特許第5675065号(P5675065)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5675065-状態情報を報告する方法および装置 図000012
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5675065
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】状態情報を報告する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20150205BHJP
【FI】
   H04W72/04 110
【請求項の数】9
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2009-149988(P2009-149988)
(22)【出願日】2009年6月24日
(65)【公開番号】特開2010-11456(P2010-11456A)
(43)【公開日】2010年1月14日
【審査請求日】2012年2月9日
(31)【優先権主張番号】08305333.0
(32)【優先日】2008年6月26日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501263810
【氏名又は名称】トムソン ライセンシング
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(72)【発明者】
【氏名】ジアン フェン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン リ
(72)【発明者】
【氏名】ユン タオ シー
(72)【発明者】
【氏名】ニン リアオ
【審査官】 阿部 圭子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/105471(WO,A1)
【文献】 国際公開第03/024048(WO,A2)
【文献】 特表2006−526313(JP,A)
【文献】 特開2004−040661(JP,A)
【文献】 特表2008−535409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャストまたはブロードキャスト・ネットワークにおいて受信器装置の状態情報を報告する方法であって、前記受信器装置の側で:
レイヤー化された符号化技法を使って通信チャネル上で少なくとも二つのレイヤーでエンコードされるサービスを前記少なくとも二つのレイヤーのサブセットを通じて受信する段階であって、各レイヤーはそのレイヤーを受信する資格を示す所定の閾値に対応し、前記少なくとも二つのレイヤーのうちより高いレイヤーの所定の閾値はより大きな値に対応する、段階と;
・前記少なくとも二つのレイヤーについての少なくとも二つの所定の閾値を有する前記サービスの受信条件情報を導出する段階と;
・チャネル品質パラメータを測定する段階と;
・チャネル品質パラメータが前記少なくとも二つの所定の閾値のうちの一つに達するまで増大する場合、前記サービスを、前記所定の閾値のうちの前記一つに対応するが前記少なくとも二つのレイヤーの前記サブセットに属さないより高いレイヤーをさらに含む前記少なくとも二つのレイヤーの修正されたサブセットを通じて受信し、チャネル品質パラメータが前記所定の閾値のうちの別のものを下回る場合、前記サービスを、前記所定の閾値のうちの前記別のものに対応するレイヤーを除いた前記少なくとも二つのレイヤーの別の修正されたサブセットを通じて受信し、前記少なくとも二つのレイヤーの前記サブセットへの変化を示す前記受信器装置の状態情報を送信する段階とを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記受信条件情報を導出する前記段階がさらに:前記受信条件情報を、MAC層における接続確立の際に前記受信器装置によって前記サービスを受信することを要求するメッセージに応答する応答メッセージから、導出することを含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも二つのレイヤーが、理解できる最小限の情報を含む基本レイヤーおよび前記サービスの全体的な品質を段階的に改善する追加的情報を含む少なくとも一つの向上レイヤーを含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項4】
向上レイヤーのデコードが前記基本レイヤーおよびその先行する向上レイヤーに依存し、前記少なくとも二つのレイヤーの前記サブセットは、達した所定の閾値に基づいて選ばれることを特徴とする、請求項記載の方法。
【請求項5】
前記チャネル品質パラメータは、チャネル条件を反映することができるパラメータまたは少なくとも二つのパラメータの組み合わせであることを特徴とする、請求項1ないしのうちいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
前記受信条件情報が、チャネル品質パラメータの閾値のフィールドおよびレイヤーを一意的に識別するレイヤー識別子のフィールドを含むことを特徴とする、請求項記載の方法。
【請求項7】
