(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5675073
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】デジタルインターフェースによる医療機器の同期
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
A61B5/00 F
【請求項の数】9
【外国語出願】
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2009-196388(P2009-196388)
(22)【出願日】2009年8月27日
(65)【公開番号】特開2010-51801(P2010-51801A)
(43)【公開日】2010年3月11日
【審査請求日】2012年6月14日
(31)【優先権主張番号】12/200,431
(32)【優先日】2008年8月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508080229
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アサフ・ゴバリ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレス・クラウディオ・アルトマン
【審査官】
石井 哲
(56)【参考文献】
【文献】
特表2004−500217(JP,A)
【文献】
特開2007−021218(JP,A)
【文献】
特開2004−283601(JP,A)
【文献】
特表2006−517443(JP,A)
【文献】
特開平09−297155(JP,A)
【文献】
特開2005−087726(JP,A)
【文献】
特開平06−217942(JP,A)
【文献】
特表2008−522459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 −5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療電子装置において、
第1のデジタルインターフェースおよびCPUを含むコンソールであって、
前記第1のデジタルインターフェースは、コンソールコントローラおよびコンソールモデムを含み、
前記CPUは前記コンソールモデムから複数の受領機器へ同時に無線経由で同期メッセージを送信するよう、コンソールコントローラにコマンドを出すように構成された、コンソールと、
患者の身体と接触させられるように構成された複数の医療機器であって、前記コンソールの前記第1のデジタルインターフェースと通信するための第2のデジタルインターフェースを含んでおり、前記コンソールによって送信された前記同期メッセージを同時に受信するように、かつ、前記同期メッセージの受信に応答して互いに同期するように、構成された、複数の医療機器と、
を含み、
前記同期メッセージは生のRFパルスであり、
前記複数の医療機器のモデムの受信回路は、前記モデムのコア回路によって処理される前に、生のRFパルスの検出を可能に構成されており、前記受信回路は、前記RFパルスが検出されると前記第2のデジタルインターフェースのコントローラに信号を送り、前記コントローラは、それに応じて前記複数の医療機器の内部クロックをリセットするように構成されている、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
前記医療機器は、前記患者の心臓と接触させられるように構成されたカテーテルを含む、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、
前記コンソールは、第1のプロトコルに従って前記同期メッセージを送るように構成されており、
前記医療機器は、前記第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルを用いて、前記ワイヤレスインターフェースを通じてデータを送信するように構成される、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、
前記医療機器は、
前記医療機器が前記身体と接触している間に信号を発生させるように構成された、それぞれのセンサーと、
前記センサーにより発生される前記信号をサンプリングするように、かつ、サンプリングされた前記信号を、前記デジタルインターフェースを通じて前記コンソールに送信するように、構成された、回路網と、
を含む、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置において、
前記回路網は、前記医療機器のそれぞれにおける各内部クロックを用いて前記信号をサンプリングするように構成される、装置。
【請求項6】
請求項4に記載の装置において、
