特許第5674927号(P5674927)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674927
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】調整可能圧力マイクロリアクタ
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/00 20060101AFI20150205BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20150205BHJP
【FI】
   B01J19/00 321
   B81B3/00
【請求項の数】36
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-514142(P2013-514142)
(86)(22)【出願日】2010年6月9日
(65)【公表番号】特表2013-534859(P2013-534859A)
(43)【公表日】2013年9月9日
(86)【国際出願番号】US2010037919
(87)【国際公開番号】WO2011155930
(87)【国際公開日】20111215
【審査請求日】2013年1月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】509348786
【氏名又は名称】エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109586
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 徹雄
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,セス
(72)【発明者】
【氏名】クルグリック,エゼキエル
【審査官】 山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−022807(JP,A)
【文献】 特開2010−094019(JP,A)
【文献】 特開2006−181474(JP,A)
【文献】 特開平05−231885(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/123009(WO,A1)
【文献】 特表2007−504402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 19/00
G01N 37/00
JSTPlus(JDreamIII)
F04D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロリアクタシステム内の圧力を調整する方法であって、前記マイクロリアクタシステムは、反応室を含み、前記反応室は、少なくとも1つの反応体を受け、生成物を作るために前記反応体に対する反応を実行するように構成され、前記方法は、
前記反応室の内部に1気圧より高い圧力を生成するために第1電気浸透ポンプおよび第2電気浸透ポンプを制御することであって、前記第1電気浸透ポンプは、第1の力によって第1の方向で第1流体を前記反応室の第1ポートに駆動し、前記第2電気浸透ポンプは、第2の力によって第2の方向で第2流体を前記反応室の第2ポートに駆動し、前記第1ポートおよび前記第2ポートは、別個であり、前記第1の方向および前記第2の方向は、別個である、制御することと、
前記生成物を作るために前記反応室内で前記反応体に対して前記反応を実行することであって、前記反応は、前記第1電気浸透ポンプが前記第1流体を前記反応室に向かって駆動し、前記第2電気浸透ポンプが前記第2流体を前記反応室に向かって駆動する間に実行される、実行することと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の力は、前記第2の力と等しい、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の力は、前記第2の力より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記反応を実行した後に、前記第2流体を前記反応室から離れる方へ駆動するために前記第2電気浸透ポンプを制御することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記反応を実行した後に、
第3の力で前記反応室に前記第2流体を駆動するために前記第2電気浸透ポンプを制御することであって、前記第3の力は、前記第1の力より小さい、制御すること
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記反応を実行した後に、
前記反応室から離れる方へ前記第2流体を駆動するために前記第2電気浸透ポンプを制御すること
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
それぞれ前記第1電気浸透ポンプを制御するための第1電圧および前記第2電気浸透ポンプを制御するための第2電圧を生成する第1電圧源および第2電圧源を構成すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1電圧源および前記第2電圧源を構成することは、プロセッサを用いて前記第1電圧源および前記第2電圧源を構成することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
プロセッサを用いて前記第1電圧源および前記第2電圧源を構成することは、前記プロセッサと通信するメモリ内に格納された命令のセットに基づいて前記第1電圧および前記第2電圧を生成するように前記プロセッサを構成することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1流体、前記第2流体、および前記生成物が出口に向かって流れるようにするために、前記第1電気浸透ポンプおよび前記第2電気浸透ポンプを制御することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記プロセッサによって、前記反応室の内部の圧力センサから第1信号を受け取ることであって、前記第1信号は、前記反応室の内部の圧力に関する、受け取ることと、
前記プロセッサによって、前記出口の内部の流量センサから第2信号を受け取ることであって、前記第2信号は、前記出口内の前記第2流体の流れに関する、受け取ることと、
前記プロセッサによって、前記第1信号、前記第2信号、および命令の前記セットに基づいて前記第1電圧源および前記第2電圧源を制御することと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プロセッサによって、命令の前記セットに基づいて前記反応室を加熱する熱源を制御することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記プロセッサによって前記第2信号を受け取ることは、圧電フィルムから前記第2信号を受け取ることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記反応室を加熱する熱源を制御することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の力によって前記反応室に第1電解質溶液を駆動するために、2つの電極を含む前記第1電気浸透ポンプを制御することと、
