【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
(システム構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる省電力運用システム(情報処理システム)のシステム構成を示す図である。本実施形態に係るシステムは、情報処理装置10、管理用情報処理装置20(管理サーバ装置)とを備えており、これらはそれぞれLANなどのネットワーク40に接続されている。更に情報処理装置10には、個人認証装置30を接続することができる。
【0013】
なお、説明を簡単にするために、本実施形態では
図1のように、情報処理装置10、管理用情報処理装置20をそれぞれ1台ずつ示しているが、これに限定されない。すなわち、ユーザの数だけ情報処理装置10をネットワーク40上に接続してもよいし、処理を分散させるために管理用情報処理装置20を複数台ネットワーク40に接続するようにしてもよい。
【0014】
管理用情報処理装置20が複数台ネットワーク40に接続されている場合、それぞれの管理用情報処理装置20は同じ情報を保持しておく。そして、情報処理装置10からのアクセスがあった場合には、より処理負荷の小さい管理用情報処理装置20にアクセスするようにシステムを構築する。このような技術は一般的なネットワーク技術であるため、これ以上の説明は省略する。
【0015】
情報処理装置10は、具体的にはパーソナルコンピュータ(PC)に代表される端末で、オフィス等で主に使用される一般的な端末である。情報処理装置10は、起動時間測定部11、操作時間測定部12、省電力時間測定部13、省電力設定情報保管部14、操作履歴収集部15を備える。
【0016】
なお、情報処理装置10は、一般のPCであることを前提にしているが、これに限定されない。例えば、一般的なPCと同等以上、若しくはそれに準ずる演算処理能力を有する装置、例えば、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistance)、プリンタ、読取装置(スキャナ)、複写機等で構成してもよい。
【0017】
管理用情報処理装置20は、具体的には情報処理装置10から当該情報処理装置の稼働履歴を示す履歴情報(測定結果)を受信(収集)して、情報処理装置10の省電力動作を管理するためのサーバ機能を備えた装置である。管理用情報処理装置20もPCやワークステーション(WS)に代表される情報処理装置で実現することができる。管理用情報処理装置20は、省電力稼動実績DB(データベース)21、省電力分析結果DB22、省電力設定情報DB23を備える。
【0018】
個人認証装置30は具体的にはUSBキーに代表される装置であり、離席時に情報処理装置10をロックして他の利用者に操作されないようにする機能を備えている。なお、個人認証装置30は、例えば、非接触ICカード、スマートメディア等、情報処理装置10に接続可能なものであれば、どのようなデバイスであっても構わない。
【0019】
●情報処理装置10の機能要素
操作履歴収集部15は、利用者の操作履歴を収集し、保管する機能要素である。操作履歴とは、例えば、OSの起動・終了時間、マウス・キーボードの操作内容、省電力状態(省電力モード、モニタ電源、ハードディスク電源)の起動・終了時間等を含むものである。
【0020】
起動時間測定部11は、操作履歴収集部15の操作履歴に基づいて情報処理装置10が起動した時間を算出する機能要素である。操作時間測定部12は、操作履歴収集部15の操作履歴に基づいて情報処理装置10を操作した時間、具体的にはマウス・キーボード等の入力装置を操作した時間を算出する機能要素である。
【0021】
省電力時間測定部13は、操作履歴収集部15の操作履歴に基づいて情報処理装置10が省電力状態となった時間を算出する機能要素である。省電力設定情報保管部14は、管理用情報処理装置20から通知された省電力設定情報を保管する機能要素である。
【0022】
●管理用情報処理装置20側のデータベース
省電力稼動実績DB21は、各情報処理装置10に対応した起動時間測定部11、操作時間測定部12、省電力時間測定部13の算出結果を記録するデータベースである。省電力分析結果DB22は、省電力稼動実績DB21に記録された測定結果に基づいて、後述する省電力稼動状況を算出し、各情報処理装置10に対応付けて記録するデータベースである。省電力設定情報DB23は、情報処理装置10に反映させる省電力設定情報を予め保管するデータベースである。