前記それぞれのセンサーは、位置センサーを含み、前記それぞれのセンサーからの信号は、前記医療機器のそれぞれの位置を示す、装置。
【請求項7】
請求項4に記載の装置において、
前記それぞれのセンサーは、電極を含み、前記それぞれのセンサーからの信号は、前記身体内の電気的活動を示す、装置。
【請求項8】
請求項4に記載の装置において、
前記それぞれのセンサーは、電極を含み、前記それぞれのセンサーからの信号は、前記身体内の前記機器と組織との間の接触インピーダンスを示す、装置。
【請求項9】
請求項4に記載の装置において、
前記それぞれのセンサーは、前記機器に加えられる力に応答的であり、前記それぞれのセンサーからの信号は、前記身体内の前記機器と組織との間の接触圧力を示す、装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、概して電子医療機器に関し、特に、そのような機器を制御するための方法およびシステムに関する。
【0002】
〔発明の背景〕
多くのタイプの医療診断および治療システムは、患者の身体に接触する1つ以上のプローブと、信号を受信し、時にはプローブの機能を制御する、制御コンソールと、を含む。例えば、侵襲的な診断および治療に使用される心臓カテーテルは、通常、このように構成されている。当技術分野で既知のシステムでは、そのようなカテーテルは、一般に、有線アナログインターフェース(wired analog interface)によって制御コンソールに接続される。しかしながら、より新しいカテーテルは、ワイヤレスインターフェースによってコンソールと通信することができる。
【0003】
例えば、開示内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,266,551号は、とりわけ無線カテーテルを記載しており、その無線カテーテルは、信号処理および/または算出装置に物理的に接続されない。むしろ、送信機/受信機が、カテーテルの近位端部に取り付けられる。送信機/受信機は、IR(赤外線)、RF(無線周波数)または音響送信などの無線通信方法を使用して信号処理および/またはコンピュータ装置と通信する。このタイプの構成の1つの利益は、(電気的に敏感な)心臓に挿入されるカテーテルが、容易に、電気的に浮遊するようにされうるということである。別の利益は、オペレータが絡まり、かつ/または、身体から偶然に引き出してしまうかもしれない、ケーブル布線および配線の量の減少である。さらに別の利点は、そのようなカテーテルを殺菌し、カテーテルの無菌状態を維持する容易さである。これは、カテーテル全体が、単一ユニットとして殺菌されうるためである。
【0004】
無線の医療感知機器の別の例は、IMEC(ベルギー・ルーヴェン)によって開発された、無線ECGパッチである。無線ECGパッチのコアは、可撓性基板上で統合されている、小型化された無線センサーノードから成る。そのコアは、ローカルなデジタル信号処理を可能にする商業的マイクロプロセッサ、2.4GHz無線リンク、および小型化された蓄電池を含む。加えて、センサーノードは、フォーク状アンテナ、およびスナップ式コネクタ(電極に接続するため)を特色としている。無線ECGパッチは、連続監視モードで動作することができ、連続監視モードでは、ECGデータまたはEMGデータが、250〜1000Hzのサンプル周波数で、受信機に絶え間なく送信される。この機器のさらなる詳細は、IMEC.beのウェブサイトで説明されている。
【0005】
〔発明の概要〕
本発明の実施形態は、デジタルインターフェースによって医療機器を制御するための、改良された方法およびシステムを提供する。特に、これらの実施形態のいくつかは、有線または無線であってよい標準のデジタルインターフェースを通じて送信されるメッセージを用いて医療機器を同期させるための方法を提供する。
【0006】
したがって、本発明のある実施形態によると、機器制御のための方法が提供され、この方法は、
複数の医療機器を患者の身体と接触させること;
デジタルインターフェースによってコンソールと通信するように医療機器を連結すること;
複数の医療機器によって同時に受信されるように、コンソールからデジタルインターフェースを通じてメッセージを送信すること;および、
メッセージの受信に応答して、医療機器を互いと同期させること、を含む。
【0007】
開示された実施形態では、医療機器は、患者の心臓と接触させられるカテーテルを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、デジタルインターフェースは、ワイヤレスインターフェースを含む。一実施形態では、メッセージを送信することは、ワイヤレスインターフェースに適用可能な規格で定められた形式(format prescribed a standard applicable to the wireless interface)で、同報メッセージを、コンソールから複数の医療機器に送ることを含む。代替的に、または、加えて、メッセージを送信することは、第1のプロトコルに従って同期メッセージを送ることを含み、方法は、第1のプロトコルとは異なる第2のプロトコルを用いて、ワイヤレスインターフェースを通じてデータを送信することを含む。
