(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5676009
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】口腔ケア実験を行うための装置およびその形成と使用方法
(51)【国際特許分類】
A61C 19/04 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
A61C19/04 Z
【請求項の数】38
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-539811(P2013-539811)
(86)(22)【出願日】2010年12月7日
(65)【公表番号】特表2014-502190(P2014-502190A)
(43)【公表日】2014年1月30日
(86)【国際出願番号】US2010059193
(87)【国際公開番号】WO2012078137
(87)【国際公開日】20120614
【審査請求日】2013年10月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】590002611
【氏名又は名称】コルゲート・パーモリブ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COLGATE−PALMOLIVE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001874
【氏名又は名称】特許業務法人IPyS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャマラ・ピライ
(72)【発明者】
【氏名】シュイ・グオフォン
【審査官】
寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/117753(WO,A2)
【文献】
特開平04−213059(JP,A)
【文献】
特開2009−258112(JP,A)
【文献】
特開2002−325557(JP,A)
【文献】
BLAKE-HASKINS J C,EFFECT OF CALCIUM IN MODEL PLAQUE ON THE ANTICARIES ACTIVITY OF FLUORIDE IN VITRO,JOURNAL OF DENTAL RESEARCH [ONLINE],SAGE PUBLICATIONS,1992年 8月,V71 N8,P1482-1486,URL,http://jdr.sagepub.com/content/71/8/1482
【文献】
SHU M,DEVELOPMENT OF MULTI-SPECIES CONSORTIA BIOFILMS OF ORAL BACTERIA AS AN ENAMEL AND ROOT CARIES MODEL SYSTEM,ARCHIVES OF ORAL BIOLOGY,2000年 1月,V45 N1,P27-40
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主面および第2の主面を有するプレートと、
前記プレートに連結されて前記プレートから延びるハンドルと、
前記プレートの前記第1の主面に取り付けられた、少なくとも1つのエナメル質ブロック基板と、を備え、
前記プレートは、ワックス材料、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマおよび金属材料からなる群から選択される材料から形成され、および
前記ハンドルが、少なくとも前記ハンドルの一部と前記プレートの前記第2の主面の一部とを覆っているワックス材料の層によって、前記プレートの前記第2の主面に連結されている
ことを特徴とする口腔ケア実験を行うための装置。
【請求項2】
前記プレートは、唾液に対して不活性な材料で形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プレートは、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス、合成ワックスおよび/またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるワックス材料で形成される
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】
前記プレートは、実質的に平坦である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記プレートは、0.15〜1センチメートルの厚さを有する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記プレートの前記第1の主面および前記第2の主面は、互いに実質的に平行である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記プレートはワックス材料で形成されている
ことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記ワックス材料の層は、前記プレートと一体構造を形成するために加熱される
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記エナメル質ブロック基板は、牛の歯、人間の歯、陶歯およびHAPディスクからなる群から選択される
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記エナメル質ブロック基板は、表面および裏面を有し、前記裏面に加熱されたワックス材料を提供し、前記エナメル質ブロック基板を前記プレートの前記第1の主面に対して押圧し、前記加熱されたワックス材料で前記エナメル質ブロック基板を前記プレートの前記第1の主面に接合することによって、前記エナメル質ブロック基板は前記プレートの前記第1の主面に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記エナメル質ブロック基板を前記プレートの前記第1の主面に対して位置決めし、前記プレートの前記エナメル質ブロック基板の周縁端部に隣接する部分を柔らかくするため前記プレートを加熱し、前記プレートの前記第1の主面に前記エナメル質ブロック基板が少なくとも部分的に埋め込まれるように前記エナメル質ブロック基板に圧力をかけることによって、前記エナメル質ブロック基板は取り付けられる
