特許第5675897号(P5675897)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5675897-複合機、および、ラベル印刷プログラム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5675897
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】複合機、および、ラベル印刷プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20150205BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20150205BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20150205BHJP
【FI】
   H04N1/00 107Z
   B41J29/38 Z
   G06F3/12 W
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-118655(P2013-118655)
(22)【出願日】2013年6月5日
(65)【公開番号】特開2014-236462(P2014-236462A)
(43)【公開日】2014年12月15日
【審査請求日】2014年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(72)【発明者】
【氏名】永井 紘司
【審査官】 豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−043869(JP,A)
【文献】 特開2009−271935(JP,A)
【文献】 特開2003−131850(JP,A)
【文献】 特開2003−001908(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルプリンタと通信する第1の通信部と、
外部装置と通信する第2の通信部と、
前記第1の通信部で通信するラベルプリンタがラベルに印刷する画像データを含む情報を記憶する記憶部と、
前記ラベルプリンタにラベル印刷を指示するラベル印刷コマンドを発行するための情報のうち、前記記憶部に記憶する画像データを含む情報以外の情報を前記第2の通信部により通信する前記外部装置から取得する取得手段と、
前記記憶部に記憶する画像データを含む情報と前記取得手段により前記外部装置から取得する情報とを用いてラベル印刷コマンドを発行する発行手段と、
前記発行手段により発行したラベル印刷コマンドを前記第1の通信により前記ラベルプリンタへ送信する送信手段と、
を有する複合機。
【請求項2】
前記取得手段は、ラベルに印刷する動的データを管理する情報管理装置から前記外部装置が収集する動的データと前記外部装置が保持するラベルフォーマット及びプリンタ情報とを取得する、
請求項1に記載の複合機。
【請求項3】
前記記憶部は、ラベルに印刷する画像データとラベルフォーマットとプリンタ情報とを記憶し、
前記取得手段は、ラベルに印刷する動的データを管理する情報管理装置から前記外部装置が収集する動的データを取得する、
請求項1に記載の複合機。
【請求項4】
前記取得手段は、前記記憶部に記憶する画像データを含む情報以外の情報を用いて前記外部装置が作成した第1のラベル印刷コマンドを取得し、
前記発行手段は、前記記憶部が記憶する画像データを含む情報を用いて第2のラベル印刷コマンドを発行し、
前記送信手段は、前記外部装置が作成した第1のラベル印刷コマンドと前記発行手段により発行した前記第2のラベル印刷コマンドとをラベルプリンタへ送信する、
請求項1に記載の複合機。
【請求項5】
複合機のプロセッサに、
ラベルプリンタにラベル印刷の実行を指示するラベル印刷コマンドを発行するための情報のうち、前記複合機の記憶部が記憶するラベルに印刷する画像データを含む情報以外の情報を外部装置から取得する取得機能と、
前記複合機の記憶部に記憶する画像データを含む情報と前記取得機能により前記外部装置から取得する情報とを用いてラベル印刷コマンドを発行する発行機能と、
前記発行機能により発行したラベル印刷コマンドを前記ラベルプリンタへ送信する送信機能と、
を実現させるためのラベル印刷プログラム。
【請求項6】
前記取得機能は、ラベルに印刷する動的データを管理する情報管理装置から前記外部装置が収集する動的データと前記外部装置が保持するラベルフォーマット及びプリンタ情報とを取得する、
