特許第5674930号(P5674930)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674930
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】継手ロッキングアセンブリおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B62K 15/00 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   B62K15/00
【請求項の数】18
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2013-516050(P2013-516050)
(86)(22)【出願日】2011年6月24日
(65)【公表番号】特表2013-533153(P2013-533153A)
(43)【公表日】2013年8月22日
(86)【国際出願番号】IB2011052793
(87)【国際公開番号】WO2011161657
(87)【国際公開日】20111229
【審査請求日】2013年2月4日
(31)【優先権主張番号】61/358,382
(32)【優先日】2010年6月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507091853
【氏名又は名称】ステュディオ モデルナ エス.アー.
(74)【代理人】
【識別番号】100114258
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 武雄
(72)【発明者】
【氏名】サウセク、ズデンコ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォゼリ、アレス
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−250333(JP,A)
【文献】 特開2006−266447(JP,A)
【文献】 特開2004−176756(JP,A)
【文献】 特開2006−168486(JP,A)
【文献】 特開平09−207858(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3091717(JP,U)
【文献】 特開2004−108453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62K 15/00
F16C 11/00−11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベアリングボールと;
前記ベアリングボールの少なくとも一部を収納するサイズに作られた少なくとも1つのベアリングボール収納空間を画定する第1本体と;
第2本体であって、その中に本の通路を画定する、前記第2本体と;
前記通路のいずれか一方内に配置されるサイズに作られた能動ボタン部材であって、前記能動ボタン部材は、傾斜したくぼみ、および前記ベアリングボールの少なくとも一部を収納するサイズに作られた円形凹面部を画定する、前記能動ボタン部材と;
前記通路のいずれか他方内に配置されるサイズに作られたブラインドボタン部材であって、前記ブラインドボタン部材は、水平なくぼみ、および前記ベアリングボールの少なくとも一部を収納するサイズに作られた円形凹面部を画定する、前記ブラインドボタン部材と;
を含む継手ロッキングアセンブリであって、
ロック解除位置では、前記ベアリングボールは前記能動ボタン部材および前記ブラインドボタン部材の前記円形凹面部と接触するとともに前記第1本体の前記ベアリングボール収納空間とわずかに接触し、ロック位置では、前記ベアリングボールは前記能動ボタン部材の前記傾斜したくぼみおよび前記ブラインドボタン部材の水平なくぼみと接触するとともに前記第1本体の前記ベアリングボール収納空間と比較的頻繁に接触する、継手ロッキングアセンブリ。
【請求項2】
前記第1本体は前記第2本体に回転可能に連結している、請求項1に記載の継手ロッキングアセンブリ。
【請求項3】
前記能動ボタン部材および前記ブラインドボタン部材を押すことまたは引くことは、前記第1本体と前記第2本体とをロック位置からロック解除位置へと動かすことである請求項1に記載の継手ロッキングアセンブリ。
【請求項4】
前記能動ボタン部材および前記ブラインドボタン部材を押すことまたは引くことは前記ベアリングボールを、前記能動ボタン部材の前記傾斜したくぼみおよび前記ブラインドボタン部材の水平なくぼみと接触する位置から、前記能動ボタン部材および前記ブラインドボタン部材の前記円形凹面部と接触する位置へと移動させることである請求項3に記載の継手ロッキングアセンブリ。
【請求項5】
前記第1本体は、前記第2本体が折り畳み位置にあるときには前記ベアリングボールを収納する第2ベアリングボール収納空間を画定する、請求項1に記載の継手ロッキングアセンブリ。
【請求項6】
前記能動ボタン部材および前記ブラインドボタン部材は、ばねを収納する部分的に中空の内部を画定する、請求項1に記載の継手ロッキングアセンブリ。
【請求項7】
前記第1本体は折り畳み式自転車のハンドルバーアセンブリの部品である、請求項1に記載の継手ロッキングアセンブリ。
【請求項8】
前記第1本体は折り畳み式自転車の車輪アセンブリの部品である、請求項1に記載の継手ロッキングアセンブリ。
【請求項9】
第1本体、第2本体を提供する工程であって、前記第1本体は前記第2本体に回転可能に連結しており、その中に本の通路を画定し、
前記通路のいずれか一方内に、傾斜したくぼみおよびベアリングボールの少なくとも一部を収納するサイズに作られた円形凹面部を画定する能動ボタン部材が配置され、前記通路のいずれか他方内に、水平なくぼみおよび前記ベアリングボールの少なくとも一部を収納するサイズに作られた円形凹面部を画定する前記ブラインドボタン部材が配置される、前記第1本体、前記第2本体を提供する工程と;
前記ベアリングボールが前記第1本体のベアリングボール収納空間とかなり接触するように、前記第1本体内の前記ベアリングボール収納空間と前記能動ボタン部材の傾斜したくぼみおよび前記ブラインドボタン部材の水平なくぼみとの間の位置においてベアリングボールを提供する工程と;
前記能動ボタン部材の前記傾斜したくぼみおよび前記ブラインドボタン部材の水平なくぼみと接触する位置から、前記能動ボタン部材および前記ブラインドボタン部材の円形凹面部と接触する位置へと動くように、かつ前記ベアリングボールが、前記第1本体の前記ベアリングボール収納空間との接触は比較的少なくなるように、前記ベアリングボールを変位させる工程と;
前記第1本体を前記第2本体に対して回転させる工程と;
を含む、機械部品の折り畳み方法。
【請求項10】
前記ベアリングボールが変位されると、前記第1本体は、それをヒンジの周りに回転させることによって折り畳み可能になる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ベアリングボールを変位させる工程は、前記能動ボタン部材および前記ブラインドボタン部材を押す工程または引く工程を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記能動ボタン部材および前記ブラインドボタン部材は、ばねを収納する部分的に中空の内部を画定する、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記第1本体は折り畳み式自転車のハンドルバーアセンブリの部品である、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記第1本体は折り畳み式自転車の車輪アセンブリの部品である、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
シートチューブ、フレームチューブおよびベアリングチューブを含むフレームと;
前記ベアリングチューブに連結している折り畳み式フォークアセンブリであって、その上に装着された車輪を有する、前記折り畳み式フォークアセンブリと;
前記フレームに回転可能に連結している少なくとも2つのハンドルバーを含むハンドルバーアセンブリと;
継手ロッキングアセンブリであって、
ベアリングボール;
前記ベアリングボールの少なくとも一部を収納するサイズに作られた少なくとも1つのベアリングボール収納空間を画定する第1本体としての静止体;
前記静止体に回転可能に連結している回転体であって、その中に本の通路を画定する、第2本体としての前記回転体;
前記通路のいずれか一方内に配置されるサイズに作られた能動ボタン部材であって、前記能動ボタン部材は、傾斜したくぼみ、および前記ベアリングボールの少なくとも一部を収納するサイズに作られた円形凹面部を画定する、前記能動ボタン部材;
前記通路のいずれか他方内に配置されるサイズに作られたブラインドボタン部材であって、前記ブラインドボタン部材は、水平なくぼみ、および前記ベアリングボールの少なくとも一部を収納するサイズに作られた円形凹面部を画定する、前記ブラインドボタン部材;
を含み、
ロック解除位置では、前記ベアリングボールは前記能動ボタン部材および前記ブラインドボタン部材の前記円形凹面部と接触するとともに前記静止体の前記ベアリングボール収納空間とわずかに接触し、ロック位置では、前記ベアリングボールは前記能動ボタン部材の前記傾斜したくぼみおよび前記ブラインドボタン部材の水平なくぼみと接触するとともに前記静止体の前記ベアリングボール収納空間と比較的頻繁に接触する、前記継手ロッキングアセンブリと;
を含む、折り畳み自転車。
【請求項16】
前記能動ボタン部材および前記ブラインドボタン部材を押すことまたは引くことは、前記継手ロッキングアセンブリをロック位置からロック解除位置へと動かすことである請求項15に記載の折り畳み自転車。
【請求項17】
前記能動ボタン部材および前記ブラインドボタン部材を押すことは前記ベアリングボールを、前記能動ボタン部材の前記傾斜したくぼみおよび前記ブラインドボタン部材の水平なくぼみと接触している位置から、前記能動ボタン部材および前記ブラインドボタン部材の前記円形凹面部と接触している位置へと移動させることである請求項16に記載の折り畳み自転車。
【請求項18】