前記第2の力によって前記反応室に第2電解質溶液を駆動するために、2つの電極を含む前記第2電気浸透ポンプを制御することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第1電気浸透ポンプを用いて前記第1流体を貯蔵器から前記反応室に駆動することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
第1ポートおよび第2ポートを含む反応室と、
前記第1ポートと流体連通している第1チャネルと、
前記第2ポートと流体連通している第2チャネルと、
第1の力によって前記第1チャネルを介して第1の方向で前記反応室に第1流体を駆動するように構成された第1電気浸透ポンプと、
第2の力によって前記第2チャネルを介して第2の方向で前記反応室に第2流体を駆動するように構成された第2電気浸透ポンプであって、前記第1方向および前記第2方向は、別個である、第2電気浸透ポンプと、
を含み、前記反応室、前記第1チャネル、前記第2チャネル、前記第1電気浸透ポンプ、および前記第2電気浸透ポンプは、前記第1の力および前記第2の力が前記反応室の内部に圧力を生成、前記圧力が1気圧より高くなるように、お互いに協働するように構成される
調整可能圧力マイクロリアクタシステム。
【請求項18】
前記第1の力は、前記第2の力と等しい、請求項17に記載の調整可能圧力マイクロリアクタシステム。
【請求項19】
前記第1の力は、前記第2の力より大きい、請求項17に記載の調整可能圧力マイクロリアクタシステム。
【請求項20】
前記第2電気浸透ポンプは、前記第2流体を前記反応室から離れる方へ駆動するように構成されている、請求項17に記載の調整可能圧力マイクロリアクタシステム。
【請求項21】
前記第2電気浸透ポンプは、第3の力で前記反応室に前記第2流体を駆動するように構成され、前記第3の力は、前記第1の力より小さい、請求項18に記載の調整可能圧力マイクロリアクタシステム。
【請求項22】
前記第2電気浸透ポンプは、前記反応室から離れる方へ前記第2流体を駆動するように構成され、請求項18に記載の調整可能圧力マイクロリアクタシステム。
【請求項23】
前記第1電気浸透ポンプを制御するための第1電圧を生成するように構成された第1電圧源と、
前記第2電気浸透ポンプを制御するための第2電圧を生成するように構成された第2電圧源と
をさらに含む、請求項17に記載の調整可能圧力マイクロリアクタシステム。
【請求項24】
前記第1電圧源および前記第2電圧源と通信するように構成されたプロセッサであって、前記プロセッサは、電圧信号を生成するように構成され、前記電圧信号は、前記第1電圧源および前記第2電圧源を制御する、プロセッサ
をさらに含む、請求項23に記載の調整可能圧力マイクロリアクタシステム。
【請求項25】
前記プロセッサと通信するように構成されたメモリをさらに含み、前記メモリは、命令のセットを含み、前記プロセッサは、命令の前記セットに基づいて前記電圧信号を生成するように構成される、請求項24に記載の調整可能圧力マイクロリアクタシステム。
【請求項26】
前記第2電気浸透ポンプと流体連通して構成された出口と、
前記反応室の内部に配置された圧力センサであって、前記圧力センサは、前記反応室の内部の圧力に関する第1信号を生成するように構成される、圧力センサと、
前記出口の内部に配置された流量センサであって、前記流量センサは、前記出口内の前記第2流体の流れに関する第2信号を生成するように構成される、流量センサと
をさらに含み、前記プロセッサは、前記第1信号および前記第2信号を受け取るように構成され、前記第1信号、前記第2信号、および命令の前記セットに基づいて前記第1電圧源および前記第2電圧源を制御するように構成される
請求項25に記載の調整可能圧力マイクロリアクタシステム。
【請求項27】
前記プロセッサは、命令の前記セットに基づいて、前記反応室を加熱する熱源を制御するようにさらに構成される、請求項26に記載の調整可能圧力マイクロリアクタシステム。
【請求項28】
前記第1電気浸透ポンプは、2つの電極を含み、
前記第1流体は、電解質溶液であり、
前記第2電気浸透ポンプは、2つの電極を含み、
前記第2流体は、電解質溶液である
請求項20に記載の調整可能圧力マイクロリアクタシステム。
【請求項29】
その上に格納されたコンピュータ実行可能命令を有するコンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、コンピューティングデバイスによって実行された時に、マイクロリアクタシステム内の圧力を調整する方法を実行するように前記コンピューティングデバイスを適合させ、前記マイクロリアクタシステムは、反応室を含み、前記反応室は、少なくとも1つの反応体を受け、生成物を作るために前記反応体に対する反応を実行するように構成され、前記方法は、
前記反応室の内部に1気圧より高い圧力を生成するために第1電気浸透ポンプおよび第2電気浸透ポンプを制御することであって、前記第1電気浸透ポンプは、第1の力によって第1の方向で第1流体を前記反応室の第1ポートに駆動、前記第2電気浸透ポンプは、第2の力によって第2の方向で第2流体を前記反応室の第2ポートに駆動し、前記第1ポートおよび前記第2ポートは、別個であり、前記第1の方向および前記第2の方向は、別個である、制御することと、
前記生成物を作るために前記反応室内で前記反応体に対して前記反応を実行することであって、前記反応は、前記第1電気浸透ポンプが前記第1流体を前記反応室に駆動し、前記第2電気浸透ポンプが前記第2流体を前記反応室に駆動する間に実行される、実行することと
を含む、
コンピュータ記憶媒体。
【請求項30】
前記方法は、前記反応を実行した後に、前記第2流体を前記反応室から離れる方へ駆動するために前記第2電気浸透ポンプを制御することをさらに含む、請求項29に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項31】
第1ポートおよび第2ポートを含む反応室と、
前記第1ポートと流体連通している第1チャネルと、
前記第2ポートと流体連通している第2チャネルと、
前記第2チャネル内に配置された柔軟性のある膜であって、前記柔軟性のある膜は、前記第2チャネルの開口のサイズを選択的に変更するように構成される、柔軟性のある膜と、
前記第1チャネルを介して前記反応室に第1流体を駆動するように構成された第1電気浸透ポンプと、
前記柔軟性のある膜と流体連通している第2電気浸透ポンプであって、前記第2電気浸透ポンプは、第2流体を含み、前記反応室、前記第1チャネル、前記第2チャネル、および前記第1電気浸透ポンプと協働して、前記反応室の内部に1気圧より高い圧力が生成されるように、前記膜を膨張させ、前記第2チャネルの開口を減らすために、前記第2流体を選択的に移動するように構成される、第2電気浸透ポンプと
