(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
移動体がエネルギーを消費する要因別に前記移動体のエネルギー消費量を算出するために設定された設定係数と前記移動体の移動情報とに基づいて前記移動体のエネルギー消費量を算出する算出手段と、
一の区間を移動した他の移動体で設定された前記設定係数および当該一の区間を移動した他の移動体が消費する実測エネルギー消費量に基づいてサーバが算出した係数補正量に関する情報を、当該サーバから受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記係数補正量に関する情報に基づいて、前記一の区間を前記移動体が走行する場合の前記設定係数を補正する補正手段と、
前記補正された設定係数に基づいて、目的地までの経路を探索する探索手段と、
を備えることを特徴とする探索装置。
前記受信手段は、前記係数補正量に関する情報として、前記一の区間を移動した前記他の移動体が消費する実測エネルギー消費量から算出された前記設定係数に対応する実測係数と、当該一の区間を移動した当該他の移動体で設定された前記設定係数との差分または割合に関する情報を受信することを特徴とする請求項1に記載の探索装置。
前記受信手段は、前記係数補正量に関する情報として、前記一の区間を移動した複数の他の移動体から収集された、各々の当該他の移動体が消費する前記実測エネルギー消費量から算出された前記設定係数に対応する前記実測係数と、各々の当該他の移動体で設定された前記設定係数との差分または割合に関する情報を受信することを特徴とする請求項2に記載の探索装置。
前記補正手段は、前記一の区間を移動した複数の前記他の移動体のうち、前記移動体と共通する移動体情報を1つ以上有する当該他の移動体から送信された情報に基づいて算出された前記係数補正量に関する情報を用いることを特徴とする請求項1に記載の探索装置。
前記補正手段は、現時点で前記一の区間を移動中または移動し終えた前記他の移動体から送信された情報に基づいて算出された前記係数補正量に関する情報を用いることを特徴とする請求項1に記載の探索装置。
前記探索手段は、前記移動体の前記目的地まで複数の経路のうち、前記移動体が消費する前記エネルギー消費量が少ない経路を探索することを特徴とする請求項1に記載の探索装置。
移動体がエネルギーを消費する要因別に前記移動体のエネルギー消費量を算出するために設定された設定係数と前記移動体の移動情報とに基づいて前記移動体のエネルギー消費量を算出する算出手段と、
一の区間を移動した他の移動体で設定された前記設定係数および当該一の区間を移動した他の移動体が消費する実測エネルギー消費量を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記設定係数および前記実測エネルギー消費量に基づいて係数補正量に関する情報を算出し、当該係数補正量に関する情報に基づいて前記一の区間を前記移動体が走行する場合の前記設定係数を補正する補正手段と、
前記補正された前記設定係数に基づいて、目的地までの経路を探索する探索手段と、
を備えることを特徴とする探索装置。
移動体のエネルギーを消費する要因別に前記移動体のエネルギー消費量を算出するために設定された設定係数と前記移動体の移動情報とに基づいて算出された前記移動体のエネルギー消費量を使って探索された目的地までの経路を受信する端末であって、
前記移動体の移動情報を取得する取得手段と、
取得された前記移動情報を送信する端末送信手段と、
一の区間を移動した他の移動体で設定された前記設定係数と当該一の区間を移動した他の移動体が消費する実測エネルギー消費量とに基づき補正される前記設定係数を使って探索された前記目的地までの経路を受信する端末受信手段と、
を備えることを特徴とする端末。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る探索装置、探索システム、探索方法および端末の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる探索装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態1にかかる探索装置100は、サーバ110を介して取得した他の移動体からの情報に基づいて、自装置が搭載された移動体の目的地までの経路を探索する。探索装置100は、受信部101、取得部102、補正部103、算出部104、記憶部105、探索部106、送信部107によって構成される。また、サーバ110は、探索装置100に他の移動体から収集した情報を提供する。サーバ110は、サーバ受信部111、サーバ算出部112、サーバ記憶部113、サーバ送信部114によって構成される。
【0015】
受信部101は、一の区間を移動した他の移動体で設定された設定係数および一の区間を移動した他の移動体が消費する実測エネルギー消費量に基づいてサーバ110が算出した係数補正量に関する情報を、サーバ110から受信する。具体的には、たとえば、受信部101は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続されたサーバ110からの係数補正量に関する情報を受信する。
【0016】
ここで、一の区間とは、所定の区間を複数の区間に区分した一区間である。具体的には、一の区間とは、たとえば、移動体の目的地までの経路を複数の区間に区分した一区間である。移動体の目的地までの経路が複数存在する場合、各経路はそれぞれ複数の区間に区分される。
【0017】
設定係数は、移動体がエネルギーを消費する要因別(以下、単に「要因別」という)に設定される。エネルギーを消費する要因は、移動体が待機状態、移動体が加速または減速状態、および移動体の走行状態で区分される。つまり、受信部101は、待機状態、加減速状態、および走行状態における設定係数に基づいて要因別に算出された係数補正量に関する情報を取得する。
【0018】
ここで、エネルギーとは、たとえば、EV車、HV車、PHV車など(以下、単に「EV車」という)の場合、電気などに基づくエネルギーである。また、エネルギーとは、ガソリン車、ディーゼル車など(以下、単に「ガソリン車」という)の場合、ガソリンや軽油、ガスなどに基づくエネルギーである。探索装置100の上記構成は、EV車およびガソリン車においてもほぼ同様に機能する。
【0019】
待機状態における設定係数とは、移動体が待機状態にあるときに消費する待機消費量を算出するための係数である。移動体が待機状態にあるとは、駆動源が可動した状態における移動体の停止時である。駆動源が可動した状態における移動体の停止時とは、移動体のエンジンに負荷がかからない程度に、エンジンを低速で空回りさせた状態である。具体的には、駆動源が可動した状態における移動体の停止時とは、アイドリング時である。
【0020】
具体的には、待機消費量とは、たとえば、エンジンをかけたまま停車しているときや、信号などで停止しているときに消費されるエネルギー量である。つまり、待機消費量は、移動体の走行に関係しない要因で消費されるエネルギー量である。より具体的には、待機消費量は、移動体に備えられたエアコンやオーディオなどによるエネルギー量と、ガソリン車等においてはアイドリングによって消費されるエネルギー量である。
【0021】
加減速状態における設定係数とは、移動体が加減速状態にあるときに消費する加速消費量を算出するための係数である。移動体が加減速状態にあるとは、移動体の速度が時間的に変化している走行状態である。具体的には、加速消費量とは、移動体を加速または減速させるために消費されるエネルギー量である。
【0022】
走行状態における設定係数とは、移動体が走行状態にあるときに消費する走行消費量を算出するための係数である。移動体が走行状態にあるとは、所定時間内において、移動体の速度が一定、加速もしくは減速している走行状態である。
【0023】
具体的には、走行消費量とは、たとえば、移動体の走行時に生じる抵抗により消費されるエネルギー量である。移動体の走行時に生じる抵抗とは、移動体の走行時に移動体の走行状態を変化させる要因である。具体的には、移動体の走行時に生じる抵抗とは、気象状況、道路状況、車両状況などにより移動体に生じる抵抗である。