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
さらに、前記第1の主面から突出し、前記エナメル質ブロック基板の周縁端部を実質的に取り囲む保持壁を備える
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
複数の前記エナメル質ブロック基板は、前記プレートの前記第1の主面上に取り付けられ、所定の配列に配置される
ことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記配列は、3×2配列である
ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記配列は、4×3配列である
ことを特徴とする請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記ハンドルは、細長いハンドルである
ことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記ハンドルは、細長い棒状の構造である
ことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ハンドルは、剛性コアとワックス材料のコーティングとを備える
ことを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
前記プレートは、可撓性材料で構成されている
ことを特徴とする請求項2または4〜18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記可撓性材料は、加熱されるとより柔軟になる感熱材料である
ことを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記装置は、口腔内に収まるサイズまたは形状である
ことを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
第1の主面および第2の主面を有するプレートを形成するステップa)と、
前記プレートの前記第1の主面に少なくとも1つのエナメル質ブロック基板を取り付けるステップb)と、
前記プレートへハンドルを連結し、前記ハンドルは前記プレートから延びているステップc)と、
を有し、
前記プレートは、ワックス材料、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマおよび金属材料からなる群から選択される材料から形成され、および
前記ステップc)は、前記プレートの前記第2の主面に対して前記ハンドルの部分を位置決めし、前記ハンドルの前記部分と前記プレートの前記第2の主面の一部の上に加熱されたワックス材料の層を重ねる
ことを特徴とする口腔ケア実験を行うための装置を形成する方法。
【請求項23】
前記プレートは、可撓性材料で形成される
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記可撓性材料は、加熱されると柔軟になる感熱材料である
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記プレートは、唾液に対して不活性な材料で形成される
ことを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記プレートは、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス、合成ワックスおよび/またはそれらの組み合わせからなる群から選択されるワックス材料で形成される
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記エナメル質ブロック基板は、表面と裏面を有し、前記ステップb)は、前記エナメル質ブロック基板の前記裏面に加熱されたワックス材料を提供し、前記プレートの前記第1の主面に対して前記エナメル質ブロック基板を押圧し、前記加熱されたワックス材料で前記エナメル質ブロック基板を前記プレートの前記第1の主面に接合する
ことを特徴とする請求項22〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記ステップb)は、前記プレートを軟化するために熱を加え、前記エナメル質ブロック基板が前記プレートの前記第1の主面に少なくとも部分的に埋め込まれるように、前記エナメル質ブロック基板を前記プレートの前記第1の主面に対して押圧する
ことを特徴とする請求項22〜26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記プレートは、ワックス材料から形成されている
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項30】
前記ハンドルは、剛性コアとワックス材料のコーティングを備える
ことを特徴とする請求項22〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記ハンドルは、細長い棒状の構造である
ことを特徴とする請求項22〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記ステップb)は、前記プレートの前記第1の主面に前記エナメル質ブロック基板をX×Y配列に取り付け、
Xは2以上の整数であり、Yは2以上の整数である
ことを特徴とする請求項22〜31のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
第1の主面および第2の主面を有するプレートと、前記プレートと結合されて前記プレートから延びるハンドルと、前記プレートの第1の主面上に取り付けられた少なくとも1つのエナメル質ブロック基板とを備える装置を提供するステップa)と、
前記装置からデータを収集するステップb)と、を有し、
前記プレートは、ワックス材料、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマおよび金属材料からなる群から選択される材料から形成され、および
前記ハンドルは、少なくとも前記ハンドルの一部と前記プレートの前記第2の主面の一部とを覆っているワックス材料の層によって、前記プレートの前記第2の主面に連結されている