を含む、調整可能圧力マイクロリアクタシステム。
【請求項32】
前記第2電気浸透ポンプは、前記膜を縮小させ、前記第2チャネルの前記開口を増やすために、前記第2流体を移動するように構成されている、請求項31に記載の調整可能圧力マイクロリアクタシステム。
【請求項33】
マイクロリアクタシステム内の圧力を調整する方法であって、前記マイクロリアクタシステムは、反応室を含み、前記反応室は、少なくとも1つの反応体を受け、生成物を作るために前記反応体に対する反応を実行するように構成され、前記反応室は、第1チャネルと流体連通する第1開口および第2チャネルと流体連通する第2開口を含み、前記方法は、
第1の力によって前記反応室に第1流体を駆動するために第1電気浸透ポンプを制御することと、
前記反応室の内部に1気圧より高い圧力が生成されるように、前記第2チャネルの内部の膜を膨張させ、前記第2チャネルの開口を減らすために、第2流体を移動するために第2電気浸透ポンプを制御することと、
前記生成物を作るために前記反応室内で前記反応体に対して前記反応を実行することであって、前記反応は、前記第1電気浸透ポンプが前記第1流体を前記反応室に駆動し、前記第2電気浸透ポンプが前記膜を膨張させるために前記第2流体を移動する間に実行される、実行することと
を含む方法。
【請求項34】
前記膜を縮小させ、前記第2チャネルの前記開口を増やすために、前記第2流体を移動するために前記第2電気浸透ポンプを制御すること
をさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
その上に格納されたコンピュータ実行可能命令を有するコンピュータ記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、コンピューティングデバイスによって実行された時に、マイクロリアクタシステム内の圧力を調整する方法を実行するように前記コンピューティングデバイスを適合させ、前記マイクロリアクタシステムは、反応室を含み、前記反応室は、少なくとも1つの反応体を受け、生成物を作るために前記反応体に対する反応を実行するように構成され、前記反応室は、第1チャネルと流体連通する第1開口および第2チャネルと流体連通する第2開口を含み、前記方法は、
第1の力によって前記反応室に第1流体を駆動するために第1電気浸透ポンプを制御することと、
前記反応室の内部に1気圧より高い圧力が生成されるように、前記第2チャネルの内部の膜を膨張させ、前記第2チャネルの開口を減らすために、第2流体を移動するために第2電気浸透ポンプを制御することと、
前記生成物を作るために前記反応室内で前記反応体に対して前記反応を実行することであって、前記反応は、前記第1電気浸透ポンプが前記第1流体を前記反応室に駆動し、前記第2電気浸透ポンプが前記膜を膨張させるために前記第2流体を移動する間に実行される、実行することと
を含む、コンピュータ記憶媒体。
【請求項36】
前記方法は、
前記膜を縮小させ、前記第2チャネルの前記開口を増やすために、前記第2流体を移動するために前記第2電気浸透ポンプを制御すること
をさらに含む、請求項35に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本明細書でそうではないと示されない限り、このセクションで説明される材料は、本明細書の特許請求の範囲に対する従来技術ではなく、このセクションに含まれることによって従来技術と認められるものではない。
【0002】
化学反応では、反応体は、反応室に移動される。反応室では、反応を反応体に対して実行して、生成物を作ることができる。そのような反応を、1気圧より高い反応室内の圧力を用いて実行することができる。例えば、生成物が出発反応体より小さい場合の反応は、高められた圧力から利益を得ることができる。
【発明の概要】
【0003】
一例では、マイクロリアクタシステム内の圧力を調整する方法を説明する。いくつかの例では、マイクロリアクタシステムは、反応室を含むことができる。いくつかの例では、反応室は、少なくとも1つの反応体を受け、生成物を作るために反応体に対する反応を実行するのに有効とすることができる。いくつかの例では、この方法は、第1の力によって反応室に向かって第1流体を駆動するために第1電気浸透ポンプを制御することを含む。いくつかの例では、この方法は、第2の力によって反応室に向かって第2流体を駆動するために第2電気浸透ポンプを制御することをさらに含む。いくつかの例では、この方法は、生成物を作るために反応室内で反応体に対して反応を実行することをさらに含む。いくつかの例では、反応は、第1電気浸透ポンプが第1流体を反応室に向かって駆動し、第2電気浸透ポンプが第2流体を反応室に向かって駆動する間に実行される。いくつかの例では、第1の力および第2の力は、反応室の内部に圧力を生成するのに有効であり、圧力は、1気圧より高い。
【0004】
もう1つの例では、調整可能圧力マイクロリアクタシステムを説明する。いくつかの例では、このシステムは、第1ポートおよび第2ポートを含む反応室を含む。いくつかの例では、このシステムは、第1ポートと流体連通している第1チャネルを含む。いくつかの例では、このシステムは、第2ポートと流体連通している第2チャネルを含む。いくつかの例では、このシステムは、第1の力によって第1チャネルを介して反応室に向かって第1流体を駆動するように構成された第1電気浸透ポンプを含む。いくつかの例では、このシステムは、第2の力によって第2チャネルを介して反応室に向かって第2流体を駆動するように構成された第2電気浸透ポンプを含む。いくつかの例では、反応室、第1チャネル、第2チャネル、第1電気浸透ポンプ、および第2電気浸透ポンプは、第1の力および第2の力が反応室の内部に圧力を生成するのに有効であり、圧力が1気圧より高くなるようにお互いに協働するように構成される。
【0005】
もう1つの例では、その上に格納されたコンピュータ実行可能命令を有するコンピュータ記憶媒体を説明する。コンピュータ実行可能命令は、コンピューティングデバイスによって実行された時に、マイクロリアクタシステム内の圧力を調整する方法を実行するようにコンピューティングデバイスを適合させる。いくつかの例では、マイクロリアクタシステムは、反応室を含む。いくつかの例では、反応室は、少なくとも1つの反応体を受け、生成物を作るために反応体に対する反応を実行するのに有効である。いくつかの例では、方法は、第1の力によって反応室に向かって第1流体を駆動するために第1電気浸透ポンプを制御することを含む。いくつかの例では、方法は、第2の力によって反応室に向かって第2流体を駆動するために第2電気浸透ポンプを制御することをさらに含む。いくつかの例では、方法は、生成物を作るために反応室内で反応体に対して反応を実行することをさらに含む。いくつかの例では、反応は、第1電気浸透ポンプが第1流体を反応室に向かって駆動し、第2電気浸透ポンプが第2流体を反応室に向かって駆動する間に実行される。いくつかの例では、第1の力および第2の力は、反応室の内部に圧力を生成するのに有効であり、圧力は、1気圧より高い。
