(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第1実施例及び第4実施例の説明用正面図である。
【
図2】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第1実施例の説明用平面図である。
【
図3】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第1実施例及び第4実施例の説明用正面図である。
【
図4】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第1実施例の説明用正面図である。
【
図5】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第1実施例における他の実施例の説明用平面図である。
【
図6】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第1実施例における更に他の実施例の説明用平面図である。
【
図7】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第2実施例の説明用正面図である。
【
図8】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第2実施例の説明用平面図である。
【
図9】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第2実施例の説明用正面図である。
【
図10】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第2実施例の説明用正面図である。
【
図11】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第2実施例の他の実施例の説明用平面図である。
【
図12】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第2実施例の更に他の実施例の説明用正面図である。
【
図13】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第2実施例の更に他の実施例の説明用正面図である。
【
図14】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第3実施例の説明用正面図である。
【
図15】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第3実施例の説明用正面図である。
【
図16】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第4実施例の説明用正面図である。
【
図17】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第4実施例の説明用正面図である。
【
図18】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第4実施例の説明用正面図である。
【
図19】本発明の土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の第4実施例の説明用正面図である。
【
図20】浚渫船と汚濁防止枠と土運船との配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下図面によって本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0018】
本発明の第1実施例における土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置は、
図1及び
図2に示すように、土運船4の舷側の縁部4aに、その基部10aを枢支して、上下方向において傾動自在ならしめた、例えば、長さ4mの棒状の鋼材10と、この鋼材10の先端部10bに接続したワイヤー11を操作するウインチ装置12とよりなる。
【0019】
また、上記鋼材10は、上記土運船4の長手方向において、所望の間隔を開けて、例えば2つ設ける。
【0020】
