特許第5674763号(P5674763)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5674763自己保持ケーブルタイを有する骨固定要素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674763
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】自己保持ケーブルタイを有する骨固定要素
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/58 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   A61B17/58
【請求項の数】15
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-510845(P2012-510845)
(86)(22)【出願日】2010年4月30日
(65)【公表番号】特表2012-526608(P2012-526608A)
(43)【公表日】2012年11月1日
(86)【国際出願番号】US2010033174
(87)【国際公開番号】WO2010132217
(87)【国際公開日】20101118
【審査請求日】2013年4月24日
(31)【優先権主張番号】61/177,442
(32)【優先日】2009年5月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507215725
【氏名又は名称】シンセス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】SYNTHES GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(72)【発明者】
【氏名】ハリガー,ウルス
(72)【発明者】
【氏名】レング,ブルーノ
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭49−079587(JP,U)
【文献】 特開昭53−005889(JP,A)
【文献】 特開平6−154258(JP,A)
【文献】 特表平6−505907(JP,A)
【文献】 特開平9−313501(JP,A)
【文献】 特開2000−201941(JP,A)
【文献】 特表2001−502559(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0055258(US,A1)
【文献】 国際公開第2009/021876(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/03 ― 17/115
A61B 17/56 ― 17/92
B65D 63/00 ― 63/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨固定デバイスを骨に固定するためのシステムであって、
近位端におけるヘッドと遠位端の間に延在する可撓性の長尺状要素であって、骨の目標部位のうちの1つおよび骨安定化要素の周囲に巻き付け、安定化させるように構成され、その第1表面から遠位に延在する複数の突起を含み、各突起は近位当接表面を含む、長尺状要素と、
骨固定要素であって、前記ヘッドから遠位の前記長尺状要素の一部をその中に摺動可能に受容するためのサイズおよび形状とされた、前記骨固定要素を通って延在する溝を含み、前記ヘッドを受容し、前記ヘッドが前記溝を通って遠位に引き出されるのを阻止するための形状とされた凹部を含み、前記骨固定要素および前記長尺状要素のうちの1つは、前記近位当接表面のうちの1つと係合するように構成されたタブを含み、前記突起が形成された前記長尺状要素の一部が前記タブに対して近位に動くのを阻止する、骨固定要素と、
を備える、システム。
【請求項2】
前記突起は、ラチェットとして前記タブと摺動可能に係合するための傾斜遠位表面を含み、各突起が、前記突起の対応する前記当接表面と係合するための前記タブを超えて遠位に動くように、前記長尺状要素の前記遠位部の遠位方向への動きが、前記タブを越えて前記突起を引き寄せて、前記長尺状要素の遠位部の新たな最近位位置を画定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記タブは、骨の目標部位の周囲の手術時構成にある場合に前記溝内に受容される、前記長尺状要素の一部上に形成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記タブは、前記突起が形成される第2表面の反対側の、前記長尺状要素の長手軸の側面に位置する前記長尺状要素の第1表面上に形成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記溝は、互いに面する第1表面と第2表面によって互いに隣接する前記長尺状要素の2つ分の厚さを受容するためのサイズとされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記溝は、前記長尺状要素の近位部がその中に受容される第1内腔と、安定化させる骨の部位の周囲に巻き付けられた後に、前記長尺状要素の遠位部がその中に挿入される第2内腔と、を隔てる仕切りを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記仕切りは、そこを通して前記第1表面と前記第2表面が互いに接触する間隙を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記骨固定要素は骨プレートおよび係止ブロックを含み、前記係止ブロックは前記骨プレート内の孔内部に結合可能であり、前記溝は前記係止ブロックを通って延在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記骨固定要素は骨スクリューおよび骨ピンのうちの1つであり、前記溝がそのヘッドを通って延在する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記骨固定要素は、その周囲に前記長尺状要素が固定される骨固定ロッドを受容するための形状とされた凹部を含む椎弓根スクリューである、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
骨締結部材を骨に固定するためのデバイスであって、
骨固定要素であって、前記骨締結部材の伸長部をその中に摺動可能に受容するためのサイズおよび形状とされた、前記骨固定要素を通って延在する溝を含み、前記溝の長手軸は、前記骨固定要素の長手軸に対して傾斜しており、前記骨固定要素は、前記骨締結部材の拡大ヘッドを受容するためのサイズおよび形状とされた第1開口部と、前記拡大ヘッドが前記溝を通って前記溝の外部に出るのを阻止するためのサイズおよび形状とされた第2開口部と、を有する凹部を含み、前記溝は、前記骨締結部材が通過する場合に、前記骨締結部材が目標骨の周囲で輪を形成し、前記溝を通って再挿入されるように構成され、前記骨締結部材の近位部は、前記溝内部で前記骨締結部材の遠位部と摩擦係合する、骨固定要素を備える、デバイス。
【請求項12】
前記溝は、前記骨締結部材の前記近位部をその中に受容する第1内腔と、安定化させる骨の前記目標部位の周囲に巻き付けられた後に、前記骨締結部材の前記遠位部がその中に挿入される第2内腔と、を隔てる仕切りを含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記骨固定要素は、手術時構成において骨プレート内に挿入可能な係止ブロックを更に備え、前記係止ブロックは、前記係止ブロックの前記骨プレートへの挿入によって、そこを通して挿入される前記骨締結部材の位置を固定できるように構成される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
前記骨固定要素は骨スクリューおよび骨ピンのうちの1つであり、前記溝がそのヘッドを通って延在する、請求項11に記載のデバイス。
【請求項15】
前記骨固定要素は、その周囲に前記骨締結部材が固定される骨固定ロッドを受容するための形状とされた凹部を含む椎弓根スクリューである、請求項11に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔優先権主張〕
本出願は、2009年5月12日に提出された「Self−Retaining Cable Tie」と題された米国仮特許出願第61/177,442号の優先権を主張するものであり、当該出願の全開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は骨固定に関し、より具体的には骨締結システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの場合、骨折は、骨を安定化させるためにワイヤまたは他のケーブルを目標部位の周囲に巻きつけることによって処置される。一般に、ケーブルは目標部位の周囲で輪を形成し、所望の張力で係止されて、複数の骨の部分を互いに対する所望の空間的関係で保持する。この目的のための公知のケーブルは、一般に、所望の張力で骨の目標部位の周囲に輪を形成するケーブルを維持するために、ケーブルの伸長部と係止可能に係合する大きなヘッドを持って形成される。しかしながら、多くの場合、これらの係止ヘッドの大きな形状は、これらが骨および任意の関連する医療器具(例えば、骨スクリュー、骨プレートなど)から離れて突出することを必要とし、靭帯、神経および他の周辺組織を刺激する。さらに、そのようなケーブルは、しばしば埋め込まれた後に緩み、骨に沿って滑ることで、処置を行った骨の力学的安定性を減少させ、骨に対する更なる損傷の可能性を増大させる。骨粗しょう症のような骨の異常は、そうした人工装具周囲の骨折の可能性を更に増大させる。