【0006】
もう1つの例では、調整可能圧力マイクロリアクタシステムを説明する。いくつかの例では、このシステムは、第1ポートおよび第2ポートを含む反応室を含む。いくつかの例では、このシステムは、第1ポートと流体連通している第1チャネルを含む。いくつかの例では、このシステムは、第2ポートと流体連通している第2チャネルを含む。いくつかの例では、このシステムは、第2チャネル内に配置された柔軟性のある膜を含む。いくつかの例では、このシステムは、第1チャネルを介して反応室に向かって第1流体を駆動するように構成された第1電気浸透ポンプを含む。いくつかの例では、このシステムは、柔軟性のある膜と流体連通している第2電気浸透ポンプを含む。いくつかの例では、第2電気浸透ポンプは、第2流体を含み、反応室、第1チャネル、第2チャネル、および第1電気浸透ポンプと協働して、反応室の内部に1気圧より高い圧力が生成されるように、膜を膨張させ、第2チャネルの開口を減らすために、第2流体を選択的に移動するように構成される。
【0007】
もう1つの例では、マイクロリアクタシステム内の圧力を調整する方法を説明する。いくつかの例では、マイクロリアクタシステムは、反応室を含む。いくつかの例では、反応室は、少なくとも1つの反応体を受け、生成物を作るために反応体に対する反応を実行するのに有効である。いくつかの例では、反応室は、第1チャネルと流体連通する第1開口および第2チャネルと流体連通する第2開口を含む。いくつかの例では、この方法は、第1の力によって反応室に向かって第1流体を駆動するために第1電気浸透ポンプを制御することを含む。いくつかの例では、この方法は、反応室の内部に1気圧より高い圧力が生成されるように、第2チャネルの内部の膜を膨張させ、第2チャネルの開口を減らすために、第2流体を移動するために第2電気浸透ポンプを制御することを含む。いくつかの例では、この方法は、生成物を作るために反応室内で反応体に対して反応を実行することを含む。いくつかの例では、反応は、第1電気浸透ポンプが第1流体を反応室に向かって駆動し、第2電気浸透ポンプが膜を膨張させるために第2流体を移動する間に実行される。
【0008】
もう1つの例では、その上に格納されたコンピュータ実行可能命令を有するコンピュータ記憶媒体を説明する。コンピュータ実行可能命令は、コンピューティングデバイスによって実行された時に、マイクロリアクタシステム内の圧力を調整する方法を実行するようにコンピューティングデバイスを適合させる。いくつかの例では、マイクロリアクタシステムは、反応室を含む。いくつかの例では、反応室は、少なくとも1つの反応体を受け、生成物を作るために反応体に対する反応を実行するのに有効である。いくつかの例では、反応室は、第1チャネルと流体連通する第1開口および第2チャネルと流体連通する第2開口を含む。いくつかの例では、この方法は、第1の力によって反応室に向かって第1流体を駆動するために第1電気浸透ポンプを制御することを含む。いくつかの例では、この方法は、反応室の内部に1気圧より高い圧力が生成されるように、第2チャネルの内部の膜を膨張させ、第2チャネルの開口を減らすために、第2流体を移動するために第2電気浸透ポンプを制御することを含む。いくつかの例では、この方法は、生成物を作るために反応室内で反応体に対して反応を実行することを含む。いくつかの例では、反応は、第1電気浸透ポンプが第1流体を反応室に向かって駆動し、第2電気浸透ポンプが膜を膨張させるために第2流体を移動する間に実行される。
【0009】
前述の要約は、例示的であるのみであって、いかなる形でも限定的であることは意図されていない。上で説明した例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴が、図面および次の詳細な説明を参照することによって明白になる。
【0010】
本開示の前述および他の特徴は、添付図面と共に解釈される次の説明および添付の特許請求の範囲からより十分に明白になる。これらの図面が本開示による複数の実施形態のみを示し、したがってその範囲を限定すると考えられてはならないことを理解して、本開示を、添付図面の使用を介して追加の限定性および詳細を伴って説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本明細書で提示される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、例示の調整可能圧力マイクロリアクタを示す図である。
図2】本明細書で提示される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、例示の調整可能圧力マイクロリアクタを示す図である。
図3】本明細書で提示される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、例示の調整可能圧力マイクロリアクタを示す図である。
図4】本明細書で提示される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、調整可能圧力マイクロリアクタの例示のプロセスを示す流れ図である。
図5】本明細書で提示される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、調整可能圧力マイクロリアクタのコンピュータプログラム製品を示す図である。
図6】本明細書で提示される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、調整可能圧力マイクロリアクタを制御するように配置された例示のコンピューティングデバイスを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照する。図面では、文脈がそうではないと規定しない限り、同様の記号が、通常は同様の構成要素を識別する。発明を実施するための形態、図面、および特許請求の範囲で説明される例示的実施形態は、限定的であることを意図されたものではない。本明細書で提示される主題の趣旨または範囲から逸脱せずに、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。全般的に本明細書で説明され、図面に図示される本開示の態様を、さまざまな異なる構成で配置し、置換し、組み合わせ、分離し、設計することができ、そのすべてが本明細書で明示的に企図されていることが、たやすく理解されるであろう。
【0013】
本開示は、全般的には、とりわけ、調整可能圧力マイクロリアクタに関する方法、装置、システム、デバイス、およびコンピュータプログラム製品に引き付けられる。
【0014】
短く述べると、マイクロリアクタシステム内の圧力を調整する技術を、全般的に説明する。例示のマイクロリアクタシステムは、反応室を含み、反応室は、少なくとも1つの反応体を受け、生成物を作るために反応体に対する反応を実行するのに有効である。例示の方法は、第1の力によって反応室に向かって第1流体を駆動するために第1電気浸透ポンプを制御することを含むことができる。いくつかの例では、この方法は、第2の力によって反応室に向かって第2流体を駆動するために第2電気浸透ポンプを制御することをさらに含むことができる。いくつかの例では、この方法は、生成物を作るために反応室内で反応体に対して反応を実行することをさらに含むことができる。第1の力および第2の力は、反応室の内部に圧力を生成するのに有効とすることができ、圧力は、1気圧より高い。