また、13は、上記鋼材10の先端部10bと上記ウインチ装置12との間に設けた、上記ワイヤー11の方向を変えるための支柱である。
【0021】
また、14は、上記土運船4の舷側に設けた、上記土運船4と上記汚濁防止枠2との間の間隙を覆う、突出長さが例えば2mの土砂落下防止板である。
【0022】
本発明の第1実施例は上記のような構成であるから、
図3に示すように、上記鋼材10の先端部10bが水面よりも上方にある最初の状態から、上記ウインチ装置12を操作し上記ワイヤー11を伸ばして、上記土運船4と上記鋼材10との間に上記汚濁防止枠2の浮体2aを位置せしめるように上記鋼材10を傾動せしめ、上記鋼材10の重量により、
図1に示すように、上記土運船4に対して相対的に上記浮体2aを上記土運船4側に引寄せ、さらに、水面における上記土運船4と上記鋼材10との距離Lが上記土砂落下防止板14の突出長さよりも小さくなるまで、例えば距離Lが1mとなるところまで、上記ワイヤー11を伸ばして上記鋼材10を下方に傾動せしめる。
【0023】
なお、上記鋼材10の重量は、上記鋼材10を下方に傾動せしめたとき、上記土運船4に対して相対的に上記浮体2aを上記土運船4側に引寄せることができる重量とする。
【0024】
本発明の第1実施例によれば、上記浮体2aを上記鋼材10と上記土運船4との間に位置せしめ、かつ、水面における上記土運船4と上記鋼材10との距離Lが上記土砂落下防止板14の突出長さよりも小さくなるまで上記鋼材10を傾動せしめたので、上記汚濁防止枠2と上記土運船4とを近接した状態に維持でき、上記土砂落下防止板14の防御範囲長さ以上に上記汚濁防止枠2と上記土運船4とが離れる事はなく、従って、上記汚濁防止枠外で汚濁が発生するすることがない。
【0025】
また、風、潮位等の影響により、上記土運船が動揺して上記浮体2aに対して相対的に上下しても、上記浮体2aには上方向に持ち上げる力が働かないので、上記汚濁防止枠2から垂下される汚濁防止膜2bが引っぱられて破損するようなことはない。
【0026】
また、
図1に示すように、上記浮体2aを、水面における上記土運船4と上記鋼材10との距離Lを所望量だけ開けた状態で位置せしめているので、浚渫船により上記土運船4に土砂を積み込んで上記土運船4が下がっても、
図4に示すように、水面における上記鋼材10と上記土運船4との距離に余裕があり、上記浮体2aが上記鋼材10と上記土運船4により水中に押し込まれて、水没してしまうことはなく、汚濁が枠外に流出・拡散するのを防止できる。
【0027】
なお、
図5に示すように、上記2つの鋼材10、10の先端部10b、10bを棒材15で連結せしめてもよい。なお、この場合、上記各鋼材10を同期して傾動させて、上記各鋼材10にねじれが発生しないようにすることが望ましい。
【0028】
また、
図6に示すように、上記土運船4に上記土砂落下防止板14を固定する代わりに、上記2つの鋼材10、10と棒材15により形成された枠内に例えば、FRP製の土砂落下防止板16を嵌め込んで固定するようにしてもよい。
【0029】
なお、上記第1実施例においては、鋼材10を2つ設けた例を挙げたが、上記土運船4に鋼材10を1つ設け傾動せしめるようにしてもよく、又、3つ以上設け、傾動せしめるようにしてもよい。
【実施例2】
【0030】
本発明の第2実施例においては、
図7及び
図8に示すように、上記第1実施例の近接装置における鋼材10の基部10aを、上記土運船4の舷側の縁部4aに傾動自在に枢支する代わりに、上記土運船4の舷側の縁部4aに、水平方向外方に突出して固定した突出部材4bを設け、この突出部材4bの先端に上下方向において傾動自在に枢支する。
【0031】
また、上記突出部材4bの突出長さは、上記浮体2aの幅Mよりも長く、上記土砂落下防止板14の突出長さより短い長さとする。
【0032】
本発明の第2実施例は上記のような構成であるから、
図7に示すように、上記鋼材10の先端部10bが水面よりも上方にある最初の状態から、上記ウインチ装置12を操作し上記ワイヤー11を伸ばして、上記土運船4と上記鋼材10との間に上記汚濁防止枠2の浮体2aを位置せしめるように上記鋼材10を傾動せしめ、上記鋼材10の重量により、
図9に示すように、上記土運船4に対して相対的に上記浮体2aを上記土運船4側に引寄せ、さらに、上記ワイヤー11を伸ばして
図10に示すように上記鋼材10が垂下するまで傾動せしめる。
