特許第5674761号(P5674761)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シチズンホールディングス株式会社の特許一覧 ▶ シチズンマシナリーミヤノ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5674761-工作機械 図000002
  • 特許5674761-工作機械 図000003
  • 特許5674761-工作機械 図000004
  • 特許5674761-工作機械 図000005
  • 特許5674761-工作機械 図000006
  • 特許5674761-工作機械 図000007
  • 特許5674761-工作機械 図000008
  • 特許5674761-工作機械 図000009
  • 特許5674761-工作機械 図000010
  • 特許5674761-工作機械 図000011
  • 特許5674761-工作機械 図000012
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674761
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23B 3/30 20060101AFI20150205BHJP
   B23B 21/00 20060101ALI20150205BHJP
   B23B 29/24 20060101ALI20150205BHJP
【FI】
   B23B3/30
   B23B21/00 C
   B23B29/24 Z
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-506899(P2012-506899)
(86)(22)【出願日】2011年2月28日
(86)【国際出願番号】JP2011054449
(87)【国際公開番号】WO2011118338
(87)【国際公開日】20110929
【審査請求日】2013年11月6日
(31)【優先権主張番号】特願2010-70390(P2010-70390)
(32)【優先日】2010年3月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズンホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000137856
【氏名又は名称】シチズンマシナリーミヤノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111372
【弁理士】
【氏名又は名称】津野 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100112298
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100168538
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 来
(72)【発明者】
【氏名】露▲崎▼ 梅夫
(72)【発明者】
【氏名】秋元 暁
(72)【発明者】
【氏名】篠原 浩
【審査官】 小川 真
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第02/092266(WO,A1)
【文献】 実開平02−110401(JP,U)
【文献】 国際公開第2008/016076(WO,A1)
【文献】 特表平11−510439(JP,A)
【文献】 米国特許第03955257(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 3/30
B23B 21/00
B23B 29/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面主軸と、該正面主軸と対向して配置される背面主軸と、前記正面主軸と対向して配置され複数の正面加工用工具を保持する正面工具台と、前記背面主軸と対向して配置され複数の背面加工用工具を保持する背面工具台を備えた工作機械において、
正面加工用工具および背面加工用工具が、前記正面工具台および背面工具台にそれぞれ両主軸の軸線と交差するY軸方向に複数段に配置され、
前記正面主軸と前記背面工具台とが、前記Y軸方向に固定して設けられているとともに、前記正面工具台と前記背面主軸とが、前記Y軸方向に一体に移動可能に設けられ、
背面主軸のY軸方向の移動により、正面主軸に対応する正面加工用工具の段と、背面主軸に対応する背面加工用工具の段とが切り換えられることを特徴とする工作機械。
【請求項2】
前記正面加工用工具および背面加工用工具の段が、同じピッチで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記背面主軸が、両主軸と各主軸に対応する段の加工用工具とが同一平面内に位置するポジションと、2つの異なる平面の一方の平面内に、正面主軸と該正面主軸に対応する段の正面加工用工具とが位置し、他方の平面内に、背面主軸と該背面主軸に対応する段の背面加工用工具とが位置するポジションを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の工作機械。
【請求項4】
前記背面主軸が、前記正面加工用工具のいずれの段とも同一平面内に位置しないよう配置され、
前記正面主軸が、前記背面加工用工具のいずれの段とも同一平面内に位置しないよう配置され、
前記背面主軸が、各主軸と各主軸に対応する段の加工用工具とがそれぞれ同一平面に位置する複数のポジションを有し、
全てのポジションにおいて、前記背面加工用工具の全ての段と前記正面加工用工具の全ての段がいずれも異なる平面上に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の工作機械。
【請求項5】
前記複数の正面加工用工具および背面加工用工具が、前記正面工具台および背面工具台に、それぞれ前記軸線および背面主軸のY軸方向の移動軸線と交差するX軸方向に工具列を形成するように配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の工作機械。
【請求項6】
前記正面工具台および背面工具台のすべての工具列の正面加工用工具および背面加工用工具が、工具列のなす平面内に同じピッチで配置されていることを特徴とする請求項5に記載の工作機械。
【請求項7】
前記正面工具台および背面工具台のすべての工具列の正面加工用工具および背面加工用工具が、前記正面主軸に保持されたワークが最も背面主軸から離れた正面加工用工具により加工される位置において、前記背面主軸に保持されたワークが最も正面主軸から離れた背面加工用工具により加工される位置となるように配置されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平行な軸線を有する正面主軸および背面主軸と、複数の正面加工用工具および背面加工用工具を備えて所望の正面・背面加工を行う工作機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、一つのワークに多工程の加工を施す場合、平行な軸線を有する正面主軸および背面主軸と、正面加工用工具および背面加工用工具を備えた工作機械を使用し、主軸間でワークの授受を行いながらワークを順次加工することが行われている。
そして、正面加工用工具および背面加工用工具を複数備えて、工具の変更を工作機械の制御のみで行うことで加工の種類の変更を頻繁に行っても工具の交換回数を少なくし、多品種少量生産に短時間で対応可能な工作機械が公知である。
【0003】
例えば、図11に示すように、正面主軸510が正面主軸台511に設けられて軸線方向(Z軸方向)に移動可能で、背面主軸520が正面主軸510と平行な軸線を有し、背面主軸台521に設けられて前記Z軸方向および該Z軸方向と直交する方向(X軸方向)に移動可能で、それぞれ複数の正面加工用工具540および背面加工用工具530を保持する正面工具台541および背面工具台531を備え、正面工具台541が前記Z軸方向とX軸方向に移動可能に構成された工作機械500が知られている。
【0004】
また、この工作機械500は、背面工具台531が前記X軸方向と、前記Z軸方向およびX軸方向と直交する方向(Y軸方向)に移動可能に構成され、主軸間でワークの授受を行いながらワークの正面・背面を順次加工する(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−111631号公報(第3頁、第4頁、図8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような工作機械500では、正面主軸台511がZ軸方向、正面工具台541がZ軸およびX軸方向にのみ移動可能に構成されているため、複数の正面加工用工具540をX軸方向にしか配置できず、保持される正面加工用工具540の数が限定されるという問題があった。
【0007】
また、背面加工の際は、背面主軸台521がZ軸およびX軸方向、背面工具台531がY軸およびX軸方向に移動可能に構成されているため、複数の背面加工用工具530をX軸方向およびY軸方向に配置することが可能であるが、主軸間でワークの授受や所望の正面・背面加工を行う際、正面主軸台511の1軸、背面主軸台521、正面工具台541および背面工具台531のそれぞれ2軸の計7軸を作業ごとに、個別に制御する必要があり、制御が複雑となるとともに、可動部分が多いことにより高速化や高精度化が困難となるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本請求項1に係る発明は、正面主軸と、該正面主軸と対向して配置される背面主軸と、前記正面主軸と対向して配置され複数の正面加工用工具を保持する正面工具台と、前記背面主軸と対向して配置され複数の背面加工用工具を保持する背面工具台を備えた工作機械において、正面加工用工具および背面加工用工具が、前記正面工具台および背面工具台にそれぞれ両主軸の軸線と交差するY軸方向に複数段に配置され、前記正面主軸と前記背面工具台とが、前記Y軸方向に固定して設けられているとともに、前記正面工具台と前記背面主軸とが、前記Y軸方向に一体に移動可能に設けられ、背面主軸のY軸方向の移動により、正面主軸に対応する正面加工用工具の段と、背面主軸に対応する背面加工用工具の段とが切り換えられることにより、前記課題を解決するものである。
