特許第5674791号(P5674791)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5674791埋め込まれた磁石を有する永久磁石励磁型同期機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674791
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】埋め込まれた磁石を有する永久磁石励磁型同期機
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/27 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   H02K1/27 501A
   H02K1/27 501K
   H02K1/27 501M
【請求項の数】22
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-529363(P2012-529363)
(86)(22)【出願日】2010年7月23日
(65)【公表番号】特表2013-505695(P2013-505695A)
(43)【公表日】2013年2月14日
(86)【国際出願番号】IB2010053366
(87)【国際公開番号】WO2011033397
(87)【国際公開日】20110324
【審査請求日】2013年7月8日
(31)【優先権主張番号】1445/2009
(32)【優先日】2009年9月18日
(33)【優先権主張国】CH
(31)【優先権主張番号】61/246,123
(32)【優先日】2009年9月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510051303
【氏名又は名称】ブルサ エレクトロニック アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マソイ アルノ
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−081336(JP,A)
【文献】 米国特許第03126493(US,A)
【文献】 特開2000−116044(JP,A)
【文献】 特開平08−182267(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定子(2)と回転子(3)とを備える、とりわけレンジエクステンダ発電機のための、埋め込まれた磁石を有する永久磁石励磁型同期機(1)であって、
前記回転子(3)は少なくとも2つの回転子極(4)を有し、各々が励磁機永久磁石(7)および磁束バリアとしての開口を有し、
前記同期機(1)の磁気トルク限界を増加させるために、かつ、前記回転子極(4)における交差磁束を減少させるために、前記開口の各々は、その実質的全長(L)にわたって一定幅(B)を有する実質的に放射状の放射状スロット(8)の形態の選択的磁束バリアとして形成され
前記放射状スロット(8)の幅(B)は、選択的磁束バリアとして、隣接スロット(8)間の最小距離(15)の、前記放射状スロット(8)の幅(B)に対する関係が、固定子歯(2C)の幅の隣接固定子歯(2C)間の溝(2A)に対する比と少なくとも同一またはそれ以上となるように設計される、
永久磁石励磁型同期機。
【請求項2】
前記回転子極(4)は突極として形成され、前記放射状スロット(8)は、選択的磁束バリアとして、平行な側面(9)を有する長手方向開口として形成される、請求項1記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項3】
前記放射状スロット(8)の各々は、選択的磁束バリアとして、外側極表面(4B)および前記磁石(7)を受理する極空洞(4C)よりブリッジまたはウェブ(14)を介して制限される長さ(L)を有する、請求項1または2記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項4】
前記放射状スロット(8)の少なくとも1つは、追加の磁束バリアとしての少なくとも1つの永久磁石(13)と結合される、前記請求項1〜3のいずれかに記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項5】
追加の磁束バリアとしての、前記放射状スロット(8)内の前記永久磁石(13)は、くさび形とされ、前記回転子(3)の内側の穴(10)に向かってテーパー状とされる、請求項記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項6】
追加の磁束バリアとしての、前記放射状スロット(8)内の前記永久磁石(13)は、前記放射状スロット(8)の半径方向の内側3分の1のみを満たす、請求項または記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項7】
追加の磁束バリアとしての、前記放射状スロット(8)内の前記永久磁石(13)の南北極位置は、前記放射状スロット8の長さ(L)に対して横に配列させることができる、請求項4ないし6のいずれかに記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項8】
