特許第5674716号(P5674716)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674716
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】車両検出装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/04 20060101AFI20150205BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20150205BHJP
【FI】
   G08G1/04 C
   G06T1/00 330B
【請求項の数】6
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-133284(P2012-133284)
(22)【出願日】2012年6月12日
(65)【公開番号】特開2013-257720(P2013-257720A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2013年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001292
【氏名又は名称】株式会社京三製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100085198
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 久夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125494
【弁理士】
【氏名又は名称】山東 元希
(74)【代理人】
【識別番号】100166084
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 堅太郎
(72)【発明者】
【氏名】本田 和浩
【審査官】 岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−086185(JP,A)
【文献】 特開平05−151495(JP,A)
【文献】 特開2006−040092(JP,A)
【文献】 特開2002−197588(JP,A)
【文献】 特開2007−134961(JP,A)
【文献】 特開2008−052539(JP,A)
【文献】 特開2001−283374(JP,A)
【文献】 特開2006−190247(JP,A)
【文献】 特開平10−261190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/04
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の側方から該車両の車輪のタイヤホイールを撮像するカメラ部と、
該カメラ部によって撮像された画像処理映像から前記車両の車輪のタイヤホイールを検出する制御部と、
を備え、
前記画像処理映像内には前記タイヤホイールを検出するための第1検出エリア及び第2検出エリアが構成され、
前記制御部は、前記画像処理映像から前記第1検出エリアにおいて前記車両の前輪のタイヤホイールが検出した後に、前記第2検出エリアにおいて前記車両の前輪のタイヤホイールが検出された場合、前記車両の存在を有りと判定する
ことを特徴とする車両検出装置。
【請求項2】
車両の側方から該車両の車輪のタイヤホイールを撮像するカメラ部と、
該カメラ部によって撮像された画像処理映像から前記車両の車輪のタイヤホイールを検出する制御部と、
前記車両のホイールベースと車種との関連付けデータを記憶している記憶部
を備え、
前記制御部は、
前記画像処理映像から前記車両の前輪及び後輪のタイヤホイールが検出された場合、前記車両の存在を有りと判定するものであって、
時間を計測する第1タイマー及び第2タイマーを有し、
前記画像処理映像内には前記タイヤホイールを検出するための第1検出エリア及び第2検出エリアを構成し、
該第1検出エリア及び該第2検出エリアは、前記画像処理映像内において、略水平に配置され、かつ、該第1検出エリアは、該第2検出エリアより前記車両の進行方向の手前側に配置され、
前記第1タイマーは、前記第1検出エリアにおいて、前記車両の前輪のタイヤホイールが検出された時点から、前記第1検出エリアにおいて、前記車両の後輪のタイヤホイールが検出された時点までのホイールベース通過時間を計測し、
前記第2タイマーは、前記第1検出エリアにおいて、前記車両の前輪のタイヤホイールが検出された時点から、前記第2検出エリアにおいて、前記車両の前輪のタイヤホイールが検出された時点までの前輪通過時間を計測し、該前輪通過時間、及び、前記第1検出エリアと前記第2検出エリアとの距離である検出間距離から前記車両の速度を算出し、
該速度及び前記ホイールベース通過時間からホイールベースを算出し、
該ホイールベース、及び、前記記憶部に記憶された前記車両のホイールベースと車種との関連付けデータに基づいて、前記車両の車種を判定する
ことを特徴とする車両検出装置。
【請求項3】
前記制御部と外部との通信を行うためのインターフェース部を備え、
前記第1検出エリアと前記第2検出エリアとの距離である検出間距離、及び/又は前記車両のホイールベースと車種との関連付けデータは、前記インターフェース部を介して、外部機器であるコンソールから更新可能とする
ことを特徴とする請求項2記載の車両検出装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記画像処理映像内における前記車両の進行方向手前側の端部に、前記車両が照射するヘッドライト光を検出するための第3検出エリアを構成し、
