(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記有機膜が、発光層、電子注入層または電子輸送層を含み、前記発光層は、アントラセン化合物、アリールアミン化合物、またはスチリル化合物を含む、請求項7に記載の有機発光素子。
前記有機膜が、発光層、電子注入層または電子輸送層を含み、前記発光層は、リン光化合物を含む赤色発光層、緑色発光層、青色発光層または白色発光層を含む、請求項7に記載の有機発光素子。
前記有機膜が、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層からなる群から選択される1層以上の層を含む、請求項7に記載の有機発光素子。
第1電極/正孔注入層/発光層/第2電極の構造、第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/第2電極の構造、または第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極の構造を有する、請求項15に記載の有機発光素子。
請求項7ないし17のいずれか1項に記載の有機発光素子を備え、前記有機発光素子の第1電極が、薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に連結された、平板表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、改善された電気的特性、電荷輸送能及び発光能を有するヘテロ環化合物を提供することを目的とする。
【0008】
本発明はまた、上記ヘテロ環化合物を含む有機発光素子を提供することを目的とする。
【0009】
本発明はまた、上記有機発光素子を備えた平板表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によって、下記化学式1で表されるヘテロ環化合物が提供される:
【0011】
【化1】
【0012】
前記化学式1で、X
1は、C
1−C
50の置換または非置換のアルキル基、C
3−C
50の置換または非置換のシクロアルキル基、C
5−C
50の置換または非置換のアリールチオ基、C
5−C
60の置換または非置換のアリール基、C
5−C
60のアリール基で置換されたアミノ基、C
4−C
60の置換または非置換のヘテロアリール基、またはC
6−C
60の置換または非置換の縮合多環基を示し、
R
1ないしR
10はそれぞれ独立して、水素原子、重水素原子、C
1−C
50の置換または非置換のアルキル基、C
3−C
50の置換または非置換のシクロアルキル基、C
1−C
50の置換または非置換のアルコキシ基、C
5−C
50の置換または非置換のアリールオキシ基、C
5−C
50の置換または非置換のアリールチオ基、C
5−C
60の置換または非置換のアリール基、C
5−C
60のアリール基で置換されたアミノ基、C
4−C
60の置換または非置換のヘテロアリール基、C
6−C
60の置換または非置換の縮合多環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を示し、
R
1ないしR
10は、隣接する置換基の1組が互いに結合して芳香環を形成する。
【0013】
本発明の一側面によって、下記化学式2で表されるヘテロ環化合物が提供される:
【0014】
【化2】
【0015】
前記化学式2で、X
2は、C
1−C
50の置換または非置換のアルキル基、C
3−C
50の置換または非置換のシクロアルキル基、C
5−C
50の置換または非置換のアリールチオ基、C
5−C
60の置換または非置換のアリール基、C
5−C
60のアリール基で置換されたアミノ基、C
4−C
60の置換または非置換のヘテロアリール基、またはC
6−C
60の置換または非置換の縮合多環基を示し、
R
11ないしR
20はそれぞれ独立して、水素原子、重水素原子、C
1−C
50の置換または非置換のアルキル基、C
3−C
50の置換または非置換のシクロアルキル基、C
1−C
50の置換または非置換のアルコキシ基、C
5−C
50の置換または非置換のアリールオキシ基、C
5−C
50の置換または非置換のアリールチオ基、C
5−C
60の置換または非置換のアリール基、C
5−C
60のアリール基で置換されたアミノ基、C
4−C
60の置換または非置換のヘテロアリール基、C
6−C
60の置換または非置換の縮合多環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を示し、
R
11ないしR
20は、隣接する置換基の1組が互いに結合して芳香環を形成する。
【0016】
本発明の一構成によれば、前記R
6またはR
16は、それぞれ独立して、非置換のフェニル基、非置換のナフチル基、非置換のビフェニル基、非置換のターフェニル基、非置換のアントラセニル基、非置換のフルオレニル基及び非置換のピレニル基から選択される一環ないし四環のアリール基;C
4−C
60の非置換のヘテロアリール基;C
5−C
50アリールアミン基;またはC
1−C
5アルキル基、C
1−C
5アルコキシ基、シアノ基、アミン基、フェノキシ基、フェニル基またはハロゲン基で置換されたフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、アントラセニル基、フルオレニル基及びピレニル基から選択される一環ないし四環のアリール基;C
1−C
5アルキル基、C
1−C
5アルコキシ基、シアノ基、アミン基、フェノキシ基、フェニル基、ハロゲン基またはC
5−C
10ヘテロアリール基で置換されたC
3−C
60ヘテロアリール基;またはC
1−C
5アルキル基、C
1−C
5アルコキシ基、シアノ基、アミン基、フェノキシ基、フェニル基またはハロゲン基で置換されたC
5−C
50アリールアミン基でありうる。
【0017】
本発明の一構成によれば、前記X
1またはX
2は、非置換のフェニル基、非置換のナフチル基、非置換のビフェニル基、非置換のターフェニル基、非置換のアントラセニル基、非置換のフルオレニル基及び非置換のピレニル基から選択される一環ないし四環のアリール基;C
4−C
60の非置換のヘテロアリール基;C
1−C
5アルキル基、C
1−C
5アルコキシ基、シアノ基、アミン基、フェノキシ基、フェニル基またはハロゲン基で置換されたフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、アントラセニル基、フルオレニル基及びピレニル基から選択される一環ないし四環のアリール基;またはC
1−C
5アルキル基、C
1−C
5アルコキシ基、シアノ基、アミン基、フェノキシ基、フェニル基、ハロゲン基またはC
5−C
10ヘテロアリール基で置換されたC
3−C
60ヘテロアリール基でありうる。
【0018】
本発明の一構成によれば、前記R
1、R
2、R
11またはR
12はそれぞれ独立して、メチル基またはフェニル基でありうる。
【0019】
本発明の一構成によれば、前記化学式1で表されるヘテロ環化合物または前記化学式2で表されるヘテロ環化合物は、下記化合物のうちから選択される一つでありうる:
【0020】
【化3】
【0021】
本発明の他の側面によって、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在された有機膜とを備える有機発光素子であって、前記有機膜のうち少なくとも1層が上記したヘテロ環化合物を含む有機発光素子が提供される。
【0022】
本発明の一構成によれば、前記有機膜は、電子注入層または電子輸送層を含むことができる。