【0015】
図1に、本明細書で提示される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、例示の調整可能圧力マイクロリアクタを示す。下でより詳細に説明するように、調整可能圧力マイクロリアクタシステム100は、貯蔵器102、反応室124、出口104、チャネル110、116、およびポンプ126、128のうちの1つまたは複数を含むことができる。貯蔵器102および反応室124は、チャネル110を介して流体連通している。反応室124および出口104は、チャネル116を介して流体連通している。ポンプ126、128を、それぞれチャネル110、116内に配置し、反応室124の内部の圧力を調整するために制御することができ、その結果、圧力を、1気圧より高くなるように制御できるようになる。
【0016】
図2に、本明細書で提示される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、例示の調整可能圧力マイクロリアクタを示す。図2のシステムは、追加の詳細を伴って、図1のシステム100に実質的に類似する。図1のコンポーネントと同一のラベルを付けられた図2のコンポーネントは、明瞭さのために二度は説明しない。
【0017】
図2に示されているように、システム100は、さらに、メモリ164と通信するように構成されたプロセッサ122および電圧源140、142を含むことができる。貯蔵器102は、ポート134を含むことができる。反応室124は、ポート130、132および圧力センサ106を含むことができ、圧力センサ106は、プロセッサ122と通信するように構成され得る。熱源138を、反応室124に近接して配置し、例えば通信リンク121を介してプロセッサ122と通信するように構成することができる。出口104は、ポート136および流量センサ108を含むことができ、流量センサ108は、プロセッサ122と通信するように構成され得る。圧力センサ106および流量センサ108を、プロセッサ122と通信するように構成することができる。ポンプ126は、チャネル110内に配置され、電極112、114、電解質溶液146、および固体誘電体144を含む、電気浸透ポンプとすることができる。同様に、ポンプ128を、チャネル116内に配置され、電極118、120、電解質溶液148、および固体誘電体150を含む、電気浸透ポンプとすることができる。
【0018】
化学反応を実行する時に、反応体152を、反応室124に移動することができる。いくつかの例では、反応体152は、電解質溶液146内にあるものとすることができる。反応を、反応体152に対して実行して、生成物154を作ることができる。その後、生成物154を、反応室124の外に移動することができる。下でより詳細に述べるように、ポンプ126、128を使用して、反応室124の内部の圧力を1気圧より高い圧力まで高めることができる。さらに、ポンプ126、128を、反応室124の外に生成物154を移動するように構成することができる。電解質溶液146、148は、貯蔵器102内で開始することができる。その後、電解質溶液146、148を、ポート134、チャネル110、およびポート130を介して反応室124に移動することができる。反応が反応体152に対して実行された後に、生成物154を、電解質溶液146、148によってポート132、チャネル116、ポート136を介して出口104に移動することができる。
【0019】
電気浸透ポンプ126、128を、反応中に反応室124内の圧力を高めるように構成することができる。電圧源140を、ポンプ126の電極112、114と通信するように構成することができる。同様に、電圧源142を、ポンプ128の電極118、120と通信するように構成することができる。電圧源140、142を、電極112、114にまたがる電圧を生成するように構成して、イオンを、交流回路、直流回路またはその任意の組合せの中で移動させることができる。いくつかの例では、チャネル110および116を、シリカなどの多孔質誘電微粒子または多孔質誘電ナノ粒子144、150でパックすることができる。粒子144、150のいくつかの例は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、酸化亜鉛、または溶媒系で安定な他の粒子を含むことができる。溶媒(1つまたは複数)内で大きいジータ電位を有する粒子を使用して、電気浸透ポンプによって配送可能な圧力を最大にすることができる。水、メタノール、エタノール、アセトニトリル、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、その他など、任意の流体を電解質溶液146、148に使用することができる。流体は塩を含むことができる。
【0020】
電極112、114にまたがる電圧源140からの電圧の印加は、溶液146内の正イオンが負に帯電した電極112、114に向かって移動することをもたらすことができる。同様に、電極118、120にまたがる電圧源142からの電圧の印加は、溶液148内の正イオンが負に帯電した電極118、120に向かって移動することをもたらすことができる。イオンの移動は、イオンと溶液146、148の残りとの間の粘性相互作用に起因して、溶液146、148の残りのすべてまたは一部を移動することができる。
【0021】
電圧源140、142からの電圧を変更することおよび/または電解質溶液146、148の選択もしくは電解質溶液146、148のPHを調整することによって、ポンプ126、128内の流体を、所望の方向に向かって選択的に移動することができる。粒子144、150でポンプ126、128をパックすることにより、粒子144、150内の誘電体と電解質溶液146、148との間の界面積を増やすことができる。溶液146、148内のイオンが、誘電体と相互作用する時に移動するので、このパッキングは、電気浸透プロセスに起因する、より強い流体の流れをもたらすことができる。
【0022】
使用中に、プロセッサ122を、電圧源140、142を制御するのに有効な電圧信号160、162を生成するように構成することができる。電圧源140、142を、電極112、114にまたがるおよび電極118、120にまたがる電位差を生成することによって、電解質溶液146、148を駆動しまたは移動するように適合させることができる。いくつかの例では、プロセッサ122を、貯蔵器102から反応室124に向かって(この図の右へ)電解質146を駆動するのに有効に電圧源140を制御するように構成することができる。この駆動は、反応室124に向かう方へ力F1を生成する。プロセッサ122を、反応室124から出口104に向かって(この図の右へ)電解質146を駆動するように電圧源142を制御するように適合させることができる。この駆動は、反応室124から離れる方へ力F2を生成する。これらの例では、電解質146、148は、反応室124を通って連続的に流れることができ、生成物154は、反応室124から外に移動され得る。