マルチキャストまたはブロードキャスト・ネットワークにおいて、レイヤー化された符号化技法を使って少なくとも二つのレイヤーにエンコードされているサービスを受信する間の状態情報を報告する受信器装置であって、各レイヤーはそのレイヤーを受信する資格を示す所定の閾値に対応し、前記少なくとも二つのレイヤーのうちより高いレイヤーの所定の閾値はより大きな値に対応し
・前記サービスの受信条件情報を提供するよう構成されている受信条件提供モジュールであって、前記受信条件情報は前記少なくとも二つのレイヤーについての少なくとも二つの所定の閾値を有する受信条件提供モジュールと;
・少なくとも二つのレイヤーでエンコードされたサービスが前記少なくとも二つのレイヤーのサブセットを通じて受信される下りリンク・チャネルのチャネル品質パラメータを測定するよう構成されているチャネル推定モジュールと;
・前記サービスを、前記少なくとも二つのレイヤーの修正されたサブセットを通じて受信するよう変更するときに、当該受信器装置の状態情報を送信するよう構成されているサービス管理モジュールとを有
チャネル品質パラメータが前記所定の閾値のうちの一つに達するまで増大する場合、当該受信器装置は、前記サービスを、前記所定の閾値のうちの前記一つに対応するが前記少なくとも二つのレイヤーの前記サブセットに属さないより高いレイヤーをさらに含む前記少なくとも二つのレイヤーの修正されたサブセットを通じて受信し、チャネル品質パラメータが前記所定の閾値のうちの別のものを下回る場合、当該受信器装置は、前記サービスを、前記所定の閾値のうちの前記別のものに対応するレイヤーを除いた前記少なくとも二つのレイヤーの別の修正されたサブセットを通じて受信する、
受信器装置。
【請求項8】
前記サービス管理モジュールがさらに、前記サービスの前記受信条件情報を、MAC層における接続確立の際に前記サービスを受信することを要求するメッセージに応答する応答メッセージから、導出し、前記受信条件情報を記憶媒体に記憶する機能を有することを特徴とする、請求項記載の受信器装置。
【請求項9】
ルチキャストまたはブロードキャスト・ネットワークにおける資源割り当てのための装置であって、前記ネットワークは少なくとも二つのサービスを含み、各サービスが通信チャネル上でレイヤー化された符号化技法を使って少なくとも二つのレイヤーにエンコードされ、各レイヤーはそのレイヤーを受信する資格を示す所定の閾値に対応し、前記少なくとも二つのレイヤーのうちより高いレイヤーの所定の閾値はより大きな値に対応し
・前記サービスの受信条件情報を提供するよう構成されている受信条件提供モジュールであって、前記受信条件情報は前記少なくとも二つのレイヤーの受信要件を示す少なくとも二つの所定の閾値を有する受信条件提供モジュールと;
それぞれサービスを該サービスのための前記少なくとも二つのレイヤーのサブセットを通じて受信している少なくとも一つの受信器装置から状態情報を受信するよう構成された第一のモジュールであって、ここで、前記少なくとも二つのレイヤーのサブセットの変化を示す前記状態情報は、前記サービスを、該サービスのための前記少なくとも二つのレイヤーの修正されたサブセットを通じて受信するよう変更するときに、前記受信器装置によって送信されるものであり、チャネル品質パラメータが前記所定の閾値のうちの一つに達するまで増大する場合、前記受信器装置は、前記サービスを、前記所定の閾値のうちの前記一つに対応するが前記少なくとも二つのレイヤーの前記サブセットに属さないより高いレイヤーをさらに含む前記少なくとも二つのレイヤーの修正されたサブセットを通じて受信し、チャネル品質パラメータが前記所定の閾値のうちの別のものを下回る場合、前記受信器装置は、前記サービスを、前記所定の閾値のうちの前記別のものに対応するレイヤーを除いた前記少なくとも二つのレイヤーの別の修正されたサブセットを通じて受信する、第一のモジュールと;
受信される少なくとも一つの受信器装置の状態情報の関数としてすべてのサービスの帯域幅資源割り当てを調節するよう構成されている第二のモジュールとを有する、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関し、より詳細には、受信器装置の状態情報を報告する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE802.16規格は、無線式の都市圏ネットワーク(MAN: Metropolitan Area Network)についての固定および移動のブロードバンド無線アクセス(BWA: Broadband Wireless Access)規格を規定する。IEEE802.16規格は種々の周波数帯について種々の物理層技術を定義する。
【0003】
現在の通信システムでは、一つのソースから複数の宛先にデータを送信するためにマルチキャストおよびブロードキャスト技術が用いられる。電波資源を効果的に利用するため、IEEE802.16e規格は、ポイント・ツー・マルチポイント伝送を移動ネットワークにおいて標準化するマルチキャストおよびブロードキャスト・サービス(MBS: Multicast and Broadcast Service)を導入した。MBSサービスは、テキストのような低ビットレートのメッセージ・サービスのマルチキャストおよびブロードキャストのみならず、高ビットレートのマルチメディア・サービスのマルチキャストおよびブロードキャストをもサポートしうる。
【0004】