請求項5に記載のラベル印刷プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、複合機、および、ラベル印刷プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ラベル印刷システムには、サーバ装置が管理する情報を用いてラベル印刷をラベルプリンタに指示するコマンドを発行するものがある。また、近年では、サーバ装置がクラウド上に配置されることが多くなってきている。ラベルに印刷する画像データなどの情報をクラウド上のサーバ装置が管理する構成では、ラベル印刷のコマンドを発行するデバイスは、ネットワークを通じてサーバ装置から画像データなどの情報を取得する必要が生じる。一般に、ラベルに印刷する画像データなどの情報は、データ容量が大きく、ネットワークで転送する際の通信負荷が大きくなる。従って、サーバ装置をクラウド上に配置したラベル印刷システムは、サーバ装置から転送するデータの容量が大きければ大きいほど、ラベル印刷の開始が遅くなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−351775号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本実施形態によれば、ラベル印刷を効率良く実施できる複合機およびラベル印刷プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、複合機は、第1の通信部と、第2の通信部と、記憶部と、取得手段と、発行手段と、送信手段とを有する。記憶部は、第1の通信部で通信するラベルプリンタがラベルに印刷する画像データを含む情報を記憶する。取得手段は、ラベルプリンタにラベル印刷を指示するラベル印刷コマンドを発行するための情報のうち、記憶部に記憶する画像データを含む情報以外の情報を第2の通信部により通信する外部装置から取得する。発行手段は、記憶部に記憶する画像データを含む情報と取得手段により外部装置から取得する情報とを用いてラベル印刷コマンドを発行する。送信手段は、発行手段により発行したラベル印刷コマンドを第1の通信によりベルプリンタへ送信する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態に係るデジタル複合機を含むラベル印刷システムの構成例を概略的に示す図である。
図2図2は、本実施形態に係るデジタル複合機の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態に係るデジタル複合機におけるラベル印刷コマンドの発行処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図4図4は、本実施形態に係る外部装置がデジタル複合機にデータを転送する処理の例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、本実施形態に係るラベル印刷システムの構成について説明する。
【0008】
図1は、ラベル印刷システムの構成例を概略的に示す図である。
図1に示す構成例において、ラベル印刷システムは、デジタル複合機(MFP,Multi-Functional Peripheral)1、ラベルプリンタ2、外部装置3、および情報管理装置4を有する。また、デジタル複合機1とラベルプリンタ2とは、イントラネット5により接続される。デジタル複合機1と外部装置3とは、インターネット6を介して接続される。外部装置3と情報管理装置4とは、クラウド7上で通信可能である。
【0009】
ただし、本実施形態に係るラベル印刷システムは、図1に示す構成に限定されるものでなく、ラベル印刷システムは、デジタル複合機1とラベルプリンタ2とがローカルに通信でき、デジタル複合機1と外部装置3とがインターネットを介して通信でき、外部装置3と情報管理装置4とが通信可能な構成であれば良い。
【0010】
たとえば、ラベル印刷システムは、イントラネット5内において、複数のデジタル複合機1がローカルエリアネットワークにより接続される構成であっても良いし、ラベルプリンタ2が複数存在しても良い。また、外部装置3は、複数のイントラネットに存在するデジタル複合機とインターネットを介してデータ通信するようにしても良い。また、デジタル複合機1とラベルプリンタ2との通信方式、デジタル複合機1と外部装置3との通信方式、および、外部装置3と情報管理装置4との通信方式は、特定の通信方式に限定されるものではなく、たとえば、無線通信であっても良いし、有線通信であっても良い、無線と有線とを組み合わせた通信方式であっても良い。