前記画像処理映像の全体の輝度平均値を算出し、該輝度平均値が第1所定値未満である場合、夜間であると判定して、昼間における画像処理負荷よりも下げた状態であるスリープ状態とし、
前記車両が前記カメラ部に近づくことによって、前記車両が照射するヘッドライト光による前記第3検出エリアにおける輝度平均値が、第2所定値に達した時点で、前記車両が前記画像処理映像内に進入する前兆であると判定して、前記スリープ状態から前記画像処理負荷が元の状態であるアクティブ状態にする
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両検出装置。
【請求項5】
前記制御部は、
夜間であると判定している状態において、前記アクティブ状態の際に、前記車両の存在を検出する処理を実行した後から所定時間経過後、再び、前記スリープ状態にする
ことを特徴とする請求項4記載の車両検出装置。
【請求項6】
前記制御部に電力を供給する電源部と、
太陽光の光エネルギーを光起電力効果によって電力に変換する太陽電池と、
該太陽電池によって変換された電力を蓄電する蓄電部と、
を備え、
前記蓄電部は、前記電源部を介して、前記制御部に電力を供給する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の車両検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路交通分野で使用する車両検出装置に関するものであり、特に、カメラを用いて車両を検出する車両検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を検出するための検出媒体として、従来から、超音波方式、画像方式及び赤外線方式のものを用いて、車両の存在有無を検出している。このような、検出媒体を用いた車両検出装置として、赤外線方式のセンサーとしてサーモパイルセンサーを、車道の各車線の上部に位置するように、柱から水平方向に延びたアームに取り付け、サーモパイルセンサーで検出される背景部分の電圧値(背景レベル)、及び、閾値を学習によって演算し、サーモパイルセンサーからの入力レベル値と背景レベルとの差を、前述の閾値と比較して判定して、車両の有無を判定するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−102453号公報(第6、9、10頁、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の超音波方式、画像方式又は赤外線方式のものを用いた車両検出装置は、何れも気象条件又は車両の走行状態によって誤差要因が発生するという問題点があった。この誤差は、期待されたアナログ値が得られないことによるものである。誤差が生じる要因としては、例えば、画像方式においては、背景と車両との差分が得られない場合、そして、赤外線方式においては、路面と車両の色又は温度との差分が得られない場合等である。
【0005】
また、特許文献1に記載された車両検出装置は、センサーを柱から水平に延びたアームに取り付けるものであり、その工事における材料及び工事費が増大し、さらに、美観を損なうという問題点もあった。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、第1の目的は、検出媒体としてカメラを用い、各種気象条件下においても、背景(路面)と車両との分離を確実に行って車両の存在を検出することができる車両検出装置を得ることである。
そして、第2の目的は、車両検出装置の設置工事における材料及び工事費を削減することができる車両検出装置を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る車両検出装置は、車両の側方から該車両の車輪のタイヤホイールを撮像するカメラ部と、該カメラ部によって撮像された画像処理映像から前記車両の車輪のタイヤホイールを検出する制御部と、を備え、前記画像処理映像内には前記タイヤホイールを検出するための第1検出エリア及び第2検出エリアが構成され、前記制御部は、前記画像処理映像から前記第1検出エリアにおいて前記車両の前輪のタイヤホイールが検出した後に、前記第2検出エリアにおいて前記車両の前輪のタイヤホイールが検出された場合、前記車両の存在を有りと判定することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る車両検出装置は、車両の側方から該車両の車輪のタイヤホイールを撮像するカメラ部と、該カメラ部によって撮像された画像処理映像から前記車両の車輪のタイヤホイールを検出する制御部と、前記車両のホイールベースと車種との関連付けデータを記憶している記憶部を備え、前記制御部は、前記画像処理映像から前記車両の前輪及び後輪のタイヤホイールが検出された場合、前記車両の存在を有りと判定するものであって、時間を計測する第1タイマー及び第2タイマーを有し、前記画像処理映像内には前記タイヤホイールを検出するための第1検出エリア及び第2検出エリアを構成し、該第1検出エリア及び該第2検出エリアは、前記画像処理映像内において、略水平に配置され、かつ、該第1検出エリアは、該第2検出エリアより前記車両の進行方向の手前側に配置され、前記第1タイマーは、前記第1検出エリアにおいて、前記車両の前輪のタイヤホイールが検出された時点から、前記第1検出エリアにおいて、前記車両の後輪のタイヤホイールが検出された時点までのホイールベース通過時間を計測し、前記第2タイマーは、前記第1検出エリアにおいて、前記車両の前輪のタイヤホイールが検出された時点から、前記第2検出エリアにおいて、前記車両の前輪のタイヤホイールが検出された時点までの前輪通過時間を計測し、該前輪通過時間、及び、前記第1検出エリアと前記第2検出エリアとの距離である検出間距離から前記車両の速度を算出し、該速度及び前記ホイールベース通過時間からホイールベースを算出し、該ホイールベース、及び、前記記憶部に記憶された前記車両のホイールベースと車種との関連付けデータに基づいて、前記車両の車種を判定することを特徴とする。