【0009】
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載された工作機械の構成に加えて、前記正面加工用工具および背面加工用工具の段が、同じピッチで形成されていることにより、前記課題を解決するものである。
【0010】
本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された工作機械の構成に加えて、前記背面主軸が、両主軸と各主軸に対応する段の加工用工具とが同一平面内に位置するポジションと、2つの異なる平面の一方の平面内に、正面主軸と該正面主軸に対応する段の正面加工用工具とが位置し、他方の平面内に、背面主軸と該背面主軸に対応する段の背面加工用工具とが位置するポジションを有することにより、前記課題を解決するものである。
【0011】
本請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2に記載された工作機械の構成に加えて、前記背面主軸が、前記正面加工用工具のいずれの段とも同一平面内に位置しないよう配置され、前記正面主軸が、前記背面加工用工具のいずれの段とも同一平面内に位置しないよう配置され、前記背面主軸が、各主軸と各主軸に対応する段の加工用工具とがそれぞれ同一平面に位置する複数のポジションを有し、全てのポジションにおいて、前記背面加工用工具の全ての段と前記正面加工用工具の全ての段がいずれも異なる平面上に位置することにより、前記課題を解決するものである。
【0012】
本請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された工作機械の構成に加えて、前記複数の正面加工用工具および背面加工用工具が、前記正面工具台および背面工具台にそれぞれ前記軸線及び背面主軸のY軸方向の移動軸線と交差するX軸方向に工具列を形成するように配置されることにより、前記課題を解決するものである。
【0013】
本請求項6に係る発明は、請求項5に記載された工作機械の構成に加えて、前記正面工具台および背面工具台のすべての工具列の正面加工用工具および背面加工用工具が、工具列のなす平面内に同じピッチで配置されていることにより、前記課題を解決するものである。
【0014】
本請求項7に係る発明は、請求項5または請求項6に記載された工作機械の構成に加えて、前記正面工具台および背面工具台のすべての工具列の正面加工用工具および背面加工用工具が、前記正面主軸に保持されたワークが最も背面主軸から離れた正面加工用工具により加工される位置において、前記背面主軸に保持されたワークが最も正面主軸から離れた背面加工用工具により加工される位置となるように配置されていることにより、前記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0015】
本請求項1に係る発明の工作機械は、正面加工用工具および背面加工用工具が、正面工具台および背面工具台にそれぞれ両主軸の軸線(Z軸)と交差するY軸方向に複数段に配置され、正面主軸と背面工具台とがY軸方向に固定して設けられているとともに正面工具台と背面主軸とがY軸方向に一体に移動可能に構成され、背面主軸のY軸方向の移動で、正面主軸に対応する正面加工用工具の段と、背面主軸に対応する背面加工用工具の段とが切り換えられることにより、背面主軸のY軸方向の移動制御のみで正面加工用工具および背面加工用工具の選択が可能となるため、工具交換の制御が容易となるとともに、可動部分を少なくでき高速化、高精度化を図ることができる。
【0016】
本請求項2に係る構成によれば、背面主軸のY軸方向の段数分の位置決め制御で、正面加工用工具および背面加工用工具の特定の段を同時に選択することが可能となり、Y軸制御がより単純化される。
本請求項3に係る構成によれば、同一平面内に両主軸と各主軸に対応する段の加工用工具とを位置させて行う加工と、2つの異なる平面で正面主軸側の加工と背面主軸側の加工を行う加工とを簡単に切り換えることができる。
また、正面主軸と背面主軸との間でワークの授受を行った後に、背面主軸のY軸方向の移動を行うことなく直ぐに次の加工を行うことができ、加工効率が向上する。
【0017】
本請求項4に係る構成によれば、Y軸方向の全ての加工ポジションで、正面加工用工具と背面加工用工具が同一平面上に位置することがなく、加工時に正面加工用工具と背面加工用工具が接近しても干渉することを防止できる。
本請求項5に係る構成によれば、背面主軸を軸線(Z軸)及び背面主軸のY軸方向の移動軸線と交差するX軸方向に位置決め制御することで、正面加工用工具および背面加工用工具を簡単に切り換えて選択することが可能となり、単純な制御で工具数を増加させることができる。
【0018】
本請求項6に係る構成によれば、同一段の正面加工用工具および背面加工用工具を同時に選択するための背面主軸のX軸の位置決め制御が共通化され、より制御が容易となるともに、2つのワークを正面主軸と背面主軸に保持してそれぞれの正面加工と背面加工を同時に行うことが可能となり、加工時間の短縮による高速化を図ることができる。
