特許第5674933号(P5674933)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5674933倉庫内の物体の位置を特定するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674933
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】倉庫内の物体の位置を特定するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   H04N7/18 D
   H04N7/18 K
【請求項の数】8
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-518311(P2013-518311)
(86)(22)【出願日】2010年7月1日
(65)【公表番号】特表2013-532451(P2013-532451A)
(43)【公表日】2013年8月15日
(86)【国際出願番号】SE2010050755
(87)【国際公開番号】WO2012002857
(87)【国際公開日】20120105
【審査請求日】2013年2月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】500387249
【氏名又は名称】サーブ アクティエボラーグ(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】バックランド, ゴラン
【審査官】 西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−507295(JP,A)
【文献】 特開平09−097337(JP,A)
【文献】 国際公開第02/023122(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0027435(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0010499(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G08B 13/00
G08B 21/00
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体識別情報を倉庫内の物体の第1の位置と対応付ける物体識別追跡システムOITS(200)であって、
ビデオカメラ(210)のいくつかの対と、
ビデオカメラ(210)の前記対に接続された処理手段(220)と、
を備え、
前記処理手段(220)が、
前記ビデオカメラ(210)のうちの少なくとも1つからの画像に基づいて、前記物体の物体識別情報を決定し、
三角測量技法を用いてビデオカメラ(210)の前記対からの画像に基づいて前記物体の第1の位置を決定し、
前記物体識別情報を前記第1の位置と対応付ける、ように構成され、
前記第1の位置が保管位置である、
物体識別追跡システムOITS(200)。
【請求項2】
前記処理手段(220)が、さらに、ビデオカメラ(210)の前記対からの画像に基づいて前記倉庫内の前記物体を追跡するように構成される、請求項1に記載のOITS(200)。
【請求項3】
前記処理手段(220)が、第2の位置を決定するようにさらに構成され、前記第2の位置が前記保管位置より以前の位置である、請求項に記載のOITS(200)。
【請求項4】
前記処理手段(220)が、前記第1の位置及び前記物体識別情報を前記処理手段(220)から送信するようにさらに構成される、請求項1〜のいずれか一項に記載のOITS(200)。
【請求項5】
物体識別情報を倉庫内の物体の第1の位置と対応付ける物体識別追跡システムOITS(200)における方法であって、
前記OITS(200)が、ビデオカメラ(210)のいくつかの対と、ビデオカメラ(210)の前記対に接続された処理手段(220)と、を備え、
前記方法が、
前記処理手段(220)において、前記ビデオカメラ(210)のうちの少なくとも1つからの画像に基づいて、前記物体の物体識別情報を決定するステップ(100)と、
前記処理手段(220)において、三角測量技法を用いてビデオカメラ(210)の前記対からの画像に基づき前記物体の第1の位置を決定するステップ(110)と、
前記処理手段(220)において前記物体識別情報を前記第1の位置と対応付けるステップ(120)と、
を含み、
前記第1の位置が保管位置である、
方法。
【請求項6】
前記方法が、前記処理手段(220)においてビデオカメラ(210)の前記対からの画像に基づき前記倉庫内の前記物体を追跡するサブステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項7】
保管位置を決定する前記ステップが第2の位置を決定するサブステップをさらに含み、前記第2の位置が前記保管位置より以前の位置である、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、前記第1の位置及び前記物体識別情報を前記処理手段(220)から送信するサブステップをさらに含む、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体識別追跡システム(Object Identification andTracking System)OITSにおける方法及びOITSに関し、特に、倉庫内の物体の位置を決定するためのOITSにおける方法及びOITSに関する。