レイヤー化された符号化(layered coding)は、ソース・データが複数のレイヤーに分割されるデータ表現技法である。諸レイヤーは通常、基本レイヤー(base layer)とも呼ばれる最も低いレイヤーが理解できるための最小限の情報を含み、向上レイヤー(enhancement layers)とも呼ばれる他のレイヤーがソース・データの全体的な品質を段階的に改善する追加的情報を含むようにして編成される。レイヤー化された符号化技法がビデオ・コーデックにおいて適用されるとき、ビデオ・データは通常、比較的低品質をもつビデオの基本レイヤーおよびだんだん高くなる品質をもつビデオの少なくとも一つの向上レイヤーを含む複数のレイヤーにエンコードされる。レイヤー化符号化通信システムの受信器側では、デコーダが、その選好およびデコード機能に従ったビデオの特定の品質を得るよう、これらのレイヤーの特定のサブセットをデコードすることを選ぶよう構成されることができる。
【0005】
接続品質およびリンク安定性を保証するために良好な信号対雑音比(SNR: Signal to Noise Ratio)の領域ではより高いレベルのMCSが用いられ、逆に貧弱なSNRの領域では比較的より低いレベルのMCSが用いられる適応的MCS(Modulation and Coding Scheme[変調および符号化方式])はWiMAX技術のための主要な特徴である。WiMAXによってサポートされるMCSでは、変調型の三つのカテゴリーがある:QPSK(Quadrature Phase Shift Keying[直交位相偏移符号化])、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation[直交振幅変調])および64QAMである。
【0006】
適応的MCSを実装するためには、重要な要件の一つは、移動局(MS: Mobile Station)からチャネル品質の正確なフィードバック報告を得ることである。MSがDL(Download Link[ダウンロード・リンク])CINR(Carrier to Interference and Noise Ratio[キャリア対干渉および雑音比])値を基地局(BS: Base Station)に報告するためには規格において二つの種類の機構が定義されている。
【0007】
・第一のものは、REP-RSP(チャネル測定報告‐応答[Report-Response])MACメッセージである。BSからのREP-REQメッセージに応答してのREP-RESメッセージは、DL物理的CINRまたは有効CINRの推定を報告するために、MSによって送られる。
【0008】
・第二のものは、高速フィードバック(CQICH)チャネルを用いた定期的CINR報告である。この場合、BSは、定期的なCINR報告(物理的CINRまたは有効CINR)のためのユニキャスト上りリンク機会を提供するために、CQICH制御情報エレメントを使ってCQICHサブチャネルを割り当てることができ、MSは毎フレームの割り当てられたCQICH上でチャネル品質情報を送信する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
MSが送る報告メッセージは、ポーリングの頻度および加入者の総数の関数として一定量の信号伝達オーバーヘッドを引き起こすことになる。したがって、より小さな信号伝達オーバーヘッドで状態情報を報告する方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のある側面によれば、本発明は、マルチキャストまたはブロードキャスト・ネットワークにおいて受信器装置の状態情報を報告する方法を提供する。本方法は:通信チャネル上の少なくとも二つのレイヤーでエンコードされているサービスを前記少なくとも二つのレイヤーのサブセットを通じて受信し;チャネル品質パラメータを測定し(202);チャネル品質パラメータが所定の閾値に達するのに応答して、前記サービスを、前記測定されたチャネル品質パラメータの関数として前記少なくとも二つのレイヤーの修正されたサブセットを通じて受信し、前記受信器装置の状態情報を送信する(203)ことを含む。
【0011】
本発明のある側面によれば、本発明は、マルチキャストまたはブロードキャスト・ネットワークにおいて少なくとも二つのレイヤーにエンコードされているサービスを受信する間の状態情報を報告する受信器装置が提供される。本装置は、チャネル推定モジュールおよびサービス管理モジュールを含む。チャネル推定モジュールは、少なくとも二つのレイヤーでエンコードされたサービスが前記少なくとも二つのレイヤーのサブセットを通じて受信される下りリンク・チャネルのチャネル品質パラメータを測定するよう構成されており;サービス管理モジュールは、測定されたチャネル品質パラメータが所定の閾値に達するのに応答して、前記サービスを、前記少なくとも二つのレイヤーの修正されたサブセットを通じて受信するよう変更するときに、前記受信器装置の状態情報を送信するよう構成されている。
【0012】
本発明のある側面によれば、本発明は、サービスが通信チャネル上で少なくとも二つのレイヤーにエンコードされるマルチキャストまたはブロードキャスト・ネットワークにおける資源割り当てのための装置を提供する。本装置は、第一のモジュールおよび第二のモジュールを有する。第一のモジュールは、前記サービスを前記少なくとも二つのレイヤーのサブセットを通じて受信している少なくとも一つの受信器装置から状態情報を受信するよう構成されており、ここで、状態情報は、前記受信器装置によって測定されたチャネル品質パラメータが所定の閾値に達するのに応答して、前記サービスを、前記少なくとも二つのレイヤーの修正されたサブセットを通じて受信するよう変更するときに、前記受信器装置によって送信されるものであり;第二のモジュールは、受信される少なくとも一つの受信器装置の状態情報の関数としてすべてのサービスの資源割り当てを調節するよう構成されている。
