(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の実施形態では、情報提供装置が接続される通信網の一例としてIP(Internet Protocol)網を例に挙げて説明するが、通信網はこれに限定されるものではない。また、以下の実施形態では、広告配信装置から送信される広告コンテンツの一例としてバナー広告を例に挙げて説明するが、広告コンテンツはこれに限られるものではない。
【0011】
(第1の実施形態)
〔1−1.情報提供方法〕
まず、
図1A及び
図1Bを用いて、第1の実施形態に係る情報提供方法の一例について説明する。かかる
図1A及び
図1Bにおいて説明する情報提供方法では、情報提供装置100によるユーザ情報の収集処理、および、情報提供装置100による広告配信装置200へのユーザ情報の提供処理が行われる。また、この情報提供方法では、これらの処理に加え、情報提供装置100がサイト提供装置10を評価する処理が行われる。以下、これらの処理を順に説明する。
【0012】
まず、
図1Aを用いて、情報提供装置100によるユーザ情報の収集処理、および、情報提供装置100による広告配信装置200へのユーザ情報の提供処理について説明する。なお、
図1A及び
図1Bに示したサイト提供装置10及び広告配信装置200は、それぞれウェブページを提供するが、以下では、双方のウェブページを区別するために、サイト提供装置10によって提供されるウェブページを「サイトページ」と表記し、広告配信装置200によって提供されるウェブページを「ポータルページ」と表記する場合がある。ここでは、便宜上「ポータルページ」と表記したが、広告配信装置200はポータルサイト以外のウェブページを提供する場合もある。
【0013】
図1Aに示すように、ユーザ端末20がサイト提供装置10によって提供されるサイトページを取得するために、サイト提供装置10にアクセスする(ステップS10)。サイト提供装置10によって提供されるサイトページには、かかるサイトページにアクセスしたユーザ端末20を識別するためのユーザ識別情報を情報提供装置100に通知する処理を行う通知機能(以下、第1通知機能と表記する)が埋め込まれる。このような第1通知機能は、例えば、ウェブビーコンによって実現される。
【0014】
ユーザ端末20は、サイト提供装置10のサイトページに埋め込まれた第1通知機能に基づき、情報提供装置100にアクセスする(ステップS11)。情報提供装置100は、第1通知機能に基づいてユーザ端末20からアクセスされた場合に、かかるユーザ端末20のアクセス先であるサイト提供装置10を特定し、特定したアクセス先の情報をユーザ情報Daと、ユーザ識別情報(ユーザID)と関連付けてユーザ情報DB(Data Base)に格納する(ステップS12)。
【0015】
または、情報提供装置100は、ユーザ端末20のアクセス先の情報に加え、かかるアクセス先の情報に基づいて、サイコグラフィック属性やデモグラフィック属性を判定し、判定した属性情報をユーザ情報Daとしてユーザ情報DBに格納する。さらに、情報提供装置100は、ユーザ端末20がアクセスしたサイト提供装置10からユーザ端末20のユーザに関するデモグラフィック属性を取得し、取得したデモグラフィック属性をユーザ情報DBに格納することもできる。
【0016】
このようにして、情報提供装置100は、ユーザ情報をユーザ識別情報に関連付けてユーザ情報DBに記憶する。ユーザの識別は、例えば、ユーザ端末20と情報提供装置100との間でやり取りされるHTTPクッキー(HyperText Transfer Protocol Cookie:以下、単に「クッキー」と表記する)にユーザ識別情報を含めることよって行うことができる。また、ユーザ端末20に専用のプログラムを設定し、かかる専用プログラムからユーザ識別情報を送信させるようにすることもできる。
【0017】
上記のように、情報提供装置100は、サイト提供装置10の協力の下、サイト提供装置10を介してユーザ端末20からアクセスされることにより、かかるユーザ端末20のユーザ情報を取得することができる。このようにサイト提供装置10が情報提供装置100にユーザ情報を直接提供しない場合もあるが、以下では、サイト提供装置10がユーザ端末20を情報提供装置100にアクセスさせることにより情報提供装置100に提供するユーザ情報についても、単に「サイト提供装置10が提供するユーザ情報」と表記する場合がある。
【0018】
次に、情報提供装置100による広告配信装置200へのユーザ情報の提供処理について説明する。
図1Aに示すように、ユーザ端末20が広告配信装置200によって提供されるポータルページを取得するために、広告配信装置200にアクセスする(ステップS13)。広告配信装置200のポータルページには、かかるポータルページにアクセスしたユーザ端末20を識別するためのユーザ識別情報を情報提供装置100に通知する処理を行う通知機能(以下、第2通知機能と表記する)が埋め込まれる。このような第2通知機能は、上述した第1通知機能と同様に、例えば、ウェブビーコンによって実現される。
【0019】
ユーザ端末20は、ポータルページに埋め込まれた第2通知機能に基づき、情報提供装置100にアクセスする。情報提供装置100は、第2通知機能に基づいてユーザ端末20からアクセスされた場合に、かかるユーザ端末20のユーザを識別し(ステップS14)、識別したユーザに対応するユーザ情報Daをユーザ情報DBから読み出して広告配信装置200に提供する(ステップS15)。なお、ユーザの識別は、例えば、上述したクッキーなどによって行うことができる。
【0020】
広告配信装置200は、情報提供装置100からユーザ情報Daを取得すると、かかるユーザ情報Daに応じた広告コンテンツを選択してユーザ端末20へ送信する(ステップS16)。これにより、広告配信装置200では、ユーザ情報に対応する広告コンテンツを選択的に配信するターゲティング配信を行うことができる。
【0021】
このように、広告配信装置200は、ユーザ端末20を情報提供装置100にアクセスさせることにより、かかるユーザ端末20のユーザ情報を情報提供装置100から取得する。すなわち、広告配信装置200は、ユーザ端末20を介して、情報提供装置100に対してユーザ情報の取得要求を送信することとなる。
【0022】
ところで、
図1Aでは図示することを省略したが、情報提供装置100は、複数のサイト提供装置10を介してユーザ情報を収集し、また、複数の広告配信装置200に対してユーザ情報を提供する。かかる情報提供装置100を管理する情報提供業者は、各広告配信業者に対して、ターゲティング配信に貢献するユーザ情報を提供するほど、各広告配信業者から多くの対価を得ることができると考えられる。すなわち、情報提供業者としては、効率的に対価が得られるようなユーザ情報の取得元となるサイト提供業者を選定するために、サイト提供業者を高精度に評価することが望ましい。
【0023】
そこで、第1の実施形態に係る情報提供装置100は、各サイト提供業者を介して得られるユーザ情報と、第2通知機能に基づくユーザ端末20からのアクセスを用いて、各サイト提供業者を評価する。以下、情報提供装置100によるサイト提供装置10を評価する処理について
図1Bを用いて説明する。
【0024】
図1Bに示した例において、第1の実施形態に係る情報提供装置100は、サイト提供装置Xやサイト提供装置Yを介してユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報をユーザ情報DB120に格納する(ステップS20)。このとき、情報提供装置100は、ユーザ情報とともに、かかるユーザ情報の取得元となったサイト提供装置を識別するための情報についてもユーザ情報DB120に格納する。
【0025】
図1Bに示した例では、ユーザ情報DB120は、ユーザID「U11」によって識別されるユーザが「食べ物」に興味があることを示すユーザ情報と、かかるユーザ情報がサイト提供装置Xの協力によって取得できたことを示す情報を記憶する。また、ユーザ情報DB120は、ユーザID「U12」によって識別されるユーザが「車」に興味があることを示すユーザ情報と、かかるユーザ情報がサイト提供装置Yの協力によって取得できたことを示す情報を記憶する。なお、
図1Bに示した例において、ユーザ端末20
1は、ユーザIDが「U11」であるユーザU11によって利用されており、ユーザ端末20
2は、ユーザIDが「U21」であるユーザU21によって利用されているものとする。
【0026】
このような構成の下、例えば、広告配信装置Aは、ユーザ端末20
1からアクセスされた場合、第2通知機能によりユーザ端末20
1を情報提供装置100にアクセスさせる。すなわち、広告配信装置Aは、ユーザ端末20
1を介して、ユーザ情報の取得要求を情報提供装置100に送信する(ステップS21)。
【0027】
そして、情報提供装置100は、第2通知機能によりユーザ端末20