ことを特徴とするデータを収集する方法。
【請求項34】
前記ステップa)は、前記少なくとも1つのエナメル質ブロック基板がその上に取り付けられた前記プレートを所定期間、口腔内に挿入する
ことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記ステップa)は、口腔に口腔ケア材料を提供し、
前記少なくとも1つのエナメル質ブロック基板がその上に取り付けられた前記プレートを所定期間、前記口腔内に挿入する
ことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記ハンドルは、細長いハンドルであり、前記ステップa)は、前記少なくとも1つのエナメル質ブロック基板がその上に取り付けられた前記プレートを所定期間、口腔内に挿入し、前記細長いハンドルの一部は前記口腔から突出する
ことを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記ステップa)は、前記プレートの前記第1の主面に前記エナメル質ブロック基板をX×Y配列で取り付け、
Xは2以上の整数であり、Yは2以上の整数である
ことを特徴とする請求項33〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記ステップb)は、前記口腔ケア材料のバイオフィルム根絶効果を評価する
ことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年12月7日に出願された国際出願PCT/10/59193の国内段階であり、上記出願の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、口腔ケア実験を行うための装置および方法に関し、特に、1つまたは複数のエナメル質ブロック基板が口腔内に配置された口腔ケア実験を行うための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
口腔ケア産業において、人によって歯には非常に多くの本来的な違いがあり、データの基準となる一定の特性がないため、生きている人の歯に関する実験データを収集することは難しい。そのため、実験データは通常、例えば砂糖やコーヒがある条件下に滅菌されたエナメル質ブロック基板をさらし、口腔ケア材料の性能を測定するためのエナメル質ブロック基板に、例えば歯磨剤または歯のホワイトニング溶液などの口腔ケア材料を適用することにより収集される。多くの実験条件において、エナメル質ブロック基板上に唾液ペリクルを形成するため、唾液にエナメル質ブロック基板をさらすこともまた重要である。これにより歯が生きている人の口の中でさらされている環境条件が再現される。したがって、ユーザの口に挿入して着用できるアクリル口蓋器具にエナメル質ブロックを取り付けることが知られている。
【0004】
具体的には、例えばリテーナなどのアクリル口蓋器具は、特定のユーザの口蓋に合うように作成される。典型的なアクリル口蓋器具は、特定のユーザに合うように、およびユーザの上歯の内面に対してしっかりと設置されてそのユーザの口蓋に対して所定の位置にとどまるように形成される。エナメル質ブロック基板が配置される凹部がアクリル口蓋器具の中に形成される。一度作成されると、エナメル質ブロック基板がその上に取り付けられたアクリル口蓋器具は、繰り返しユーザの口への挿入と口からの除去が行われる。具体的には、アクリル口蓋器具は、唾液ペリクルの形成を実現するためにユーザの口に挿入され、特定の口腔ケア材料または他の材料にエナメル質ブロック基板をさらすためにユーザの口から除去され、ユーザの口の環境内にある歯に対する口腔ケア材料の有効性に関するデータを収集するためにユーザの口の中へ再挿入される。
【0005】
実験のために既存のアクリル口蓋器具を使用する場合の1つの大きな問題は、口の形状が皆異なるということである。このため、個々人が着用するように細部にわたって設計されたアクリル口蓋器具を作成する必要がある。アクリル口蓋器具を作成するため、技師はユーザの口の中にアルギン酸塩、カルシウム塩およびリン酸三ナトリウムを含む粉末が入ったトレイを取り付けることによって、アルギン酸塩製のユーザの口の押し型を作らなければならない。粉末は、ユーザの唾液との混合時にゴム状、ゲル状材料に硬化し、ユーザの口の押し型を形成する。それから、ユーザの口と歯を複製するゲル状の押し型に硬質石膏が注がれる。硬質石膏製モデルは、その後余分な石膏を取り除くためにトリミングしなければならない。多くの洗浄と準備工程が介在した後、個々人の固有の口に合うように設計されたアクリル口蓋器具を作成するため、アクリルが硬質石膏モデルに注がれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、アクリル口蓋器具の作成は、非常に時間がかかり面倒である。また、実証研究に参加する個々人が自分のアクリル口蓋器具を持たなければならないことが、実験の一連の作業を遅くしている。また、試験目的のエナメル質ブロック基板を有するアクリル口蓋器具は、滅菌後であってもそのユーザの口に適合しないため、第2の実験参加者によって再利用できない。さらに、多くの実験参加予定者は、アクリル口蓋器具を着用したり、これを作成することを望まない。これが、実証研究を行おうとする組織にとって十分なデータを収集するために、十分な人数の協力的な参加者を得るのを難しくしている。
【0007】
これらの課題は、生体内および生体外のいずれのエナメル質ブロック基板上でも口腔ケア実験を行うためのより良い方法を必要とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、プレートに取り付けられたエナメル質ブロック基板を利用する口腔ケア実験を行うための装置および該装置の形成と使用方法を対象にする。該装置は、ユーザの口の内部または外部のいずれかの所望の位置にプレートを保持できるように、該プレートに結合されると共に該プレートから延びるハンドルを備えている。
【0009】
一実施態様において、本発明は、第1の主面と第2の主面を備えるプレートと、該プレートと結合されて該プレートから延びるハンドルと、プレートの第1の主面に取り付けられた少なくとも1つの基板とを備える口腔ケア実験を行うための装置である。
【0010】