【0009】
一実施形態では、メッセージを送信することは、コンソールから複数の医療機器に1つ以上のパルスを送ることを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、医療機器は、それぞれのセンサーを含み、センサーは、身体と接触している間に信号を発生させるように構成されており、方法は、医療機器における信号をサンプリングすることと、デジタルインターフェースを通じて、サンプリングされた信号をコンソールに送信することと、を含む。通常、信号は、医療機器のそれぞれにおける各内部クロックを用いてサンプリングされ、医療機器を同期させることは、内部クロックをリセットすることを含む。
【0011】
開示された実施形態では、それぞれのセンサーは、位置センサーを含み、信号は、医療機器のそれぞれの位置を示している。加えて、または代替的に、それぞれのセンサーは、電極を含み、信号は、身体内の電気的活動、および/または、身体内の機器と組織との間の接触インピーダンスを示している。さらに加えて、または代替的に、それぞれのセンサーは、機器に加えられた力に応答的であり、信号は、身体内の機器と組織との間の接触圧力を示している。
【0012】
本発明のある実施形態によると、医療電子機器も提供され、この機器は、
第1のデジタルインターフェースを含むコンソールであって、そのデジタルインターフェースを通じて複数の受領部(multiple recipients)に対して同時にメッセージを送信するように構成された、コンソールと、
患者の身体と接触させられるように構成された複数の医療機器であって、コンソールの第1のデジタルインターフェースと通信するための第2のデジタルインターフェースを含んでおり、コンソールによって送信されたメッセージを同時に受信するように、かつ、そのメッセージの受信に応答して互いと同期するように、構成されている、複数の医療機器と、を含む。
【0013】
本発明は、図面と併せて理解される、本発明の実施形態の以下の詳細な説明から、より十分に理解されるであろう。
【0014】
〔実施形態の詳細な説明〕
この特許出願に記載されている本発明の実施形態では、心臓カテーテルなどの医療機器は、有線または無線であってよい標準的なデジタルインターフェースによってコンソールと通信する。そのような各医療機器内部の内部動作回路は、機器の機能的な要素を制御し、コンソールへの送信のため機器によって捕捉された信号をデジタル化する。このような状況で標準的なデジタルインターフェースを使用することは、コストを削減し、システムの融通性を高めるのに有利であるが、そのような標準的なインターフェースはしばしば、コンソールと医療機器との間でメッセージ(データおよび制御)に単一のチャネルのみを提供する。
【0015】
いくつかの手順では、複数の機器が使用されて、同じコンソールと同時にインターフェースで接続することができる。機器によりコンソールへ送信された信号間の精密な登録について、異なる機器の内部クロックが相互に同期されることが望ましい。本発明の実施形態では、この同期は、コンソールから機器すべてに同時に同期メッセージを送信することによって、もたらされる。例えば、機器がブルートゥース(Bluetooth)(商標)無線リンクを通じてコンソールと通信する場合、コンソールは、カテーテルを同期させるために、標準のブルートゥース同報メッセージを送信することができる。同期メッセージは、データ通信に使用される同じチャネルを通じて送信されることができる。機器動作回路は、同報メッセージを認識して、同報メッセージに対して同期するようにプログラムされる。
【0016】
図1は、本発明のある実施形態による、ワイヤレスデジタルインターフェースを使用する医療システム20の概略的な絵画図である。明瞭にするために、この図、および
図2は、本発明のこの実施形態の働きを理解するのに有用な、システム20の限られた数の物理的で機能的な構成要素のみを示している。作動するシステム(working system)を組み立てるのに必要である残りの要素は、システムの目標とする特定の適用および構成によって決まり、その適用および構成に基づいて当業者には明らかになるであろう。
【0017】
この例におけるシステム20は、心臓カテーテル法システムであり、このシステムは、患者の心臓に挿入するための、少なくとも2つのカテーテル22、24を含む。カテーテルはそれぞれ、コンソール26の、対応するインターフェース30と通信するワイヤレスデジタルインターフェース28を含む。インターフェース28および30は、ブルートゥース、IEEE802.11ファミリー規格(IEEE 802.11 family of standards)のうちの1つ、またはHiperLAN規格などの、当技術分野で既知のあらゆる適切な無線通信規格に従って作動することができる。
