(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674901
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】端末とUICCとの間の通信インターフェースの検出および活動化を高速化する方法
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
H04M11/00 303
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-234746(P2013-234746)
(22)【出願日】2013年11月13日
(62)【分割の表示】特願2008-538689(P2008-538689)の分割
【原出願日】2007年10月4日
(65)【公開番号】特開2014-82766(P2014-82766A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2013年11月13日
(31)【優先権主張番号】06121764.2
(32)【優先日】2006年10月4日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】314008976
【氏名又は名称】レノボ・イノベーションズ・リミテッド(香港)
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】ドン オリヴィエ
【審査官】
小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2006/099466(WO,A1)
【文献】
特開2004−139244(JP,A)
【文献】
特開2003−288561(JP,A)
【文献】
特開2007−226812(JP,A)
【文献】
Ericsson Nokia, Vodafone,ETSI Technical Committee Smart Card Platform Plenary#27 document list,Proposal for an alternative multiprotocol high speed interface (SCP-060447),2006年 9月13日,[online],[平成25年2月18日検索],Introduction,P.6,P.12,P.15,インターネット<URL:http://docbox.etsi.org/scp/scp/Plenary/27-0609-Jersey/Docs/scp-060447.zip>
【文献】
ETSI TS 102 221 V7.6.0(2006-08),Smart Cards; UICC-Terminal interface; Physical and logical characteristics (Release 7),ETSI,2006年 8月,[online],[平成25年2月18日検索],P.25,P.27,インターネット<URL:http://www.etsi.org/deliver/etsi_ts/102200_102299/102221/07.06.00_60/ts_102221v07
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 17/00−19/06、19/07−19/10
H04M 1/00、 1/24− 3/00、 3/16− 3/20、
3/38− 3/58、 7/00− 7/16、
11/00−11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と、少なくともUSB若しくはMMCからなる高速プロトコル(HSP)をサポートするUICCとの間で使用される通信プロトコルの検出および活動化を高速化する方法であって、
前記高速プロトコル用のHSPインターフェースを介した前記UICCとの通信に先立ち、現在のインターフェースを介して前記UICCによってサポートされた前記高速プロトコルに関する情報を前記端末に提供するステップと、
前記端末と前記UICCとの間の前記USBもしくはMMCの前記検出は、
前記端末が、ISOインターフェースを介してリセット信号を前記UICCに送るステップと、
前記リセット信号に応答して、前記UICCが前記UICCによってサポートされた高速プロトコルに関する情報を含むATR(初期応答)を前記端末に送るステップと、を含み、
前記UICCによってサポートされた前記高速プロトコルに関する前記情報が、前記ATRの未使用バイト内で前記端末に送信され、
前記ATRは少なくとも、前記高速プロトコルが前記UICCによってサポートされているか否かの表示と、前記UICCによってサポートされた電圧等級の表示と、前記UICCによってサポートされた速度モードの表示と、前記UICCの電力消費等級の表示と、HSP接点割当ての表示と、非接触インターフェース接点割当ての表示と、サポートされたサービスの表示とを含む