【0024】
より具体的には、設定係数とは、移動体のエネルギー消費量を消費させる要因を構成する移動体情報である。移動体情報とは、たとえば車両情報、車両情報に関連する情報などである。車両情報とは、例えば、移動体の排気量、重量、車幅、車高、効率、空気抵抗、転がり抵抗などである。車両情報に関連する情報とは、例えば上述した車両情報のいずれか1つ以上の情報に基づいて算出される情報である。
【0025】
設定係数の変化は、一の区間を移動する他の移動車の周辺状況が変化したことを意味する。具体的には、待機状態における設定係数の変化は、たとえば、気温が高いまたは低いなどによって他の移動車でエアコンが使用されることによって生じる変化である。加減速状態における設定係数の変化は、たとえば、地図情報上に掲載されていない傾斜が存在することによって生じる変化である。走行状態における設定係数の変化は、路面状態が悪い、路面が凍結しているなどによって転がり抵抗が増加したり、風向や風速によって空気抵抗が増加したことによって生じる変化である。
【0026】
このように、受信部101は、一の区間を移動した他の移動体の周辺状況の変化を、要因別に設定係数の補正値として取得する。上述した周辺状況は一例であり、たとえば、周辺状況とは、道路渋滞などによって変化する他の移動体の速度、加速度などの移動情報であってもよい。また、周辺状況の変化は、複数の要因で設定係数に影響を与えることもありうる。具体的には、たとえば、エアコンが使用されている場合、待機状態における設定係数が変化するだけでなく、加減速状態における設定係数も変化する。
【0027】
設定係数の初期値は、たとえば、移動体内の情報通信網から取得された移動体情報であってもよいし、メーカーが提供する移動体情報であってもよい。情報通信網とは、移動体内のエレクトリックコントロールユニット(ECU:Electronic Control Unit)に接続され、例えばCAN(Controller Area Network)など通信プロトコルによって動作する車内通信ネットワーク(以下、単にCANとする)である。
【0028】
係数補正量に関する情報は、移動体で設定された設定係数を補正する補正値である。具体的には、係数補正量に関する情報とは、一の区間を移動した他の移動体が消費する実測エネルギー消費量から算出された設定係数に対応する実測係数と、一の区間を移動した他の移動体で設定された設定係数との差分または割合に関する情報である。実測エネルギー消費量とは、移動体が実際に消費するエネルギー消費量である。実測係数とは、実測エネルギー消費量に基づいて要因別に設定された設定係数である。
【0029】
移動体が消費するエネルギー消費量は、移動体の周辺状況や移動体の移動情報の変化によって変化し、このエネルギー消費量の変化量は、設定係数の変化量としてあらわれる。このため、設定係数は、係数補正量に関する情報(設定係数の変化量)に基づいて補正されることによって、より実測エネルギー消費量に近い推定エネルギー消費量を算出する係数となる。
【0030】
具体的には、係数補正量に関する情報とは、一の区間を他の移動体が移動したときの、他の移動体の設定係数の実測係数からの変化量(設定係数の変化量)である。また、係数補正量に関する情報は、一の区間を移動した複数の他の移動体から収集された、各々の他の移動体で算出された実測係数と、各々の他の移動体で設定された設定係数との差分または割合に関する情報であってもよい。一の区間の周辺状況の変化による、一の区間を移動した各々の他の移動体で設定された設定係数の変化量はほぼ等しくなる。このため、係数補正量に関する情報は、各々の他の移動体で設定された設定係数の変化量の平均値であってもよい。
【0031】
また、受信部101は、移動体の移動が終了するまで、係数補正量に関する情報を継続的に受信してもよい。つまり、受信部101は、移動体の移動が終了するまで、一の区間を移動中または移動し終えた他の移動体から送信された設定係数の変化量に基づいてサーバ110が算出した設定係数の補正値を受信しつづけてもよい。
【0032】
受信部101は、係数補正量に関する情報とともに、係数補正量に関する情報に関連付けられた移動体情報や移動体の移動情報を受信してもよい。係数補正量に関する情報に関連付けられた移動体情報は、たとえば、移動体の種類および形状などである。移動体の種類とは、たとえば、メーカー別の車種などである。移動体の形状とは、セダン、ハッチバック、スポーツカーなど移動体の型式である。
【0033】
受信部101は、一の区間を移動した他の移動体で設定された設定係数および一の区間を移動した他の移動体が消費する実測エネルギー消費量、または一の区間を移動した他の移動体で設定された設定係数の変化量を、サーバ110を介さずに他の移動体から直接受信してもよい。具体的には、受信部101は、たとえば、対向車線をすれ違った他の移動体から情報を受信してもよい。対向車線をすれ違った他の移動体は、移動体がこれから走行する一の区間における情報を保持している可能性が高く、より正確に目的地までの経路を探索するための情報を取得することができるからである。
【0034】
また、受信部101は、地図データに関連付けられた道路上の区間ごとの移動情報や、地図データに関連付けられたプローブ情報などをサーバ110から受信する。道路上の区間ごとの移動情報とは、たとえば、道路ごとの法定速度、平均の走行速度、傾斜情報などである。プローブ情報とは、渋滞情報、気象情報などである。具体的には、プローブ情報とは、たとえば、移動体の速度、加速度、区間ごとの走行に要する所要時間である。
【0035】
取得部102は、移動体内の情報通信網から、一の区間を移動した移動体が消費する実測エネルギー消費量を取得する。また、取得部102は、移動体内の情報通信網から移動体の移動情報を取得する。取得部102は、たとえば速度センサ、加速度センサ、傾斜センサなどによって、移動体の移動情報を取得してもよい。移動体の移動情報とは、たとえば、移動体の速度、加速度、傾斜情報などである。また、取得部102は、たとえば、GPS衛星から受信したGPS情報などを用いて、自装置の現在位置を算出することによって移動体の位置情報を取得してもよい。
【0036】
補正部103は、受信部101によって受信された係数補正量に関する情報(設定係数の補正値)に基づいて、一の区間を移動体が走行する場合の設定係数を補正する。具体的には、補正部103は、たとえば、受信部101によって受信された設定係数の補正値に基づいて、一の区間を移動体が走行する場合の設定係数の初期値を補正する。より具体的には、補正部103は、たとえば、設定係数の補正値が設定係数の初期値を2倍に補正するという情報であった場合、設定係数の初期値を2倍に補正してもよいし、設定係数の補正値を移動体情報に基づく相対的な値として、たとえば設定係数の補正値の9割の数値(1.8倍)で設定係数の初期値を補正してもよい。
【0037】
補正部103は、一の区間を移動した複数の他の移動体のうち、移動体と共通する移動体情報を1つ以上有する他の移動体から送信された情報に基づいて算出された係数補正量に関する情報を用いてもよい。これにより、補正部103は、補正する設定係数が設定された移動体の移動体情報に近い他の移動体からの情報に基づいて、移動体で設定された設定係数を補正することができる。
【0038】
また、補正部103は、現時点で一の区間を移動中または移動し終えた他の移動体から送信された情報に基づいて算出された係数補正量に関する情報を用いてもよい。これにより、補正部103は、移動体がこれから走行する一の区間の現時点での周辺状況が反映された係数補正量に関する情報に基づいて、一の区間を移動体が移動するときの設定係数を補正することができる。
【0039】
また、補正部103は、エンジンの汚れやタイヤの空気圧の減少など、現時点で移動体に生じているエネルギーを消費する要因に基づいて、設定係数を補正してもよい。
【0040】
また、補正部103は、他の移動体で設定された設定係数および実測エネルギー消費量を受信部101が他の移動体から直接受信した場合、受信部101によって受信された設定係数および実測エネルギー消費量に基づいて係数補正量に関する情報を算出してもよい。係数補正量に関する情報の算出方法は、後述するサーバ算出部112と同様である。