【0011】
デジタル複合機(MFP)1は、スキャナ機能、プリンタ機能、コピー機能、ネットワーク通信機能、および、情報保持機能などを有する。
本実施形態に係るラベル印刷システムにおいて、デジタル複合機1は、イントラネット5を介してラベルプリンタ2とデータ通信する機能、インターネット6を介してクラウド上の外部装置3とデータ通信する機能、および、ラベルプリンタ2にラベル印刷を指示するコマンド(ラベル印刷コマンド)を発行する機能を有する。さらに、本実施形態に係るデジタル複合機は、ラベル印刷コマンドを発行するのに必要な情報のうち、ラベルプリンタ2によりラベルに印刷する画像データなどの情報を記憶装置に保持(記憶)する機能を有する。
【0012】
すなわち、本実施形態に係るラベル印刷システムにおいて、デジタル複合機1は、ラベル印刷コマンドによりラベルプリンタ2によるラベル印刷を制御する。たとえば、ラベル印刷コマンドを発行するには、ラベルに印刷する画像データ、印刷するラベルのフォーマット情報(以下、ラベルフォーマット)、ラベルプリンタのパラメータ(例えば、フィード量は扱えるラベルの幅や高さ等)の定義情報(以下、プリンタ情報)、フォーマット内に埋め込む数値および文字列などの情報管理装置4が管理する情報(以下、動的データ)が必要であるものとする。
【0013】
ラベルに印刷する画像データは、デジタル複合機1が内部の記憶装置に保持する。また、動的データは、情報管理装置4が保持する情報である。外部装置3は、情報管理装置4が管理する動的データを収集する。また、ラベルフォーマットおよびプリンタ情報は、外部装置3が保持しても良いし、デジタル複合機1が保持しても良い。従って、デジタル複合機1は、ラベル印刷コマンドを発行するために必要な情報のうち、画像データなどの保持している情報以外の情報を外部装置3から取得する。すなわち、デジタル複合機1は、外部装置3から取得する情報と内部の記憶装置に保持する画像データなどの情報とを用いてラベル印刷コマンドを発行する。デジタル複合機1は、発行したラベル印刷コマンドをラベルプリンタ2へ供給することによりラベルプリントを実行させる。
【0014】
なお、デジタル複合機1は、デジタル複合機1が保持する情報(画像データ等)以外でラベル印刷コマンドを外部装置3が作成し、デジタル複合機1は自身が保持する情報(画像データ等)をラベルに印刷するラベル印刷コマンドを発行するようにしても良い。この場合、デジタル複合機1は、外部装置3が作成したラベル印刷コマンドおよび自身が発行したラベル印刷コマンドをラベルプリンタ2へ供給する。また、デジタル複合機1は、デジタル複合機1が保持する情報を省略した形のラベル印刷コマンドを外部装置3が作成し、外部装置3が作成したラベル印刷コマンドにデジタル複合機が保持する画像データ等の情報を添付することによりラベル印刷コマンドを発行し、ラベルプリンタ2へ供給するようにしても良い。
【0015】
ラベルプリンタ2は、ラベルを印刷するプリンタである。ラベルプリンタ2は、デジタル複合機1からのラベル印刷コマンドを受信するインターフェースを有する。本実施形態において、ラベルプリンタ2とデジタル複合機1とは、イントラネット5内においてローカルに接続されるものとする。ラベルプリンタ2は、デジタル複合機1から受信したラベル印刷コマンドに従ってラベル印刷を実行する。
【0016】
外部装置3は、クラウド上からラベル印刷コマンドを発行するために必要な情報をデジタル複合機1へ転送する装置である。外部装置3は、デジタル複合機1とインターネット6を介してデータ通信する通信機能を有する。また、外部装置3は、クラウド上で情報管理装置4とデータ通信する機能も有する。外部装置3は、たとえば、プロセッサがメモリに記憶したプログラムを実行することにより種々の処理を実行する一般的なコンピュータで構成して良い。
【0017】
外部装置3は、ラベル印刷コマンドを発行する必要な情報のうちラベルフォーマットおよびプリンタ情報を保持する。ただし、ラベルフォーマットおよびプリンタ情報は、デジタル複合機1が保持するようにしても良い。また、外部装置3は、ラベル印刷コマンドを実行するのに必要な情報のうち、動的データを情報管理装置4から収集する機能を有する。外部装置3は、デジタル複合機1からラベル印刷コマンドを発行するために必要なデータが要求された場合、情報管理装置4からする動的データとラベルフォーマットとプリンタ情報とデジタル複合機1へ送信する。
【0018】