【0033】
本発明の第2実施例によれば、上記浮体2aを上記鋼材10と上記土運船4との間に位置せしめ、かつ、水面における上記土運船4と上記鋼材10との距離を上記突出部材4bの突出長さと同じ長さまで近接せしめたので、上記土砂落下防止板14の防御範囲長さ以上に上記汚濁防止枠2と上記土運船4とが離れる事はなく、従って、上記汚濁防止枠外で汚濁が発生するすることがない。
【0034】
また、風、潮位等の影響により、上記土運船が動揺して上記浮体2aに対して相対的に上下しても、上記浮体2aには上方向に持ち上げる力が働かないので、上記汚濁防止枠2から垂下される汚濁防止膜2bが引っぱられて破損するようなことはない。
【0035】
また、
図10に示すように、上記浮体2aを、水面における上記土運船4と上記鋼材10との距離を上記突出部材4bの突出長さだけ開けた状態で位置せしめているので、浚渫船により上記土運船4に土砂を積み込んで上記土運船4が下がっても、上記鋼材10と上記土運船4との距離に余裕があり、上記浮体2aが上記鋼材10と上記土運船4により水中に押し込まれて、水没してしまうことはなく、汚濁が枠外に流出・拡散するのを防止できる。
【0036】
なお、
図11に示すように、上記第1実施例と同様に、2つの鋼材10、10の先端部10b、10bを棒材15で連結せしめ、上記土運船4に上記土砂落下防止板14を固定する代わりに、上記2つの鋼材10、10と棒材15により形成された枠内に例えば、FRP製の土砂落下防止板16を嵌め込んで固定し、更に、上記2つの突出部材4b、4b間に例えば、FRP製の土砂落下防止板18を固定してもよい。
【0037】
また、
図10に示すように、上記鋼材10を垂下せしめた時に、上記ワイヤー11が上記鋼材10と上記突出部材4bとの枢支部19よりも内側(土運船4側)に位置していると、その状態から上記ウインチ装置12により上記ワイヤー11を短くして、鋼材10を上昇せしめた時に、
図12に示すように、上記鋼材10が内側に傾動してしまって、上記鋼材10を海上に上昇せしめることができなくなるおそれがある。
【0038】
そこで、上記ワイヤー11を、上記鋼材10の先端部10bに接続する代わりに、
図13に示すように、上記鋼材10の先端部10bに、外側(海側)に直角方向に延びる内側傾動防止部材10cを固定し、この内側傾動防止部材10cの先端に接続せしめ、常時、上記ワイヤー11が上記鋼材10と上記突出部材4bとの枢支部19よりも外側に位置されるようにする。
【0039】
これにより、上記鋼材10を上昇せしめたときに、上記鋼材10が内側に傾動することがなくなる。
【0040】
なお、上記内側傾動防止部材10cを用いる代わりに、上記ワイヤー11を保持する上記支柱13の頂部を海側に突出せしめるなど、他の鋼材内側傾動防止手段を設けて、上記ワイヤー11が常時、上記鋼材10と上記突出部材4bとの枢支部19よりも外側に位置するようにしてもよい。
【実施例3】
【0041】
本発明の第3実施例においては、
図14に示すように、第1実施例における土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置の上記鋼材10の先端部10bに、傾動自在に枢支せしめた下方に垂下する所望の長さの重量パイプや重量チェーンなどの近接補助部材17を設ける。
【0042】
本発明の第3実施例は上記のような構成であるから、
図14に示すように、上記浮体2aと上記土運船4とが、上記鋼材10の先端部10bでは浮体2aを引寄せられない距離まで離れても、上記浮体2aを上記土運船4と上記近接補助部材17との間に位置せしめることができ、上記ワイヤー11を伸ばして上記鋼材10を傾動せしめれば、上記近接補助部材17の重量により、
図15に示すように、上記土運船4に対して相対的に上記浮体2aを上記土運船4側に引寄せることができる。
【0043】
そして、更に上記鋼材10を傾動せしめて、第1実施例と同様に、水面における上記土運船4と上記鋼材10との距離が上記土砂落下防止板14の突出長さよりも小さくなるまで、例えばその距離が1mとなるところまで、上記ワイヤー11を伸ばして上記鋼材10を下方に傾動せしめる。
【0044】
本発明の第3実施例においても、第1実施例と同様に、上記汚濁防止枠2と上記土運船4とを近接した状態に維持できるので、土砂落下防止板14の防御範囲長さ以上に上記汚濁防止枠2と上記土運船4とが離れる事はなく、従って、汚濁防止枠外で汚濁が発生することがない。