2つ以上の放射状スロット(8)は、各ポールシュー(6)内で提供され、選択的磁束バリアとしての、前記放射状スロット(8)の数は、対応するポールシュー(6)の領域における固定子歯(2C)の数に対応するように決定される、前記請求項1〜7のいずれかに記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項9】
前記放射状スロット(8)は、前記回転子(3)の内側の穴(10)に向かって放射状パターンを有する、前記請求項1〜8のいずれかに記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項10】
固定子(2)と回転子(3)とを備える、とりわけレンジエクステンダ発電機のための、埋め込まれた磁石を有する永久磁石励磁型同期機(1)であって、
前記回転子(3)は少なくとも2つの回転子極(4)を有し、各々が励磁機永久磁石(7)および磁束バリアとしての開口を有し、
前記同期機(1)の磁気トルク限界を増加させるために、かつ、前記回転子極(4)における交差磁束を減少させるために、前記開口の各々は、その実質的全長(L)にわたって一定幅(B)を有する実質的に放射状の放射状スロット(8)の形態の選択的磁束バリアとして形成され、
前記放射状スロット(8)の少なくとも1つは、追加の磁束バリアとしての少なくとも1つの永久磁石(13)と結合され、
追加の磁束バリアとしての、前記放射状スロット(8)内の前記永久磁石(13)は、前記放射状スロット(8)の半径方向の内側3分の1のみを満たす、
永久磁石励磁型同期機。
【請求項11】
−複数の円周固定子歯(2C)を有する固定子(2)と、
−前記固定子(2)内で回転するように構成された回転子(3)と、
−前記回転子(3)を支持し、その軸上で回転させるための回転軸と、
−前記回転子(3)上にあり、シャンク(5)を含み、前記シャンク上にシュー(6)を含む突極(4)と、
−前記突極(4)内の長方形断面空洞(4C)であって、突極(4)の外周に対する弦と平行な断面主軸を有し、半径方向外側の頂壁が前記弦および前記主軸と平行、長方形断面空洞(4C)と、
−前記長方形断面空洞(4C)内の励磁機永久磁石(7)と、
−前記突極(4)内の複数の選択的磁束バリアスロット(8)であって、前記永久磁石(7)の外側に向かって放射状に、前記長方形断面空洞(4C)の前記半径方向に外側の頂壁と、前記シュー(6)の外表面(4D)の間に配置された、選択的磁束バリアスロット(8)と、
を備え、
−前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)は、前記弦に対して扇形配列で配置され、そのため、前記極(4)の主軸(D)に円周方向により近接して配置された前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)は、前記主極軸(D)から円周方向により遠くに、相対的に配置された前記選択的磁束バリアスロット(8)の他のものよりも、前記主極軸(D)に対し、より小さな傾斜角絶対値で傾斜され、ならびに、
−前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)は、前記シュー(6)に半径方向に対向する前記固定子歯(2C)の数に対応するように選択される数であり、
前記選択的磁束バリアスロット(8)の各々が、その個々の長さ(L)にわたって一定幅(B)を有し、前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)の隣接するものの間の最小距離(15)の、前記選択的磁束バリアスロット(8)の幅(B)に対する比は、固定子歯幅の隣接する固定子歯(2C)間の溝(2A)の幅に対する比と少なくとも同一またはそれ以上である、永久磁石励磁型同期機。
【請求項12】
前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)の1つ内に磁束バリア永久磁石(13)をさらに備える、請求項11記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項13】
前記磁束バリア永久磁石(13)は、長手方向断面がくさび形とされ、前記回転軸に向かって半径方向にテーパー状とされる、請求項12記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項14】
前記磁束バリア永久磁石(13)は、前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)の前記1つの半径方向の内側3分の1以下を満たす、請求項12記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項15】
前記磁束バリア永久磁石(13)の南北極配向は、前記複数の選択的磁束バリアスロット8に対して横に配置される、請求項12記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項16】
