(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
前に行った機械加工で既に製造してあるキャップから開始して容器用キャップにエンボス加工を施すための幾つかの装置を以下に説明する。エンボス加工は、詳細には、盛り上がったデザイン、又は例えばメッセージ、シンボル、コード、ロゴ、商標、グラフィック表示、又は形態及び/又は構成が予め設定された任意の他の盛り上がったエレメント等の図像(ピクトグラム)をキャップに接触圧成形するのに使用される。このような前に行った機械加工は既知であり、従って、本説明では詳細に論じない。このような既知の機械加工には、詳細には、少なくとも、シート状金属の(連続した又は別個の)シートから複数の凹状本体を得るため、例えばシート状金属の打ち抜き加工及び圧伸成形による成形等の少なくとも一つの(圧縮)成形作業が含まれる。凹状本体は、容器用キャップを形成する主構造(ケーシング又はシェル)を形成する。
【0017】
本説明の目的である容器用キャップは、詳細には、少なくとも一つの金属製凹状主本体構造(ケーシング又はシェル)を持つキャップに関する。問題のキャップは、随意であるが、ボトル用の王冠又は様々な種類の容器用の金属蓋であってもよい。
【0018】
本説明において、次に、盛り上がった部分をキャップに接触圧成形するエンボス加工を行うための方法及び装置を説明する。これは、例えばプレス加工によるキャップの凹状構造の成形作業とは別に、別の時期に及び/又は別の場所で行われる。即ち、既に成形したキャップ構造にエンボス加工を行う。例えば、いわゆるライニング作業、即ちキャップの凹状主本体構造(ケーシング又はシェル)の内側にシールガスケットを形成する作業と同じ工程で(ほぼ同時に及び/又は同じ場所で)エンボス加工を行うことができる。
【0019】
図1を参照すると、この図には、既知の方法で予め形成した(シート状金属又は積層材料に打ち抜き加工及び圧伸成形等の作業を加えることによって形成した)キャップから開始して、容器用キャップ(例えば王冠)にエンボス加工を施すための装置が示してある。この装置は、詳細には、エンボス加工が施されるべきキャップを準備する形成装置に関して実質的に独立して機械加工を行うのに適している。実際には、
図1の装置は、一つ又はそれ以上のキャップ形成装置に関してラインをなして、即ち連続して作動するように形成されていなくてもよい。
【0020】
エンボス加工装置は、
図1の場合には、キャップの凹状本体構造(代表的には金属製のケーシング又はシェル)を受け取るように形成されたホッパ1を含んでいてもよい。ホッパ1は、詳細には、緩く配置されたキャップを受け取るようになっている。
【0021】
ホッパ1は、例えば回転型の供給器2に連結されている。供給器2は、ホッパ1からキャップを受け取り、これらのキャップをきちんと並べて、例えば一列に並べて下流の使用者に供給するように形成されている。この特定の場合では、供給器2は、供給チャンネル4に連結された出口を有する。供給チャンネル4には、(既知の種類の)キャップを位置決めするための位置決めデバイスが設けられていてもよい。位置決めデバイスは、キャップを所望の位置又は構成に従って、例えば凹所を上に向けて又は下に向けて並べることができる。
【0022】
参照番号3は、図示の実施形態において、ホッパ1及び供給器2を含むキャップ供給システムを支持するように形成されたフレーム又は上支持体に付してある。参照番号5は、キャップにエンボス加工を施す搬送カルーセルに付してある。参照番号6は、カルーセルを出るエンボス加工済のキャップを取り出して搬送するための取り出しチャンネルに付してある。参照番号7は、カルーセルを支持するように形成された主ベースに付してある。
【0023】
搬送カルーセル即ちエンボス加工カルーセルは、回転軸線を中心として(連続的に)回転できる。回転軸線は、図示の実施形態では、垂直である。搬送カルーセル5は複数の作動ユニットを含み、これらのユニットの各々に(以下に更に詳細に説明するように)エンボス加工デバイスが設けられている。作動ユニットは、カルーセルの周囲に、互いから所定の角度間隔で離間されて配置されている。搬送/エンボス加工カルーセル(の内部)には、様々なデバイス(既知の種類の、詳細には開示しない)が設けられている。これらのデバイスは、作動ユニットの様々な可動部品及び作動部品を移動し、駆動するように構成されている。