またケーブルの弛緩および/または移動は、骨の断片のずれ、こわばり、癒着不能、関節力学異常、治癒機能障害なども引き起こしうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、骨固定デバイスを骨に固定するためのシステムであって、近位端のヘッドと遠位端の間に延在する可撓性の長尺状要素を備え、長尺状要素は骨の目標部位のうちの1つおよび骨安定化要素の周囲に巻きつけ安定化させるように構成され、その第1表面から遠位に延在する複数の突起を含み、各突起は、骨固定要素であって、その中にヘッドから遠位の長尺状要素の一部を摺動可能に受容するためのサイズおよび形状とされた、骨固定要素を通って延在する溝を含む、骨固定要素と結合する近位当接表面を含み、骨固定要素は、ヘッドを受容し、ヘッドが溝を通って遠位に引き出されるのを阻止するための形状とされた凹部を含み、骨固定要素および長尺状要素のうちの一方は、近位当接表面のうちの1つと係合するように構成されたタブを含み、突起がその上に形成される長尺状要素の一部がタブに対して近位に移動するのを阻止する、システムを対象とする。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明の第1の実施形態によるシステムの部分断面図である。
図2】本発明の第2の実施形態によるシステムの部分断面図である。
図3】本発明の第3の実施形態によるシステムの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、以下の説明および添付の図面を参照して更に理解されうるものであり、ここで、類似の要素は同じ参照番号によって参照される。本発明は、概して、締結を介して骨折した骨および骨の断片を安定化および固定するためのシステムおよび方法に関する。具体的には、本発明は、ケーブルを目標骨の周囲の所望の位置で係止するように構成された、最小の外面形状を有するケーブルタイであって、周辺組織への刺激を最小化または防止するように寸法を選択されたケーブルタイに関する。本発明による例示的ケーブルタイは、本体上に形成される自己係止切欠を有するように形成され、骨の目標部位の周囲に配置された場合に、ケーブルタイを所定の位置に係止することを可能とする。当業者が理解するように、本発明の実施形態は、骨固定術およびトロリー脊椎術を含む、締結を伴う複数の手法の任意のものに用いられうる。更に、例示的システムは、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、任意の骨固定術に用いられうることに留意されたい。本出願で使用される場合、近位および遠位の用語は、ケーブルタイに沿った方向を参照するものであり、ケーブルタイは、骨内に挿入される際にケーブルの先端部を形成する尖った先端を含む遠位端を有する。ケーブルは、この端部から近位に延在する。
【0007】
図1に示すように、本発明の第1の実施形態による例示的システム100は、骨スクリュー104のような骨固定デバイス内に搭載されるケーブルタイ102を備える。当業者が理解するように、スクリュー104は、脊柱固定術による椎弓根の固定のために構成された椎弓根スクリューでありうる。スクリュー104は、ヘッド106と、骨の目標部位への挿入のために構成されたねじ軸108を備える。ヘッド106は、骨固定ロッド112と係合するように構成された弧状凹部110を有するように形成される。骨固定ロッド112は、当分野で知られ、以下により詳細に説明する脊柱固定術に従って、骨(図示せず)の外面への取り付けのために構成されることを当業者は理解するであろう。当業者が理解するように、ヘッド106は、ねじ軸108の長手軸に対してほぼ垂直にヘッドを通って延在する溝114を更に備える。溝114の第1端部には支台116が形成され、溝114に繋がる2つの分離した開口部118、120を画定する。以下により詳細に説明するように、開口部120は、ヘッド124が溝114を通過することなく、スクリュー104の外部に延在するヘッド106の形状を最小化するために、ケーブルタイ102のヘッド124をその中に収めるように構成された凹部122を更に備える。好適には、凹部122は、ケーブルタイの近位端がヘッド124の外部表面とほぼ同一平面に位置するように、ケーブルタイ102のほぼ球形のヘッド124を収容するように構成されうる。
【0008】
ケーブルタイ102は、ヘッド124から遠位端128まで遠位に延在する長尺状部分126を含み、ケーブルタイ102の長さは、例えば、当分野で知られる、手術の遂行に適切な複数の標準長さのうちの任意のものが選ばれる。ケーブルタイ102は、複合プラスチック、ポリアリールエーテルエーテルケトン(「PEEK」)、または任意の他の生体適合性プラスチックを含むがこれに限定されない、任意の可撓性かつ耐久性のある材料で形成されうる。スクリュー104は、ステンレス鋼または別の生体適合性金属で形成することが可能である。ケーブルタイ102およびスクリュー104のそれぞれに選択される材料は、例えば、骨の目標部位への挿入中および挿入後にそれぞれの要素に印加されることが予想される負荷に基づいて選ばれうる。ヘッド124はほぼ球形として示されているが、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、任意の所望の形状で形成されうる。同様に、凹部122は、ヘッド124の選択された形状を収容するためのサイズおよび形状とされうる。