前記静止体は、前記フレームアセンブリに連結しているハンドルバー装着部材であり、前記回転体は、装着アセンブリであって、その上に装着されたハンドルバーを有する、前記装着アセンブリである、請求項15に記載の折り畳み自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2010年6月24日に出願され、「継手ロッキングアセンブリおよび方法(Joint Locking Assembly and Method)」と題された米国特許出願第61/358,382号に対する優先権を有し、その非仮出願である。同文献はその全体が本願明細書において参照により援用されている。
(分野)
【0002】
本開示は、継手ロッキングアセンブリ、および機械部品のロックおよび折り畳み方法に関する。
【背景技術】
【0003】
さまざまなデバイスでは、一般に固定された関係で継手要素をロックするために継手ロッキングアセンブリが用いられている。継手アセンブリを利用すると、デバイスの折り畳みを可能にする役目が果たされ、それにより、収納または運搬目的等のためにデバイスによる占有領域が縮小する。このような機構では、折り畳まれる機械部品が継手では互いに連結される。継手は、使用時には強固に固定またはロックされるが、折り畳む際には解放可能である。折り畳むことができる装置のサイズを縮小すると、折り畳まれたデバイスは、展開されたデバイスよりも収納空間を少なくすることができるか、または所望の寸法をより短くすることができ、かつ持ち運びがより容易になる可能性があるという点で、好都合である。
【0004】
種々の機構が、機械部品を折り畳み可能な方法で一体に連結するために利用されており、かつ機械部品を折り畳み、展開し、継手では部品をロックするためにも利用されてきた。例えば、ヒンジアセンブリを用いてよい。この場合、ヒンジアセンブリは、折り畳まれる部品にしっかり留められる。このアプローチの不都合な点は、装置にヒンジアセンブリを追加するために材料または製造コストが比較的高くなることである。ヒンジアセンブリの他の例は、ラッチまたはロック機構を回転ヒンジと連結して利用する例である。このようなロッキングアセンブリには、ラッチまたはレバーのユーザ操作等の不都合な点がある。ロッキングアセンブリによっては、機構をロック解除するために特別な工具の使用を必要とする場合がある。
【0005】
折り畳み自転車は、継手ロック機構に関する技術開発が行われている1つの分野である。折り畳み式自転車では、通勤またはレクリエーションの目的等のための、自転車の収納空間およびユーザによる運搬がしばしば必要とされる。多くの周知の折り畳み自転車は、自転車の車輪およびハンドルバーを折り畳むなどのために、自転車アセンブリの種々の連結部では継手ロッキングアセンブリを利用する。
【0006】
一部の継手、および継手ロッキングアセンブリに1つ不足している点は、操作が容易であることおよび機械部品が削減されている一方で、十分に強固な結合を提供することが難しい点である。Trebert、米国特許第645,145号に存在する折り畳み自転車車輪アセンブリの1つの例では、一体アーチによって接続される一対のフォーク側部を有する折り畳みフロントフォークが述べられている。フォーク側部はステムの脚部に軸支される。この例では、アーチおよびステム上に、フォーク側部が使用位置に配置されると一直線に並ぶラグが含まれる。フォーク側部が所定位置ではロックされると、ばねラッチがステムのラグを貫通して上方へ延び、アーチのラグ内に入る。アーチおよびステムならびにそれぞれのラグは、フォークが使用位置にあるときにはアーチのラグがステムのラグの上方に配置されるように構成される。
【0007】
この構成では、フォークは、アーチから離間され、かつアーチとフォーク側部との間の位置ではステムの脚部に接続されている。フォークがステムに対して折り畳み位置へと回転されると、アーチおよびフォーク側部はステムの反対側に向かって回転する。フォークの一部は、運転位置よりもさらに前方の位置まで回転する。さらに、ユーザによっては、ばねラッチの操作はその位置合わせにより、難しくなる場合がある。
【0008】
車輪用継手ロッキングアセンブリの別の例がCamps、米国特許第3,572,757号に示されている。同特許は、フロントフォークアセンブリであって、下方ボックスがフォークにしっかり留められる、フロントフォークアセンブリに関するものである。フォークが運転位置ではロックされると、ピンが上方ボックスの中を通って延び、ピンのバイオネット足部が、下方ボックス内の鍵になったくぼみに係合し、ピンが下方ボックスを上方に引き、それにより、それが上方ボックスに係合する。ピンのバイオネット足部および下方ボックスの鍵になったくぼみは、バイオネット足部がくぼみ内に挿入され、レバーを用いて回されることによって係合される。ピンは、レバーがハンドルバーに隣接して位置付けられるように、ベアリングチューブの中を通って延びる。この構成は、より重いリンク機構には適している場合があるものの、不都合な点は、その大きさと、自己ロックが容易に促進されないことである。
【0009】
従って、ユーザ操作が比較的容易なこと、コストおよび製造の利点、しっかりした継手ロック、自己ロック動作のうちの1つ以上を提供し、任意に、外部の解放工具を使用せずに操作可能である折り畳みおよび継手ロック機構の必要性が存在する。必要性が存在する1つの適用物は、これらの利点のうちの1つ以上を有する解放可能な継手が設けられる折り畳み自転車である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第645,145号
【特許文献2】米国特許第3,572,757号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示およびその多くの実施形態は、ベアリングボール等の変位可能な構造体が2つの本体要素の間に配置されている、ロッキングアセンブリを設けることによって、周知のリンク機構アセンブリのロッキングアセンブリの不都合な点を大幅に軽減している。このような本体要素は、静止体と呼ばれるもの、および回転体と呼ばれるもう1つのものを含んでよい。静止体はアセンブリの他の要素に対して固定されてよいのに対して、回転体はそれらの要素に対して動く。ボタンまたはプルタブ等の1つ以上の解除装置を押したり、引いたりなどして作動リンク機構を操作すると、ベアリングボールの変位が生じたり、継手ロッキングアセンブリがロック解除する。ロック解除位置では、回転体がヒンジの周りに回転することによって、回転体は動くことか可能である。
【0012】
機械部品の折り畳みシステムの実施形態には、1つ以上のベアリングボールと、該ベアリングボールの少なくとも一部を収納するサイズに作られた少なくとも1つのベアリングボール収納空間を画定する第1本体と、該第1本体に回転可能に連結している第2本体と、1つ以上のボタンまたはつまみ部材(本願明細書ではまとめて「ボタン」または「ボタン群」あるいは「ボタン部材」または「ボタン部材群」と呼ばれる)が含まれる。各ボタン部材は、くぼみ、およびベアリングボールの少なくとも一部を収納するサイズに作られた円形凹面部を画定し、ばねを収納する部分的に中空の内部を画定してよい。第2本体はその中に1本以上の通路を画定し、2つのボタン部材は、該通路内に配置されるようなサイズに作られている。第1本体は、第2本体が折り畳み位置にあるときにはベアリングボールを収納する第2ベアリングボール収納空間を画定してよい。
【0013】
ロック解除位置では、ベアリングボールはボタン部材の円形凹面部すなわちくぼみ部と接触するとともに第1本体のベアリングボール収納空間とわずかに接触する。ロック位置では、ベアリングボールはボタン部材のくぼみと接触するとともに第1本体のベアリングボール収納空間と比較的頻繁に接触する。ロック解除位置では、第2本体は、それを、ヒンジを中心として回転させることによって折り畳み可能である。ボタン部材を押すことまたは引くことにより、システムはロック位置からロック解除位置に動く。特に、ボタン部材を押すことまたは引くことにより、ベアリングボールは、ボタン部材のくぼみと接触する位置から、ボタン部材の円形凹面部と接触する位置に移動する。第2本体は、折り畳み式自転車のハンドルバーアセンブリの部品または折り畳み式自転車の車輪アセンブリの部品等の折り畳み自転車の一部分であってよい。
【0014】
本開示の実施形態の中には、機械部品の折り畳み方法および装置であって、第1本体、該第1本体に回転可能に連結し、その中に1本以上の通路を画定する回転体、および該通路内に配置される1つ以上のボタン部材を設ける継手ロッキングアセンブリを用いる、方法および装置がある。各ボタン部材は、ばねを収納する部分的に中空の内部を画定してよい。方法は、第1本体内のベアリングボール収納空間とボタン部材のくぼみとの間の位置にベアリングボールを設けることであって、それは、該ベアリングボールが第1本体のベアリングボール収納空間とかなり接触するようになされる、ベアリングボールを提供することをさらに含む。次に、ベアリングボールは、それが、ボタン部材のくぼみと接触する位置から、ボタン部材の円形凹面部と接触する位置へと動くように変位される。変位ステップは、ボタン部材を押すことまたは引くことを含んでよい。この変位の結果、ベアリングボールは、第1本体のベアリングボール収納空間との接触は比較的少なくなり、第2本体は、それを、ヒンジを中心として回転させることによって折り畳み可能になる。次に、第1本体は第2本体に対して回転される。回転体は、折り畳み式自転車のハンドルバーアセンブリの部品または折り畳み式自転車の車輪アセンブリの部品等の折り畳み自転車の一部分であってよい。
【0015】
本開示の他の実施形態は、折り畳み自転車、屋外傘、およびロッキング継手によって連結される2つ以上の部材を必要とする任意の他のデバイスを含む。折り畳み自転車の1つの形態は、フレーム、折り畳み式フォークアセンブリ、ハンドルバーアセンブリおよび1つ以上の継手ロッキングアセンブリを含む。フレームは任意に、シートチューブ、ダウンチューブおよびベアリングチューブを含む。1つの実施形態における折り畳み式フォークアセンブリはベアリングチューブに連結するかまたは別の方法でそれに固定可能な関係とされることができ、その上に装着された車輪を有する。任意に、ハンドルバーアセンブリも、ステムを介するなどしてフレームに回転可能に連結し、通例、少なくとも2つのハンドルバーを含むことができる。