【0041】
算出部104は、移動体がエネルギーを消費する要因別に設定された設定係数と移動体の移動情報とに基づいて移動体のエネルギー消費量(推定エネルギー消費量)を算出する。具体的には、算出部104は、補正部103によって補正された設定係数および取得部102によって取得された移動体の移動情報を用いて、所定の区間における移動体の推定エネルギー消費量を算出する。
【0042】
より具体的には、算出部104は、補正された要因別の設定係数に基づいて算出された待機消費量、加速消費量および走行消費量の総和から推定エネルギー消費量を算出する。所定の区間とは、たとえば、移動体の現在地点から目的地までの区間である。移動体の目的地は、たとえば、ユーザによって図示省略する入力部から入力される。
【0043】
また、算出部104は、一の区間ごとに移動体が消費する推定エネルギー消費量を算出する。具体的には、算出部104は、推定エネルギー消費量を算出する対象区間として所定の区間のうちの一の区間を順次設定し、この対象区間における推定エネルギー消費量を算出することを、所定の区間のすべて区間について行う。
【0044】
所定の区間を区分する地点は、たとえば、交差点など道路上の所定の地点であってもよいし、移動体の移動情報や道路状況が変化する地点であってもよい。移動体の移動情報が変化する地点とは、たとえば、道路種別が変わる地点である。道路種別とは、一般道路、高速道路、有料道路などである。道路状況が変化する地点とは、たとえば、気象状態によって路面状況が変化する地点、または、渋滞状況によって平均の走行速度が通常より変わってしまう時点、である。
【0045】
また、算出部104は、取得部102によって取得された実測エネルギー消費量に基づいて実測係数を算出し、実測係数と設定係数の初期値との差分または割合を算出する。具体的には、算出部104は、一の区間を移動した移動体で設定された設定係数の変化量を算出する。ここで、算出部104が算出する設定係数の変化量は、送信部107によってサーバ110に送信される情報である。
【0046】
記憶部105は、受信部101によって受信された係数補正量に関する情報、係数補正量に関する情報に関連付けられた他の移動体情報を記憶する。また、記憶部105は、設定係数の初期値、補正部103によって補正された設定係数、および算出部104によって算出された設定係数の変化量を記憶する。記憶部105は、受信部101によって受信された各種情報や、取得部102によって取得された各種情報を記憶してもよい。
【0047】
探索部106は、補正された設定係数を用いて算出部104によって区間ごとに算出された推定エネルギー消費量に基づいて、目的地までの経路を探索する。具体的には、探索部106は、移動体の目的地までの複数の経路のうち、移動体が消費する推定エネルギー消費量が少ない経路を探索する。より具体的には、探索部106は、目的地までの複数の経路ごとに、算出部104によって算出された一の区間の推定エネルギー消費量を総和し、総和したエネルギー消費量が最小となる経路を探索する。探索部106によって探索された最適な経路は、たとえば、図示省略する報知部によってユーザに報知される。
【0048】
また、探索部106は、補正された設定係数を用いて算出部104によって区間ごとに算出されたエネルギー消費量に基づいて、残存エネルギー量や現時点からの走行可能距離を算出してもよい。
【0049】
送信部107は、算出部104によって算出された設定係数の変化量をサーバ110に送信する。送信部107は、移動体で設定された設定係数の変化量とともに、移動体の移動情報や移動体の移動情報をサーバ110に送信してもよい。また、送信部107は、算出部104によって算出された設定係数の変化量を、サーバ110を介さずに直接他の移動体に送信してもよい。
【0050】
つづいて、サーバ110の機能的構成について説明する。サーバ110は、たとえば、携帯やスマートフォン、ノートパソコンなどユーザが持ち運び可能な情報端末(以下、「携帯端末」という)の情報通信網や探索装置100に備えられた通信部(不図示)を介して通信可能な状態で、探索装置100と接続されている。
【0051】
サーバ受信部111は、複数の移動体から各々の設定係数で設定された変化量を受信する。具体的には、サーバ受信部111は、移動体に搭載された探索装置100の送信部107から送信された設定係数の変化量を区間ごとに受信する。サーバ受信部111は、移動体で設定された設定係数の変化量とともに、移動体情報や移動体の移動情報を受信してもよい。
【0052】
サーバ算出部112は、一の区間を移動した一または複数の移動体で設定された設定係数および一の区間を移動した一または複数の移動体が消費する実測エネルギー消費量に基づいて、係数補正量に関する情報(設定係数の補正値)を算出する。具体的には、サーバ算出部112は、係数補正量に関する情報として、サーバ受信部111によって受信された各々の移動体における設定係数の変化量の平均値を算出する。
【0053】
また、サーバ算出部112は、一の区間を走行する複数の移動体から収集した、各々の移動体で設定された設定係数の変化量の分散を参照し、設定係数の補正値を算出してもよい。具体的には、サーバ算出部112は、サーバ記憶部113に記憶された一の区間における設定係数の変化量の分散を参照し、平均値から離れている設定係数の変化量を異常値として削除することで、一の区間の周辺状況の変化によって変化した設定係数の変化量のみを用いて設定係数の補正値を算出する。
【0054】
また、サーバ算出部112は、一の区間を走行する複数の移動体から収集した、各々の移動体で設定された設定係数の変化量の分散を参照し、分散のばらつきが大きい場合に、設定係数の補正値を算出しなくてもよい。また、サーバ算出部112は、一の区間を走行する複数の移動体から収集した情報を、移動体の種類や形状別に分類して、この分類ごとに設定係数の補正値を算出してもよい。
【0055】
サーバ記憶部113は、サーバ受信部111によって受信された各々の移動体で設定された設定係数の変化量を区間ごとに記憶する。サーバ記憶部113は、サーバ受信部111によって受信された各々の移動体で設定された設定係数の変化量を、移動体情報や移動体の移動情報に関連付けて記憶してもよい。また、サーバ記憶部113は、サーバ算出部112によって算出された係数補正量に関する情報を記憶する。
【0056】
サーバ送信部114は、サーバ算出部112によって算出された係数補正量に関する情報を、各々の移動体に送信する。具体的には、サーバ送信部114は、移動体に搭載された探索装置100の受信部101に係数補正量に関する情報を送信する。サーバ送信部114は、係数補正量に関する情報に関連付けて移動体情報を送信してもよい。
【0057】
つづいて、探索装置100による経路探索処理について説明する。
図2は、探索装置による経路探索処理の手順を示すフローチャートである。
図2のフローチャートにおいて、探索装置100は、まず、受信部101によって、他の移動体から送信された情報に基づいてサーバ110が算出した係数補正量に関する情報(設定係数の補正値)を受信する(ステップS201)。
【0058】
つぎに、探索装置100は、ステップS201で受信した係数補正量に関する情報に基づいて、補正部103によって、移動体で設定された設定係数を補正する(ステップS202)。これにより、移動体が一の区間を走行するときの設定係数が算出される。
【0059】
つぎに、探索装置100は、算出部104によって、区間ごとに推定エネルギー消費量を算出する(ステップS203)。このとき、探索装置100は、算出部104によって、区間ごとに推定エネルギー消費量を総和し、目的地までの全体の推定エネルギー消費量を算出する。つぎに、探索装置100は、探索部106によって、移動体の目的地までの複数の経路のうち、推定エネルギー消費量が小さい経路を探索する(ステップS204)。つぎに、探索装置100は、報知部(不図示)によって探索した経路をユーザに報知し(ステップS205)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0060】