【0023】
本発明の一構成によれば、前記有機膜は、電子注入機能及び電子輸送機能を共に有する単一膜を含むことができる。
【0024】
本発明の一構成によれば、前記有機膜は、発光層を含むことができる。
【0025】
本発明の一構成によれば、前記有機膜は、発光層を含み、前記発光層は、前記ヘテロ環化合物を蛍光またはリン光ホストとして使うことができる。
【0026】
本発明の一構成によれば、前記有機膜は、発光層を含み、前記化合物は、前記ヘテロ環化合物を蛍光ドーパントとして使うことができる。
【0027】
本発明の一構成によれば、前記有機膜は、発光層、電子注入層または電子輸送層を含み、前記発光層は、アントラセン化合物を含むことができる。
【0028】
本発明の一構成によれば、前記有機膜は、発光層、電子注入層または電子輸送層を含み、前記発光層は、アリールアミン化合物を含むことができる。
【0029】
本発明の一構成によれば、前記有機膜は、発光層、電子注入層または電子輸送層を含み、前記発光層は、スチリル化合物を含むことができる。
【0030】
本発明の一構成によれば、前記有機膜は、発光層、電子注入層または電子輸送層を含み、前記発光層は、リン光化合物を含む赤色発光層、緑色発光層、青色発光層または白色発光層を含むことができる。
【0031】
本発明の一構成によれば、前記有機膜は、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層からなる群から選択される1層以上の層を含むことができる。
【0032】
本発明の一構成によれば、第1電極/正孔注入層/発光層/第2電極の構造、第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/第2電極の構造、または第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極の構造を有することができる。
【0033】
本発明の一構成によれば、1層以上の層が前記ヘテロ環化合物を使用し、湿式工程で形成されることができる。
【0034】
本発明のさらに他の側面によって、上記した有機発光素子を備え、前記有機発光素子の第1電極が薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に連結された平板表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0035】
本発明の一実施形態によるヘテロ環化合物は、電気的特性、電荷輸送能にすぐれ、かつ発光能を有し、ガラス転移温度(T
g)が高くて結晶化を防止できる材料であり、赤色、緑色、青色、白色などのほぼ全てのカラーの蛍光とリン光との素子に適した電子輸送材、または緑色、青色、白色の発光材として有用であり、これを利用して、高効率、低電圧、高輝度、長寿命の有機発光素子を製作できる。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態によって限定されない。
【0038】
本発明の一実施形態によるヘテロ環化合物は、下記化学式1で表される:
【0040】
上記化学式1で、X
1は、C
1−C
50の置換または非置換のアルキル基、C
3−C
50の置換または非置換のシクロアルキル基、C
5−C
50の置換または非置換のアリールチオ基、C
5−C
60の置換または非置換のアリール基、C
5−C
60のアリール基で置換されたアミノ基、C
4−C
60の置換または非置換のヘテロアリール基、またはC
6−C
60の置換または非置換の縮合多環基を示し、
R
1ないしR
10はそれぞれ独立して、水素原子、重水素原子、C
1−C
50の置換または非置換のアルキル基、C
3−C
50の置換または非置換のシクロアルキル基、C
1−C
50の置換または非置換のアルコキシ基、C
5−C
50の置換または非置換のアリールオキシ基、C
5−C
50の置換または非置換のアリールチオ基、C
5−C
60の置換または非置換のアリール基、C
5−C
60のアリール基で置換されたアミノ基、C
4−C
60の置換または非置換のヘテロアリール基、C
6−C
60の置換または非置換の縮合多環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を示し、
R
1ないしR
10は、隣接する置換基の1組が互いに結合して芳香環を形成する。
【0041】
本発明の他の一実施形態によるヘテロ環化合物は、下記化学式2で表される:
【0043】
上記化学式2で、X
2は、C
1−C
50の置換または非置換のアルキル基、C
3−C
50の置換または非置換のシクロアルキル基、C
5−C
50の置換または非置換のアリールチオ基、C
5−C
60の置換または非置換のアリール基、C
5−C
60のアリール基で置換されたアミノ基、C
4−C
60の置換または非置換のヘテロアリール基、またはC
6−C
60の置換または非置換の縮合多環基を示し、
R
11ないしR
20はそれぞれ独立して、水素原子、重水素原子、C
1−C
50の置換または非置換のアルキル基、C
3−C
50の置換または非置換のシクロアルキル基、C
1−C
50の置換または非置換のアルコキシ基、C
5−C
50の置換または非置換のアリールオキシ基、C
5−C
50の置換または非置換のアリールチオ基、C
5−C
60の置換または非置換のアリール基、C
5−C
60のアリール基で置換されたアミノ基、C
4−C
60の置換または非置換のヘテロアリール基、C
6−C
60の置換または非置換の縮合多環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基を示し、
R
11ないしR
20は、隣接する置換基の1組が互いに結合して芳香環を形成する。
【0044】
有機発光素子を構成する発光層や電子輸送層の材料として、既知の物質であるトリス(8−キノラト)アルミニウム(Alq3)、2,2’,2’’−(1,3,5−フェニレン)トリス−[1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール](TPBI)、2−ビフェニル−4−イル−5−(4−tert−ブチル−フェニル−[1,3,4]オキサジアゾール(PBD)、パーフルオロ化化合物(PF−6P)、2,5−ビス(6’−(2’,2’’−ビピリジル))−1,1−ジメチル−3,4−ジフェニルシロール(PyPySPyPy)などがあるが、これまで従来の材料からなる有機発光素子は、寿命、効率及び消費電力特性が満足すべきレベルに至っておらず、改善の余地が多い。
【0045】
フェナントレン基及びインドール基が化学式1または化学式2のように結合された化合物を利用して製造された有機発光素子は、保存時及び駆動時の耐久性が高い。また、フルオレン基、ナフチル基などの置換基の導入によって、フィルム状の分子膜状態が改善され、有機発光素子の特性を向上させるという長所がある。
【0046】
上記した化学式1及び化学式2のヘテロ環化合物の置換基について、さらに詳細に説明する。
【0047】
上記化学式1または2で、R
6またはR
16は、それぞれ独立して、非置換のフェニル基、非置換のナフチル基、非置換のビフェニル基、非置換のターフェニル基、非置換のアントラセニル基、非置換のフルオレニル基及び非置換のピレニル基から選択される一環ないし四環のアリール基;C
4−C
60の非置換のヘテロアリール基;C
5−C
50アリールアミン基;C
1−C
5アルキル基、C
1−C
