特許第5674764号(P5674764)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674764
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】折畳み式携帯ディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20150205BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20150205BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20150205BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20150205BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20150205BHJP
【FI】
   G09F9/00 312
   G09F9/00 366A
   G09F9/30 365
   H05B33/14 A
   H05K5/02 H
【請求項の数】22
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-510886(P2012-510886)
(86)(22)【出願日】2010年5月7日
(65)【公表番号】特表2012-527012(P2012-527012A)
(43)【公表日】2012年11月1日
(86)【国際出願番号】US2010034138
(87)【国際公開番号】WO2010132313
(87)【国際公開日】20101118
【審査請求日】2011年12月9日
(31)【優先権主張番号】12/463,969
(32)【優先日】2009年5月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509348786
【氏名又は名称】エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100093861
【弁理士】
【氏名又は名称】大賀 眞司
(74)【代理人】
【識別番号】100129218
【弁理士】
【氏名又は名称】百本 宏之
(72)【発明者】
【氏名】フェイン,ジーン エス.
(72)【発明者】
【氏名】メリット, エドワード エー.
【審査官】 佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−066388(JP,A)
【文献】 特開平07−230250(JP,A)
【文献】 特開平05−269119(JP,A)
【文献】 特開平10−207389(JP,A)
【文献】 特開2003−250074(JP,A)
【文献】 特開2005−215648(JP,A)
【文献】 特開2008−191398(JP,A)
【文献】 特開2007−108611(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/077649(WO,A1)
【文献】 特開2005−321702(JP,A)
【文献】 特表2005−536906(JP,A)
【文献】 特表2009−505294(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0082518(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ装置が拡張可能なディスプレイを展開するための、コンピュータにより実施される方法であって、
前記拡張可能なディスプレイは第1の方向に拡縮可能な第1のセグメントと第2の方向に拡縮可能な第2のセグメントとを備え、
前記方法は、
前記コンピュータ装置の前記拡張可能なディスプレイを活動化させるための第1の指令を前記コンピュータ装置で受信することを含み、
前記第1の指令に応答して、前記拡張可能なディスプレイの前記第1のセグメントが前記コンピュータ装置のケースの前記第1の方向における長さよりも大きい長さに拡張されながら、前記第1の方向に沿って前記拡張可能なディスプレイを前記コンピュータ装置のケースの内側から外側に拡張させることを含み、
前記第1の指令に応答して、前記拡張可能なディスプレイの第1のセグメントが前記第1の方向に拡張されながら、当該拡張可能なディスプレイの前記第2のセグメントが前記コンピュータ装置のケースの前記第2の方向における長さよりも大きい長さに拡張するよう、前記拡張可能なディスプレイを前記第2の方向に沿って拡張させることを含み、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して直交し、
前記拡張可能なディスプレイを非活動化させるための第2の指令を前記コンピュータ装置で受信することを含み、
前記第2の指令に応答して、前記拡張可能なディスプレイを非活動化させ、前記コンピュータ装置のケース内に当該拡張可能なディスプレイを取り込む際に、前記第1の方向に沿って前記拡張可能なディスプレイの前記第1のセグメントを前記ケース内に収縮させながら、前記第2の方向に沿って前記拡張可能なディスプレイの第2のセグメントを前記ケース内に収縮させることを含む、
方法。
【請求項2】
前記拡張可能なディスプレイの少なくとも一部に表示するための画像を生成することをさらに含み、前記表示画像の前記第1の方向に沿った長さが、前記コンピュータ装置の前記第1の方向の前記ケースの前記長さよりも大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記拡張可能なディスプレイが、有機発光ダイオード(OLED)のマトリックスの画面を含み、前記マトリックスが、表示画像を表示するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の指令に応答して、前記拡張可能なディスプレイのフレームのセグメントを繰り出すことをさらに含み、前記セグメントが、前記コンピュータ装置の前記ケースから繰り出す、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の指令に応答して、前記拡張可能なディスプレイの前記第1のセグメントとしてのフレームを伸縮することをさらに含み、前記フレームが、前記コンピュータ装置の前記ケースから前記第1の方向に沿って伸縮する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の方向に沿って前記拡張可能なディスプレイを拡張させることは、前記拡張可能なディスプレイの前記ケースの高さよりも大きい高さに前記拡張可能なディスプレイを拡張させることを含み、前記第2の方向に沿って前記拡張可能なディスプレイを拡張させることは、前記拡張可能なディスプレイの前記ケースの幅よりも広い幅に前記拡張可能なディスプレイを拡張させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の指令に応答して、前記拡張可能なディスプレイの前記第1のセグメントとしての第1のフレームを伸縮することをさらに含み、前記第1の方向に沿って向いた当該第1のフレームが、前記コンピュータ装置の前記ケースから前記第1の方向に沿って伸縮し、前記第1の方向に直交する前記第2の方向に沿って向いた前記第2のセグメントとしての第2のフレームが、前記第2の方向に沿って伸縮する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コンピュータ装置の前記拡張可能なディスプレイを活動化させるための前記第1の指令が、音声認識を用いて受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記コンピュータ装置の前記拡張可能なディスプレイを活動化および非活動化させるための前記第2の指令が、表示画像を表示するように構成されたOLEDを含むタッチ感知画面を用いて受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記コンピュータ装置の前記拡張可能なディスプレイを活動化させるための前記第1の指令が、タッチ感知画面を用いて受信される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータ装置が拡張可能なディスプレイの展開をコントロールするためのコンピュータ実行可能命令が符号化されて記憶されたコンピュータ可読媒体であって、