以上説明したように、実施の形態1にかかる探索装置100は、自装置が搭載された移動体がこれから走行する一の区間を走行中または走行し終えた他の移動体からの情報を取得し、取得した情報に基づいて移動体の目的地までの経路を探索する。より詳細には、探索装置100は、一の区間を走行中または走行し終えた他の移動体で設定された設定係数の変化量を、係数補正量に関する情報(設定係数の補正値)として取得する。設定係数の変化は、他の移動体が走行する一の区間の周辺状況が変化したことを意味するので、探索装置100は、取得した設定係数の補正値に基づいて移動体の目的地までの推定エネルギー消費量をそれぞれ算出することで、一の区間における現在の周辺状況を反映させた推定エネルギー消費量を算出することができる。このように、探索装置100は、移動体がこれから走行する一の区間の周辺状況を反映した推定エネルギー消費量を算出することができるので、移動体の初期情報である燃費や電費を用いて推定エネルギー消費量を算出する場合と比較して、より精度高く残存エネルギー量や現時点からの走行可能距離を算出することができる。これにより、探索装置100は、より正確に算出された推定エネルギー消費量に基づいて、移動体の目的地までの経路を探索することができる。
【0061】
また、探索装置100は、区間ごとに推定エネルギー消費量を算出し、目的地までの経路を構成する一の区間における推定エネルギー消費量を総和することで、目的地までの複数の経路ごとに推定エネルギー消費量を算出する。探索装置100は、目的地までの各区間の周辺状況を反映した推定エネルギー消費量を用いて、目的地までの経路ごとに推定エネルギー消費量を算出することができるので、推定エネルギー消費量が最小となる目的地までの経路を探索することができる。
【0062】
また、探索装置100は、一の区間を走行した複数の他の移動体から収集された、各々の他の移動体で設定された設定係数の変化量に基づいてサーバ110が算出した設定係数の補正値を取得する。一の区間を走行した他の移動体ごとの設定係数が一様に変化している場合、たとえば風向や風速など一の区間を走行した他の移動体の周辺状況が同様である確率が高い。このように、探索装置100は、複数の他の移動体からの情報に基づいて算出された設定係数の補正値を取得するので、より正確に一の区間における周辺状況を反映した推定エネルギー消費量を算出することができる。
【0063】
また、探索装置100は、自装置が搭載された移動体と同じ種類や形状を有する他の移動体から収集された設定係数の変化量に基づいてサーバ110が算出した設定係数の補正値を取得する。このように、探索装置100は、移動体の性能に近い他の移動体から得られた設定係数の補正値を取得するので、より正確に推定エネルギー消費量を算出することができる。
【0064】
また、サーバ110は、一の区間を走行する複数の移動体から収集した、各々の移動体で設定された設定係数の変化量の分散を参照し、一の区間における設定係数の変化量の平均値を設定係数の補正値として算出する。一の区間を走行した各移動体に生じる設定係数の変化量は、一の区間の周辺状況による要因ごとに等しい。このため、サーバ110は、平均値から離れている他の移動体の設定係数の変化量を異常値として削除することで、より正確に一の区間における周辺状況を反映した設定係数の補正値を算出することができる。
【0065】
また、サーバ110は、一の区間を走行する複数の移動体から収集した、各々の移動体で設定された設定係数の変化量の分散を参照し、分散のばらつきが大きい場合に、設定係数の補正値を算出しない。このため、サーバ110は、たとえば、エンジンの汚れやタイヤの空気圧の減少など他の移動体個々に生じたエネルギーを消費する要因を、一の区間における周辺状況の変化に含めないことができるので、より正確に一の区間における周辺状況を反映した設定係数の補正値を算出することができる。
【0066】
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2にかかる探索装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態2にかかる探索装置300の機能的構成について説明する。実施の形態2にかかる探索装置300は、サーバ110を構成する構成部の1つであり、移動体に関する情報を当該移動体に搭載された端末310から受信し、当該移動体の目的地までの経路を探索する。また、探索装置300は、自装置で探索した情報を端末310に提供する。移動体に関する情報とは、移動体内の情報通信網から取得される情報や、移動体の移動情報および位置情報などである。端末310は、探索装置300から情報を取得し、移動体を操作するユーザに取得した情報を提供する。
【0067】
図3において、探索装置300は、受信部(以下、「第1の受信部」という)101、補正部103、算出部104、記憶部105、探索部106、送信部(以下、「第1の送信部」という)107、第2の受信部301、第2の送信部302によって構成される。端末310は、端末受信部311、端末送信部312、取得部102によって構成される。なお、
図3に示す探索装置300、端末310およびサーバ110においては、
図1に示した探索装置100およびサーバ110と同一の構成部に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0068】
第2の受信部301は、移動体に関する情報を端末310から受信する。具体的には、たとえば、第2の受信部301は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された端末310からの移動体に関する情報を受信する。第2の受信部301によって受信された情報は、算出部104によって参照される情報である。
【0069】
第2の送信部302は、探索部106によって探索された、移動体の目的地までの経路を端末310に送信する。具体的には、たとえば、第2の送信部302は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された端末310に移動体の目的地までの経路を受信する。第2の送信部302は、探索部106によって探索された、移動体の目的地までの複数の経路を端末310に送信してもよいし、移動体が消費する推定エネルギー消費量が少ない経路のみを端末310に送信してもよい。
【0070】
つづいて、端末310の機能的構成について説明する。端末310は、たとえば、携帯端末の情報通信網や自装置に備えられた通信部(不図示)を介して通信可能な状態で、探索装置300と接続されている。端末310は、移動体に備え付けられた端末であってもよいし、移動体を操作するユーザの携帯端末であってもよい。
【0071】
端末受信部311は、探索装置300によって探索された移動体の目的地までの経路を、探索装置300から受信する。つまり、端末受信部311は、一の区間を移動した他の移動体で設定された設定係数と一の区間を移動した他の移動体が消費する実測エネルギー消費量とに基づき補正された設定係数を使って探索された目的地までの経路を、探索装置300から受信する。具体的には、たとえば、端末受信部311は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された探索装置300から移動体の目的地までの経路を受信する。
【0072】
端末送信部312は、取得部102によって取得された移動体に関する情報を探索装置300に送信する。具体的には、たとえば、端末送信部312は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された探索装置300に移動体に関する情報を送信する。
【0073】
実施の形態2において、探索装置300は、サーバ110の構成部であり、移動体に搭載されていない。このため、取得部102は、移動体に搭載される端末310の構成部となっている。また、サーバ送信部114と第1の受信部101との間、および、第1の送信部107とサーバ受信部111との間は有線または無線を介して接続されている。
【0074】
つづいて、探索装置300および端末310による経路探索処理について説明する。実施の形態2にかかる探索装置300による経路探索処理は、実施の形態1にかかる探索装置100による経路探索処理とほぼ同一であるため、