【0016】
本開示では、ベアリングボール、該ベアリングボールの少なくとも一部を収納するサイズに作られた少なくとも1つの凹面状くぼみを画定する静止体、該静止体に関して回転可能である回転体、および1つ以上のボタン部材を含む継手ロッキングアセンブリが構築されることができる。各ボタン部材は、くぼみ、およびベアリングボールの少なくとも一部を収納するサイズに作られた円形凹面部を画定し、ばねを収納する部分的に中空の内部を画定してよい。回転体はその中に2本の通路を画定し、2つのボタン部材は該通路内に配置されるようなサイズに作られている。静止体は、回転体が折り畳み位置にあるときにはベアリングボールを収納する第2凹面状くぼみを画定してよい。
【0017】
このような継手ロッキングアセンブリの例では、ロック解除位置では、ベアリングボールはボタン部材の円形凹面部と接触するとともに静止体のベアリングボール収納空間とわずかに接触する。ロック位置では、ベアリングボールはボタン部材のくぼみと接触するとともに静止体のベアリングボール収納空間と比較的頻繁に接触する。ロック解除位置では、回転体は、それをヒンジの周りに回転させることによって折り畳み可能になる。ボタン部材を押すことまたは引くことがシステムをロック位置からロック解除位置へと動かす。特に、ボタン部材を押すことまたは引くことにより、ベアリングボールは、ボタン部材のくぼみと接触する位置から、ボタン部材の円形凹面部と接触する位置へと移動する。実施形態によっては、静止体は、フレームアセンブリに連結したハンドルバー装着部材であってよく、回転体は装着アセンブリであって、その上に装着されたハンドルバーを有する、装着アセンブリであってよい。継手ロッキングアセンブリは折り畳み式フォークアセンブリの一部分であってもよい。このような実施形態では、継手ロッキングアセンブリがロック位置にあるときには、車輪は運転位置にあり、継手ロッキングアセンブリがロック解除位置にあるときには、車輪は折り畳み位置へと回転可能である。
【0018】
従って、本開示の実施形態は、ベアリングボールが静止体と回転体との間に配置される折り畳みおよび継手ロック機構を提供する。1つ以上のボタン部材を押すことまたは引くことがベアリングボールの変位を生じさせ、継手ロッキングアセンブリをロック解除する。ロック解除位置では、回転体は、それをヒンジの周りに回転させることによって折り畳み可能になる。開示されている折り畳みおよび継手ロック機構の実施形態は、工具または余分なヒンジアセンブリを用いず、使いやすい。本開示のこれらおよび他の特徴および利点は、添付の図とともに本開示の以下の詳細な説明を検討することで、高く評価されるであろう。図では、同様の参照符号は全体を通じて同様のパーツを指す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の上記およびその他の目的は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することで明らかとなろう。
【0020】
図1は、本開示による継手ロッキングアセンブリのボタン部材の実施形態の透視図である。
【0021】
図2は、本開示による継手ロッキングアセンブリのボタン部材の実施形態の断面透視図である。
【0022】
図3Aは、本開示による継手ロッキングアセンブリのボタン部材およびベアリングボールの実施形態の側面断面図である。
【0023】
図3Bは、ロック解除位置に示されている本開示による継手ロッキングアセンブリのボタン部材およびベアリングボールの実施形態の側面断面図である。
【0024】
図3Cは、ロック位置に示されている本開示による継手ロッキングアセンブリのボタン部材およびベアリングボールの実施形態の側面断面図である。
【0025】
図4は、本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の透視図である。
【0026】
図5は、本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の詳細透視図である。
【0027】
図6Aは、本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の詳細透視図である。
【0028】
図6Bは、本開示による継手ロッキングアセンブリの第1本体の実施形態の透視図である。
【0029】
図7Aは、本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の透視図である。
【0030】
図7Bは、本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の透視図である。
【0031】
図8は、本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の側面断面図である。
【0032】
図9は、本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の側面断面図である。
【0033】
図10は、折り畳まれた構成で示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の側面断面図である。
【0034】
図11は、本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態を用いた折り畳み式自転車の側面図である。
【0035】
図12Aは、自転車のハンドルバーアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の透視図である。
【0036】
図12Bは、自転車のハンドルバーアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の背面図である。
【0037】
図13は、自転車のハンドルバーアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の分解立体図である。
【0038】
図14Aは、本開示による継手ロッキングアセンブリの回転体の実施形態の透視図である。
【0039】
図14Bは、ロック位置に示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの回転体の実施形態の側面断面図である。
【0040】
図14Cは、ロック解除位置に示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの回転体の実施形態の側面断面図である。
【0041】
図14Dは、ロック位置に示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの回転体の実施形態の側面断面図である。
【0042】
図15は、本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の正面断面図である。
【0043】
図16は、自転車のハンドルバーアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の正面断面図である。
【0044】
図17は、自転車のハンドルバーアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の透視図である。
【0045】
図18は、自転車のハンドルバーアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の透視図である。
【0046】
図19は、自転車のハンドルバーアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の透視図である。
【0047】
図20Aは、折り畳み式フロントフォークアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の側面図である。
【0048】
図20Bは、折り畳み式フロントフォークアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の正面断面図である。
【0049】
図21は、折り畳み式フロントフォークアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の分解立体図である。
【0050】
図22Aは、折り畳み式フロントフォークアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の正面透視図である。
【0051】
図22Bは、折り畳み式フロントフォークアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の背面透視図である。
【0052】
図23は、折り畳み式フロントフォークアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の側面断面図である。
【0053】
図24Aは、運転位置では示されている折り畳み式フロントフォークアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の側面図である。
【0054】
図24Bは、折り畳み位置では示されている折り畳み式フロントフォークアセンブリに用いて示されている本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態の側面図である。
【0055】
図25は、本開示による折り畳みシステムの部品の実施形態の透視図である。
【0056】
図26は、折り畳み式リアフォークアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の透視図である。
【0057】
図27は、折り畳み式リアフォークアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の分解立体図である。
【0058】
図28Aは、折り畳み式リアフォークアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の透視図である。
【0059】
図28Bは、折り畳み式リアフォークアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の側面図である。
【0060】