1からアクセスされた場合に、ユーザ端末20
1のユーザ情報をユーザ情報DB120から取得し、取得したユーザ情報を広告配信装置Aに提供する(ステップS22)。ここで、第1の実施形態に係る情報提供装置100は、広告配信装置Aの第2通知機能によりユーザ端末20
1からアクセスされたので、ユーザ端末20
1が広告配信装置Aにアクセスしたと判定できる。そこで、第1の実施形態に係る情報提供装置100は、ユーザ端末20
1が広告配信装置Aにアクセスしたことを示すアクセス情報をユーザ情報DB120に格納する(ステップS23)。
【0028】
さらに、広告配信装置Aは、ユーザ端末20
2からアクセスされ、情報提供装置100からユーザ端末20
2のユーザ情報を取得したものとする。かかる場合に、情報提供装置100は、ユーザ端末20
2が広告配信装置Aにアクセスしたことを示すアクセス情報をユーザ情報DB120に格納する。また、広告配信装置B及びCについても、ユーザ端末20
2からアクセスされ、情報提供装置100からユーザ端末20
2のユーザ情報を取得したものとする。かかる場合に、情報提供装置100は、ユーザ端末20
2が広告配信装置B及びCにアクセスしたことを示すアクセス情報をユーザ情報DB120に格納する。
【0029】
これにより、
図1Bに示すように、ユーザ情報DB120は、ユーザID「U11」であるユーザ端末20
1が広告配信装置Aにアクセスしたことを示すアクセス情報と、ユーザID「U12」であるユーザ端末20
2が広告配信装置A、B及びCにアクセスしたことを示すアクセス情報とを記憶することとなる。
【0030】
そして、第1の実施形態に係る情報提供装置100は、ユーザ情報DB120に記憶されているアクセス情報に基づいて、各サイト提供装置によって提供されたユーザ情報に対応するユーザ端末がアクセスした広告配信装置に応じて、各サイト提供装置を評価する。(ステップS24)。例えば、第1の実施形態に係る情報提供装置100は、サイト提供装置X及びYの中で、多数の広告配信装置にアクセスしたユーザ端末のユーザ情報を提供したサイト提供装置ほど高い評価値を算出する。
【0031】
図1Bに示したユーザ情報DB120の例の場合、ユーザID「U11」であるユーザ端末20
1が、1台の広告配信装置Aだけにアクセスしたことを示しており、ユーザID「U12」であるユーザ端末20
2が、3台の広告配信装置A、B及びCにアクセスしたことを示している。この例の場合、情報提供装置100は、ユーザID「U11」のユーザ情報を広告配信装置Aのみに提供する可能性が高いが、ユーザID「U12」のユーザ情報については複数の広告配信装置A、B及びCに提供する可能性が高い。すなわち、情報提供装置100は、ユーザID「U11」のユーザ情報よりも、ユーザID「U12」のユーザ情報を複数の広告配信装置に提供できるので、各広告配信業者から多くの対価を得られる可能性が高い。このため、情報提供装置100は、ユーザID「U11」のユーザ情報を提供したサイト提供装置Xよりも、ユーザID「U12」のユーザ情報を提供したサイト提供装置Yを高く評価する。また、情報提供装置100は、この例に限られず、各サイト提供装置が提供するユーザ情報のうち、各広告配信装置にアクセスしたユーザのユーザ数が多いサイト提供装置や、各サイト提供装置が提供するユーザ情報のうち、各広告配信装置にアクセスしたユーザのユーザ数の割合が高いサイト提供装置を高く評価してもよい。
【0032】
このように、第1の実施形態に係る情報提供方法では、情報提供装置100は、ユーザ端末がアクセスした広告配信装置の数に応じて、かかるユーザ端末のユーザ情報を提供したサイト提供装置10を評価する。すなわち、第1の実施形態に係る情報提供方法は、多くの広告配信業者に寄与するユーザ情報を提供するサイト提供装置10を高く評価し、特定の広告配信業者のみに寄与するユーザ情報を提供するサイト提供装置10を低く評価するので、情報提供業者にとって効率的に対価が得られるようなユーザ情報を提供するサイト提供業者であるか否かを高精度に評価することができる。
【0033】
なお、上述では、ユーザがサイト提供装置10のサイトページへアクセスした情報やそれに基づく情報をユーザ情報としたがユーザ情報はかかる情報に限定されるものではない。すなわち、ユーザへコンテンツを提供する提供装置に対するアクセス情報やそれに基づく情報をユーザ情報とすることができる。
【0034】
以下、第1の実施形態に係る情報提供方法を実行する情報提供装置100及び広告配信装置200について
図2〜
図10を参照してさらに詳細に説明する。なお、
図1Bに示した例では、多数の広告配信装置にアクセスしたユーザ端末に関するユーザ情報であるか否かに基づいてサイト提供装置を評価する例について説明した。以下では、かかる評価基準だけでなく他の評価基準を用いた上でサイト提供装置を評価する例について説明する。
【0035】
〔1−2.広告配信システムの構成〕
次に、
図2を用いて、第1の実施形態に係る広告配信装置が含まれる広告配信システムの構成について説明する。
図2に例示するように、第1の実施形態に係る広告配信システム1には、サイト提供装置10
1〜10
nと、ユーザ端末20
1〜20
mと、情報提供装置100と、広告配信装置200
1〜200
Nとが含まれる。これらの各種装置は、通信網40を介して通信可能に接続される。サイト提供装置10
1〜10
nはサイト運営者によって管理され、情報提供装置100は情報提供業者によって管理され、広告配信装置200
1〜200
Nは広告配信業者によって管理される。なお、
図2では、1台の情報提供装置100を図示したが、広告配信システム1には、複数台の情報提供装置100が含まれる場合もある。
【0036】
以下では、サイト提供装置10
1〜10
nを区別する必要がない場合には、これらを総称して「サイト提供装置10」と表記する場合がある。また、ユーザ端末20
1〜20
mを区別する必要がない場合には、これらを総称して「ユーザ端末20」と表記する場合がある。また、広告配信装置200
1〜200
Nを区別する必要がない場合には、これらを総称して「広告配信装置200」と表記する場合がある。
【0037】
サイト提供装置10は、ユーザ端末20からアクセスされた場合に、各種サイトページを提供するサーバ装置である。上記の通り、サイト提供装置10によって提供されるサイトページは、ウェブビーコン等によって実現される第1通知機能が埋め込まれる。例えば、ウェブビーコンは、サイトページにアクセスしたユーザ端末20を情報提供装置100内に格納される透明な画像又は非常に小さな画像(「クリアGIF」と呼ばれることもある)にアクセスさせる機能を有する。これにより、情報提供装置100は、ユーザ端末20から情報を取得することができる。このような通知プログラムであるウェブビーコンによって情報提供装置100がユーザ端末20から取得する情報には、サイト提供装置10の識別情報や、サイトページへのアクセス毎に異なる固有のアクセス固有情報などの情報が含まれる。なお、これらの情報提供装置100の識別情報やアクセス固有情報は、例えば、ユーザ端末20から情報提供装置100に送信されるHTTPリクエストのクエリに第1通知機能により設定される。
【0038】
ユーザ端末20は、ユーザによって利用されるPC(Personal Computer)やPDA(Personal Digital Assistant)等である。かかるユーザ端末20は、ユーザの操作に従って、サイト提供装置10によって提供されるサイトページや、広告配信装置200によって提供されるポータルページにアクセスする。
【0039】
広告配信装置200は、ユーザ端末20からアクセスがあった場合に、バナー広告等の広告コンテンツを含むポータルページ(例えば、ポータルサイト等のウェブページ)を提供する情報処理装置である。上記の通り、広告配信装置200によって提供されるポータルページは、ウェブビーコン等によって実現される第2通知機能が埋め込まれる。かかるウェブビーコンは、ポータルページにアクセスしたユーザ端末20を情報提供装置100内に格納される透明な画像又は非常に小さな画像にアクセスさせる機能を有する。これにより、情報提供装置100は、ユーザ端末20から情報を取得する。第2通知機能によって情報提供装置100がユーザ端末20から取得する情報には、広告配信装置200の識別情報や、ポータルページへのアクセス毎に異なる固有のアクセス固有情報などの情報が含まれる。これらの広告配信装置200の識別情報やアクセス固有情報は、例えば、ユーザ端末20から情報提供装置100に送信されるHTTPリクエストのクエリに第2通知機能により設定される。
【0040】