5アルコキシ基、シアノ基、アミン基、フェノキシ基、フェニル基またはハロゲン基で置換されたフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、アントラセニル基、フルオレニル基及びピレニル基から選択される一環ないし四環のアリール基;C
1−C
5アルキル基、C
1−C
5アルコキシ基、シアノ基、アミン基、フェノキシ基、フェニル基、ハロゲン基またはC
5−C
10ヘテロアリール基で置換されたC
3−C
60ヘテロアリール基;またはC
1−C
5アルキル基、C
1−C
5アルコキシ基、シアノ基、アミン基、フェノキシ基、フェニル基またはハロゲン基で置換されたC
5−C
50アリールアミン基でありうる。
【0048】
上記化学式1または2で、X
1またはX
2は、非置換のフェニル基、非置換のナフチル基、非置換のビフェニル基、非置換のターフェニル基、非置換のアントラセニル基、非置換のフルオレニル基及び非置換のピレニル基から選択される一環ないし四環のアリール基;C
4−C
60の非置換のヘテロアリール基;C
1−C
5アルキル基、C
1−C
5アルコキシ基、シアノ基、アミン基、フェノキシ基、フェニル基またはハロゲン基で置換されたフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、アントラセニル基、フルオレニル基及びピレニル基から選択される一環ないし四環のアリール基;またはC
1−C
5アルキル基、C
1−C
5アルコキシ基、シアノ基、アミン基、フェノキシ基、フェニル基、ハロゲン基またはC
5−C
10ヘテロアリール基で置換されたC
3−C
60ヘテロアリール基でありうる。
【0049】
上記化学式1または2で、R
1、R
2、R
11またはR
12はそれぞれ独立して、メチル基またはフェニル基でありうる。
【0050】
以下、本発明の化学式1または2で使われた置換基について説明する。
【0051】
上記化学式1または2で、非置換のC
1−C
50アルキル基は、直鎖型または分枝型であって、その非制限的な例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、iso−アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノナニル基、またはドデシル基などを挙げることができ、上記アルキル基のうち一つ以上の水素原子は、重水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸、C
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アルコキシ基、C
2−C
10アルケニル基、C
2−C
10アルキニル基、C
6−C
16アリール基、またはC
4−C
16ヘテロアリール基で置換されうる。
【0052】
上記化学式1または2で、非置換のC
3−C
50シクロアルキル基は、C
3−C
50環状アルキル基を意味し、上記シクロアルキル基のうち一つ以上の水素原子は、前述のC
1−C
50アルキル基の置換基と同じ置換基で置換可能である。
【0053】
上記化学式1または2で、C
1−C
50の非置換のアルコキシ基は、−OA(ここで、Aは、上記した非置換のC
1−C
50アルキル基である)の構造を有する基であり、その非制限的な例として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、またはペントキシ基などを挙げることができる。それらアルコキシ基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、前述のアルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0054】
上記化学式1または2で、非置換のC
5−C
60アリール基は、一つ以上の環を含む炭素環芳香族系を意味し、2以上の環を有する場合、互いに結合されてもよく、単一結合などを介して連結されてもよい。アリールという用語は、フェニル、ナフチル、アントラセニルのような芳香族系を含む。また、上記アリール基のうち、一つ以上の水素原子は、前述のC
1−C
50アルキル基の置換基と同じ置換基で置換可能である。
【0055】
置換または非置換のC
5−C
60アリール基の例としては、フェニル基、C
1−C
10アルキルフェニル基(例えば、エチルフェニル基)、ハロフェニル基(例えば、o−,m−及びp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基)、シアノフェニル基、ジシアノフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基、ビフェニル基、ハロビフェニル基、シアノビフェニル基、C
1−C
10アルキルビフェニル基、C
1−C
10アルコキシビフェニル基、o−,m−及びp−トリル基、o−,m−及びp−クメニル基、メシチル基、フェノキシフェニル基、(α,α−ジメチルベンゼン)フェニル基、(N,N’−ジメチル)アミノフェニル基、(N,N’−ジフェニル)アミノフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、ハロナフチル基(例えば、フルオロナフチル基)、C
1−C
10アルキルナフチル基(例えば、メチルナフチル基)、C
1−C
10アルコキシナフチル基(例えば、メトキシナフチル基)、シアノナフチル基、アントラセニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントラキノリル基、メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェニレン基、ピレニル基、クリセニル基、エチル−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネリル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピナントレニル基、オバレニル基などを挙げることができるが、これに限定されない。
【0056】
上記化学式1または2で、C
4−C
60の非置換のヘテロアリール基は、N、O、PまたはSのうちから選択された1、2または3個のヘテロ原子を含み、2以上の環を有する場合、それらは、互いに結合されてもよく、単一結合などを介して連結されてもよい。非置換のC
3−C
60ヘテロアリール基の例としては、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、インドリル基、キノリニル基、イソキノリニル基などを挙げることができる。また、上記ヘテロアリール基のうち、一つ以上の水素原子は、前述のC
1−C
50アルキル基の置換基と同じ置換基で置換可能である。
【0057】
上記化学式1または2で、C
5−C
50の非置換のアリールオキシ基は、−OA
1で表される基であり、このとき、A
1は、上記C
5−C
60アリール基と炭素数のみ異なるだけで、同種の置換基である。上記アリールオキシ基の例としては、フェノキシ基などを挙げることができる。上記アリールオキシ基のうち一つ以上の水素原子は、前述のC
1−C
50アルキル基の置換基と同じ置換基で置換可能である。
【0058】
上記化学式1または2で、C
5−C
50の非置換のアリールチオ基は、−SA
1で表される基であり、このとき、A
1は、上記C
5−C
60アリール基と炭素数のみ異なるだけで、同種の置換基である。上記アリールチオ基の例としては、ベンゼンチオ基、ナフチルチオ基などを挙げることができる。上記アリールチオ基のうち一つ以上の水素原子は、前述のC
1−C
50アルキル基の置換基と同じ置換基で置換可能である。