【0023】
他の例では、プロセッサ122を、貯蔵器102から反応室124に向かって(この図の右へ)電解質146を駆動するように電圧源140を制御するように構成することができる。これらの例では、プロセッサ122を、反応室124に向かって(この図の左へ)電解質148を駆動するように電圧源142を制御するように構成することができる。これらの例では、電解質溶液146および148の両方が、反応室124に向かって駆動され、力F1およびF2の両方が、反応室124に作用する。流体/電解質溶液146および148が同一であり、電圧源140、142から出力される電圧が実質的に等しい例では、力F1およびF2は、実質的に等しく、流体146、148は、反応室124内に留まる傾向がある。しかし、反応室124での力F1およびF2の印加は、反応室124の内部に高められた圧力をもたらすことができる。電圧源140、142によって出力される電圧をさらに高めることは、反応室124の内部の圧力の増加をもたらすことができ、これによって反応を容易にする。熱源138を、反応室124内に熱を生成するように構成することができ、熱源138は、反応室124内の反応をさらに容易にすることができる。これらの例では、マイクロリアクタシステム100を、半連続的な形で動作するように構成することができ、かかる動作では、反応体152を、反応室124に移動することができ、反応を実行することができ、生成物154を反応室124から外に移動することができる。
【0024】
いくつかの例では、1つまたは複数の電圧源140、142から出力される電圧の調整は、流体148と比較して流体146によって印加される力F1、F2のアンバランスを生じることができる。例えば、電圧源140によるものより低い電圧を、電圧源142によって出力することができ、ここで、力F1およびF2は、それでも、反応室124に向かって印加されるが、異なる大きさを有することができる。この例では、力F1を、力F2より大きくすることができ、力のアンバランスを、マイクロリアクタシステム100が連続的な形で動作でき、反応体152および生成物154が、電解質溶液146、148によって反応室124を通って連続的に移動されるように構成することができる。力F1およびF2が反応室124に作用することの結果として、高い圧力を、反応室124内で維持することができる。
【0025】
圧力センサ106を、圧力信号156を生成するように適合させることができる。圧力信号156は、反応室124の内部の圧力を示すことができる。圧力信号156を、プロセッサ122に送ることができる。圧力信号156に応答して、プロセッサ122を、流体146、148および反応室124の内部の圧力を制御する電圧信号162を制御するように適合させることができる。
【0026】
流量センサ108を、流量信号158を生成するように適合させることができる。流量信号158は、出口104内の電解質溶液148の流体流れの速度を示すことができる。流量信号158を、プロセッサ122に送ることができ、ここで、プロセッサ122を、それに応答して、出口104を通る電解質148の流れを制御するために電圧信号162を制御するように適合させることができる。いくつかの例では、流量センサ108を、圧電フィルムとすることができる。
【0027】
上で述べたように、プロセッサ122を、流量信号168および/または圧力信号162に応答して電圧信号160、162を生成するように適合させることができる。さらに、プロセッサ122を、メモリ164に格納された命令180のセットに基づいて、電圧信号160、162を生成し、電解質溶液146、148の流れを制御するように適合させることができる。いくつかの例で、命令180は、特定の反応の圧力、流れ、および熱を示すことができる。したがって、プロセッサ122を、流量信号168、圧力信号162、および/または命令180のうちの1つまたは複数に基づいて、電圧信号160、162を調整するように構成することができる。プロセッサ122を、熱源138から出力される熱を調整するように適合させることもできる。
【0028】
図3に、本明細書で提示される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、例示の調整可能圧力マイクロリアクタを示す。図3のシステムは、追加の詳細を伴って、図1および2のシステム100に実質的に類似する。図1および2のコンポーネントと同一のラベルを付けられた図3のコンポーネントは、明瞭さのために二度は説明しない。
【0029】
図3に示されているように、いくつかの例では、ポンプ128を、チャネル116の外部でチャネル116に流体連通して配置することができる。これらの例では、柔軟性のある膜166を、チャネル116内に配置し、ポンプ128と流体連通するように適合させることができる。電源142からの電圧の印加時に、流体148は、膜166に向かって移動することができ、これによって、膜166を膨張させる。膜166を膨張させることによって、チャネル116の開口を減らすことができる。したがって、膜166を、調整弁のように働くように構成することができる。流体146が反応室124を通って出口104に流れている間に膜166が膨張させられる例では、膜166は、流体146の流れに抵抗するように構成される。膜166を膨張させて、流体146の流れを完全に妨げ、これによって、反応体152に対する反応が1気圧より高い圧力で発生することを可能にすることができる。生成物154が作られた後に、電圧源142によって出力される電圧を下げることができ、あるいは、その電圧の極性を変更することができる(例えば、プロセッサ122の制御の下で)。これは、より少ない流体148が移動することと、膜166の縮小とをもたらすことができる。膜166が縮小した状態で、流体146は、生成物154を反応室124から外に移動することができる。いくつかの例では、膜166は、PDMS(ポリジメチルシロキサン)から作られる。
【0030】
他の利益の中でも、システム100は、より高いスループット、より高い歩留まりの化学反応をもたらすことができる調整可能パラメータとしての反応室124内の圧力を容易にするように構成される。非商用実験室スケール化学は、より簡単に、安全に、洗練されたトレーニングの必要なしに高圧が使用可能になるという点で、システム100から利益を得ることができる。圧力の増加は、より高い歩留まりおよびスループットが入手可能であることを意味する。システム100を、反応の間に時間スペースを有するバッチプロセスまたは半連続プロセスで、および/または反応体が連続的に供給され、反応が実行される連続プロセスで、使用することができる。いくつかの例では、解決策100の使用は、高圧反応をマイクロリアクタ内で実行することを可能にする。とりわけ、本開示は、マイクロリアクタデバイスに接続できるポンプを説明する。そのような接続は、本開示の利益なくしては実現がむずかしい可能性がある。
【0031】
