【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の概要)
本発明に従って、一次ペイロード通信チャンネルを使用するペイロード通信のための二次ペイロードインターフェースが提供され、二次ペイロードが一次ペイロード通信チャンネルの一部分を借りることを可能にする。二次ペイロードインターフェースは、複数の入力/出力カプラを含み得、該複数の入力/出力カプラは、一次ペイロード通信チャンネルを二次ペイロードに接続し得る。複数の入力/出力カプラは、無線周波数(RF)指向性カプラまたは電力分割器、アイソレート式ベースバンドデータポート、専用のRFポート、オープンコレクタインターフェースを備えたマルチプレックス式共有バス、オープンコレクタトランジスタドライバ、光アイソレート式データポート、スイッチ、フィルタ、抵抗要素、または任意の他のタイプの信号インターフェースを含み得るが、これらに限定されない。
【0005】
本発明の別の局面に従って、二次ペイロードの動作は、一次ペイロードの動作から分離されている。例えば、二次ペイロードがうまく機能しないか、または故障した場合でも、一次ペイロードの動作の中断は防止される。さらに、二次ペイロードが、機密データを送受信する戦略的資産である場合には、二次ペイロードのオペレータは、二次ペイロードを確実に制御し、二次ペイロードと往復するデータ送信を安全にすることを欲し得る。
【0006】
したがって、共有の取り決めを一次ペイロードと二次ペイロードの両方のオペレータにとって容認可能とするために、一部の実施形態において、複数の入力/出力カプラが、一次ペイロード通信チャンネル内に分離された二次ペイロード通信チャンネルを確立し得る。例えば、指向性カプラは、一次ペイロード通信チャンネルのトランスポンダ経路と結合し得、二次ペイロード通信チャンネルを確立し得る。同様に、一次ペイロード(例えば、処理ペイロード)におけるルータの専用のポートが、一次ペイロード通信チャンネル内に分離された二次ペイロード通信チャンネルを確立するために使用され得る。
【0007】
複数の入力/出力カプラ(任意のインターフェースコンポーネントを含む)は、二次ペイロードが、通信衛星のオペレーションセンタによる介入なしに、一次ペイロードの通信インフラストラクチャを共有することを可能にし得る。逆に、複数の入力/出力カプラはまた、二次ペイロードの状態に関わりなく、一次ペイロードの動作の確実性および継続性を保証し得る。例えば、入力/出力カプラは、二次ペイロード218が地上局と通信しながら、一次ペイロードが一次ペイロード通信チャンネルの残りを使用することを可能にし得る。さらに、二次ペイロードが地上局と通信していない場合には、複数の入力/出力カプラは、一次ペイロード通信チャンネルのすべてが、一次ペイロードに回復されること可能にし得る。このようにして、二次ペイロードがうまく機能せず、もはや通信することができない場合でも、一次ペイロードは、一次ペイロード通信チャンネルに完全にアクセスして、中断なく通信を継続し得る。さらに別の例として、一次ペイロードの動作が、一次ペイロード通信チャンネルの全帯域幅を必要とする場合には、二次ペイロードに利用可能であるか、またはこれによって使用されている帯域幅を確保または回復する(例えば、入力/出力カプラを使用するかまたはこれを通して)ことが可能であり得る。この特徴の使用は、一次ペイロードおよび二次ペイロードのオペレータ間の合意に依存する。好ましい実装において、入力/出力カプラは、二次ペイロードまたは二次ペイロードインターフェースの故障の場合、一次ペイロードの通信サービスの耐障害性を提供する。
【0008】
二次ペイロード通信チャンネルの分離に加えて、二次ペイロードインターフェースは、ダウンリンクとアップリンクの両方のデータストリームに対してデータを処理するための暗号化モジュールおよび復号モジュールならびにさらなる回路を含み得る。データの送信については、回路は最初に、暗号化モジュールから暗号化されたデータを受信し得る。回路は次に、出力カプラを介してデータをダウンリンクデータストリームの中に注入する前に、暗号化されたデータを符号化し、かつ変調し得る。データの受信については、回路は、入力カプラを介してアップリンクデータストリームからデータを受信し得、データを復号モジュールへ送る前に、データを復調し、かつ処理し得る。復号モジュールがデータを復号した後、二次ペイロードインターフェースは、データを二次ペイロードへ通す。
【0009】
一部の実施形態において、二次ペイロードインターフェースは、一次ペイロードおよび/またはホスト衛星のオペレータ(これは同じかまたは異なり得る)との制御およびテレメトリ相互作用が限定されるように設計され得る。例えば、制御相互作用は、電力の接続に限定され得る。別の例として、テレメトリ相互作用は、二次ペイロードインターフェースの基本的な健全性への洞察を提供する離散的なテレメトリポイントに限定され得る。その結果として、二次ペイロードはなおも、一次ペイロードおよび/またはホスト衛星のオペレーションセンタによる関与なく、そのオペレータによって確実に制御され得る。このアプローチは、一部の暗号化システムによって必要とされるような、暗号化状態と非暗号化状態との間の信号の区別(例えば、「レッド/ブラック」インターフェース)を提供する。
【0010】