情報管理装置4は、クラウド上に配置される。情報管理装置4は、例えば、ラベルに印刷する数値および文字列などの情報を記憶部に保持(管理)する。たとえば、情報管理装置4は、商品あるいはコンテンツなどの情報を管理している既存の装置が想定される。また、情報管理装置4が管理するラベルに印刷する数値及び文字列は、たとえば、顧客のID情報あるいは顧客の名前などの個人情報を含むものであっても良い。
ラベルに印刷する数値及び文字列などの情報は動的に変更する必要があるデータである。このため、本実施形態においては、情報管理装置4が管理するラベルに印刷する数値および文字列などの情報は、動的データと称するものとする。情報管理装置4は、外部装置3からの要求に応じて動的データを外部装置3へ出力する。
【0019】
次に、デジタル複合機1の構成について説明する。
図2は、デジタル複合機1の構成例を概略的に示すブロック図である。
図2に示すように、デジタル複合機1は、システム制御部11、スキャナ12、プリンタ13、および、操作パネル14を有する。
システム制御部11は、デジタル複合機1全体を制御する。システム制御部11は、システムバスなどを介して、スキャナ12、プリンタ13および操作パネル14に接続する。システム制御部11は、システムバスなどを介してデジタル複合機1内の各部を制御する。また、システム制御部11は、ラベルプリンタ2、および、外部装置3とのデータ通信を行う機能も有する。システム制御部11は、ラベルプリンタ2とはイントラネット5内でのローカルなデータ通信を行う。また、システム制御部11は、クラウド上に配置された外部装置3とインターネット6を介してデータ通信を行う。
【0020】
スキャナ12は、原稿の画像を画像データに変換する。スキャナ12は、原稿から読み取った画像データをシステム制御部11へ出力する。プリンタ13は、被画像形成媒体としての用紙に画像を形成する。プリンタ13は、特定の画像形成方式に限定されるものではない。たとえば、プリンタ13は、電子写真方式の画像形成装置であっても良いし、インクジェット方式の画像形成装置であっても良いし、熱転写方式の画像形成装置であっても良い。例えば、システム制御部11は、スキャナ12が読取った画像データをプリント用の画像データに変換してプリンタ13へ供給することによりコピー処理を行う。
【0021】
操作パネル14は、ユーザインターフェースである。操作パネル14は、表示部および操作部を有する。操作パネル14は、たとえば、表示部および操作部として機能するタッチパネル内蔵の表示装置で構成しても良い。操作パネル14は、ユーザに対する操作案内を表示したり、ユーザからの操作指示を受付けたりする。たとえば、ラベルプリンタによりラベルプリントを実行する場合、操作パネル14には、ラベルプリントの実行の指示が入力される。
【0022】
次に、デジタル複合機1の制御系統の構成について説明する。
図2に示す構成例において、デジタル複合機1のシステム制御部11は、プロセッサ(CPU)21、ランダムアクセスメモリ(RAM)22、リードオンリーメモリ(ROM)23、不揮発性メモリ24、ネットワークインターフェース25、および、ハードディスクドライブ(HDD)26などを有する。
【0023】
プロセッサ21は、たとえば、CPUである。プロセッサ21は、ROM23、不揮発性メモリ24あるいはHDD26に記憶されている制御プログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。RAM22は、ワーキングメモリとして機能するメインメモリである。ROM23は、デジタル複合機1の動作を司る制御プログラムおよび制御データなどを記憶する。不揮発性メモリ24は、書換え可能な不揮発性のメモリである。不揮発性メモリ24は、各種の処理機能を実現するための制御プログラムおよび制御データなどを記憶する。
【0024】
ネットワークインターフェース25は、イントラネット5を介してラベルプリンタ2と通信する第1の通信部の機能を有し、インターネット6を介して外部装置3と通信する第2の通信部の機能を有するインターフェースである。なお、デジタル複合機1のシステム制御部11には、ラベルプリンタ2と通信するためのインターフェースと、外部装置3と通信するためのインターフェースとを別々に設けても良い。
HDD26は、記憶部であり、データ記憶用の大容量のメモリである。たとえば、HDD26は、ラベルに印刷する対象となる画像データなどの情報を記憶する。また、HDD26は、ラベル印刷コマンドの送信先となるラベルプリンタ、つまり、ラベル印刷を実行するラベルプリンタ2のネットワーク情報(IPアドレスなど)を記憶する。なお、ラベルに印刷する対象となる画像データなどの情報、および、ラベルプリンタ2のネットワーク情報は、不揮発性メモリ24に記憶するようにしても良い。