【0059】
上記化学式1または2で、非置換のC
6−C
60縮合多環基は、一つ以上の芳香環及び/または一つ以上の非芳香環が互いに結合された2以上の環を含む置換基を指すものであり、上記したアリール基またはヘテロアリール基の例のうちいくつかは、上記縮合多環基に含まれうる。
【0060】
上記化学式1または2で、C
5−C
50アリールアミン基は、C
5−C
50アリール基で置換されたアミノ基を異なって表現したものであり、置換されたC
5−C
50アリールアミン基での置換は、アリール基で置換されたことを意味する。
【0061】
以下、本発明の上記化学式1で表されるヘテロ環化合物または上記化学式2で表されるヘテロ環化合物の具体的な例として、下記化合物1ないし52を挙げることができる。なお、本発明の化学式1または化学式2で表されるヘテロ環化合物は、それら化合物のみに限定されない。
【0065】
本発明の一実施形態による有機発光素子は、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極との間に介在された有機膜とを備え、有機膜のうち少なくとも1層は、上記した化学式1で表されるヘテロ環化合物または上記した化学式2で表されるヘテロ環化合物を含む。
【0066】
本発明の上記化学式1または化学式2で表されるヘテロ環化合物を含む有機膜は、電子注入層、電子輸送層、または電子注入機能及び電子輸送機能を共に有する単一膜でありうる。または、上記化学式1または化学式2で表されるヘテロ環化合物を含む有機膜は、発光層でありうる。上記有機膜が発光層である場合、上記化学式1または化学式2で表されるヘテロ環化合物は、蛍光またはリン光のホストとして使われたり、または蛍光ドーパントとして使われてもよい。
【0067】
本発明の一実施形態による上記有機発光素子の発光層、電子注入層または電子輸送層が上記化学式1または化学式2で表されるヘテロ環化合物を含む場合、上記発光層は、既知のアントラセン化合物、アリールアミン化合物またはスチリル化合物を含むことができ、上記アントラセン化合物、アリールアミン化合物またはスチリル化合物は、非置換であってもよく、または前述のC
1−C
50アルキル基の置換基と同じ置換基で置換可能である。
【0068】
本発明の一実施形態による有機発光素子の電子注入層または電子輸送層が、上記化学式1または化学式2で表されるヘテロ環化合物を含む場合、赤色発光層、緑色発光層、青色発光層または白色発光層が、既知のリン光化合物を含むことができる。
【0069】
一方、上記第1電極をアノードとしてもよく、上記第2電極をカソードとしてもよいが、これと反対の場合も可能であることはいうまでもない。
【0070】
上記した有機発光素子では、必要によって、上記有機膜は、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層のうち、1層以上の層を備えることができ、必要によっては、上記有機膜の各層を2層で形成することも可能である。
【0071】
例えば、本発明の一実施形態による有機発光素子は、第1電極/正孔注入層/発光層/第2電極の構造、第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/第2電極の構造、または第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極の構造を有することができる。または、上記有機発光素子は、第1電極/正孔注入機能及び正孔輸送機能を共に有する単一膜/発光層/電子輸送層/第2電極の構造、または第1電極/正孔注入機能及び正孔輸送機能を共に有する単一膜/発光層/電子輸送層/電子注入層/第2電極の構造を有することができる。
【0072】
本発明の一実施形態による有機発光素子は、前面発光型、背面発光型など、多様な構造に適用可能である。
【0073】
以下、本発明による有機発光素子の製造方法について、
図1に示された有機発光素子を参照しつつ、説明する。
図1の有機発光素子は、基板(不図示)、第1電極(例えば、アノード)、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層及び第2電極(例えば、カソード)を備えている。
【0074】
まず、基板上部に、大きい仕事関数を有する第1電極用物質を、蒸着法またはスパッタリング法などによって形成し、第1電極を形成する。上記第1電極は、アノードであってもよいがカソードでもよい。ここで、基板としては、一般的な有機発光素子で使われる基板を使用することができるが、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取扱容易性及び防水性にすぐれるガラス基板または透明プラスチック基板が望ましい。第1電極用物質としては、伝導性にすぐれる酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO
2)、酸化亜鉛(ZnO)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)などを利用でき、透明電極または反射電極として形成できる。
【0075】
次に、上記第1電極の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(ラングミュア−ブロジェット)法のような多様な方法を利用し、正孔注入層(HIL)を形成できる。
【0076】
真空蒸着法によって正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性などによって異なるが、一般的に、蒸着温度100ないし500℃、真空度10
−8ないし10
−3torr、蒸着速度0.01ないし100Å/secの範囲で適切に選択することが望ましい。
【0077】
スピンコーティング法によって正孔注入層を形成する場合、そのコーティング条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、約2,000rpmないし5,000rpmのコーティング速度で、コーティング後の溶媒除去のための熱処理温度を約80℃ないし200℃の温度範囲で適切に選択することが望ましい。
【0078】
上記正孔注入層の物質としては、既知の正孔注入材料を使用することができ、例えば、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物、4,4’,4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、4,4’,4’’−トリス{N,Nジフェニルアミノ}トリフェニルアミン(TDATA)、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(2−TNATA)、ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸(Pani/DBSA)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/カンファースルホン酸(Pani/CSA)、またはポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホネート)(PANI/PSS)などを使用できるが、それらに限定されない。
【0080】
上記正孔注入層の厚みは、約100Åないし10,000Å、望ましくは、100Åないし1,000Åでありうる。上記正孔注入層の厚みがこの範囲を満足する場合、駆動電圧の上昇なしに、優秀な正孔注入特性を得ることができる。
【0081】