【0009】
前記制御部と外部との通信を行うためのインターフェース部を備え、前記第1検出エリアと前記第2検出エリアとの距離である検出間距離、及び/又は前記車両のホイールベースと車種との関連付けデータは、前記インターフェース部を介して、外部機器であるコンソールから更新可能とすることを特徴とする。
【0010】
前記制御部は、前記画像処理映像内における前記車両の進行方向手前側の端部に、前記車両が照射するヘッドライト光を検出するための第3検出エリアを構成し、前記画像処理映像の全体の輝度平均値を算出し、該輝度平均値が第1所定値未満である場合、夜間であると判定して、昼間における画像処理負荷よりも下げた状態であるスリープ状態とし、前記車両が前記カメラ部に近づくことによって、前記車両が照射するヘッドライト光による前記第3検出エリアにおける輝度平均値が、第2所定値に達した時点で、前記車両が前記画像処理映像内に進入する前兆であると判定して、前記スリープ状態から前記画像処理負荷が元の状態であるアクティブ状態にすることを特徴とする。
【0011】
前記制御部は、夜間であると判定している状態において、前記アクティブ状態の際に、前記車両の存在を検出する処理を実行した後から所定時間経過後、再び、前記スリープ状態にすることを特徴とする。
【0012】
前記制御部に電力を供給する電源部と、太陽光の光エネルギーを光起電力効果によって電力に変換する太陽電池と、該太陽電池によって変換された電力を蓄電する蓄電部と、を備え、前記蓄電部は、前記電源部を介して、前記制御部に電力を供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、カメラ部の検出対象として、どのような車両においても同様の形状であるタイヤホイールに着眼したことによって、どのような車両においても高い確実性をもって、車両の存在の検出が可能であることが期待できる。また、カメラ部による側射方式を採用したことにより、設置位置が車線直上である直上形感知器のように、柱からアームを張り出して設置する必要がないため、工事における材料及び工事費の増大を抑制し、かつ、美観を損なうことがないという利点がある。
【0014】
また、画像処理映像内にはタイヤホイールを検出するための第1検出エリア及び第2検出エリアが構成され、その第1検出エリア及び第2検出エリアは、画像処理映像内において、略水平に配置され、かつ、その第1検出エリアは、画像処理映像内において、第2検出エリアより前記車両の進行方向の手前側に配置され、各検出エリアにおいてタイヤホイールを検出することによって、車両の車種の判定、及び速度の算出が可能となり、これらのデータを外部に送信することによって活用することが可能となる。
【0015】
また、第1検出エリアと第2検出エリアとの距離である検出間距離、及び/又は車両のホイールベースと車種との関連付けデータを、インターフェース部を介して、外部機器であるコンソールから更新可能とすることによって、画像処理映像の縮尺から算出した検出間距離が実際の距離と同じ値となるように調整することにより、車両の車種の判定、及び速度の算出の精度を高めることができ、また、車両のホイールベースと車種との関連付けデータを更新可能とすることによって、小型車か大型車かの2種類の車種判定のみならず、ホイールベースによって、3種類以上の車種に細分化して車種を判定することも可能にすることができる。
【0016】
また、画像処理映像内にヘッドライト光を検出するための第3検出エリアを構成し、夜間においては、制御部の昼間における画像処理負荷よりも下げた状態であるスリープ状態とし、第3検出エリアによって、ヘッドライト光が検出された場合に、スリープ状態からアクティブ状態にすることによって、夜間中、かつ、車両が走行していない状態においては、スリープ状態となるので、消費電力を低減することができる。
【0017】
また、第3検出エリアによるヘッドライト光の検出によってアクティブ状態となり、制御部による車両の存在を検出する処理を実行した後から所定時間後に、再び、スリープ状態とすることによって、さらなる消費電力の低減を図ることが可能となる。
【0018】
また、太陽光の光エネルギーを光起電力効果によって電力に変換する太陽電池と、その太陽電池によって変換された電力を蓄電する蓄電部と、を備え、その蓄電部によって制御部への電力の供給を少なくとも補助的に実施でき、省電力化に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態1に係る車両検出装置1の機能ブロック図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る車両検出装置1の車道近傍における設置例を示す図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る車両検出装置1におけるカメラ部4が撮像する画像処理映像31を示す図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る車両検出装置1におけるカメラ部4の画像処理映像31において車両の車輪のタイヤホイールを検出する状態を示す図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る車両検出装置1による車両検出の処理を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施の形態2に係る車両検出装置1においてカメラ部4の画像処理映像31における検出エリアDt3が車両のヘッドライト光を検出する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施の形態1.