前記拡張可能なディスプレイは第1の方向に拡縮可能な第1のセグメントと第2の方向に拡縮可能な第2のセグメントとを備え、
前記命令は、
前記拡張可能なディスプレイを活動化させるよう前記コンピュータ装置によって受信される第1の指令に応答して、前記拡張可能なディスプレイの前記第1のセグメントが前記コンピュータ装置のケースの前記第1の方向の長さよりも大きい長さに拡張されながら、第1の方向に沿って前記拡張可能なディスプレイを前記コンピュータ装置のケースの内側から外側に拡張させることを含み、
前記第1の指令に応答して、前記拡張可能なディスプレイの第1のセグメントが前記第1の方向に拡張されながら、当該拡張可能なディスプレイの前記第2のセグメントが前記コンピュータ装置のケース前記第2の方向における長さよりも大きい長さに拡張するよう、前記拡張可能なディスプレイを前記第2の方向に沿って拡張させることを含み、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して直交し、
前記拡張可能なディスプレイの少なくとも一部に表示するための画像を生成することを含み、前記表示画像の前記第1の方向に沿う長さは、前記コンピュータ装置の前記第1の方向における前記ケースの前記長さよりも大きく、前記表示画像の前記第2の方向に沿う長さは、前記コンピュータ装置の前記第2の方向における前記ケースの長さよりも大きく、
前記拡張可能なディスプレイを非活動化させるよう前記コンピュータ装置によって受信される第2の指令に応答して、前記コンピュータ装置の前記拡張可能なディスプレイを非活動化させ、前記コンピュータ装置のケース内に当該拡張可能なディスプレイを取り込む際に、前記第1の方向に沿って前記拡張可能なディスプレイの前記第1のセグメントを前記ケース内に収縮させながら、前記前記第2の方向に沿って前記コンピュータ装置の前記拡張可能なディスプレイの第2のセグメント前記ケース内に収縮させることを含む、
コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記画像を表示するための前記命令が、前記表示画像を表示するように構成された有機発光ダイオード(OLED)のマトリックスを駆動するための命令を含む、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記拡張可能なディスプレイを引き込むための前記命令が、前記拡張可能なディスプレの前記第1のセグメント及び第2のセグメントとしてのフレームを折畳むための命令を含む、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記拡張可能なディスプレイを鉛直方向に広げるための前記命令が、前記拡張可能なディスプレイの前記第1のセグメント及び第2のセグメントとしてのフレームを伸縮するための命令を含む、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記第1の方向に沿って前記拡張可能なディスプレイの前記第1のセグメントを拡張させることは、前記拡張可能なディスプレイの前記ケースの高さよりも大きい高さに前記拡張可能なディスプレイを拡張させる命令を含み、前記第2の方向に沿って前記拡張可能なディスプレイの前記第2のセグメントを拡張させることは、前記拡張可能なディスプレイの前記ケースの幅よりも広い幅に前記拡張可能なディスプレイを拡張させる命令を含む、請求項14に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記コンピュータ装置の前記拡張可能なディスプレイを活動化させるための前記指令を受信するための音声認識命令をさらに含む、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
タッチ感知画面から前記コンピュータ装置の前記拡張可能なディスプレイを活動化させるための前記指令を受信するための命令をさらに含む、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記表示画像を表示するための前記命令が、マルチメディアのコンテンツを再生および/または記録するための命令を含む、請求項11に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
ケースを有するコンピュー装置と、
拡張可能なディスプレイとを備え、前記拡張可能なディスプレイが、前記コンピュー装置の前記ケース内に納められている前記拡張可能なディスプレイを前記ケース外に展開するように構成可能であり、前記拡張可能なディスプレイは第1の方向に拡縮可能な第1のセグメントと第2の方向に拡縮可能な第2のセグメントとを備えるシステムであって
前記コンピュータ装置の前記拡張可能なディスプレイを活動化させるよう前記コンピュータ装置によって受信される第1の指令に応答して、前記拡張可能なディスプレイの第1のセグメントが前記コンピュータ装置のケースの第1の方向における長さよりも大きい長さに拡張されながら、第1の方向に沿って前記拡張可能なディスプレイを前記コンピュータ装置のケースの内側から外側に拡張させることと、
前記第1の指令に応答して、前記拡張可能なディスプレイが前記第1の方向に拡張されながら、当該拡張可能なディスプレイの前記第2のセグメントが前記コンピュータ装置のケースの前記第2の方向における長さよりも大きい長さに拡張するよう、前記拡張可能なディスプレイを前記第2の方向に沿って拡張させることを含み、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して直交し、
前記拡張可能なディスプレイを非活動化させるための第2の指令を前記コンピュータ装置で受信することと、
前記拡張可能なディスプレイを非活動化させるよう前記コンピュータ装置によって受信される第2の指令に応答して、前記コンピュータ装置のケース内に当該拡張可能なディ数プレイを取り込む際、前記第1の方向に沿って前記拡張可能なディスプレイの前記第1のセグメントを前記ケース内に収縮させながら、前記第2の方向に沿って前記コンピュータ装置の前記拡張可能なディスプレイの第2のセグメントを前記ケース内に収縮させることと、
を含む命令を実行するように構成され前記システム。
【請求項20】