【0018】
図1に示される例におけるコンソール26は、汎用コンピュータを含み、汎用コンピュータは、カテーテル22および24からのデータを制御および収集するためのインターフェース30ならびに適切な回路およびソフトウェアを備えている。しかしながら、より一般的には、「コンソール」という用語は、患者の身体と接触している医療機器からの信号を制御および受信するために適切なプロセッサおよびインターフェースを備えたあらゆる種類の制御装置を示すよう、本特許出願の文脈において、また特許請求の範囲において使用されている。この種のコンソールは、大きな計装システムから小さなハンドヘルドまたは卓上用の機器まで、実質的にあらゆる適切な規模のものであってよい。
【0019】
カテーテル22および24はそれぞれ、1つ以上のセンサーを含み、このセンサーは、この例では、位置センサー32、および電極34を含む。電極は、心臓の内側で電気信号を感知するのに使用される。代替的に、または加えて、電極は、不整脈の、アブレーションに基づいた治療のため無線周波数(RF)エネルギーを心内膜に送達するなど、治療目的で使用されることができる。別の代替案として、電極34は、カテーテルと心臓組織との間の接触インピーダンスを感知するために使用されることができる。
【0020】
位置センサー32は、患者の身体の内部のそれぞれのカテーテルの位置座標(場所および/または向き)を示す信号を発生させる。位置センサーは、当技術分野で既知のあらゆる適切な位置感知方法を実施することができる。例えば、位置センサーは、Biosense Webster Inc.(カリフォルニア州ダイヤモンドバー)によって製造されたCARTO(商標)システムの場合のように、患者の身体の外側の既知の場所で場発生器コイル(field generator coils)(図示せず)により発生される磁場を感知することができる。磁場に基づいた位置感知のための適切な方法は、Ben-Haimに付与された米国特許第5,391,199号、同5,443,489号、および同6,788,967号、Ben Haimらに付与された米国特許第6,690,963号、Ackerらに付与された米国特許第5,558,091号、Asheに付与された米国特許第6,172,499号、ならびにGovariに付与された米国特許第6,177,792号でさらに開示されており、これらの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
さらに代替的に、または加えて、システム20のカテーテルは、当技術分野で知られているように、位置および/または物理的もしくは生理的パラメータの他のタイプのセンサーを含むことができる。例えば、センサー32は、カテーテルと心臓組織との間の接触圧力を示す信号を発生させる、力センサーまたは触知センサー(force sensor or tactile sensor)を含むことができる。
【0022】
図2は、本発明のある実施形態による、システム20の機能的な構成要素を概略的に示す、ブロック図である。カテーテル22および24それぞれにおけるセンサー32、34は、アナログ/デジタル(A/D)コンバータ回路40によってインターフェース28に接続される。この回路は、内部サンプリングクロックを使用して、センサーにより出力された信号をサンプリングおよびデジタル化する。インターフェース28は、モデム42、およびコントローラ44を含む。モデムは、適用可能な通信規格に従って、コンソール26のインターフェース30にデータ信号を無線経由で送信し、また、インターフェース30から制御信号を受信する。コントローラは、モデムによる送信のために回路40からのパケットデータをフォーマットし、コンソール26からの制御信号によって伝えられたコマンドを実行する。回路40によって使用される内部サンプリングクロックは、コントローラ44によって、または回路40自体によって、発生されることができる。加えて、または代替的に、コントローラ44は、コントローラ44がコンソールに送信するデータパケットにタイムスタンプを押すために内部クロックを使用することができる。
【0023】
コンソール26のインターフェース30は、同様に、モデム46、およびコントローラ48を含み、コントローラ48は、中央演算処理装置(CPU)50と通信する。CPUは、診断出力を組み立てるために、カテーテル22および24から伝えられたデータ信号(この例では、カテーテルの位置信号および心臓の電気信号を含む)を受信および処理する。例えば、CPUは、前記のCARTOシステムによって製作されるタイプの地図など、心臓の電気的活動の地図を製作することができる。
【0024】