(車両検出装置1の構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る車両検出装置1の機能ブロック図である。
図1で示されるように、本実施の形態に係る車両検出装置1は、電源部3、カメラ部4、制御部5、記憶部6、インターフェース部7、無線部8、太陽電池9及び蓄電部10を備えている。このうち、電源部3、カメラ部4、制御部5、記憶部6、インターフェース部7及び蓄電部10は、同一の筐体内に収納され、車両検出部2として構成されている。
【0021】
電源部3は、商用電源(例えば、AC100[V]等)等の交流電源から電源供給を受け、その交流電圧を直流電圧に変換し、カメラ部4、制御部5、記憶部6、インターフェース部7、無線部8に電力を供給するものである。
なお、図1において、電源部3と各構成部とを接続する点線は電力供給を示している。なお、電源部3から直接もしくは制御部5を介して電力を各構成部に供給するようにしても良い。例えば、図1で示されるように、電源部3は制御部5を介してインターフェース部5に電力を供給し、インターフェース部5を介して無線部8に電力を供給する構成としてもよい。
【0022】
カメラ部4は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)カメラ又はCCD(Charge Coupled Device)カメラ等を用いて、車両の前輪及び後輪を撮像するものである。すなわち、カメラ部4は、車両の大きな特徴である前輪及び後輪のタイヤホイールに着眼し、側射方式によってそのタイヤホイールを撮像するものであり、そのタイヤホイールの形状の画像認識に特化して用いられる。このように、検出対象として、どのような車両においても同様の形状であるタイヤホイールに着眼したことによって、どのような車両においても車両の存在等の検出が可能であることが期待できる。また、カメラ部4は、図2において後述するように、側射方式であり、遠方を撮像する必要がないので、撮像した画像の画素数として大きなものが求められるものではなく、例えば、20万画素程度の画素数であればよい。このカメラ部4によって、車両の前輪及び後輪を一画面に撮像する場合、例えば、使用するレンズを概ね100[°]以上の広角度タイプを採用するものとすればよい。ただし、カメラ部4のレンズの視野角は、車両と、カメラ部4を含む車両検出部2の設置位置との相関によって決定されるものである。
【0023】
制御部5は、例えば、画像処理に特化したSoC(システムオンチップ)を採用したCPUを有するものであり、カメラ部4で所定のフレームレートで撮像された撮像データに基づいて、その撮像データに含まれる車両の車輪のタイヤホイールの楕円形状を検出し、その楕円形状を真円に補正してその中心を求め、あるいは、楕円形状の重心を求める。そして、制御部5は、その前輪と後輪のタイヤホイールの中心間又は重心間の距離をホイールベースHbとして算出する等の処理を実行し、車両の存在、車種及び速度の検出を実施し、それらの各検出データを後述するインターフェース部7を介して、外部(例えば、交通信号制御機又は交通管制センター等)に出力する。
【0024】
記憶部6は、制御部5によってデータの読み出し、書き込み(更新)又は削除がなされるメモリー等の記憶媒体である。この記憶部6は、例えば、カメラ部4によって撮像された撮像データを制御部5を介して一時的に記憶したり、制御部5によって演算された一時的なデータを記憶したり、後述するようにコンソール11によって入力された車両検出装置1用のパラメーターをインターフェース部7及び制御部5を介して記憶する。
なお、記憶部6は、図1で示されるように、1つの記憶媒体として記載されているが、例えば、コンソール11によって入力されるパラメーター等、車両検出装置1の電源がOFFになってもデータを記憶させておく必要がある場合には、不揮発性のROM(Read Only Memory)によって構成されるものとすればよい。また、制御部5によって演算された一時的に記憶されたデータ等、車両検出装置1の電源がOFFになった場合に記憶させておく必要のない場合には、揮発性のRAM(Random Access Memory)によって構成すればよい。また、これらのRAM及びROMの双方によって構成させてもよいのは言うまでもない。
【0025】
インターフェース部7は、制御部5によって処理されたデータを外部に出力する場合、そして、外部からデータを入力して制御部5に送信する場合に、各データをインターフェース変換するものである。このインターフェース部7は、例えば、前述のように、制御部5によって処理が実行された検出データをインターフェース変換(例えば、検出データが「車両の存在」データであれば、フォトカプラーによってON/OFF信号に変換し、「速度」データであれば、シリアルデータに変換する)して、外部(交通信号制御機又は交通管制センター等)に送信する。また、インターフェース部7から有線によって外部にデータを送信できない場合は、インターフェース部7は、後述するように、無線部8にデータを出力し、無線部8による無線方式によってデータを外部に送信する。さらに、インターフェース部7は、外部機器であるコンソール11を接続するためのコネクタを有し、コンソール11によって入力されるパラメーターを制御部5が入力できるようにインターフェース変換する。
【0026】