前記コンピュー装置が、前記拡張可能なディスプレイの少なくとも一部に表示するための画像を生成するための命令を実行するようにさらに構成され、前記表示画像の前記第1の方向に沿う長さが、前記コンピュータ装置の前記第1の方向における前記ケースの前記長さよりも大きく、前記表示画像の前記第2の方向に沿う長さは、前記コンピュータ装置の前記第2の方向における前記ケースの前記長さよりも大きい、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記拡張可能なディスプレイが、前記第1のセグメント及び第2のセグメントとして、チタン合金のレールを含むフレームを備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の方向に沿って前記拡張可能なディスプレイを拡張させることは、前記拡張可能なディスプレイの前記ケースの高さよりも大きい高さに前記拡張可能なディスプレイを拡張させることを含み、前記第2の方向に沿って前記拡張可能なディスプレイを拡張させることは、前記拡張可能なディスプレイの前記ケースの幅よりも広い幅に前記拡張可能なディスプレイを拡張させることを含む、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、ハンドヘルド電子装置または他の携帯電子装置と共に使用できるような折畳み式携帯ディスプレイを提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータおよび構成部品の急速な小型化によって、非常に小さいがパワフルな携帯装置が開発されることになった。今では、多くの人が、電話、カレンダ、コンタクトオーガナイザ(contacts organizer)、eメールクライアント、ウェブブラウザ、ワードプロセッサ、さらに表計算エディタとして働く小型ハンドヘルド装置を持ち歩く。しばしば、そのような装置は、比較的小型のディスプレイを用いて構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、ディスプレイを納めるために使用されている比較的小さいフォームファクタと比べて、比較的大きいフォームファクタのディスプレイをユーザが使用することを可能にする方法、コンピュータ可読媒体、及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、ある実施形態を説明するに過ぎず、本開示の特徴は、添付の図面、および添付の特許請求の範囲と併せて、以下の詳細な説明から明らかになろう。図面は、ある実施形態を示すに過ぎず、したがって、特許請求の範囲の限定とみなされるべきではない。本開示は、添付の図面を使用することによって、追加の特異性および細部に関して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】ある実施形態において使用され得る二層有機発光ダイオードの機能ブロック図である。
図2】折畳み式携帯ディスプレイのいくつかの実施形態の正面図である。
図3図2に示す折畳み式携帯ディスプレイの側面図である。
図4図2に示す折畳み式携帯ディスプレイの上面図である。
図5】開いた状態にある図2に示す折畳み式携帯ディスプレイの側面図である。
図6】開いた状態にある図2に示す折畳み式携帯ディスプレイの正面図である。
図7】折畳み式携帯ディスプレイの別の実施形態の正面図である。
図8図7に示す折畳み式携帯ディスプレイの側面図である。
図9図7に示す折畳み式携帯ディスプレイの上面図である。
図10】開いた状態にある図7に示す折畳み式携帯ディスプレイの側面図である。
図11】開いた状態にある図7に示す折畳み式携帯ディスプレイの正面図である。
図12】拡張可能な画面を展開するためのプロセスを概して示す動作流れ図である。
図13図1に示す拡張可能な画面を展開するように構成されるコンピュータ製品を概して示す図である。
図14】折畳み式ディスプレイを展開するために構成されるコンピューティング装置1400の一例を示すブロック図であり、本開示の少なくともいくつかの実施形態により全てが構成される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明では、その一部を形成する添付図面の参照がなされる。添付図面では、文脈上別段の定めがない限り、典型的には、同様の符号は、同様の構成要素を特定する。詳細な説明および図面に記載した例示的な実施形態は、限定するものではない。本明細書に提示した対象の精神または範囲を逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更がなされてもよい。本明細書に全体的に記載すると共に、図に示した本開示の態様は、幅広い種類の異なる構成にアレンジ、置換、組み合わせ、および設計されてもよく、それらの全ては、明示的に検討され、本開示の一部をなすことが容易に理解されよう。
【0007】
本開示には、とりわけ、表示システムに関連した方法、装置、コンピュータプログラム、およびシステムが描かれている。そのようなシステムの1つに関するある実施形態を、図に示すと共に以下説明する。多くの他の実施形態も考えられるが、時間とスペースの制限により、これらの実施形態の網羅的なリストを一文書中に含めることができない。したがって、特許請求の範囲の範囲内の他の実施形態は、本開示の教示から当業者に明らかになろう。
【0008】
ハンドヘルド電子装置と共に使用できるような折畳み式携帯ディスプレイを提供するシステムを説明する。簡潔に述べると、いくつかの実施形態は、格納および/または収納を容易にするためにより小さいフォームファクタに折畳むおよび/または引き込むことができるディスプレイ画面を例示する。使用中のとき、ディスプレイは、十分使用可能なサイズおよび形状に広げることができる。このようにして、小型携帯装置は、容易に持ち歩くことができるが、それでもなお合理的なサイズのディスプレイ画面を備えることができる。
【0009】
図1は、本開示による、ある実施形態において使用され得る二層有機発光ダイオード(OLED)の機能ブロック図である。以下説明するように、多層OLEDは、他の実施形態において使用することもできる。
【0010】
OLED(「発光ポリマー」および「有機エレクトロルミネッセンスデバイス」とも呼ばれることもあり得る)は、有機化合物の膜で構成される発光エレクトロルミネセンス層を有する任意の発光ダイオード(LED)であり得る。この層はポリマー物質を有し得、そのポリマー物質の上に適切な有機化合物を堆積できる。OLEDは、簡単な「印刷」プロセスによってフラットキャリアに行列状に堆積され得る。結果として得られる画素マトリックスは、異なる色の光を発することができる。
【0011】
そのようなシステムは、テレビ画面およびコンピュータディスプレイに使用することができる。そうしたシステムは、携帯電話やPDAなどの小型の携帯システムの画面に使用することもでき、これらは、広告、ニュース配信、およびナビゲーションなどのために使用可能である。OLEDは、大面積発光素子の形態の一般的な空間照明用の光源として使用することもできる。OLEDは、点光源として一般に使用される無機固体ベースのLEDよりも面積当たり少ない光を発し得る。
【0012】
OLEDディスプレイは、機能するためにバックライトを必要としない。したがって、OLEDディスプレイは、バックライトを有するディスプレイよりも消費電力を少なくできる。(例えば)バッテリから電力供給されるとき、OLEDディスプレイは、同等な大きさの液晶ディスプレイ(LCD)よりも長く動作することができる。バックライトを使用しないとき、OLEDディスプレイは、LCDパネルよりもずっと薄くすることができる。
【0013】
典型的なOLEDは、発光層120、導電層140、基板160、ならびにアノード150およびカソード110の端子を含み得る。これらの層は、電気を通すことができる特別な有機分子および/またはポリマーで形成することができる。OLEDに使用する有機分子の電導度(levels of conductivity)は、絶縁体の電導度から導体の電導度の範囲に及ぶものであり得、「有機半導体」と呼ばれ得る。