複数の磁束バリア永久磁石(13)をさらに備え、前記複数の磁束バリア永久磁石(13)の各それぞれの1つは、前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)のそれぞれの1つに配置される、請求項12記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項17】
−複数の円周固定子歯(2C)を有する固定子(2)と、
−前記固定子(2)内で回転するように構成された回転子(3)と、
−前記回転子(3)を支持し、その軸上で回転させるための回転軸と、
−前記回転子(3)上にあり、シャンク(5)を含み、前記シャンク上にシュー(6)を含む突極(4)と、
−前記突極(4)内の長方形断面空洞(4C)であって、突極(4)の外周に対する弦と平行な断面主軸を有し、半径方向外側の頂壁が前記弦および前記主軸と平行な、長方形断面空洞(4C)と、
−前記長方形断面空洞(4C)内の励磁機永久磁石(7)と、
−前記突極(4)内の複数の選択的磁束バリアスロット(8)であって、前記永久磁石(7)の外側に向かって放射状に、前記長方形断面空洞(4C)の前記半径方向に外側の頂壁と、前記シュー(6)の外表面(4D)の間に配置された、選択的磁束バリアスロット(8)と、
を備え、
−前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)は、前記弦に対して扇形配列で配置され、そのため、前記突極(4)の主軸(D)に円周方向により近接して配置された前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)は、前記主極軸(D)から円周方向により遠くに、相対的に配置された前記複数の選択的磁束スロット(8)の他のものよりも、前記主極軸(D)に対し、より小さな傾斜角絶対値で傾斜され、ならびに、
−前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)は、前記シュー(6)に半径方向に対向する前記固定子歯(2C)の数に対応するように選択される数であり、
前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)の1つ内に磁束バリア永久磁石(13)をさらに備え、
前記磁束バリア永久磁石(13)は、前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)の前記1つの半径方向の内側3分の1以下を満たす、永久磁石励磁型同期機。
【請求項18】
−複数の円周固定子歯(2C)を有する固定子(2)と、
−前記固定子(2)内で回転するように構成された回転子(3)と、
−前記回転子(3)を支持し、その軸上で回転させるための回転軸と、
−前記回転子(3)上にあり、シャンク(5)を含み、前記シャンク上にシュー(6)を含む突極(4)と、
−前記突極(4)内の長方形断面空洞(4C)であって、突極(4)の外周に対する弦と平行な断面主軸を有し、半径方向外側の頂壁が前記弦および前記主軸と平行な、長方形断面空洞(4C)と、
−前記長方形断面空洞(4C)内の励磁機永久磁石(7)と、
−前記突極(4)内の複数の選択的磁束バリアスロット(8)であって、前記永久磁石(7)の外側に向かって放射状に、前記長方形断面空洞(4C)の前記半径方向に外側の頂壁と、前記シュー(6)の外表面(4D)の間に配置された選択的磁束バリアスロット(8)と、
−複数の磁束バリア永久磁石(13)であって、前記複数の磁束バリア永久磁石(13)の各それぞれ1つは、前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)のそれぞれ1つ内に配置される、複数の磁束バリア永久磁石(13)と、
を備え、
−前記磁束バリア永久磁石(13)は、それぞれの長手方向断面がくさび形とされ、前記回転軸に向かって半径方向にテーパー状とされ、ならびに、
−前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)は、前記シュー(6)に半径方向に対向する前記固定子歯(2C)の数に対応するように選択される数であり、
前記選択的磁束バリアスロット(8)の各々が、その個々の長さ(L)にわたって一定幅(B)を有し、
前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)の隣接するものの間の最小距離(15)の、前記選択的磁束バリアスロット(8)の幅(B)に対する比は、固定子歯幅の隣接する固定子歯(2C)間の固定子ギャップ(2A)の幅に対する比と少なくとも同一またはそれ以上である、
永久磁石励磁型同期機。
【請求項19】
前記複数の磁束バリア永久磁石(13)はそれぞれ、それが配置される個々の選択的磁束バリアスロット(8)の半径方向の内側3分の1以下を満たす、請求項1記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項20】
前記磁束バリア永久磁石(13)の各々の南北極配向は、それが配置される個々の選択的磁束バリアスロット(8)に対して横に配置される、請求項1記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項21】