無線部8は、制御部5によって処理されたデータをインターフェース部7から有線によって外部に送信できない場合等に、そのデータをインターフェース部7から入力し、無線方式によって外部に送信するものである。また、逆に、無線部8は、外部からのデータを有線によってインターフェース部7が受信できない場合等に、外部からのデータを無線方式によって受信し、受信したデータをインターフェース部7を介して制御部5に出力する。この無線部8は、設置位置が通常の直上形感知器(例えば、超音波感知器は、車線直上5.5[m]に設置される)と異なり、それよりも低い位置に取り付けられることを想定し、周波数帯域の低いモデム(例えば、429[MHz]帯)を採用するものとすればよい。これによって、障害物等があった場合においても、電波の回り込み現象によって適切に電波(無線)による送信が期待できる。
なお、図1で示されるように、無線部8がインターフェース部7に接続されている構成としているが、これに限定されるものではなく、無線方式によるデータの送受信が必要ない場合は、特に無線部8を設ける必要はない。
【0027】
太陽電池9は、ソーラーパネルによって構成され、太陽光の光エネルギーを光起電力効果によって電力に変換するものである。この太陽電池9によって光エネルギーから変換された電力は、車両検出部2内に収納されたリチウム電池等の蓄電部10に蓄電される。この蓄電部10に蓄電された電力は、電源部3に供給され、商用電源等による電力供給を補助する。
なお、図1で示されるように、電源部3は、商用電源等の交流電源からの電力供給、及び、太陽電池9及び蓄電部10からの電力供給を受けているが、カメラ部4及び制御部5が低電力によって駆動可能な場合は、太陽電池9及び蓄電部10からの電力供給のみで駆動させることも可能である。
【0028】
コンソール11は、外部から車両検出部2のインターフェース部7に構成されたコネクタに接続して、車両検出装置1用のパラメーターを入力するものであり、例えば、専用の操作機器、又は、パソコン等によって構成されるものである。このコンソール11によって入力されたパラメーターは、インターフェース部7及び制御部5を介して、記憶部6に記憶される。コンソール11によって入力されるパラメーターとしては、後述するように、カメラ部4で撮像された撮像データに基づく画像処理映像31(図3において後述)内の車両のタイヤホイールを検出するエリアである検出エリアDt1と検出エリアDt2との距離である検出間距離L0[m]、制御部5によって算出されたホイールベースHbと車種(小型車又は大型車等)との関連付けデータ、又は、保持時間Tho(図5において後述)を算出するためのホイールベースHbと車両の平均車長との関連付けデータ等がある。ここで、関連付けデータとは、例えばデータベースにおいて構成されたテーブルデータ等である。
【0029】
(車両検出装置1の設置構成)
図2は、本発明の実施の形態1に係る車両検出装置1の車道近傍における設置例を示す図である。
図2で示されるように、車道21には車両23が走行しており、車道21の路肩に電柱等の柱22が立設されており、この柱22に車両検出装置1が設置されている。具体的には、車両検出装置1のうち、カメラ部4を有する車両検出部2が、柱22において、地面から略3.5[m]程度の位置に、かつ、カメラ部4の撮影方向が車両23の車輪に向くように設置されている。前述のように、本実施の形態に係る車両検出装置1は、カメラ部4によって側射方式によって、車両23のタイヤホイールを撮像するものであるので、本来的には、車両23のタイヤホイールを略真円として撮像できる低位置に設置するのが好適であるが、雨天時における水しぶき又は積雪時の影響を鑑みて、上記のような高さに設置している。したがって、車両23のタイヤホイールの高さ位置と比較して、上方からのカメラ部4による撮像となるので、撮像されたタイヤホイールは真円形状ではなく、楕円形状となる。
【0030】
また、柱22の上部には、車両検出装置1のうち、無線部8及び太陽電池9が設置されている。このうち、無線部8は、有線によって車両検出部2のインターフェース部7に接続されており、太陽電池9は、有線によって車両検出部2に収納された蓄電部10に接続されている。このように、無線部8及び太陽電池9を柱22の上部に設置するのは、無線部8については、データの送受信をしやすくするためであり、太陽電池9については、太陽光を受けやすくするためである。
【0031】
以上のように、本実施の形態に係る車両検出装置1は側射方式であるため、設置位置が車線直上である直上形感知器のように、柱からアームを張り出して設置する必要がないため、工事における材料及び工事費の増大を抑制し、かつ、美観を損なうことがないという利点がある。
【0032】
なお、車両検出部2の設置位置を、柱22において地面から略3.5[m]としているが、この高さに限定されるものではなく、例えば、水しぶき又は積雪等の影響が全くない環境(例えば、トンネルの中等)においては、車両23のタイヤホイールの高さと略同一の高さの位置に設置するものとしてよい。
【0033】
(車両検出装置1による車両検出処理)
図3は、本発明の実施の形態1に係る車両検出装置1におけるカメラ部4が撮像する画像処理映像31を示す図であり、図4は、同車両検出装置1におけるカメラ部4の画像処理映像31において車両の車輪のタイヤホイールを検出する状態を示す図であり、そして、図5は、同車両検出装置1による車両検出の処理を示すフローチャートである。ここで、「車両検出処理」とは、車両の存在の検出、車両の車種の検出、及び車両の速度の検出を示すものとする。
【0034】