【0045】
また、上記鋼材10の先端部10bが水面よりも上方にある場合でも、上記近接補助部材17により、上記土運船4に対して相対的に上記汚濁防止枠2の浮体2aを上記土運船4側に引寄せることができるようになる。
【0046】
また、上記浮体2aと上記土運船4とが、傾動させた上記鋼材10の先端部10bでは浮体2aを引寄せられない距離まで離れても、上記浮体2aを引寄せることができるようになる。
【0047】
また、第1実施例と同様に、上記浮体2aを、水面における上記土運船4と上記鋼材10との距離を所望量だけ開けた状態で位置せしめているので、浚渫船により上記土運船4に土砂を積み込んで上記土運船4が下がっても、水面における上記鋼材10と上記土運船4の距離に余裕があり、上記浮体2aが上記鋼材10と上記土運船4により水中に押し込まれて、水没してしまうことはなく、汚濁が枠外に流出・拡散するのを防止できる。
【0048】
なお、上記第2実施例のように、上記土運船4の舷側の縁部4aに、水平方向外方に突出して固定した突出部材4bを設け、この突出部材4bの先端に上記鋼材10の基部10aを上下方向において傾動自在に枢支し、この鋼材10の先端部10bに、上記近接補助部材17を傾動自在に枢支せしめ、上記ワイヤー11を伸ばして、上記鋼材10が垂下するまで傾動せしめてもよい。
【実施例4】
【0049】
本発明の第4実施例は、第1実施例における土運船に設けた汚濁防止枠への近接装置において、
図3に示すように、上記鋼材10の先端部10bが水面よりも上方にある最初の状態から、上記ウインチ装置12を操作し上記ワイヤー11を伸ばして、上記土運船4と上記鋼材10との間に上記汚濁防止枠2の浮体2aを位置せしめるように上記鋼材10を傾動せしめ、上記鋼材10の重量により、
図1に示すように、上記土運船4に対して相対的に上記浮体2aを上記土運船4側に引寄せ、さらに、
図16に示すように、上記浮体2aが上記鋼材10と上記土運船4とで挟まれる状態となるまで、上記ワイヤー11を伸ばして上記鋼材10を下方に傾動せしめる。
【0050】
また、上記浮体2aが上記鋼材10と上記土運船4とで挟まれる状態において、浚渫船により上記土運船4に土砂を積み込むと上記土運船4が下り、
図17に示すように、上記浮体2aが上記鋼材10と上記土運船4とにより水中に押し込まれて、水没してしまう。そして、水没した上記浮体2aの上方から上記汚濁防止枠2内の汚濁が枠外に流出・拡散してしまう恐れがある。そこで、
図18に示すように、浚渫船により上記土運船4に土砂を積み込んで、上記土運船4が下がるに従って、上記鋼材10を上方に傾動せしめ、上記浮体2aが水没することを防止し、枠外に汚濁が流出・拡散することを防止する。
【0051】
本発明の第4実施例においても、第1実施例と同様に、上記汚濁防止枠2と上記土運船4とを近接した状態に維持できるので、土砂落下防止板14の防御範囲長さ以上に上記汚濁防止枠2と上記土運船4とが離れる事はなく、従って、汚濁防止枠外で汚濁が発生することがない。
【0052】
また、上記土運船4が下がるに従って、上記鋼材10を上方に傾動せしめるので、上記浮体2aが水没することを防止でき、汚濁が枠外に流出・拡散するのを防止できる。
【0053】
また、
図16に示すように上記浮体2aが上記鋼材10と上記土運船4とで挟まれている状態から、風、潮位等の影響により、上記土運船が動揺して、上記浮体2aに対して相対的に上下しても、
図19に示すように、上記浮体2aには上方向に持ち上げる力が働かないので、上記汚濁防止枠2から垂下される汚濁防止膜2bが引っぱられて破損するようなことはない。
【0054】
なお、上記鋼材10の先端部10bに、傾動自在に枢支せしめた下方に垂下する所望の長さの重量パイプや重量チェーンなどの近接補助部材17を設ければ、第3実施例と同様に、上記鋼材10の先端部10bが水面よりも上方にある場合でも、上記近接補助部材17により、上記土運船4に対して相対的に上記汚濁防止枠2の浮体2aを上記土運船4側に引寄せることができるようになり、また、上記浮体2aと上記土運船4とが、傾動させた上記鋼材10の先端部10bでは浮体2aを引寄せられない距離まで離れても、上記浮体2aを引寄せることができるようになる。