特許第5674946号(P5674946)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5674946フックワイパーアーム用連結ユニット及びこれを備えたフラットワイパーブレード
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5674946
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】フックワイパーアーム用連結ユニット及びこれを備えたフラットワイパーブレード
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/40 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   B60S1/40 A
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-528125(P2013-528125)
(86)(22)【出願日】2011年9月8日
(65)【公表番号】特表2013-538733(P2013-538733A)
(43)【公表日】2013年10月17日
(86)【国際出願番号】KR2011006663
(87)【国際公開番号】WO2012033365
(87)【国際公開日】20120315
【審査請求日】2013年4月3日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0082822
(32)【優先日】2011年8月19日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2010-0089009
(32)【優先日】2010年9月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513160338
【氏名又は名称】韓国産業銀行
【氏名又は名称原語表記】THE KOREA DEVELOPMENT BANK
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(72)【発明者】
【氏名】金 仁奎
(72)【発明者】
【氏名】南 京鍾
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−018273(JP,A)
【文献】 特開2005−297646(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00−60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線部(11)と前記直線部から延びる湾曲部(12)とを末端に備えたワイパーアーム(1)にフラットワイパーブレード(100)を分離可能に連結する連結ユニット(200)であって、
フラットワイパーブレードのフレーム(120)に固定されピボット軸(213)を有するブラケット(210)と、
前記ブラケット上に前記ピボット軸によって回動可能に装着され、前記直線部の少なくとも一部を支持し前記湾曲部を収容するように形成されたアダプタ(220)と、
前記アダプタに前記直線部の長手方向において回動可能に取り付けられるカバー(230)と、を含み、
前記アダプタは、前記アダプタと前記直線部の少なくとも一部との間の前記直線部の幅方向における固定のための第1固定要素(222a、228a、228b)と、前記アダプタと前記湾曲部との間の前記直線部の長手方向における固定のための第2固定要素(222b)と、前記カバーを前記アダプタに分離可能に固定するための第1ロッキング要素(226、227)と、内面で前記ピボット軸とそれぞれ嵌合する一対の側壁部(221a、221b)とを備え、
前記カバーは前記第2固定要素に対応する第3固定要素(233a)と、前記第1ロッキング要素に対応する第2ロッキング要素とを備え、
前記第1ロッキング要素と前記第2ロッキング要素が係合すると、前記第3固定要素が前記湾曲部の少なくとも一部を前記直線部の長手方向において前記第2固定要素に対して固定し、
前記第2固定要素は前記湾曲部の少なくとも一部が安着する安着曲面(222b)を含み、前記第3固定要素は前記湾曲部の少なくとも一部に対面する固定曲面(233a)を含み、
前記カバーが前記アダプタに固定されると、前記安着曲面と前記固定曲面が互いに固定され、
前記第1ロッキング要素は前端に第1係止面(226b)を有し前記側壁部から延び可撓性を有するラッチ(226)を含み、
前記第2ロッキング要素は前記第1係止面と係止する前記カバーのロッキングノッチ(234)を含み、
前記ラッチは前記側壁部の下部の一部が切欠されて形成され、前記ラッチの下端が前記側壁部の下端の一部を形成し、
前記ラッチは前記カバーとの接触により弾性的に撓んで前記カバーのロッキングノッチにスナップ結合する、
連結ユニット。
【請求項2】
前記第1固定要素は前記直線部の少なくとも一部が安着する安着平面(222a)と前記直線部の少なくとも一部に接触する一対の段差部(228a、228b)とを含み、
前記安着平面は前記直線部の長手方向に延び、前記段差部は前記安着平面において前記直線部の幅方向に延びる、
請求項1に記載の連結ユニット。
【請求項3】
直線部(11)と前記直線部から延びる湾曲部(12)とを末端に備えたワイパーアーム(1)にフラットワイパーブレード(100)を分離可能に連結する連結ユニット(200)であって、
フラットワイパーブレードのフレーム(120)に固定されピボット軸(213)を有するブラケット(210)と、
前記ブラケット上に前記ピボット軸によって回動可能に装着され、前記直線部の少なくとも一部を支持し前記湾曲部を収容するように形成されたアダプタ(220)と、
前記アダプタに前記直線部の長手方向において回動可能に取り付けられるカバー(230)と、を含み、
前記アダプタは、前記アダプタと前記直線部の少なくとも一部との間の前記直線部の幅方向における固定のための第1固定要素(222a、228a、228b)と、前記アダプタと前記湾曲部との間の前記直線部の長手方向における固定のための第2固定要素(222b)と、前記カバーを前記アダプタに分離可能に固定するための第1ロッキング要素(226、227)とを備え、
前記カバーは前記第2固定要素に対応する第3固定要素(233a)と、前記第1ロッキング要素に対応する第2ロッキング要素とを備え、
前記第1ロッキング要素と前記第2ロッキング要素が係合すると、前記第3固定要素が前記湾曲部の少なくとも一部を前記直線部の長手方向において前記第2固定要素に対して固定し、
前記アダプタは内面で前記ピボット軸と嵌合する一対の側壁部(221a、221b)と前記側壁部を連結する第1連結部(222)とを備え、
前記第2固定要素は前記第1連結部の前端に形成され前記湾曲部の少なくとも一部が安着する安着曲面(222b)を含み、
前記第3固定要素は前記カバーの内側から突出し前記湾曲部の少なくとも一部に対面する固定曲面(233a)を含み、