【0019】
本請求項7に係る構成によれば、背面主軸のX軸方向、Y軸方向の移動範囲全体に正面加工工具と背面加工工具を配置できるため、多くの工具を配置して選択可能となり、多種の加工に対応することができる。
また、正面加工工具と背面加工工具を、それぞれ列方向に加工順に配置することにより、X軸方向に加工工具を順に選択し、背面主軸のX軸の移動距離を少なくして正面加工と背面加工の両方を順に行うことができ、加工効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施例である工作機械の斜視図。
図2図1の工作機械の第1ポジションの斜視図。
図3図2の側面図。
図4図1の工作機械の第2ポジションの斜視図。
図5図4の側面図。
図6】本発明の第2実施例である工作機械の斜視図。
図7図6の工作機械の第1ポジションの斜視図。
図8図7の側面図。
図9図6の工作機械の第2ポジションの斜視図。
図10図9の側面図。
図11】従来の工作機械の平面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0021】
本発明の第1実施例である工作機械100は、図1に示すように、基台150上に、正面主軸110を回転駆動自在に保持する正面主軸台111、背面主軸120及び正面加工用工具140を保持する保持台121、背面加工用工具130を保持する背面工具台131およびガイドブッシュ160を保持するガイドブッシュ支持台161を有している。
前記ガイドブッシュ支持台161は基台150に固定され、ガイドブッシュ160の軸線が正面主軸110の軸線と一致するように配置されている。
前記保持台121は、背面主軸120を保持する背面主軸台と、正面加工用工具140を保持する正面工具台を兼用している。
【0022】
前記保持台121は、背面主軸120を回転駆動自在に支持する。該保持台121と正面主軸台111とは、正面主軸110と背面主軸120が、互いに軸線が平行で対向するように配置されている。これにより前記正面工具140が正面主軸110に対向する位置に配置される。前記背面工具台131は、背面工具130が背面主軸120に対向する位置に配置され、基台150に固定されている。
【0023】
前記基台150上には、前記正面主軸の軸線方向(Z軸方向)に、正面Z軸レール151が設けられている。該正面Z軸レール151に、前記正面主軸台111がスライド自在に支持されている。該正面主軸台111は、図示しない駆動装置によって、前記正面Z軸レール151上を、位置制御可能にスライド駆動される。これにより正面主軸台111は、前記正面Z軸レール151上をZ軸方向に移動制御される。
【0024】
前記基台150上には、前記Z軸方向に左右方向で直交するX軸方向に、X軸レール152が設けられている。該X軸レール152は、前記正面Z軸レール151の対向位置に配置されている。前記X軸レール152上には、X軸スライドテーブル153がスライド自在に支持されている。該X軸スライドテーブル153は、図示しない駆動装置によって、前記X軸レール152上を、位置制御可能にスライド駆動される。
【0025】
前記X軸スライドテーブル153には、前記Z軸方向に背面Z軸レール154が設けられている。該背面Z軸レール154上には、Z軸スライド台155がスライド自在に支持されている。該Z軸スライド台155は、図示しない駆動装置によって、前記背面Z軸レール154上を、位置制御可能にスライド駆動される。前記Z軸スライド台155には、前記X軸方向及びZ軸方向に直交する上下方向のY軸方向に、Y軸レール156が設けられている。
【0026】
前記保持台121は、前記Y軸レール156上に、スライド自在に支持されている。前記保持台121は、図示しない駆動装置によって前記Y軸レール156上を、位置制御可能にスライド駆動される。このことで、前記保持台121は、X軸スライドテーブル153、Z軸スライド台155を介して、基台150に対して相互に直交するZ軸方向、X軸方向およびY軸方向に一体的に移動制御される。
【0027】
正面主軸110に保持されたワークWは、ガイドブッシュ160に挿通されてガイドされ、正面主軸台111及び保持台121の移動制御によって、ガイドブッシュ160から突出した部分が前記正面加工用工具140により加工される。
背面主軸120に保持されたワークWは、保持台121の移動制御によって、前記背面加工用工具130により加工される。
【0028】
正面加工用工具140および背面加工用工具130は、保持台121および背面工具台131にそれぞれX軸方向に複数(本実施例では5個)配置されて工具列を形成している。
各工具列は、工具列を構成する各正面加工用工具140または背面加工用工具130が、各々X軸方向に一直線上に配置されている。保持台121および背面工具台131は、前記工具列がY軸方向に複数段(本実施例では2段)形成されるように、正面加工用工具140及び背面加工用工具130を保持する。保持台121および背面工具台131の工具列の各段間のピッチは同一に設定されている。