【0014】
多層OLEDは、装置の効率を改善するために3層以上を有してもよい。これらの層の導電性に加えて、これらの層は、より段階的な電子プロフィール(more gradual electronic profile)を与えることによって電極での電荷注入を助け、または電荷が反対側の電極に到達し、浪費されるのを防ぐように選ぶことができる。
【0015】
典型的には、アノード150がカソード110に対して正であるように、OLED100に電圧が印加され得る。この印加電圧によって、カソード110からアノード150へデバイスを通じて電子電流を流すことができる。したがって、カソード110は、発光層120に自由電子を与えることができる一方、アノード150は、導電層140から自由電子を回収することができる。言い換えれば、アノード150は、導電層140に「ホール」を与えることができる。
【0016】
発光層120が負に帯電されると、導電層140は、正に帯電したホールを多く含むことになり得る。静電気力によって電子およびホールを互いに向けて動かし、再結合130における通り、そこで電子およびホールは再結合する。典型的には、有機半導体では、(無機半導体中の電子移動度に比べて)ホールが電子よりも移動しやすいので、再結合130は、発光層120寄りで起こり得る。再結合130によって、電子のエネルギー準位の低下を引き起こすことができ、このことは、可視光領域中の周波数を有する付随的な放射線発光を伴い得る。したがって、この層は、「発光」層と呼ばれ得る。
【0017】
カソード110に対してアノード150が負の電位に下げられると、OLED100は、通常、発光しない。そのような順方向バイアス状態では、ホールはアノードへ移動し、電子はカソードへ移動する(そして互いから離れる)傾向があり、それによって再結合を妨げる傾向がある。
【0018】
インジウムスズ酸化物が、アノード150の材料として使用されてもよい。インジウムスズ酸化物は、可視光に対して透明であると共に、ホールをアノード150のポリマー層に注入することを促進できる高い仕事関数を有し得る。アルミニウムおよびカルシウムなどの金属は、電子をカソード110のポリマー層に注入することを促進できる低い仕事関数を有し得るので、カソード110に使用することができる。
【0019】
LCDが単純マトリックスLCDおよびアクティブマトリックスLCDに配置されるのと同様の仕方で、OLEDは、単純マトリックスディスプレイおよびアクティブマトリックスディスプレイに分類することもできる。アクティブマトリックスOLED(AMOLED)は、個々の画素のオンまたはオフを切り替えるために薄膜トランジスタのバックプレーンを使用することができ、したがって、単純マトリックスOLEDを使用するのと比べてより高い解像度およびより大きいサイズのディスプレイを可能にすることができる。
【0020】
図2は、本開示により構成される、折畳み式携帯ディスプレイ(FPD)のいくつかの実施形態の正面図である。FPD200は、ボタンを含むことができる正面を備えることができる。ボタンは、ユーザ作動式ボタンを用いて構築することができる。ボタンは、物理キーおよび/または(タッチ感知ディスプレイによって与えられるキーなどの)仮想キーであり得る。他のユーザインタフェース制御(音声認識など)を用いてこれらのキーによって与えられる機能を実現してもよい。フィードバックは、光、振動、および/またはスピーカを用いて与えることができる。したがって、FPD200は、マルチメディアの記録装置および/または再生装置として使用することができる。
【0021】
アップボタン210を作動して(例えば、押し下げおよび解除して)、FPD200のケースから上方へ広げることができる(例えば、図5に関連して以下に示す)拡張可能なOLED画面をコントロールできる。OLED画面は、例えば、折畳み式または伸縮式フレーム構造で構成することができる。ダウンボタン220を作動して、拡張可能なOLED画面をFPD200のケースの中に引き込むことをコントロールできる。したがって、拡張可能なOLED画面は、アップボタン210およびダウンボタン220を用いて(完全に広げた状態から完全に引き込まれた状態まで及ぶ)ある範囲のうちのある割合にわたって広げること、および引き込むことができる。
【0022】
図3は、本開示により構成される、図2に示す折畳み式携帯ディスプレイの側面図である。いくつかの実施形態では、FPD300は、FPD300の正面から外側へ突き出るアップボタン310およびダウンボタン320を含むことができる。FPD300のケース330は、内部電子機器、およびバッテリなどの携帯用電源を含むのに十分な奥行きがあり得る。
【0023】
図4は、本開示により構成される、図2に示す折畳み式携帯ディスプレイの上面図である。いくつかの実施形態では、FPD400は、FPD400の正面から外側へ突き出るボタン440を含むことができる。FPDの上部は、スロット410を含むことができ、このスロット410から格納したOLEDを広げることができる。スロット410は、FPDのコンパートメント(520、後述する)を自動的に密閉することができる摺動式の扉420を有してもよく、OLEDは、完全に引き込まれたときにこの中に納まる。拡張可能なOLED画面を支持するフレームの縁部が貫いて延在できる開口を与える穴430を使用することができる。フレームの縁部は、拡張可能なOLED画面が完全に引き込まれたときに穴を密閉するように配置され得る。摺動式の扉420は、穴430を密閉するために使用することができる。
【0024】
図5は、本開示により構成される、開いた状態にある図2に示す折畳み式携帯ディスプレイの側面図である。FPD500は、広げた状態にあるOLED画面510を示して例示されている。いくつかの実施形態では、FPD500は、画面が引き込まれた状態にあるときにOLED画面510を納めるように配置されるコンパートメント520を含むことができる。OLED画面510は、折畳む(および/またはスライドする)ように構成され得る垂直レール530(1本のレールが、側面図に示されている)を備えることができ、それによってOLED画面510は、コンパートメント520によってもたらされる比較的高い安全性を有して納めることができる。図6に後述するように、OLEDは、FPD500の正面にわたって広がり得る可撓性の連続的な層に形成することができる。
【0025】
図6は、本開示により構成される、開いた状態にある図2に示す折畳み式携帯ディスプレイの正面図である。OLED画面610は、FPD600のケース620から完全に広げられているものとして示す。いくつかの実施形態では、OLED画面610は、(図1に示すような)基板上に形成されるプラスチックOLEDの折畳み可能なシートを含むことができる。図6に示すように、OLEDは、OLED画面610上に画像を表示できるように固体半導体のマトリックスとして形成することができる。この基板は、高可撓性プラスチックおよび/または金属箔を用いて形成してもよい。
【0026】
図示するように、ケース620は、この例では6インチを超える幅を有し、一方、OLED画面610は、6インチの幅を有する。この寸法は、垂直軸に巻き付ける必要なくOLED画面610をケース620の内側に納めることを可能にする。OLED画面610は、OLEDを含む折畳んだまたは巻かれた基板を取り出すことによって上方へ(例えば、鉛直方向に)広げることができる。OLED画面610は、ケース620の高さ(2インチ未満として例示されている)よりも大きいある距離(6インチを超えるものとして例示されている)にわたって広がることができる。ケース620は、拡張可能なOLED画面を支持するフレーム640のセグメントを、引き込まれたときに内部に納めることができるコンパートメント630を与えるように構成することができる。