図28Cは、折り畳み式リアフォークアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の正面断面図である。
【0061】
図29は、折り畳み式リアフォークアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の透視図である。
【0062】
図30は、折り畳み式リアフォークアセンブリ、および本開示による折り畳みシステムの一部の実施形態の透視図である。
【0063】
図31は、本開示による折り畳みシステムの回転体部の実施形態の透視図である。
【0064】
図32は、本開示による折り畳みシステムの回転体部の実施形態の透視図である。
【0065】
図33は、本開示による折り畳みシステムのボタン部材の実施形態の透視図である。
【0066】
図34Aは、本開示による折り畳みシステムの回転体の透視図である。
【0067】
図34Bは、本開示による折り畳みシステムの回転体の破断図である。
【0068】
図35Aは、本開示による折り畳みシステムのシールドの実施形態の正面透視図である。
【0069】
図35Bは、本開示による折り畳みシステムのシールドの実施形態の背面透視図である。
【0070】
図36は、折り畳み式リアフォークアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の透視図である。
【0071】
図37は、本開示による折り畳みシステムの実施形態の部品の透視図である。
【0072】
図38は、本開示によるボタン部材の実施形態の透視図である。
【0073】
図39Aは、折り畳み式リアフォークアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の破断図である。
【0074】
図39Bは、折り畳み式リアフォークアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の破断図である。
【0075】
図39Cは、折り畳み式リアフォークアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の破断図である。
【0076】
図40は、折りたたみ式シートステイアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の透視図である。
【0077】
図41Aは、本開示による折り畳みシステムの静止体の実施形態の透視図である。
【0078】
図41Bは、本開示による折り畳みシステムの静止体の実施形態の透視図である。
【0079】
図42Aは、折りたたみ式シートステイアセンブリに用いて示されている本開示による回転体の実施形態の透視図である。
【0080】
図42Bは、折りたたみ式シートステイアセンブリに用いて示されている本開示による回転体の実施形態の透視図である。
【0081】
図42Cは、折りたたみ式シートステイアセンブリに用いて示されている本開示による回転体の実施形態の断面図である。
【0082】
図43は、折りたたみ式シートステイアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の破断図である。
【0083】
図44Aは、本開示による折り畳みシステムの静止体および回転体の実施形態の分解図である。
【0084】
図44Bは、本開示による折り畳みシステムの静止体および回転体の実施形態の分解図である。
【0085】
図45は、折りたたみ式シートステイアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の透視図である。
【0086】
図46は、折り畳み式ダウンチューブアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の透視図である。
【0087】
図47は、折り畳み式ダウンチューブアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の透視図である。
【0088】
図48は、折り畳み式ダウンチューブアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の分解立体図である。
【0089】
図49は、折り畳み式ダウンチューブアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の破断図である。
【0090】
図50Aは、折り畳み式ダウンチューブアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の透視図である。
【0091】
図50Bは、折り畳み式ダウンチューブアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の分解立体図である。
【0092】
図51は、折り畳み位置に示されている折り畳み式ダウンチューブアセンブリに用いて示されている本開示による折り畳みシステムの実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0093】
以下の段落では、添付の図面を参照しながら本発明の例が例として詳細に記載される。図面は原寸に比例して描かれておらず、示されている部品は必ずしも互いに比例して描かれているとは限らない。本記載全体を通じて、示されている実施形態および実施は、本発明に対する限定ではなく、例と見なされるべきである。本願明細書で用いられているように、「本発明」は、本願明細書に記載されている本発明の実施形態のいずれか1つ、およびあらゆる均等物について言及している。さらに、本明細書全体を通じた本発明の種々の態様への言及は、クレームされている実施形態または方法はすべて、言及されている態様を含まなければならないことを意味するものではない。
【0094】
図1〜10を参照すると、継手ロッキングアセンブリの例示的な実施形態が1つ以上のボタン部材26を含んでおり、ボタン部材26は、機械部品の折り畳みおよびロックを容易にするため、他の継手部品内に配置されるようなサイズに作られている実質的に棒状の部材である。図1において最も明らかなように、ボタン部材26は、円形凹面部25に隣接して、下方へ傾斜するくぼみ23を画定する。ボタンのくぼみはその構造が異なってもよいことに留意されたい。図1に示されるように、実施形態は下方へ傾斜し、ボタン部材26の凹面部25と交わってよい。代替的に、他の実施形態を参照して説明されるように、ボタンのくぼみは傾斜せず、まっすぐで一様な深さのものである。円形凹面部25は、ベアリングボール22の少なくとも一部を収納するサイズに作られている。ボタン部材26は一方の端部では、短い通路27をさらに画定する。短い通路27は、以下において、より詳細に記載されるように、ユーザがボタン部材26を押すと縮む、ばね等の付勢要素またはその一部を収納するサイズに作られている。
【0095】
図3Bは、継手ロッキングアセンブリがロック解除位置にあるのに対応するロック解除された構成のボタン部材26の例示的な実施形態を示す。ロック解除された構成では、ベアリングボール22がボタン部材26の凹面部25とかなり接触するように、ベアリングボール22は位置している。ロック位置では、ベアリングボール22は凹面部25から離間しており、ボタン部材26のくぼみ23とかなり接触する。
【0096】
継手ロッキングアセンブリ10の例示的な実施形態は、1つ以上のボタン部材26、第1本体12、および第1本体12に連結している少なくとも1つの第2本体14を含む。
【0097】
ベアリングボール22は各第2本体14a、14bと第1本体12との間に配置される。本願明細書に詳細に記載されるように、ベアリングボール22の運動および相対位置によって、継手ロッキングアセンブリはロック位置とロック解除位置との間で動く。第1本体12は、ベアリングボール22の一部を収納するサイズに作られた少なくとも1つのベアリングボール収納空間24を画定する。ベアリングボール収納空間24は、ベアリングボール22の少なくとも一部を収納するのに適した任意の形状または構成のものであってよく、孔または凹面状くぼみであってよい。図6B、7Aおよび7Bにおいて最も明らかなように、第1本体12の例示的な実施形態は、ベアリングボール収納空間となる2つの孔24a、24bを画定する。第1本体12は、第1本体12の反対側の端部で離間したベアリングボール収納孔24a、24b、または反対側の端部の近傍のベアリングボール収納孔24a、24bを画定する実質的に円筒状の部材であってよい。第1本体12は、その中を通って延在し、2つのボタン部材26a、26b、およびばね等の付勢機構29を収納するサイズに作られたボタン収納通路38を画定する。第1本体12は、屋外傘のシャフトの一部等の、折り畳まれる装置の第1部品2に連結してよい。
【0098】
例示的な実施形態では、第2本体14a、14bは第1本体12に回転可能に連結しており、第2本体14aは第1本体12の第1端部に連結し、第2本体14bは第1本体12の第2端部に連結している。各第2本体14a、14bは、第1本体12の端部を収納するサイズに作られた貫通穴15を画定してよい。貫通穴15の例示的な実施形態は第1凹面状くぼみ6および第2凹面状くぼみ8を画定する。本願明細書において、より詳細に記載されるように、継手ロッキングアセンブリが展開位置でロックされると、第1凹面状くぼみ6がベアリングボール22の一部を収納し、継手ロッキングアセンブリが折り畳み位置でロックされると、第2凹面状くぼみ8がベアリングボール22の一部を収納する。第2本体14a、14bのうちの1つ以上は、屋外傘のシャフトの一部等の、折り畳まれる装置の第2部品4に固定して取り付けられているか、または他の様式でそれに連結している。
【0099】
図5および6Aを参照すると、第1本体12内に各ボタン部材26a、26bおよびその付随するベアリングボール22が挿入されていることが分かる。より具体的には、ボタン部材26aは第1本体12の第1端部9に挿入され、第1本体12のボタン収納通路38内に配置されており、ボタン部材26bは第1本体12の第2端部11に挿入され、通路38内に配置されている。図5において最も明らかなように、第1本体12の通路38内で2つのボタン部材26a、26bの間に付勢要素29が配置されている。各ボタン部材26a、26bの短い通路27は付勢要素29のそれぞれの端部部分を収納する。