【0024】
主ベース7の内部には、カルーセルを回転するための様々なデバイス(例えばモータ)が収容されていてもよい。取り出しチャンネル即ち出口チャンネル6は、例えば実質的に固定された導管を含んでいてもよい。この導管の一部は、キャップの移動方向を、軌道回転移動(キャップは、回転カルーセルによって運ばれているため、このような軌道回転移動を行っている)から出口移動に変えるため、カルーセルの出口ゾーンに配置される。出口移動は、カルーセルから出てここから遠ざかる方向に移動するように、カルーセルに対して半径方向であり、又はカルーセルの外側に対して少なくとも一つの半径方向成分を有する。
【0025】
図2を参照すると、参照番号8は、キャップの表面に予め印刷された図柄(例えばリソグラフデザイン)を検出するようになったセンサを示す。センサ8には、カメラビジョンシステム又は他の光学式センサが含まれる。
【0026】
この特定の装置は、各キャップ(即ち、凹状構造、又はケーシング又はシェル構造)を、底部分(底部)が上を向いた(即ち、各中空本体構造の凹所が下を向いた)状態で、加工するようになっている。
【0027】
図3を参照すると、参照番号9は、エンボス加工工具の上部分に付してある。参照番号10は、キャップの環状周囲ゾーンを載止受け入れするように形成された環状形状の支持エレメントに付してある。参照番号11は、支持エレメント10を回転するように構成されたモータに付してある。支持エレメント10は、それ自体が回転でき、即ち(垂直)回転軸線を中心として回転できる。回転軸線は、この場合、エンボス加工軸線と一致する。参照番号12は、ピクトグラム(任意の種類の図形又はシンボル又はデザイン、又は所望の形状及び構成の盛り上がったエレメント)をキャップの底部に接触圧成形するように形成されたエンボスパンチ(下パンチ又はカウンタパンチ)に付してある。参照番号13は、エンボスパンチ12を駆動するためのカム部材に付してある。参照番号14は、モータ11から支持エレメント10に動きを伝えるための伝動システムに付してある。
【0028】
図5にエンボス加工デバイスを詳細に示す。参照番号15は、キャップを所定位置に保持するためのシート状金属プレッサーに付してある。参照番号16は、エンボスパンチ(上パンチ)に付してある。参照番号17は、キャップをカルーセルから放出するための取り出し部材に付してある。参照番号18は、カルーセルとともに回転しているキャップを引き出す(take and drag) ためのグリップデバイス(例えば星型グリップデバイス)に付してある。参照番号19は、エンボス加工工具全体の下部分(これは、下パンチ12及び支持エレメント10を含み、ここにシート状金属プレッサー15と同様に弾性エレメントから負荷が加えられ、又は剛性に連結されていてもよい)に付してある。参照番号20は、グリップデバイス18によって移動される円形の経路に沿って移動する蓋即ちキャップ用上包含エレメントに付してある。
【0029】
エンボス加工工具の上部分9は、キャップの環状周囲ゾーンに作用を及ぼすように形成されたシート状金属プレッサー15と、キャップにピクトグラムを接触圧成形する(他方のパンチ即ち下パンチ又はカウンタパンチに設けられた凹所をなした又は盛り上がった部分と協働して)ための盛り上がった部分(及び/又は凹所をなした部分)を持つエンボス加工パンチ16とを含む。シート状金属プレッサー15には、シート状金属プレッサー15に設定された力を加える弾性エレメント(例えば較正したばね)が設けられている。これにより、エンボス加工が施されるキャップの底部分を形成するシート状金属を制御された態様で変形できる。
【0031】
キャップは、供給チャンネル4で供給され、搬送された後、きちんと並んだ状態で(例えば一つずつ)搬送カルーセル5に入り、ここでエンボス加工が行われる。
【0032】