他の実施態様において、本発明は、第1の主面および第2の主面を有するプレートを形成するステップと、プレートの第1の主面に少なくとも1つのエナメル質ブロック基板を取り付けるステップと、プレートにハンドルを結合し、該ハンドルはプレートから延びるステップと、を有する口腔ケア実験を行うための装置を形成する方法である。
【0011】
さらに他の実施態様において、本発明は、少なくとも1つのエナメル質ブロック基板に対する口腔ケア材料の効果に関するデータを収集するため、口腔に少なくとも1つのエナメル質ブロック基板をさらす方法である。口腔に口腔ケア材料を与えるステップa)と、第1の主面および第2の主面を有するプレートと、プレートと結合されてプレートから延びるハンドルと、プレートの第1の主面上に取り付けられた少なくとも1つのエナメル質ブロック基板とを備える装置を与えるステップb)と、少なくとも1つのエナメル質ブロック基板がその上に取り付けられたプレートを所定の期間口腔内に挿入するステップc)と、を有するデータを収集する方法である。
【0012】
本発明は、詳細な説明および添付図面からより完全に理解できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態による口腔ケア実験を行うための装置の斜視図である。
【
図2】
図2aは、プレートへのエナメル質ブロック基板の取付けを概略的に示す、本発明の実施形態による
図1の装置の概略図であり、
図2bは、プレートにエナメル質ブロック基板を取り付けるため、その上に加熱されたワックス材料を備える、本発明の実施形態によるエナメル質ブロック基板の背面図であり、
図2cは、その上に加熱されたワックス材料が設けられた
図1の装置のプレートの正面図であり、
図2dは、その上にエナメル質ブロック基板が取り付けられた
図1の装置の正面図である。
【
図3】
図3aは、
図2dのIII-III線に沿った横断面図であり、
図3bは、エナメル質ブロック基板を実質的に囲む保持壁を備える
図3aの横断面図であり、
図3cは、プレートの表面に部分的に埋め込まれたエナメル質ブロック基板を備える
図3aの横断面図であり、
図3dは、エナメル質ブロック基板を実質的に囲む保持壁を備える
図3cの横断面図である。
【
図4】
図4aは、プレートに連結され、プレートから延びるハンドルを備える
図1の装置の背面図であり、
図4bは、
図4aのIVb-IVb線に沿った横断面図であり、
図4cは、ハンドルの一部とプレートの第2の主面の一部とを覆うワックス層を備える
図4bの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好ましい実施形態に関する以下の説明は、本質的に例示的なものに過ぎず、本発明、その適用、または用途を制限することを意図していない。
【0015】
本発明の原理による例示的な実施形態の説明は、添付図面と共に読むことが意図されており、添付図面は、記載した明細書の全体の一部として見なされるべきである。本明細書に開示された本発明の例示的な実施形態の説明において、方向または向きに関する言及は、単に説明の便宜上のためであり、本発明の範囲を限定する方法を意図するものではない。例えば「下側」、「上側」、「水平な」、「垂直な」、「上で」、「下で」、「上へ」、「下へ」、「上部」、「下部」、「表面」および「背面」ならびにそれらの派生語(例えば、「水平に」、「下方へ」、「上方へ」など)のような相対的な用語は、そこで説明される、または議論になっている図面にて示される方向を参照して、解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、単に説明の便宜上のものであって、そのようなものとして明確に示されていなければ装置を特定の方向で構成するまたは作動させる必要はない。例えば、「添付」、「貼付」、「接続」、「結合」、「相互接続」、「固定」のような取り付けおよび結合などに関する用語は関係性を意味し、他に特別な説明がない限り、そこでは、双方の可動式または固定式の取り付けまたは関係と同様に、構造体を介在させることによって、構造体を互いに直接的または間接的に固定または取り付けている。さらに、本発明の特徴および利点は、本明細書に示した例示的な実施形態を参照して説明されている。従って、本発明は、明示的に好ましいものとして示されている場合でも、そのような例示的な実施形態に限定されるものではない。本明細書での論考は、単独でまたは特徴の他の組み合わせで存在してもよい、可能な限定されない特徴の組み合わせについて説明して図示する。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0016】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る口腔ケア実験を行うためのエナメル質ブロック器具100が示されている。エナメル質ブロック器具100は、生体内および/または生体外の口腔ケア実験に使用することができる。以下でより詳細に説明するように、エナメル質ブロック器具100は、一般にロリポップの形状を有し、特定の実施形態において、大きさと形状がロリポップと同様である。しかし、当然のことながら、以下の説明から明らかなように、エナメル質ブロック器具100は、本明細書に記載された特定の形状および大きさに限定されるものではなく、他の形状および大きさを使用できる。エナメル質ブロック器具100は、組み立てが容易かつ迅速であり、使用の合間の適切な滅菌後にエナメル質ブロック器具100を複数の人が使用できるように、大きさおよび/または形状がユーザ固有ではない。また、エナメル質ブロック器具100の大きさおよび形状は、それが被験者間で普遍的に使用できるように選択される。
【0017】
エナメル質ブロック器具100は一般に、プレート110と、複数のエナメル質ブロック基板140と、ハンドル170を備えている。エナメル質ブロック器具100は、プレート110上に複数のエナメル質ブロック基板140が取り付けられているものとして図示して説明したが、特定の実施形態において、プレート110上に1つのエナメル質ブロック基板140のみが取り付けられてもよい。簡単に言うと、エナメル質ブロック器具100は、以下のようにプレート110上に取り付けられた少なくとも1つのエナメル質ブロック基板140を備える。
【0018】
以下で詳細に説明するように、エナメル質ブロック基板140は、エナメル質ブロック基板140の一方の面が周囲環境にさらされ、エナメル質ブロック基板140の他方の面がプレート110に取り付けられるように、プレート