前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)は、前記弦に対して扇形配列で配置され、そのため、前記極(4)の主軸(D)に円周方向により近接して配置された前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)は、前記主極軸(D)から円周方向により遠くに、相対的に配置された前記選択的磁束バリアスロット(8)の他のものよりも、前記主極軸(D)に対し、より小さな傾斜角絶対値で傾斜される、請求項1記載の永久磁石励磁型同期機。
【請求項22】
−複数の円周固定子歯(2C)を有する固定子(2)と、
−前記固定子(2)内で回転するように構成された回転子(3)と、
−前記回転子(3)を支持し、その軸上で回転させるための回転軸と、
−前記回転子(3)上にあり、シャンク(5)を含み、前記シャンク上にシュー(6)を含む突極(4)と、
−前記突極(4)内の長方形断面空洞(4C)であって、突極(4)の外周に対する弦と平行な断面主軸を有し、半径方向外側の頂壁が前記弦および前記主軸と平行な、長方形断面空洞(4C)と、
−前記長方形断面空洞(4C)内の励磁機永久磁石(7)と、
−前記突極(4)内の複数の選択的磁束バリアスロット(8)であって、前記永久磁石(7)の外側に向かって放射状に、前記長方形断面空洞(4C)の前記半径方向に外側の頂壁と、前記シュー(6)の外表面(4D)の間に配置された選択的磁束バリアスロット(8)と、
−複数の磁束バリア永久磁石(13)であって、前記複数の磁束バリア永久磁石(13)の各それぞれ1つは、前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)のそれぞれ1つ内に配置される、複数の磁束バリア永久磁石(13)と、
を備え、
−前記磁束バリア永久磁石(13)は、それぞれの長手方向断面がくさび形とされ、前記回転軸に向かって半径方向にテーパー状とされ、ならびに、
−前記複数の選択的磁束バリアスロット(8)は、前記シュー(6)に半径方向に対向する前記固定子歯(2C)の数に対応するように選択される数であり、
前記複数の磁束バリア永久磁石(13)はそれぞれ、それが配置される個々の選択的磁束バリアスロット(8)の半径方向の内側3分の1以下を満たす、永久磁石励磁型同期機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年9月26日に出願された前の米国仮出願第61/246,123号に対し、その非仮出願として、優先権の恩典を主張し、本出願はまた2009年9月18日に出願された前のスイス国内出願第1445/09号に対し優先権の恩典を主張し、スイス出願第1445/09号および米国出願第61/246,123号のすべてが、あらゆる意味で、完全に同じように本明細書で示されるかのように、参照により本明細書に全体として明確に組み込まれる。
【0002】
本発明は、埋め込まれた磁石を有する永久磁石励磁型同期機、特に、好ましくは電気自動車の航続距離延長(レンジエクステンション)のための内燃機関の同期発電機のための永久磁石同期機に関する。
【背景技術】
【0003】
永久磁石励磁型同期機は、3から30kWの電力範囲の発電機として広く使用されている。そのような機械は、固定子と回転子とを備える。ほとんどの同期機は、内部回転子を有するように設計され、この配列では回転子は、内側部であり、固定子が外側部である。外側回転子が使用される場合、配列は逆転される。固定子には、永久磁石または電磁石が備えられる。永久磁石励磁型同期機では、回転子はまた、「アンカー」と呼ばれる。
【0004】
磁石が回転子の内部に配置される設計は、特に作製が容易であると見なされる。この配列は一般に、埋め込まれた磁石または「内部永久磁石」(IPM)を有する実施形態と呼ばれる。
【0005】
回転子内部の磁石のアセンブリは、機械的利益の他に、一連の電磁特性を有し、とりわけ、モータのリラクタンス、すなわち、固定子電流の位相角に対する回転子位置からのモータのインダクタンスの依存性が、最も重要なものとして強調される。
【0006】
自動車駆動時のリラクタンスは、電流位相角を介して場に影響を与える非常に歓迎される機会であるが、電気自動車の移動範囲の延長のためには、磁気モーメント限界、よって、発電機が備えられた内燃機関を始動するための有効トルクに逆効果を有する(レンジエクステンダ発電機)。
【0007】
レンジエクステンダ発電機により発生する電力および/または機械動力は、一定の最大持続速度までの自動車の平均消費動力を、カバーする。しかし、動力ピーク、例えば、加速、登坂および最高速度、などのために、自動車は、追加の動力を駆動システムに要求し、これは、主駆動の著しくより強力な電気モータにより与えられる。
【0008】
たとえ、その性能が回転速度により調節されるべきであっても、内燃機関は専ら一定回転エンジンとして動作させてもよく、これは、狭い速度および動力範囲でその効率および排出特性を最適化するのに好適である。
【0009】