【0027】
図7は、本開示により構成される、折畳み式携帯ディスプレイの別の実施形態の正面図である。いくつかの実施形態では、FPD700は、ボタンを含むことができる正面を備えることができる。アップボタン710を作動して、FPD700のケースから上方外側へ広がるように構成され得る(例えば、図11に関連して下に示す)拡張可能なOLED画面の広がりをコントロールできる。ダウンボタン720を作動して、拡張可能なOLED画面をFPD700のケースの中に引き込むことをコントロールできる。このようにして、拡張可能なOLED画面は、アップボタン710およびダウンボタン720を用いて完全に広げた状態から完全に引き込まれた状態まで及ぶ範囲全体にわたって広げることおよび引き込むことができる。
【0028】
図8は、本開示により構成される、図7に示す折畳み式携帯ディスプレイの側面図である。いくつかの実施形態では、FPD800は、FPD800の正面から外側へ突き出し得るアップボタン810およびダウンボタン820を含むことができる。FPD800のケース830は、コンパートメント840を含むことができ、このコンパートメント840は、OLED画面を受け入れ、納めるように構成することができる。
【0029】
図9は、本開示により構成される、図7に示す折畳み式携帯ディスプレイの上面図である。いくつかの実施形態では、FPD900は、FPD900の正面から外側へ突き出し得るボタン940を含むことができる。FPDの上部は、スロット910を含んでもよく、このスロット910から納めたOLEDを広げることができる。スロット910は、FPDのコンパートメント(および/またはケース)を自動的に密閉するように構成され得る摺動式の扉920を有してもよく、OLED画面は、完全に引き込まれたときにこの中に納まることができる。摺動式の扉920は、納めたOLED画面を広げることを可能にするために開くように構成することができる。OLED画面を完全に広げたとき、摺動式の扉920は、OLED画面を完全に広げたときにスロット910を密封するように中間位置に戻るように動かすことができる。
【0030】
図10は、本開示により構成される、開いた状態にある図7に示す折畳み式携帯ディスプレイの側面図である。FPD1000は、広げた状態にあるOLED画面1010を示して例示されている。FPD1000は、画面が引き込まれた状態にあるときにOLED画面1010を納めるように構成することができるコンパートメント1020を含むことができる。いくつかの実施形態では、OLED画面1010は、OLED画面1010をコンパートメント1020に引き込むことができるように上下方向に伸縮する垂直セグメント1030を含むことができる。OLED画面1010の垂直セグメント1030は、可撓性チタン合金を用いて作製することができ、この可撓性チタン合金は、OLED画面を展開するのに適している剛性を与えることができ、しかも過度の力がOLED画面1010のフレームに加えられたときに、曲げによる破損から保護することもできる。
【0031】
図11は、本開示により構成される、開いた状態にある図7に示す折畳み式携帯ディスプレイの正面図である。OLED画面1110は、FPD1100のケース1120から完全に広げられているものとして示す。いくつかの実施形態では、OLED画面1110は、(図1に示すような)基板上に形成されるプラスチックOLEDの折畳み可能なシートを含むことができる。図11に示すように、OLEDは、OLED画面1110上に画像を表示できるように固体半導体のマトリックスとして形成することができる。この基板は、高可撓性プラスチックおよび/または金属箔を用いて形成してもよい。
【0032】
図示するように、OLED画面1110は、この例では、OLEDを含む(例えば)折畳んだまたは巻かれた基板を取り出すことによって、垂直方向に6インチを超えて広げることができる。OLED画面1110は、OLED画面1110の左右の縁部に沿った垂直セグメント1130を含むことができる。垂直セグメント1130は、OLED画面1110をケース1120のコンパートメントに引き込むことができるように上下方向に伸縮するように構成することができる。
【0033】
ケース1120は、OLED画面1110よりも小さい幅を有してもよい。OLED画面1110は、OLED画面1110の上下の縁部に沿った水平セグメント1140を含んでもよい。水平セグメント1140は、OLED画面1110をケース1120よりも広い範囲にわたって広げることができるように、横方向に伸縮するように構成されてもよい。したがって、OLED画面1110が、ケース1120よりも広いものであり得るけれど、OLED画面1110をケース1120の内側に納めることができる。
【0034】
図12は、本開示により構成される拡張可能な画面を展開するためのプロセスを概して示す動作流れ図である。プロセス1200は、ブロック1210、1220、1230、1240、および/または1250として示す1つまたは複数の機能またはプロセス動作を含むことができる。ブロック1210では、コンピュータ装置の拡張可能なディスプレイを活動化させるための指令が、コンピュータ装置によって受信され得る。受信した指令は、コンピュータ装置のタッチ画面上の物理ボタンまたは仮想キーをユーザが活動化させるような物理的指令として生成することができる。受信した指令は、音声認識モジュールに結合したマイクロフォンへのユーザの発言と関連して生成することもできる。受信した指令は、赤外線コントローラなどのリモートコントローラから受信されてもよい。
【0035】
ブロック1220では、コンピュータ装置は、動作1210において受信した指令に応答して、展開サイズへ拡張可能なディスプレイの画面を広げるための指令を生成することができる。この展開サイズは、拡張可能な画面が納まるコンピュータ装置のケースのサイズよりも大きいものであり得る。拡張可能なディスプレイは、第1の方向に沿ってコンピュータ装置から、第1の方向のコンピュータ装置の対応する長さよりも大きい長さへ広げることができる。例えば、拡張可能なディスプレイの展開サイズは、コンピュータ装置のケースの高さよりも高くすることができる。
【0036】
拡張可能なディスプレイは、第1の方向に直交する第2の方向に沿ってコンピュータ装置から広げられてもよい。例えば、拡張可能なディスプレイの展開サイズは、コンピュータ装置のケースの幅よりも広くすることができる。
【0037】
拡張可能なディスプレイの画面を広げるための生成した指令を実行してディスプレイを広げる。指令の実行は、拡張可能なディスプレイのフレームを繰り出すまたは伸縮するのを達成するために、モータ、ソレノイド、油圧弁および/または空気弁、ばね仕掛けの掛け金などを作動することを含み得る。
【0038】
ブロック1230では、コンピュータ装置は、展開した画面上に表示するための画像を生成することができる。画像の生成は、展開した画面上に表示するために(映像を含む)画像をフォーマットすることを含むことができる。画像の生成は、展開した画面のOLEDを駆動するのに適している信号を生成することを含むこともできる。
【0039】