前記第1ロッキング要素は第1係止面(226b)を有し前記側壁部から延び可撓性を有するラッチ(226)を含み、
前記第2ロッキング要素は前記カバーの縁に形成され前記第1係止面と係止する第2係止面(234b)を有するロッキングノッチ(234)を含み、
前記第1係止面と前記第2係止面が係止すると、前記固定曲面が前記湾曲部の少なくとも一部を前記直線部の長手方向において前記安着曲面に対して固定
前記ラッチは前記側壁部の下部の一部が切欠されて形成され、前記ラッチの下端が前記側壁部の下端の一部を形成する、
連結ユニット。
【請求項4】
前記ラッチは前記第1係止面に接する接触面(226c)を備え、前記ロッキングノッチは前記第2係止面に接する押圧面(234c)を備え、
前記カバーが前記アダプタに回動すると、前記押圧面は前記接触面と接触する、
請求項3に記載の連結ユニット。
【請求項5】
前記ロッキングノッチは第2ストッパー面(234a)を備え、前記側壁部は前記第2ストッパー面と相補的に接触する第1ストッパー面(227a)を備える、
請求項3に記載の連結ユニット。
【請求項6】
前記側壁部は各内面に前記ピボット軸の両端が支持されるシャフトホルダー(224a、224b)を備え、
前記第1連結部は前記ピボット軸が受容されるリセス(222c)を備える、
請求項3に記載の連結ユニット。
【請求項7】
前記第1固定要素は前記第1連結部に形成され前記直線部の長手方向に延びる安着平面(222a)と前記安着平面と前記側壁部の上端との間に形成される一対の段差部(228a、228b)とを含み、
前記直線部の少なくとも一部は前記段差部の間で前記安着平面上に安着する、
請求項3に記載の連結ユニット。
【請求項8】
前記フレームは対向する縁に一対のノッチ(123)を有し、
前記ブラケットは下側の対向する縁のそれぞれに一対の保持爪(211f)と係止突起(211e)を備え、
前記フレームの縁部は前記保持爪上に位置し前記ノッチと前記係止突起は係合する、
請求項3に記載の連結ユニット。
【請求項9】
ワイパーストリップ(110)と、
前記ワイパーストリップを保持して支持するフレーム(120)と、
前記フレームに嵌合により結合する第1および第2スポイラー(130、140)と、
前記第1および第2スポイラーの間で前記フレームに結合する請求項1〜のいずれか1項に記載の連結ユニット(200)と、を含むフラットワイパーブレード。
【請求項10】
前記第1スポイラーと前記連結ユニットのブラケット(210)は係合し、前記第2スポイラーと前記ブラケットは係合する、請求項に記載のフラットワイパーブレード。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のウインドシールドに使われるフラットワイパーブレードに関する。特に、本発明はフックワイパーアームに分離可能に連結する連結ユニットを備えたフラットワイパーブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、ウインドシールド(wind shield)の表面を清掃したり拭いたりするためのウインドシールドワイパー装置が設けられる。ウインドシールドワイパー装置はワイパーモータと、ワイパーアームと、ワイパーブレードを備える。ワイパーアームは基端でワイパーモータの回転軸に連結しワイパーモータにより往復回動する。ワイパーブレードはワイパーアームの末端に分離可能に結合し、ワイパーアームによってウインドシールドの表面に位置する。ワイパーブレードはワイパーアームの往復回動によってウインドシールドの表面をスライドしながらウインドシールドの表面を拭く。
【0003】
ワイパーブレードは、細長いワイパーストリップと、ワイパーストリップをその長手方向において保持し支持するフレームを備える。ワイパーストリップはウインドシールドの表面に接触して置かれるようになる。フレームはメインヨークとメインヨークに連接する複数のサブヨークとを備える組立体からなる。このようなフレームを有するワイパーブレードは当該分野において「コンベンショナルワイパーブレード」として知られている。最近、フレームとして、所定の曲率で湾曲し細長いバー形状の一つのフレームを用いるワイパーブレードが使用されている。このようなワイパーブレードは当該分野において「フラット(flat)ワイパーブレード」または「フラットバー(flat−bar)ワイパーブレード」として知られている。フラットワイパーブレードはコンベンショナルワイパーブレードに比べて高さが低く、コンベンショナルワイパーブレードよりも受ける空気抵抗が少ない。また、フラットワイパーブレードは均一の荷重でワイパーストリップをウインドシールドの表面に接触させることができる。
【0004】
フラットワイパーブレードは、フレームの中央部分に取り付けられた連結ユニットによりワイパーアームに連結することができ、ワイパーアームの末端部に分離可能に結合する。図1は、ワイパーアームの一例としてフック形状の末端部を備えた「フックワイパーアーム」を示す。フックワイパーアーム1は末端部の形状が単純であるため広く使用されている。フックワイパーアーム1とフラットワイパーブレードはこのようなフック形状を用いて互いに連結される。例えば、大韓民国公開特許公報第10−2005−0033046号はフックワイパーアームとフラットワイパーブレードとの連結例を開示する。この文献によれば、フラットワイパーブレードに取り付けられた連結ユニットがフックワイパーアームのフック部に掛かる方式でフラットワイパーブレードとフックワイパーアームが互いに連結される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術の連結ユニットはフラットワイパーブレードとフックワイパーアームとの間に安定的かつ確実な連結を達成するように構成されていない。また、ワイパーストリップが所定の許容限界以上に摩耗した場合、フラットワイパーブレードを適宜交換しなければならないが、従来技術の連結ユニットはフラットワイパーブレードをフックワイパーアームから容易に分離させるという面で満足できなかった。
【0006】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためのものであって、フラットワイパーブレードに設けられフラットワイパーブレードをフックワイパーアームに分離可能に連結する連結ユニットを提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、フラットワイパーブレードをフックワイパーアームに確実かつ簡単に連結する連結ユニットを備えており、また連結ユニットと係合するスポイラーを含むフラットワイパーブレードを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような目的及びその他の目的を達成するために、本発明の一側面によれば、直線部と前記直線部から延びる湾曲部とを末端に備えたワイパーアームにフラットワイパーブレードを分離可能に連結する連結ユニットが提供される。
【0009】