図2のフローチャートを利用して実施の形態1との差異について説明する。
【0075】
図2のフローチャートにおいて、探索装置300は、ステップS201〜S204の処理を行う。つぎに、探索装置300は、探索した経路を端末310に送信する。つぎに、端末310は、探索装置300によって送信された、移動体の目的地までの複数の経路のうちの、推定エネルギー消費量が小さい経路を、報知部(不図示)によってユーザに報知し、本フローチャートによる処理を終了する。
【0076】
以上説明したように、実施の形態2にかかる探索装置300は、実施の形態1にかかる探索装置100と同様の効果を得ることができる。
【0077】
(実施の形態3)
図4は、実施の形態3にかかる探索装置の機能的構成を示すブロック図である。実施の形態3にかかる探索装置400は、サーバ110および端末310から独立し、移動体の外部に備えられている。探索装置400のそれ以外の構成は、実施の形態2にかかる探索装置300と同様である。
図4に示す探索装置400、端末310およびサーバ110においては、
図3に示した探索装置300、端末310およびサーバ110と同一の構成部に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0078】
また、探索装置400および端末310による経路探索処理は、実施の形態2にかかる探索装置300および端末310による経路探索処理と同様である。
【0079】
以上説明したように、実施の形態3にかかる探索装置400は、実施の形態2にかかる探索装置300および端末310と同様の効果を得ることができる。
【実施例】
【0080】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、車両に搭載されたナビゲーション装置510を探索装置100、サーバ520をサーバ110とする探索システム500において、本発明を適用した場合の一例について説明する。
【0081】
図5は、実施例にかかる探索システムのシステム構成を示す説明図である。探索システム500は、車両530,540,550にそれぞれ搭載されたナビゲーション装置510と、サーバ520と、ネットワーク560と、によって構成される。ナビゲーション装置510は、目的地点までの複数の経路のうち、たとえば推定エネルギー消費量が最小となる経路(最適な経路)を探索し、探索した最適な経路を出力する。
【0082】
各車両530,540,550に搭載されたナビゲーション装置510はそれぞれ同様の機能を有するが、ここでは、車両530に搭載されたナビゲーション装置510が、サーバ520を介して取得した他の車両540,550の情報に基づいて、車両530の最適な経路を出力する場合について説明する。車両530は、たとえば、現時点において一の区間570を走行中であり、車両530の目的地までの経路には少なくとも一の区間580が含まれるとする。車両540,550は、現時点において、一の区間580を走行中である。
【0083】
他の車両540,550に搭載されたナビゲーション装置510は、他の車両540,550で設定された設定係数、および一の区間580を走行する車両540,550が消費する実測エネルギー消費量に基づいて設定係数の変化量を算出し、算出した設定係数の変化量を、ネットワーク560を介してサーバ520に送信する。設定係数の変化量の算出および送信は、各車両540,550において個々に行われる。
【0084】
サーバ520は、他の車両540,550に搭載されたナビゲーション装置510が送信した各々の設定係数の変化量を、ネットワーク560を介して受信する。サーバ520は、一の区間580を各車両540,550が走行し終えるまで、各車両540,550から送信された一の区間580における設定係数の変化量を継続して受信しつづける。
【0085】
車両530に搭載されたナビゲーション装置510は、ネットワーク560を介してサーバ520から送信された設定係数の補正値を受信する。その後、車両530に搭載されたナビゲーション装置510では、次の処理が行われる。
【0086】
まず、車両530に搭載されたナビゲーション装置510は、受信した設定係数の補正値に基づいて、車両530で設定された設定係数を補正する。そして、車両530に搭載されたナビゲーション装置510は、補正した設定係数に基づいて、一の区間580における車両530の推定エネルギー消費量を算出する。
【0087】
つぎに、車両530に搭載されたナビゲーション装置510は、車両530の目的地までの経路の一の区間580以外の区間においても、車両530の推定エネルギー消費量を算出する。そして、車両530に搭載されたナビゲーション装置510は、区間ごとの推定エネルギー消費量を総和して、目的地まで複数の経路ごとに推定エネルギー消費量の総和を算出する。
【0088】
その後、車両530に搭載されたナビゲーション装置510は、ナビゲーション装置510自体で区間ごとに算出した車両530の推定エネルギー消費量に基づいて、目的地までの最適な経路を探索する。つぎに、車両530に搭載されたナビゲーション装置510は、探索した目的地までの最適な経路を、たとえばナビゲーション装置510のディスプレイ(不図示)に地図データとともに出力してユーザに報知する。
【0089】
上述した説明では、車両530の最適な経路を出力する場合を例に説明したが、車両540,550においても車両530と同様に最適な経路を出力する。たとえば、車両540の最適な経路を出力する場合、車両530,550を他の車両とすればよい。
【0090】
(ナビゲーション装置510およびサーバ520のハードウェア構成)
つぎに、ナビゲーション装置510のハードウェア構成について説明する。
図6は、ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図6において、ナビゲーション装置510は、CPU601、ROM602、RAM603、磁気ディスクドライブ604、磁気ディスク605、光ディスクドライブ606、光ディスク607、音声I/F(インターフェース)608、マイク609、スピーカ610、入力デバイス611、映像I/F612、ディスプレイ613、カメラ614、通信I/F615、GPSユニット616、および各種センサ617を備えている。各構成部601〜617は、バス620によってそれぞれ接続されている。
【0091】
まず、CPU601は、ナビゲーション装置510の全体の制御を司る。ROM602は、ブートプログラム、データ更新プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM603は、CPU601のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU601は、RAM603をワークエリアとして使用しながら、ROM602に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置510の全体の制御を司る。
【0092】
磁気ディスクドライブ604は、CPU601の制御にしたがって磁気ディスク605に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク605は、磁気ディスクドライブ604の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク605としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0093】
また、光ディスクドライブ606は、CPU601の制御にしたがって光ディスク607に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク607は、光ディスクドライブ606の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク607は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク607のほか、MO、メモリカードなどを用いることができる。