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
任意のアプリケーション選択に先立ち、前記端末が、前記UICCに予め定義された新たな専用基本ファイルEFHSPから前記UICCによってサポートされた前記高速プロトコルに関する情報を読み取る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記EFHSPが、前記UICC内のマスタ・ファイル(MF)に配置される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記新たな専門基本ファイルEFHSPは少なくとも、前記UICCによってサポートされた電圧等級の表示と、前記UICCによってサポートされた速度モードの表示と、前記UICCの電力消費等級の表示と、HSP接点割当ての表示と、非接触インターフェース接点割当ての表示と、サポートされたサービスの表示と、任意のその他のHSPパラメータの表示とを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の方法を実行することにより、UICCが少なくともUSBもしくはMMCからなる高速プロトコル(HSP)用のHSPインターフェースをサポートするか否かを検出する手段を含むことを特徴とする、前記UICCに関連する端末。
【請求項6】
前記HSPインターフェースに割り当てられた接点を検出するとともに、前記UICCにより非接触インターフェースがサポートされるか否かを検出する手段をさらに含む、請求項5に記載の端末。
【請求項7】
移動体機器に関連する少なくともUSBもしくはMMCからなる高速プロトコル(HSP)用のHSPインターフェースをサポートし、前記移動体機器と通信を行うUICCであって、請求項2に記載の方法で用いられる前記専用基本ファイルとして、前記高速プロトコルに関する情報が含まれる新たな基本ファイルを含むことを特徴とする、UICC。
【請求項8】
移動体機器に関連する少なくともUSBもしくはMMCからなる高速プロトコル(HSP)用のHSPインターフェースをサポートし、前記移動体機器と通信するUICCであって、請求項1に記載の方法で用いられる前記ATR(初期応答)として、前記高速プロトコルに関連する情報が含まれるATRを含むことを特徴とする、UICC。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0002】
本発明は、端末と、少なくとも1つの高速プロトコル(HSP)をサポートするUICCとの間で使用される通信プロトコルの検出および活動化を高速化する方法に関する。
【0003】
本発明はまた、少なくとも1つの高速プロトコル(HSP)をサポートするUICCに関連する端末に関する。
【背景技術】
【0004】
ETSI SCP標準化機関は、現在、移動体端末と、端末が電気通信事業者によって提供されるサービスにアクセスすることを可能にするUSIM(Universal Subscriber Identity Module)アプリケーションを備えたUICC(UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)集積回路カード)との間の新しいオプションの高速インターフェースを議論および定義している。
【0005】
そのような高速インターフェースが承認される場合、かかる高速インターフェースはETSI TS102.221(リリース7またはリリース8)に含まれることになる。
【0006】
しかし、現在の議論は、端末がETSI TS102.221で定義された現在のインターフェースからUICC高速インターフェース能力を検出することを可能にする技術的解決策を何も定義しない。
【0007】
その結果、端末が高速プロトコル(HSP)インターフェースを直接使用してUICCの活動化を試みる場合、端末は少なくとも2つの問題、すなわち、長いインターフェース活動化時間および接点割当て(contact allocation)の問題に直面することになる。
【0008】
第1の問題は、HSPはオプションの機能であるという事実から生じる。その結果、一部のUICCはこのインターフェースをサポートしない可能性がある。したがって、端末が初めにHSPインターフェース上で活動化を開始する場合、UICCがHSPをサポートしないことを理解するまで長い時間がかかる可能性がある。
【0009】
この問題の例として、HSPがUSBインターフェースからなる場合、端末は初めに最低電圧等級でUICCに電力供給し、次いで、USBデバイスが接続されているか否かを判断する前に少なくとも20ミリ秒待機すべきである。端末が最低電圧等級を用いてUSBデバイスの存在を検出しない場合、端末は次の電圧等級で再度シーケンスを行わねばならず、以下同様に行われる。
【0010】