【0100】
使用時、図8では継手ロッキングアセンブリ10はロック位置にあり、折り畳まれる部品は展開位置にあるのが分かる。ロック位置では、ボタン部材26a、26bおよびばね29はボタン収納通路38内に配置される。各ベアリングボール22は第1本体12と第2本体14との間に配置されており、それが各ボタン部材26a、26bの傾斜くぼみ23と接触し、各ベアリングボール収納空間24から突出するように位置し、それにより、各第2本体14a、14bの凹面状くぼみ21aとかなり接触している。ばね29はボタン部材26a、26bを付勢し、各ボタン部材26a、26bの傾斜くぼみ23を適切な位置に保つ。そのため、ベアリングボール22は第2本体14a、14bの凹面状くぼみ24とかなり接触した状態にとどまり、それにより、継手ロッキングアセンブリを、展開位置でロックされた状態に維持することになる。
【0101】
図4、5および7Aに示されるように、各ボタン部材の端部は通路38から突出している。ボタン端部のこの露出によって、ユーザはボタン部材26を押しやすくなっている。継手ロッキングアセンブリ10をロック解除し、折り畳み式部品を折り畳むために、ユーザは両ボタン部材26の突出端部を押す。この操作により、ばね29は圧縮され、その外向きの付勢は抑制され、それにより、各ボタン部材は収納通路38の内部へとさらに内向きに摺動する。ボタン部材26が内向きに摺動すると、ベアリングボールは、ボタン部材の傾斜くぼみ23と接触するその位置から各ボタン部材26の円形凹面部25内の位置に促される。ベアリングボール22のこの運動によっても、ベアリングボールは第2本体12の凹面状くぼみ21aから離れるように移動し、そのため、第1凹面状くぼみ6aとのその接触は減少する。図7Bにおいて最も明らかなように、その結果、ベアリングボール22は収納空間24a、24b内へとさらに下方へ動く。
【0102】
ベアリングボール22が、第2本体14の凹面状くぼみ21aとの接触が比較的少なくなると、継手ロッキングアセンブリ10はロック解除位置となる。そのため、第2本体は動かせるようになり、折り畳まれる部品の可動部と一緒に第1本体12の周りに折り畳み位置に向けて回転することができる。図9に示されるように、ベアリングボール22は第2本体14の貫通穴15の内面に沿って第1凹面状くぼみ6a、6bから第2凹面状くぼみ8a、8bへと転がり、それにより、回転運動が促進される。折り畳み位置へ回転されると、図10において最も明らかなように、各ベアリングボール22は上方へ動き、収納空間24a、24bから外へ突出し、それが第2本体14の第2凹面状くぼみ8とかなり接触する位置に落ち着く。この折り畳み位置へ回転されると、ばね29は膨張し、ボタン部材26は逆向きに摺動してそれらの元の位置に出る。これにより、各ボタン部材26の傾斜くぼみ23と接触するとともに第2凹面状くぼみ8と接触したベアリングボール22が付勢され、継手ロッキングアセンブリ10、および折り畳まれる装置の部品は折り畳み位置でロックされる。
【0103】
図11は、本開示による継手ロッキングアセンブリの実施形態を用いる折り畳み式自転車1を示す。例示的な折り畳み式自転車1は、フレームチューブ555、シートチューブ565、およびベアリングチューブ585を含むフレーム575を有する。図示されているように、継手ロッキングアセンブリは、折り畳み式ハンドルバーアセンブリ100、200、折り畳み式フロントフォークアセンブリ300および折り畳み式リアフォークアセンブリ700ならびに後輪アセンブリ706と連結して用いられ得る。
【0104】
図12A〜19を参照して、継手ロッキングアセンブリの実施形態を、折り畳み式ハンドルバーアセンブリと関連して用いられるものとして記載する。折り畳み式ハンドルバーアセンブリ100は、2つのハンドルバー152a、152b、ハンドルバー装着部材154、および継手ロッキングアセンブリ110を含む。継手ロッキングアセンブリ110は、ハンドルバー152を装着部材154に接続する役目を果たし、ハンドルバー152の折り畳みを手助けする。折り畳み式ハンドルバーアセンブリの例示的な実施形態には、静止体112のそれぞれの端部に各々連結した2つの回転体114aおよび114bがある。心棒116が、各回転体114a、114bの収納孔118および静止体112の通路120を貫通して摺動可能に挿入されることによって、各回転体を静止体112上に装着する役目を果たす。各回転体114a、114bは心棒116を介して静止体112のそれぞれの端部の周りに回転可能である。
【0105】
図14A〜14Dに示されるように、回転体114は、各端部136a、136b上に2つの延長部130a、130bを有する実質的に長方形の部品であってよい。各延長部130は、心棒116を収納し、回転体114を静止体112にしっかり留めるサイズに作られた収納孔118を画定する。回転体114の各側面136a、136bは、ボタン部材126および付随するばね129を各々収納するボタン収納通路138a、138b(不図示)を画定する。図14B〜14Dおよび16に示される破断断面において最も明らかなように、ボタン収納通路138は、それらが互いに平行に隣接し、挿入されたボタン部材126が互いに平行に隣接するように回転体114内に画定される。回転体114は凹面状中心部132および中心穴134を画定する。中心穴134は、それが両ボタン収納通路138a、138bのためのアクセス点を提供するように回転体14内に画定される。
【0106】
より具体的には、ベアリングボール122の一部が静止体112の凹面状くぼみ124と接触し、ベアリングボールの一部は2つのボタン部材126の各々と接触するように、ベアリングボール122は中心穴134内に配置される。継手ロッキングアセンブリ110がロック解除位置にあるときには、ベアリングボール122はボタン部材126の円形凹面部125と接触し、静止体112の凹面状くぼみ124とわずかに接触する。継手ロッキングアセンブリ10がロック位置にあるときには、ベアリングボール122はボタン部材126のくぼみ123と接触し、静止体112の凹面状くぼみ124と比較的頻繁に接触する。
【0107】
例示的な実施形態では、継手ロッキングアセンブリ110のボタン部材126は、1つの能動ボタン部材126aおよび1つのブラインドボタン部材126bを含む。能動ボタン部材126aは、傾斜したくぼみ123を画定し、一方、ブラインドボタン部材126bは一様な深さの水平なくぼみ123を有する。この組み合わせ方は、ブラインドボタン部材126bがベアリングボール122を正しいロック位置に保持するので、荷重をかけている間、隙間を防止する役目を果たす。そのため、ユーザは両方のボタンを押して折り畳みを開始しなければならない。図14Bおよび14Cは能動ボタン部材126aの実施形態を示し、図14Dはブラインドボタン部材126bの実施形態を示す。図15において最も明らかなように、能動ボタン126aはベアリングボール122を押し、それにより、点Aでは回転体114と静止体112との間に接触があり、点Bではベアリングボール122と静止体112の凹面状くぼみ124との間に接触があり、点Cではベアリングボール122と回転体114の中心穴134の第1側との間に接触があり、点Dではベアリングボール122と回転体114の中心穴134の第2側との間に接触があり、点Eではベアリングボール122と能動ボタン部材126aのくぼみ123との間に接触があり、点Fではベアリングボール122とブラインドボタン部材126bのくぼみ123との間に接触がある。これらの接触により、ユーザがハンドルバー152に荷重をかける際に少しも隙間を感じないことが確約される。
【0108】
折り畳み式ハンドルバーアセンブリ100と関連した継手ロッキングアセンブリ110の動作が記載される。ロック機構110がロック位置にあるときには、ボタン部材126およびばね129はそれらの端部が通路138から突出した状態でボタン収納通路138内に配置される。ベアリングボール122は、静止体112と、上述されたように心棒116によって静止体112に回転可能に連結した回転体114との間に配置される。図14Bおよび16において最も明らかなように、ベアリングボール122は、それが各ボタン部材126の傾斜くぼみ123と接触し、静止体112の1次凹面状くぼみ124または2次凹面状くぼみ121とかなり接触するように位置する。例えば、図16に示されるように、ロック位置にある折り畳まれたハンドルバーについては、ベアリングボール122は2点AおよびBでは2次凹面状くぼみ121と接触することが分かる。ばね129はボタン部材126を付勢し、ベアリングボール122、および各ボタン部材126の傾斜くぼみ123を接触状態に保持し、それにより、継手ロッキングアセンブリ110をロック位置に維持する。
【0109】
継手ロッキングアセンブリ110をロック解除してハンドルバー152を折り畳むために、ユーザは回転体114の両方のボタン部材126の突出端部を押す。この操作により、各ボタン部材126に付随するばね129は圧縮され、それにより、各ボタン部材は各それぞれのボタン収納通路138a、138bの内部へ内向きに摺動する。ボタン部材126が内向きに摺動すると、ベアリングボール122は、ボタン部材126の傾斜くぼみ123と接触するその位置から円形凹面部125内の位置へと移動する。ベアリングボール122のこの運動により、ベアリングボール122は静止体112の凹面状くぼみ124から離れるように移動し、それにより、凹面状くぼみ124とのその接触は減少する。ベアリングボール122が凹面状くぼみ124との接触が比較的少なくなると、継手ロッキングアセンブリ110はロック解除位置となる。そのため、回転体114は、心棒16を中心として静止体112の端部の周りに折り畳み位置へと回転することができる。ベアリングボール122は静止体112の表面に沿って転がり、それにより、回転運動が促進される。折り畳み位置へ回転すると、ばね129は膨張し、ボタン部材126は逆向きに摺動してそれらの元の位置に出、端部がボタン収納通路138から突出する。これにより、各ボタン部材126の傾斜くぼみ123と接触するとともに2点AおよびBで2次凹面状くぼみ121と接触したベアリングボール122が付勢され、回転部材14は折り畳み位置でロックされる。
【0110】