図4に、本明細書で提示される少なくともいくつかの実施形態による、調整可能圧力マイクロリアクタの例示のプロセスの流れ図を示す。図4のプロセスを、例えば上で述べたシステム100を使用して実施することができる。例示のプロセスは、ブロックS2、S4、S6、および/またはS8のうちの1つまたは複数によって示される1つまたは複数の動作、行為、または機能を含むことができる。別個のブロックとして図示されるが、所望の実施態様に応じて、さまざまなブロックを、追加のブロックに分割し、より少数のブロックに組み合わせ、または除去することができる。処理は、ブロックS2で始まることができる。
【0032】
ブロックS2では、第1流体を反応室に向かって駆動するために第1電気浸透ポンプを制御することができる(例えば、プロセッサ122を介して)。処理は、ブロックS2からブロックS4に継続することができる。
【0033】
ブロックS4では、第2流体を反応室に向かって駆動するために第2電気浸透ポンプを制御することができる(例えば、プロセッサ122を介して)。処理は、ブロックS4からブロックS6に継続することができる。
【0034】
ブロックS6では、生成物を作るために、反応室内の反応体に対して反応を実行することができる。処理は、ブロックS6からブロックS8に継続することができる。
【0035】
ブロックS8では、生成物が反応室から外に移動されるように、第2流体を反応室から離れる方へ駆動するために、第2電気浸透ポンプを制御することができる(例えば、プロセッサ122の制御の下で)。
【0036】
図5に、本明細書で提示される少なくともいくつかの実施形態に従って配置された、例示のコンピュータプログラム製品300を示す。プログラム製品300は、信号担持媒体302を含むことができる。信号担持媒体302は、例えばプロセッサによって実行された時に、図1〜4に関して上で説明した機能を提供することができる1つまたは複数の命令304を含むことができる。したがって、例えば、システム100を参照すると、プロセッサ122は、媒体302によってシステム100に伝えられる命令304に応答して図4に示されたブロックのうちの1つまたは複数を行うことができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、信号担持媒体302は、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、ディジタルビデオディスク(DVD)、ディジタルテープ、メモリ、その他などであるがこれに限定されないコンピュータ可読媒体306を含むことができる。いくつかの実施態様では、信号担持媒体302は、メモリ、読取/書込(R/W)CD、R/W DVD、その他などであるがこれに限定されない記録可能媒体308を含むことができる。いくつかの実施態様では、信号担持媒体302は、ディジタル通信媒体および/またはアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、無線通信リンクなど)などであるがこれに限定されない通信媒体310を含むことができる。したがって、例えば、プログラム製品300を、RF信号担持媒体302によってシステム100の1つまたは複数のモジュールに伝えることができ、ここで、信号担持媒体302は、無線通信媒体310(例えば、IEEE 802.11標準規格に従う無線通信媒体)によって伝えられる。
【0038】
図6は、本開示に従って、マイクロリアクタ内の圧力の調整を実行するように配置された例示のコンピューティングデバイス400を示すブロック図である。非常に基本的な構成402では、コンピューティングデバイス4O0は、通常、1つまたは複数のプロセッサ404およびシステムメモリ406を含む。メモリバス408を、プロセッサ404とシステムメモリ406との間の通信に使用することができる。
【0039】
所望の構成に応じて、プロセッサ404を、マイクロプロセッサ(μP)、マイクロコントローラ(μC)、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、またはその任意の組合せを含むがこれらに限定されない任意のタイプとすることができる。プロセッサ404は、レベル1キャッシュ410およびレベル2キャッシュ412などのもう1レベルのキャッシング、プロセッサコア414、ならびにレジスタ416を含むことができる。例示のプロセッサコア414は、算術論理ユニット(ALU)、浮動点少数ユニット(FPU)、ディジタル信号処理コア(DSPコア)、またはその任意の組合せを含むことができる。例示のメモリコントローラ418を、プロセッサ404と共に使用することもでき、あるいは、いくつかの実施態様では、メモリコントローラ418を、プロセッサ404の内部部分とすることができる。
【0040】
所望の構成に応じて、システムメモリ406を、揮発性メモリ(RAMなど)、不揮発性メモリ(ROM、フラッシュメモリ、その他など)、またはその任意の組合せを含むがこれに限定されない任意のタイプのメモリとすることができる。システムメモリ406は、オペレーティングシステム420、1つまたは複数のアプリケーション422、およびプログラムデータ424を含むことができる。アプリケーション422は、図1〜4のシステム100に関して説明したものを含む本明細書で説明される機能を実行するように配置された調整可能圧力マイクロリアクタアルゴリズム426を含むことができる。プログラムデータ424は、本明細書で説明するマイクロリアクタ内の圧力を調整するのに有用である可能性がある調整可能圧力マイクロリアクタデータ428を含むことができる。いくつかの実施形態では、アプリケーション422を、調整可能圧力マイクロリアクタアルゴリズムプロトコルを提供できるようなオペレーティングシステム420上でプログラムデータ424を用いて動作するように配置することができる。この説明された基本的な構成402は、図6では、内側の破線内のコンポーネントによって示される。
【0041】
コンピューティングデバイス400は、追加の特徴または機能性ならびに基本的な構成402とすべての必要なデバイスおよびインターフェースとの間の通信を容易にするための追加のインターフェースを有することができる。例えば、バス/インターフェースコントローラ430を使用して、基本的な構成402と1つまたは複数のデータストレージデバイス432との間のストレージインターフェースバス434を介する通信を容易にすることができる。データストレージデバイス432は、取外し式ストレージデバイス436、非取外し式ストレージデバイス438、またはその組合せとすることができる。取外し式ストレージデバイスおよび非取外し式ストレージデバイスの例は、2〜3例を挙げると、フレキシブルディスクドライブおよびハードディスクドライブ(HDD)などの磁気ディスクデバイス、コンパクトディスク(CD)ドライブまたはディジタル多用途ディスク(DVD)ドライブなどの光ディスクドライブ、ソリッドステートドライブ(SSD)、およびテープドライブを含む。例示のコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報の格納のための任意の方法または技術で実施される、揮発性および不揮発性の、取外し式および非取外し式の媒体を含むことができる。