ブロック1240では、コンピュータ装置の拡張可能なディスプレイを非活動化させるために、コンピュータ装置によって指令を受信することができる。受信した指令は、コンピュータ装置のタッチ画面上の物理ボタンまたは仮想キーをユーザが活動化させるような物理的指令として生成することができる。受信した指令は、リモートで生成することもできる。
【0040】
ブロック1250では、コンピュータ装置は、動作1240において受信した指令に応答して展開した拡張可能なディスプレイを引き込むための指令を生成することができる。展開した拡張可能なディスプレイは、コンピュータ装置のケースの(空所または溝などの)コンパートメント内に引き込むことができる。拡張可能なディスプレイを引き込むのを達成するために、生成した指令を実行してモータ、ソレノイド、油圧弁および/または空気弁、ばね仕掛けの掛け金などを作動することができる。拡張可能なディスプレイを引き込むことは、拡張可能なディスプレイのOLEDフレームのセグメントを繰り出すおよび/または伸縮することを含むことができる。
【0041】
図13は、本開示により構成される、図1に示す拡張可能な画面を展開するように構成されるコンピュータ製品を概して示す図である。コンピュータプログラム製品1300は、コンピュータ実行可能命令1304を有するコンピュータ可読媒体1302、記録可能媒体1306、通信媒体1308等などのいくつかの形態のうちの1つをとることができる。コンピュータ実行可能命令1304が実行されると、ある方法が実行される。命令1304は、コンピュータ装置の拡張可能なディスプレイを活動化させるための指令をコンピュータ装置で受信すること、第1の方向に沿ってコンピュータ装置からコンピュータ装置のケースの第1の方向の長さより大きい長さに拡張可能なディスプレイを広げること、拡張可能なディスプレイを非活動化させるための指令をコンピュータ装置で受信すること、およびコンピュータ装置の拡張可能なディスプレイを非活動化させ、第1の方向に沿って引き込むことをとりわけ含む。
【0042】
本開示に鑑みて理解されるように、本明細書に記載のシステムおよび方法は、ユーザがこれまで利用できなかった、ディスプレイ装置の独特の利点をもたらす。本システムおよび方法は、ディスプレイを納めるために使用されている比較的小さいフォームファクタと比べて、比較的大きいフォームファクタのディスプレイをユーザが使用することを可能にすることができる。例えば、画面は、ディスプレイを納めるために使用されているケースの高さよりも高くすることができる。
【0043】
別の態様では、拡張可能なディスプレイのための本記載のシステムおよび方法のいくつかの実施形態において、ディスプレイは第2の方向に広がることができ、これによって、ディスプレイを納めるために使用されている比較的小さいフォームファクタと比べて、さらに比較的より大きいフォームファクタのディスプレイとなり得る。例えば、画面は、ディスプレイを納めるために使用されているケースの高さおよび幅よりも高くおよび広くすることができる。
【0044】
図14は、本開示による折畳み式ディスプレイを展開するために構成されるコンピューティング装置1400の一例を示すブロック図である。とても基本的な構成1401では、典型的には、コンピューティング装置1400は、1つまたは複数のプロセッサ1410と、システムメモリ1420とを含む。メモリバス1430は、プロセッサ1410とシステムメモリ1420の間で通信するために使用することができる。
【0045】
所望の構成に応じて、プロセッサ1410は、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、またはそれらの任意の組み合わせを含む任意の種類のものであってもよいが、これらに限定されない。プロセッサ1410は、一次キャッシュ1411および二次キャッシュ1412など、もう1つのレベルのキャッシュと、プロセッサコア1413と、レジスタ1414とを含むことができる。プロセッサコア1413は、演算論理装置(ALU)、浮動小数点演算ユニット(FPU)、デジタル信号処理コア(DSPコア)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。メモリコントローラ1415をプロセッサ1410と共に使用することもでき、または一部の実施では、メモリコントローラ1415は、プロセッサ1410の内部部品であり得る。
【0046】
所望の構成に応じて、システムメモリ1420は、揮発性メモリ(RAMなど)、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリ等など)、またはそれらの任意の組み合わせを含む任意の種類のものであってもよいが、これらに限定されない。典型的には、システムメモリ1420は、オペレーティングシステム1421、1つまたは複数のアプリケーション1422、およびプログラムデータ1424を含む。アプリケーション1422は、折畳み式ディスプレイを制御するように構成される折畳み式ディスプレイアルゴリズム1423を含んでもよい。プログラムデータ1424は、さらに上述したように折畳み式ディスプレイを動作させるのに有用である折畳み式ディスプレイデータ1425を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アプリケーション1422は、汎用コンピュータ上で折畳み式ディスプレイの動作が容易になり得るように、オペレーティングシステム1421上でプログラムデータ1424を用いて動作するように配置されてもよい。説明したこの基本的な構成は、線1401内のそれらの構成要素によって、図14に示される。
【0047】
コンピューティング装置1400は、追加の特徴または機能、基本的な構成1401と任意の必要な装置およびインタフェースとの間の通信を助けるための追加のインタフェースを有することができる。例えば、バス/インタフェースコントローラ1440は、記憶装置インタフェースバス1441を介して基本的な構成1401と1つまたは複数のデータ記憶装置1450の間の通信を助けるために使用することができる。データ記憶装置1450は、取外し式記憶装置1451、非取外し式記憶装置1452、またはそれらの組み合わせであってもよい。取外し式記憶装置および非取外し式記憶装置の例には、いくつか例を挙げると、フレキシブルディスクドライブおよびハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスク装置、コンパクトディスク(CD)ドライブまたはデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブなどの光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、およびテープドライブが含まれる。コンピュータ記憶媒体の例には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術において実装される揮発性および不揮発性の取外し式および非取外し式媒体が含まれ得る。
【0048】
システムメモリ1420、取外し式記憶装置1451、および非取外し式記憶装置1452は、いずれもコンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体(またはコンピュータ可読媒体)には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、もしくは他のメモリ技術、CD−ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、または他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、もしくは他の磁気記憶装置、あるいは所望の情報を記憶するために使用できると共にコンピューティング装置1400によってアクセスできる他の任意の媒体が含まれるが、これらに限定されない。そのような任意のコンピュータ記憶媒体は、装置1400の一部であり得る。