現在、定義された電圧等級は3つ存在する。これは、3回のシーケンスの後にUSBデバイス(UICC)が検出されない場合、ISO(International Organization for Standardization)インターフェース活動化を開始する前に端末は少なくとも60ミリ秒を消耗したことを意味する(この遅れは、処理時間が加えられるべき最低待機時間だけを意味する)。
【0011】
第2の問題は、UICCにサポートされたHSPは、将来の任意のME(Mobile Equipment)−UICCインターフェース(例えば、非接触(contact-less))と共生すべきであるという事実から生じる。
【0012】
選択された技術によっては、接点の数が、単に1つのインターフェースによって使用されるにも十分でない可能性がある。さらに、規格には、HSPおよび非接触に関して、どの接点が使用されることになるかが明瞭にまだ定義されていない。その結果、正確にどの接点がHSPに割り当てられるのかを識別せずに端末がUICCに電力供給する場合、UICCを物理的に破損する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上述の欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的を達成するために、本発明にかかる方法は、端末と、少なくとも
USB若しくはMMCからなる高速プロトコル(HSP)をサポートするUICCとの間で使用される通信プロトコルの検出および活動化を高速化する方法であって、
前記高速プロトコル用のHSPインターフェースを介した前記UICCとの通信に先立ち、現在のインターフェースを介して前記UICCによってサポートされた前記高速プロトコルに関する情報を前記端末に提供する
ステップと、前記端末と前記UICCとの間の前記USBもしくはMMCの前記検出は、前記端末が、ISOインターフェースを介してリセット信号を前記UICCに送るステップと、前記リセット信号に応答して、前記UICCが前記UICCによってサポートされた高速プロトコルに関する情報を含むATR(初期応答)を前記端末に送るステップと、を含み、前記UICCによってサポートされた前記高速プロトコルに関する前記情報が、前記ATRの未使用バイト内で前記端末に送信され、前記ATRは少なくとも、前記高速プロトコルが前記UICCによってサポートされているか否かの表示と、前記UICCによってサポートされた電圧等級の表示と、前記UICCによってサポートされた速度モードの表示と、前記UICCの電力消費等級の表示と、HSP接点割当ての表示と、非接触インターフェース接点割当ての表示と、サポートされたサービスの表示とを含むことを特徴とする方法である。
【0015】
また、本発明にかかる端末は、UICCが
少なくともUSBもしくはMMCからなる高速プロトコル(HSP)用のHSPインターフェースをサポートするか否かを検出する手段を含むことを特徴とする、前記UICCに関連する端末である。
また、本発明にかかる
UICCは、移動体機器に関連する少なくとも
USBもしくはMMCからなる高速プロトコル(HSP)用のHSPインターフェースをサポート
し、前記移動体機器と通信を行うUICCであって、
専用基本ファイルとして、前記高速プロトコルに関する情報が含まれる新たな基本ファイルを含むことを特徴とする、UICCである。
また、本発明にかかる他の
UICCは、移動体機器に関連する少なくとも
USBもしくはMMCからなる高速プロトコル(HSP)用のHSPインターフェースをサポート
し、前記移動体機器と通信を行うUICCであって、
前記ATR(初期応答)として、前記高速プロトコルに関連する情報が含まれるATRを含むことを特徴とする、UICCである。
【0016】
本発明は、端末と、少なくとも1つの高速プロトコル(HSP)をサポートするUICCとの間に使用される通信プロトコルの検出、またそれにより活動化を高速化するための方法を提供する。
【0017】
本発明による方法は、HSPインターフェースを介した前記UICCとの通信に先立ち、現在のインターフェースを介して前記UICCによってサポートされる高速プロトコルに関する情報を端末に提供することである。
【0018】
前記現行のインターフェースは、(ISO/IEC7816シリーズに基づき)ETSI TS102.221に定義されている。
【0019】
本発明の結果、高速インターフェースを介した任意の通信に先立ち、端末はUICCがHSPをサポートするか否かを検出する。特に、端末はHSPに割り当てられた接点を識別する。
【0020】
したがって、HSPインターフェースが検出されると、通信コンテキストおよびニーズ(すなわち、端末内およびUICC内に存在するアプリケーションの種類、交換される必要のあるデータ量など)に応じて、端末は検出されたHSPを活動化するか否かを決定することができる。
【0021】
本発明の第1の実施例では、端末とUICCとの間のHSPの検出は、以下のステップを含む。