【0023】
本実施形態では、省電力設定情報DB23は、情報処理装置10に適用すべき省電力動作を示す複数の省電力設定情報を記憶している。この省電力設定情報の各々には、情報処理装置の認証状態毎(認証時または認証解除時)の省電力動作が示されている。管理用情報処理装置20は、情報処理装置10から受信した履歴情報に基づいて、この複数の省電力設定情報のいずれか1つを決定し、決定した省電力設定情報が示す省電力動作を情報処理装置に適用する。
【0024】
また、省電力設定情報DB23に記憶している省電力設定情報は、一つでもよい。その場合、管理用情報処理装置20は、情報処理装置10から受信した履歴情報に基づいて、この省電力設定情報が示す省電力動作を情報処理装置に適用する、もしくは省電力設定を適用しないことが可能である。
【0025】
このように、本実施形態では、利用者の過去の利用実績と、認証状態に応じて最適な省電力動作を自動的に適用することができるため、利用者の利便性を維持しつつ高い省電力効果を奏することが可能である。省電力設定情報の例や処理の詳細は後述する。
【0026】
なお、情報処理装置10、管理用情報処理装置20の各構成は、上述する構成に限定されず、適宜組み合わせた構成とすることも可能である。例えば、起動時間測定部11、操作時間測定部12、省電力時間測定部13、省電力設定情報保管部14、操作履歴収集部15を、管理用情報処理装置20が有するようにしてもよい。また、省電力稼動実績DB21、省電力分析結果DB22、省電力設定情報DB23を、情報処理装置10が有するようにしてもよい。
【0027】
(ハードウェア構成)
次に、
図8を参照して、情報処理装置10、管理用情報処理装置20に適用可能なコンピュータのハードウェア構成について説明する。
図8はコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0028】
CPU(Central Processing Unit)81は、ROM82やRAM83に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いてコンピュータ全体の制御を行う中央演算処理装置である。本コンピュータを管理用情報処理装置20に適用した場合、CPU81は、管理用情報処理装置20が実行する後述の各処理を実行する。また、本コンピュータを情報処理装置10に適用した場合には、CPU81は、情報処理装置10が実行する後述の各処理を実行する。
【0029】
ROM(Read Only Memory)82は読み出し専用メモリである。ROM82には本コンピュータの設定データや、ブートプログラムなどが格納されている。RAM(Random Access Memory)83は書き込み可能メモリである。RAM83は、HDD(ハードディスクドライブ)84からロードされたコンピュータプログラムやデータ、インターフェース87を介して外部から受信したデータなどを一時的に記憶するためのエリアを有する。更に、RAM83は、CPU81が各種の処理を実行する際に用いるワークエリアを有する。このように、RAM83は、各種のエリアを適宜提供することができる。
【0030】
HDD84は大容量記憶装置である。HDD84には、OS(オペレーティングシステム)や、本コンピュータを適用した装置が行う各種の処理をCPU81に実行させるためのコンピュータプログラムやデータが保存されている。
【0031】
本コンピュータを管理用情報処理装置20に適用した場合、かかるコンピュータプログラムには、管理用情報処理装置20が実行する後述の各処理をCPU81に実行させるためのコンピュータプログラムが含まれている。なお、省電力稼動実績DB21、省電力分析結果DB22、省電力設定情報DB23も、このHDD84内に設けることができる。
【0032】
また、本コンピュータを情報処理装置10に適用した場合、係るコンピュータプログラムには、情報処理装置10が行う後述の各処理をCPU81に実行させるためのコンピュータプログラムが含まれている。HDD84に保存されているコンピュータプログラムやデータは、CPU81による制御に従って適宜RAM83等の記憶媒体にロードされ、CPU81による処理対象となる。
【0033】