【0013】
本発明のある側面によれば、受信条件情報の要件を満たすMSのみが報告メッセージを送るので、信号伝達オーバーヘッドは大幅に軽減される。
【0014】
本発明の上記の概括的な記述および以下の詳細な記述はいずれも単に説明および例示するものであることは理解しておくべきである。
【0015】
本発明のさらなる理解を与えるために含められており、本願に組み込まれ、本願の一部をなす付属の図面は、本発明の原理を説明するはたらきをする記述とともに、本発明の実施を例示するものである。したがって、本発明は、その実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のある実施形態に基づく、BSとMSの機能モジュールを概略的に示すブロック図である。
図2】本発明の前記実施形態に基づく、状態情報を報告するためのMSによって実行される方法を示すフローチャートである。
図3】本発明の前記実施形態に基づく、位置Aから位置EへのMSの動きの例を概略的に示す図である。
図4】本発明の前記実施形態に基づく、図3に示されるMSの動きに対応する、BSとMSとの間で交換されるメッセージを示すメッセージ・シーケンス・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、これから、図面との関連で詳細に述べる。以下の記述において、既知の機能および構成のいくつかの詳細な記述は、簡明のため、省略されることがありうる。
【0018】
本実施形態は、レイヤー化された符号化技術を用いる無線ネットワークのコンテキストにおいて記述される。たとえば、郵便番号10016-5997、米国ニューヨーク州ニューヨーク、パーク・アヴェニュー3のIEEEから入手可能であり、2006年2月28日に公表された文書IEEE規格802.16e(商標)-2005およびIEEE規格802.16(商標)-2004/Cor1-2005(IEEE規格802.16-2004に対する修正および正誤表)は、そのようなネットワークのある種の側面を定義している。ここで記載される実施形態は、これらの文書に基づくネットワークに本記載に示される変更をしたものの枠組みに置かれているが、本発明は記載されるネットワークに限定されるべきではない。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に基づく、状態情報、たとえば特定のレイヤーに加入したり特定のレイヤーから脱退したりする状態変化情報を報告するための基地局(BS)および移動局(MS)の機能的モジュールを概略的に示すブロック図である。
【0020】
BSの側では:
・上層からレイヤー化された符号化されたビデオが送達されるとき、MAC層の分類器モジュールは、アプリケーション・パケットのIPアドレスをサービス・フローIDに変換し、上層サービス・データ・ユニット(SDU: Service Data Units)のQos(Quality of Service[サービスの品質])パラメータ情報を記録するよう構成される。Qosパラメータ情報は、保証されたデータ・レート、遅延およびジッタといった典型的なQosパラメータのほか、各レイヤーについてのレイヤー型、たとえば基本レイヤー、向上レイヤー1などを含みうる。種々のレイヤーのデータ・パケットは、基本レイヤー待ち行列および少なくとも一つの向上レイヤー待ち行列のようなスケジューリングのための対応するバッファに記憶される。
【0021】
・スケジューラ・モジュールは、システム効率を向上させるという目標のもと、ある種のスケジューリング・アルゴリズムに基づいて各プログラムに帯域幅資源を割り当てるために、PHY層から報告されるフィードバック情報と組み合わせてQosパラメータ情報を評価するよう構成される。
【0022】
・リンク適応モジュールは、少なくとも一つのMSからの指標メッセージ(indication message)において伝達される状態情報を収集することを受け持つ。
【0023】
MSの側では:
・チャネル推定モジュールは、下りリンク・チャネルのCINR値を推定することなどによって、下りリンク・チャネルの一つ(または複数)のチャネル品質パラメータを測定するよう構成される。
【0024】
・サービス管理モジュールは、サービス生成の間にBSとネゴシエーションし、条件テーブルを取り込み、また、チャネル推定モジュールによって推定された下りリンク・チャネルの前記少なくとも一つのチャネル品質パラメータに基づいて指標メッセージを送出するかどうかを決定するようにも構成される。メッセージが送られるべきと決定される場合、MSの状態情報の報告のために、のちに示すMBS_INDのような指標メッセージがBSに送出される。ここで、MSが、BSに対するMBSサービスの動的サービス追加(DSA: dynamic service addition)要求を開始するとき、BSは各利用可能なレイヤーの情報、その対応する閾値CINR値および要求されたMBSサービスについての接続識別子(CID: connection identifier)を含む応答メッセージをMSに送り、MSは、MBSサービスの寿命の間、レイヤー型、閾値CINR値およびCIDを有効受信条件情報としてローカル・メモリ内のテーブルに記憶する。当業者は、条件テーブルはMS以外の装置に記憶されることができることを理解するであろう。したがって、この応用においては、受信条件情報を提供するための受信条件提供モジュールが使用される。だが、条件テーブルがMSの外に記憶される場合、受信条件提供モジュールは、受信条件情報を導出するよう外部装置との信号通信にはいることができるべきである。