これらのキャップはグリップデバイス18(星型搬送器)に位置決めされるように案内され、グリップデバイス18がこれらのキャップをカルーセルの回転経路に沿って搬送する。キャップの上方には、蓋20がある。各キャップは、支持エレメント10によって、例えば磁石や吸引型の保持手段で保持される。支持エレメント10は、支持エレメント10を回転できるモータ11(例えばステッパモータ)に連結されている。このモータは、電子式駆動−制御装置(キャップに設けられた画像の位置を検出するセンサ8によってフィードバック制御案内される)によって設定された量だけ支持エレメント10を回転できる。カルーセルによって取り出され、これによって回転されたキャップは、センサ8の前方を通過し(例えば、
図3及び
図4に概略に示すように90°画像撮影を行い)、キャップの表面に印刷されたリソグラフデザインを検出する。
【0033】
制御ユニット(図示せず)が、センサ8によって供給された画像信号に基づいてモータ11に指令を送る。次いで、キャップの支持エレメント10が指令され、キャップを対応するパンチ16(所望の対応する構成)と同期して配置するのに必要な量だけ回転する。即ち、キャップに予め印刷されたデザインを、キャップに接触圧成形(エンボス加工)されるべきパンチの盛り上がった(又は凹所をなした)ピクトグラムと同期して配置する。
【0034】
経路上を移動し続け、既に同期して配置された(所望の位置に位置決めされた)キャップを下パンチ12によって持ち上げる。下パンチは、カム13によって移動され(持ち上げられ)る。次いでキャップをシート状金属プレッサー15と接触し、これによって、下パンチ12及び上パンチ16がエンボス加工を行うためにキャップの圧縮を開始する前に(直ちに)係止する。その後、下パンチ12を更に移動することにより、キャップを変形し、ピクトグラムをエンボス加工する。
【0035】
その後、キャップは、カルーセルによって案内され、回転経路内にとどまり、下パンチ12によって保持されたままであり、下パンチ12は、上パンチ16から遠ざかる方向に移動することによって下降を開始する。かくして、キャップは支持エレメント10と接触し、(固定された)取り出し部材17と干渉する点でキャップを取り出しチャンネル即ち出口チャンネル6に搬送する。
【0036】
次に
図6及び
図7を参照すると、これらの図には、凹所を上に向けた状態で、即ち底部を下に向けた状態でキャップを加工するエンボス加工装置が開示されている。この場合、キャップは、上文中に説明したように、供給チャンネル4から到着し、搬送平面51、例えば磁石が設けられた摺動平面を通過する。キャップは、次いで、グリップデバイス50(例えば星型搬送器)によって掴まれるように位置決めされる。キャップは、カルーセルによって(上文中に開示したのと同様に)周囲まで移動される。カルーセルの周囲には、所定の角度間隔で離間された複数のエンボス加工デバイスが設けられている。
【0037】
各エンボス加工デバイスは上パンチ47を含む。この上パンチ47により、随意であるが、例えば、吸引カップとして作動する吸引チャンネルを持つ空気圧手段又は磁石手段等のキャップ保持手段を不要にできる。キャップに印刷された画像を検出するため、センサ54が設けられている。センサは、例えばカメラを含み、キャップの通過ゾーンに関して横方向に画像センサを位置決めできるように、約90°で画像撮影を行うことができる(上文中に開示した例におけるように)。センサは、詳細には、キャップに設けられたデザイン(例えばリソグラフ印刷)の位置を検出できる。
【0038】
モータ49は、キャップをパンチ47と同期して位置決めするように、環状グリップエレメント48を移動(回転)するように形成されている。パンチ47は、上述の例の下パンチ12及び支持エレメント10と同様に、環状グリップエレメント48の内側に配置される。
【0039】
エンボス加工プロセスは、この場合、下エンボス加工パンチ53を上方に移動し、上パンチ47に近付ける工程を含む。この(持ち上げ)移動により、最初、キャップ及び環状シート状金属プレッサー52エレメント(下パンチ53を取り囲む)と接触し、かくしてパンチ47及び53でキャップに圧縮相互作用を及ぼし、エンボス加工を行う。
【0040】
次に、
図8乃至
図11を参照すると、これらの図には、キャップの位置を変化させる作業(予め印刷されたデザインを、エンボス加工デバイスによって接触圧成形されるピクトグラムと同期して配置するための作業)を行うキャップエンボス加工装置が開示されている。このキャップエンボス加工装置では、更に、ピクトグラムのエンボス加工が行われるカルーセルとは別個のカルーセル上で、キャップに設けられたデザインの位置の検出が行われる。