110に取り付けられる。エナメル質ブロック基板140は、好ましくはプレート110上に取り付けられて所定の配列に配置されている。
図1は、3×2の配列に取り付けられた6つのエナメル質ブロック基板140を示しているが、6つより多いまたは少ないエナメル質ブロック基板140を使用して異なる配置で取り付けてもよい。特定の実施形態では、該配列は、XとYは共に2以上の整数となるように、X行Y列のエナメル質ブロック基板を有する。特定の実施形態では、該配列は、3×2の配列(
図1に示されている)または4×3の配列(図示せず)であってもよい。当然、該配列は、要望通りの任意の数の列および行を有することができる。
【0019】
例示されたプレート110の実施形態は、角の丸い略矩形形状を有する。当然、本発明はこれに限定されるものではなく、プレート110は、任意の他の所望の形状をとることができる。しかしながら、特定の実施形態では、プレート110は、以下でより詳細に説明するように、プレート110がユーザの口に挿入された際の快適性を確保するため、鋭い縁および/または鋭い角を含まない。
【0020】
プレート110は、第1の主面111と、第1の主面111の反対側にある第2の主面112とを有する。さらに、
図1に示すように、プレート110は実質的に平坦である。プレート110の平坦な構造は、プレート110がユーザの口に挿入されたときに快適性を向上させ、所定の実験条件で必要に応じて、プレート110が口の輪郭に適合できるように柔軟性を与える。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の主面111と第2の主面112は、互いに実質的に平行である。その平行な構造は、実質的に平坦なプレート配置により得てもよいが、その平行な構造はまた、プレートが平坦でない場合、例えば第1および第2の主面111、112が共に、互いに平行になるような同様の方法で形成される場合に得ることができる。一実施形態では、プレート110は、0.15〜1センチメートルの範囲の厚さを有し、特定の実施形態では、0.2センチメートルの厚さを有する。当然、本発明はこれに限定されず、当業者によって理解されるように、プレート110は他の厚さを有してもよい。
【0022】
プレート110は、唾液に対して不活性な材料で形成される。特定の実施形態において、プレート110は、唾液およびエナメル質ブロック器具100を用いて試験される口腔ケア材料の両方に不活性な材料で形成される。一実施形態において、プレート110は、可撓性または圧縮性材料で形成される。好ましい一実施形態では、可撓性材料は、ワックス材料として加熱されるとより柔軟になる感熱材料である。本発明で使用することができるワックス材料の種類の例には、動物性ワックス、植物性ワックス、鉱物系ワックス、石油系ワックス、合成ワックスおよび/またはそれらの組み合わせが含まれるがこれに限定されるものではない。具体的には、上述したワックスの種類の二つ以上の組み合わせとして形成される歯科用ワックスが好ましい。当然、本発明は可撓性材料で形成されたプレートに限定されるものではなく、プレート110は他の材料で形成されてもよい。他の適切な材料には、ポリマ、プラスチック、金属および/またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0023】
さらに、本明細書中で使用される用語「口腔ケア材料」とは、現在使用されているか、歯、舌および歯茎を含むデンティチュア(dentiture)の口腔健康に寄与する製品として使用するためのテストが行われている、いずれかのタイプの材料も指すことができる。これは、歯のホワイトニング材料、歯磨剤、洗口剤、特別な風味を有する任意の材料、歯麻酔材料、抗過敏材料または種々の既知または後の発見された薬剤を含むことができるが、これらに限定されるものではない。さらに、口腔ケア材料は、活性剤を含む材料であってもよい。使用可能な活性剤の限定されない例には、抗菌剤、美白剤、抗過敏剤、抗炎症剤、抗付着剤、プラークインジケータ剤、香料、知覚材料(sensates)、息フレッシュニング剤、ガム健康剤および着色剤が含まれる。これらの薬剤の例には、金属イオン剤(例えば、第一スズイオン剤、銅イオン剤、亜鉛イオン剤、銀イオン剤)、トリクロサン、トリクロサン一リン酸塩、クロルヘキシジン、アレキシジン、ヘキセチジン、サンギナリン、塩化ベンザルコニウム、サリチルアニリド、臭化ドミフェン、塩化セチルピリジニウム、塩化テトラデシルピリジニウム、N−テトラデシル−4−エチルピリジニウムクロリド(TDEPC)、オクテニジン、デルモピノール、オクタピノール、ニシン、精油、フラノン、バクテリオシン、フラバン、フラビノイド、葉酸、ビタミン類、ミネラル類、過酸化水素、過酸化尿素、過炭酸ナトリウム、PVP−H2O2、ポリマ結合過酸化カリウム、硝酸塩、閉塞剤、生体活性ガラス、アルギニン塩、アルギニン炭酸塩、バイカリン、ポリフェノール、ピルビン酸エチル、グアニジノエチルジスルフィド、歯石制御剤、防汚成分、リン酸塩、ポリビニルホスホン酸、PVM/MAコポリマ、酵素、グルコースオキシダーゼ、パパイン、フィシン、エチルラウロイルアルギン酸、メントール、カルボンおよびアネトール、様々な香味アルデヒド、エステル類、アルコール類、スペアミント油、ハッカ油、ウインターグリーン油、ササフラス油、チョウジ油、セージ油、ユーカリ油、マジョラム油、シナモン油、レモン油、ライム油、グレープフルーツ油および/またはオレンジ油が含まれる。当然、本発明は限定されるものではなく、ユーザの歯に適用時にその効果を試験するのが望ましい任意の材料を口腔ケア材料として使用できる。エナメル質ブロック器具100を用いて実験的に試験できる具体的な口腔ケア材料は、本発明を限定するものではない。
【0024】
エナメル質ブロック基板140は、プレート110の第1の主面111上に取り付けられている。いくつかの可能な取り付けの手順について、
図2a〜2dを参照して以下に詳細に説明する。一実施形態では、エナメル質ブロック基板140は、具体的にはダイヤモンドコアドリルで切断された歯冠のスライスとすることができる。切断後、スライスは回転研磨ホイールで平坦に研磨されて滑らかにされる。当然、エナメル質ブロック基板140を作成するために使用される機械や装置の種類は、本発明を限定するものではない。エナメル質ブロック基板のその他の好適な例には、牛の歯、人間の歯、陶歯、HAP(ヒドロキシアパタイト)ディスク、または歯で種々の口腔ケア材料の効果を試験するのに有効であろう他の本物または人工の表面または材料が含まれる。