【0025】
図2は、本発明の実施形態に基づく、状態情報を報告するためのMSによって実行される方法を示すフローチャートである。
【0026】
・ステップ201において、MSは、MSが受信したいMSBサービスについての受信条件情報を含むテーブルを導出する。
【0027】
一例として、テーブルは、以下のステップに基づいて導出される:MAC層における接続の確立の間に、MSが動的サービス追加(DSA)要求をBSに送って、あるMBSサービスに加入することを要求するとき、BSは受信条件情報を含むDSA応答メッセージを送信し、それによりMSは受信したDSA応答メッセージから受信条件情報を導出でき、マルチキャスト・サービスの寿命の間、そのテーブルを維持する。
【0028】
【表1】
表1から見て取れるように、テーブルは、レイヤー型、CID(接続識別子)および有効受信CINRのフィールドを含み、それらのレコードはみなDSA応答メッセージから導出できる。このMBSサービスは3つのレイヤー、すなわち基本レイヤー、向上レイヤー1および向上レイヤー2を含み、各レイヤーはCIDおよび有効受信CINRに関連付けられている。このテーブル例に含まれる受信情報が意味するのは、現在のCINRの実際の値が閾値の5dBに達した場合、MSはデータを要求されたMBSサービスの基本レイヤーから受信する資格があり;現在のCINRの実際の値が別の閾値の14dBに達した場合、MSはさらに向上レイヤー1からデータを受信する資格があり;20dBに達したときは、MSは基本レイヤー、向上レイヤー1および向上レイヤー2からすべてデータを受信できるということである。ここで、テーブル中のCIDは、MBSサービスの異なるレイヤーを識別するために使用される。
【0029】
ひとことで言えば、受信条件情報は、指標メッセージを送るなどといったいくつかの動作をトリガーするための条件を示すために使用される。上記のテーブルにあるように、CINRの閾値、すなわち5dB、14dBおよび20dBは、MSの状態変化、すなわち特定のレイヤーに加入(joining)または特定のレイヤーからの脱退(leaving)を示すメッセージを送るようMSをトリガーするための条件である。
【0030】
図3は、本発明の実施形態に基づく、位置Aから位置EへのMSの動きの例を概略的に示す図である。そして図4は、本発明の実施形態に基づく、図3に示されるMSの動きに対応する、BSとMSとの間で交換されるメッセージを示すメッセージ・シーケンス・チャートである。図3に示されるように、三つの受信領域があり、それらは内側から外側に向かって向上レイヤー2、向上レイヤー1および基本レイヤーの領域である。図4に示されるように、位置Aに位置するMSは、3レイヤーのMBSサービスに加入することを意図する。よって、MSは、接続確立の間に、要求されるMBSサービスについての受信条件情報を示すテーブルを生成し、基本レイヤー加入の事実を示すメッセージをBSに送る。MSが位置Bに動くとき、MSは、現在のCINRが向上レイヤー1の閾値に達すると見出す。よって、MSはBSに向上層1への参加を示すメッセージを送る。その後の位置C、DおよびEへの移動については、MSは現在のCINRの変化に気づき、BSに、向上レイヤー1脱退、向上レイヤー1加入および向上レイヤー2加入を示すメッセージを別個に送る。一般に、指標メッセージは、低遅延での送信を保証するため、WiMAXでは制御メッセージ接続で送信される。二つ以上の指標メッセージが異なるMSによって同時に送出されることがありうるので、衝突は避けられない。したがって、信頼性を改善するよう、上りリンク競合期間においては、数回の後続試行が採用されることができる。さらに、何らかの上りリンク・トラフィックがすでにWiMAXにおいて流れている場合、指標メッセージは、既存の上りリンク接続上の肩車モード(piggyback mode)によって送信でき、他のMSとの衝突の確率を下げるという利点がある。
【0031】
指標メッセージのフォーマットの一例は、下の表2に示されている。
【0032】
【表2】
管理メッセージ型(Management message type)フィールド:これは、現行の規格との互換性のために制御メッセージ型を示すために使われる。
【0033】
マルチキャストCID(Multicast CID)フィールド:これは、接続の識別子を示すために使われる。これはまた、MBSサービスのレイヤーを一意的に識別するためにも使用できる。
【0034】
型(Type)フィールド:これは、MSが、マルチキャストCIDフィールドの値によって識別されるレイヤーに加入するか脱退するかを示すために使用される。
【0035】
MBS_IND_ACKメッセージは、BSによって、MBS_INDメッセージを正しく受信したことの受け取り確認をMSに通知するために使用される。受け取り確認メッセージが状況によっては常に必要なものではないことは当業者には知られている。