【0041】
この場合、キャップを供給チャンネル21に沿って順次前進した後、第1カルーセル即ちキャップ位置決めカルーセル23によって、上文中に開示した方法のうちの一つの方法でキャップを掴み、そして回転する(
図9参照)。第1カルーセル23では、センサ22によってデザイン(リソグラフ)検出工程が行われ、キャップの位置(位相)を変化させる。キャップは、次いで、
図10に更に詳細に示す移送カルーセル24に引き渡される。
図10は、第1カルーセル23(キャップ位置決めカルーセル即ち同期カルーセル)から移送カルーセル24までのキャップ移送ゾーンの断面を示す。
【0042】
第1カルーセル23の作動ユニットの一つの把持部材28(例えば吸引把持部材又は磁気把持部材28)によって運ばれたキャップを、取り外し手段を使用して、この把持部材28からカルーセル24に移送する。取り外し手段は、例えば、ブロー手段を含む。カルーセル24には、星型エレメント29を含むキャップグリップシステムが設けられている。星型エレメント29は、例えば、第1カルーセル23の別の星型搬送エレメント27からキャップを受け取ってもよい。更に、第1カルーセル23からのキャップの取り出しを容易にするため、(固定)取り出し部材30が設けられていてもよい。参照番号31は、摺動平面に付してある。この摺動平面上でキャップが摺動する。参照番号32は、移送カルーセル24によってキャップが確実に保持されるように作動し、キャップを星型搬送エレメント29の中央に向かって所定位置に保持するように作動する保持エレメント(例えば磁石型保持エレメント)に付してある。更に、星型エレメント29に保持されたキャップを横方向に収容する外部案内エレメントを配置できる。
【0043】
図11には、移送カルーセル24及びエンボス加工カルーセル25との間のキャップ移送ゾーンが示してある。
【0044】
このゾーンで、キャップは、星型グリップエレメント27及び29によって作動されたグリッパから、キャップと接触して相互作用するために上方に移動する支持エレメント33(カルーセル25の作動ユニットによって支持されている)まで通過する。支持エレメント33は環状形状であり、随意であるが、エンボス加工工程中、(上述の例で既にわかっているように)シート状金属プレッサーの機能を果たすことができる。更に、キャップを把持し、その位置を維持するため、磁石手段を持つ支持エレメント33を設けることができる。
【0045】
上文中に開示したように、エンボス加工作業によって形成を行う。この場合、
図11のシート状金属プレスデバイスは、下エンボス加工ユニットに位置決めされている。
【0046】
図12を参照すると、この図には、エンボス加工デバイスが開示されている(随意であるが、搬送カルーセルの周囲に配置された作動ユニットの一つの部分である)。エンボス加工デバイスの下エンボスパンチは、少なくとも二つの部分で形成されている。端部分44は、キャップと接触するようになっており、例えばキャップに及ぼされる機械加工機能において、相互交換自在であるように形成されている。
【0047】
上パンチもまた、キャップと接触するようになった少なくとも一つの端部分42を含む少なくとも二つの部分で形成されている。端部分42は、相互交換自在であるように形成されている(詳細には、解放自在の連結部によってエンボスパンチの残りに連結されている)。これらのパンチの少なくとも一つ、例えば上パンチには、弾性エレメント(図示せず)に作動的に連結されたシート状金属プレッサー機能を持つ環状部材41が設けられていてもよい。下パンチには、更に、端部分44を取り囲み、キャップの周囲部分との接触によりキャップを支持するように形成された環状部分43が含まれていてもよい。下パンチは、更に、エンボス加工工程において、端部分44に取り外し自在に(例えばねじ連結部によって)連結された第2部分45に作用を及ぼす弾性エレメント46を含んでいてもよい。
【0048】
この場合、キャップは、キャップをカルーセルに搬送する供給チャンネルによって、