前記連結ユニットはブラケットと、アダプタと、カバーを含む。ブラケットはフラットワイパーブレードのフレームに固定されピボット軸を有する。アダプタは前記ブラケット上に前記ピボット軸により回動可能に装着され、前記直線部の少なくとも一部を支持して前記湾曲部を収容するように形成される。カバーは前記アダプタに前記直線部の長手方向において回動可能に取り付けられる。アダプタは、アダプタと直線部の少なくとも一部との間の直線部の幅方向における固定のための第1固定要素と、アダプタと湾曲部との間の直線部の長手方向における固定のための第2固定要素と、カバーとアダプタとの間の分離可能な固定のための第1ロッキング要素とを備える。カバーは、第2固定要素に対応する第3固定要素と第1ロッキング要素に対応する第2ロッキング要素とを備える。第1ロッキング要素と第2ロッキング要素が係合すると、第3固定要素が湾曲部の少なくとも一部を直線部の長手方向において第2固定要素に対して固定する。
【0010】
本発明の実施形態において、前記第2固定要素は前記湾曲部の少なくとも一部が安着する安着曲面を含み、前記第3固定要素は前記湾曲部の少なくとも一部に対面する固定曲面を含む。前記カバーが前記アダプタに固定されると、前記安着曲面と前記固定曲面が互いに固定される。
【0011】
前記第1ロッキング要素は前端に第1係止面を有するラッチを含み、前記第2ロッキング要素は前記第1係止面と係止する前記カバーの縁を含む。前記ラッチは前記カバーとの接触により弾性的に撓んで前記カバーの縁にスナップ結合する。
【0012】
本発明の実施形態において、前記第1固定要素は、前記直線部の少なくとも一部が安着する安着平面と前記直線部の少なくとも一部に接触する一対の段差部とを含む。前記安着平面は前記直線部の長手方向に延び、前記段差部は前記安着平面から前記直線部の幅方向に延びる。
【0013】
また、本発明の実施形態において、前記アダプタは内面で前記ピボット軸と嵌合する一対の側壁部と前記側壁部を連結する連結部とを備える。
【0014】
この場合、前記第2固定要素は前記連結部の前端に形成され前記湾曲部の少なくとも一部が安着する安着曲面を含み、前記第3固定要素は前記カバーの内側から突出し前記湾曲部の少なくとも一部に対面する固定曲面を含む。また、前記第1ロッキング要素は、第1係止面を有し前記側壁部から延びて可撓性を有するラッチを含み、前記第2ロッキング要素は前記カバーの縁に形成され前記第1係止面と係止する第2係止面を有するロッキングノッチを含む。前記第1係止面と前記第2係止面が係止すると、前記固定曲面が前記湾曲部の少なくとも一部を前記直線部の長手方向において前記安着曲面に対して固定する。
【0015】
前記ラッチは前記側壁部の下部の一部が切欠されて形成され、前記ラッチの下端が前記側壁部の下端の一部を形成する。
【0016】
また、前記ラッチは前記第1係止面に接する接触面を備え、前記ロッキングノッチは前記第2係止面に接する押圧面を備える。前記カバーが前記アダプタに回動するとき、前記押圧面は前記接触面と接触する。
【0017】
前記ロッキングノッチは第2ストッパー面を備え、前記側壁部は前記第2ストッパー面と相補的に接触する第1ストッパー面を備える。
【0018】
前記側壁部は各内面に前記ピボット軸の両端が支持されるシャフトホルダーを備え、前記連結部は前記ピボット軸が受容されるリセスを備える。
【0019】
前記第1固定要素は、前記連結部に形成され前記直線部の長手方向に延びる安着平面と、前記安着平面と前記側壁部の上端との間に形成される一対の段差部とを含む。前記直線部の少なくとも一部は前記段差部の間で前記安着平面上に安着する。
【0020】
本発明の実施形態において、前記フレームは対向する縁に一対のノッチを有し、前記ブラケットは下側の対向する縁のそれぞれに一対の保持爪と係止突起とを備える。前記フレームの縁部は前記保持爪上に位置し、前記ノッチと前記係止突起は係合する。
【0021】
もう1つの側面はフックワイパーアームに適用可能なフラットワイパーブレードに関するものである。例示的実施形態において、フラットワイパーブレードは、ワイパーストリップと、前記ワイパーストリップを保持し支持するフレームと、前記フレームに嵌合により結合する第1および第2スポイラーと、前記第1および第2スポイラーの間で前記フレームに結合する前述した連結ユニットとを含む。前記第1スポイラーと前記連結ユニットのブラケットは係合し、前記第2スポイラーと前記ブラケットは係合する。
【発明の効果】
【0022】
実施形態の連結ユニットによれば、アダプタとフック状結合要素はフック状結合要素の幅方向及び長手方向の両方において固定される。また、アダプタとフック状結合要素はフック状結合要素の長手方向において分離可能にロッキングされる。従って、連結ユニットはアダプタとフック状結合要素との間に確固かつ分離が容易な連結構造を提供する。また、実施形態によるフラットワイパーブレードはスポイラーと連結ユニットとが係合するのでスポイラーが一体化した構造を有する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ワイパーアームとフック状結合要素を示す斜視図である。
図2】実施形態によるフラットワイパーブレードを示す斜視図である。
図3図2のフラットワイパーブレードを示す分解斜視図である。
図4】第1スポイラーの斜視図である。
図5】第1スポイラーの基端側端面図である。
図6図5のA部分の拡大図である。
図7】第2スポイラーの斜視図である。
図8】第2スポイラーの基端側端面図である。
図9図8のB部分の拡大図である。
図10】ブラケットの上方斜視図である。
図11】ブラケットの下方斜視図である。
図12】ブラケットの背面図である。
図13】ブラケットの縦断面である。
図14】ブラケットと第1および第2スポイラーとの結合を示す斜視図である。
図15】ブラケットと第1および第2スポイラーとの結合状態を示す断面図である。
図16】アダプタとカバーの上方斜視図である。
図17】アダプタとカバーの下方斜視図である。
図18】アダプタの平面図である。
図19】アダプタの右側面図である。
図20図18の20−20線に沿った断面図である。
図21】アダプタの背面図である。
図22図18の22−22線に沿った断面図である。
図23】カバーの右側面図である。
図24】カバーの下方斜視図である。
図25】ブラケット、アダプタ及びカバーからなる組立体を示す斜視図である。
図26】連結ユニットを用いたフラットワイパーブレードとワイパーアームとの例示的連結を示す。
図27】連結ユニットを用いたフラットワイパーブレードとワイパーアームとの例示的連結を示す。
図28】連結ユニットを用いたフラットワイパーブレードとワイパーアームとの例示的連結を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付の図面を参照して、フラットワイパーブレードの実施形態とフラットワイパーブレードをフックワイパーアームに連結するための連結ユニットの実施形態をより詳しく説明する。図面において同一の符号は同一の要素または部品を指示する。