次に、上記正孔注入層の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用し、正孔輸送層(HTL)を形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔輸送層を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0082】
上記正孔輸送層の物質は、既知の正孔輸送層の物質を利用することができ、例えば、N−フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバゾールなどのカルバゾール誘導体;N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)などの芳香族縮合環を有するアミン誘導体などを使用できる。
【0084】
上記正孔輸送層の厚みは、約50Åないし1,000Å、望ましくは、100Åないし600Åでありうる。上記正孔輸送層の厚みがこの範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な正孔輸送特性を得ることができる。
【0085】
次に、上記正孔輸送層の上部に、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用し、発光層(EML)を形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって発光層を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0086】
上記発光層は、上記した化学式1または化学式2で表されるヘテロ環化合物を含むことができる。例えば、化学式1または化学式2で表されるヘテロ環化合物は、ホストまたはドーパントとして使われうる。上記化学式1または化学式2で表されるヘテロ環化合物以外に、発光層は、既知の多様な発光物質を利用して形成でき、例えば、既知のホスト及びドーパントを利用して形成することもできる。上記ドーパントの場合、既知の蛍光ドーパント及び既知のリン光ドーパントをいずれも使用できる。
【0087】
例えば、ホストとしては、Alq3、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン(ADN)、またはジスチリルアリーレン(DSA)などを使用できるが、これらに限定されない。
【0088】
一方、既知の赤色ドーパントとして、PtOEP、Ir(piq)
3、Btp
2Ir(acac)、4−(ジシアノメチレン)−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン(DCJTB)などを利用できるが、これらに限定されない。
【0090】
また、既知の緑色ドーパントとして、Ir(ppy)
3(ppy=フェニルピリジン)、Ir(ppy)
2(acac)、Ir(mpyp)
3、C545T(イーストマン・コダック社製)などを利用できるが、これらに限定されない。
【0092】
一方、既知の青色ドーパントとして、F
2Irpic、(F
2ppy)
2Ir(tmd)、Ir(dfppz)
3、ter−フルオレン、4,4’−ビス(4−ジフェニルアミノスチリル)ビフェニル(DPAVBi)、2,5,8,11−テトラ−tー−ブチルペリレン(TBP)などを利用できるが、これらに限定されない。
【0094】
上記ドーパントの含有量は、発光層形成材料100質量部(すなわち、ホストとドーパントとの総質量は、100質量部である)を基準として、0.1ないし20質量部、特に0.5〜12質量部であることが望ましい。ドーパントの含有量が、この範囲を満足するならば、濃度消光現象が実質的に防止されうる。
【0095】
上記発光層の厚みは、約100Åないし1,000Å、望ましくは、200Åないし600Åでありうる。上記発光層の厚みがこの範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な発光特性を得ることができる。
【0096】
発光層がリン光ドーパントを含む場合、三重項目励起子または正孔が電子輸送層に拡散する現象を防止するために、正孔阻止層(HBL)を発光層の上部に形成できる(
図1には図示せず)。このとき、使用できる正孔阻止層の物質は、特に制限されるものではなく、既知の正孔阻止層の物質のうちから任意に選択して利用できる。例えば、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)のようなフェナントロリン誘導体、ビス(2−メチル−8−キノリラート)−(p−フェニルフェノラート)−アルミニウム(BAlq)のようなキノリン誘導体などを利用できる。
【0098】
上記正孔阻止層の厚みは、約50Åないし1,000Å、望ましくは、100Åないし300Åでありうる。上記正孔阻止層の厚みが50Å未満である場合、正孔阻止特性が低下し、上記正孔阻止層の厚みが1,000Åを超える場合、駆動電圧が上昇しうるのである。
【0099】
次に、電子輸送層(ETL)を真空蒸着法、またはスピンコーティング法、キャスト法などの多様な方法を利用して形成する。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって電子輸送層を形成する場合、その条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0100】
上記電子輸送層の物質は、上記した化学式1または化学式2で表されるヘテロ環化合物を含むことができる。または、既知の電子輸送層の形成材料のうちから任意に選択されうる。例えば、その例としては、キノリン誘導体、特にAlq3、BAlq、または1,2,4−トリアゾール誘導体(TAZ)のような既知の材料を使用することができるが、これらに限定されない。
【0102】
上記電子輸送層の厚みは、約100Åないし1,000Å、望ましくは、100Åないし500Åでありうる。上記電子輸送層の厚みがこの範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な電子輸送特性を得ることができる。
【0103】
また、電子輸送層の上部に、カソードから電子の注入を容易にする機能を有する物質である電子注入層(EIL)が積層されうる。
【0104】
電子注入層の物質としては、上記した化学式1または化学式2で表されるヘテロ環化合物を含むことができる。またはLiF、NaCl、CsF、Li
2O、BaOのような電子注入層の形成材料として、既知の任意の物質を利用できる。上記電子注入層の蒸着条件及びコーティング条件は、使用する化合物によって異なるが、一般的に、正孔注入層の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0105】
上記電子注入層の厚みは、約1Åないし100Å、望ましくは、5Åないし90Åでありうる。上記電子注入層の厚みがこの範囲を満足する場合、実質的な駆動電圧の上昇なしに、優秀な電子注入特性を得ることができる。
【0106】
最後に、電子注入層の上部に、真空蒸着法やスパッタリング法などの方法を利用し、第2電極を形成できる。上記第2電極は、カソードであってもよいがアノードでもよい。上記第2電極形成用の物質としては、小さい仕事関数を有する金属、合金、電気伝導性化合物及びそれらの混合物を使用できる。具体的な例としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などを挙げることができる。また、前面発光素子を得るために、ITO、IZOを使用した透明カソードを使用することもできる。