よって、本発明に従って、一次ペイロード通信チャンネルを使用する二次ペイロード通信のための二次ペイロードインターフェースが提供される。このインターフェースは、一次ペイロード通信チャンネルを二次ペイロードに接続するための複数の入力/出力カプラと、二次ペイロードが一次ペイロード通信チャンネルを使用して地上局と通信することを可能にする回路とを含み得る。
【0011】
二次ペイロードによる通信を可能にするための方法も提供される。
【0012】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
(項目1)
一次ペイロード通信チャンネルを使用する二次ペイロード通信のための二次ペイロードインターフェースであって、該二次ペイロードインターフェースは、
該一次ペイロード通信チャンネルを二次ペイロードに接続するための複数の入力/出力カプラと、
該二次ペイロードが、該一次ペイロード通信チャンネルを使用して、地上局と通信することを可能にするための回路と
を備えている、二次ペイロードインターフェース。
(項目2)
上記二次ペイロードは通信衛星においてホストされる、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目3)
上記複数の入力/出力カプラは、上記一次ペイロード通信チャンネル内に二次ペイロード通信チャンネルを確立し、該二次ペイロード通信チャンネルは、該一次ペイロード通信チャンネルの残りから分離される、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目4)
上記複数の入力/出力カプラは指向性カプラである、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目5)
上記複数の入力/出力カプラはオープンコレクタトランジスタドライバである、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目6)
上記複数の入力/出力カプラは固体スイッチである、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目7)
上記複数の入力/出力カプラは電気機械スイッチである、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目8)
上記複数の入力/出力カプラはRFスイッチである、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目9)
上記複数の入力/出力カプラはIFスイッチである、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目10)
上記複数の入力/出力カプラはベースバンドデータポートである、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目11)
上記複数の入力/出力カプラは電力分割器である、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目12)
上記複数の入力/出力カプラは光アイソレートデータポートである、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目13)
上記複数の入力/出力カプラはフィルタである、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目14)
上記複数の入力/出力カプラは抵抗要素である、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目15)
上記複数の入力/出力カプラは無線周波数ポートである、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目16)
上記回路は、
上記二次ペイロードからデータを受信することと、
該データを暗号化することと
のための暗号化モジュールを備えている、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目17)
上記回路は、データのビットをデータパケットにフレーミングするデータフレーミングモジュールを備えている、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目18)
上記回路は、上記データパケットを上記一次ペイロード通信チャンネルに対して適切なフォーマットに変調する変調器を備えている、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目19)
上記フォーマットは直交振幅変調信号を備えている、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目20)
上記複数の入力/出力カプラは、上記二次ペイロードが上記地上局と通信している間に、上記一次ペイロードが上記一次ペイロード通信チャンネルの残りを使用することを可能にする、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目21)
上記複数の入力/出力カプラは、上記二次ペイロードが上記地上局と通信していないとき、上記一次ペイロード通信チャンネルのすべてが、上記一次ペイロードに対して回復されることを可能にする、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目22)