情報提供装置100は、ユーザ端末20によるサイト提供装置10へのアクセス状況を収集し、かかる収集結果に基づいて広告配信装置200に対してユーザ情報を提供する情報処理装置である。かかる情報提供装置100は、サイト運営者の協力の下、複数のサイト提供装置10を介してユーザ情報を収集し、収集したユーザ情報を統合や加工等して広告配信装置200に提供する。そして、このような情報提供装置100を管理する情報提供業者は、ユーザ情報を提供することに対する対価を広告配信業者から得るとともに、ユーザ情報の取得に協力したことに対する対価をサイト運営者に支払う。
【0041】
第1の実施形態に係る情報提供装置100は、複数のサイト提供装置10によって提供される各サイトページに対してユーザ端末20がアクセスしたことを契機に、第1通知機能によりユーザ端末20からアクセスを受け付ける。このとき、情報提供装置100は、ユーザ端末20との間でユーザ識別情報を送受信することにより、各ユーザ端末20を識別する。例えば、情報提供装置100は、ユーザ識別情報として、クッキー等をユーザ端末20に送信する。これにより、情報提供装置100は、どのようなサイトページにアクセスしたユーザ端末20であるかを識別できるので、ユーザ端末20のユーザ情報(サイトページのアクセス履歴等)を取得することができる。そして、情報提供装置100は、これらの各種ユーザ情報を広告配信装置200に提供することにより、広告配信装置200によるターゲティング配信を可能にする。
【0042】
〔1−3.情報提供装置100の構成〕
次に、
図3を用いて、第1の実施形態に係る情報提供装置100の構成について説明する。
図3に例示するように、第1の実施形態に係る情報提供装置100は、通信I/F(interface)110と、ユーザ情報DB120と、制御部130とを有する。
【0043】
通信I/F110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等である。制御部130は、通信I/F110を介して、通信網40に接続されたサイト提供装置10、ユーザ端末20及び広告配信装置200との間で各種データを送受信する。
【0044】
ユーザ情報DB120は、アクセス履歴テーブル121、ユーザ属性テーブル122が含まれる。かかるユーザ情報DB120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置である。
【0045】
制御部130は、取得部131と、生成部132と、要求応答部133と、格納部134と、評価部135とを有する。かかる制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。また、制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、図示しない記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。かかる制御部130は、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現又は実行する。
【0046】
〔1−3(1).アクセス履歴テーブル121〕
次に、
図4を用いて、アクセス履歴テーブル121の一例について説明する。アクセス履歴テーブル121は、各ユーザ端末20が各サイト提供装置10へアクセスした履歴を示す情報を記憶する。
図4に示した例では、アクセス履歴テーブル121には、「ユーザID」毎に、「アクセス先情報」と「アクセス回数情報」とを対応付けた情報が含まれる。
【0047】
「ユーザID」は、ユーザ端末20を識別するためのユーザ識別情報である。かかる「ユーザID」は、情報提供装置100によってユーザ端末20毎に割り当てられる情報である。例えば、「ユーザID」は、情報提供装置100とユーザ端末20との間で送受信されるクッキーに埋め込まれる。なお、ユーザ端末20にブラウザが複数搭載されている場合には、1台のユーザ端末20に対して複数の「ユーザID」が割り当てられるが、ここでは、説明を分かり易くするためにユーザ端末20には1つのブラウザが搭載されているものとする。
【0048】
「アクセス先情報」は、ユーザ端末20がアクセスしたサイト提供装置10を示す情報である。また、「アクセス回数情報」は、ユーザ端末20がサイト提供装置10へアクセスした回数を示す情報である。
【0049】
なお、
図4に示した例では、アクセス履歴テーブル121の「ユーザID」は、
図2に示したユーザ端末20
1〜20
mに付した参照符号に該当するものとする。また、アクセス履歴テーブル121の「アクセス先情報」は、
図2に示したサイト提供装置10
1〜10
nに付した参照符号に該当するものとする。
【0050】
すなわち、
図4に示す例では、ユーザ端末20
1がサイト提供装置10
1に10回アクセスし、サイト提供装置10
2に1回アクセスしたことを示し、ユーザ端末20
2がサイト提供装置10
1にアクセスしておらず、サイト提供装置10
2に29回アクセスしたことを示している。このように、
図4に例示したアクセス履歴テーブル121は、ユーザ情報として、各ユーザ端末20がどのようなサイトページにアクセスしたことがあるかを示すアクセス履歴を記憶する。
【0051】
〔1−3(2).ユーザ属性テーブル122〕
次に、
図5を用いて、ユーザ属性テーブル122の一例について説明する。ユーザ属性テーブル122は、ユーザIDとユーザの属性情報とが関連付けられたユーザ情報を記憶する。
図5に示した例では、ユーザ属性テーブル122には、「ユーザID」毎に、「サイコグラフィック属性」と「デモグラフィック属性」と「取得元情報」と「アクセス情報」とを記憶する。
【0052】
「サイコグラフィック属性」は、ユーザの価値観、ライフスタイル、性格、嗜好などを示す情報である。かかる「サイコグラフィック属性」は、例えば、「コスメ(化粧品)」、「車」、「服」、「旅行」などの属性区分に分類される。
図5に示す例では、属性区分毎に、ユーザの嗜好が相対的に高い場合に「1」が記憶され、それ以外の場合には「0」が記憶される。ただし、これに限定されるものではなく、各属性区分は、例えば、ユーザの嗜好を3段階以上に評価した情報を記憶してもよい。また、「サイコグラフィック属性」は、
図5に示した属性区分の例に限られず、バイク、経済など様々な属性区分が含まれてもよい。
【0053】
「デモグラフィック属性」は、人口統計学的なユーザの属性情報を示す。かかる「デモグラフィック属性」は、例えば、ユーザの「性別」、「年齢」などの属性区分に分類される。
図5に示す「性別」には、ユーザが女性である場合には「1」が記憶され、ユーザが男性である場合には「2」が記憶され、ユーザの性別が不明の場合には「x」が記憶される。また、「年齢」には、ユーザの年齢が記憶され、ユーザの年齢が不明の場合には「x」が記憶される。なお、「デモグラフィック属性」は、
図5に示した属性区分の例に限られず、ユーザの職業、家族構成、年収、住所、学歴など様々な属性区分が含まれてもよい。
【0054】
ユーザ属性テーブル122に記憶されるユーザ情報である各種属性情報は、後述する生成部132によって、アクセス履歴テーブル121に記憶されているユーザ情報等が統合及び推定されることにより生成される。
【0055】
「取得元情報」は、ユーザ情報の取得元のサイト提供装置10に関するが記憶される。
図5に示した「取得元情報」は、
図2に示したサイト提供装置10
1〜10
nに付した参照符号に該当するものとする。
【0056】
「アクセス情報」は、ユーザ情報に対応するユーザ端末20がアクセスした広告配信装置200を識別するための識別情報が記憶される。
図5に示した「アクセス情報」は、
図2に示した広告配信装置200
1〜200
Nに付した参照符号に該当するものとする。
【0057】
例えば、
図5に示す例では、ユーザID「20
1」に対応する各種ユーザ情報(サイコグラフィック属性及びデモグラフィック属性)が、サイト提供装置10
1から提供されたことを示す。また、
図5に示す例では、ユーザID「20
1」であるユーザ端末20
1が、広告配信装置200
1によって提供されるポータルページにアクセスしたことを示す。
【0058】
また、例えば、
図5に示す例では、ユーザID「20
4」に対応する各種ユーザ情報が、サイト提供装置10
1及び10
2から提供され、ユーザ端末20
4が、広告配信装置200
1、200
2及び200
3にアクセスしたことを示す。
【0059】
〔1−4.広告配信装置200の構成〕
次に、
図6を用いて、第1の実施形態に係る広告配信装置200の構成について説明する。
図6に例示するように、第1の実施形態に係る広告配信装置200は、通信I/F210と、制御部230とを有する。
【0060】
通信I/F210は、例えば、NIC等である。制御部230は、通信I/F210を介して、通信網40に接続されたサイト提供装置10、ユーザ端末20及び情報提供装置100との間で各種データを送受信する。
【0061】