【0025】
本明細書で用いられる「上」、「上方」などの方向指示語は、図面においてフレームバーに対してブラケットが置かれた配向を基準としており、「下」、「下方」等の方向指示語はその反対方向を意味する。添付の図面に示すフラットワイパーブレードは異なるように配向してもよく(例えば180度回転したり、他の配向に回転)、前記方向指示語はそれに合せて解釈され得る。また、本明細書で用いられる「前方」、「前」などの方向指示語は、ワイパーアームの長手方向においてワイパーアームから遠ざかる方向を表し、「後方」、「後」などの方向指示語はその反対方向を表す。
【0026】
実施形態によるフラットワイパーブレードはフック状の結合要素を末端に備えたワイパーアームに適用されるように構成されている。図1を参照して、実施形態によるフラットワイパーブレードが適用されるワイパーアーム及びそのフック状結合要素についてまず説明する。
【0027】
ワイパーアーム1は基端でワイパーモータの回転軸に連結され、末端にフック結合要素10を有する。フック結合要素10は、直線部11と、直線部11から延びておおよそ半円状に湾曲した湾曲部12と、湾曲部12から直線部11に平行に後方に延びる延長部13を有する。湾曲部12は半円形状の外側の外面12aと半円形状の内側の内面12bとを有する。実施形態によるフラットワイパーブレードはフック結合要素10に適合するように構成されたアダプタを備える。実施形態によるフラットワイパーブレードは、アダプタとフック結合要素10との幅方向における固定及び長手方向における固定によりワイパーアーム1に連結される。
【0028】
図2及び図3を参照すると、例示的一実施形態において、フラットワイパーブレード100は、ワイパーストリップ110と、ワイパーストリップを保持し支持する一つの細長いフレーム(フレームバー120)と、フレームバー120に設けられワイパーストリップ110およびフレームバー120の組立体をワイパーアーム1に分離可能に連結する連結ユニット200とを備える。一実施形態において、連結ユニット200はフレームバー120に固定されるブラケット210と、ブラケット210に回動可能に装着されるアダプタ220と、ブラケット210に取り付けられるカバー230とを備える。
【0029】
ワイパーストリップ110は、例えばゴムまたはエラストマー 材料からなってもよい。ワイパーストリップ110は、上端に長手方向に延びフレームバー120上に置かれるヘッド部111と、下端に長手方向に延びウインドシールドの表面に接触するワイパーリップ112とを有する。ワイパーストリップ110は、ヘッド部111の下にフレームバー120との結合のための一対の溝113を有する。溝113はワイパーストリップ110の長手方向に沿って延びている。
【0030】
フレームバー120は、フラットワイパーブレード100のフレームとして機能する。フレームバー120はワイパーストリップ110をその長手方向に沿って固定し支持する。フレームバー120は細長いバーの形状を有する。フレームバー120は金属またはプラスチック材料からなってもよい。フレームバー120は図3に示すように所定の曲率で湾曲してもよい。他の例として、フレームバーは湾曲無しに形成されてもよい。
【0031】
フレームバー120は、その長手方向に沿って形成されたスロット121を有する。スロット121はフレームバー120の前端付近から後端付近まで延びる。フレームバー120はスロット121を中心に第1半部122aと第2半部122bを有する。スロット121の一端には三角形の挿入口121aが形成されている。フレームバー120にその長手方向の中心線に沿ってスロット121が形成されているので、フレームバー120の長手方向における両側縁にフレームバーの内側に力を加えると、フレームバー120の各半部122a、122bが内側に屈曲し得る。また、フレームバー120は中央部分の各縁部にノッチ123を有する。ノッチ123は各半部122a、122bの外側縁から内側に窪んでいる。ノッチ123は連結ユニット200のブラケット210との係止に関与する。ワイパーストリップ110は、その一端を挿入口121aに挿入し、フレームバー120のスロット121に沿って嵌合することによりフレームバー120に固定されてもよい。すなわち、ヘッド部111の一端を挿入口121aに挿入し、溝113の間の部分をスロット121内に嵌合してワイパーストリップ110がフレームバー120に結合することができる。ワイパーストリップ110がフレームバー120に結合すると、フレームバー120の上面にはワイパーストリップ110のヘッド部111が突出する。
【0032】
また、この実施形態において、フラットワイパーブレード100は、ブラケット210の前方および後方においてフレームバー120にそれぞれ結合する第1スポイラー130および第2スポイラー140を有する。第1および第2スポイラー130、140は、フレームバー120がフレームバーの長手方向に沿ってスポイラーに嵌合されフレームバー120に固定される。また、第1および第2スポイラー130、140は連結ユニット200のブラケット210に係合により固定される。第1および第2スポイラー130、140は車両の走行時にフラットワイパーブレード100にぶつかる風または気流に反作用してフラットワイパーブレード100が浮上するのを防ぐ反力を生成する。
【0033】
第1および第2スポイラー130、140はゴム材料からなってもよい。第1および第2スポイラー130、140は連結ユニット200のブラケット210に固定される部分を除いては対称となる形状を有する。
【0034】
図4図9に示すように、第1および第2スポイラー130、140は対称形状のベーン部131、141を有する。ベーン部131、141は各スポイラー130、140の基端(ブラケット210に面する端部)付近から末端まで長く延びる。ベーン部131、141は風または気流が入ってくる側にベーン部の内側に窪む凹面131a、141aを有する。凹面131a、141aはベーン部131、141の幅方向および長手方向において窪んでいる。凹面131a、141aはベーン部131、141に沿ってスポイラー130、140の基端付近から末端まで延びる。凹面131a、141aがベーン部の内側に窪んでいるため、車両の走行時にベーン部131、141に入ってくる風または気流への反作用からの反力を増加させ浮き上がり防止の効果を増大させる。また、ベーン部131、141は凹面131a、141aの側方向における縁(前縁(leading edge))に位置し、風または気流への反作用を増大させるための複数の凹溝131b、131c、131d、141b、141c、141dを有する。凹溝131b、131c、131d、141b、141c、141dはベーン部の前縁に沿って等間隔または所定の間隔で配列されている。ベーン部は、前述したプロファイルとは異なるプロファイルを有してもよい。例えば、ベーン部は円弧状のように流線型に湾曲した横断面を有してもよく、このような横断面は各スポイラーの基端から末端へ行くほど縮小してもよい。
