに、上述したいかなる構成においても、プラズマを発生させるために上部加熱器および/または底部加熱器に電圧を印加することができる。
【0024】
図6Aおよび図6Bは、それぞれ650℃でのサンプル・ウェハの撮影画像であり、本発明のいくつかの実施形態に従って構成される装置におけるナノ構造の成長を示す。図6Aでは、上部加熱器の温度が底部加熱器よりも低い負の温度勾配環境内で成長が行われた。図6Bでは、上部加熱器の温度が底部加熱器よりも高い正の温度勾配環境内で成長が行われた。
【0025】
本発明の特徴を不必要に曖昧にしないように、本明細書に記載するナノ構造成長操作を行うのに適した装置の多くの詳細について詳しくは示していないことを理解すべきである。そのような詳細は、当然、動作システムに必要であるが、当技術分野で知られているものである。例えば、本発明の譲受人に譲渡され、参照として本明細書に組み込む米国特許第5855675号が、本発明による2つの加熱器をやはり含む装置に含まれることがある機構を適切に論じている。一般に、そのような工業用装置は、実質的に真空チャンバ内で動作するクラスタツール・ベースの処理システムとして編成することができる。ウェハ移送装置は、真空チャンバの中央から動作するように位置決めすることができ、回転および伸縮によって、基板、典型的には半導体基板を、上述した様式で構成され、実質的に円形の真空移送チャンバの円周上の点に取り付けられた処理チャンバから出し入れして配置したり取り出したりできるように適合させることができる。ウェハを外部環境からロードロックによって真空チャンバ内に移動させ、次いで1つまたは複数の処理チャンバに通し、最後にアンロードロックによって外部環境に戻すことができる。処理に使用されるガスは、ガス供給および制御ユニットによって、上述したシャワーヘッド・マニホールドなど(1つまたは複数の)管路およびマニホールドを通して導入することができる。別の方法として、他のガス分配装置マニホールドを使用することもできる。
【0026】
処理チャンバは、典型的には、チャンバ排気口に流体結合された真空ポンプを使用することによって大気圧以下で維持される。これは、雰囲気ガスおよび他の粒子による汚染を回避する。処理チャンバの1つでの処理中、真空ポンピングをスロットル調整してプロセス・チャンバ圧力を制御することができ、余剰量のプロセス・ガスを使用しない。そのようなスロッル調整は、制御可能な開口を有する弁によるものを含めたいくつかの方法で達成することができる。典型的なプロセス・サイクルでは、処理が完了した後、ガスの弁が閉じられ、処理チャンバ内で最大ポンプ速度を実現するようにスロットル調整メカニズムが開かれる。この目的は、処理チャンバ内のガス圧力を、基板移送チャンバ内でのガス圧力に近い値まで下げることである。次いで、処理されたウェハをチャンバから取り出すことができる。
【0027】
処理チャンバの下に取り付けられた駆動アセンブリを使用して、基板支持体(例えば底部加熱器)が取り付けられる内部架台を昇降させることができる。別の方法として、底部加熱器がそのような架台の内部に含まれることがある。しかし通常は、架台装置は、処理すべきウェハを支持してウェハに熱を供給するための加熱炉床を有する。架台が最下位置にあるとき、ウェハをチャンバ内に挿入して、炉床の上に位置するように離すことができ、移送装置が引き戻った後、架台を上昇させることができ、支持されたウェハを処理位置まで上げて処理を行う。ウェハを処理チャンバから取り外すべきときには、逆の手順を行うことができる。ベローによって垂直方向での架台の運動自由度を与える一方、アセンブリ全体に関して真空の完全性を維持することができる。架台アセンブリを垂直方向で並進させることができる他の機構があること、また本発明の範囲から逸脱することなく成すことができる様々な変更形態があることを当業者は理解されよう。例えば、エア・シリンダ、エアオイル・システム、油圧システムなど、使用することができるいくつかの異なる伸縮式の駆動機構がある。
【0028】
以上、温度勾配型化学気相成長のための手段を説明した。本発明を、いくつかの例示的実施形態を参照しながら論じたが、これらの例示で提供される例に限定する意図はない。例えば、本発明の方法およびシステムを使用して、温度勾配の方向に平行にトップダウン型またはボトムアップ型で、中間被膜を通した拡散によって、制御して薄膜を成長させることもできる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B