【0036】
・ステップ202において、MSは下りリンク・チャネルからチャネル品質パラメータ、たとえばCINR値を測定する。
【0037】
チャネルのCINR値を推定するためには多くの方法を用いることができる。
【0038】
プリアンブルからのCINR推定が実行される場合、推定されたCINR値は、プリアンブルのサブキャリア上でのCINRの推定値である。
【0039】
特定の入れ換えゾーン(permutation zone)上でのCINR推定が実行される場合、推定されたCINR値は、そのゾーンのブーストされていないデータ・サブキャリア上の平均CINRである。
【0040】
単一のメッセージのCINR値を推定するもう一つの可能な方法は、次の関数を使って、各データ・サンプルについての信号電力の和と残差誤差の和との比を計算することである。
【0041】
【数1】
ここで、r[k,n]は、フレーム単位での時間インデックスkにおいて測定された、メッセージ内の受信されたサンプルnであり、s[k,n]はフレーム単位での時間インデックスkにおいて測定された、メッセージ内の検出されたまたはパイロット・サンプルnである。
【0042】
・ステップ203において、MSが、測定されたチャネル品質パラメータが受信条件情報の所定の閾値に達すると検出する場合、MSは、指標メッセージを送ることによって、測定されたチャネル品質パラメータに対応するその状態情報を報告する。
【0043】
MSはチャネル品質パラメータ、たとえばCINR値を測定する。ひとたび測定されたCINR値が受信条件情報の閾値に達すると、MSは、測定されたチャネル品質パラメータに対応するその現在の状態情報を決定し、その状態情報、たとえば特定のレイヤー加入/脱退の状態変化情報を報告するためにBSに指標メッセージを送る。
【0044】
本発明の実施形態によれば、受信条件情報の要件を満足するMSのみが報告メッセージを送るので、信号伝達オーバーヘッドが軽減される。さらに、MSは、チャネル品質が一つの受信条件を満たすと判定した直後に報告メッセージを送るので、報告機構の正確さが増す。
【0045】
任意的に、上記のステップに加えて、諸MSによって送られる指標メッセージから導出される全MBSサービスについての統計的情報に基づいて、BSは、システム効率を上げるよう、スケジューリング・アルゴリズムを用いて動的に資源割り当てを調節する。
【0046】
MBSサービスのための全体として効率的なスペクトル利用を達成するために、BSはMSBサービスの間での資源割り当てを実行する。資源スケジューリングは、定期的に行われる。種々のサブチャネルにわたる送信電力は固定されており、サービス送信の間変化しないと想定する。読者の便のため、以下で使われる記号を表3に示しておく。
【0047】
【表3】
MSの満足度は、
【数2】
として示される、割り当てられた帯域幅と期待される帯域幅の比によって定義できる。各レイヤーについてのMCSモードのマッピングがBSにおいてあらかじめ定義されており、各MSと同期されているとすると、異なるレイヤーの送信はそれぞれ異なるスペクトル効率をもつ。こうして、マルチキャスト・グループj内のMS iについての利用比関数を
【数3】
として定義できる。これは、チャネル・スペクトル効率とユーザー満足度の組み合わされた考察を反映できる。プログラムjについての利用比は、すべての加入者についての利用比の値の総和、すなわち
【数4】
である。
【0048】
よって、システム利用比
【数5】
は、全プログラムまたはMBSサービスについての合計の利用比値として定義される。システム利用比Uを上げるために、二つの因子:
(a)合計帯域幅ベンチマーク
【数6】
(b)最小限保証される基本レイヤー
【数7】
を考慮する必要がある。
【0049】
因子(b)の要請は、各プログラムについて最小限保証される帯域幅をリザーブすることによって満たすことができるが、利用比増分問題はNP困難である。
【0050】
資源割り当てを実行するために、動的例外満足(DES: dynamic exception satisfaction)と名付けられる貪欲なアルゴリズム(greedy algorithm)が提案される。
【0051】
第一に、基本レイヤー領域についての帯域幅が各プログラムについてリザーブ〔確保〕される。第二に、向上レイヤーについて、所与の時点における加入者の数の関数として順序リストが生成される。次の二つのアプローチに従って、最も人気のある諸プログラムがより多くの資源を割り当てられる:
(a)このプログラムについてすべての向上レイヤーを許容する。
(b)少なくとも一つの向上レイヤーについてより多くの資源を割り当てる。
【0052】
他方、それほど人気のない緒プログラムは、いくつかの向上レイヤーを解放するか帯域幅割り当てを減らすことによって、ダウングレードされる。
【0053】
下記はこのアルゴリズムについての擬似コードである。
【0054】

//初期化:
ステップ1:利用可能な帯域幅を設定BW=B
ステップ2:MCSおよびレイヤーの条件テーブルを生成
ステップ3:BW←BW−λb*P //各プログラムについて基本レイヤーを予約
//通常のスケジューリング
ステップ4:各プログラムについての受信器数統計Njenhance
//フィードバックによる