入力装置85はコンピュータの操作者からの指示を入力する装置である。入力装置85はキーボードやマウスなどにより構成されており、本コンピュータの操作者は、この入力装置85を操作することで、各種の指示をCPU81に対して入力することができる。表示装置86は情報処理装置の応答画面を表示するディスプレイ装置である。表示装置86は、CRTや液晶画面などにより構成されており、CPU81による処理結果を画像や文字などにより表示することができる。
【0034】
インターフェース87は、様々なインターフェースで構成されている。例えば、本コンピュータを情報処理装置10に適用した場合、インターフェース87には、
・本コンピュータをネットワーク40に接続するためのネットワークインターフェース。
・本コンピュータに個人認証装置30を接続するためのデバイスインターフェース。
などが含まれうる。また、本コンピュータを管理用情報処理装置20に適用した場合、インターフェース87には、本コンピュータをネットワーク40に接続するためのネットワークインターフェースが含まれうる。88は上述の各構成要素を繋ぐバスである。コンピュータの各構成要素はバス88を介して互いに情報をやりとりすることができる。
【0035】
本実施形態では説明を簡単にするために、情報処理装置10、管理用情報処理装置20の何れも
図8に示した構成を有するコンピュータであるものとして説明するが、コンピュータの構成はこのような構成に限定されない。また、情報処理装置10、管理用情報処理装置20とで異なる構成を有するコンピュータを適用してもよい。
【0036】
(情報処理装置10の処理)
図2は本システムの情報処理装置10が実行する処理手順を示したフローチャートである。以下、
図2を参照して、
図1に示す省電力運用システムの動作を説明する。まず、ユーザの操作などに応じて情報処理装置10を起動し(S21)、個人認証装置30でユーザを認証する(S22)。認証に通った後、ユーザは、OSにログオンすることができる(S23)。
【0037】
ユーザのログインに応じて、情報処理装置10は、管理用情報処理装置20にログオンしたことを通知し、管理用情報処理装置20より、前回の省電力稼動状況(
図5)の通知を受ける(S24)。
図5は、前回の省電力稼働状況がメールで通知された場合の、省電力稼働状況の一例を示す図である。
図5において、省電力状態51とは、情報処理装置の省電力モードの時間の、待機時間(全動作可能時間)に対する割合を百分率であらわしたものである。モニタ電源OFF状態52とは、情報処理装置のモニタ電源がOFFの時間の、待機時間に対する割合を百分率であらわしたものである。ハードディスクOFF状態53とは、情報処理装置のハードディスク84がOFFの時間の、待機時間に対する割合を百分率であらわしたものである。総合評価54とは、省電力状態51、モニタ電源OFF状態52、ハードディスクOFF状態53等の稼働状況に基づいて算出される評価値である。これらの値の計算法については後述する。なお、省電力稼働状況に含めるべき情報はここに例示したものに限られない。また、省電力稼動状況の通知は電子メールの他、例えばメッセージパネル等に表示をして行うこともできる。
【0038】
また、省電力稼動状況の総合評価に基づいた省電力設定情報を管理用情報処理装置20から受信すると、情報処理装置10は、省電力設定情報保管部14に保管する(S25)。
図6は省電力設定情報の一例、並びに省電力設定情報と総合評価との対応関係を示しているが、この内容については後述する。次に、情報処理装置10は、操作履歴収集部15において、情報処理装置10の起動に関する情報と、情報処理装置に接続された入力装置の操作に関する情報と、情報処理装置の省電力状態に関する情報の収集を行う(S26)。
【0039】
情報処理装置10では、個人認証装置30の認証状態を監視している(S27)。認証された状態では、省電力設定情報保管部14に保管されている認証時の省電力設定情報の省電力設定を行う(S28)。一方、ユーザが離席した場合などで認証を解除した状態では、省電力設定情報保管部14に保管されている認証解除時の省電力設定情報を用いて省電力設定を行う(S29)。
【0040】
OS終了時(S210でYES)には、操作履歴収集部15の操作履歴より各測定部11〜13が算出した情報を管理用情報処理装置20に送信する(S211)。OSを終了しない場合は(S210でNO)、S27に戻って処理を繰り返す。送信が全て終了すると、情報処理装置10は処理を終了する(S212)。
【0041】
(管理用情報処理装置20の処理)
図3は、