【0009】
この実施形態において、ケーブルタイ102の長尺状部分126は、ほぼ長方形の断面を有するように形成されるが、他の断面形状もまた想定される。長尺状部分126の第1長尺状壁134は、所定の角度で遠位に突出するタブ130を備える。タブ130は、長尺状部分126に沿って所定の距離だけヘッド124と離れており、ヘッド124が開口部120に収まる手術時構成において、タブ130は溝114内に配置される。長尺状部分126は、その上をタブ130が摺動する傾斜遠位表面を含む一連の歯を含むリブ状部132を更に含む一方で、歯の当接する近位表面は、タブ130と係止可能に係合してラチェット機構を形成する。リブ状部132は、ケーブルタイ102が目標構造の周囲に巻き付けられ開口部118を介してヘッド106に再度挿入された後にタブ130と係合することを十分に可能とする、第2長尺状壁136の所定の長さに沿って延在する。リブ状部132が周囲の組織を刺激することのないように、リブ状部132の長さは、溝114の長さとほぼ等しいか、あるいはより短い長さを有するように、任意に選択されうる。しかしながら、リブ状部132は、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の長さで形成されうるものであり、また、長尺状部分126の任意の部分上に延在しうることに留意されたい。
【0010】
本発明による例示的方法によれば、1つまたは複数のスクリュー104が、骨(図示せず)の目標部位内にねじ留めされる。次いで、ロッド112がスクリュー104の凹部110に収められ、当分野で知られる任意の技法を使用して、所定の位置に一時的に保持される。次いで、ケーブルタイ102の遠位端128が、スクリュー104のヘッド106を通って溝114の遠位端から出るように、タブ130を含む第1長尺状壁134がスクリュー104の軸108に面する状態で、開口部120内に挿入される。次いで、長尺状部分126がロッド112の周囲に巻き付けられ、開口部118内に挿入され、溝114を通る。次いで、任意の公知の張力装置および/または方法を使用して、任意の所望の張力のために、ケーブルタイ102がロッド112の周囲で方向Aに引っ張られる。この力の印加により、リブ状部132がタブ130を通り越えて摺動し、ヘッド124がそれ以上遠位に移動できなくなるまで、ヘッド124を凹部122内に引き込む。ラチェットによるタブ130のリブ状部132との係合は、遠位端128が溝114内へと近位に後退するのを防止することにより、ケーブルタイ102の位置を固定し、加えられる所望の張力を維持する。溝114の外へと突出するケーブルタイ102の遠位部は、その後、スクリュー104のヘッド106に対してほぼ同一平面上に位置するように調整される。
【0011】
図2は、以下に説明するものを除くと図1のシステム100とほぼ類似して形成されるシステム100´を示し、同様の要素は同様の参照番号で表示される。システム100´とシステム100の間の主要な差異は、システム100´の溝114´が、骨スクリュー104の長手軸に対して垂直ではなく、弧状の経路に沿ってヘッド106を通り延在することである。ここに示す実施形態において、溝114´は弧状の経路を辿り、その端部は軸108から見て外側を向いている。したがって、ケーブルタイ102´を目標の解剖学的構造(図示せず)の周囲に締め付けるために、軸108から離れて伸長する方向A´に向けて力が印加される。この実施形態による骨スクリュー104のヘッド106において、支台116は、近位部分116および遠位部分116´を含み、それぞれが溝114を第1部分117と第2部分117´とに隔てる仕切りとして形成される。したがって、溝114´の第1部分117の近位端は開口部120および開口部120´の間に延在し、一方、第2部分117´は開口部118および開口部118´の間に延在する。支台116の部分116、116´は、第1部分117と第2部分117´を互いに対して開放する間隙によって互いに隔てられ、そこを通って延在するケーブルタイ102´の隣り合う部分が互いに当接することを可能にする。また、溝114´の第2部分117´は、部分116、116´の間の間隙と直線上に並ぶ隆起部115を含みうるものであり、そこを越えて間隙を通過するケーブルタイ102´の部分が、ケーブルタイ102´の隣り合う部分と接触させる。システム100´のための例示的方法は、図1に関して先に開示した方法と実質的に同じである。所望の場合、システム100´において使用するケーブルタイ102´のリブ状部132´は、ケーブルタイ102´が上述した様式で所望の張力に設定された場合に、リブ状部132´が部分116、116´の間の間隙と直線上にあることを確保できる範囲内で、より短く形成することができる。
【0012】