上記複数の入力/出力カプラは、上記二次ペイロードの動作状態に関わりなく、上記一次ペイロード通信チャンネルのすべてが、上記一次ペイロードに回復されることを可能にする、上記項目のいずれか1項に記載の二次ペイロードインターフェース。
(項目23)
一次ペイロード通信チャンネルを使用するペイロード通信のための方法であって、該方法は、
該一次ペイロード通信チャンネルのトランスポンダ経路と結合し、該一次ペイロード通信チャンネル内に二次ペイロード通信チャンネルを確立することと、
該二次ペイロード通信チャンネルを使用して、二次ペイロードが地上局と通信することを可能にすることと
を包含する、方法。
(項目24)
上記二次ペイロードは、通信衛星においてホストされる、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
上記二次ペイロード通信チャンネルは、上記一次ペイロード通信チャンネルの残りから分離される、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
上記結合することは、
複数の指向性カプラを使用して、上記一次ペイロード通信チャンネルの上記トランスポンダ経路と結合することを包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目27)
上記結合することは、
オープンコレクタトランジスタドライバを使用して、上記一次ペイロード通信チャンネルの上記トランスポンダ経路と結合することを包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
上記結合することは、
固体スイッチを使用して、上記一次ペイロード通信チャンネルの上記トランスポンダ経路と結合することを包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
上記結合することは、
電気機械スイッチを使用して、上記一次ペイロード通信チャンネルの上記トランスポンダ経路と結合することを包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
上記結合することは、
RFスイッチを使用して、上記一次ペイロード通信チャンネルの上記トランスポンダ経路と結合することを包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
上記結合することは、
IFスイッチを使用して、上記一次ペイロード通信チャンネルの上記トランスポンダ経路と結合することを包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目32)
上記可能にすることは、
上記二次ペイロードからデータを受信することと、
該データを上記一次ペイロード通信チャンネルに対して適切なフォーマットに変調することと、
該変調されたデータを上記地上局に送信することと
を包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目33)
上記可能にすることは、
上記地上局からデータを受信することと、
該データを復調することと、
該復調されたデータを上記二次ペイロードに送信することと
を包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目34)
上記二次ペイロードの通信をディセーブルし、上記一次ペイロード通信チャンネルのすべてを一次ペイロードに対して回復することをさらに包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目35)
通信衛星においてホストされた少なくとも1つの二次ペイロードを制御する方法であって、該方法は、
二次ペイロードインターフェースを使用して、該通信衛星上の一次ペイロード通信チャンネル内の二次ペイロード通信チャンネルを分離することであって、該二次ペイロードインターフェースは、該二次ペイロード通信チャンネルを分離する複数の指向性カプラを備えている、ことと、
該分離された二次ペイロード通信チャンネルを介して、該少なくとも1つの二次ペイロードを確実に制御することと
を包含する、方法。
(項目36)
上記通信衛星との制御相互作用を、上記二次ペイロードインターフェースに電力を提供する接続に限定することをさらに包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
上記通信衛星とのテレメトリ相互作用を、搬送波ロック、温度、ハートビートおよびフレームロックのうちの少なくとも1つを備えている離散的なテレメトリポイントに限定することをさらに包含する、上記項目のいずれか1項に記載の方法。
【0013】
(摘要)
一次ペイロード通信チャンネルを使用するペイロード通信のための二次ペイロードインターフェースが提供される。二次ペイロードインターフェースは、複数の入力/出力カプラを含み得、該複数の入力/出力カプラは、一次ペイロード通信チャンネルを二次ペイロードに接続し得る。複数の入力/出力カプラは、一次ペイロード通信チャンネル内に分離された二次ペイロード通信チャンネルを確立し得る。二次ペイロードインターフェースは、通信衛星のオペレータとの制御およびテレメトリ相互作用が限定されるように設計され得る。
【0014】
本発明のさらなる特徴、その性質、および様々な利点が、添付の図面と共に、以下の詳細な説明を考慮すると明らかであり、添付の図面においては、全体を通して同様の参照文字は同様の部品を指す。