【背景技術】
【0002】
倉庫は、商品の保管のための建物であることが多い。一部の倉庫は完全に自動化されており、内部に作業員を必要としない。物体は、自動コンベヤのシステム上で移動する。保管と取出しを整合させるために、自動化された保管取出しシステムが使用されることもある。倉庫内のすべての物体を監視しておくために、物流管理自動化ソフトウェアが使用されることもある。倉庫内の物体を追跡するための様々な技法が試されてきた。例えば、倉庫内の物体を監視しておくために、倉庫内で異なるRFIDリーダによって読み取ることができるRFIDタグを物体に付けること。この解決策の不利点は、倉庫内のすべての物体を追跡できるようにするのに、どの物体にもRFIDタグを付けなければならないことである。別の不利点は、この解決策では、全倉庫内の物体を追跡できるようにするのに、多くのRFIDリーダが倉庫全体で必要になることである。
【0003】
したがって、上記の問題のうちの少なくとも1つを解決する、又は少なくとも軽減する、倉庫内の物体の位置を決定するための改善された解決策が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
したがって本発明の一目的は、倉庫内の物体の位置を決定するための方法及び装置を提供することである。
【0005】
第1の態様によれば、本発明は、物体識別情報を倉庫内の物体の第1の位置と対応付ける物体識別追跡システム(OITS)に関する。OITSは、ビデオカメラのいくつかの対と、ビデオカメラの対に接続された処理手段とを備える。処理手段は、前記物体の物体識別情報を決定するように、またビデオカメラの対からの画像に基づいて物体の第1の位置を決定するように構成される。処理手段は、物体識別情報を第1の位置と対応付けるようにさらに構成される。
【0006】
したがって、本発明による一目的は、ビデオカメラの対からの画像に基づいて物体の第1の位置を決定するように、また物体識別情報を第1の位置と対応付けるように構成される処理手段によって達成される。
【0007】
第2の態様によれば、本発明は、物体識別情報を倉庫内の物体の第1の位置と対応付けるOITSにおける方法に関する。OITSは、ビデオカメラのいくつかの対と、ビデオカメラの対に接続された処理手段と、を備える。この方法は、処理手段(220)において物体の物体識別情報を決定するステップと、処理手段においてビデオカメラの対からの画像に基づき物体の第1の位置を決定するステップと、処理手段において物体識別情報を第1の位置と対応付けるステップとを含む。
【0008】
本発明を添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の例示的な一実施形態によるOITSを示す概略図である。
図2】本発明の例示的な一実施形態によるOITSにおける方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
説明が目的であり限定を目的としない以下の説明では、本発明の完全な理解が得られるように特定の順序の諸ステップ、信号プロトコル及びデバイス構成などの具体的詳細を示す。当業者には、本発明は、これらの具体的詳細とは違う他の実施形態でも実施できることが明らかであろう。
【0011】
さらに、当業者には本明細書で以下に説明する機能及び手段が、プログラムされたマイクロプロセッサ又は汎用コンピュータと組み合わされて機能するソフトウェアを用いて、及び/又は特定用途向け集積回路を用いて、実施可能であることが理解されよう。また、本発明は主として方法及び装置の形で説明されるが、本発明はまた、コンピュータプログラム製品として、並びにコンピュータプロセッサ及びこのプロセッサに結合されたメモリを含むシステムとして具体化することもでき、このメモリには、本明細書に開示されている機能を実行できる1つ又は複数のプログラムがエンコードされることも理解されたい。
【0012】
図1は、本発明の例示的な一実施形態による、物体識別情報を倉庫内の第1の位置と対応付ける物体識別追跡システム200を示す。OITSは、ビデオカメラ210のいくつかの対を含む。これらのビデオカメラは、並列に取り付けられたビデオカメラの同じ対とすることができるが、立体効果(図示せず)を得るために、ある特定の距離が間にある。ビデオカメラ210の対は倉庫床領域全体をカバーすることができるが、ビデオカメラ210はまた、OITSが倉庫の一部分にだけ実施される場合には、倉庫床の一部分をカバーすることもある。ビデオカメラ210の対は、OITSの例示的な一実施形態によれば、床領域上方のパレット棚の最上部までのある一定の高さをカバーするように配置することができる。ビデオカメラ210はまた、倉庫の屋根の高さまでカバーするように配置することもできる。OITSの別の例示的な実施形態のビデオカメラ210は、本発明によれば、ある高さから下向きのある角度で倉庫の通路を見下ろすように配置される。ビデオカメラ210は、倉庫の床を基準値として有するように較正することができる。本発明によるOITSの別の例示的な実施形態では、ビデオカメラ210は、隣接するビデオカメラ210に対していくらか重なり合う視野FOVを有することができる。その場合、物体が1つのFOVから別のFOVまで移動するとき、ビデオカメラ210の対の間で物体を一方のビデオカメラからもう一方のビデオカメラに引き渡すことができる。