【0029】
前記保持台121は、両主軸110、120が同一平面内に位置し、両主軸110、120の軸線がXZ軸方向の同一平面に含まれる第1ポジションと、両主軸110、120が各々別々のXZ軸方向の平面内に位置し、両主軸110、120の軸線がY軸方向に離反する第2ポジションとが切り換えられるように、Y軸方向に位置制御される。
【0030】
保持台121の前記第1ポジションにおいて、図2図3に示すように、正面主軸110及び背面主軸120の軸線が含まれる前記平面に、下段の正面加工用工具140の工具列のX軸方向の直線と、上段の背面加工用工具130の工具列のX軸方向の直線とが含まれるように、正面主軸110及び背面主軸120が配置されている。
これにより、保持台121の前記第1ポジションにおいては、両主軸110,120と正面工具台141の下段の工具列の正面加工用工具140Bと背面工具台131の上段の工具列の背面加工用工具130Aとが1つの平面(加工平面)内に配置される。
【0031】
保持台121を前記第1ポジションに切り換えることによって、1つの加工平面上で正面主軸110及び背面主軸120に保持されたワークWの加工を下段の工具列の正面加工用工具140Bと上段の工具列の背面加工用工具130Aとにより行うことができる。特に両主軸110,120間でのワークWの授受を容易に行いながらワークWの加工を容易に行うことができる。
【0032】
一方、前記両主軸110,120と正面加工用工具140及び背面加工用工具130の配置により、保持台121の前記第2ポジションにおいて、図4図5に示すように、背面主軸120の軸線が含まれる前記平面に、下段の背面加工用工具130の工具列のX軸方向の直線が含まれ、正面主軸110の軸線が含まれる前記平面に、上段の正面加工用工具140の工具列のX軸方向の軸線が含まれる。
【0033】
これにより、保持台121の前記第2ポジションにおいては、正面主軸110と正面工具台141の上段の工具列の正面加工用工具140Aとが1つの平面(加工平面)内に配置され、背面主軸120と背面工具台131の下段の工具列の背面加工用工具130Bとが、前記加工平面に対してY軸方向に離反した1つの平面(加工平面)内に配置される。
保持台121をY軸方向に移動させて第2ポジションに切り換えることによって、正面主軸110に保持されたワークWと、背面主軸120に保持されたワークWとを各々Y軸方向に離反した別々の加工平面上で、正面加工用工具140A又は背面加工用工具130Bにより加工することができる。
【0034】
保持台121のY軸方向の1軸のみの動作によるポジションの切り換えによって、正面主軸110に保持されたワークWと背面主軸120に保持されたワークWの正面加工および背面加工における工具列の上段、下段の選択を、同時に行うことができる。
そして、前記2つのポジションの位置制御に、当止め等の簡単で高精度の位置決め手段を採用することも可能となり、ポジションの切り換え制御が、さらに容易となるとともに位置精度が向上する。
【0035】
また、図2、4に示すように、すべての工具列において正面加工用工具140および背面加工用工具130のX軸方向のピッチは同じに設定されており、正面主軸110および背面主軸120と正面加工用工具140および背面加工用工具130のX軸方向の位置関係は、正面主軸110に保持されたワークWが最も背面主軸120から離れた正面加工用工具140A1(あるいは140B1)により加工される位置において、背面主軸120に保持されたワークWが最も正面主軸110から離れた背面加工用工具130B1(あるいは130A1)により加工される位置となるよう配置されている。
【0036】
ワークWに複数の正面加工および背面加工を順番に施す場合、保持台121の下段の工具列には背面主軸120に近い方から順に正面加工に使用する正面加工用工具140Bを配置するとともに、上段の工具列には背面主軸120に遠い方から順に正面加工に使用する正面加工用工具140Aを配置し、また、背面工具台131の上段の工具列には正面主軸110に近い方から順に背面加工に使用する背面加工用工具130Aを配置するとともに、下段の工具列には正面主軸110に遠い方から順に背面加工に使用する背面加工用工具130Bを配置することで、保持台121をX軸方向に加工用工具の1ピッチ分ずつ移動させながら、加工用工具を1つづつ順に選択することによって、保持台121のX軸方向およびY軸方向の移動を少なくし、工具切り替え時間を短縮して効率よく加工を行うことができる。
【実施例2】
【0037】
本発明の第2実施例である工作機械200は、図6に示すように、正面主軸210と背面加工用工具230のY軸方向の位置関係、および、背面主軸220と正面加工用工具240のY軸方向の位置関係のみ第1実施例の工作機械100と相違し、その他の構成については同じである。
なお、図6乃至図10における符号の下2桁が、図1乃至図5の符号の下2桁と同一のものは同一の部品を示し、これらの同一の機能、動作については第1実施例と同じであるため説明を省略する。
【0038】
背面主軸220は、正面加工用工具240のいずれの段とも同一平面内に位置しないようにY軸方向に配置され、正面主軸210は、背面加工用工具230のいずれの段とも同一平面内に位置しないようにY軸方向に配置されている。