自動車駆動装置に比べ、レンジエクステンダのためのモータは、組み込みのために必要とする空間が非常に小さい。これは通常、1つまたは2つのシリンダのみから構成され、そのため、中間出力トルク、ならびに動力行程中に発生する正の最大出力トルクおよび圧縮行程中に起こる負の最大出力トルクの間に非常に大きな差が存在する。
【0010】
始動プロセスでは、各始動位置でのトルクピークは克服されるべきであり、モータは公称回転速度まで加速されるべきであり、そのため、扱いにくい排ガス性能における困難な冷間始動段階を短く保つことができ、関連サイクル中の自動車の有効総排気量への悪影響はない。
【0011】
このため、シリアルハイブリッド駆動システムの重要な効率を落とさないように、発電機としての結合永久磁石励磁型同期モータから、良好な過負荷能力および同時に、公称動作範囲における高効率性が必要とされる。
【0012】
始動段階のために、発電機はモータとして動作できなくてはならない。スタンディングスタートからの始動駆動トルクを克服した後、発電機は数秒間モータとして動作され、最小回転速度で動作し、エミッションクリチカルとなる燃焼エンジンの始動段階を短く保つために、大きな過負荷モーメントを提供する。その後、発電機の公称トルクは著しく超えられ、これは、−適当なサイズのインバーターの大型化−発電機としての非常に高い磁気トルク限界を要求する。
【0013】
発電機としての永久磁石励磁型同期機に対する上記特別な要求のために、先行技術において、ある型の永久磁石同期機(PSM)の使用が特に好都合であることが証明されている。技術上の理由のために、好ましい型のPSMはまた磁石のための保持システムとして回転子の構造を使用する。
【0014】
永久磁石励磁型同期機としての正弦場機械(正弦波発電機)の使用は、矩形場発電機に比べ、回転角に対する一定トルクおよび調和場からのより低いノイズという利点を有する。これはまた、バッテリの中間回路において発電機として使用される場合に、有効であり、ある回転角に対し一定の出力を有する。
【0015】
ハーモニックに富む内燃機関、とりわけ少数のシリンダを備えるものの出力動力は、一定のトルクアブソーバーとしての正弦波発電機の挙動に積極的に影響する。内燃機関のトルクの強い振幅は、回転子の慣性モーメントの変化を介して異なる回転速度変化を引き起こす。
【0016】
先行技術の発電機に関する問題点は、発電機のトルクが内燃機関に影響されることにある。他方、先行技術によると渦電流は磁石に向かうことができ、異なる速度変化および追加の損失を引き起こす。
【0017】
正弦波発電機の回転子はまた、フライホイールとして機能する。そのようなフライホイール質量は、すでに知られているように、内燃機関のトルクショックを、回転速度の波うちに変換する。発電機のこの二重機能により、この機構における機械動力の波うちは小さい。この挙動の発電機ではないが、追加のトルクハーモニクスが発電機において発生すると、回転振動が発生し、騒音発生に加えて、補償プロセスにより、機械および電気系において追加の損失が引き起こされ得る。
【0018】
先行技術では、発電機として使用することができる表面磁石を有する永久磁石励磁型同期機は、極を通過する主軸、ならびに、極ギャップを通過する副軸または横軸の間で有する誘導差が全くなく、または非常に小さなものにすぎない。それらのリラクタンス挙動は無視することができ、そのため、磁石が十分なサイズであれば、レンジエクステンダ発電機の要求に適するであろう。しかしながら、磁石のアセンブリは、接着ボンドによる取り付けプロセスおよびその後のクレバーまたはガラス繊維によるバンデージングにおいて実施され、そのため、複雑な製造プロセスとなってしまい、製造中のサイクル時間の延長が必要となる。
【0019】
さらに、表面上の磁石の位置により、反復電場が磁石を通過し、磁石の導電材料で渦電流を発生させ、これは損失と関連し、磁石の自己加熱および減磁を引き起こし得る。
【0020】
回転子内の磁石の埋込配列では、表面磁石を有するモータの製造の難しさを大部分取り除くことができるが、主軸と副軸のインダクタンスのある程度大きな差が引き起こされる。結果として、得られたリラクタンス効果は、発電機の過負荷容量を減少させる。
【0021】
磁石を取り囲む薄い軟磁性構造によりこの効果を最小に抑える試みがなされた。しかし、この構造は、機械的および電磁的制限を有する。保持構造の非常に薄いバージョンでは、同様の渦電流損失が、表面磁石の場合のように、磁性材料において起こる。
【0022】
国際公開第2007048211−A2号公報は、励磁機永久磁石を有する回転子を開示し、この場合、各回転子極のポールシュー領域に3つのエアバリアが設けられる。これらのエアバリアは、長いアーモンド様開口が極主軸と平行に配向されるように.設計される。これらのエアバリアにより、永久磁石の磁束の分散を減少させる試みがなされたが、その結果は満足のいくものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】国際公開第2007048211−A2号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