図3に示すように、本発明の第3の例示的実施形態によるシステム200は、図1のケーブルタイ102とほぼ類似して形成されるケーブルタイ202を備える。システム200では、ケーブルタイ202は、前の実施形態で説明したような骨スクリューの代わりに、骨プレート204と係合する。ケーブルタイ202は、ケーブルタイ202の近位端に形成されたヘッド224から遠位端228まで遠位に延在する、長尺状部分226を備える。ケーブルタイ202の第1長尺状壁236は、第2長尺状壁238上に形成されたリブ状部232のリブの1つと係合するように構成された、タブ230を備える。タブ230およびリブ状部232は、以下に、より詳細に説明するように、ヘッド224が骨プレート204のプレート孔206内に係止され、長尺状部分226が骨の目標部位の周囲に巻き付けられた後に、ケーブルタイ102に関して先に説明したものと同様に、係止可能に係合するように構成される。プレート孔206は、骨プレート204を通って、その上面から手術時位置にある場合に骨212と接触する底面まで延在する。プレート204は、骨に沿って、例えばプレート孔206の軸に対してほぼ垂直な長手軸に沿って延在する。プレート孔206は、底端(すなわち、骨212の表面に隣接する端部)の直径が上端の直径よりも小さくなるように、次第に細くされている。しかしながら、プレート孔206は、本発明の範囲から逸脱することなく、任意の所望の寸法で、また、骨プレート204を通る任意の所望の角度で、形成されうることに留意されたい。
【0013】
例えば螺合または摩擦嵌合を介してプレート孔206内に受容される係止ブロック210は、手術時構成において、係止ブロック210がプレート孔206のほぼ中央に置かれるように、プレート孔206の軸とほぼ直線上に並ぶ軸に沿って延在する。係止ブロック210は、その軸に対してほぼ垂直な角度で係止ブロックを通って延在する溝216を更に備える。係止ブロック210を通って延在する溝216は、その第1端部218および第2端部220において開口している。以下により詳細に説明するように、溝216の第1端部は、好適には、ケーブルタイ202の1本がそこを通過することを可能とするのに十分な広さとされ、一方、溝216の第2端部220は、並んでそこを通るケーブルタイ202を2本受容するためのサイズとされる。溝216は、ケーブルタイ202に張力をかけた場合に、ヘッド224を凹部222の外に引き抜くことができないようにするため、ケーブルタイ202のヘッド224と係止可能に係合するように構成された凹部222を更に備える。例えば、凹部222は、その中にヘッド224が摺動しうる拡大端部と、そこから延在するより小さなスロットと、を有しうるものであり、ケーブルタイ202およびヘッド224が、凹部222の拡大端部から横方向に、スロット内に動かされる際に、ヘッド224がスロットの外側に遠位に動くのを阻止する。
【0014】
システム200の例示的使用方法によれば、骨プレート204は、最初に骨212の目標部位に対して所望の向きで配置される。次いで、溝216の第1端部218および第2端部220が使用者から依然としてアクセス可能とするために、ケーブルタイのヘッド224が凹部222内に係止可能に挿入され、係止ブロック210が開口部214内に挿入される。次いで、ケーブルタイ202の遠位端228が溝216の第1端部218と隣接するまで、遠位端228が骨212の目標部位の周囲に引き寄せられる。次いで、後の実施形態においてより詳細に説明するとおり、リブ状部323がタブ230と面するように、ケーブルタイ202の遠位端228が、第1端部218を介して溝216内に挿入される。次いで、ケーブルタイ202に所望の張力がかけられるまで、タブ230がリブ状部232上をラチェット作用により動くように、遠位端228がヘッド224の外側に、矢印Bの方向に引き寄せられる。次いで、遠位端228が係止ブロック210の第1端部218内に挿入され、溝216に通される。タブ230のリブ状部232との係合が、ケーブルタイを所望の位置および張力で係止し、また、ケーブルタイが弛緩するのを阻止する。当業者であれば理解するように、タブ230およびリブ状部232は溝214内部に収容されるので、係止ブロック210に印加される(例えば、通常の磨耗などによる)外力によって骨の周囲のケーブルタイ202の位置が危険に晒されることはない。
【0015】
骨プレート204を通して挿入される係止ブロック210と共に本実施形態を説明してきたが、係止ブロック210は、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、骨スクリューまたは他の骨固定デバイスにおいても用いられうることに留意されたい。
【0016】
本発明の構造および方法論において、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、様々な修正および変形を行いうることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の修正および変形は、それらが添付の請求項およびその均等物の範囲にある限り、本発明に包含されることが意図される。
図1
図2
図3