【0107】
本発明による有機発光素子は、多様な形態の平板表示装置、例えば、パッシブマトリックス有機発光表示装置及びアクティブマトリックス有機発光表示装置に使用することができる。特に、アクティブマトリックス有機発光表示装置に使用する場合、基板側に備わった第1電極は画素電極であり、薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と電気的に連結されうる。また、上記有機発光素子は、両面に画面を表示できる平板表示装置に使用することができる。
【0108】
また、本発明の一実施形態による有機発光素子の1層以上の層は、上記化学式1または化学式2のヘテロ環化合物を使用して蒸着方法で形成されてもよく、または上記化学式1または化学式2のヘテロ環化合物の溶液をコーティングする湿式方法で形成されてもよい。
【実施例】
【0109】
以下、本発明について、化合物10、17、27、33及び42の望ましい合成例及び実施例を具体的に例示するが、本発明は下記の合成例及び実施例にのみ限定されない。
【0110】
【化16】
【0111】
(合成例:化合物10の合成)
【0112】
【化17】
【0113】
<中間体1の合成>
2−ブロモ−1−(4−ブロモ−フェニル)−エタノンを10g(36mmol)とピリジン−2−アミンを3.4g(36mmol)とを、エタノール50mLに溶かし、還流温度で18時間撹拌した。常温に冷やした後、生成された白色固体を濾過し、エタノールとエチルエーテルとで洗い、中間体1を5g(収率50%)得た。生成された化合物は、HR−MS(高分解能質量分析法)を使用して確認した。
C
13H
9BrN
2計算値:271.9949;実測値271.99450
【0114】
<中間体2の合成>
上記中間体1を5g(18mmol)とN−ヨードスクシンイミドを4.12g(18.3mmol)とを、アセトニトリル60mLに溶かし、常温で1時間撹拌した後、クロロホルム100mLを加え、10%水酸化ナトリウム水溶液で洗った後、チオ硫酸ナトリウム飽和水溶液と水とで洗った後、無水硫酸マグネシウムで乾燥して濾過した後、溶媒を除去した。得られた固体をメタノールで洗って濾過し、中間体2を5.8g(収率81%)得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
13H
8BrIN
2計算値:397.8916;実測値397.8917
【0115】
<中間体3の合成>
上記中間体2 5.8g(14.5mmol)、フェニルボロン酸1.8g(14.7mmol)、Pd(PPh
3)
4 335mg(0.2mmol)そしてK
2CO
3 10g(72mmol)を100mLのテトラヒドロフラン(THF、以下同じ)/H
2O(2:1)混合溶液に溶かし、80℃で18時間撹拌した。反応液をジエチルエーテル100mlで三回抽出した。集められた有機膜を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて得られた残留物を、シリカゲル・カラムクロマトグラフィで分離精製し、中間体3を2.9g(収率57%)得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
19H
13BrN
2計算値:348.0262;実測値348.0265
【0116】
【化18】
【0117】
<中間体4の合成>
2,7−ジブロモフェナントレンを6.8g(30mmol)、2−ナフチルボロン酸を3.4g(20mmol)、Pd(PPh
3)
4を1.1g(1mmol)そしてK
2CO
3を13.8g(100mmol)を、120mLのTHF/H
2O(2:1)混合溶液に溶かし、80℃で5時間撹拌した。反応液をジエチルエーテル100mlで三回抽出した。集められた有機膜を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて得られた残留物を、シリカゲル・カラムクロマトグラフィで分離精製し、中間体4を4.67g(収率61%)得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
24H
15Br計算値:382.0357;実測値382.0359
【0118】
<中間体5の合成>
中間体4を3.83g(10mmol)、ベンゾフェノンヒドラゾンを2g(10.1mmol)、t−BuONaを1.44g(15mmol)、Pd(OAc)
2を112mg(0.5mmol)そして2−ジクロロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルを238mg(0.5mmol)を、トルエン50mLに溶かした後、90℃で3時間撹拌した。常温に冷やした反応物に蒸溜水を加え、ジエチルエーテル50mLで二回、ジクロロメタン50mLで一回抽出した。集められた有機膜を硫酸マグネシウムで乾燥させて濾過した後、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲル・カラムクロマトグラフィで分離精製し、中間体5を4.24g(収率85%)得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
37H
26N
2計算値:498.2096;実測値498.2099
【0119】
<中間体6の合成>
中間体5を1.5g(3.0mmol)と、p−トルエンスルホン酸一水和物を1.14g(6.0mmol)との混合物に、メチルエチルケトン15mLとトルエン10mLとを加えた後、110℃で24時間撹拌した。本反応では、互いに異性体である中間体6と中間体7とが生成されるが、そのうち1つの異性体が主に生成され、残り1つの異性体は、少量だけ生成される。この反応混合物を常温に冷やした後、蒸溜水を加えてジエチルエーテル25mLで二回、ジクロロメタン25mLで二回抽出した。集められた有機膜を硫酸マグネシウムで乾燥させて濾過した後、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲル・カラムクロマトグラフィで分離精製し、中間体6を1.4g(収率69%)と中間体7を100mg(収率8.9%)とを得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。本実施例では主生成物である中間体6のみを使用した。
中間体6:C
28H
21N計算値:371.1674;実測値371.1677
中間体7:C
28H
21N計算値:371.1674;実測値371.1678
【0120】
<化合物10の合成>
上記中間体6を3.71g(10mmol)、中間体3を4.19g(12mmol)、t−BuONaを2.9g(30mmol)、Pd
2(dba)
3を366mg(0.4mmol)そしてP(t−Bu)
3を80mg(0.4mmol)を、トルエン60mLに溶かした後、90℃で3時間撹拌した。この反応が完結した後、常温に冷やし、これを蒸溜水とジエチルエーテル50mLと三回抽出した。集められた有機膜を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲル・カラムクロマトグラフィで分離精製し、化合物10を4.67g(収率73%)得た。生成された化合物は、HR−MSとNMR(核磁気共鳴法)とを使用して確認した。
C
47H
33N
3計算値:639.2674;実測値639.2678
1H NMR(CDCl