【0094】
磁気ディスク605および光ディスク607に記録される情報の一例としては、地図データや、車両の推定エネルギー消費量を算出するための設定係数、設定係数を補正する情報(設定係数の補正値)、他の車両に提供する情報(設定係数の変化量など)などが挙げられる。地図データは、カーナビゲーションシステムにおいて経路探索処理に用いられ、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データ、道路の形状をリンクやノードなどであらわす道路形状データなどを含んでいる。設定係数を補正する情報は、ナビゲーション装置510自体で算出した情報であってもよいし、サーバ520を介して受信した情報であってもよい。
【0095】
音声I/F608は、音声入力用のマイク609および音声出力用のスピーカ610に接続される。マイク609に受音された音声は、音声I/F608内でA/D変換される。マイク609は、たとえば、車両のダッシュボード部などに設置され、その数は単数でも複数でもよい。スピーカ610からは、所定の音声信号を音声I/F608内でD/A変換した音声が出力される。
【0096】
入力デバイス611は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス611は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0097】
映像I/F612は、ディスプレイ613に接続される。映像I/F612は、具体的には、たとえば、ディスプレイ613全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ613を制御する制御ICなどによって構成される。
【0098】
ディスプレイ613には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ613としては、たとえば、TFT液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
【0099】
カメラ614は、車両内部あるいは外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、たとえば、カメラ614によって車両外部を撮影し、撮影した画像をCPU601において画像解析したり、映像I/F612を介して磁気ディスク605や光ディスク607などの記録媒体に出力したりする。
【0100】
通信I/F615は、有線または無線を介してネットワーク560に接続され、ナビゲーション装置510およびCPU601のインターフェースとして機能する。ネットワーク560として機能する通信網には、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)などの車内通信網や、公衆回線網や携帯電話網、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、LAN、WANなどがある。通信I/F615は、たとえば、公衆回線用接続モジュールやETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)ユニット、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System:登録商標)/ビーコンレシーバなどである。
【0101】
GPSユニット616は、GPS衛星からの電波を受信し、車両530,540,550の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット616の出力情報は、後述する各種センサ617の出力値とともに、CPU601による車両530,540,550の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0102】
各種センサ617は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両530,540,550の位置や挙動を判断するための情報を出力する。各種センサ617の出力値は、CPU601による車両530,540,550の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の算出に用いられる。
【0103】
図1に示した探索装置100の受信部101、取得部102、補正部103、記憶部105、算出部104、探索部106、および送信部107は、上述したナビゲーション装置510におけるROM602、RAM603、磁気ディスク605、光ディスク607などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU601が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置510における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0104】
また、サーバ520は、図示省略するが、CPU、ROM、RAM、磁気ディスクドライブ、磁気ディスク、光ディスクドライブ、光ディスク、入力デバイス、映像I/F、ディスプレイ、通信I/F、およびGPSユニットを備えている。各構成部は、バスによってそれぞれ接続されている。各構成部の機能は、上述したナビゲーション装置510の各構成部と同様である。
【0105】
図1に示したサーバ110のサーバ受信部111、サーバ算出部112、サーバ記憶部113、およびサーバ送信部114は、サーバ520におけるROM、RAM、磁気ディスク、光ディスクなどに記録されたプログラムやデータを用いて、CPUが所定のプログラムを実行し、サーバ520における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0106】
(ナビゲーション装置510による推定エネルギー消費量算出の概要)
本実施例のナビゲーション装置510は、自装置が搭載された車両530が一の区間を走行する際の単位時間当たりの推定エネルギー消費量を算出する。具体的には、ナビゲーション装置510は、次の(1)式を用いて車両530の推定エネルギー消費量を推定する。
【0107】
【数1】
【0108】
上記(1)式において、右辺第1項はアイドリング時に消費されるエネルギー消費量(待機消費量)であり、右辺第2項は加減速時に消費されるエネルギー消費量(加速消費量)であり、右辺第3項は走行時に消費されるエネルギー消費量(走行消費量)である。また、上述した(1)式の右辺各項にそれぞれかかる係数k
1、係数k
2、係数k
3は、車両530で設定される設定係数である。
【0109】
上記式(1)においては、時をあらわす単位として時間(h)および秒(s)が混在して用いられているが、これは、速度の単位として時速(km/h)を採用し、燃料消費量を推定する際の単位時間として秒(s)を採用したためである。これらの単位を揃えたい場合は、それぞれの数値に適宜演算を行えばよい。
【0110】
(ナビゲーション装置510による経路探索処理)
上述のように、車両530に搭載されたナビゲーション装置510は、他の車両540,550からの情報を用いて補正した設定係数に基づいて推定エネルギー消費量を算出し、車両530の最適な経路を探索する。最適な経路とは、推定エネルギー消費量が最小となる経路である。以下、車両530に搭載されたナビゲーション装置510による経路探索処理の詳細について説明する。
【0111】
図7は、ナビゲーション装置による経路探索処理の手順を示すフローチャートである。
図7のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置510は、まず、ネットワーク560を介して、サーバ520からプローブ情報を受信する(ステップS701)。プローブ情報には、サーバ520によって区間ごとに算出された設定係数の補正値が含まれる。設定係数の補正値とは、他の車両540,550の設定係数の変化量に基づいてサーバ520が算出した情報である。
【0112】