【0035】
第1および第2スポイラー130、140は、フレームバー120の各半部122a、122bが挿入され嵌められる一対の嵌合溝132、142を有する。嵌合溝132、142は各スポイラーの基端から末端まで長手方向に沿ってベーン部131、141の下で延びる。この実施形態において、第1および第2スポイラー130、140は、スポイラーの下端の両側縁に沿って延び、フック形状の断面形状を有しフレームバー120との嵌合のための一対のホルダー133、143を有する。嵌合溝132、142は、ホルダー133、143のスポイラーの内側を向く側に形成されている。また、第1および第2スポイラーは嵌合溝132、142の最内側にラウンド溝、チャンファリング溝または収容溝134、144を有する。収容溝134、144は嵌合溝132、142に沿って延びフレームバー120の幅方向の縁部を収容する。収容溝134、144は円形または楕円形の横断面を有する。収容溝134、144の幅または直径は嵌合溝132、142の幅(嵌合溝の上面と下面との間の距離)より大きい。収容溝134、144の丸い内面とフレームバー120の縁の直角の角が接触するので、嵌合溝132、142に応力または力の集中点または集中部位がなくなり、第1および第2スポイラー130、140の耐久性が向上する。また、第1および第2スポイラー130、140は、嵌合溝132、142の下面上に突出していて嵌合溝132、142に沿って延びる加圧リッジ135、145を有する。加圧リッジ135、145により嵌合溝132、142は様々な厚さのフレームバーを収容することができる。また、加圧リッジ135、145により、フレームバー120は嵌合溝132、142に密着することができる。
【0036】
フラットワイパーブレード100のブラケット210と第1および第2スポイラー130、140は相互固定のための要素を有する。前記要素は相補的に係合する第1および第2要素で構成されてもよく、第1要素はブラケット210に配置され第2要素は第1および第2スポイラー130、140にそれぞれ配置される。この実施形態において、前記第2要素は第1スポイラー130の基端に形成されているラッチング爪136と第2スポイラー140の基端に形成されている一対のラッチング溝146とを含む。
【0037】
図2および図3を再度参照すると、前述したように、連結ユニット200はワイパーストリップ110とフレームバー120とからなる組立体(または、ワイパーストリップ110、フレームバー120と、第1および第2スポイラー130、140からなる組立体)をワイパーアーム1に分離可能に連結するように構成されている。連結ユニット200は、フレームバー120に固定されるブラケット210と、ブラケット210に回動可能に装着されるアダプタ220と、アダプタ220に回動可能に取り付けられアダプタとワイパーアームとのロッキングに関与するカバー230とを備える。
【0038】
図10図13を参照してブラケット210について説明する。ブラケット210は、アダプタ220が装着される土台として作用し、ワイパーアームの動作時にフレームバー120を保持するように機能する。ブラケット210はフレームバー120の中間に配置され、例えば、ブラケット210の一部がフレームバー120の縁部に係止し、フレームバー120の縁部分を掴むような形でフレームバー120と結合する。
【0039】
ブラケット210は、フレームバー120をその幅方向において十分に覆うように形成されたホルダー211と、ホルダー211上に垂直に形成された一対の支持壁部212a、212bと、支持壁部212a、212bの上端に位置し、一部が上端の上に突出するピボット軸213とを有する。
【0040】
ホルダー211はおおよそフォーク形状の横断面を有し、フレームバー120の上側に置かれるベース部211aとベース部211aの両側から下側に延びる一対のレッグ部211bとを有する。レッグ部211b間の距離はフレームバー120の幅と同じかそれより若干小さい。ベース部211aとレッグ部211bとが限定する空間211c内にフレームバー120が位置する。ベース部211aの下面には長手方向にリセスまたは溝211dが延びている。溝211dは、フレームバー120の上に出てくるワイパーストリップ110のヘッド部111を収容するように機能する。ブラケット210は、各レッグ部211bの下端から空間211cに突出する係止突起211eを有する。係止突起211eはフレームバー120に形成されたノッチ123に対応する形状を有する。また、ホルダー211は、各レッグ部211bの下側縁に係止突起211eを間に挟んで配置され、レッグ部211bから空間211cに突出する保持爪211fを有する。保持爪211fの上面上にフレームバー120の縁部が位置する。保持爪211fは係止突起211eを向いている側面がその反対側の側面よりも高い。フレームバー120とブラケット210を互いに組み立てるとき、フレームバー120の各半部122a、122bを近接させた状態でフレームバー120の一側のノッチ123をまず係止突起211eに係止し、ノッチ123の近傍部分を保持爪211fとベース部211aとの間に押込む。その後、フレームバー120の他側の半部を空間211cに完全に押し込みフレームバー120の各半部に加えられた力を除去すれば、フレームバー120の弾性によって各半部が元の状態に戻りながらフレームバー120が空間211c内に完全に位置する。フレームバー120とブラケット210が組み立てられると、ブラケット210の係止突起211eとノッチ123とは互いに係止しているため、フレームバー120とブラケット210はフレームバー120の長手方向において固定される。また、フレームバー120とブラケット210が組み立てられると、フレームバー120の各半部122a、122bは保持爪211fの上面とベース部211aの下面との間に若干の遊びまたは間隙を介して位置する。従って、フレームバー120とブラケット210はフレームバー120の長手方向に垂直な方向で固定される。
【0041】
支持壁部212a、212bは、ホルダー211のベース部211a上に互いに平行に形成されている。支持壁部212a、212b間の距離はベース部211aの幅よりも小さい。また、支持壁部212a、212bはその後縁がホルダー211の後縁とつながっており、その前縁はホルダー211の前縁とつながっていない。すなわち、ブラケット210を側面からみると、ホルダー211および支持壁部212a、212bの後縁は直線であるが、支持壁部212a、212bの前縁はホルダー211の前縁から後方に離隔して位置する。従って、ブラケット210はその前方部分が後方部分より低くなるように構成され、アダプタ220の前方部分の回動範囲を増大させる。また、支持壁部212a、212bの後端部には連結部212cが形成されている。連結部212cは屈曲している。
【0042】