図18および19に示される別の例示的な実施形態では、継手ロッキングアセンブリ210が、それがハンドルバー装着部材254を自転車のステアチューブ255に接続するように位置付けられる。ステアチューブ255は、ハンドルバー部材252とともに、ハンドルバーアセンブリ200を形成する。継手ロッキングアセンブリ210には、静止体212、回転体214、心棒216、2つの実質的に垂直に配向されたボタン部材226a、226bおよびベアリングボール222が含まれる。各ボタン部材226は、下方へ傾斜して円形凹面部225に隣接する傾斜くぼみ223を画定する。円形凹面部225は、ベアリングボール222の少なくとも一部を収納するサイズに作られている。静止体212は、ベアリングボール222を収納するためのくぼみ224を画定する。継手ロッキングアセンブリ210の動作は上述の継手ロッキングアセンブリ110と実質的に同様である。ユーザがボタン部材226を押すと、それは回転体214の内部へ内向きに摺動する。この摺動運動により、ベアリングボール222はボタン部材226の円形凹面部225内へ移動し、かつ静止体のくぼみ224から離れるように移動する。従って、回転体214は自由に回転し、ハンドルバーアセンブリ250は折り畳み位置に動かすことができる。
【0111】
図20A〜24Bを参照して、自転車用折り畳み式フロントフォークアセンブリでは用いられる継手ロッキングアセンブリの実施形態について述べる。フォークアセンブリ300が少なくとも1つのフォーク部材302および継手ロッキングアセンブリ310を含む。好ましい実施形態では、フォークアセンブリ300は一対のフォーク部材302を含み、継手ロッキングアセンブリ310がフォーム部材302を接続する。フォーク部材302、および継手ロッキングアセンブリ310の回転体314は溶接、ろう付けまたは任意の他の接合方法によって接着されてよい。フォーク部材302の上部内に画定された孔318を貫通して延在する心棒316を介してステアチューブ355がフォーク部材302に回転可能に連結している。図示されているように、必要に応じて、フォーク部材302は互いに対して若干傾斜していてよいが、フォーク部材302は互いにおおむね平行に延在している。各フォーク部材302の底部は、隣接する前輪アセンブリ306に連結するように構成されたドロップアウト304を画定する。ドロップアウト304はフォーク部材302の底部に位置付けられ、前輪アセンブリ306をフォークアセンブリ300に取り外し可能に装着するための構造を設けている。ドロップアウト304は、前輪アセンブリ306の一部分である車輪の心棒308のそれぞれの端部を収納し、かつそれらに連結するように構成される。
【0112】
継手ロッキングアセンブリ310には、静止体312、回転体314、ベアリングボール322および2つのボタン部材326が含まれる。例示的な実施形態では、静止体312は、ベアリングボール322の一部を収納するための2つのくぼみ324a、324bを画定するカムである。本願明細書に記載されているように、継手ロッキングアセンブリ310が展開または運転位置にあるときには、第1くぼみ324aがベアリングボール322の一部を収納し、継手ロッキングアセンブリ310が折り畳み位置にあるときには、第2くぼみ324bがベアリングボール322の一部を収納する。本願明細書により詳細に記載されているように、カム312の各端部にあるストッパ305は、各くぼみ324の縁部を画定し、回転体314との接触点を備えている。静止体312は、心棒316を介してフォーク部材302に回転可能に連結している自転車のステアチューブ255に固定して取り付けられるかまたはそれと一体的に形成される。回転体314の各側面は、ボタン部材326および付随するばね329を各々収納するボタン収納通路338を画定する。任意に、固定プレート309はボタン部材336を回転体314にしっかり留める。
【0113】
各ボタン部材326は、回転体314の収納通路338内に配置されるようなサイズに作られた実質的に棒状の部材である。上述されたように、実施形態は1つの能動ボタン部材および1つのブラインドボタン部材を有してよい。図21において最も明らかなように、ボタン部材326は、下方へ傾斜して円形凹面部325に隣接する傾斜くぼみ323を画定する。円形凹面部325は、ベアリングボール322の少なくとも一部を収納するサイズに作られている。ボタン部材326は一方の端部では短い通路327をさらに画定する。短い通路327は、以下において、より詳細に記載されるように、ユーザがボタン部材326を押すと縮むばね329の一部を収納するサイズに作られている。回転体314はその上面内に中心穴334を画定し、それにより、ベアリングボール322の一部は中心穴334内にあり、ベアリングボール322の別の部分はカム312の凹面状くぼみ324のうちの1つと接触する。継手ロッキングアセンブリ310がロック位置にあるときには、ベアリングボール322はボタン部材326の傾斜くぼみ323と接触し、カム312の凹面状くぼみ324のうちの1つとかなり接触する。継手ロッキングアセンブリ310がロック解除位置にあるときには、ベアリングボール322はボタン部材326の円形凹面部325と接触し、カム312の凹面状くぼみ324との接触は比較的少なくなる。
【0114】
操作時、ユーザはボタン307を押し、折り畳み式フォークアセンブリ300を折り畳むプロセスを開始する。この操作は、各ボタン部材326に付随するばね329を圧縮し、それにより、各ボタン部材は各それぞれのボタン収納通路338a、338bの内部へ内向きに摺動する。ボタン部材326が内向きに摺動すると、ベアリングボール322は、ボタン部材の傾斜くぼみ323と接触するその位置から円形凹面部325内の位置へと移動する。ベアリングボール322のこの運動によっても、ベアリングボール322はカム312の第1凹面状くぼみ324aから離れるように移動する。ベアリングボール322が第1凹面状くぼみ324aから少なくとも部分的に外されると、継手ロッキングアセンブリ310はロック解除位置となる。そのため、回転体314は、心棒316を中心として静止体312の端部の周りに折り畳み位置へと回転することができる。
【0115】
ユーザは、フォーク部材302のうちの一方または両方あるいは車輪アセンブリ306をつかむことによってこの折り畳みを遂行することができる。ベアリングボール322はカム312のカム表面313に沿って転がり、それにより、回転体314の回転運動が促進される。一旦、折り畳み位置に回転すると、ベアリングボールは転がり、カム312の第2くぼみ324bに入り、それにより、継手ロッキングアセンブリ310は再びロックされる。ばね329は膨張し、ボタン部材326は逆向きに摺動してその元の位置に戻り、それにより、各ボタン部材326の傾斜くぼみ323と接触するとともにカム312の第2くぼみ324b内に入ったベアリングボール322を付勢する。折り畳み式フロントフォークアセンブリ300および前輪アセンブリ306を展開するために、ユーザは単にボタン307を押して、展開プロセスが開始する。回転体314が反対方向に動き、それにより、ベアリングボール322がカム312の第2くぼみ324bからカム312の第1くぼみ324aに戻ることを除いて、プロセスは基本的に上述されたように動作する。
【0116】
ロッキングアセンブリ610の例示的な実施形態では、図25に示される部品は、ハウジング612、ベアリングボール622、ボタン部材626、付勢要素629、および任意に、カム作用部材631を含む。ボタン部材626は、円形凹面部625に隣接して下方へ傾斜するくぼみ623を画定する。図25に示されるように、くぼみ623の実施形態は下方へ傾斜し、ボタン部材626の凹面部625と交わる。ボタンのくぼみ623は、まっすぐで一様な深さを有するもの等、他の構成を有することもあり得ることに留意されたい。円形凹面部625は、ベアリングボール622の一部で収納するサイズに作られている。
【0117】
ハウジング612は、ボタン部材626を収納するための通路638aを画定する。通路638aはハウジングの中を通って延在し、ボタン部材626、およびばね等の付勢機構629を収納するサイズに作られている。ハウジング612の第1側内に通路の開口部639aが画定される。ハウジング612内に、ハウジング612の反対側に通路開口部(不図示)を有する第2通路638bが画定される。第2通路638bはハウジング612の中を通って延在し、ボタン部材626および付勢機構629を収納するサイズに作られている。ハウジング612は、ベアリングボール622の一部を収納するサイズに作られたベアリングボール収納孔624も画定する。例示的な実施形態では、ベアリングボール収納孔624は通路638aおよび638b内へと開口し、それらと接続する。従って、ベアリングボール622がベアリングボール収納孔624内に配置され、ボタン部材626が通路638aおよび638b内に配置されると、ベアリングボール622はボタン部材626と接触する。
【0118】
使用時、ボタン部材626およびばね629は、ロック位置ではボタン収納通路638内に配置される。ベアリングボール622はベアリングボール収納孔624内に配置され、それがボタン部材626の傾斜くぼみ623と接触するように位置する。ばね629はボタン部材626を付勢し、各ボタン部材626a、26bの傾斜くぼみ623を適切な位置に保つ。そのため、ベアリングボール622は持ち上げられた状態にとどまり、それにより、本願明細書に記載されているロッキングシステムの実施形態で用いられた場合には、継手ロッキングアセンブリを、展開位置ではロックされた状態に維持する。
【0119】
ロッキングアセンブリ610をロック解除するために、ユーザはボタン部材626の突出端部を押す。この操作により、ばね629は圧縮され、その外向きの付勢は抑制され、それにより、各ボタン部材は収納通路638の内部へとさらに内向きに摺動する。ボタン部材626が内向きに摺動すると、ベアリングボール622は、ボタン部材の傾斜くぼみ623と接触するその位置から各ボタン部材626の円形凹面部625内の位置に移動する。ベアリングボール622のこの運動により、それはロック解除位置内へと下方へも移動する。
【0120】