3、400MHz)δ(ppm)8.89(s、1H)、8.53(d、1H)、8.40−8.36(m、3H)、8.13(dd、1H)、8.07(d、1H)、7.98(d、1H)、7.96−7.82(m、6H)、7.61−7.53(m、2H)、7.48−7.36(m、6H)、7.33−7.28(m、2H)、7.14(dt、1H)、6.96(d、2H)、2.45(s、3H)、2.42(s、3H)
【0121】
(合成例:化合物17の合成)
【0122】
【化19】
【0123】
<中間体8の合成>
窒素雰囲気下で、上記中間体3を6.98g(20mmol)で80mLのTHFに溶かし、−78℃に温度を下げた。この温度で、n−ブチルリチウムを8.8mL(22mmol、ヘキサン内で2.5M)で徐々に滴加した後、1時間撹拌した。そして、B(OiPr)
3を9.2mL(60mmol)で入れた後、常温に温度を上げて3時間撹拌した。反応が終結した後、10%HCl水溶液を入れた。この反応溶液をジエチルエーテル100mLで三回抽出した。集められた有機膜を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて得られた残留物をジクロロメタンとノルマルヘキサンとで再結晶させ、中間体8を4.52g(収率72%)合成した。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
19H
15BN
2O
2計算値:314.1227;実測値314.1224
【0124】
【化20】
【0125】
<中間体9の合成>
上記中間体4の合成方法において、2−ナフチルボロン酸の代わりに中間体8を使用した他は同様の方法で、中間体9を6.62g(収率63%)得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
33H
21BrN
2計算値:524.0888;実測値524.0885
【0126】
<中間体10の合成>
上記中間体5の合成方法において、中間体4の代わりに中間体9を使用した他は同様の方法で、中間体10を5.7g(収率89%)得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
46H
32N
4計算値:640.2627;実測値640.2630
【0127】
<中間体11の合成>
上記中間体10を6.4g(10mmol)、p−トルエンスルホン酸一水和物を3.44g(20mmol)そしてベンジルフェニルケトンを3.92g(20mmol)の混合物に、エタノール40mLとトルエン20mLとを加えた後、110℃で24時間撹拌した。常温に冷やした反応物に蒸溜水を加え、ジエチルエーテル50mLで二回、ジクロロメタン50mLで二回抽出した。集められた有機膜を硫酸マグネシウムで乾燥させて濾過した後、溶媒を蒸発させて得られた残留物をシリカゲル・カラムクロマトグラフィで分離精製し、主生成物として中間体11を4.65g(収率73%)得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
47H
31N
3計算値:637.2518;実測値637.2521
【0128】
<化合物17の合成>
上記化合物10の合成方法において、中間体6の代わりに中間体11を使用した他は同様の方法で、中間体3の代わりに2−ブロモ−9,9’−ジメチルフルオレンを使用し、化合物17を6.55g(収率79%)得た。生成された化合物は、HR−MSとNMRとを使用して確認した。
C
62H
43N
3計算値:829.3457;実測値829.3456
1H NMR(CDCl
3、400MHz)δ(ppm)9.1(s、1H)、8.63(d、2H)、8.49(d、1H)、8.21(d、1H)、8.12−7.89(m、6H)、7.76(d、1H)、7.73−7.37(m、16H)、7.36−7.24(m、3H)、7.22(d、1H)、7.18(dt、1H)、7.12(dt、1H)、7.06−6.93(m、2H)、6.87(dd、1H)、1.93(s、6H)
【0129】
(合成例:化合物27の合成)
【0130】
【化21】
【0131】
<中間体12の合成>
2,5−ジブロモピリジンを6.16g(26mmol)、4−ピリジルボロン酸を2.46g(20mmol)、Pd(PPh
3)
4を1.16g(1mmol)そしてK
2CO
3を11.1g(80mmol)を、100mLのTHF/H
2O(2:1)混合溶液に溶かし、80℃で5時間撹拌した。反応液をジエチルエーテル100mlで三回抽出した。集められた有機膜を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて得られた残留物をジクロロメタンとノルマルヘキサンとで再結晶させ、中間体12を3.47g(収率72%)合成した。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
10H
7BrN
2計算値:233.9793;実測値233.9795
【0132】
<中間体13の合成>
窒素雰囲気下で、上記中間体8の合成方法において、中間体3の代わりに中間体12を使用した他は同様の方法で、中間体13を2.72g(収率68%)合成した。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
10H
9BN
2O
2計算値:200.0757;実測値200.0753
【0133】
<中間体14の合成>
上記中間体4の合成方法において、2−ナフチルボロン酸の代わりに中間体13を使用した他は同様の方法で、中間体14を2.67g(収率65%)得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
24H
15BrN
2計算値:410.0419;実測値410.0421
【0134】
<中間体15の合成>
上記中間体5の合成方法において、中間体4の代わりに中間体14を使用した他は同様の方法で、中間体15を5.7g(収率89%)得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
37H
26N
4計算値:526.2157;実測値526.2161
【0135】
<中間体16の合成>
上記中間体11の合成方法において、中間体10の代わりに中間体15を使用した他は同様の方法で、主生成物として中間体16を3.2g(収率62%)得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
38H
25N
3計算値:523.2048;実測値523.2046
【0136】
<化合物27の合成>
上記化合物10の合成方法において、中間体6の代わりに中間体16を使用した他は同様の方法で、化合物27を5.78g(収率73%)得た。生成された化合物は、HR−MSとNMRとを使用して確認した。
C
57H
37N
5計算値:791.3049;実測値791.3052
1H NMR(CDCl
3、400MHz)δ(ppm)9.20(s、1H)、8.74(s、1H)、8.63−8.56(m、3H)、8.52(s、1H)、8.45(d、2H)、8.29(t、1H)、8.03(dd、2H)、7.90(dd、2H)、7.84(d、1H)、7.73(d、1H)、7.55(dt、3H)、7.53−7.39(m、12H)、7.34−7.23(m、4H)、7.15(dt、1H)、7.04(d、2H)
【0137】
(合成例:化合物33の合成)
【0138】
【化22】
【0139】
上記化合物17の合成方法において、2−ブロモ−9,9’−ジメチルフルオレンの代わりに中間体3を使用した他は同様の方法で、化合物33を7.06g(収率78%)得た。生成された化合物は、HR−MSとNMRとを使用して確認した。