制御部230は、要求部231と、配信部232とを有する。かかる制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。また、制御部230は、例えば、CPUやMPU等によって、図示しない記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。かかる制御部230は、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現又は実行する。
【0062】
〔1−5.作用(属性情報更新処理)〕
次に、
図7を用いて、第1の実施形態に係る情報提供装置100による属性情報更新処理の手順について説明する。かかる属性情報更新処理は、制御部130によって繰り返し実行される処理である。
【0063】
図7に示すように、情報提供装置100の取得部131は、ユーザ端末20から第1通知機能に基づくアクセスがあったか否かを判定する(ステップS100)。例えば、取得部131は、サイト提供装置10によって提供されるサイトページに埋め込まれたウェブビーコンに基づくアクセスがあったか否かを判定する。かかる処理において、取得部131は、ユーザ端末20から第1通知機能に基づくアクセスがない場合には(ステップS100,No)、第1通知機能に基づくアクセスがあるまで待機する。
【0064】
一方、取得部131は、ユーザ端末20から第1通知機能へのアクセスがあった場合には(ステップS100,Yes)、かかるユーザ端末20からユーザ識別情報を受信したか否かを判定する(ステップS101)。例えば、取得部131は、ユーザ端末20からクッキーを受信したか否かを判定する。
【0065】
そして、取得部131は、ユーザ端末20からユーザ識別情報を受信した場合には(ステップS101,Yes)、取得したユーザ識別情報からユーザ端末20のユーザIDを取得する(ステップS102)。一方、取得部131は、ユーザ端末20からユーザ識別情報を受信していない場合には(ステップS101,No)、アクセス履歴テーブル121に含まれない新たなユーザIDを含むクッキー等のユーザ識別情報を生成し、生成したユーザ識別情報をユーザ端末20に送信する(ステップS103)。
【0066】
続いて、取得部131は、ユーザ端末20がアクセスした第1通知機能を含むサイトページを提供したサイト提供装置10を識別する(ステップS104)。具体的には、取得部131は、第1通知機能に基づくアクセスを行ったユーザ端末20からサイト提供装置10の識別情報を受信するので、かかる識別情報に基づいて、サイト提供装置10を識別する。例えば、ユーザ端末20は、第1通知機能に基づくアクセスを行う際に、アクセス先のURLに対して、サイト提供装置10の識別情報、及び、サイトページへのアクセス毎に異なるアクセス固有情報を加えて、情報提供装置100にアクセスする。取得部131は、ユーザ端末20によって第1通知機能に基づくアクセスがされた場合に、これらのサイト提供装置10の識別情報やサイトページへのアクセス固有情報に基づいて、ユーザ端末20がアクセスしたサイト提供装置10を識別する。
【0067】
続いて、取得部131は、アクセス履歴テーブル121のうち、ステップS102において取得したユーザ端末20のユーザID又はステップS103で新規に付与したユーザ端末20のユーザIDに対応し、かつ、ステップS104において取得したサイト提供装置10に対応する情報を更新する(ステップS105)。例えば、アクセス履歴テーブル121が
図4に示す状態にある場合に、ユーザ端末20
1がサイト提供装置10
1へアクセスした場合には、取得部131は、ユーザIDが「20
1」であり、アクセス先情報が「10
1」に対応するアクセス回数情報を「10」から「11」へ更新する。
【0068】
続いて、生成部132は、取得部131によって更新されたアクセス履歴テーブル121に基づいて、ユーザ属性テーブル122を更新する(ステップS106)。具体的には、生成部132は、取得部131によって更新されたユーザIDに対応するアクセス履歴テーブル121内の各種情報に基づいて、かかるユーザIDに対応するサイコグラフィック属性を生成し、生成した属性情報をユーザ属性テーブル122に格納する。このとき、生成部132は、ユーザ端末20のアクセス先であるサイト提供装置10を識別するための情報を取得元情報に格納する。そして、生成部132は、ユーザ属性テーブル122の更新が終了した場合に、属性情報更新処理を終了する。
【0069】
また、サイト提供装置10は、サイトページの会員ユーザ等に関するユーザの属性情報(サイコグラフィック属性やデモグラフィック属性)を保持する場合もある。このとき、サイト提供装置10は、ユーザ端末20が第1通知機能に基づくアクセスを行った際に、かかるユーザ端末20によるサイトページへのアクセスに対応するアクセス固有情報とともに、ユーザ端末20の属性情報(サイコグラフィック属性やデモグラフィック属性)を情報提供装置100に送信してもよい。この場合には、情報提供装置100の取得部131は、サイト提供装置10から受信したアクセス固有情報に対応するサイトページに埋め込まれた第1通知機能に基づくアクセスを行ったユーザ端末20を特定する。そして、取得部131は、
図4では図示することを省略したが、アクセスを行ったユーザ端末20のユーザIDに対応付けて、サイト提供装置10から受信した属性情報(サイコグラフィック属性やデモグラフィック属性)をアクセス履歴テーブル121に格納する。かかる場合には、生成部132は、アクセス履歴テーブル121に記憶されている属性情報を統合することにより、ユーザ属性テーブル122を生成及び更新することとなる。このとき、生成部132は、属性情報の送信元であるサイト提供装置10を識別するための情報をユーザ属性テーブル122の取得元情報に格納する。
【0070】
なお、ここでは、アクセス履歴テーブル121が更新される毎に、生成部132がユーザ属性テーブル122を更新することとしているが、生成部132は、アクセス履歴テーブル121の情報が所定数更新される毎にユーザ属性テーブル122を更新してもよい。また、生成部132は、アクセス履歴テーブル121に含まれる各ユーザIDに対応する情報が所定数更新される毎にユーザ属性テーブル122を更新してもよい。
【0071】
また、生成部132は、アクセス履歴テーブル121に基づいて、ユーザ属性テーブル122を生成する方法、言い換えれば、ユーザのウェブサイトへのアクセス履歴に基づいて、ユーザの属性情報を推定する方法として、種々の方法を用いることができる。例えば、サイト提供装置10
1が「コスメ」に関するサイトページを提供するものとする。このとき、生成部132は、ユーザ端末20
1がサイト提供装置10
1にアクセスした場合には、ユーザ端末20
1のユーザが「コスメ」に興味があると推定することができる。このとき、生成部132は、ユーザ端末20
1のユーザの性別が「女性」であることを推定してもよい。このように、生成部132は、アクセス履歴に基づいて、デモグラフィック属性を推定してもよい。この例の場合、生成部132は、ユーザID「20
1」に対応するユーザ属性テーブル122の「コスメ」及び「性別」の情報を「1」に更新するとともに、ユーザID「20
1」に対応する「取得元情報」に「10
1」を格納する。
【0072】
また、例えば、サイト提供装置10
1が「コスメ」に関するサイトページを提供し、サイト提供装置10
3が「女性服」に関するサイトページを提供するものとする。このとき、生成部132は、ユーザ端末20
1がサイト提供装置10
1及び10
3にアクセスした場合には、ユーザ端末20
1のユーザの性別が「女性」であると推定することができる。ここで、生成部132は、ユーザ端末20
1がサイト提供装置10
1にアクセスしたという情報だけでなく、サイト提供装置10
1にアクセスしたという情報と、サイト提供装置10
3にアクセスしたという情報とを統合することにより、ユーザの性別が「女性」であると精度良く推定することができる。すなわち、生成部132は、取得部131によって取得された多くのユーザ情報を統合するほど、ユーザの属性情報を高精度に推定することができる。この例の場合には、生成部132は、ユーザID「20
1」に対応するユーザ属性テーブル122の「性別」の情報を「1」に更新するとともに、ユーザID「20
1」に対応する「取得元情報」に「10
1、10
3」を格納する。
【0073】
このように、取得部131は、第1通知機能に基づいてアクセスしたユーザ端末20から取得したクッキー等のユーザ識別情報からユーザ端末20のユーザIDを取得し、また、ユーザ端末20がアクセスしたサイト提供装置10の情報を取得する。そして、取得部131は、取得した情報に基づいて、アクセス履歴テーブル121を生成及び更新する。そして、生成部132は、ユーザ属性テーブル122を生成および更新する。
【0074】
なお、アクセス履歴テーブル121に基づいて、ユーザ属性テーブル122を生成する方法として、例えば、ユーザ情報DB120に、別途不特定多数のユーザの嗜好情報(商品購入履歴情報やサイトへのアクセス履歴情報など)を記憶しておき、これらの嗜好情報に基づいて、ユーザの属性を推定する協調フィルタリング技術など、種々の方法を用いることができる。