つぎに、ナビゲーション装置510は、たとえば入力デバイス611を介して、車両530の目的地が設定されるまで待機する(ステップS702:Noのループ)。目的地が設定された場合(ステップS702:Yes)、ナビゲーション装置510は、推定エネルギー消費量を算出する対象区間を設定する(ステップS703)。対象区間とは、車両530の目的地までの経路内の一の区間580である。
【0113】
つぎに、ナビゲーション装置510は、記憶装置(磁気ディスク605や光ディスク607)から、車両530の設定係数の初期値を読み出す(ステップS704)。つぎに、ナビゲーション装置510は、ステップS701,S704で取得した情報に基づいて、車両530の設定係数を補正する(ステップS705)。具体的には、ナビゲーション装置510は、たとえば、一の区間580における他の車両540,550の設定係数の補正量と車両530の設定係数の初期値との積を、対象区間における車両530の設定係数とする。
【0114】
つぎに、ナビゲーション装置510は、通信I/F615を介して、車両530の移動情報を取得する(ステップS706)。ステップS706において、ナビゲーション装置510は、サーバ520を介して、一の区間580を走行した他の車両540,550の移動情報を取得してもよい。車両の移動情報とは、車両の速度、加速度、傾斜情報である。つぎに、ナビゲーション装置510は、ステップS705,S706で取得した情報に基づいて、対象区間における車両530の推定エネルギー消費量を算出する(ステップS707)。
【0115】
つぎに、ナビゲーション装置510は、車両530の目的地までのすべての区間において、推定エネルギー消費量を算出したか否かを判断する(ステップS708)。具体的には、ナビゲーション装置510は、車両530の目的地までの複数の経路のそれぞれを、複数の区間に分割した区間ごとに推定エネルギー消費量を算出したか否かを判断する。
【0116】
すべての区間において推定エネルギー消費量を算出した場合(ステップS708:Yes)、ナビゲーション装置510は、一の区間における車両530の推定エネルギー消費量を総和して、目的地までの複数の経路ごとに推定エネルギー消費量を算出し、車両530の最適な経路を探索する(ステップS709)。そして、ナビゲーション装置510は、たとえば、ディスプレイ613を介して、地図データとともに最適な経路を報知して(ステップS710)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0117】
一方、すべての区間で推定エネルギー消費量を算出しない場合(ステップS708:No)、ナビゲーション装置510は、ステップS703に戻り、異なる対象区間を設定して、ステップS708:YesとなるまでステップS703〜S708を繰り返し行う。
【0118】
ここでは、車両530に搭載されたナビゲーション装置510を例に説明したが、他の車両540,550に搭載されたナビゲーション装置510においても同様に、上述した経路探索処理が行われる。つまり、ナビゲーション装置510は、ナビゲーション装置510自体が搭載されている車両の最適な経路を探索する処理(経路探索処理)と、他の車両に搭載されているナビゲーション装置510が最適な経路を探索するための情報をサーバ520に送信する処理(以下、「情報送信処理」という)と、の2つの処理を並行して行う。
【0119】
(ナビゲーション装置510による情報送信処理)
つづいて、ナビゲーション装置510による情報送信処理の詳細について説明する。ナビゲーション装置510は、車両で設定された設定係数の変化量を算出し、サーバ520に送信する。各車両に搭載されたナビゲーション装置510は、それぞれ別々に情報送信処理を行う。以下、車両530に搭載されたナビゲーション装置510による情報送信処理を例に説明する。
【0120】
図8は、ナビゲーション装置による情報送信処理の手順を示すフローチャートである。
図8のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置510は、車両530の最初の走行区間を、車両530で設定された設定係数の変化量を算出するための対象区間に設定する(ステップS801)。最初の走行区間とは、車両530の始動後、最初に走行する区間である。つまり、最初の走行区間とは、たとえば、通信I/F615を介して取得された車両530の現在地点を含む区間である。また、最初の走行区間は、車両530の進行方向における一の走行区間であってもよい。
【0121】
つぎに、ナビゲーション装置510は、車両530が対象区間を走行し終えるまで待機する(ステップS802:Noのループ)。車両530が対象区間を走行し終えた場合(ステップS802:Yes)、ナビゲーション装置510は、通信I/F615を介して、車両530の対象区間における実測エネルギー消費量を取得する(ステップS803)。
【0122】
ステップS803では、ナビゲーション装置510は、通信I/F615を介して、実測エネルギー消費量とともに、車両530の移動情報や車両情報を取得する。車両情報とは、車両重量、効率、空気抵抗、転がり抵抗などである。ナビゲーション装置510は、各種センサ617を介して車両530の移動情報を取得してもよい。
【0123】
つぎに、ナビゲーション装置510は、ステップS803において取得した情報に基づいて、上記(1)式を用いて、車両がエネルギーを消費する要因別に実測係数を算出する(ステップS804)。具体的には、ナビゲーション装置510は、対象区間における実測エネルギー消費量に基づいて、重回帰分析法や回帰分析法により、上記(1)式右辺各項にそれぞれかかる係数k
nを算出する。
【0124】
つぎに、ナビゲーション装置510は、記憶装置(磁気ディスク605や光ディスク607)から、車両530で設定された設定係数の初期値を読み出す(ステップS805)。つぎに、ナビゲーション装置510は、ステップS804において算出した情報およびステップS805において取得した情報を用いて、対象区間における設定係数の変化量を算出する(ステップS806)。具体的には、ナビゲーション装置510は、対象区間における実測係数と、設定係数の初期値との差分または割合(設定係数の変化量)を要因別に算出する。
【0125】
つぎに、ナビゲーション装置510は、対象区間に対応付けて、ステップS806において算出した設定係数の変化量を記憶装置に書き出す(ステップS807)。つぎに、ナビゲーション装置510は、設定係数の変化量を送信するタイミングであるか否かを判断する(ステップS808)。
【0126】
送信するタイミングである場合(ステップS808:Yes)、ナビゲーション装置510は、たとえば、記憶装置に蓄積された情報のうち、今回の情報送信処理以前に行われた情報送信処理で算出され、まだサーバ520に送信されていない設定係数の変化量を読み出す(ステップS809)。そして、ナビゲーション装置510は、ステップS806において算出した情報およびステップS809において読み出した情報を、サーバ520に送信する(ステップS810)。
【0127】
ステップS809において記憶装置から読み出す情報がない場合には、ステップS809を行わずにステップS810に進む。一方、送信するタイミングでない場合(ステップS808:No)、ナビゲーション装置510は、ステップS809およびステップS810を行わずにステップS811に進む。
【0128】
つぎに、ナビゲーション装置510は、車両530が走行し終えた走行区間に隣接する次の走行区間を対象区間に設定し(ステップS811)、ステップS802に戻る。そして、以降、ステップS803〜ステップS811の処理を繰り返し行う。ナビゲーション装置510は、車両530の走行が終了するまで継続して情報送信処理を行う。
【0129】
ステップS808において、ナビゲーション装置510は、記憶装置に書き出した設定係数の変化量を所定のタイミングで送信してもよい。また、ステップS808において、ナビゲーション装置510は、ある一の区間を走行する他の移動体で設定された設定係数の変化量が大きく変化したと判断したときを送信のタイミングとしてもよい。
【0130】
(サーバ520による補正値算出処理)