ステップ5:∀j∈P Njenhanceをソート //全プログラムの間で人気指数をソート
ステップ6:l←1:向上レイヤー1から出発
ステップ7:while(BW>0)&&(いくつかのプログラムがサービスされていない)
switch(∀j∈P)
ステップ8:case 上位α%の人気プログラム:λjl=λmax, break
ステップ9:case 下位β%のプログラム:if(λjl-1>0)λjl=λmin, break
ステップ10:case 通常のプログラム:if(λjl-1>0)λjl=λ{λmin<λ<λmax}, break
end switch
ステップ11:このプログラムについてbjを計算、BW←BW−bj
ステップ12:l←l+1 //次のレイヤーに進む
end while。
【0055】
因子(b)の要請を考え、まず、ステップ3で、各ビデオ・プログラムまたはMBSサービスの基本レイヤーのために資源λminをリザーブする。これはQPSK1/2によって固定変調される。
【0056】
続くステップ4から12は、残りの帯域幅を、その領域に位置する、向上レイヤーについての有効受信機能をもつ加入者数によって示されるプログラムの人気に基づいて割り当てる貪欲なアルゴリズムによって使用される。各スケジューリング処理のはじめには、各プログラムの加入者分布の統計値がステップ4で計算される。次いで、向上レイヤーの順序で帯域幅が割り当てられる。各スケジューリング・ラウンドにおいて、増えていく人気に従ってプログラムがサービスされる。向上レイヤーを受信できるより多くの加入者をもつプログラムは、λmaxに達するまで向上レイヤーを追加するまたは資源を増やすことによるアップグレード処理に進む(ステップ8)。逆に、より少ない受信器をもつ下位のプログラムは、データ・レートをλminまで減らすことによって資源を解放するべきである。もしあるレイヤーについてλmin=0であれば、このレイヤーは除去される。通常の番組については、λjlは境界λminとλmaxの間の値に設定されることができる。たとえば、帯域幅は、平均値によって、あるいは比例した公正さアルゴリズム(proportioned fairness algorithm)を使うことによって、分割されることができる(ステップ10)。レイヤーどうしの間の依存性を考え、あるレイヤーが除去される場合、連続する、より高いレイヤーも消去される。諸ビデオ・プログラムの間で逐次反復が、合計利用可能帯域幅が使い尽くされるまで、あるいはすべてのプログラムがすでにサービスされてしまうまで、行われる(ステップ7)。
【0057】
DESアルゴリズムは、多項式時間で実行できる。計算量は二つの成分がある。第一の成分は人気度のソートであり、Pをマルチキャスト・プログラムの数としてO(P*lg(P))によって規定できる。第二の成分は各レイヤーにおける帯域幅割り当てで、その計算量はO(P*L)によって規定できる。したがって、計算量はO(P*lg(P))+O(P*L)となる。一般に、システムにおけるプログラム数は有限の値であり、lg(P)については、lg(P)<Eとなる一定の境界Eが見出せる。よって、提案されるアルゴリズムは、多項式時間で実行でき、システムの効率を改善する。
【0058】
本実施形態のある変形によれば、受信条件情報は、接続確立の間に送信されず、接続の確立後、専用のメッセージにおいて送信される。
【0059】
本実施形態のある変形によれば、テーブルが最初にMSによって生成されたのち、テーブルはMSとBSの間の信号通信を通じて、MSによって定期的に更新される。
【0060】
本実施形態のある変形によれば、報告の動作をトリガーする条件は、MSの構成設定を考慮に入れてもよい。たとえば、あるMSは、より多くのレイヤーを申し込むことによってビデオ品質を改善したいであろう。他の移動ホストは、電力消費または復号能力を考慮に入れ、よって限られた数のレイヤーに申し込むことがありうる。
【0061】
本実施形態のある変形によれば、報告されるメッセージは、特定のレイヤーに加入すること/特定のレイヤーを脱退することを示すメッセージに限定されない。当業者は、MSの状態情報を示すために、他の種類のメッセージが使用されることができることを理解するであろう。
【0062】
本実施形態のある変形によれば、当業者は、MSがより精密な制御のために二つ以上のチャネル品質パラメータを測定できることを理解するであろう。たとえば、CINRのほかに、報告の動作をトリガーするための基準として、変形ダウングレード/アップグレード傾斜(variation downgrade/upgrade slope)が使用できる。対応して、受信条件情報はこれらの対応する二つ以上のチャネル品質パラメータを含むべきである。
【0063】
本実施形態のある変形によれば、受信条件情報は単に有効受信CINRおよびレイヤーを一意的に識別できる識別子のフィールドを含む。そして報告メッセージに、レイヤーの動作、たとえばレイヤーへの加入またはレイヤーからの退去を示すフィールドがある。
【0064】
いくつかの実装が記載されてきたが、さまざまな修正がなしうることは理解されるであろう。たとえば、種々の実装の要素は組み合わされ、補完され、修正され、あるいは除去されて他の実装を生成してもよい。さらに、当業者は、他の構造およびプロセスが開示されたものの代替とされてもよく、結果として得られる実装は、開示される実装と少なくとも実質的に同じ機能を、少なくとも実質的に同じ仕方で実行して少なくとも実質的に同じ結果を達成することを理解するであろう。したがって、これらおよびその他の実装が本願によって考えられており、本発明の範囲内である。