【0075】
〔1−6.作用(情報提供処理)〕
次に、
図8を用いて、第1の実施形態に係る情報提供装置100による情報提供処理の手順について説明する。かかる情報提供処理は、制御部130によって繰り返し実行される処理である。
【0076】
図8に示すように、制御部130の要求応答部133は、ユーザ端末20から第2通知機能に基づくアクセスがあったか否かを判定する(ステップS200)。例えば、要求応答部133は、広告配信装置200によって提供されるポータルページに埋め込まれたウェブビーコンに基づくアクセスがあったか否かを判定する。この点について説明すると、広告配信装置200の要求部231は、ユーザ端末20からポータルページにアクセスされた場合に、第2通知機能を含むポータルページをユーザ端末20に送信することで、ユーザ端末20を情報提供装置100にアクセスさせる。すなわち、要求部231は、ユーザ端末20を介して、情報提供装置100に対してユーザ情報の取得要求を送信する。このため、情報提供装置100の要求応答部133は、ステップS200において、広告配信装置200からユーザ情報の取得要求を受信したか否かを判定することとなる。かかる判定処理において、要求応答部133は、ユーザ端末20から第2通知機能に基づくアクセスがない場合(ステップS200,No)、情報提供処理を終了する。
【0077】
一方、ユーザ端末20から第2通知機能に基づくアクセスがあった場合(ステップS200,Yes)、要求応答部133は、第2通知機能に基づくアクセスをしたユーザ端末20からクッキー等のユーザ識別情報を受信したか否かを判定する(ステップS201)。かかる処理において、要求応答部133は、ユーザ識別情報を受信した場合には(ステップS201,Yes)、受信したユーザ識別情報からユーザ端末20のユーザIDを取得する(ステップS202)。
【0078】
続いて、要求応答部133は、ユーザ端末20がアクセスした第2通知機能を含むポータルページを提供した広告配信装置200を識別する(ステップS203)。具体的には、要求応答部133は、第2通知機能に基づくアクセスをしたユーザ端末20から広告配信装置200の識別情報を受信するので、かかる識別情報に基づいて、広告配信装置200を識別する。例えば、ユーザ端末20は、第2通知機能に基づくアクセスを行う際に、アクセス先のURLに対して、広告配信装置200の識別情報、及び、ポータルページへのアクセス毎に異なるアクセス固有情報を加えて、情報提供装置100にアクセスする。要求応答部133は、ユーザ端末20によって第2通知機能に基づくアクセスがされた場合に、これらの広告配信装置200の識別情報やポータルページへのアクセス固有情報に基づいて、ユーザ端末20がアクセスした広告配信装置200を識別する。
【0079】
続いて、要求応答部133は、第2通知機能に基づくアクセスをしたユーザ端末20のユーザIDに対応するユーザ情報(属性情報)をユーザ属性テーブル122から抽出する(ステップS204)。具体的には、要求応答部133は、第2通知機能に基づくアクセスをしたユーザ端末20のユーザIDに対応付けてユーザ属性テーブル122に記憶されているサイコグラフィック属性及びデモグラフィック属性を抽出する。
【0080】
続いて、要求応答部133は、ユーザ属性テーブル122から抽出した属性情報をアクセス固有情報とともに、ステップS203で識別した広告配信装置200に送信する(ステップS205)。
【0081】
また、格納部134は、第2通知機能に基づくアクセスをしたユーザ端末20のユーザIDに対応するユーザ属性テーブル122のアクセス情報に、ステップS203において識別した広告配信装置200の識別情報を格納する(ステップS206)。すなわち、格納部134は、第2通知機能に基づくアクセスをしたユーザ端末20がアクセスした広告配信装置200の識別情報をユーザ属性テーブル122のアクセス情報に格納する。
【0082】
このようにして、広告配信装置200の要求部231は、情報提供装置100から送信された属性情報(ユーザ情報)及びアクセス固有情報を受信する。そして、広告配信装置200の配信部232は、要求部231によって受信されたアクセス固有情報に基づいて、第2通知機能が埋め込まれたポータルページにアクセスしたユーザ端末20を特定し、かかるユーザ端末20に対して、情報提供装置100から送信された属性情報に応じた広告コンテンツを配信する。これにより、ユーザ端末20は、広告配信装置200から広告コンテンツを含むポータルページが配信され、かかるポータルページをブラウザ等に表示する。
【0083】
なお、
図8では、情報提供装置100から広告配信装置200に送信するユーザ情報として、「サイコグラフィック属性」及び「デモグラフィック属性」を含む属性情報を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、情報提供装置100から広告配信装置200に送信するユーザ情報は、「サイコグラフィック属性」および「デモグラフィック属性」のいずれか一方を含む属性情報であってもよい。
【0084】
ところで、広告配信装置200は、ステップS200において、ユーザ端末20からポータルページにアクセスされた場合に、広告コンテンツを表示するための広告枠と、広告コンテンツ以外の各種コンテンツ(ニュース、他サイトへのリンクなど)を表示するためのポータルコンテンツ枠とを含むポータルページをユーザ端末20に提供する。この時点では、ユーザ端末20は、広告枠に広告コンテンツが表示されていないポータルページをブラウザに表示することとなる。そして、ユーザ端末20は、その後に、広告配信装置200から広告コンテンツが配信された場合に、ポータルページ内の広告枠のみをリロードするなどして、かかる広告枠に広告コンテンツを表示することができる。
【0085】
または、広告配信装置200は、ステップS200において、広告枠については、広告配信装置200の所定のURLにリダイレクトするように設定されたポータルページをユーザ端末20に提供してもよい。かかる場合に、ユーザ端末20は、広告枠に広告コンテンツが表示されていないポータルページをブラウザに表示することとなるが、広告枠については、上記所定のURLにアクセスする。そして、広告配信装置200は、広告枠に設定されたリダイレクト機能により、ユーザ端末20から上記所定のURLにアクセスされた場合に、かかるアクセスに対する応答として、広告コンテンツをユーザ端末20に配信してもよい。これにより、ユーザ端末20は、広告枠をリロードすることなく、広告配信装置200から配信された広告コンテンツを広告枠に表示することができる。
【0086】
〔1−7.作用(評価処理)〕
次に、
図9を用いて、第1の実施形態に係る情報提供装置100による評価処理の手順について説明する。
【0087】
図9に示すように、情報提供装置100の評価部135は、サイト提供装置10を評価するタイミングであるか否かを判定する(ステップS300)。例えば、評価部135は、予め決められている所定の日時になったか否かを判定する。また、例えば、評価部135は、情報提供装置100の管理者等から評価処理を行う旨の操作が行われたか否かを判定する。かかる判定処理において、評価部135は、評価タイミングでない場合には(ステップS300,No)、評価タイミングとなるまで待機する。
【0088】
一方、評価部135は、評価タイミングである場合に(ステップS300,Yes)、ユーザ属性テーブル122に記憶されている各種情報を参照し、ユーザ情報毎に、アクセス先の広告配信装置200と、取得元のサイト提供装置10との関係を解析する(ステップS301)。具体的には、評価部135は、ユーザ属性テーブル122のアクセス情報に基づいて、各ユーザIDに対応するユーザ端末20がアクセスした広告配信装置200を集計する。さらに、評価部135は、ユーザ属性テーブル122の取得元情報に基づいて、各ユーザIDに対応するユーザ情報を提供したサイト提供装置10を特定する。
【0089】
ここで、
図10に、第1の実施形態に係る評価部135による解析結果の一例を示す。
図10に示した例において、横軸は、ユーザ属性テーブル122に記憶されているユーザID(すなわち、ユーザ情報)を示す。
図10では、ユーザ情報の取得元であるサイト提供装置10毎に、区間A101〜A108に区分けされた例を示している。なお、図中の上段に示したサイト提供装置10
1〜10
6の参照符号が、取得元のサイト提供装置10に該当する。以下では説明を簡単にするために、
図10に示した各区間A101〜A108には、それぞれ100個のユーザIDが含まれるものとする。
【0090】
例えば、区間A101のユーザIDに対応するユーザ情報は、サイト提供装置10
1によって提供されたことを示し、区間A102におけるユーザ情報は、サイト提供装置10