図26〜35Bに、折り畳み式リアフォークアセンブリと併せて用いられる折り畳みシステムの実施形態を見ることができる。折り畳み式リアフォークアセンブリ400が後輪アセンブリ406および折り畳みシステム410を含む。リアフォークアセンブリ400は、2つのリアフォーク402、および溶接、ろう付けまたは任意の他の接合方法によって固定して取り付けられるカプラ404を含む。各リアフォーク部材402の遠位端は、隣接する後輪アセンブリ406に連結するように構成されたドロップアウト403を画定する。ドロップアウト403はリアフォーク部材402の遠位端に位置付けられ、後輪アセンブリ406をリアフォークアセンブリ400に取り外し可能に装着するための構造を提供する。ドロップアウト403は、後輪アセンブリ406の一部分である後輪の心棒408のそれぞれの端部を収納し、それらに連結するように構成される。各リアフォーク部材の近位端は、後部心棒416を収納する孔420を画定する。フォーク部材402のうちの1つ以上はリアブレーキの取り付け用のコースターブレーキ固定点441を含んでよい。
【0121】
継手ロッキングアセンブリ410には、静止体412、回転体414、ベアリングボール422および少なくとも1つのボタン部材426が含まれる。例示的な実施形態では、静止体412は、ベアリングボール422の一部を収納するための2つのくぼみ424a、424bを画定するカムである。本願明細書に記載されるように、継手ロッキングアセンブリ410が展開または運転位置にあるときには、第1くぼみ424aがベアリングボール422の一部を収納し、継手ロッキングアセンブリ410が折り畳み位置にあるときには、第2くぼみ424bがベアリングボール422の一部を収納する。カム412の第1端部にあるストッパ405が第1くぼみ424aの縁部を画定する。静止体412は、心棒416を介してリアフォーク部材402に回転可能に連結している自転車のリアダウンチューブ455に固定して取り付けられるかまたはそれと一体的に形成される。回転体414の少なくとも一方の側は、ボタン部材426および付随するばね429を収納するボタン収納通路438を画定する。
【0122】
ボタン部材426は、回転体414の収納通路438内に配置されるサイズに作られた実質的に棒状の部材である。任意に、ボタン部材426のための孔439を画定する支持プレート409(図35A〜35B)がボタン部材426を回転体414にしっかり留める。図28Cにおいて最も明らかなように、ボタン部材426は、凹面部425を画定するブラインドボタンであってよい。凹面部425は、ベアリングボール422の少なくとも一部を収納するサイズに作られている。例示的な実施形態は、図33に示されるように、凹面部325に隣接する水平なくぼみ423を有してよい。どのような隙間もリアフォークの上方向の小回転によって埋められることになる。ボタン部材426は一方の端部では短い通路427をさらに画定する。短い通路427は、以下において、より詳細に記載されるように、ユーザがボタン部材426を押すと縮むばね429の一部を収納するサイズに作られている。
【0123】
図31、32および34A〜34Bにおいて明らかなように、回転体414は中心穴434を画定し、それにより、ベアリングボール422の一部は中心穴434内に入り、ベアリングボール422の別の部分はカム412の凹面状くぼみ424のうちの1つと接触する。折り畳みシステム410がロック位置にあるときには、ベアリングボール422はボタン部材426のくぼみ425と接触せず、カム412の凹面状くぼみ424aのうちの1つと比較的かなり接触する。継手ロッキングアセンブリ410がロック解除位置にあるときには、ベアリングボール422はボタン部材426のくぼみ425と接触し、カム412の第1凹面状くぼみ424aとの接触は比較的少なくなる。
【0124】
操作時、ユーザはボタン407を押し、リアフォークアセンブリ400を折り畳むプロセスを開始する。この操作により、ボタン部材426に付随するばね429は圧縮され、それにより、ボタン部材はボタン収納通路438の内部へ内向きに摺動する。ボタン部材426が内向きに摺動すると、ベアリングボール422は、くぼみ423と接触し、ボタン部材426の凹面部425とは接触しないそのロック位置から、ボタン部材426の凹面部425と接触する位置へと移動する。ベアリングボール422のこの運動によっても、ベアリングボール422はカム412の第1凹面状くぼみ424aから離れるように移動する。ベアリングボール422が第1凹面状くぼみ424aから少なくとも部分的に外されると、折り畳みシステム410はロック解除位置となる。そのため、回転体414は、心棒416を中心として静止体412の端部の周りに折り畳み位置へと回転することができる。
【0125】
ユーザは、この折り畳みを、リアフォーク部材402のうちの一方または両方あるいは後輪アセンブリ406をつかむことによって遂行することができる。カプラ404は、リアフォークアセンブリ400の折り畳みを遂行するための追加の手段を提供する。ベアリングボール422はカム412のカム表面413に沿って転がり、それにより、回転体414の回転運動が促進される。一旦、折り畳み位置に回転すると、ベアリングボール422は転がり、カム412の第2くぼみ424bに入り、それにより、継手ロッキングアセンブリ410は再びロックされる。ばね429は膨張し、ボタン部材426は逆向きに摺動してその元の位置に戻り、それにより、カム412の第2くぼみ424bと接触したベアリングボール422を付勢する。折り畳み式リアフォークアセンブリ400および後輪アセンブリ406を展開するために、ユーザは単にボタン407を押して、展開プロセスは開始する。回転体414が反対方向に動き、それにより、ベアリングボール422がカム412の第2くぼみ424bからカム412の第1くぼみ424aに戻ることを除いて、プロセスは基本的に上述されたように動作する。図36〜39Cに示される折り畳みシステムの例示的な実施形態では、回転体714が、フォークプレート702a、702bと嵌合するように構成されたハウジング、およびハウジング714に取り付けられてよいハウジングカバー715から成る。ハウジング714およびハウジングカバー715は、図37に示される通りの実質的に長方形のブロック、あるいは図36および38〜39Cに示される通りの実質的に円筒状の部材を含む、あらゆる形状で形成されてよい。今度は、ボタン707がハウジングカバー715に取り付けられ、本願明細書において、より詳細に記載されるように、ロッキングアセンブリ710をロック解除するように押し込まれてよい。ロッキングアセンブリには、ベアリングボール722、圧縮ばね729、および「ブラインド」ボタン部材であってよいボタン部材726がさらに含まれる。ブラインドボタン部材726は、ベアリングボール722の少なくとも一部を収納するサイズに作られた凹面部725を画定する。ブラインドボタン部材726の例示的な実施形態は、凹面部725に隣接する水平なくぼみ723を有してよい。
【0126】
折り畳み式リアフォークアセンブリ700は後輪アセンブリ706および折り畳みシステム710を含む。リアフォークアセンブリ700は、2つのリアフォークプレート702a、702b、および溶接、ろう付けまたは任意の他の接合方法によって固定して取り付けられるカプラ704を含む。各リアフォーク部材702a、702bの遠位端は、隣接する後輪アセンブリ706に連結するように構成されたドロップアウト703を画定する。各リアフォーク部材の近位端は、後部心棒416を収納する孔420を画定する。フォーク部材402のうちの1つ以上はリアブレーキの取り付け用のコースターブレーキ固定点741を含んでよい。
【0127】
折り畳みシステム710の回転体714は、右および左のフォークプレート702a、702b内に画定された孔717内に配置される。孔717は、それらが回転体714を収納するサイズに作られている限り、どのような形状であっても構わない。例示的な実施形態では、静止体712は、ベアリングボール722の一部を収納するための2つのくぼみ724a、724bを画定するカムである。本願明細書では記載されるように、継手ロッキングアセンブリ710が展開または運転位置にあるときには、第1くぼみ724aがベアリングボール722の一部を収納し、継手ロッキングアセンブリ710が折り畳み位置にあるときには、第2くぼみ724bがベアリングボール722の一部を収納する。カム712の第1端部にあるストッパ705が第1くぼみ724aの縁部を画定する。静止体712は、心棒716を介してリアフォークプレート702に回転可能に連結している自転車のフレームチューブ755に固定して取り付けられるかまたはそれと一体的に形成される。回転体714の少なくとも一方の側は、ボタン部材726および付随するばね729を収納するボタン収納通路738を画定する。図38において最も明らかなように、ブラインドボタン部材726の例示的な実施形態は、回転体714の収納通路738内に配置されるサイズに作られた実質的に棒状の部材である。例示的な実施形態は、くぼみ731、ならびに/あるいは稜737および溝739のネットワーク等の特殊な表面特徴を画定してよい。
【0128】
操作時、ユーザはボタン707を押し、リアフォークアセンブリ700を折り畳むプロセスを開始する。この操作により、ボタン部材726に付随するばね729は圧縮され、それにより、ボタン部材はボタン収納通路738の内部へ内向きに摺動する。ボタン部材726が内向きに摺動すると、ベアリングボール722は、くぼみ723と接触し、ボタン部材726の凹面部725とは接触しないそのロック位置から、ボタン部材726の凹面部725と接触する位置へと移動する。ベアリングボール722のこの運動によっても、ベアリングボール722はカム712の第1凹面状くぼみ724aから離れるように移動する。ベアリングボール722が第1凹面状くぼみ724aから少なくとも部分的に外されると、折り畳みシステム710はロック解除位置となる。そのため、回転体714は、心棒416を中心として静止体712の端部の周りに折り畳み位置へと回転することができる。
【0129】