端末はISOインターフェースを介してリセット信号をUICCに送るステップ、前記リセット信号に応答して、UICCは、UICCによってサポートされた
高速プロトコルに関する情報を含むATR(初期応答(Answer To Reset))を端末に送るステップ。
【0022】
本発明の第2の実施例では、端末は、UICCに予め定義された新たな専用基本ファイル(Elementary File)EF
HSPから、前記UICCによってサポートされた
前記高速プロトコルに関する情報を読み取る。
【0023】
第1の実施例のある特定実装形態例では、前記UICCによってサポートされた
前記高速プロトコルに関する情報は、ATRの未使用バイト内で端末に送信される。
【0024】
前記ATRは、少なくとも以下を含むことが好ましい。
高速プロトコルがUICCによってサポートされているか否かの表示、
UICCによってサポートされた電圧等級の表示、
UICCによってサポートされた速度モードの表示、
前記UICCの電力消費等級の表示、
HSP接点割当ての表示、
非接触インターフェース接点割当ての表示、
サポートされた
サービスの表示。
【0025】
第2の実施例のある特定実装形態例では、新たな専用基本ファイルEF
HSPは、UICC内のマスタ・ファイル(MF)の下に配置される。
【0026】
前記新たな専用基本ファイルEF
HSPは、少なくとも以下を含むことが好ましい。
UICCによってサポートされた電圧等級の表示、
UICCによってサポートされた速度モードの表示、
前記UICCの電力消費等級の表示、
HSP接点割当ての表示、
非接触インターフェース接点割当ての表示、
サポートされたサービスの表示、
任意のその他のHSPパラメータの表示。
【0027】
本発明による方法は、UICCによってサポートされたHSPインターフェースの安全かつ迅速な活動化を実現する。
【0028】
前述の概要、および以下の詳細な説明は、添付の図面と共に読むことでよりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施例の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の第2の実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、前記端末による通信インターフェース・プロトコルの選択に先立つ、端末2とUICC4との間の通信の初期ステップを示す図である。
【0031】
これらの初期ステップの間、端末とUICCとは、(ISO 7816インターフェースに基づき)ETSI TS102.221に定義された現行の既存のインターフェースを介して通信する点に留意されたい。前記UICCは1つのプロトコル(MMC(マルチメディア・メモリ・カード用)もしくはUSB(ユニバーサル・シリアル・バス用)もしくは任意の他のプロトコル))だけをサポートしてもよく、または(場合によっては、例えば、USBとMMCの両方をサポートする)マルチプロトコルであってもよい。
【0032】
この例では、ステップ10で、端末2は、UICC4上の集積チップの接点C2上でリセット信号をUICC4に送る。
【0033】
リセット信号に応答して、ステップ12でUICC4は、端末2が任意のHSPインターフェースの活動化を直接試みる場合、事前に識別できないそのHSP能力に関するパラメータを含むATR(初期応答)を端末2に送信する。前記パラメータは、将来の使用のために確保していたATRのいくつかの現在未使用の履歴バイト(例えば、T8からT13)内に含まれてもよい。これらのバイトは、電圧等級、速度モード、電力消費、接点割当て、非接触インターフェース接点割当て、サポートされたサービスなど、必要な高速インターフェース・パラメータを伝える。
【0034】
下記の第1の好ましい実装形態では、UICC4は一度に1つのプロトコル(USBまたはMMCまたは任意のその他のプロトコル)をサポートすることが想定される。履歴バイト内のT8からT13を使用して、HSPパラメータの構成が下に与えられる。
【0035】
T8:
ビット0=1:HSPがサポートされる
ビット0=0:HSPがサポートされない
その他のビット:RFU(Reserved for Future Use)
【0036】
T9:電圧等級
ビット0、ビット1=00:電圧等級Aがサポートされる
ビット0、ビット1=01:電圧等級Bがサポートされる
ビット0、ビット1=10:電圧等級C/C*がサポートされる
ビット2から7:RFU
【0037】
T10:速度モード
USBの場合:
ビット0、ビット1=00:低速モードがサポートされる
ビット0、ビット1=01:高速モードがサポートされる
ビット0、ビット1=10:全速モードがサポートされる
ビット2から7:RFU
MMCの場合:
ビット0=1:単一データ線がサポートされる
ビット0=0:RFU
ビット1から7:RFU
【0038】
T11:電力消費