【0049】
コンピューティング装置1400は、様々なインタフェース装置(例えば、出力インタフェース、周辺インタフェース、および通信インタフェース)からバス/インタフェースコントローラ1440を介して基本的な構成1401への通信を助けるためにインタフェースバス1442を備えることもできる。出力装置1460の例には、グラフィック処理装置1461および音声処理装置1462が含まれ、グラフィック処理装置1461および音声処理装置1462は、1つまたは複数のA/Vポート1463を介してディスプレイまたはスピーカなどの様々な外部装置と通信するように構成することができる。周辺インタフェース1470の例には、シリアルインタフェースコントローラ1471またはパラレルインタフェースコントローラ1472が含まれ、シリアルインタフェースコントローラ1471またはパラレルインタフェースコントローラ1472は、入力装置(例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力装置、タッチ入力装置等)、または他の周辺機器(例えば、プリンタ、スキャナなど)などの外部装置と1つまたは複数のI/Oポート1473を介して通信するように構成することができる。通信装置1480の例には、ネットワークコントローラ1481が含まれ、ネットワークコントローラ1481は、1つまたは複数の通信ポート1482を介してネットワーク通信上で1つまたは複数の他のコンピューティング装置1490と通信するのを助けるように配置することができる。通信接続は、通信媒体の一例である。典型的には、通信媒体は、搬送波または他の移送機構などの変調データ信号中のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータによって具体化することができ、任意の情報送達媒体を含む。「変調データ信号」は、信号特性のうちの1つまたは複数を、情報を信号に符号化するように設定または変更された信号であり得る。限定するものではない一例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接配線接続などの有線媒体、および音響、高周波(RF)、赤外線(IR)、および他の無線媒体などの無線媒体を含み得る。本明細書において用いられる場合のコンピュータ可読媒体なる用語は、記憶媒体と通信媒体の両方を含み得る。
【0050】
コンピューティング装置1400は、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルメディアプレイヤー装置、無線ウェブウォッチ装置(wireless web−watch device)、パーソナルヘッドセット装置、特定用途向け装置、または上記機能のうちのいずれかを含むハイブリッド装置などの小さいフォームファクタの携帯(またはモバイル)コンピュータの一部として実現することができる。コンピューティング装置1400は、ラップトップコンピュータと非ラップトップコンピュータの両方の構成を含むパーソナルコンピュータとして実現することもできる。
【0051】
当業者には、追加の利点および変更形態が容易に思い浮かぶであろう。したがって、幅広い態様において本発明は、本明細書に図示および記載の特定の詳細および代表的な実施形態に限定されない。よって、添付の特許請求の範囲およびそれと同等なものによって画定されるような全体的な本発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更形態がなされ得る。
【0052】
システムの態様に関してハードウェア実施とソフトウェア実施との間に区別はほとんどなく、ハードウェアまたはソフトウェアの使用は、(常にではないが、ある文脈において、ハードウェアとソフトウェアの間の選択が重要になり得るという点で)一般に、費用対効率のトレードオフを表す設計上の選択である。本明細書中に説明したプロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術を実行することができる(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア)様々な伝達手段があり、プロセスおよび/またはシステムおよび/または他の技術を導入する事情に応じて好ましい伝達手段は様々である。例えば、実施者が速度および精度が最も重要であると判断する場合、実施者は、主にハードウェアおよび/またはファームウェアの伝達手段を選択することができ、柔軟性が最も重要な場合、実施者は、主にソフトウェア実施を選択することができ、またはさらなる代替として、実施者は、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェアのある組み合わせを選択することができる。
【0053】
前述の詳細な説明では、ブロック図、流れ図、および/または例を用いることによって装置および/またはプロセスの様々な実施形態を説明してきた。そのようなブロック図、流れ図、および/または例が1つまたは複数の機能および/または動作を含む限りにおいて、そのようなブロック図、流れ図、または例内の各機能および/または動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらのほぼあらゆる組み合わせにより、個々におよび/または集合的に実施できることが当業者によって理解されよう。一実施形態では、本明細書に記載した主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、または他の集積フォーマットによって実施することができる。しかし、本明細書に開示した実施形態のいくつかの態様は、全体的または部分的に、1つまたは複数のコンピュータで実行する1つまたは複数のコンピュータプログラムとして(例えば、1つまたは複数のコンピュータシステムで実行する1つまたは複数のプログラムとして)、1つまたは複数のプロセッサで実行する1つまたは複数のプログラムとして(例えば、1つまたは複数のマイクロプロセッサで実行する1つまたは複数のプログラムとして)、ファームウェアとして、あるいはこれらのほぼあらゆる組み合わせとして、集積回路に同等に実装することができ、本開示に鑑みて、回路を設計すること、ならびに/あるいはソフトウェアおよび/またはファームウェアのコードを記述することは、十分に当業者の技術の範囲内であることを当業者は認識するであろう。さらに、本明細書に記載した主題のメカニズムは、様々な形態のプログラム製品として配布可能であり、本明細書に記載した主題の例示的な一実施形態は、使用される特定のタイプの信号搬送媒体に関係なく、実際に配布を実行するために適用されることを当業者は理解するであろう。信号搬送媒体の例には、以下のもの、すなわち、フロッピディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、コンピュータメモリ等などの記録可能タイプ媒体、ならびにデジタルおよび/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンク等)などの伝送タイプ媒体が含まれるが、これらに限定されない。
【0054】