図5を参照して上文中に説明したように供給できる。カルーセルでは、各キャップは蓋20によって上方に持ち上げられており、星型グリップエレメント18によって掴まれており、例えばその下に配置された磁石によって保持されている。カルーセルの経路の次の位置では、キャップは、エンボス加工ユニット(シート状金属プレッサー15及びエンボスパンチ16)の下部分19を持ち上げることによって、エンボス加工ユニットの上部分9に対して取り出される。
【0049】
形成(エンボス加工)の終了時に、下ユニット19をエンボス加工済のキャップと一緒に下降し、この時点で、取り出し部材17がキャップを取り出しチャンネル即ち出口チャンネル6に搬送する。
【0050】
他の実施形態では、キャップに予め印刷(リソグラフ印刷)されたデザインを、キャップに接触圧成形されるべきピクトグラムと同期する必要なしに、キャップにエンボス加工を加えることができる。
【0051】
図13には、エンボス加工カルーセルに取り付けられた作動ユニットの別の態様が示してある。この場合、キャップは、底部分を下に向けた状態で、即ち凹所を上に向けた状態で受け入れられ、回転され、回転移動中にエンボス加工が施され、次いで放出される。キャップは、例えば入口チャンネルによって、及び上収容蓋59の補助により、カルーセル内にきちんと並んだ状態で搬送される。各キャップは、キャップを回転する星型搬送器と接触して相互作用するように位置決めされる。各キャップは、例えば支持エレメント58に位置決めできる例えば一つ又はそれ以上の磁石等の保持手段によって所定位置に保持できる。参照番号55は、取り出しエレメントに付してある。
【0052】
図14には、上エンボス加工ユニット及び下エンボス加工ユニットを持つエンボス加工デバイスが詳細に示してある。図示の実施形態では、下ユニットには、二つの部分56及び57を含むパンチが設けられており、更に、キャップとエンボス加工接触するようになったエンボスパンチの部分56を取り囲む環状形状のシート状金属プレッサー(弾性スラストエレメントと作動的に関連している)が設けられている。パンチは、印刷部分56(エンボス加工接触するようになっている)を非常に迅速に且つ効果的に交換できる少なくとも二つの部分に分けることができる。使用時には、下エンボス加工ユニットを持ち上げることによってキャップを上パンチに押し付ける。近付きストロークの特定の時点で、キャップが上ユニットと出会い、下ユニットのシート状金属プレッサーによってエンボス加工位置に係止される。かくして、下パンチ56及び57(この実施形態では、盛り上がったピクトグラムを有する)が上エンボス加工パンチ(この実施形態では、対応する凹所をなしたピクトグラムを有する)と協働し、盛り上がったピクトグラムをキャップに接触圧成形する。上ユニットにはリング60が設けられている。リングには、随意であるが、本明細書中に例示した実施形態と同様に弾性エレメントによって負荷が加えられている。弾性エレメントは、この場合、上パンチからキャップを取り出す機能を備えている。
【0053】
図15には、キャップに予め印刷された画像を検出するように構成されたセンサ8が、カルーセル上に配置されたキャップの前進経路(水平平面上の経路)に関して傾けて(斜め構成で)配置した実施形態が示してある。センサ8は、カメラ又は他のCVS画像を捕捉する手段を含んでいてもよく、上文中に説明した実施形態に開示したように90°に即ち軸線上に配置されているのでなく、傾斜した作動軸線のところで作動できる。
【0054】
図16を参照すると、この図には、例えば、キャップ上の(リソグラフ印刷による)図柄とエンボス加工によって形成されるべき盛り上がったインプレッションとを同期して(即ち予め設定された相互構成で)配置する目的で、キャップの位置を変化させるためのシステムが示してある。
【0055】
この目的のため、キャップ製造(形成)工程(周囲にギザギザが設けられた王冠を得るため、シート状金属の打ち抜き加工及び圧伸成形を行う工程)において、ギザギザをシート状金属に関して予め設定されたデザインに関して同期する(即ち予め設定された相互構成にする)ことができる。これにより、有利には、