図2の本システムの管理用情報処理装置20が実行する処理手順を示したフローチャートである。情報処理装置10からOSにログオンしたことの通知を受信すると(S31)、管理用情報処理装置20は、情報処理装置10に対応した前回の省電力稼動状況(
図5)を省電力分析結果DB22から情報処理装置10へ送信する(S32)。また、省電力稼動状況の総合評価に基づいた省電力設定情報(
図6)を省電力設定情報DB23から情報処理装置10へ送信する(S33)。
【0042】
次に、情報処理装置10の各測定部11〜13が測定した情報を情報処理装置10から受信すると(S34)、情報処理装置10と対応付けて、省電力稼動実績DB21に保管する(S35)。省電力稼動実績DB21の測定結果より、管理用情報処理装置20のCPU81が省電力稼動状況を算出し、各情報処理装置10に対応付けて省電力分析結果DB22に記録する(S36)。
【0043】
図4は、情報処理装置10の省電力動作に関する動作を示すグラフの一例である。このグラフは、管理用情報処理装置20に蓄積された
・情報処理装置10の起動時間に関する情報。
・情報処理装置10の操作時間に関する情報。
・情報処理装置10の省電力状態に関する情報。
をもとに、情報処理装置10の待機状態における省電力状態の稼動状況を解析して作成され、省電力状態を把握するために用いられる。なお、情報処理装置10の待機時間(403)は、情報処理装置10の起動時間(401)から情報処理装置10の操作時間(402)を減算することにより算出できる。
【0044】
省電力状態の稼動状況を調べる因子の一例として、本実施形態では、OSの省電力モード時間、モニタ電源OFF時間、ハードディスク電源OFF時間を使用する。情報処理装置の待機時間における各因子の時間を以下のように演算すると、各因子の稼動率が求められる。
・省電力モード稼動率(%)=省電力モード時間÷情報処理装置待機時間×100。
・モニタ電源OFF稼動率(%)=モニタ電源OFF時間÷情報処理装置待機時間×100。
・ハードディスク電源OFF稼動率(%)=ハードディスク電源OFF時間÷情報処理装置待機時間×100。
総合評価は上記の各稼働率に重み付け係数を行ってその合計値(点数)を定量的に求めたものである。総合評価は次の式で算出できる。:
総合評価=
省電力モード稼動率(%)×省電力モード稼動重み付け係数
+モニタ電源OFF稼動率(%)×モニタ電源OFF重み付け係数
+ハードディスク電源OFF稼動率(%)×ハードディスク電源OFF重み付け係数。
本実施形態では、さらに、総合評価の点数を次の表に従ってn段階(本実施形態では、n=5)に分類して、省電力対策の良否を判定する。
【0045】
【表1】
例えば、総合評価の値が57.5の場合は判定結果は「並」となり、総合評価の値が81.3の場合は判定結果は「良い」となる。このようにして本実施形態では、省電力状態の稼動状況を総合評価として、数値化して算出することができる。
【0046】
図5は、
図4を元に作成した、省電力状態の稼働状況を通知(出力)する際のレポートの一例を示す図である。このレポートは日次、週次、月次、年次等で作成される。配信先は利用者の他にシステム管理者、上司、取締役などを決めてもよい。総合評価の判定により、配信先を変更することも可能である。例えば、通常、レポートはシステム管理者に配信されるが、総合評価が「悪い」の場合は所定の責任者にレポートが配信されるようにしてもよい。また、省電力状態の稼働状況を印刷、情報処理装置10、管理用情報処理装置20にて表示することも可能である。なお、省電力状態の稼働状況を通知するレポートはこれに限定されず、例えばグラフや表として図式化して通知することも可能である。
【0047】
情報処理装置10における省電力設定を効果的に実行するためには、利用者自身が省電力設定に関心を向けることも重要である。よって、省電力状態の稼働状況を通知することにより、利用者は省電力状態の稼動状況をレポートより把握し、省電力設定の見直しや情報処理装置利用の形態を改めることで、消費電力の無駄を抑えることが可能となる。
【0048】
図6は、総合評価と省電力設定情報との対応関係の一例を示す図である。管理用情報処理装置20は、この対応関係を参照して、情報処理装置10に適用する省電力設定情報を決定する。
図6において、61は省電力設定、62は総合評価(点)、63は認証時の省電力設定の内容、64は認証解除時の省電力設定の内容である。65〜67は認証時の省電力設定の設定項目を示しており、65は省電力モード、66はモニタ電源、67はハードディスク電源に関する設定情報である。68〜70は認証解除時の省電力設定の設定項目を示しており、68は省電力モード、69はモニタ電源、70はハードディスク電源に関する設定情報である。