図3で示される画像処理映像31は、カメラ部4によって撮像される映像画面を示している。この画像処理映像31の下部には、車両の車輪のタイヤホイールを検出するためのエリアである検出エリアDt1、Dt2が構成されている。車道を走行する車両の前輪及び後輪の中心を結ぶ線は、地面に対して略水平であるので、この2つの検出エリアDt1、Dt2も画像処理映像31内において略水平となるように設定され、かつ、この検出エリアDt1と検出エリアDt2との間は、画像処理映像の縮尺から実際の距離を算出し、検出間距離L0[m]だけ離れるように設定されている。また、検出エリアDt1は、画像処理映像31内において、検出エリアDt2より車両32の進行方向の手前側に設定されている。例えば、車両23の進行方向として画像処理映像31の右側から左側を想定する場合には、画像処理映像31内において、検出エリアDt1が検出エリアDt2の右側に設定されている。このような、検出エリアDt1、Dt2の設定、及び、検出間距離L0の設定は、コンソール11によって実施するものとすればよい。
【0035】
なお、検出エリアDt1、Dt2は、それぞれ本発明の「第1検出エリア」及び「第2検出エリア」に相当する。
【0036】
以下、図4及び図5を参照しながら、車両検出装置1による車両検出処理について説明する。なお、図4においては、便宜上、車両23の車輪の高さからカメラ部4によって撮像される場合、すなわち、車両23のタイヤホイールが略真円形状として撮像できる位置によって撮像される場合を示している。
【0037】
(S1)
制御部5は、画像処理映像31の検出エリアDt1において、車両23の前輪23aのタイヤホイールが検出されたか否かを判定する。その判定の結果、前輪23aのタイヤホイールが検出された場合、ステップS2へ進み、検出されない場合、前輪23aのタイヤホイールが検出されたか否かの判定を継続する。このように検出エリアDt1において、車両23の前輪23aが検出された状態を示すのが、図4(a)で示される画像処理映像31である。
【0038】
(S2)
制御部5は、画像処理映像31の検出エリアDt1において、車両23の前輪23aのタイヤホイールが検出された時点で、タイマーT1及びタイマーT2によるタイムカウントを開始する。そして、ステップS3へ進む。
【0039】
(S3)
制御部5は、画像処理映像31の検出エリアDt1において、車両23の後輪23bのタイヤホイールが検出されたか否かを判定する。その判定の結果、後輪23bのタイヤホイールが検出された場合、ステップS4へ進み、検出されない場合、後輪23bのタイヤホイールが検出されたか否かの判定を継続する。このように検出エリアDt1において、車両23の前輪23aが検出された状態を示すのが、図4(b)で示される画像処理映像31である。
【0040】
(S4)
制御部5は、タイマーT1のタイムカウントを停止し、タイマーT1のタイムカウント値、すなわち、検出エリアDt1において車両23の前輪23aのタイヤホイールが検出されてから後輪23bのタイヤホイールが検出されるまでの時間を、記憶部6に一時記憶させる。そして、ステップS5へ進む。
【0041】
(S5)
制御部5は、記憶部6に記憶したタイマーT1のタイムカウント値を、ホイールベースHb通過時間Thbとして決定する。そして、後述するステップS10の処理終了を確認後、ステップS11へ進む。
【0042】
(S6)
制御部5は、画像処理映像31の検出エリアDt2において、車両23の前輪23aのタイヤホイールが検出されたか否かを判定する。その判定の結果、前輪23aのタイヤホイールが検出された場合、ステップS7へ進み、検出されない場合、前輪23aのタイヤホイールが検出されたか否かの判定を継続する。このように検出エリアDt2において、車両23の前輪23aが検出された状態を示すのが、図4(b)で示される画像処理映像31である。
【0043】
(S7)
制御部5は、画像処理映像31の検出エリアDt2において、車両23の前輪23aのタイヤホイールが検出された場合、「車両の存在」有りとして、フラグFlgをONとし、このフラグFlgのONデータを記憶部6に一時記憶する。そして、ステップS8へ進む。
なお、このフラグFlgのON/OFFの切り替えタイミングは高速であると考えられることから、記憶部6ではなく、制御部5のCPUに内蔵され、高速に読み書きが可能なバッファ又はレジスタに一時記憶されるものとしてもよい。
【0044】
(S8)
制御部5は、ステップS2においてタイムカウントが開始されたタイマーT2のタイムカウントを停止し、タイマーT2のタイムカウント値、すなわち、検出エリアDt1において車両23の前輪23aのタイヤホイールが検出されてから、検出エリアDt2において前輪23aのタイヤホイールが検出されるまでの時間を、記憶部6に一時記憶させる。そして、ステップS9へ進む。
【0045】
(S9)
制御部5は、記憶部6に記憶したタイマーT2のタイムカウント値を、前輪通過時間Tfrontとして決定する。そして、ステップS10へ進む。
【0046】
(S10)
制御部5は、記憶部6に記憶された検出間距離L0及び前輪通過時間Tfrontから、下記の式(1)によって、車両23の速度Vを算出する。
【0047】
V=L0/Tfront (1)
【0048】
そして、前述のステップS5の処理終了を確認後、ステップS11へ進む。
【0049】
(S11)
制御部5は、ステップS10において算出した速度V、及び、ステップS5において求めたホイールベースHb通過時間Thbから、下記の式(2)によって、車両23の前輪と後輪との距離であるホイールベースHbを算出する。
【0050】
Hb=V×Thb (2)
【0051】
そして、ステップS12へ進む。
【0052】
(S12)
制御部5は、ステップS11において算出したホイールベースHb、及び、記憶部6に記憶されたホイールベースHbと車種(小型車又は大型車等)との関連付けデータに基づいて、ホイールベースHbを算出した車両23の車種を判定する。そして、ステップS13へ進む。