図16に示すように、キャップ(ギザギザが設けられている)を掴んで並べるシステムを使用できる。このシステムでは、キャップ63にギザギザを付けることによって形成された王冠に連結(噛み合うことが)できる複数の歯及び隙間が、キャップ63の回転自在のスピンドル62に設けられている。
【0056】
キャップの位置を変化させる工程中、センサによって検出された画像信号に基づいてスピンドル62を回転する。キャップ63のギザギザと噛み合う(joint coupling)システムを使用することは、キャップの位置決めを行う上で有利であり、及びかくして、キャップに設けられたデザインとキャップにエンボス加工を行う工具とを同期する作業の精度を向上する。
【0057】
図17には、単一のエンボス加工カルーセルに、キャップ用の少なくとも二つの入口及び少なくとも二つの出口が設けられた(順次きちんと並べて配置された二群のキャップが辿る二つの前進経路を示す矢印によって示す)、別の実施形態が示してある。同じカルーセル上で二つの経路を使用できるこの構成は、例えば、リソグラフデザインを盛り上がったインプリントと同期する必要がない場合に使用できる。様々な作動ユニット(両経路のキャップに関して作動する)は、上文中に開示した実施形態と同様に形成されていてもよい。
図17の実施形態は、同じ作動ユニット(詳細にはエンボス加工デバイス)がカルーセルの回転毎に少なくとも二つのキャップに機械加工を施すため、費用及び全体の大きさに関して有利である。
【0058】
図18には、形成/エンボス加工作業の三つの異なる工程が示してある。この場合、キャップ(即ち、本明細書中上文中に説明した実施形態と同様に、キャップの凹状本体の全体に金属製の構造)のエンボス加工は、シールの圧縮成形と同時に行われる。シールは、一般的には、凹状構造の内側に形成される。シールには、既知のように、閉鎖キャップが適用される容器のネックの上口部にシールを形成する機能がある。
【0059】
例えば、ボトル用王冠の凹状本体構造又は容器用の蓋を含むキャップ、又は別の種類の既知の金属製キャップは、シート又は積層材料を圧縮成形することによって形成されてきた。キャップ72を形成するためのシステムは、実質的に既知(例えば打ち抜き加工及び圧伸成形による形成)であり、ここには詳細に説明しない。
【0060】
エンボス加工/形成デバイスは、上文中に開示されたカルーセルと関連した作動ユニットのうちの任意の作動ユニットに適用できる。
【0061】
この場合、同じ作動ユニット又はエンボス加工/形成デバイスに関し、二つの機械加工(シールの形成及びキャップの凹状構造のエンボス加工)を組み合わせ、これにより、キャップのエンボス加工用及びシールの形成用の二つの別々のデバイスを使用する解決策と比較して空間上の及び費用に関する利点が得られる。本手順は、
図18の一番上の1に示すように、一回分のプラスチック71(可塑化状態)をキャップ72の構造の凹状部分の内側に付着する工程を含む。この作業は、通常の容器用閉鎖キャップにシールを形成するために現在使用されている、一回分のプラスチックを挿入する(既知の)作業とほぼ同じである。一回分のプラスチックを付着するこの作業は、ここでは詳細に説明しない。
【0062】
続いて行われる工程(
図18の真ん中の2に示す)では、盛り上がったピクトグラム(図示のような)又は凹状のピクトグラムを持つ(上)パンチ73によって、所定量のプラスチックを部分的に圧縮する。パンチ73には、パンチを比較的低温に維持する冷却システムが設けられていてもよい。
【0063】
パンチ73は、この場合には、二つの部分で形成されており、中央部分74がエンボスインプレッション(ピクトグラム)に当接し、環状形状の周囲部分75が中央部分74を取り囲んでおり(キャップのライニングを行う、即ち内部シールを形成するために使用されてきたこの他のパンチと同様)、周囲部分75を、中央部分74に関して軸線方向に(シールの圧縮成形移動及びピクトグラムのエンボス加工移動と同方向に)移動する。周囲部分75は、シールの圧縮成形を完了し、キャップ72の底部分にピクトグラムをエンボス加工で形成する、続いて行われる工程(