【0025】
図2aを参照すると、エナメル質ブロック基板140の相対的な取り付け位置を示す矢印が付いたプレート110の概略が示されている。
図2aは、プレート110の第1の主面111に3×2の配列のエナメル質ブロック基板140を備えた上述の好ましい実施形態を示している。当然、プレート110上のエナメル質ブロック基板140の任意の配置が可能であり、これにはランダムな取り付けパターンも含まれる。また、上述したように、エナメル質ブロック器具100は、特定の実施形態において、1つだけエナメル質ブロック基板140を含んでいてもよい。
【0026】
図2a〜2dを参照して、本発明の一実施形態によるエナメル質ブロック器具100の形成について説明する。エナメル質ブロック器具100が組み立てられているとき、各エナメル質ブロック基板140は、周囲環境にさらされた表面141と、プレート110の第1の主面111に接合された裏面142とを有する。各エナメル質ブロック基板140はさらに、エナメル質ブロック基板140の上面、底面および側面の縁によってまとめて形成された周縁端部146を有する。エナメル質ブロック基板140は、一般的に4つの辺を持つ長方形の構造として示されているが、エナメル質ブロック基板140は、楕円形または他の多角形または不規則な形状を含む他の形状をとってもよい。
【0027】
本発明の好ましい一実施形態では、エナメル質ブロックの基板140は、最初に各エナメル質ブロック基板140の裏面142に加熱されたワックス材料143を適用することによってプレート110に取り付けられる。加熱されたワックス材料143がまだ熱いうちに、第1の加熱されたワックス材料143がエナメル質ブロック基板140をプレート
110の第1の主面111に接合するように、エナメル質ブロック基板140の裏面142はプレート110の第1の主面111に押圧される。
【0028】
プレート110がワックス材料、例えば対向する主面を有するワックスシートで作られている実施形態では、エナメル質ブロック基板140の裏面142上の加熱されたワックス材料143は、冷えるとプレート110のワックス材料にすぐに接合する。最初に、加熱されたワックス材料143がプレート
110のワックス材料と接触し、熱が加熱されたワックス材料143からワックス材料をプレート110のワックス材料に伝導され、プレート110のワックス材料を軟化させる。これにより、第1の加熱されたワックス材料143とプレート110のワックス材料が冷えて硬化し、その結果、単一の構造体を形成できる。これによって、エナメル質ブロック基板140をプレート110に取り付ける方法が非常に効率的かつ効果的になる。
【0029】
さらにまたはあるいは、第2の加熱されたワックス材料144は、プレート110の第1の主面111上でエナメル質ブロック基板140を取り付けるのが望まれる位置に直接設けてもよい。これは、分かれたワックスを加熱し、プレート110に適用するか、プレートがワックス材料で形成される実施形態では、プレート110自体の一領域を加熱することによって行うことができる。第2の加熱されたワックス材料144がまだ熱いうちに、第2の加熱されたワックス材料144がエナメル質ブロック基板140をプレート
110の第1の主面111に結合するように、エナメル質ブロック基板140の裏面142がプレート110の第1の主面111に押圧される。第1の加熱されたワックス材料143をエナメル質ブロック基板140の裏面142上に、第2の加熱されたワックス材料144をプレート110の第1の主面111上に提供することにより、エナメル質ブロック基板140のプレート110に対する接合を強化する。この強化された接合が生じるのは、第1および第2の加熱されたワックス材料143、144が混ざり、硬化しながら接合し、その結果一体構造体を形成するためである。
【0030】
上述のように、プレート110の第1の主面111上に第2の加熱されたワックス材料144を提供する代わりに、プレート110の第1の主面111の一部を直接加熱することができる。プレート110がワックス材料によって形成される場合、プレート110の実際の材料を加熱することにより、加熱されたプレート110上にワックス材料を付加的に与えるのと同じ効果が生じる。
【0031】
加熱されたワックス材料143、144の一方または両方が設けられ、エナメル質ブロック基板140がプレート110の第1の主面111に押圧された後、エナメル質ブロック基板140は、エナメル質ブロック基板140を適切な位置に押圧することによって、プレート110の第1の主面111に取り付けられる。得られた構造体は、ハンドル170がないエナメル質ブロック器具100として、
図2Dに示されている。
【0032】
加熱されたワックス材料を接着剤として用いるエナメル質ブロック器具100の形成について上述したが、他の材料および/または物質がエナメル質ブロック基板140をプレート110に接合するのに使用できることに留意すべきである。具体的には、エナメル質ブロック基板140は、例えば熱可塑性接着剤、光硬化性接着剤、乾燥性粘着剤、感圧接着剤、加熱性接着剤、反応性接着剤、天然接着剤、合成接着剤などの接着剤によってプレート110に接合されてもよい。使用される接着剤の種類は、非毒性であり、湿潤および乾燥した両環境でエナメル質ブロック基板140とプレート110との間の接合を維持できるべきである。これは、現在知られているまたは後に発見される、湿潤環境で2つ以上の別々の構造物の間を強固に接合して維持できる任意の接着剤とすることができる。湿潤および乾燥した両環境でその接合品質を維持するので、ワックスは1つの好ましい接着剤であり、本発明のエナメル質ブロック器具100は湿潤および乾燥した両環境での使用を意図している。
【0033】