ビット0からビット7:0から255(mA)
このパラメータは、UICCが高速インターフェース・オペレーションのために有することを望む電流(mA)を示す。そのような電力消費を許可するか否かは端末次第である。
デフォルトで、USBとMMCは両方とも、ETSI TS102.221に記載されたとおりの電力消費に準拠すべきである。
【0039】
T12およびT13に関する下記の実装形態例は、ETSI SCP規格が各インターフェースに接点を明示的に割り当てない場合に該当する。
【0040】
T12:HSP接点割当て
UICCがUSBインターフェースをサポートする場合:
D−に関する接点:
ビット0 ビット1=00:C4
ビット0 ビット1=01:C6
ビット0 ビット1=10:C8
D+に関する接点:
ビット2 ビット3=00:C4
ビット2 ビット3=01:C6
ビット2 ビット3=10:C8
ビット4からビット7:RFU
UICCがMMCインターフェースをサポートする場合:
CLK(Clock)に関する接点:
ビット0 ビット1=00:C4
ビット0 ビット1=01:C6
ビット0 ビット1=10:C8
ビット0 ビット1=11:C7
CMD(Command)に関する接点:
ビット2 ビット3=00:C4
ビット2 ビット3=01:C6
ビット2 ビット3=10:C8
ビット2 ビット3=11:C7
DATAに関する接点:
ビット4 ビット5=00:C4
ビット4 ビット5=01:C6
ビット4 ビット5=10:C8
ビット4 ビット5=11:C7
ビット6から7:RFU
【0041】
T13:非接触インターフェース接点割当て
ビット0=0:非接触がサポートされない
ビット0=1:非接触がサポートされる
SWP(Single Wire Protocol)(1つの接点が必要)の場合:
ビット1、ビット2=00:C4が割り当てられる
ビット1、ビット2=01:C6が割り当てられる
ビット1、ビット2=10:C8が割り当てられる
ビット1、ビット2=11:C7が割り当てられる
ビット3から7:RFU
S2C(2つの接点が必要)の場合:
ビット1、ビット2、ビット3=000:C4およびC6が割り当てられる
ビット1、ビット2、ビット3=001:C4およびC7が割り当てられる
ビット1、ビット2、ビット3=010:C4およびC8が割り当てられる
ビット1、ビット2、ビット3=011:C6およびC7が割り当てられる
ビット1、ビット2、ビット3=100:C6およびC8が割り当てられる
ビット1、ビット2、ビット3=101:C7およびC8が割り当てられる
ビット4から7:RFU
【0042】
上記の例では、1バイトは1つのパラメータ(例えば、速度モード、電圧等級など)だけに関する情報だけを伝える。しかし、最適化事項に関しては、1バイトはいくつかのパラメータに関する情報を伝えてもよい。
【0043】
下記の本発明の第2の実装形態では、HSPパラメータはUICCに予め定義された新たな基本ファイルEF
HSP内に記憶される。この新たな基本ファイルはHSPに関する情報を含む。
【0044】
ATRの未使用バイトの使用と比較し、EF
HSPはHSPパラメータ数の将来の増加を考慮に入れるためにより多くの空き領域(room)を提供する。実際のところ、HSPインターフェースの将来の変更を考慮に入れるために、検出機構に関与する可能性のある新たなパラメータをEF
HSPに容易に加えることが可能である。他方で、EF
HSP方法の使用は、ATR方法の使用よりもわずかに速度が遅くなる。
【0045】
EF
HSPは、現在の既存のISOインターフェース活動化の後、かつ任意のアプリケーション選択(SIM(Subscriber Identity Module),USIM,ISIM(IM(IP Multimedia) Services Identity Module)など)に先立ち、端末2が速やかにアクセス可能となるように、UICC内のマスタ・ファイルに定義されることが好ましい。
【0046】
EF
HSPの定義は、例として下に与えられている。
EFタイプ:トランスペアレント
長さ:Xバイト
データ符号化:TLV(Tag Length Value)タイプ
タグ 0xA1:電圧等級
長さ:1バイト
データ:
方法1と同じ符号化
タグ 0xA2:速度モード
長さ:1バイト
データ:
方法1と同じ符号化
タグ 0xA3:電力消費等級
長さ:1バイト
データ:
方法1と同じ符号化
タグ 0xA4:HSP接点割当て
長さ:1バイト
データ:
方法1と同じ符号化
タグ 0xA5:非接触インターフェース接点割当て
長さ:1バイト
データ:
方法1と同じ符号化
タグ 0xB1:サポートされるサービス
長さ:Yバイト
データ:
ビット0から7:
0000 0001=大容量記憶装置
0000 0010=スマート・カード・ウェブ・サーバ
0000 0011=UICCによるビデオ・ストリーミング解読(video streaming deciphering)
....