【0025】
次に、本実施形態に係るラベル印刷システムにおけるラベル印刷処理の流れについて説明する。
図3は、本実施形態に係るデジタル複合機1におけるラベル印刷コマンドの発行処理の流れを説明するためのフローチャートである。
ラベル印刷処理において、デジタル複合機1の操作パネル14では、ラベルプリンタ2によるラベル印刷の実行を指示するボタンが入力される。たとえば、操作パネル14がタッチパネル付きの表示部を有する場合、ユーザは、タッチパネルによりラベルプリンタ2でのラベル印刷を選択し、印刷するラベルを選択する。操作パネル14は、ラベル印刷の実行を指示するボタンが入力されたことをシステム制御部11のプロセッサ21へ通知する。
【0026】
プロセッサ21は、操作パネル14からラベル印刷の実行が指示された通知に応じてラベル印刷を受け付ける(ACT11)。ラベル印刷を受付けると、プロセッサ21は、ラベルプリンタ2にラベル印刷を指示するラベル印刷コマンドを発行するために必要な情報を収集する(ACT12−14)。ここでは、ラベル印刷コマンドを発行するのに必要な情報のうち、ラベルに印刷する画像データをデジタル複合機1内のHDD26に記憶し、それ以外の情報を外部装置3から取得するものとする。
【0027】
すなわち、プロセッサ21は、ネットワークインターフェース25によりインターネット6を介して、ラベル印刷コマンドに必要なデータを外部装置3へ要求する(ACT12)。たとえば、プロセッサ21は、ネットワークインターフェース25によりインターネット6を介して外部装置3へアクセスする。インターネット6を介した外部装置3との通信状態が確立すると、プロセッサ21は、印刷するラベルを示す情報とともにラベル印刷コマンドを発行するのに必要なデータの転送要求を外部装置3へ送信する。
【0028】
外部装置3は、デジタル複合機1からのデータ要求に応じて、ラベル印刷に必要なデータをデジタル複合機1へ転送する処理を行う。
図4は、外部装置3がラベル印刷コマンドを発行するのに必要なデータをデジタル複合機1に転送する処理の例を説明するためのフローチャートである。
【0029】
すなわち、デジタル複合機1からのデータ要求を受信すると(ACT21、YES)、外部装置3の図示しないプロセッサ(以降各処理を外部装置3は略する)は、ラベルに印刷する数値や文字列などの動的データを管理する情報管理装置4と通信を開始する。情報管理装置4との通信状態を確立すると、外部装置3は、情報管理装置4からラベルに印刷する動的データを収集する(ACT22)。なお、情報管理装置4は、例えば、商品管理等に用いる既存のサーバ装置であることが想定される。
【0030】
情報管理装置4から動的データを収集すると、外部装置3は、ラベル印刷コマンドを発行するのに必要な情報のうち当該外部装置3が保持している情報(例えば、ラベルフォーマットおよびプリンタ情報)を内部の記憶装置から読み出す(ACT23)。たとえば、外部装置3に複数の複合機が接続されているシステム構成である場合、外部装置3がラベルフォーマットおよびプリンタ情報を保持することにより、ラベルフォーマットおよびプリンタ情報を一元的に管理でき、データ管理が効率化できる。
【0031】
外部装置3は、情報管理装置4から収集した動的データと当該外部装置3自身が保持する情報(ラベルフォーマットおよびプリンタ情報)とを、インターネット6を介してデジタル複合機1へ転送する(ACT24)。以上の処理により、外部装置3は、ラベル印刷コマンドを発行するのに必要な情報のうち、デジタル複合機1が保持しているラベルに印刷する画像データなどの情報以外の情報をデジタル複合機1に供給する。
【0032】
プロセッサ21は、ネットワークインターフェース26によりインターネット6を介して外部装置3から転送されるデータを取得する(ACT13)。また、プロセッサ21は、ラベル印刷に必要な情報のうち、HDD26に格納している画像データなどの情報を読み出す(ACT14)。これらの処理によって、プロセッサ21は、ラベル印刷コマンドを発行するのに必要なデータとしての外部装置3から取得する情報とHDD26に記憶する画像データとを収集する。
【0033】
ラベル印刷コマンドを発行するのに必要なデータを収集すると、プロセッサ21は、収集した情報を用いてラベルプリンタ2に対してラベル印刷の実行を指示するラベル印刷コマンドを発行する(ACT15)。ラベル印刷コマンドを発行すると、プロセッサ21は、ラベルプリンタ2のネットワーク情報(例えば、IPアドレス)を特定し、発行したラベル印刷コマンドをラベルプリンタ2へ送信する(ACT16)。