「軟化」「溶解」という用語を、本願全体にわたって同じ意味で使用してもよい。例えば、ワックス材料に熱または熱エネルギーを与えた結果得られる効果は、ワックス材料を軟化または溶融することとして記述できる。しかし、プレート110は、ワックス材料で形成されることに限定されるものではない。このように、プレート110は、熱または他の熱エネルギーにさらされると、軟化、溶融またはさらに柔軟になる他の可撓性材料から形成することができる。当然のことながら、他の実施形態では、プレート110は、可撓性材料で形成する必要はなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド、ポリエステル、セルロース誘導体、SAN、アクリル、ABS、熱可塑性エラストマ、ステンレス鋼、金属および/またはこれらの組み合わせなど、固いおよび/またはエラストマ材料で形成することができる。また、例えば金属や硬質プラスチックなどの非可撓性材料が、プレート110を作成するために使用される場合、エナメル質ブロック基板140は、溶融法や接着剤を用いる代わりに、プレートの開口部に圧入してもよい。より具体的には、プレート110は、第1の主面111上に複数の開口部を有していてもよい。プレート110上の開口部にあるエナメル質ブロック基板140を圧入することで、エナメル質基板が開口部に挿入され、圧入によって固定されるように、該開口部はエナメル質ブロック基板140よりも僅かに小さく形成してもよい。開口部は、基板140をより容易に受け入れるように先細りにしてもよい。
【0034】
図3a〜3dを参照すると、プレート110に取り付けて接合されたエナメル質ブロック基板140が示されている。例示された実施形態では、エナメル質ブロック基板140は、プレート110の第1の主面111の上にエナメル質ブロック基板140の裏面142があるように、プレート110に取り付けられる。エナメル質ブロック基板140をプレート110の第1の主面111に接合する接着剤層は、図示されていないが、エナメル質ブロックの基板140とプレート110の第1の主面111との間に配置されており、特定の実施形態においてはワックス材料である。
【0035】
図3bを参照すると、一実施形態では、プレート110の第1の主面111から保持壁145が突出する。保持壁145は、エナメル質ブロック基板140の周縁端部146を実質的に取り囲む。一実施形態では、保持壁145はワックス材料によって形成される。このような実施形態では、保持壁145は、取り付け工程中にエナメル質ブロック基板140とプレート110の第1の主面111との間から押し出された第1および/または第2の加熱されたワックス材料143、144の余分なワックス材料により形成してもよい。当然、本発明はこれに限定されるものではなく、保持壁145は、エナメル質ブロック基板140を少なくとも部分的にプレート110の第1の主面111に埋め込むことによって、または他の手段によって形成してもよい。
【0036】
保持壁145は、プレート110の第1の主面111からエナメル質ブロック基板140の上面141から所定距離だけ突出する。他の方法を考えるに、エナメル質ブロック基板140の上面141は、保持壁145の上端に対して凹んでいる。概念的には、エナメル質ブロック基板140の上面141がベイスン(basin)の床を形成し、エナメル質ブロック基板140から上方に延びる保持壁145の部分がベイスンの壁を形成するように、ベイスンが形成される。このように、エナメル質ブロック基板140に接触する唾液や口腔ケア材料は、エナメル質ブロック基板140と接触したままになる。このような実施形態では、保持壁145は、唾液と口腔ケア材料をベイスン内に閉じ込めるバリアとして作用し、唾液や口腔ケア材料がエナメル質ブロック基板140から外れるのを防ぐ。
【0037】
図3cを参照すると、プレート110に取り付けられたエナメル質ブロック基板140を示す他の実施形態が示されている。本実施形態では、エナメル質ブロック基板140は、プレート110の第1の主面111に部分的に埋め込まれる。エナメル質ブロック基板140は、部分的にプレート110の第1の主面111に埋設されるようにしか示されていないが、エナメル質ブロック基板140は、エナメル質ブロック基板140がプレート110の第1の主面111に対して押圧またはフラッシュ(flush)されるように完全に埋め込まれてもよい。
【0038】
図3dを参照すると、部分的に埋め込まれたエナメル質ブロック基板140の周縁端部146を囲んでいる保持壁145が図示されている。エナメル質ブロック基板140を部分的に埋め込むことにより、エナメル質ブロック基板140は、
図3bを参照して上述されているような他の方法よりも、保持壁145に対してより多く押圧されている。
【0039】
図4A〜4Cを参照して、プレート110へのハンドル170の取り付けについて説明する。ハンドル170は、ユーザの口の内部および外部でのプレート110の操作性を高めるために、例えば細長い棒状の構造体など細長い部材であってもよい。ハンドル170は細長い部材として図示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ハンドル170がユーザの口の内部または外部のいずれかでプレート110を様々な角度に操作できる限り、ハンドル170は任意の形状および大きさを取ることができる。
【0040】
ハンドル170は、プレート110に結合され、プレート110から延びる。図示された実施形態では、ハンドル170は、第1の主面111の反対側にあるプレート110の第2の主面112に結合される。このようにハンドル170は、エナメル質ブロック基板140のようにプレート110の反対側のプレート110に結合される。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ハンドル170は、プレート110の第1の主面111に結合してもよく、または、ハンドル170は、プレート110の第1および第2の主面111、112の間にあるように、プレート110内に埋め込まれてもよい。
【0041】
ハンドル170は、任意の既知の方法でプレート110に結合できる。しかしながら、エナメル質ブロック器具100は湿潤条件下で使用されるため、湿潤条件下でもハンドル170がプレート110に結合されたままにできるように結合が行われることが好ましい。一実施形態では、ハンドル170は、プレート110の第2の主面112上に整列され、ワックス147の層は、少なくともハンドル170の一部およびプレート110の第2の主面112の一部を覆うように形成される。プレート110がワックス材料からなる場合、ワックス147の層がプレート110と一体構造を形成するために加熱される。これは、プレート110の第2の主面112とワックス147の層との間にハンドル170を結合する。ワックスは、疎水性であるため有効な接着剤であり、ハンドル170は、湿潤条件下でもプレート110に取り付けられたままになる。当然、当業者に理解されるように、ハンドル170をプレート110に取り付ける他の方法も本発明の範囲内である。エナメル質ブロック基板140のプレート110に対する取り付けに関する上述の接着接合の方法は、ハンドル170のプレート110に対する結合にも同様に適用できる。