2によって提供されたことを示し、区間A104及びA105におけるユーザ情報は、サイト提供装置10
4によって提供されたことを示す。
【0091】
また、
図10に示した例において、縦軸は、各ユーザIDに対応するユーザ端末20がアクセスした広告配信装置200を示す。なお、
図10では、図中に斜線を付した領域は、ユーザ端末20が広告配信装置200にアクセスしたことを示し、図中に斜線を付していない領域は、ユーザ端末20が広告配信装置200にアクセスしていないことを示す。
【0092】
例えば、
図10において、区間A101のユーザIDに対応する各ユーザ端末20は、広告配信装置200
3にアクセスしたが、広告配信装置200
1及び200
2にアクセスしていないことを示す。また、区間A104のユーザIDに対応する各ユーザ端末20は、広告配信装置200
2及び200
3にアクセスしたが、広告配信装置200
1にアクセスしていないことを示す。また、
図10において、区間A107のユーザIDに対応する各ユーザ端末20は、広告配信装置200
1、200
2及び200
3にアクセスしたことを示す。
【0093】
このように、評価部135は、ユーザ情報毎に、アクセス先の広告配信装置200と、取得元のサイト提供装置10との関係を解析する。そして、評価部135は、このような解析結果に基づいて、各サイト提供装置10に対して評価値を算出する。具体的には、評価部135は、多数の広告配信装置200にアクセスしたユーザ端末20のユーザ情報を多く提供したサイト提供装置10ほど高い評価値を算出する(ステップS302)。すなわち、評価部135は、「ユーザ端末20がアクセスした広告配信装置200の数」と、「ユーザ情報の分量」といった2つの要素に基づいて、各サイト提供装置10の評価値を算出する。
【0094】
例えば、評価部135は、「ユーザ端末20がアクセスした広告配信装置200の数」を「X」とし、「ユーザ情報の分量」を「Y」とした場合に、以下の式(1)により、各サイト提供装置10の評価値を算出する。なお、下記式(1)のうち、「α」は「X」の重みを示し、「β」は「Y」の重みを示す。
【0095】
評価値 = (α・X)・(β・Y) ・・・ (1)
【0096】
ここで、「α」=「2」であり、「β」=「0.01」であるものとして、
図10に示した各サイト提供装置10の評価値について説明する。
図10に示した例の場合、サイト提供装置10
1は、区間A101に示すように、「ユーザ端末20がアクセスした広告配信装置200の数」が「1(広告配信装置200
3)」であるユーザ情報を100個提供している。このとき、評価部135は、アクセス数「1」に重みα「2」を乗算し、分量「100」に重みβ「0.01」を乗算し、双方の乗算結果をさらに乗算することにより、サイト提供装置10
1の評価値「2」を求める。同様にして、評価部135は、サイト提供装置10
2の評価値「2」を求め、サイト提供装置10
3の評価値「2」を求める。
【0097】
また、
図10に示した例において、サイト提供装置10
4は、区間A104に示すように、「ユーザ端末20がアクセスした広告配信装置200の数」が「2(広告配信装置200
2及び200
3)」であるユーザ情報を100個提供している。さらに、サイト提供装置10
4は、区間A105に示すように、「ユーザ端末20がアクセスした広告配信装置200の数」が「2(広告配信装置200
1及び200
2)」であるユーザ情報を100個提供している。このとき、評価部135は、区間A104に対応する評価値として、アクセス数「2」に重みα「2」を乗算し、分量「100」に重みβ「0.01」を乗算し、双方の乗算結果をさらに乗算することにより、サイト提供装置10
1の評価値「4」を求める。さらに、評価部135は、区間A105に対応する評価値として「4」を求める。そして、評価部135は、双方の評価値「4」を加算することで、サイト提供装置10
4の評価値「8」を求める。
【0098】
同様にして、評価部135は、サイト提供装置10
5の評価値「10」を求め、サイト提供装置10
6の評価値「6」を求める。
図10に示した各サイト提供装置10の評価値をまとめると、以下に示す値となる。
【0099】
サイト提供装置10
1:評価値「2」
サイト提供装置10
2:評価値「2」
サイト提供装置10
3:評価値「2」
サイト提供装置10
4:評価値「8」
サイト提供装置10
5:評価値「10」
サイト提供装置10
6:評価値「6」
【0100】
評価部135は、このようにして算出したサイト提供装置10毎の評価値を出力する(ステップS303)。例えば、評価部135は、情報提供装業者が利用するPC等の端末装置に評価値をメール送信したり、
図3では図示しない表示部(ディスプレイ等)に評価値を表示したり、所定の記憶部に評価値をログ出力したりする。
【0101】
〔1−8.効果〕
上述してきたように、第1の実施形態に係る情報提供装置100において、ユーザ属性テーブル122(記憶部の一例に相当)は、複数のサイト提供装置10(コンテンツ提供装置の一例に相当)のいずれかにユーザ端末20がアクセスする契機で取得されるユーザ端末に関するユーザ情報と、かかるユーザ端末を識別するためのユーザ識別子とを記憶する。また、要求応答部133は、ユーザ端末20によりアクセスされた広告配信装置200からユーザ端末20に関するユーザ情報の取得要求を受信した場合に、かかるユーザ端末20に対応するユーザ情報を広告配信装置200に応答する。また、格納部134は、取得要求を受信した場合に、ユーザ端末20のユーザ識別子に対応付けて、かかるユーザ端末20が広告配信装置200にアクセスしたことを示すアクセス情報をユーザ属性テーブル122に格納する。また、評価部135は、ユーザ属性テーブル122に記憶されているアクセス情報に基づいて、複数のサイト提供装置10の中で、多数の広告配信装置200にアクセスしたユーザ端末20に関するユーザ情報を提供したサイト提供装置10ほど高い評価値を算出する。
【0102】
これにより、第1の実施形態に係る情報提供装置100は、各広告配信装置200によるターゲティング配信に寄与するユーザ情報を提供するか否かに基づいて、各サイト提供装置を高精度に評価することができる。この結果、情報提供装置100は、サイト提供装置10毎の評価値を情報提供業者等に提示することで、効率よく対価が得られるようなユーザ情報の取得元となるサイト提供業者を情報提供業者に選択させることができる。
【0103】
また、第1の実施形態に係る情報提供装置100において、評価部135は、複数のサイト提供装置10の中で、多数のユーザ端末20に関するユーザ情報を提供したサイト提供装置10ほど高い評価値を算出する。
【0104】
これにより、第1の実施形態に係る情報提供装置100は、ターゲティング配信に寄与する多数のユーザ情報を提供するか否かに基づいて、各サイト提供装置をより高精度に評価することができる。
【0105】
〔1−9.その他の実施形態〕
上記第1の実施形態では、ユーザ情報の分量を用いて、評価値を算出する例を示した。しかし、評価部135は、ユーザ情報の分量(すなわち、サイト提供装置10が提供したユーザIDの数)ではなく、ユーザ情報に含まる属性区分の数に基づいて、評価値を算出してもよい。例えば、サイコグラフィック属性の属性区分「コスメ」に関するユーザ情報しか送信しないサイト提供装置10と、サイコグラフィック属性の属性区分「コスメ」、「車」及び「服」や、デモグラフィック属性の属性区分「性別」及び「年齢」を含むユーザ情報を送信するサイト提供装置10とが存在する場合がある。この場合、評価部135は、多くの属性区分を含むユーザ情報を提供するサイト提供装置10ほど高い評価値を付与してもよい。例えば、評価部135は、上記式(1)において、「Y」を「属性区分の数」として評価値を算出してもよい。これにより、情報提供装置100は、サイト提供装置10をより高精度に評価することができる。
【0106】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、評価部135によって算出された評価値に基づいて、ユーザ情報の取得元とするサイト提供装置10の候補を選択する例について説明する。なお、広告配信システム1の構成は
図2に示した例と同様であり、広告配信装置200の構成は
図6に示した例と同様であるので、広告配信システム1及び広告配信装置200については説明を省略する。
【0107】
〔2−1.情報提供装置100の構成〕
図11は、第2の実施形態に係る情報提供装置100の構成例を示す図である。
図11に示すように、制御部130は、選択部136を有する。
【0108】
選択部136は、評価部135によって算出されたサイト提供装置10毎の評価値に基づいて、ユーザ情報の取得元とするサイト提供装置10を選択する。この点について説明すると、情報提供業者は、サイト提供装置10からユーザ情報を取得する代わりに、サイト提供業者に対価を支払うことが想定される。このため、情報提供業者は、多数のサイト提供装置10に対して対価を支払うと、ユーザ情報の収集にかかる費用が増大するので、ユーザ情報の取得元となるサイト提供装置10を所定数に絞り込みたい場合がある。