ピボット軸213は支持壁部212a、212bの上部でフレームバー120の長手方向に実質的に直交する方向に延びる。ピボット軸213の両端部213aは支持壁部212a、212bの外側に若干突出している。また、ピボット軸213はその両端部213aにアダプタ220が容易に装着されるように傾斜面213bを有する。ピボット軸213がアダプタ220に嵌合または係合し、アダプタ220とブラケット210を結合させる。ピボット軸213はワイパーアーム1に対するフラットワイパーブレード100の回動の中心として作用する。
【0043】
この実施形態において、ブラケット210は、第1および第2スポイラー130、140をブラケット210に固定するための前記第1要素としてスロットと係止リブを有する。詳細には、ブラケット210は支持壁部212a、212bが形成されていないベース部211aの前端部付近にスロット214を有する。スロット214は、フレームバー120の長手方向に直交する方向に延びている。スロット214に隣接するようにベース部211aの前端には係止突起211gが形成されている。また、ブラケット210は後端部において連結部212c内に一対の係止リブ215を有する。
【0044】
図15に示すように、ブラケット210と第1および第2スポイラー130、140が互いに結合しているとき、スロット214と係止リブ215はそれぞれ第1スポイラー130のラッチング爪136と第2スポイラー140の一対のラッチング溝146に係止する。図14に示すように、第1スポイラー130の嵌合溝132にフレームバー120を嵌め込む。そうすると、第1スポイラー130の基端がブラケット210の前端に当接する。第1スポイラー130をブラケット210側にさらに押し込むと、ラッチング爪136がスロット214に嵌まるか、係合して第1スポイラー130とブラケット210が互いに固定される。また、第2スポイラー140の嵌合溝142にフレームバー120を嵌め込む。そうすると、第2スポイラー140の基端がブラケット210の後端に当接する。第2スポイラー140をブラケット210側にさらに押し込むと、係止リブ215がラッチング溝146に嵌るか、係合して第2スポイラー140とブラケット210が互いに固定される。
【0045】
図16図25を参照して、アダプタ220とカバー230について説明する。
【0046】
アダプタ220はブラケット210にピボット軸213により回動可能に装着される。アダプタ220は直線部11の少なくとも一部または全部を支持し、湾曲部12をその中に収容するように形成されている。アダプタ220は一対の側壁部221a、221bと、側壁部221a、221bを互いに連結している第1及び第2連結部222、223とを備える。側壁部221a、221bの間にピボット軸213を含むブラケット210の一部が位置する。
【0047】
各側壁部221a、221bには、ピボット軸213の両端部213aがそれぞれ嵌合または係合するU字状のシャフトホルダー224a、224bが内側に突出している。側壁部221a、221bの内面間の距離はブラケット210の支持壁部212a、212bの外面間の距離よりも若干大きい。また、側壁部221a、221bの内面間の距離はフック結合要素10の湾曲部12の幅方向の距離(幅)を収容するように設定されている。側壁部221a、221bは3段に拡大する外面を有する。
【0048】
第1連結部222は、側壁部221a、221bの間で側壁部221a、221bの後端からおおよそ中央部分まで延びている。第1連結部222の上面は平らで、フック結合要素10の直線部11の長手方向に延びている。第1連結部222の上面はフック結合要素10の直線部11の少なくとも一部が安着する安着平面222aとして機能する。安着平面222aは側壁部221a、221bの上縁と比べて若干の角度で下側に傾斜している。従って、安着平面222aと側壁部221a、221bの上縁との間には段差部228a、228bが形成される。段差部228a、228bは直線部11の幅方向に安着平面222aから延びる。段差部228a、228bによってフック結合要素10の直線部11が正確に安着平面222a上に位置することができる。また、段差部228a、228bは直線部11と側方で接触して、ワイパーアーム1の往復回動時に回動方向に従う力を受ける。安着平面222aから延びる第1連結部222の前方面は湾曲部12の内面12bがその上に安着するように丸くなっており、湾曲部12の固定のための安着曲面222bを形成する。第1連結部222は下面にシャフトホルダー224と協力してピボット軸213との結合に関与するリセス222cを有する。リセス222cは、シャフトホルダー224a、224bにピボット軸213の両端部213aが結合するときピボット軸213の上部がその中に受容されるように窪んでいる。第1連結部222は後方に挿入部222dを有する。挿入部222dは側壁部221a、221bと隙間を介して向き合う。また、アダプタ220は挿入部222dに向き合うリブまたは突起229aを有する。突起229aは側壁部221a、221bの後方内面から突出する。突起229aと挿入部222dは互いに離隔され支持壁部212a、212bをその間に収容する。アダプタ220がブラケット210に装着されると、挿入部222dはピボット軸213の後方で支持壁部212a、212bの間に位置し、突起229aは支持壁部212a、212bと若干の隙間を介して向き合う。よって、アダプタ220がピボット軸213の軸線に対して横方向に揺動することを抑制できる。
【0049】
アダプタ220がブラケット210に装着されると、ピボット軸213はその両端部の傾斜面213bにおいてシャフトホルダー224a、224bの下端と接触するようになる。続いて、アダプタ220をブラケット210に押し当てると、側壁部221a、221bが外側に弾性的に湾曲する。ピボット軸213の両端部213aがシャフトホルダー224a、224bの窪んだ面上に完全に位置すると、側壁部221a、221bが弾性的に戻ることによって、ピボット軸213の両端部213aがシャフトホルダー224a、224b内に収容される。または、ピボット軸213の一端をリセス222cに沿って一側のシャフトホルダー224a、224bのうちの一方に嵌め込み、ピボット軸213の他端を他方のシャフトホルダー224a、224bにスナップ結合させて、アダプタ220がブラケット210に装着されてもよい。
【0050】
アダプタ220がブラケット210に完全に装着されると、ピボット軸213の両端部213aはシャフトホルダー224a、224bの窪んだ面上に置かれ、ピボット軸213の上部はリセス222cと若干の遊びや間隙を介して位置する。このように、ピボット軸213の両端部213aがシャフトホルダー224a、224bによって支持されたままアダプタ220とブラケット210が組み立てられるため、アダプタ220はブラケット210に対してピボット軸213を中心に所定の角度範囲内で時計方向または反時計方向に回動可能である。従って、ワイパーアーム1によってフラットワイパーブレード100がウインドシールドの表面上で移動するとき、フラットワイパーブレード100はウインドシールド表面の曲率に順応しながらウインドシールドの表面に密着して置かれることができる。