なお、上記のように車種としては小型車か大型車かの判定をする場合を例示しているが、ホイールベースHbによって、3種類以上の車種に細分化して車種を判定するものとしてもよい。
【0053】
(S13)
制御部5は、画像処理映像31の検出エリアDt2において、車両23の後輪23bのタイヤホイールが検出され、さらに、通過したか否かを判定する。その判定の結果、後輪23bのタイヤホイールが通過した場合、ステップS14へ進み、通過していない場合、後輪23bのタイヤホイールが通過されたか否かの判定を継続する。
【0054】
(S14)
制御部5は、ステップS11において算出したホイールベースHb、及び、記憶部6に記憶されたホイールベースHbと車両の平均車長との関連付けデータに基づいて、車長からホイールベースHb部分を除いた未計測部分(バンパー又はトランク部分等)を加味した保持時間Thoを求め、この保持時間Thoが経過したか否かを判定する。この判定の結果、保持時間Thoが経過した場合、ステップS15へ進み、経過していない場合は、引き続き保持時間Thoが経過したか否かの判定を継続する。
【0055】
(S15)
制御部5は、保持時間Thoが経過した時点で、「車両の存在」無しとして、フラグFlgをOFFとし、このフラグFlgのOFFデータを記憶部6に一時記憶する。そして、ステップS1及びステップS6へ戻り、再び、車両検出処理を繰り返す。この時点で、制御部5は、インターフェース部7を介して、又は、無線部8を介して、「車両の存在」データ(例えば、インターフェース部7のフォトカプラーによるON信号)、「車種」データ、及び、「速度」データの各検出データを外部(交通信号制御機又は交通管制センター等)に送信する。
なお、上記の各検出データをステップS15の処理時に送信するものとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、「車両の存在」データについては、ステップS7における検出エリアDt2において、車両23の前輪23aのタイヤホイールが検出された場合、すなわち、「車両の存在」有りとしてフラグFlgをONとしたタイミングで送信するものとしてもよい。また、「車種」データについては、ステップS12における車両23の車種の判定時のタイミングで送信するものとしてもよい。そして、「速度」データについては、ステップS10における車両23の速度Vの算出時のタイミングで送信するものとしてもよい。
また、少なくとも「車両の存在」データを外部に送信するものとし、必ずしも「車種」データ及び「速度」データを外部に送信する必要はなく、外部からの必要性に応じて送信するものとすればよい。
【0056】
以上のような、動作のように、車両の大きな特徴である前輪及び後輪のタイヤホイールに着眼し、車両検出処理を実施するので、確実性の高い「車両の存在」の検出が可能となる。
また、画像処理映像31に車両の車輪のタイヤホイールを検出するエリアとして2つの検出エリアDt1、Dt2を設定しているので、車両の車種及び速度の検出が可能となる。
【0057】
なお、図4(c)で示されるように、大型トラック等の大型車の場合、車両24のように後輪として2つ(両輪を考えた場合4つ)備える場合がある。このとき、車両24の前輪24aに近い方の後輪を第1後輪24bとし、後方側の後輪を第2後輪24cとする。この場合のステップS13においての検出エリアDt2における、車両24の後輪のタイヤホイールの検出方法としては以下のように実施すればよい。すなわち、まず、検出エリアDt2には、第1後輪24bが進入するので、第1後輪24bのタイヤホイールが検出されることになる。さらに、制御部5は、通常では、この検出エリアDt2から第1後輪24bが通過したことを判定するが、第1後輪24bが通過したことを検出される前、又は、第1後輪24bが通過したことを検出された後の保持時間Tho経過中に、検出エリアDt2において、第2後輪24cのタイヤホイールが検出されることになる。したがって、制御部5は、検出エリアDt2において、この第2後輪24cのタイヤホイールが検出されることをもって、「車両の後輪のタイヤホイールが検出」されたものとして扱うものとすればよい。この検出方法は、ステップS3においての検出エリアDt1における車両の後輪のタイヤホイールの検出方法にも適用すればよい。
【0058】
(実施の形態1の効果)
以上の構成及び動作のように、カメラ部4の検出対象として、どのような車両においても同様の形状であるタイヤホイールに着眼したことによって、どのような車両においても高い確実性をもって、車両の存在等の検出が可能であることが期待できる。
【0059】
また、画像処理映像31に車両の車輪のタイヤホイールを検出するエリアとして2つの検出エリアDt1、Dt2を設定しているので、車両の車種及び速度の検出が可能となる。
【0060】
また、カメラ部4による側射方式を採用したことにより、設置位置が車線直上である直上形感知器のように、柱からアームを張り出して設置する必要がないため、工事における材料及び工事費の増大を抑制し、かつ、美観を損なうことがないという利点がある。
【0061】
なお、夕方又は夜間等において、カメラ部4による撮像のための十分な照度が得られない場合、赤外線照明をオプションとして設置し、その赤外線照明による赤外線を、車両の車輪のタイヤホイールに向けて照射し、反射される赤外線をカメラ部4が画像として検出するものとしてもよい。この場合、カメラ部4は、赤外線を検出できる赤外線カメラとしての機能を有する必要がある。
【0062】
実施の形態2.