【0109】
そこで、第2の実施形態に係る選択部136は、評価部135によって算出された評価値が高い順に所定数のサイト提供装置10を選択する。例えば、選択部136は、3個のサイト提供装置10を選択することが決められているものとする。このとき、選択部136は、評価部135によって
図10を用いて説明した評価値が算出された場合、評価値が「10」であるサイト提供装置10
5を最初に選択し、次に評価値が「8」であるサイト提供装置10
4を選択し、次に評価値が「6」であるサイト提供装置10
6を選択する。そして、選択部136は、選択結果を情報提供装業者が利用する端末装置にメール送信したり、表示部(ディスプレイ等)に表示したり、所定の記憶部にログ出力したりする。これにより、情報提供業者は、各広告配信業者から効率よく対価が得られるようなユーザ情報を提供するサイト提供装置10との間で、ユーザ情報を取得するための契約を結ぶことなどが可能となる。
【0110】
〔2−2.その他の実施形態(1)〕
第2の実施形態に係る評価部135は、他のサイト提供装置10と重複しない異なるユーザ情報を多く提供するサイト提供装置10ほど、高い評価値を算出してもよい。例えば、評価部135は、他のサイト提供装置10と重複しないユーザ情報を多く提供するサイト提供装置10については、上記式(1)の重み「β」を大きい値に設定してもよい。そして、選択部136は、評価部135によって算出された評価値に基づいて、同一のユーザ情報を複数のサイト提供装置10から重複して取得しないように、サイト提供装置10を選択してもよい。
【0111】
この点について
図12を用いて説明する。
図12は、第2の実施形態に係る評価部135による解析結果の一例を示す図である。なお、
図12では、
図10と異なる解析結果の例を示す。また、
図12に示した各区間A101〜A107には、それぞれ100個のユーザIDが含まれるものとする。
【0112】
図12に示した例では、情報提供装置100は、区間A101、A102及びA104〜A107において、複数のサイト提供装置10からユーザ情報する。具体的には、区間A101におけるユーザ情報は、サイト提供装置10
1及び10
5から提供され、区間A102におけるユーザ情報は、サイト提供装置10
2及び10
5から提供される。一方、区間A105におけるユーザ情報は、サイト提供装置10
3のみから提供され、区間A106及びA107におけるユーザ情報は、サイト提供装置10
4のみから提供される。
【0113】
図12の例において、評価部135が上記(1)を用いて評価値を算出した場合、各サイト提供装置10の評価値は以下に示す値となる。なお、「α」=「2」、「β」=「0.01」であるものとする。
【0114】
サイト提供装置10
1:評価値「2」
サイト提供装置10
2:評価値「6」
サイト提供装置10
3:評価値「8」
サイト提供装置10
4:評価値「10」
サイト提供装置10
5:評価値「4」
サイト提供装置10
6:評価値「8」
【0115】
ここで、第2の実施形態に係る評価部135は、他のサイト提供装置10と重複しないユーザ情報を提供するサイト提供装置10については、重み「β」を大きい値に変更する。例えば、評価部135が「β」=「0.02」に変更したものとする。この場合、区間A105のユーザ情報は、サイト提供装置10
3のみによって提供されるので、評価部135は、区間A105に対応する評価値として、アクセス数「2」に重みα「2」を乗算し、分量「100」に重みβ「0.02」を乗算し、双方の乗算結果をさらに乗算することにより、評価値「8」を求める。さらに、評価部135は、区間A104に対応する評価値として「4」を求める。そして、評価部135は、双方の評価値「8」及び「4」を加算することで、サイト提供装置10
3の評価値「12」を求める。同様にして、評価部135は、サイト提供装置10
4の評価値「20」を求める。
【0116】
すなわち、第2の実施形態に係る評価部135によって算出される評価値は以下に示す値となる。
【0117】
サイト提供装置10
1:評価値「2」
サイト提供装置10
2:評価値「6」
サイト提供装置10
3:評価値「12」
サイト提供装置10
4:評価値「20」
サイト提供装置10
5:評価値「4」
サイト提供装置10
6:評価値「8」
【0118】
そして、選択部136は、このように算出された評価値が高いサイト提供装置10を優先的に選択するとともに、多くのユーザ情報を取得できるように所定数のサイト提供装置10を選択する。
【0119】
例えば、
図12に示した例において、選択部136が3個のサイト提供装置10を選択するものとする。かかる場合、選択部136は、評価値が高い順に、サイト提供装置10
4、10
3及び10
6を選択する。ただし、サイト提供装置10
3及び10
6によって提供されるユーザ情報は、区間A104において重複している。このため、選択部136は、サイト提供装置10
3及び10
6のうち評価値の低いサイト提供装置10
6の代わりに、次に評価値の高いサイト提供装置10
2を選択する。サイト提供装置10
2によって提供されるユーザ情報は、サイト提供装置10
4やサイト提供装置10
3によって提供されるユーザ情報と重複しない。このため、選択部136は、最終的に、サイト提供装置10
4、10
3及び10
2を選択する。
【0120】
このように、情報提供装置100は、他のサイト提供装置10と異なるユーザ端末20のユーザ情報を多く提供したサイト提供装置10ほど高い評価値を算出することで、各広告配信装置200により多くのユーザ情報の提供を可能とするサイト提供装置10を高く評価することができる。
【0121】
〔2−3.その他の実施形態(2)〕
また、第2の実施形態に係る評価部135は、上記第1の実施形態のその他の実施形態において説明したように、ユーザ情報に含まる属性区分の数に基づいて、評価値を算出してもよい。そして、第2の実施形態に係る選択部136は、ユーザ情報(ユーザID)の単位ではなく、属性区分の単位で重複有無を判定した上で、サイト提供装置10を選択してもよい。
【0122】
かかる場合に、ユーザ属性テーブル122は、ユーザID毎かつ属性区分毎に、取得元情報を記憶する。例えば、
図5に示したユーザ属性テーブル122は、ユーザID「20
1」に対応付けて取得元情報「10
1」を記憶するように、1つのユーザIDに対して取得元情報を記憶する。一方、以下に説明する第2の実施形態に係るユーザ属性テーブル122は、各属性区分の取得元となったサイト提供装置10を判別できるように、属性区分毎に取得元情報を記憶する。例えば、ユーザ属性テーブル122は、ユーザID毎に、属性区分「コスメ」、「車」、「服」、「旅行」、「性別」、「年齢」のそれぞれに対応する取得元情報を記憶する。
【0123】
このようなユーザ属性テーブル122の取得元情報は、生成部132によって格納される。例えば、サイト提供装置10
1が「コスメ」に関するサイトページを提供するものとする。このとき、生成部132が、サイト提供装置10
1にアクセスしたユーザ端末20
1のユーザが「コスメ」に興味があると推定したものとする。また、生成部132は、ユーザ端末20
1のユーザの性別が「女性」であると推定したものとする。この例の場合、生成部132は、ユーザID「20
1」に対応するユーザ属性テーブル122の「コスメ」及び「性別」の情報を「1」に更新するとともに、かかる「コスメ」及び「性別」に対応する「取得元情報」に「10
1」を格納する。
【0124】
そして、選択部136は、評価値に基づいてサイト提供装置10を選択する場合に、同一の属性区分を複数のサイト提供装置10から重複して取得しないように、評価値の高い順にサイト提供装置10を選択する。
【0125】
この点について、
図13を用いて説明する。
図13は、第2の実施形態に係る評価部135による解析結果の一例を示す図である。
図13では、説明を簡単にするために、デモグラフィック属性の属性区分「性別」及び「年齢」と、サイコグラフィック属性の属性区分「コスメ」及び「車」を例に挙げて説明する。
図13の縦軸は、属性区分を示す。また、
図13では、図中に矩形内に示したサイト提供装置10
1〜10
6の参照符号が、取得元のサイト提供装置10に該当する。
【0126】
例えば、区間A101におけるユーザ情報のうち、属性区分「性別」、「年齢」及び「コスメ」は、サイト提供装置10
1によって提供されたことを示し、属性区分「車」は、サイト提供装置10
5によって提供されたことを示す。
【0127】
図13に示した例において、評価部135は、
図12に示した例と同様の評価値を算出したものとする。また、選択部136が3個のサイト提供装置10を選択するものとする。かかる場合に、選択部136は、評価値が高い順に、サイト提供装置10