つづいて、サーバ520は、ナビゲーション装置510に提供する情報を算出する。具体的には、上述したステップS701においてナビゲーション装置510が取得するプローブ情報に含まれる設定係数の補正値を算出する。以下、サーバ520による補正値算出処理の詳細について説明する。
【0131】
図9は、サーバによる補正値算出処理の手順を示すフローチャートである。
図9のフローチャートにおいて、サーバ520は、サーバ520を構成する通信I/Fを介して、区間ごとに、複数の車両530,540,550に搭載された各ナビゲーション装置510から送信された設定係数の変化量を受信する(ステップS901)。このとき、サーバ520は、収集した情報を記憶装置に書き出して蓄積する。ステップS901で受信する情報は、上述したステップS808においてナビゲーション装置510が送信した情報である。
【0132】
つぎに、サーバ520は、ステップS901において収集した情報および蓄積した情報に基づいて、区間ごとに設定係数の補正値を算出する(ステップS902)。具体的には、サーバ520は、たとえば、一の区間580の設定係数の補正値として、一の区間580を走行する複数の車両540,550の設定係数の変化量の平均値を算出する。他の区間においても同様に設定係数の補正値を算出する。また、サーバ520は、一の区間において一台の車両の情報だけが収集された場合、一の車両530の設定係数の変化量を、その区間における設定係数の補正値としてもよい。
【0133】
つぎに、サーバ520は、サーバ520を構成する記憶装置(磁気ディスクや光ディスク)に、サーバ520自体が算出した区間ごとの設定係数の補正値を書き出す(ステップS903)。つぎに、サーバ520は、設定係数の補正値を送信するタイミングとなるまで待機する(ステップS904:Noのループ)。サーバ520が設定係数の補正値を送信するタイミングは、一定間隔であってもよいし、設定係数の変化量が大きく変化したときであってもよい。
【0134】
設定係数の補正値を送信するタイミングである場合(ステップS904:Yes)、サーバ520は、サーバ520を構成する記憶装置(磁気ディスクや光ディスク)から設定係数の補正値を読み出す(ステップS905)。そして、サーバ520は、ステップS905で取得した情報を、各車両530,540,550に送信して(ステップS906)、本フローチャートによる処理を終了する。
【0135】
ステップS902において、サーバ520は、区間ごとに収集した複数の車両からの情報の分散を求め、ばらつきが大きい場合に、その区間における設定係数の補正値を算出しなくてもよい。区間ごとに収集した複数の車両からの情報のばらつきが大きい場合、設定係数の補正が変化した要因として、たとえば、タイヤの空気圧が下がったなどの各車両固有の変化である可能性が高いからである。
【0136】
また、ステップS902において、サーバ520は、区間ごとに収集した複数の車両からの情報の分散を求め、たとえば正規分布の平均値から離れた情報を除いて、設定係数の補正値を算出してもよい。正規分布の平均値から離れた情報は、各車両固有の変化である可能性が高いからである。
【0137】
ステップS906において、サーバ520は、走行中のすべての車両に設定係数の補正値を送信してもよいし、設定係数の変化量の変化が大きい区間を走行する車両にのみ設定係数の補正値を送信してもよい。設定係数の補正値の変化が大きい区間では、たとえば路面状況の悪化により転がり抵抗が増加したり、強風により空気抵抗が増加している可能性が高く、その区間を走行する車両の推定エネルギー消費量が大きく変化するからである。
【0138】
以上説明したように、ナビゲーション装置510によれば、自装置が搭載された車両がこれから走行する一の区間を走行中または走行し終えた他の車両からの情報を取得し、取得した情報に基づいて車両の目的地までの経路を探索する。より詳細には、ナビゲーション装置510は、一の区間を走行中または走行し終えた他の車両で設定された設定係数の変化量を、設定係数の補正値として取得する。設定係数の変化は、他の車両が走行する一の区間の周辺状況が変化したことを意味するので、ナビゲーション装置510は、取得した設定係数の補正値に基づいて車両の目的地までの推定エネルギー消費量をそれぞれ算出することで、一の区間における現在の周辺状況を反映させた推定エネルギー消費量を算出することができる。このように、ナビゲーション装置510は、車両がこれから走行する一の区間の周辺状況を反映した推定エネルギー消費量を算出することができるので、車両の初期情報である燃費や電費を用いて推定エネルギー消費量を算出する場合と比較して、より精度高く残存エネルギー量や現時点からの走行可能距離を算出することができる。これにより、ナビゲーション装置510は、より正確に算出された推定エネルギー消費量に基づいて、車両の目的地までの経路を探索することができる。
【0139】
また、ナビゲーション装置510は、区間ごとに推定エネルギー消費量を算出し、目的地までの経路を構成する一の区間における推定エネルギー消費量を総和することで、目的地までの複数の経路ごとに推定エネルギー消費量を算出する。ナビゲーション装置510は、目的地までの各区間の周辺状況を反映した推定エネルギー消費量を用いて、目的地までの経路ごとに推定エネルギー消費量を算出することができるので、推定エネルギー消費量が最小となる目的地までの経路を探索することができる。
【0140】
また、ナビゲーション装置510は、一の区間を走行した複数の他の車両から収集された、各々の他の車両で設定された設定係数の変化量に基づいてサーバ520が算出した設定係数の補正値を取得する。一の区間を走行した他の車両ごとの設定係数が一様に変化している場合、たとえば風向や風速など一の区間を走行した他の車両の周辺状況が同様である確率が高い。このように、ナビゲーション装置510は、複数の他の車両からの情報に基づいて算出された設定係数の補正値を取得するので、より正確に一の区間における周辺状況を反映した推定エネルギー消費量を算出することができる。
【0141】
また、ナビゲーション装置510は、自装置が搭載された車両と同じ種類や形状を有する他の車両から収集された設定係数の変化量に基づいてサーバ520が算出した設定係数の補正値を取得する。このように、ナビゲーション装置510は、車両の性能に近い他の車両から得られた設定係数の補正値を取得するので、より正確に推定エネルギー消費量を算出することができる。
【0142】
また、サーバ520は、一の区間を走行する複数の車両から収集した、各々の車両で設定された設定係数の変化量の分散を参照し、一の区間における設定係数の変化量の平均値を設定係数の補正値として算出する。一の区間を走行した各車両に生じる設定係数の変化量は、一の区間の周辺状況による要因ごとに等しい。このため、サーバ520は、平均値から離れている他の車両の設定係数の変化量を異常値として削除することで、より正確に一の区間における周辺状況を反映した設定係数の補正値を算出することができる。
【0143】
また、サーバ520は、一の区間を走行する複数の車両から収集した、各々の車両で設定された設定係数の変化量の分散を参照し、分散のばらつきが大きい場合に、設定係数の補正値を算出しない。このため、サーバ520は、たとえば、エンジンの汚れやタイヤの空気圧の減少など他の車両個々に生じたエネルギーを消費する要因を、一の区間における周辺状況の変化に含めないことができるので、より正確に一の区間における周辺状況を反映した設定係数の補正値を算出することができる。
【0144】
上述した説明では、ナビゲーション装置510を探索装置100とする場合について説明したが、サーバ520をサーバ110および探索装置300とし、ナビゲーション装置510を端末310とした場合においても、上述したように車両530の最適な経路を出力することができる。また、サーバ520をサーバ110とし、ナビゲーション装置510を端末310とし、かつ、サーバ520およびナビゲーション装置510から独立して移動体の外部に探索装置400を備えた場合においても、上述したように車両530の最適な経路を出力することができる。
【0145】
なお、本発明の各実施の形態で説明した探索方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。