【0039】
保持台221は、正面主軸210が、下段の工具列の正面加工用工具240と同一平面内に位置し、背面主軸220が、上段の工具列の背面加工用工具230と同一平面内に位置する第1ポジションと、正面主軸210が、上段の工具列の正面加工用工具240と同一平面内に位置し、背面主軸220が、下段の工具列の背面加工用工具230と同一平面内に位置する第2ポジションとが切り換えられるように、Y軸方向に位置制御される。
【0040】
保持台221の前記第1ポジションにおいて、図7図8に示すように、正面主軸210の軸線が含まれる平面と、背面主軸220の軸線が含まれる平面は接近するが同一平面とはならず、かつ、正面加工用工具240および背面加工用工具230の全ての段がいずれも異なる平面上に位置する。
【0041】
一方、保持台221の前記第2ポジションにおいて、図9図10に示すように、正面主軸210の軸線が含まれる平面と、背面主軸220の軸線が含まれる平面は離間し、かつ、正面加工用工具240および背面加工用工具230の全ての段がいずれも異なる平面上に位置する。
【0042】
これにより、保持台221を前記第1ポジションに切り換えることによって、正面主軸210及び背面主軸220に保持されたワークWの加工を、それぞれの加工平面上で下段の工具列の正面加工用工具240Bと上段の工具列の背面加工用工具230Aとにより行うことができ、保持台221をY軸方向に移動させて第2ポジションに切り換えると、正面主軸210に保持されたワークWと、背面主軸220に保持されたワークWとを各々Y軸方向に離反した別の加工平面上で、上段の工具列の正面加工用工具240A又は下段の工具列の背面加工用工具230Bにより加工することができる。
【0043】
保持台221のY軸方向の1軸のみの動作による前記背面主軸台221のポジションの切り換えによって、前記第1実施例と同様に、正面主軸210に保持されたワークWと背面主軸220に保持されたワークWの正面加工および背面加工における工具列の上段、下段の選択を、同時に行うことができ、前記2つのポジションの位置制御が容易となるとともに位置精度が向上する。
【0044】
また、図7乃至図10に示すように、いずれのポジションにおいても、正面加工用工具240および背面加工用工具230の全ての段がいずれも異なる平面上に位置することにより、加工時に正面加工用工具240と背面加工用工具230が接近しても干渉することを防止できる。なお正面主軸210と背面主軸220との間でワークWの授受を行う場合、保持台221は、両主軸210,220が同一平面に位置するポジションにY軸方向に位置制御され、該ポジションにおいて、両主軸210,220の軸線を一致させて前記ワークWの授受を行うことができる。
【0045】
上述したいずれの実施例においても、正面、背面の両加工における工具列の中の正面加工用工具140、240および背面加工用工具130、230の選択を、保持台121、221のX軸方向の1軸のみの動作で同時に行うことができる。
また、いずれの実施例でも、保持台121、221のX軸、Y軸を移動させることで、5個×2段に配置されたそれぞれ10個の正面加工用工具140、240および背面加工用工具130、230から任意の工具を同時に選択することができるため、2つのワークWを正面主軸110、210と背面主軸120、220に保持してそれぞれの正面加工と背面加工を同時に行うことが可能となる。
【0046】
なお、本願に添付した図は、配置関係や動作を解りやすく説明するために簡略化されたものであり、個々の構成部材の実際の具体的形状や寸法は、図示のものに限定されるものではない。
また、正面加工用工具140、240および背面加工用工具130、230の数、配置も任意のもので良く、基台150、250が水平、傾斜、垂直のいずれの方向に設置されていても良い。
さらに、図示されていないが、他の所望の構成部材、例えば旋削工具、ワークWのハンドリング機構、加工液供給機構、加工屑排出機構等、工作機械に一般的に用いられる構成を適宜備えるものであっても良い。
【符号の説明】
【0047】
100、200、500 ・・・工作機械
501 ・・・旋削用工具台
502 ・・・旋削用工具台
110、210、510 ・・・正面主軸
111、220、511 ・・・正面主軸台
120、230、520 ・・・背面主軸
121、221 ・・・保持台
521 ・・・背面主軸台
130、230、530 ・・・背面加工用工具
131、231、531 ・・・背面工具台
140、240、540 ・・・正面加工用工具
141、241、541 ・・・正面工具台
150、250 ・・・基台
151、251 ・・・正面Z軸レール
152、252 ・・・X軸レール
153、253 ・・・X軸スライドテーブル
154、254 ・・・背面Z軸レール
155、255 ・・・Z軸スライド台
156、256 ・・・Y軸レール
160、260 ・・・ガイドブッシュ
161、261 ・・・ガイドブッシュ支持台
W ・・・ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11