いくつかの付記を記載しておく。
〔付記1〕
マルチキャストまたはブロードキャスト・ネットワークにおいて受信器装置の状態情報を報告する方法であって、前記受信器装置の側で:
・通信チャネル上で少なくとも二つのレイヤーでエンコードされるサービスを前記少なくとも二つのレイヤーのサブセットを通じて受信する段階と;
・チャネル品質パラメータを測定する段階と;
・チャネル品質パラメータが所定の閾値に達するのに応答して、前記サービスを、前記測定されたチャネル品質パラメータの関数として前記少なくとも二つのレイヤーの修正されたサブセットを通じて受信し、前記受信器装置の状態情報を送信する段階とを特徴とする、
方法。
〔付記2〕
前記少なくとも二つのレイヤーの受信要件を示す少なくとも二つの所定の閾値を有する前記サービスの受信条件情報を導出する段階をさらに有することを特徴とする、付記1記載の方法。
〔付記3〕
前記受信条件情報を導出する前記段階がさらに:前記受信条件情報を、MAC層における接続確立の際に前記受信器装置によって前記サービスを受信することを要求するメッセージに応答する応答メッセージから、導出することを含むことを特徴とする、付記2記載の方法。
〔付記4〕
前記サービスを修正されたサブセットを通じて受信する前記段階がさらに、
測定されたチャネル品質が、チャネル品質アップグレードを示す所定の閾値に達する場合、もとのサブセットのレイヤーのほかに少なくとも一つのさらなるレイヤーを受信し、
測定されたチャネル品質が、チャネル品質低下を示す所定の閾値に達する場合、もとのサブセットのレイヤーのうち少なくとも一つのレイヤーを受信することをやめることを含む、ことを特徴とする、
付記1記載の方法。
〔付記5〕
前記少なくとも二つのレイヤーが、理解できる最小限の情報を含む基本レイヤーおよび前記サービスの全体的な品質を段階的に改善する追加的情報を含む少なくとも一つの向上レイヤーを含むことを特徴とする、付記1ないし3のうちいずれか一項記載の方法。
〔付記6〕
向上レイヤーのデコードが前記基本レイヤーおよびその先行する向上レイヤーに依存し、前記少なくとも二つのレイヤーの前記サブセットは、前記サブセット内のどのレイヤーも必要な先行するレイヤーを前記サブセット内に有するように選ばれることを特徴とする、付記5記載の方法。
〔付記7〕
前記チャネル品質パラメータは、チャネル条件を反映することができるパラメータまたは少なくとも二つのパラメータの組み合わせであることを特徴とする、付記1ないし6のうちいずれか一項記載の方法。
〔付記8〕
前記受信条件情報が、チャネル品質パラメータの閾値のフィールドおよびレイヤーを一意的に識別するレイヤー識別子のフィールドを含むことを特徴とする、付記7記載の方法。
〔付記9〕
マルチキャストまたはブロードキャスト・ネットワークにおいて少なくとも二つのレイヤーにエンコードされているサービスを受信する間の状態情報を報告する受信器装置であって:
・少なくとも二つのレイヤーでエンコードされたサービスが前記少なくとも二つのレイヤーのサブセットを通じて受信される下りリンク・チャネルのチャネル品質パラメータを測定するよう構成されているチャネル推定モジュールと;
・測定されたチャネル品質パラメータが所定の閾値に達するのに応答して前記サービスを、前記少なくとも二つのレイヤーの修正されたサブセットを通じて受信するよう変更するときに、当該受信器装置の状態情報を送信するよう構成されているサービス管理モジュールとを有する、
受信器装置。
〔付記10〕
前記少なくとも二つのレイヤーの受信要件を示す少なくとも二つの所定の閾値を有する前記サービスの受信条件情報を提供するよう構成された受信条件提供モジュールをさらに有することを特徴とする、付記9記載の受信器装置。
〔付記11〕
前記サービス管理モジュールがさらに、前記サービスの前記受信条件情報を、MAC層における接続確立の際に前記サービスを受信することを要求するメッセージに応答する応答メッセージから、導出し、前記受信条件情報を記憶媒体に記憶する機能を有することを特徴とする、付記9または10記載の受信器装置。
〔付記12〕
サービスが通信チャネル上で少なくとも二つのレイヤーにエンコードされるマルチキャストまたはブロードキャスト・ネットワークにおける資源割り当てのための装置であって:
・前記サービスを前記少なくとも二つのレイヤーのサブセットを通じて受信している少なくとも一つの受信器装置から状態情報を受信するよう構成された第一のモジュールであって、ここで、状態情報は、前記受信器装置によって測定されたチャネル品質パラメータが所定の閾値に達するのに応答して、前記サービスを、前記少なくとも二つのレイヤーの修正されたサブセットを通じて受信するよう変更するときに、前記受信器装置によって送信されるものである、第一のモジュールと;
受信される少なくとも一つの受信器装置の状態情報の関数としてすべてのサービスの資源割り当てを調節するよう構成されている第二のモジュールとを有する、
装置。
【符号の説明】
【0065】
201 MBSサービスのための受信条件情報を含むテーブルを導出
202 チャネル品質パラメータを測定
203 測定されたチャネル品質パラメータが閾値に達するのを検出したら、指標メッセージを送ることにより状態情報を報告
図1
図2
図3
図4