【0013】
OITSは、ビデオカメラの対に接続された処理手段220をさらに含む。処理手段220は、物体の物体識別情報を決定するように構成される。物体識別情報は、例えば、RFIDリーダ(図示せず)から信号を受け取ることによって、処理手段220で決定することができる。本発明の別の例示的な実施形態では、処理手段220は、ビデオカメラ210のうちの少なくとも1つからの画像に基づいて物体の物体識別情報を決定するようにさらに構成される。例えば、文字ラベルが物体に付けられることがある。その場合、ビデオカメラ210によって撮影された物体の画像は文字パターンを含むことになるので、物体の識別情報は、処理手段220において既知の光学式文字認識技法によって特定することができる。処理手段220は、ビデオカメラ210のいくつかの対からの画像に基づいて物体の第1の位置を決定するようにさらに構成することができる。処理手段220は、ユークリッド幾何学などのよく知られた三角測量技法を用いて物体の第1の位置を決定するように構成することができる。各カメラ対のカメラ間の距離が分かっているので、三角測量を用いてFOV内のすべての画素(ピクセル)にカメラからの距離を割り当てることができる(2つのカメラと画素が三角形を成す)。その場合、当の物体は、一緒にコヒーレントに移動するビットマップ画像内の一組のピクセルとして、知られているオプティカルフロー技法により特定することができる。床上方のカメラの高さが与えられ、またカメラ視線と床水平面の間の角度が与えられると、倉庫内の物体空間位置が決定される。
【0014】
本発明の例示的な一実施形態では、第1の位置は物体の保管位置である。本発明によれば、処理手段220は、物体識別情報と、ビデオカメラ210のいくつかの対からの画像に基づいて処理手段によって決定された第1の位置とを対応付けるようにさらに構成される。
【0015】
本発明の別の実施形態では、処理手段220は、ビデオカメラ210の対からの画像に基づいて倉庫内の物体を追跡するようにさらに構成される。本発明の別の実施形態では、処理手段220は、物体が特定されたときから物体が第1の位置に達するまでの全行程で物体を追跡するようにさらに構成することができる。本発明の別の例示的な実施形態では、処理手段220は、物体が特定されたところから第1の位置までの距離の一部で物体を追跡するように構成することができる。
【0016】
本発明のさらに別の実施形態では、処理手段220は、物体の第2の位置を決定するようにさらに構成することができ、第2の位置とは保管位置より以前の位置である。本発明の別の実施形態では、処理手段220は、保管位置の前の物体のいくつかの位置を決定するようにさらに構成することができる。
【0017】
本発明によるOITSのさらに別の実施形態では、処理手段220は、第1の位置及び物体識別情報を処理手段220から送信するようにさらに構成することができる。第1の位置及び物体識別情報は、例えば、倉庫管理システムWMS(図示せず)まで送信することができ、そこでは物体にWMS識別情報を割り当てることができる。
【0018】
本発明によるOITSのさらに別の実施形態では、処理手段220は、ビデオカメラ210の対からの画像に基づいて、物体が保管位置からいつ移動されたかを決定するようにさらに構成することができる。その場合、処理手段220はまた、物体が保管位置から移動されているという情報を送信するようにさらに構成することもできる。この情報は、例えば倉庫管理システムWMSまで送信することができ、WMSはWMS識別情報を返信する。
【0019】
図2を参照すると、前に説明した本発明の諸実施形態による、物体識別情報を倉庫内の物体の第1の位置と対応付けるための、OITS200における方法の流れ図が示されている。図2に示されているように、この方法は、
100 処理手段220において物体の物体識別情報を決定するステップと、
110 処理手段220においてビデオカメラ210の対からの画像に基づき物体の第1の位置を決定するステップと、
120 処理手段220において物体識別情報を第1の位置と対応付けるステップと、を含む。
【0020】
前に説明したように、この方法は、処理手段220においてビデオカメラ210の対からの画像に基づき倉庫内の物体を追跡するステップをさらに含みうる。この方法はまた、第1の位置及び物体識別情報を処理手段から送信するステップをさらに含みうる。
【0021】
本発明を特定の実施形態に関して(いくつかのデバイス構成、及び様々な方法の中のステップのいくつかの順序を含めて)説明してきたが、当業者には、本発明が本明細書で説明され示された特定の実施形態に限定されないことが理解されよう。したがって、本開示が単に例示的なものであることを理解されたい。それに応じて、本発明は、本明細書に添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
図1
図2