図18の部分3)で、シールのプラスチックを横方向に保持する機能を果たす。エンボス加工デバイスは、エンボスパンチ73と協働し、成形/エンボス加工を行うカウンタパンチ(図示せず)を含む。カウンタパンチは、更に、様々な成形/エンボス加工工程中にキャップを支持する機能を果たす。カウンタパンチには、更に、成形/エンボス加工パンチ73に設けられた賦形部(shaping) (盛り上がった又は凹所をなしたエンボスインプレッション)と協働するカウンタ賦形部(盛り上がった又は凹所をなしたエンボス加工を行うためのカウンタインプレッション)が設けられている。
【0064】
成形/エンボス加工デバイスには、更に、キャップと接触した状態で周囲部分75に所定の負荷が加わった状態を維持するため、周囲部分75に作用する弾性手段が設けられていてもよい。
【0065】
図18の部分3に示すように、エンボス加工を行うことにより、シールを変形(エンボス加工)することもできる。詳細には、周囲部分75によって境界付けられたキャップの内面上に、シールの間断のない連続したカバーを維持するように作動する、エンボス加工デバイスを提供できる。実際に、形成キャビティを画成するため、エンボスパンチ73の中央部分74がキャップと接触しないようにできる。形成キャビティは、各点において、キャップの内面と形成キャビティの上側を境界付けるエンボスパンチの部分74との間に距離空間(distance space)を有する。この距離空間は、シールを形成するプラスチックで充填される。
【0066】
エンボスパンチ74とキャップ72との間に配置された、キャップの内部シールを形成する材料(プラスチック)の層は、パンチ74がキャップ72と接触しない場合でも、必ずしも厚さが一定でなくてもよいということがわかっている。例えば、材料が形成キャビティの空間を完全には充填しなくてもよく、かくして、材料の厚さが比較的厚いゾーン及び材料の厚さが比較的薄いゾーンが形成されてもよい。いずれにせよ、容器を閉鎖する上でキャップを効果的にシールできるシールを形成するようにプラスチックを分配できる。
【0067】
次に、
図19乃至
図21を参照し、容器を閉鎖するための、エンボス及び内部シールが各々に設けられたキャップを製造する(詳細には、王冠を製造する)ための装置81を説明する。装置81は、上文中に開示したエンボス加工カルーセルのうちの一つであってもよい(図示の実施形態において)カルーセル型エンボス加工装置82を含む。エンボス加工装置82は、キャップ供給デバイス(これは、既知の種類のデバイスであり、例えば、互いに一つずつ並んで配置されたキャップを、随意であるが水平経路上で前進する)に連結された入口、及び移送カルーセル83に連結された出口を有する。キャップは、供給デバイスによってエンボス加工装置82にきちんと並んだ状態で搬送され、エンボス加工装置は、キャップを受け取ってこれを回転(
図19の例では時計回り方向に回転)し、キャップにエンボス加工を施す(上文中に開示した方法のうちの一つの方法によって)。エンボス加工装置82には、例えば、上文中に開示した装置と同様に、カルーセルの周囲上に互いから角度的に離間されて分配された、回転移動中にエンボス加工を行う複数のエンボス加工デバイスが設けられている。
【0068】
次いで、エンボス加工を施したキャップを移送カルーセル83に引き渡し、この移送カルーセル83がこれらのキャップを(
図19の例では反時計回り方向の動きにより回転経路に沿って)システム(実質的に既知の種類のライニングシステム84)に搬送し、プラスチックのシールをキャップの内側に適用する。ライニングシステム84は、図示の実施形態では、キャップを移送カルーセル83から一度に一つずつ受け取り、これらのキャップをプラスチック押し出し器の分配ゾーンに搬送する、一回分の用量を付着するためのカルーセル85を含んでいてもよい。この分配ゾーンで、切断デバイスが、押し出し器によって分配された連続流からプラスチックの用量を分離し、これを、材料の各用量がキャップの内側に落下するように、キャップの前進移動と同期する。各用量は、装置の経路に沿って連続的に、用量付着カルーセル85の後に設けられた(随意であるが、中間移送カルーセルを間に置いてもよい)成形カルーセル86(角度をなして間隔が隔てられた複数の成形デバイスを有する)の成形デバイスによって各キャップの内側で圧縮成形される。次いで、エンボス加工が施され、シールが設けられたキャップを、既知の方法で別の使用者に向かって移動する。