そのため、本発明の主目的は、表面磁石を有する同期機と同様の過負荷容量を有するが、磁石において追加の損失がなく、上記先行技術の不利益を回避する、埋め込まれた磁石を有する永久磁石励磁型同期機を提供することである。
【0025】
本発明の別の目的は、表面磁石を有する永久磁石励磁型同期機の利点を維持し、その高い過負荷容量を埋め込まれた磁石の利点と、とりわけ有利な製造可能性に関して、組み合わせることである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
この上記課題は、添付の独立クレーム1において主張される本発明による同期機により解決されている。別の有利な実施形態が、従属クレームにおいて特定される。
【0027】
同期機の磁気トルク限界を増加させるために、同時に、回転子極における交差磁束を減少させるために、各開口を、選択的磁束バリアとして、好ましくは一定幅を有する本質的に放射状のスロットの形態で形成させる。
【0028】
そのため、本発明によれば、各回転子極において、少なくとも1つであるが、通常複数の選択的磁束バリアが、磁石の主磁束に対してなんら追加の抵抗を示さないが、有害な交差磁束に対してかなりの抵抗を示すように、提供される。よって、リラクタンストルクは効果的に減少される。
【0029】
本発明によるこれらの選択的磁束バリアにより、横Q軸方向の磁気抵抗は著しく増加し、よって、交差磁束の観点からの固定子の効果(主に、Q方向)は大きく抑制される。そのため、高負荷下でのこの機械の挙動は表面磁石機械のものと非常に類似する。
【0030】
この選択的磁束バリアの一定幅は、それらの相互方向により、それらが、均質磁束を正弦分布で回転子表面上に「突出させる」または案内する疑似「磁束チャネル」を形成するので、重要な役割を果たすことに注意すべきである。これにより、とりわけ磁束バリアの特定の非平行配列によって、本発明による実施に際して、磁束バリアの主な役割が完全に達成され、これは、以前他のものにとって解決されるべき唯一の課題であったが、成功していなかった。
【0031】
そのため、本発明者らは、本発明により、前にすでに言及したエアバリア(国際公開第2007048211号から公知)を随分改善することに成功し、この改善は、本開示で言及される驚くべき技術効果と関係する。
【0032】
励磁機永久磁石上方で形成された、回転子極の軟磁性部分において、一定幅を有する実質的に放射状のスロットの形態で選択的磁束バリアを適用することにより、磁気トルク限界は著しく増加される。この磁気トルク限界の増加は、とりわけ、REX−発電機のための発電機としての実施形態では、最も有利である。
【0033】
本発明では、埋め込まれた磁石を有する従来の永久磁石励磁型機械と比べ、リラクタンストルクがREX−発電機において、特に自動車の始動および坂道段階において、燃焼エンジンがその動作回転速度に迅速にされなければならない場合に、著しく減少される。有利なことに、これにより、例えば、冷間始動段階が可能な限り短くできるが、排ガスの後処理を可能な限り簡単にすることができ、これらは重要な利点である。
【0034】
REX−発電機がこれらの特徴を満たさない場合、高い生ガスを回避することができない(これが、先行技術においてかなりの追加の手段が必要とされる理由である)。また、REX−発電機に、追加の表面磁石を取り付けた場合、これにより、主駆動のための均一分割概念が困難となり、あるいは不可能となり、上記不利益を引き起こすことになるであろう。
【0035】
そのような均一分割概念は以前、埋め込まれた磁石を有する従来の永久磁石機械−本発明によるリラクタンスバリアなし−では可能ではなかったが、これは、REX−発電機上に配置された、すべてのタスクの同時実行のための有効な磁気トルク限界が十分ではなかったためであったことに注意すべきである。
【0036】
本発明による永久磁石励磁型同期機は作製が容易であり、この場合、回転子板は、ポールシュー領域にスロット形状の凹部を有するように穴が開けられる。より小さなブリッジまたはウェブを、連結ブリッジとして有効なままとすることができ、回転子に要求される強度特性が与えられる。
【0037】
本発明の好ましい実施形態によれば、これらの機械的に交差不可能な連結ブリッジまたはウェブは、追加の比較的小さな永久磁石により占有または飽和され、そのため、それ自体、軟鉄製であるが、追加の磁束バリアとしても機能する。
【0038】
好ましくは、少なくとも1つのスロットにおいて、少なくとも1つの永久磁石が、追加の磁束バリアとして、配列され得る。要求される磁石体積は、実質的には、主磁場のための磁気質量の10%未満である。
【0039】
好ましくは、予め磁化させた永久磁石を簡単に、磁石磁束バリアの用意された「ポケット」、すなわち、一定幅を有する実質的に放射状のスロット(ポールシューのスロットが形成されたセクション)に押し込む。この手段なしでは、磁束バリアは、連結ブリッジが望まれない交差磁束で飽和された後にのみ作用し、このため、引き起こされるリラクタンスの減少はより小さくなる。驚くべきことに、リラクタンスは、追加の永久磁石を挿入することにより、ずっと大きく減少させることができる。
【0040】
従来の内部永久磁石励磁型同期モータ(IPM)に基づき、本発明は、下記有利な特性を有する、特にレンジエクステンダ発電機(REX−発電機)のための新規永久磁石励磁型同期機を提供する:
−極表面は、磁石により誘導される磁束が正弦分布を有するように設計される
−一方、磁石の軟磁性領域における1つ以上の磁束バリアは、回転子極の主軸またはD−軸に沿って配列され、横軸(Q)のインダクタンスが著しく減少されるが、主軸(D)の磁束はいずれの追加の抵抗によっても妨害されない。そのため、制限なく、その初期値を維持することができ、よって、望ましくないリラクタンスが減少され、磁気トルクは表面載置磁石を有する等価機械のレンジまで増加される。
【0041】
本発明のそのようなおよび別の詳細および利点について、添付の図面を参照し、本発明の例示的な実施形態、埋め込まれた磁石を有する永久磁石励磁型同期機を使用して以下で説明する。
【0042】
同じ参照文字は、図面全体を通して同じまたは同様の構成要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】磁束線を有する、本発明による永久磁石励磁型同期機の断面図を示す。
図2】本発明者らの実験結果としての、図1の同期機の一部の変型実施形態の線図を示す。
図3図2による回転子極の拡大上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図面において、図1は、本発明による、磁束線を有する、永久磁石励磁型同期機1の一実施形態の略断面を示す。図示された実施形態は、特にレンジエクステンダ発電機のために最適化される。
【0045】
同期機1には、外側固定子2と内側回転子3が備えられる。固定子2は、公知の分布巻(図示せず)のための溝2Aを有する従来の様式で提供される。固定子2の内側の穴11の直径は、図1では、2Bで示される。固定子2のこの穴11は、回転子3を受理するために設計される。前記溝2A間に、固定子歯2Cが固定子2において提供される。回転子3は、シャフトを受理するための、直径3Aの内側の穴10を有する。
【0046】
図示される実施形態では、回転子3は6極設計を有する。本発明の意味では、回転子3はまた、2極、4極、8極などの設計を有してもよい。図1では、回転子3は、回転子突極4を有するように図示され、ここでポールコアおよびポールシューは、それぞれ、5および6で示される。主な中央極軸Dはまた4Aで示される(図1および3)。図1では、副軸または横軸Qもまた図示されており、これは極4間のギャップを通過する。
【0047】
回転子極4の各々は、励磁機永久磁石7と結合され、これはポールコア5内に水平に配置され(図2および3)、2つのリターディング(retarding)ブリッジ4Bにより両側が制限される。励磁機永久磁石7は、回転子極4の長い長方形の磁石空洞4C内に配列される。回転子4の外表面は、図では4Dにより示される。
【0048】
図2は、本発明者らの実験結果としての、図1で示される、本発明による同期機1の変型実施形態の線図を示す。本発明によれば、ポールシュー6には、基本的には新規の回転子形状が提供される。回転子3の残りの要素は、埋め込まれた磁石を有する従来の機械と実質的に同じである。
【0049】
本発明の意味では、同期機1の磁気トルク限界を増加させるために、一方、回転子極4において交差磁束を減少させるために、各回転子極4において、少なくとも1つ、好ましくはそれ以上の選択的磁束バリアが、好ましくは長手方向のスロット8の形態で、回転子極4の主軸4Aの磁束方向で提供される。言い換えれば、これらのスロット8は実際にポールシュー6において実質的に放射状の配向を有し、一定幅Bを有することが意味されるそのため、スロット8は、選択的磁束バリアとして機能し、ポールシュー6において大体放射状の長手方向開口として形成され、実質的に平行な側面9を有する。図3で示されるように、スロット8は、長方形の磁石空洞4Cの長軸に平行な回転子円の弦セグメントに対し扇配列とされる。
【0050】
本発明の別の特徴によれば、選択的磁束バリアとして機能するスロット8の配向は、ポールシュー6における残りの軟質金属部分が、ポールシュー6の関連セクションにおける固定子歯2C(図1)と大体同じ数を有するように、選択される。
【0051】
この実施形態におけるスロット8および回転子極4の寸法および配向に関しては、図2および3において、長さLおよび前記幅Bを有する、比較的狭く、実質的に放射状のスロット8が示されている。スロット8の長さLは、永久磁石7の表面および回転子極4の外表面4Dの両方−回転子3の十分な機械的強度のために必要とされる金属ブリッジまたはウェブ14により制限される。スロット8の幅Bは、大部分は、スロット8間の最小距離15の比以下である。一方、前記幅Bは好ましくは固定子歯2Cの幅の固定子溝2Aの幅に対する比以上である。図面に示される、長さの幅に対する関係は大体最適である。しかしながら、異なる比は、本発明の範囲内にある。
【0052】
本発明による永久磁石励磁型同期機1の特に効果的な実施形態では、図2および3に示されるように、少なくとも1つの比較的小さな追加の永久磁石13が、追加の磁束バリアとして(例えば、合計0.1kgの磁石/50kW公称電力)、好ましくは少なくとも1つのそのスロット8の半径方向の内側部分に配列される。これは、スロット8全体を満たしてもよいが、必ずしもその必要はない(図3を参照されたい)。