C
66H
43N
5計算値:905.3518;実測値905.3516
1H NMR(CDCl
3、400MHz)δ(ppm)9.17(s、1H)、8.58−8.47(m、3H)、8.42(dd、1H)、8.35(d、1H)、8.13(d、2H)、8.01(d、1H)、7.96(d、2H)、7.90−7.82(m、5H)、7.71(d、2H)、7.56(dd、4H)、7.52−7.25(m、16H)、7.09(tt、1H)、7.01(d、2H)、6.97−6.86(m、2H)
【0140】
(合成例:化合物42の合成)
【0141】
【化23】
【0142】
<中間体17の合成>
上記中間体8の合成方法において、中間体3の代わりに3−ブロモ−1,10−フェナントロリンを使用した他は同様の方法で、中間体17を4.76g(収率79%)得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
12H
9BN
2O
2計算値:224.0757;実測値224.0755
【0143】
<中間体18の合成>
上記中間体4の合成方法において、2−ナフチルボロン酸の代わりに中間体17を使用した他は同様の方法で、中間体18を2.66g(収率61%)得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
26H
15BrN
2計算値:434.0419;実測値434.0417
【0144】
<中間体19の合成>
上記中間体5の合成方法において、中間体4の代わりに中間体18を使用した他は同様の方法で、中間体19を4.18g(収率76%)得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
39H
26N
4計算値:550.2157;実測値550.2159
【0145】
<中間体20の合成>
上記中間体11の合成方法において、中間体10の代わりに中間体19を使用した他は同様の方法で、主生成物として中間体20を2.46g(収率45%)得た。生成された化合物は、HR−MSを使用して確認した。
C
40H
25N
3計算値:547.2048;実測値547.2049
【0146】
<化合物42の合成>
上記化合物10の合成方法において、中間体6の代わりに中間体20を使用し、中間体3の代わりに2−ブロモナフタレンを使用した他は同様の方法で、化合物42を4.78g(収率71%)得た。生成された化合物は、HR−MSとNMRとを使用して確認した。
C
50H
31N
3計算値:673.2518;実測値673.2519
1H NMR(CDCl
3、400MHz)δ(ppm)8.84(d、1H)、8.79(dd、2H)、8.45(d、1H)、8.31(d、1H)、8.27(d、1H)、8.19(d、1H)、8.07(dd、1H)、7.90(d、1H)、7.83(d、2H)、7.76(d、1H)、7.73(d、1H)、7.69(d、1H)、7.67−7.62(m、2H)、7.51(dd、1H)、7.49−7.27(m、12H)、7.25−7.13(m、2H)
【0147】
(実施例1)
アノードは、コーニング15Ωcm
2(1,200Å)ITOガラス基板を50mm×50mm×0.7mmサイズに切り、イソプロピルアルコールと純水とを利用し、それぞれ5分間超音波洗浄した後、30分間紫外線を照射し、オゾンに露出させて洗浄して作製し、真空蒸着装置にこのガラス基板を設置した。
【0148】
上記基板上部に、まず正孔注入層として、既知の物質である2−TNATAを真空蒸着し、600Å厚に形成した後、次に、正孔輸送性化合物として、既知の物質である4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)を300Å厚に真空蒸着し、正孔輸送層を形成した。
【0149】
上記正孔輸送層の上部に、既知の緑色蛍光ホストであるAlq3と、既知の緑色蛍光ドーパントであるC545Tとを質量比98:2で同時蒸着し、300Å厚に発光層を形成した。
【0150】
次に、上記発光層の上部に、電子輸送層として、化合物10を300Å厚に蒸着した後、上記電子輸送層の上部に、電子注入層として、ハロゲン化アルカリ金属であるLiFを10Å厚に蒸着し、Alを3,000Å厚に真空蒸着し、LiF/Al電極(カソード)を形成することによって、有機発光素子を製造した。
【0151】
この素子は、電流密度50mA/cm
2で駆動電圧5.83V、発光輝度8,260cd/m
2の高輝度を示し、色座標は(0.311,0.643)であり、発光効率は、16.52cd/Aであった。
【0152】
(実施例2)
電子輸送層の形成時、上記化合物10の代わりに化合物17を利用したことを除いては、実施例1と同様にし、有機発光素子を製作した。
【0153】
この素子は、電流密度50mA/cm
2で駆動電圧6.18V、発光輝度8,540cd/m
2の高輝度を示し、色座標は(0.310,0.644)であり、発光効率は、17.08cd/Aであった。
【0154】
(実施例3)
電子輸送層の形成時、上記化合物10の代わりに化合物27を利用したことを除いては、実施例1と同様にし、有機発光素子を製作した。
【0155】
この素子は、電流密度50mA/cm
2で駆動電圧5.59V、発光輝度8,956cd/m
2の高輝度を示し、色座標は(0.309,0.643)であり、発光効率は、17.91cd/Aであった。
【0156】
(実施例4)
電子輸送層の形成時、上記化合物10の代わりに化合物33を利用したことを除いては、実施例1と同様にし、有機発光素子を製作した。
【0157】
この素子、は電流密度50mA/cm
2で駆動電圧5.49V、発光輝度8,987cd/m
2の高輝度を示し、色座標は(0.310,0.644)であり、発光効率は、17.97cd/Aであった。
【0158】
(実施例5)
電子輸送層の形成時、化合物10の代わりに本発明の化合物42を利用したことを除いては、実施例1と同様にし、有機発光素子を製作した。
【0159】
この素子は、電流密度50mA/cm
2で駆動電圧5.91V、発光輝度8,023cd/m
2の高輝度を示し、色座標は(0.311,0.643)で、発光効率は、16.04cd/Aであった。
【0160】
(比較例1)
電子輸送層の形成時、上記化合物10の代わりに既知の物質であるAlq3を利用したことを除いては、実施例1と同様にし、有機発光素子を製作した。
【0161】
この素子は、電流密度50mA/cm
2で駆動電圧7.45V、発光輝度6,102cd/m
2を示し、色座標は(0.309,0.642)とほぼ同一であり、発光効率は、12.2cd/Aであった。
【0162】
実施例1ないし5による化学式1または化学式2の構造を有するヘテロ環化合物を電子輸送材料として有機発光素子に使用した結果、既知の物質であるAlq3と比較し、いずれも駆動電圧が1V以上低くなり、効率が大幅に向上した優秀なI−V−L特性を示した。特に、寿命改善効果が卓越しており、実施例1ないし5の場合、比較例1に比べて、寿命が100%以上向上するという結果を示した。代表的な寿命結果を下記表1に示す。
【0163】
【表1】
【0164】
本発明について、上記合成例及び実施例を参考にして説明したが、それらは例示的なものに過ぎず、本発明に属する技術分野の当業者であるならば、それらから多様な変形及び均等な他実施例が可能であるという点を理解することが可能であろう。よって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決まる。