4、10
3及び10
6を選択する。ここで、サイト提供装置10
3及び10
6によって提供されるユーザ情報は、区間A104においてユーザIDが重複しているものの、属性区分については重複していない。したがって、この例の場合、選択部136は、最終的に、サイト提供装置10
4、10
3及び10
6を選択する。
【0128】
このようにサイト提供装置10を選択する場合であっても、情報提供業者は、効率よく対価を得ることを可能とするサイト提供装置10の候補を確認することができる。そして、第2の実施形態に係る情報提供装置100は、質の高いユーザ情報を多くの広告配信装置200に提供することが可能となる。
【0129】
(第3の実施形態)
本願に係る情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラムは、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。第3の実施形態では、他の実施形態について説明する。
【0130】
〔3−1.評価値〕
上記実施形態において、評価部135は、広告配信装置200の重要度に応じて、評価値を変更してもよい。例えば、情報提供業者にとって、複数の広告配信業者の中に重要な広告配信業者が存在する場合もある。かかる場合に、情報提供装置100は、各広告配信装置200の重要度が設定されてもよい。そして、評価部135は、重要度の高い広告配信装置200にアクセスしたユーザ端末20のユーザ情報を提供したサイト提供装置10ほど高い評価値を算出してもよい。例えば、評価部135は、広告配信装置200の重要度に応じて、上記式(1)の重み「α」又は「β」を可変にしてもよい。これにより、情報提供装置100は、重要度の高い主要な広告配信装置200に対して、多くのユーザ情報を提供するようなサイト提供装置10を情報提供業者に選択させることができる。
【0131】
また、評価部135は、広告配信装置200がアクセスした情報提供装置100の数を考慮せずに、「広告配信装置200の重要度」と「ユーザ情報の分量」を用いて評価値を算出してもよい。例えば、評価部135は、上記式(1)のうち、重み「β」を広告配信装置200の重要度により可変とした「β・Y」のみを用いて評価値を算出してもよい。
【0132】
〔3−2.サイト提供装置へ通知〕
また、上記実施形態において、情報提供装置100は、評価部135による解析結果に基づいて、各サイト提供装置10にとって不足しているユーザ情報を通知してもよい。例えば、評価部135によって
図13に示した解析結果が得られた場合に、情報提供装置100は、サイト提供装置10
4に対して、サイコグラフィック属性に関するユーザ情報が不足していることを通知してもよい。
【0133】
〔3−3.取得要求の送信態様〕
また、上記実施形態では、広告配信装置200は、第2通知機能によりユーザ端末20を介して、情報提供装置100からユーザ情報を取得する例を示した。ここで、情報提供装置100及び広告配信装置200の双方が、同一のユーザIDを用いて各ユーザを識別している場合には、広告配信装置200は、第2通知機能を用いずに、情報提供装置100に対してユーザ情報の取得要求を直接送信してもよい。このとき、広告配信装置200は、取得対象のユーザ端末20に対応するユーザIDを含んだ取得要求を情報提供装置100に送信する。
【0134】
〔3−4.貢献度〕
また、上記実施形態において、情報提供装置100の評価部135は、各サイト提供装置10の評価値を、情報提供装置100への貢献度としてもよい。例えば、評価部135は、情報提供業者がサイト提供業者に支払う対価を評価値に基づいて算出してもよい。
【0135】
〔3−5.システム構成〕
また、上記実施形態では、広告配信装置200が、ポータルサイトにアクセスしたユーザ端末20のユーザIDと合致する属性情報を情報提供装置100から取得し、取得した属性情報を用いてターゲティング配信を行う例を示した。しかし、情報提供装置100は、第1通知機能に基づくアクセスにより常時受信するユーザ情報を用いて、ユーザの嗜好等をモデリングしておき、かかるモデルを用いてユーザ情報を提供してもよい。すなわち、情報提供装置100は、ポータルページにアクセスしたユーザ端末20のユーザIDと合致するサイコグラフィック属性を保持しない場合であっても、かかるユーザとでもグラフィック属性が近似する他のユーザのサイコグラフィック属性を広告配信装置200に送信してもよい。
【0136】
〔3−6.情報提供処理〕
また、上記実施形態では、情報提供装置100から広告配信装置200へユーザ情報を送信する例を説明した。しかし、情報提供装置100から広告配信装置200へ送信する情報は、例えば、ユーザのアクセス履歴の情報であってもよい。この場合、広告配信装置200は、ユーザのアクセス履歴の情報に基づいて広告コンテンツを選択して配信する。
【0137】
また、上記実施形態では、ユーザ端末20によるサイト提供装置10へのアクセス履歴を逐次取得しながら、かかるアクセス履歴に基づいたユーザ情報を広告配信装置200へ提供するものとして説明した。しかし、広告配信装置200に対して一定量のユーザ情報を割り当てる場合、ある時点のアクセス履歴に基づいたユーザ情報を広告配信装置200へ提供するようにしてもよい。
【0138】
〔3−7.アクセス履歴テーブル〕
また、上記実施形態では、アクセス履歴テーブル121が、サイト提供装置10毎にアクセス回数を記憶するものとして説明した。しかし、アクセス履歴テーブル121に、各サイト提供装置10のサイトページ(URL)毎のアクセス回数が記憶されるようにしてもよい。これにより、ユーザの属性情報をさらに精度良く判別することができる。サイトページ毎のカウントは、例えば、第1通知機能に、サイト提供装置10の識別情報に加え、さらに、サイトページの識別情報を含ませるようにすることで実現することができる。
【0139】
また、アクセス履歴テーブル121に、ユーザ端末20がサイトページにアクセスしたアクセス日時、ユーザ端末20がサイトページにアクセスした時間長などが記憶されるようにしてもよい。これにより、情報提供装置100は、ユーザの属性情報をさらに精度良く判別することができる。
【0140】
〔3−8.ユーザ属性テーブル〕
また、上記実施形態では、ユーザ属性テーブル122は、属性区分を
図5に示すものとして説明した。しかし、広告配信システム1に複数の広告配信装置200が含まれる場合、ユーザ属性テーブル122は、広告配信装置200毎又は1以上の広告配信装置200毎に異なる属性区分に分けて記憶してもよい。これにより、情報提供装置100は、広告配信装置200に応じたユーザ情報を提供することができる。
【0141】
〔3−9.第1通知機能〕
また、上記実施形態では、サイト提供装置10によって提供されるサイトページに第1通知機能が埋め込まれる例を示した。しかし、メール提供装置によってユーザ端末20に対して配信されるメールマガジン等のHTMLメールに第1通知機能が埋め込まれてもよい。これにより、情報提供装置100は、HTMLメールを受信したユーザ端末20からもユーザ情報を収集することができるので、ユーザの属性情報をさらに精度良く判別することができる。
【0142】
〔3−10.広告〕
また、上記実施形態では、広告配信装置200からユーザ端末20に配信される広告コンテンツをバナー広告であるものとして説明したが、広告コンテンツはバナー広告に限定されるものではない。例えば、広告配信装置200からユーザ端末20に配信される広告コンテンツは、動画広告、テキスト広告、音声広告などであってもよい。
【0143】
また、上記実施形態では、広告配信装置200からユーザ端末20に広告コンテンツが配信されるものとして説明したが、広告コンテンツを配信する装置は、広告配信装置200以外の広告用サーバ装置であってもよい。例えば、広告配信装置200は、ユーザ端末20に対してターゲティング配信を行う場合に、広告用サーバ装置に格納されている配信対象の広告コンテンツにアクセスするためのURLが記述されたポータルページをユーザ端末20に提供してもよい。これにより、ユーザ端末20は、広告配信装置200からポータルページを取得した場合に、ポータルページに記述されたURLにアクセスすることで、広告用サーバ装置から広告コンテンツを取得する。
【0144】
〔3−11.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0145】
また、上述した情報提供装置100や広告配信装置200は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0146】
また、特許請求の範囲に記載した「手段」は、「部(section、module、unit)」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、評価手段は、評価部や評価回路に読み替えることができる。