本実施の形態に係る車両検出装置1について、実施の形態1に係る車両検出装置1と相違する点を中心に説明する。
【0063】
(車両検出装置1の省電力機能について)
図6は、本発明の実施の形態2に係る車両検出装置1においてカメラ部4の画像処理映像31における検出エリアDt3が車両のヘッドライト光を検出する状態を示す図である。
交通量の少ない夜間において、交通量の多い昼間と同等に、制御部5のCPUに対して負荷をかけるものとすると、余分な電力を消費することになる。そこで、本実施の形態に係る車両検出装置1は、交通量の少ない夜間においては、制御部5のCPUの負荷を低減させて、消費電力を低減する省電力機能を備える。
【0064】
まず、車両検出装置1の制御部5は、カメラ部4によって撮像される画像処理映像31の全体の輝度平均値を算出し、その輝度平均値が所定の閾値未満である場合、夜間であると判定する。なお、この場合の所定の閾値は、本発明の「第1所定値」に相当する。夜間であると判定した場合、制御部5は、画像処理負荷を下げるため、カメラ部4のフレームレートを下げ、CPUのクロック周波数を下げて、省電力状態(スリープ状態)とする。
【0065】
この画像処理映像31の右端部には、車両23が照射するヘッドライト光41を検出するためのエリアである検出エリアDt3が構成されている。このような、検出エリアDt3の設定は、コンソール11によって実施するものとすればよい。なお、図6の例では、画像処理映像31の右端部に検出エリアDt3を設定した場合を示すが、本発明はこれに限られるものではない。画像処理映像31内における車両23の進行方向手前側の端部に、検出エリアDt3を設定するものであれば良い。例えば、車両23の進行方向として画像処理映像31の左側から右側を想定する場合には、画像処理映像31の左端部に検出エリアDt3を設定するようにしても良い。
制御部5は、車両23が車両検出装置1が設置された箇所に近づくことにより、車両23のヘッドライト光41によって、画像処理映像31の検出エリアDt3における輝度平均値がだんだん高くなり、検出エリアDt3における輝度平均値が所定の閾値に達した時点(この時点で、画像処理映像31内には車両23は進入していないものとする)で、車両23が進入する前兆であると判定する。なお、この場合の所定の閾値は、本発明の「第2所定値」に相当する。制御部5は、車両23の進入の前兆を判定した場合、画像処理負荷を元に戻すため、カメラ部4のフレームレート及びCPUのクロック周波数を元に戻し、アクティブ状態にする。そして、制御部5は、実施の形態1で説明したように、車両検出処理を実行する。
【0066】
また、制御部5は、車両23について車両検出処理の実施後、所定時間経過後に、再びスリープ状態にする。この所定時間としては、例えば、通過した車両23の速度から通常取られるであろう車間距離を同速度で通過する時間等が考えられる。
【0067】
なお、検出エリアDt3は、本発明の「第3検出エリア」に相当する。
【0068】
(実施の形態2の効果)
以上のように、省電力機能を有する車両検出装置1は、夜間中、かつ、車両が走行していない状態においては、スリープ状態にすることによって、消費電力を低減することができる。
【0069】
また、検出エリアDt3によるヘッドライト光41の検出によってアクティブ状態となり、制御部5による車両検出処理の実行後から所定時間後に、再び、スリープ状態とすることによって、さらなる消費電力の低減を図ることが可能となる。
【符号の説明】
【0070】
1 車両検出装置、2 車両検出部、3 電源部、4 カメラ部、5 制御部、6 記憶部、7 インターフェース部、8 無線部、9 太陽電池、10 蓄電部、11 コンソール、21 車道、22 柱、23 車両、23a 前輪、23b 後輪、24 車両、24a 前輪、24b 第1後輪、24c 第2後輪、31 画像処理映像、41 ヘッドライト光、Dt1〜Dt3 検出エリア。
図1
図3
図5
図2
図4
図6