【0051】
第2連結部223は側壁部221a、221bの前端に位置する。第2連結部223付近の各側壁部221a、221bにカバー230を回動可能に取り付けるための嵌合孔225a、225bが形成されている。
【0052】
カバー230は、アダプタ220にアダプタ220の長手方向(すなわち、直線部11の長手方向)において回動可能に取り付けられる。カバー230はアダプタ220と湾曲部12との固定作用に関与し、ワイパーアーム1の湾曲部12及びアダプタ220の一部を覆い隠すように機能する。カバー230はおおよそ逆U字状の断面を有し、上板231cと一対の側板231a、231bを有する。カバー230がアダプタ220に固定されると、上板231cは側壁部221a、221bの上部に置かれ、側板231a、231bは側壁部221a、221bとそれぞれ対面する。カバー230の一端部、すなわち側板231a、231bの前端には、カバー230をアダプタ220に回動可能に取り付ける嵌合ピン232がカバー230の内側に突出している。嵌合ピン232はアダプタ220の第2連結部223付近に形成された嵌合孔225a、225bにそれぞれ嵌合される。嵌合を容易にするために、嵌合ピン232の下側に傾斜面が形成されている。嵌合ピン232を側壁部221a、221bの前端に接触させ、カバーをアダプタ220側に押すと、カバー230はアダプタ220に容易に取り付けられる。
【0053】
連結ユニット200はアダプタ220とフック結合要素10を分離可能に連結するように構成されている。連結ユニット200は、アダプタ220とフック結合要素10との間のフック結合要素10の幅方向における固定のための第1固定装置と、アダプタ220とフック結合要素10との間のフック結合要素10の長手方向における固定のための第2固定装置と、カバー230をアダプタ220に分離可能に固定して前記第2固定装置をロッキングするカバー固定装置とを含む。前記第1固定装置はアダプタ220に設けられる第1固定要素を含む。前記第2固定装置はアダプタ220に設けられる第2固定要素とカバー230に設けられる第3固定要素とを含み、前記第2及び第3固定要素は相補的に、かつ相互対応するように形成される。前記カバー固定装置はアダプタ220に設けられる第1ロッキング要素と、カバー230に設けられ前記第1ロッキング要素に対応し第1ロッキング要素と結合する第2ロッキング要素とを含む。
【0054】
詳しくは、前記第1固定要素によって、アダプタ220とフック結合要素10の直線部11の少なくとも一部とは直線部11の幅方向において固定される。前記第1固定要素は、直線部11の少なくとも一部が安着する安着平面と、安着平面から延びる一対の段差部とを含んでもよい。前記安着平面はアダプタ220から直線部11の長手方向に延びる。前記段差部はアダプタ220から直線部11の幅方向に延びる。
【0055】
この実施形態において、前記第1固定要素は、第1連結部222の上面を形成する安着平面222aと、側壁部221a、221bと第1連結部222の安着平面222aとの間に形成される段差部228a、228bを含む。前述したように、アダプタ220とフック結合要素10の連結時、直線部11の少なくとも一部(湾曲部12の後方に位置する直線部11の部分)が第1連結部222の安着平面222a上に段差部228a、228bによって挟持されたまま安着するので、アダプタ220とフック結合要素10は横方向における変位(直線部11の幅方向における変位)を防ぐことができる。
【0056】
他の実施形態において、前記段差部はその深さが側壁部221a、221bの上縁から一定である。他の実施形態において、前記段差部は安着平面222aの両側縁部に沿って断続的に配置される。
【0057】
前記第2及び第3固定要素によって、フック結合要素10の湾曲部12とアダプタ220とは直線部11の長手方向において固定される。前記第2固定要素は湾曲部12の少なくとも一部が安着する安着曲面を含んでもよく、前記第3固定要素は前記安着曲面と協力して湾曲部12を固定する固定曲面を含でんでもよい。前記固定曲面はカバー230がアダプタ220にロッキングされると、湾曲部12の外面12aに若干の隙間を介して対面するように位置する。前記安着曲面と固定曲面は湾曲部12の曲率に対応する曲率で湾曲している。
【0058】
この実施形態において、前記第2固定要素は側壁部221a、221bの間で第1連結部222の前面を形成する安着曲面222bを含む。また、前記第3固定要素はカバー230に形成された固定曲面223aを含む。固定曲面233aはカバー230の上板231cの内面から後方へ突出して位置する。固定曲面233aは、カバー230がアダプタ220に固定されると、外面12aに接触するかまたは外面12aと若干の隙間を介して対面するように位置する。固定曲面233aは上板231cの内面から突出した爪部233の後端に形成されている。カバー230がアダプタ220に固定されると、爪部233は側壁部221a、221bの間に位置し、固定曲面233aは湾曲部12の外面12aに若干の隙間を介して対面するか接触する。従って、固定曲面233aが安着曲面222b上に安着した湾曲部12の一部を安着曲面222bに対して直線部11の長手方向において固定して、アダプタ220と湾曲部12との間の長手方向における変位を防ぐことができる。
【0059】
前記カバー固定装置は、カバー230をアダプタ220に分離可能に固定して前記第2固定要素(安着曲面222b)と前記第3固定要素(固定曲面233a)をロッキングする。前記カバー固定装置は、前記第2固定要素と前記第3固定要素が互いから変位したり離脱しないようにカバー230をアダプタ220に固定する。
【0060】
前記カバー固定装置の第1ロッキング要素及び第2ロッキング要素は相補的に係合するように形成される。また、前記第1ロッキング要素及び第2ロッキング要素はスナップ結合または弾性的に係合するように形成される。前記第2ロッキング要素はカバー230の後縁を含んでもよく、前記第1ロッキング要素はアダプタ220に形成され前記後縁と弾性的に係合する要素を含んでもよい。前記アダプタの係合要素は、アダプタ220の内外側に弾性的に撓んだり湾曲することができ、前端または先端で前記第2ロッキング要素と係止するラッチを備えることができる。前記カバー固定装置は、カバー230がアダプタ220に回動するとき、前記第1ロッキング要素と第2ロッキング要素との係止によりカバー230をアダプタ220に固定する。
【0061】
この実施形態において、前記第2ロッキング要素はカバー230の各側板231a、231bの後縁に形成されたロッキングノッチ234を備える。ロッキングノッチ234はアダプタ220に向かって窪んだV字状を有する。ロッキングノッチ234は第2係止面234bと押圧面234cを有する。第2係止面234bはロッキングノッチ234の下部に位置する。押圧面234cは第2係止面234bに接して側板231a、231bの下端に位置する。押圧面234cは側板231a、231bの外側に傾斜している。ロッキングノッチ234はカバー230の固定位置を規制する第2ストッパー面234aを有する。第2ストッパー面234aはロッキングノッチ234の上部に位置し第2係止面234bよりも長い。