【0053】
磁石13がスロット8を完全に満たす場合、磁束バリアの効果はほぼ確実に減少され、一方、回転子3がより重くなってしまう。ポールシュー6の外側セクションでは、磁石13は、特別な加熱および/または減磁に暴露されるであろう。しかし、この実施形態は特定の用途において考慮されてもよい。
【0054】
別の実施形態では、永久磁石13の南北極位置は、追加の磁束バリアとして、スロット8に対して横に配列させることができる。さらに、永久磁石13は、追加の磁束バリアとして、図3で示されるように、好ましくはくさび形または台形とされ、回転子3の内側の穴10に向かってテーパー状とされる。
【0055】
2つ以上のスロット8が各ポールシュー6において提供され、選択的磁束バリアとしてのスロット8の数は、対応するポールシュー6の領域内の固定子歯2Cの数に対応するように決定することができる。
【0056】
好ましくは、すでに予め磁化された永久磁石13は、それ自体追加の磁束バリアを表すが、これは、その生成された磁束線が、磁束バリアを制限する磁気的に伝導性のウェブ14を飽和させることができるように設計され、機械的にそれらは適切に設計される。予め飽和されたウェブ14は各磁束に対し高い抵抗を有する。
【0057】
動作中、そのため、永久磁石13は、スロット8の延長部として有効な磁束に対し機能するが、これは、とにかく、ウェブ14の妨害磁気伝導性が、本出願では、挿入された永久磁石13により完全に排除またはブロックされるからである。
【0058】
回転子中のこれらのウェブ14は機械的にも、シャフトと回転子3との間のシャフトはめあいの遠心力および圧力を吸収するのに有利である。これらは、強度配慮に従い正確に設計され、電流印加に適合されるべきである。
【0059】
埋め込まれた永久磁石を用いた、追加の永久磁石13による、永久磁石励磁型突極電機1における横軸Q(図2)方向の磁束バリアの機械的に必要とされる妨害の意図的な飽和は、全くこの目的のために、追加の磁束バリアとして作用するように導入されており、よって、本発明の基本的な改善を表す。
【0060】
この実質的な改善は、広く電気駆動システムにおいて使用することができる。すなわち、上記適用とは独立して使用する価値がある。この点において、本発明者らは、本発明は内部永久磁石励磁型機に制限されないことを強調する。強度の理由のためにプレートブリッジが必要であるが、磁気的な観点から磁束バリアが有利である場合はいつでも、そのような磁石を使用して、金属ブリッジでの磁気伝導性を排除することができる。
【0061】
本発明による上記磁束バリアを用いると、永久磁石励磁型突極電機1における磁気トルク限界が著しく増加するが、これは、得られたq−インダクタンスが磁束バリアを有さない実施形態に比べ1.5〜2.0倍、減少するからである。これは、今までのところ、内部永久磁石機が、表面載置磁石を有する機械に比べより低いトルクが可能であると考えられている理由である。これは、一方では他の不利益を有する。
【0062】
提案した選択的リラクタンスバリア、すなわち、放射状スロット8および挿入された磁石13のために、90Nmの公称トルクを有する本発明者らの試験機(123mmの有効長および165mmの回転子直径を有する)は360Nmの最大トルク、すなわち公称トルクの4倍の大きさを実現した。提案した選択的リラクタンスバリアがないと、先行技術による同様のモータは、インバーターの能力にもかかわらず、約250Nmしか発生させることができず、これは、過酷な作動条件下での安全な冷間始動のための、相応に大型のディーゼルエンジンの始動機−発電機のためには、少なすぎる。
【0063】
図1〜3による永久磁石励磁型同期機1では、主軸Dのインダクタンスと横軸Qのインダクタンスの間の関係(図1)は、従来の表面磁石機のレベルに減少されており、よって、驚くべきことに、その磁気トルク限界が達成されているが、公知の表面磁石機のいずれの不利益もない。
【0064】
追加の磁束バリアとして、極磁束線に平行である、磁石13をスロット8に導入することにより、上記効果をさらに増加させることができるが、これはまた、機械的に必要な制限ブリッジまたはウェブ14を飽和させることができるので、結果として、これらもまた実際に、磁束バリアとして機能する。
【0065】
もちろん、本発明は記載される実施形態に限定されない。多くの別の実施形態およびそれらの組み合わせもまた、上記開示を基本にすれば、主張される保護範囲内で可能である。
【符号の説明】
【0066】
1−埋め込まれた磁石を有する永久磁石励磁型同期機
2−固定子
2A−溝(巻き用)
2B−固定子の内側の穴の直径
2C−固定子歯
3−回転子
3A−回転子の内側の穴の直径
4−回転子極
4A−極軸
4B−リターディングブリッジ
4C−磁石を受理するための空洞
4D−外側極表面
5−ポールコア
6−ポールシュー
7−励磁機永久磁石
8−選択的磁束バリアとしてのスロット
9−側面
10−回転子の内側の穴
11−固定子の内側の穴
13−追加の磁束バリアとしての永久磁石
14−ウェブ
15−スロット間の距離
B−スロットの幅
L−スロットの長さ
D−主軸
Q−横軸
図1
図2
図3