【0049】
管理用情報処理装置20では、個人認証装置30の認証、認証解除の状態に応じ、また、総合評価の値により、設定61を、省電力設定1(既存の省電力設定を変更しない)、省電力設定2(省電力設定強制ON)などの省電力設定を行う。例えば、
図5のように総合評価が57.5点の場合、この値は40〜60の範囲内にある。したがって、この場合、省電力設定2が選択される(61,62)。省電力設定が情報処理装置10に適用されると、情報処理装置10は省電力設定の内容に基づいて、認証時と認証解除時とでそれぞれ定められた省電力動作を行う。例えば、省電力設定2が適用された場合、情報処理装置10が認証時のときは、省電力モードはONとなり、モニタ電源は20分後にOFF、ハードディスク電源は60分後にOFFとなる設定が適用される。同様に、省電力設定2が適用された場合で、情報処理装置10が認証解除時のときは、省電力モードはON、モニタ電源はOFFとなり、ハードディスク電源は情報処理装置10のローカルの設定がそのまま適用されることになる。
【0050】
このように、管理用情報処理装置20は、受信した履歴情報を解析して、情報処理装置10の省電力動作に係る稼働状況を示す数値(総合評価)を算出する。また、管理用情報処理装置20は、総合評価と省電力設定情報との対応関係を示す対応情報を予め記憶しておき、この対応情報を参照して情報処理装置10に適用する省電力設定情報を決定する。このように、省電力設定情報を決定する処理が複雑でないため、実装を容易に行うことができる。
【0051】
個人認証装置30を導入した情報処理装置10では、情報処理装置10の使用開始時に個人認証装置30による認証を行い、離席時には認証を解除するのが一般的である。したがって、個人認証装置30の認証状態と、情報処理装置10の省電力設定を結びつけることで、利用者が情報処理装置10を利用する際に、利便性を維持した省電力状態の運用が可能となる。
【0052】
なお、個人認証装置30の認証後に、キー操作(指示手段)を行うことにより、利用者の利用状況に応じた省電力設定情報を適用することも可能である。
図7は、個人認証装置30の認証後、省電力設定を行うキー操作の動作例を示す図である。
【0053】
このキー操作を行うと、個人認証装置30の認証解除を行わなくても、省電力設定情報DB23に予め設定した省電力設定に移行することが可能となる。このように、情報処理装置10に対するユーザの指示に応じて、省電力動作を適用することで、個人認証装置30を解除する手間や時間を省きつつ、情報処理装置の消費電力を抑えることができる。
【0054】
[第2の実施形態]
本実施形態では、情報処理装置10と管理用情報処理装置20を、1つの装置内にまとめたものを情報処理装置90とする。すなわち、第1の実施形態では、省電力状態稼働状況や、省電力設定情報を取得するためには、ネットワーク40を介して情報処理装置10と管理用情報処理装置20との間でのデータ通信を行っていた。本実施形態では、これらの装置をまとめた1つの情報処理装置90を動作させることで、省電力運用システムを可能とする。
【0055】
図9は、本実施形態に係る情報処理装置90の機能構成例を示すブロック図である。
図9のように本実施形態では、
図1に示した情報処理装置10が有する各部と、管理用情報処理装置20が有する各部とが、1つの情報処理装置90内に納められている。また、この情報処理装置90についても、
図8に示した構成例を有するコンピュータを適用することができる。
【0056】
本実施形態に係る情報処理装置90の動作については、第1の実施形態で説明した一連の処理において、通信処理がないだけで、それぞれの装置が行っているものとして第1の実施形態で説明した各処理を情報処理装置90が行うことになる。
【0057】
これにより、本実施形態によれば、第1の実施形態のようにデータ通信を行うための時間を省略し、1台の装置のみで同様の目的を達成することができる。よって、コストや設置スペース、設置の手間の問題を解消でき、利用者が利便性を失うことなく、情報処理装置の消費電力を抑えることができる。
【0058】
上記の各実施形態によれば、個人認証装置と連動した省電力設定を行い、省電力稼動状況を配信することで、利用者が利便性を失うことなく、情報処理装置の消費電力を抑えることができる。