【0062】
この実施形態において、前記第1ロッキング要素は各側壁部221a、221bから延び可撓性を有するラッチ226を備える。ラッチ226はカバー230がアダプタ220に回動するとき、その前端でカバー230の縁、すなわちロッキングノッチ234とスナップ結合または弾性係合する。
【0063】
また、各側壁部221a、221bはカバー230の縁が当接する段差部227を備える。段差部227にはロッキングノッチ234の第2ストッパー面234aが当接または安着する。段差部227はカバー230の固定位置を規制する。段差部227は各側壁部221a、221bの外面に形成されている。段差部227の前端面はロッキングノッチ234の上部の形状に相補的に対応する。段差部227は第1ストッパー面227aと凹面227bを有する。第1ストッパー面227aはロッキングノッチ234の第2ストッパー面234aが第1ストッパー面227aに安着するように第2ストッパー面234aと同一の傾きで傾斜している。段差部227の凹面227bは、カバー230の側板231a、231bにおいてロッキングノッチ234の第2係止面234bが位置するカバー230の下端部231dの通過を許容する。凹面227bは第1ストッパー面227aの前端から窪んでいる。
【0064】
ラッチ226は側壁部221a、221bの内側に弾性的に撓んだり湾曲したりすることができるラッチアーム226aを有する。側壁部221a、221bの下部の一部が段差部227からおおよそ水平に切欠されラッチアーム226aを形成する。従って、ラッチ226の下端が側壁部221a、221bの下端の一部を形成する。ラッチアーム226aは各側壁部221a、221bの後端部から前方に延びている。ラッチ226の前端は段差部227の第1ストッパー面227aの厚さ程度の厚さを有する。また、ラッチ226は前端に第1係止面226bと接触面226cを有する。第1係止面226bはロッキングノッチの第2係止面234bと係止する。接触面226cはロッキングノッチの押圧面234cと接触する。第1係止面226bはロッキングノッチの第2係止面234bと同一の角度に傾斜している。接触面226cは第1係止面226bからつながってラッチアーム226aの外面上に形成されている。接触面226cは段差部227の凹面227bに向かう側に位置し、側壁部221a、221bの内側に傾斜している。
【0065】
カバー230をアダプタ220に回動させると、ロッキングノッチの第2係止面234bが形成された下端部231dが段差部227の凹面227bを通過し、ロッキングノッチの押圧面234cが接触面226cと当接する。カバー230を引続きアダプタ220に回動させることによって、下端部231dが接触面226cを押すようになり、ラッチ226は押圧面234cと接触面226cに加えられる力の反作用で側壁部221a、221bの内側に撓んだり湾曲したりする。下端部231dが接触面226cとラッチ226の前端とを通過すると、ラッチ226が戻りながらラッチ226の第1係止面226b(すなわち、ラッチ226の前端面)がロッキングノッチ234の第2係止面234bと係止する。この状態で、ロッキングノッチ234の第2ストッパー面234aは段差部227の第1ストッパー面227aと接触している。
【0066】
他の実施形態において、前記ラッチは側壁部221a、221bの外面から突出して前方へ延びてもよい。また、前記ロッキングノッチの押圧面はカバー230の側板の外面に外側に傾斜してもよく、前記ラッチの接触面は側壁部221a、221bの外側に傾斜してもよい。この場合、前記ラッチはカバー230との係合時に側壁部221a、221bの外側に撓んでもよい。また、他の実施形態において、前記ロッキングノッチは第2ストッパー面を備えなくてもよく、側壁部221a、221bは第1ストッパー面を備えなくてもよい。
【0067】
また、この実施形態において、カバー230は各側板231a、231bの内面から突出する複数のリブまたは突起235を有する。突起235はカバー230がアダプタ220に固定されるとき、各側壁部221a、221bの外面と若干の隙間を介して対面する。従って、カバー230がアダプタ220に固定されるとき、カバー230の横方向の揺動を防ぐことができる。
【0068】
図26図28は実施形態によるフラットワイパーブレード100とワイパーアーム1との連結例を示す。
【0069】
図26に示すように、カバー230がアダプタ220から上方に回転した状態で、フック結合要素10の延長部13をアダプタ220の側壁部221a、221bの間を通じて側壁部221a、221bの前方部分から第1連結部222の下側に挿入する。
【0070】
図27に示すように、挿入が完了すると、フック結合要素10の直線部11は段差部228a、228bの間で第1連結部222の安着平面222a上に安着し、湾曲部12の内面12bは第1連結部222の安着曲面222b上に安着して、延長部13はピボット軸213及び第1連結部222の下方に位置する。また、挿入が完了すると、直線部11は段差部228a、228bのうちのいずれか一方または双方により幅方向において支持されながら安着平面222a上に安着する。
【0071】
その後、カバー230をアダプタ220側に回動させてカバー230をアダプタ220に固定させる。図28に示すように、カバー230が完全に固定されると、カバー230のロッキングノッチ234の第2ストッパー面234aが段差部227の第1ストッパー面227aに接触しロッキングノッチ234の第2係止面234bがラッチ226の第1係止面226bと係止する。また、このとき、カバー230の固定曲面233aは湾曲部12の外面12aと接触するか若干の隙間を介して外面12aに対面する。湾曲部12は固定曲面233aによって安着曲面222bに対して固定される。このようにして、フラットワイパーブレード100は連結ユニット200を介してワイパーアーム1に連結される。
【0072】
フラットワイパーブレード100をワイパーアーム1から分離するときは、ラッチ226を側壁部221a、221bの内側に押しカバー230をアダプタ220から上方に回動させる。ラッチ226を側壁部221a、221bの内側に押すことによってアダプタ220の第1係止面226bとカバー230の第2係止面234bとの間の係止が解除される。カバー230を上方に 反らした状態で、アダプタ220をフック結合要素10からワイパーアーム1の長手方向に沿って取り出すことによってフラットワイパーブレード100がワイパーアーム1から分離される。
【0073】
以上、前述した実施形態により本発明を図示し説明したが、本発明はこれに限定されるわけではない。本発明の範囲を逸脱することなく様々な変形または変更が可能であることが本発明の属する分野で通常の知識を有する者にとって明白である。
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