タグ 0xC1:その他のパラメータ
長さ:Yタイプ
データ:
この部分は、UICC活動化がHSPインターフェースから直接行われる場合に交換されるその他のパラメータを含む。
【0047】
これらのデータの符号化は、最新のUSB(現在、v2.0)、MMC(現在、v4.1)またはサポートされたHSPに関する任意のその他の仕様に定義されているものと同じである。
【0048】
次に
図2を参照すると、初期化シーケンスの開始(ステップ20)後、ステップ22で、EF
HSPのコンテンツを得るために、端末2は、ETSI TS102.221に定められたバイナリ読取C−APDU(命令−アプリケーション・プロトコル・データ・ユニット)をUICC4に送る。
【0049】
命令C−APDUに応答して、ステップ24で、UICC4はHSPパラメータを含むR−APDU(応答−APDU)を端末2に送信する。
【0050】
本発明の範囲から逸脱せずに、さらなるパラメータをEF
HSPに加えることが可能である点に留意されたい。
【0052】
[付記]
以下、本発明の特徴を付記する。
【0053】
(付記1)
端末と、少なくとも
USB若しくはMMCからなる高速プロトコル(HSP)をサポートするUICCとの間で使用される通信プロトコルの検出および活動化を高速化する方法であって、
前記高速プロトコル用のHSPインターフェースを介した前記UICCとの通信に先立ち、現在のインターフェースを介して前記UICCによってサポートされた前記高速プロトコルに関する情報を前記端末に提供する
ステップと、前記端末と前記UICCとの間の前記USBもしくはMMCの前記検出は、前記端末が、ISOインターフェースを介してリセット信号を前記UICCに送るステップと、前記リセット信号に応答して、前記UICCが前記UICCによってサポートされた高速プロトコルに関する情報を含むATR(初期応答)を前記端末に送るステップと、を含み、前記UICCによってサポートされた前記高速プロトコルに関する前記情報が、前記ATRの未使用バイト内で前記端末に送信され、前記ATRは少なくとも、前記高速プロトコルが前記UICCによってサポートされているか否かの表示と、前記UICCによってサポートされた電圧等級の表示と、前記UICCによってサポートされた速度モードの表示と、前記UICCの電力消費等級の表示と、HSP接点割当ての表示と、非接触インターフェース接点割当ての表示と、サポートされたサービスの表示とを含むことを特徴とする方法。
【0054】
(付記2)
任意のアプリケーション選択に先立ち、前記端末が、前記UICCに予め定義された新たな専用基本ファイルEFHSPから前記UICCによってサポートされた前記高速プロトコルに関する情報を読み取る、付記1に記載の方法。
【0055】
(付記3)
前記EFHSPが、前記UICC内のマスタ・ファイル(MF)に配置される、付記
2に記載の方法。
【0056】
(付記4)
前記
新たな専門基本ファイルEFHSPは少なくとも、前記UICCによってサポートされた電圧等級の表示と、前記UICCによってサポートされた速度モードの表示と、前記UICCの電力消費等級の表示と、HSP接点割当ての表示と、非接触インターフェース接点割当ての表示と、サポートされたサービスの表示と、任意のその他のHSPパラメータの表示とを含む、付記
3に記載の方法。
【0057】
(付記5)
付記1から付記4のいずれか1つに記載の方法を実行することにより、UICCが少なくともUSBもしくはMMCからなる高速プロトコル(HSP)用のHSPインターフェースをサポートするか否かを検出する手段を含むことを特徴とする、
前記UICCに関連する端末。
【0058】
(付記6)
前記
HSPインターフェースに割り当てられた接点を検出するとともに、前記UICCにより非接触インターフェースがサポートされるか否かを検出する手段を
さらに含む、付記
5に記載の
端末。
【0059】
(付記7)
移動体機器に関連する少なくともUSBもしくはMMCからなる高速プロトコル(HSP)用のHSPインターフェースをサポートし、前記移動体機器と通信を行うUICCであって、付記2に記載の方法で用いられる前記専用基本ファイルとして、前記高速プロトコルに関する情報が含まれる新たな基本ファイルを含むことを特徴とする、
UICC。
【0060】
(付記8)
移動体機器に関連する少なくともUSBもしくはMMCからなる高速プロトコル(HSP)用のHSPインターフェースをサポートし、前記移動体機器と通信を行うUICC
であって、付記1に記載の方法で用いられる前記ATR(初期応答)として、前記高速プロトコルに関連する情報が含まれるATRを含むことを特徴とする、UICC。
【符号の説明】
【0064】
2…端末、4…UICC。