【0034】
上記の処理によりデジタル複合機1から送信されたラベル印刷コマンドは、ラベルプリンタ2が受信する。ラベル印刷コマンドを受信すると、ラベルプリンタ2は、受信したラベル印刷コマンドに従ってラベル印刷を実行する。
【0035】
上記の処理において、デジタル複合機は、ラベル印刷コマンドを発行するのに必要なデータのうちデータ量の大きい画像データを当該デジタル複合機内の記憶装置(HDD)から読出し、それ以外の情報を外部装置から取得する。これにより、ラベル印刷に用いる動的データをクラウド上に配置した情報管理装置が管理する構成であっても、データ量の大きい画像データがインターネットを介して転送されることがなく、通信負荷を軽減できる。また、結果として、ラベル印刷が指示されてからラベル印刷コマンドをラベルプリンタ2へ送信するまでの時間を短くすることができる。
【0036】
次に、上述した実施形態に対する第1の変形例について説明する。
第1の変形例としては、上述した実施形態では外部装置3が保持するラベルフォーマット及びプリンタ情報をデジタル複合機1で保持する。第1の変形例を実施する場合、デジタル複合機1は、ラベルに印刷する画像データだけでなく、ラベルフォーマットとプリンタ情報とをHDD26(又は不揮発性メモリ24)に記憶する。この場合、プロセッサ21は、図3に示すACT14の処理において、画像データとラベルフォーマットとプリンタ情報とをHDD26から読み出すようにすれば良い。なお、第1の変形例においては、外部装置3の処理として、図4に示すACT23の処理は省略される。
【0037】
上記のような第1の変形例によれば、ラベル印刷コマンドを発行するのに必要なデータのうち、画像データだけでなくラベルフォーマット及びプリンタ情報も、インターネットを介して転送されることがなく、通信負荷をさらに軽減できる。言い換えれば、ラベル印刷に用いる動的データをクラウド上に配置した情報管理装置が管理する構成であっても、情報管理装置が管理する動的データ以外はデジタル複合機1に保持しておくことにより、通信負荷を軽減し、ラベル印刷コマンドが送信するまでの時間を短くできる。
【0038】
次に、第2の変形例について説明する。
第2の変形例としては、ラベルプリンタ2に指示するコマンドを外部装置3に作成させる。第2の変形例を実施する場合、外部装置3は、デジタル複合機1が保持する画像データ以外の情報を用いて第1のラベル印刷コマンドを発行する機能を有し、デジタル複合機1は、HDD26に記憶する画像データをラベルに印刷させる第2のラベル印刷コマンドを発行する機能を有する。この場合、デジタル複合機1は、第1のラベル印刷コマンドと第2のラベル印刷コマンドとをラベルプリンタ2へ送信し、ラベルプリンタ2は、外部装置3が発行した第1のラベル印刷コマンドとデジタル複合機1が発行した第2のラベル印刷コマンドとによりラベル印刷を実行する。
【0039】
また、第2の変形例として、外部装置3は、デジタル複合機1が保持する画像データ以外の情報を用いてラベル印刷コマンドのデータを作成し、デジタル複合機1は、外部装置3が作成したラベル印刷コマンドのデータを取得し、外部装置3が作成したラベル印刷コマンドにHDD26に保持している画像データなどの情報を付加することによりラベルプリンタ2へ送信するラベル印刷コマンドを発行するようにしても良い。
【0040】
なお、上述した第2の変形例は、図4に示す処理において、外部装置3が画像データ以外の情報を用いてコマンドを発行する処理を追加し、図3に示すACT15の処理で、デジタル複合機1がHDD26に保持している画像データをラベルに印刷させるコマンドを発行するようにすれば実現できる。
【0041】
上記のような第2の変形例によれば、外部装置がラベルフォーマット、プリンタ情報および動的データを用いてコマンドを作成するため、デジタル複合機ではHDD26に保持している画像データをラベルに印刷させるためのコマンドを作成すれば良く、デジタル複合機における処理の負荷を軽減できる。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1…デジタル複合機、2…ラベルプリンタ、3…外部装置、4…情報管理装置、21…プロセッサ、25…ネットワークインターフェース、26…ハードディスクドライブ(記憶部)、ACT13…取得手段、ACT15…発行手段、ACT16…送信手段。
図1
図2
図3
図4