ユーザは、この折り畳みを、リアフォーク部材402のうちの一方または両方あるいは後輪アセンブリ406をつかむことによって遂行することができる。カプラ404は、リアフォークアセンブリ400の折り畳みを遂行するための追加の手段を提供する。ベアリングボール422はカム412のカム表面413に沿って転がり、それにより、回転体414の回転運動が促進される。一旦、折り畳み位置に回転すると、ベアリングボール422は転がり、カム412の第2くぼみ424bに入り、それにより、継手ロッキングアセンブリ410は再びロックされる。ばね429は膨張し、ボタン部材426は逆向きに摺動してその元の位置に戻り、それにより、カム412の第2くぼみ424bと接触したベアリングボール422を付勢する。折り畳み機構のこの実施形態は、ただ1つのブラインドボタン部材726を用いて都合良く操作できることに留意されたい。なぜなら、リアフォークアセンブリ700は、荷重をかけた後、その新しい位置へと少し上方へ回転し、どんな隙間もリアフォークの上方向の小回転によって「埋められる」ことになるからである。また、好都合なことに、高い摩擦力により、相当な鉛直力でもブラインドボタン部材726を回転体ハウジング714から引き抜くことにはならない。
【0130】
図40〜45を参照して、折りたたみ式シートステイに用いられる折り畳みシステムの例示的な実施形態を記載する。折り畳みシステム810は、静止体812、該静止体812に回転可能に連結している回転体814、ベアリングボール822および1つ以上のボタン部材826を含む。図42A〜42Cにおいて最も明らかなように、回転体814は、カム部品811を間に挟んでねじ山部材813に沿って互いに螺着される2つの副本体814a、814bを含んでよい。好都合なことに、回転体814およびカム部品811はシートステイ860a、860bと一体に組み立てられるかまたはそれらに溶接され、剛体アセンブリとして一緒に回転することができる。
【0131】
回転体814a、814bおよびカム部品811は静止体812内に配置され、それに回転可能に連結している。より具体的には、回転体814a、814bは静止体812の通路820を貫通して摺動可能に挿入される。例示的な実施形態では、静止体812は上部シートステイ部材860c、860dに固定して取り付けられ、シートステイ部材860c、860dが、今度は、1つ以上のフレームチューブに回転可能に連結している。静止体812の少なくとも一方の側は、ボタン部材826および付随するばね829を収納するボタン収納通路838を画定する。ボタン部材826は、下方へ傾斜して円形凹面部825に隣接する傾斜くぼみ823を画定する。円形凹面部825は、ベアリングボール822の少なくとも一部を収納するサイズに作られている。ボタン部材826は一方の端部では短い通路827をさらに画定する。短い通路827は、ユーザがボタン部材826を押すと縮むばね829の一部を収納するサイズに作られている。
【0132】
ベアリングボール822はカム部品811と静止体512との間に配置され、図44A〜B中の分解図では見ることができる。ベアリングボール822の運動および相対位置により、折り畳みシステム810はロック位置とロック解除位置との間で動く。カム部品811は、折りたたみ式シートステイ860が運転位置にあるときには各ベアリングボール822の一部を収納するサイズに作られた少なくとも1つのくぼみ824を画定する。また、カム部品811は、折り畳み式折り畳み式シートステイ860が折り畳み位置にあるときには各ベアリングボール822の一部を収納する2次凹面状くぼみ821をさらに画定してよい。
【0133】
操作時、ユーザはボタン部材826を押し、折りたたみ式シートステイ860を折り畳むプロセスを開始する。この操作により、各ボタン部材826に付随するばね829は圧縮され、それにより、各ボタン部材は静止体812の各それぞれのボタン収納通路838a、838bの内部へ内向きに摺動する。ボタン部材826が内向きに摺動すると、ベアリングボール822は、ボタン部材の傾斜くぼみ823と接触するその位置から円形凹面部825内の位置へと移動する。ベアリングボール822のこの運動によっても、ベアリングボール822はカム部品811のくぼみ824から離れるように移動する。ベアリングボール822がくぼみ824から少なくとも部分的に外されると、折り畳みシステム810はロック解除位置となる。そのため、図45に示されるように、回転体814は静止体812内で回転し、シートステイを折り畳み位置へと動かすことができる。ベアリングボール822の、カム部品811の周りの転がり(転動)により、この回転が促進される。折りたたみ式シートステイ860を展開するために、ユーザは単にボタン部材826を押して、展開プロセスが開始する。回転体814が反対方向に動き、それにより、ベアリングボール822がカム部品811の周りに反対方向に転がり、静止体812のくぼみ824に戻ることを除いて、プロセスは基本的に上述されたように動作する。
【0134】
図46〜51を参照すると、開示されている折り畳みシステムの実施形態が折り畳み式ダウンチューブ555と併せて用いられることができることが分かる。折り畳みシステム510は、静止体512、該静止体512に回転可能に連結している回転体514、ベアリングボール522および1つ以上のボタン部材526を含む。心棒516が、回転体514の収納孔518および静止体512の通路520を貫通して摺動可能に挿入されることによって、回転体514を静止体512上に装着する役目を果たす。各回転体514a、514bは心棒516を介して静止体512のそれぞれの端部の周りに回転可能である。
【0135】
ベアリングボール522は回転体514と静止体512との間に配置される。本願明細書に詳細に記載されるように、ベアリングボール522の運動および相対位置により、折り畳みシステム410はロック位置とロック解除位置との間で動く。静止体512は、折り畳み式フレームチューブ555が運転位置にあるときにはベアリングボール522の一部を収納するサイズに作られた少なくとも1つのくぼみ524を画定する。また、静止体512は、折り畳み式フレームチューブ555が折り畳み位置にあるときにはベアリングボール522の一部を収納する2次凹面状くぼみ521をさらに画定してよい。折り畳みシステム510は、回転体514内に配置されるサイズに作られた実質的に棒状の部材である1つ以上のボタン部材526をさらに含む。ボタン部材526は、下方へ傾斜して円形凹面部525に隣接する傾斜くぼみ523を画定する。円形凹面部525は、ベアリングボール522の少なくとも一部を収納するサイズに作られている。ボタン部材526は一方の端部では短い通路527をさらに画定する。ボタン部材526は一方の端部では短い通路527をさらに画定する。短い通路527は、以下において、より詳細に記載されるように、ユーザがボタン部材526を押すと縮むばね529の一部を収納するサイズに作られている。
【0136】
回転体514は各端部では2つの延長部530a、530bを有する。各延長部530は、心棒516を収納し、回転体514を静止体512にしっかり留めるサイズに作られた収納孔518を画定する。回転体514の各側面536a、536bは、ボタン部材526および付随するばね529を各々収納するボタン収納通路538a、538b(不図示)を画定する。例示的な実施形態では、ボタン収納通路538a、538bは、それらが互いに平行になり、挿入されたボタン部材526が互いに平行になるように回転体514内に画定される。回転体514は、両ボタン収納通路538a、538bのためのアクセス点を提供する中心穴534を画定する。
【0137】
より具体的には、ベアリングボール522は、ベアリングボール522の一部は静止体512のくぼみ524と接触し、ベアリングボールの一部は2つのボタン部材526の各々と接触するように中心穴534内に配置される。折り畳みシステム510がロック解除位置にあるときには、ベアリングボール522はボタン部材526の円形凹面部525と接触し、静止体512の凹面状くぼみ524とわずかに接触する。折り畳みシステム510がロック位置にあるときには、ベアリングボール522はボタン部材526の傾斜くぼみ523と接触し、静止体512の凹面状くぼみ524と比較的頻繁に接触する。
【0138】
操作時、ユーザはボタン507を押し、折りたたみ式フレームチューブ555を折り畳むプロセスを開始する。この操作により、各ボタン部材526に付随するばね529は圧縮され、それにより、各ボタン部材は各それぞれのボタン収納通路538a、538bの内部へ内向きに摺動する。ボタン部材526が内向きに摺動すると、ベアリングボール522は、ボタン部材の傾斜くぼみ523と接触するその位置から円形凹面部525内の位置へと移動する。ベアリングボール522のこの運動によっても、ベアリングボール522はカム512のくぼみ524から離れるように移動する。ベアリングボール522がくぼみ524から少なくとも部分的に外されると、折り畳みシステム510はロック解除位置となる。そのため、図51に示されるように、回転体514は、心棒516を中心として静止体512の端部の周りに回転し、フレームチューブ555を折り畳み位置へと動かすことができる。ベアリングボール522の、円筒状静止体512の周りの転がり(転動)により、この回転が促進される。折り畳み式フレームチューブ555を展開するために、ユーザは単にボタン507を押して、展開プロセスが開始する。回転体514が反対方向に動き、それにより、ベアリングボール522が円筒状静止体512の周りに反対方向に転がり、静止体512のくぼみ524に戻ることを除いて、プロセスは基本的に上述されたように動作する。
【0139】
以上のように、継手ロッキングアセンブリ、システムおよび方法が提供されることが分かる。当然のことながら、上述の構成および特殊な部品はいずれも、先の実施形態のシステムのいずれにも置換可能に用いられてよい。本発明の好ましい例示的な実施形態が上文に記載されているが、種々の改変および変更を本発明から逸脱することなく行ってもよいことは当業者には明らかであろう。添付の請求項では、本発明の真の精神および範囲内にあるこのような改変および変更をすべて対象に含むことが意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図14C
図14D
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22A
図22B
図23
図24A
図24B
図25
図26
図27
図28A
図28B
図28C
図29
図30
図31
図32
図33
図34A
図34B
図35A
図35B
図36
図37
図38
図39A
図39B
図39C
図40
図41A
図41B
図42A
図42B
図42C
図43
図44A
図44B
図45
図46
図47
図48
図49
図50A
図50B
図51