CPU50は、折々に、システム20の構成要素を同期させることを決定することができる。通常、同期は、システムの起動時に実行されて、ことによると、その後、定期的に繰り返される。そのような同期は、例えば、カテーテル22および24の回路40によって使用される内部クロックが互いと同期させられるのを確実にすることが望ましく、CPUは、診断出力を作成する際に信号を正確に相互に関連させることができる。カテーテル22および24を同期させるために、CPU50は、モデム46からカテーテルのモデム42へ同時に無線経由で同期メッセージを送信するよう、コントローラ48にコマンドを出す。メッセージを受信すると、コントローラ44は、それぞれのカテーテルの内部クロックをリセットし、それによって、クロックは、小さな許容誤差の範囲内となるよう互いと同期される。
【0025】
同期メッセージは、適用可能な無線通信規格によって命令された放送形式(broadcast format)を使用できる。例えば、インターフェース28および30が、コンソール26をマスターとし、かつカテーテル22および24をスレーブとした、ブルートゥースピコネットとして構成されると仮定すると、ブルートゥース仕様において定められるアクティブスレーブブロードキャスト(ASB)メカニズムを用いて、同期メッセージを送信することができる。代替的に、ブルートゥースおよび他の規格により提供される、他の一対多送信メカニズム(other one-to-many transmission mechanisms)を、この目的で使用することができる。
【0026】
代替的に、ブルートゥースを通じていようと、他のタイプの標準的もしくは専売のインターフェースおよびプロトコル(other types of standard or proprietary interfaces and protocols)を通じていようと、他のタイプの同期メッセージを使用することができる。例えば、1つのプロトコルが、同期メッセージを送るために使用されることができ、別のプロトコルが、カテーテルとコンソールとの間でデータを送信するために使用される。適切な専売のプロトコルが使用される場合、同期メッセージは、インターフェースを通じて送信される、予め定められたシーケンスのパルス、または単一パルスと同じくらい単純であってよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、データ転送および同期機能のための別々のトランシーバーすらあってもよい。同期パルスを特定すると、例えば、このトランシーバーは、コントローラ44への割り込み(interrupt)を送ることができ、コントローラ44は、それに応じて、コントローラ44がコンソールに送信するパケットのタイムスタンプを調整する。
【0028】
必要とされる同期の精度は、感知のアプリケーション(sensing application)によって決まる。ECG感知について、例えば、精度は、0.5ミリ秒と大雑把(coarse)であってよい。他方、正確な位置感知については、同期において1マイクロ秒またはそれより良好な精度が、望ましい。この種の精密度は、ブルートゥースなどの現行の無線通信プロトコルから利用可能でないかもしれない。精密度を高めるため、モデム42の受信機回路は、モデムのコア回路によって処理される前に生のRFパルス(raw RF pulses)の検出を可能にするように変更されてよい。変更された受信機回路は、RFパルスが検出されるとコントローラ44に信号を送り、コントローラは、それに応じて、カテーテル回路を同期させる。
【0029】
前記の実施形態は、特に心臓カテーテルに関するが、本発明の原理は、他のタイプの侵襲性および体表面機器に同様に適用可能である。その上、前記の方法および回路は、様々な異なるタイプのワイヤレスインターフェースを通じて作動するだけではなく、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースなど、有線デジタルインターフェースを介しても作動するように構成されることができる。
【0030】
したがって、前記の実施形態は例として言及したものであり、本発明は、本明細書中で前記に詳細に示し説明したことに限定されるものではないことが理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、本明細書に記載した様々な特徴のコンビネーションおよびサブコンビネーションの双方を含むと共に、前記の説明を読めば当業者が想到し得る変形および変更であって、先行技術において開示されていない、変形および変更を含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本発明のある実施形態による、ワイヤレスデジタルインターフェースを含む医療システムの概略的な絵画図である。
【
図2】
図2は、本発明のある実施形態による、ワイヤレスデジタルインターフェースを含む医療システムの機能的な構成要素を概略的に例示する、ブロック図である。