【0042】
システムメモリ406、取外し式ストレージデバイス436、および非取外し式ストレージデバイス438は、コンピュータ記憶媒体の例である。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、または他のメモリ技術、CD−ROM、ディジタル多用途ディスク(DVD)、または他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、または他の磁気ストレージデバイス、あるいは所望の情報を格納するのに使用でき、コンピューティングデバイス400によってアクセスできる任意の他の媒体を含むが、これに限定はされない。そのようなすべてのコンピュータ記憶媒体を、コンピューティングデバイス400の一部とすることができる。
【0043】
コンピューティングデバイス400は、さまざまなインターフェースデバイス(例えば、出力デバイス442、周辺インターフェース444、および通信デバイス446)から基本的な構成402へのバス/インターフェースコントローラ430を介する通信を容易にするインターフェースバス440を含むこともできる。例示の出力デバイス442は、1つまたは複数のA/Vポート452を介してディスプレイまたはスピーカなどのさまざまな外部デバイスへ通信するように構成できる、グラフィックス処理ユニット448およびオーディオ処理ユニット450を含む。例示の周辺インターフェース444は、1つまたは複数のI/Oポート458を介して入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、ペン、音声入力デバイス、タッチ入力デバイスなど)または他の周辺デバイス(例えば、プリンタ、スキャナなど)などの外部デバイスと通信するように構成できる、シリアルインターフェースコントローラ454またはパラレルインターフェースコントローラ456を含む。例示の通信デバイス446は、1つまたは複数の通信ポート464を介するネットワーク通信リンク上での1つまたは複数の他のコンピューティングデバイス462との通信を容易にするように配置できる、ネットワークコントローラ460を含む。
【0044】
ネットワーク通信リンクを、通信媒体の1つの例とすることができる。通信媒体を、通常、搬送波または他のトランスポート機構などの変調されたデータ信号内のコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータによって実施することができ、通信媒体は、任意の情報配送媒体を含むことができる。「変調されたデータ信号」は、信号内で情報を符号化する形でその特性のうちの1つまたは複数を設定されまたは変更された信号とすることができる。限定ではなく例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接配線接続などの有線媒体と、音響、ラジオ周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、および他の無線媒体などの無線媒体とを含むことができる。本明細書で使用される時に、用語コンピュータ可読媒体は、記憶媒体と通信媒体との両方を含むことができる。
【0045】
コンピューティングデバイス400を、セル電話機、携帯情報端末(PDA)、パーソナルメディアプレイヤデバイス、無線ウェブウォッチデバイス、パーソナルヘッドセットデバイス、特定用途向けデバイス、または上記機能のいずれかを含むハイブリッドデバイスなどの小フォームファクタポータブル(またはモバイル)電子デバイスの一部として実施することができる。コンピューティングデバイス400を、ラップトップコンピュータ構成と非ラップトップコンピュータ構成との両方を含むパーソナルコンピュータとして実施することもできる。
【0046】
本開示は、さまざまな態様の例示であることを意図された、本願で説明される特定の実施形態に関して限定されてはならない。当業者に明白であるように、多数の修正形態および変形形態を、その趣旨および範囲から逸脱せずに作ることができる。本開示の範囲内の機能的に同等の方法およびデバイスは、本明細書に列挙された方法およびデバイスに加えて、前述の説明から当業者に明白であろう。そのような修正形態および変形形態は、添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。本開示は、添付の特許請求の範囲が権利を与えられる同等物の全範囲と一緒に、添付の特許請求の範囲の言葉によってのみ限定されなければならない。本開示が、特定の方法、試薬、化合物合成物、または生体系に限定されず、これらの方法、化合物、または合成物が、もちろん変化し得ることを理解されたい。本明細書で使用される用語法が、特定の実施形態を説明するのみのためのものであって、限定的であることを意図されていないことをも理解されたい。
【0047】
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。さまざまな単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0048】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0049】
さらに、本開示の特徴または態様が、マーカッシュグループに関して説明される場合に、当業者は、本開示が、これによってマーカッシュグループの任意の個々のメンバまたはメンバのサブグループに関しても説明されることを認めるであろう。
【0050】
当業者によって理解されるように、書かれた説明を提供することに関してなど、すべてにおいて、本明細書で開示されるすべての範囲は、任意のすべての可能な部分範囲およびその部分範囲の組合せをも包含する。すべてのリストされた範囲を、少なくとも等しい半分、1/3、1/4、1/5、1/10などに分割された同一の範囲を十分に記述し、可能にするものとしてたやすく認めることができる。非限定的な例として、本明細書で述べられる各範囲を、下側1/3、中央1/3、および上側1/3などにたやすく分解することができる。やはり当業者によって理解されるように、「up to(まで)」、「at least(少なくとも)」、「greater than(より大きい)」、「less than(より小さい)」、および類似物などのすべての言葉は、具陳された数を含み、その後に上で述べたように部分範囲に分割され得る範囲に言及する。最後に、当業者によって理解されるように、範囲は、各個々のメンバを含む。したがって、例えば、1〜3個の細胞を有する群は、1個、2個、または3個の細胞を有する群に言及する。同様に、1〜5個の細胞を有する群は、1個、2個、3個、4個、または5個の細胞を有する群に言及するなどである。
【0051】
さまざまな態様および実施形態を本明細書で開示したが、他の態様および実施形態が、当業者に明白であろう。本明細書で開示されたさまざまな態様および実施形態は、例示のためのものであって、限定的であることは意図されておらず、真の範囲および趣旨は、次の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6