図5は、エナメル質ブロック基板140がプレート110に取り付けられ、ハンドル170がプレート110に結合された後のエナメル質ブロック器具100を示す。
【0042】
プレート110をハンドル170に結合することにより、エナメル質ブロック基板140がユーザの口の中の異なる領域にさらすことができる。ハンドル170は、エナメル質ブロック基板140が大臼歯の近くの口の奥、口蓋、舌、頬の内面に隣接する口の領域、歯または試験するのが望まれる口内の他の領域にさらされるようにユーザがプレート110を操作できるようにする。ハンドル170は、ユーザがエナメル質ブロック器具100を、ユーザの口との角度や位置の数に制約なしで操作できるようにする。
【0043】
プレート110は、プレート110の上端113とプレート110の下端114との間の距離として規定された第1の高さH1を有する。また、第2の高さH2は、プレート110の底縁114とハンドル170の上端171との間に規定される。プレート110の第1の高さH1の略3分の1離れてハンドル170がプレート110に結合されるように、第2の高さH2は、好ましくは第1の高さH1の約3分の1である。当然、本発明はこれに限定されず、当業者に理解されるように、ハンドル170は、他の距離と高さでプレート110に結合できる。
【0044】
ハンドル170は、好ましくは、ワックス材料で被覆された材料の剛性コアで構成されている。より好ましくは、剛性コアは、堅く巻かれた紙材であり、それからワックスの薄い層で被覆されている。当然、本発明はこれに限定されるものではなく、ハンドル170は、例えば、木材、金属、金属合金、炭素繊維、熱可塑性樹脂などの他の材料で形成されてもよい。ハンドル170の材料は、好ましくは、ハンドル170が湿潤および乾燥の両条件下で構造的な完全性を維持できるように選択される。
【0045】
エナメル質ブロック器具100は、さまざまな実験条件で使用できる。しかし、エナメル質ブロック器具100は、特に短期間の内部実験に適している。短期間の内部実験とは、エナメル質ブロック器具100が短期間ユーザの口の中に配置されることのみを目的としており、それは一晩中使用するのにはあまり適していないことを意味することを意図している。いくつかの実験条件では、ユーザは、所望の口腔表面に口腔ケア材料を利用する。該利用の終了後、所定の期間、エナメル質ブロック器具100はユーザの口に挿入される。この種の実験は、ブラッシング時間後のユーザまたは実験参加者の口の中の環境で口腔ケア材料の長期的な効果を試験することができる。
【0046】
図1〜5を同時に参照して、少なくとも1つのエナメル質ブロック基板上における口腔ケア材料の効果に関するデータを収集するための口腔内に少なくとも1つのエナメル質ブロック基板をさらす方法について説明する。好ましい用途では、口腔ケア材料は、第1ユーザの口腔内に設けられている。口腔ケア材料は、上述したいずれの口腔ケア材料であってもよく、エナメル質ブロック基板上で効果について実験的に試験することが望まれる他の口腔ケア材料であってもよい。口腔ケア材料は、例えば歯ブラシなどの口腔ケア器具を介して、または当業者に既知の他の方法で、ユーザの口腔内に提供できる。
【0047】
口腔ケア材料が十分に口腔内に適用された後、上述のエナメル質ブロック器具100が与えられる。エナメル質ブロック器具100は、プレート110の第1の主面上に少なくとも1つのエナメル質ブロック基板140が取り付けられたプレート110と、プレート110に結合され、プレート110から延びるハンドル170を備える。
【0048】
そして、後述のように、エナメル質ブロック器具100は、ユーザの口腔内に挿入される。ユーザは、エナメル質ブロック器具100のハンドル170を握り、少なくとも1つのエナメル質ブロック基板140が取り付けられたプレート110を口腔内に所定の期間配置する。本発明のエナメル質ブロック器具100は通常、短期間の実験に使用される。従って、所定の期間は通常、2分間〜2時間の範囲である。
【0049】
上述したようにエナメル質ブロック器具100を使用する場合、ハンドル170は、ユーザの口腔内でプレート110を操作し易いように細長いハンドルであることが好ましい。細長いハンドル170を用いることで、少なくとも1つのエナメル質ブロック基板140が取り付けられたプレート110が口腔内に挿入されるとき、細長いハンドル170の一部が口腔から突出する。このように、プレート110は口腔内に配置され、細長いハンドル170はユーザの手で把持して操作できるように、ユーザの口腔外の領域にプレート110から延びる。これにより、ユーザは少なくとも1つのエナメル質ブロック基板140が取り付けられたプレート110をユーザの口の中のさまざまな場所に配置できる。上述のように、プレート110は、口腔内における臼歯近くの口の奥、口蓋、舌、頬のうち面に隣接する口の領域、歯または他の所望の領域に配置するように操作できる。
【0050】
なお、当然のことながら、エナメル質ブロック器具100は、上述の方法で使用されるものとして説明したが、エナメル質ブロック器具100は、当業者に既知の任意の他の方法で使用されてもよい。例えば、エナメル質ブロック器具100は、エナメル質ブロック器具100が口腔ケア材料または他の条件下にさらされるが、ユーザの口腔にはさらされないような生体外実験に用いることができる。当業者であれば、本発明のエナメル質ブロック器具100の多くの異なる可能な使用に精通しているだろう。
【0051】
本発明の多数の実施形態を詳細に説明および図示してきたが、各種変更および修正は本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者にとって容易に明らかになるであろう。本発明の範囲から逸脱することなく上記の方法、組成物および構造体で各種変更がなされ得るように、上述のすべての機構および/または相互作用のモードを含む本出願に含まれたすべての事項は、例示にすぎないと解釈されるべきであり、いかなる意味においても特許請求の範囲を限定しないことが意図されている。
【0052】
全体を通して用いられているように、範囲は、その範囲内にある全ての各値を記述するための略記として用いられる。その範囲内の任意の値をその範囲の末端として選択することができる。また、本明細書に引用したすべての参考文献は、本明細書にその全体が参照により援用される。本開示と引用文献の中の定義について矛盾が生じた場合、本開示が規制する。