本明細書に説明したように装置および/またはプロセスを記述し、その後、工学的手法を用いて説明したそのような装置および/またはプロセスをデータ処理システムに統合することが当分野では一般的であることを当業者は、認識するであろう。すなわち、本明細書中に説明した装置および/またはプロセスの少なくとも一部分は、十分な量の経験によってデータ処理システムに統合することができる。典型的なデータ処理システムは、一般に、システムユニットハウジング、映像表示装置、揮発性メモリおよび不揮発性メモリなどのメモリ、マイクロプロセッサおよびデジタル信号プロセッサなどのプロセッサ、オペレーティングシステム、ドライバ、グラフィカルユーザインタフェース、およびアプリケーションプログラムなどの計算実体、タッチパッドまたはタッチスクリーンなどの1つまたは複数の対話装置、ならびに/あるいはフィードバックループおよび制御モータ(例えば、位置および/または速度を感知するためのフィードバック、構成要素および/または数量を移動および/または調整するための制御モータ)を含む制御システムのうちの1つまたは複数を含むことを当業者は認識するであろう。典型的なデータ処理システムは、データ計算/通信システム、および/またはネットワーク計算/通信システムに典型的に見られるもののように、任意の適当な市販の構成要素を利用して実施することができる。
【0055】
本明細書に記載した主題は、他の異なる構成要素内に含まれる異なる構成要素、または他の異なる構成要素に接続した異なる構成要素を示す場合がある。そのように示した構成は例示に過ぎず、実際には、同じ機能を達成する他の多くの構成を実施することができることを理解されたい。概念的な意味では、同じ機能を達成する構成要素の任意の構成が、所望の機能が達成されるように効率的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能を達成するように結合された本明細書中の任意の2つの構成要素は、構成または中間構成要素に関係なく、所望の機能が達成されるように互いに「関連付けられている」ものとして見ることができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素は、所望の機能を達成するために、互いに「動作可能に接続」または「動作可能に結合」されているものとして見ることもでき、そのように関連付けることが可能な任意の2つの構成要素は、所望の機能を達成するために、互いに「動作可能に結合可能」であるものとして見ることもできる。動作可能に結合可能な具体的な例には、物理的に対合可能であるおよび/または物理的に相互作用する構成要素、ならびに/あるいは無線で相互作用可能であるおよび/または無線で相互作用する構成要素、ならびに/あるいは論理的に相互作用するおよび/または論理的に相互作用可能な構成要素が含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
本明細書中の実質的にあらゆる複数形および/または単数形の用語の使用に関しては、当業者は、文脈および/または用途に合うように、複数形から単数形へおよび/または単数形から複数形へ変換することができる。種々の単数/複数の置換が、理解しやすいように本明細書に明示的に記載され得る。
【0057】
一般に、本明細書中、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)中で使用する用語は、一般に、「オープン(open)」な用語として意図される(例えば、用語「含む、備える(including)」は、「を含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも〜を有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む、備える(includes)」は、「を含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことが当業者によって理解されよう。さらに、クレームの記載の導入が特定の個数を意図する場合、そうした意図は、当該クレームにおいて明示的に記載され、そのような記載がない場合、そうした意図も存在しないことが当業者によって理解されよう。例えば、理解を助けるものとして、後述の添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」の使用を含んでクレームの記載を導入する場合がある。しかし、そうした句の使用は、同一のクレームが、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」、および単数表現などの不定冠詞を含むときでも、単数表現によるクレームの記載の導入が、そのようなクレームの記載の導入を含む任意の特定のクレームを、そのような記載事項をただ1つ含む発明に限定することを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、単数表現は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると典型的には解釈されるべきである)。同じことが、定冠詞を使用してクレームの記載を導入する場合にも当てはまる。加えて、クレームの記載の導入においてある特定の数が明示的に記載されている場合でも、そうした記載は、少なくとも記載した数を意味すると典型的には解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語を用いずに「2つの記載事項」をただ記載するときは、典型的には、少なくとも2つの記載事項、または2つ以上の記載事項を意味する)。さらに、「A、BおよびCなどのうち少なくとも1つ」に類する表記が使用されている場合には、一般に、そのような構成は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図される(例えば、「A、BおよびCのうち少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、および/またはAとBとCとを全て、などを有するシステムを含むが、これらに限定されるものではない)。「A、BおよびCなどのうち少なくとも1つ」に類する表記が使用されている場合には、一般に、そのような構成は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図される(例えば、「A、BおよびCのうち少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、および/またはAとBとCとを全て、などを有するシステムを含むが、これらに限定されるものではない)。さらに、2つ以上の択一的用語を表す実質的にあらゆる離接語および/または離接句は、詳細な説明、特許請求の範囲、図面のどこにあっても、これら用語の一方(one of the terms)、これら用語のどちらか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A」または「B」という句は、「A」または「B」、あるいは「AかつB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0058】
本明細書中に様々な実施形態が開示されているが、当業者には他の態様および実施形態が明らかであろう。本明細書中に開示した様々な態様および実施形態は、例示のためのものであり、限定であることを意図しておらず、本来の範囲および精神は、添付の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14