特許第5676243号(P5676243)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5676243
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】戸車、同戸車と吊戸との連結構造
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/06 20060101AFI20150205BHJP
   A01G 9/14 20060101ALI20150205BHJP
【FI】
   E05D15/06 119
   A01G9/14 Q
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-292261(P2010-292261)
(22)【出願日】2010年12月28日
(65)【公開番号】特開2012-140758(P2012-140758A)
(43)【公開日】2012年7月26日
【審査請求日】2013年11月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】597088591
【氏名又は名称】佐藤産業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503423317
【氏名又は名称】直木 武之介
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】直木 武之介
【審査官】 村田 泰利
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−149927(JP,A)
【文献】 米国特許第04099599(US,A)
【文献】 特開2009−097298(JP,A)
【文献】 特開2004−176408(JP,A)
【文献】 実開昭53−021461(JP,U)
【文献】 特開2009−167655(JP,A)
【文献】 特開2006−296250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/00−15/58
A01G 9/14−9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略水平に配置されたレール体に転動自在に係合可能な転動輪と、
この転動輪を回転自在に支持する支持部が上部に設けられ、下部には吊戸の枠体と連結する連結部が設けられた一体の部材からなるプレート部と、を備え、
前記プレート部に設けた連結部は、
前記枠体を構成する縦枠と横枠との重なった部分を貫通して前記縦枠と前記横枠とを連結する軸状締結材を挿通させることで、前記プレート部に前記枠体を連結させるに際して前記吊戸を仮吊下させるための位置決め孔と、
この位置決め孔に並設され、前記縦枠に前記プレート部を連結固定する軸状締結材を挿通させる締結材挿通孔と、
を備えることを特徴とする戸車。
【請求項2】
前記締結材挿通孔は、水平方向を長軸とする長孔であることを特徴とする請求項1記載の戸車。
【請求項3】
前記縦枠に戸車を連結固定する軸状締結材は根角ボルトであり、前記プレート部の前記締結材挿通孔は、前記根角ボルトの根角部分を抱持可能な凹部と、この凹部内に穿設されて前記根角ボルトの軸を挿通可能とした連通孔部とからなることを特徴とする請求項1又は2記載の戸車。
【請求項4】
戸車と吊戸との連結構造であって、
前記戸車は、略水平に配置されたレール体に前記吊戸をスライド自在に取付けるために、前記レール体に転動自在に係合可能な転動輪と、この転動輪を回転自在に支持する支持部が上部に設けられ、下部には前記吊戸の枠体と連結する連結部が設けられた一体の部材からなるプレート部と、を備え、
前記プレート部の連結部に設けた位置決め孔に、前記吊戸の枠体を構成する縦枠と横枠との重なった部分を貫通して前記縦枠と前記横枠とを連結する軸状締結材を挿通することで、前記プレート部に前記枠体を連結させるに際して前記吊戸を仮吊下させるとともに、この位置決め孔に並設された締結材挿通孔に、軸状締結材を挿通して前記縦枠に戸車を連結固定したことを特徴とする戸車と吊戸との連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、戸車に関し、詳しくは、吊下状態でスライド自在に取付けられる吊戸の上部枠に設けられる吊戸用の戸車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
温室栽培などに用いられるビニルハウスは、複数の骨材で構築した骨組をビニルシートで覆って構築されるが、一般的に、その妻面に矩形の出入口が設けてあり、この出入口にスライド式の吊戸が開閉自在に配設してある。
【0003】
かかるビニルハウスに用いられる吊戸として、特許文献1に開示されたものが知られており、かかる吊戸は、縦枠及び横枠を組み合わせて構成した枠体をビニルシートで覆って構成している。すなわち、図14に示すように、吊戸の骨格を構成する枠体100は、ビニルハウスの出入口の上端部に横架されたレール体200に、戸車300を介してスライド自在に吊下されている。
【0004】
レール体200は、帯板を端面視で矩形C字状に曲加工して一面にスリット状の間隙部210を形成し、この間隙部210が下に向くようにしてビニルハウスの妻面に配設されている。レール体200の内部には鼓形状の2つの戸車300,300が前記間隙部210を跨ぐように挿入してあり、両戸車300,300の括れ部分には、枠体100を支持する逆U字状の支持具310,310を掛け渡すように取付けてある。
【0005】
枠体100は、左右幅方向に互いに平行に配した縦枠部材110,110の間に、縦枠部材110と同じ端部形状・端部寸法の複数の横枠部材120,・・・120を、所定間隔をあけて複数段横架させ、縦枠部材110,110と複数の横枠部材120,・・・120とを螺子止めして形成している。そして、この枠体100の少なくとも一面側を図示しないビニールで覆うことによって吊戸が形成される。
【0006】
このように、従来のビニルハウスに用いられる吊戸では、枠体100の最上段の横枠部材120に戸車300を支持具310を介して取付けていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−296250号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の構成では、枠体100の横枠部材120の断面形状が略コ字状のチャンネル状に形成されているため、吊戸の自重によって、戸車300を取り付けている最上段の横枠部材120が変形する虞があった。
【0009】
また、戸車300を支持具310を介して取付ける構造は、比較的重量物となる枠体100をレール体200に取り付ける作業における労力負担が大であり、その改善が望まれていた。
【0010】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、吊戸の枠体の変形を防止でき、かつ吊戸の取付けを極めて容易に行うことのできる戸車を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の本発明では、略水平に配置されたレール体に転動自在に係合可能な転動輪と、この転動輪を回転自在に支持する支持部が上部に設けられ、下部には吊戸の枠体と連結する連結部が設けられた一体の部材からなるプレート部と、を備え、前記プレート部に設けた連結部は、前記枠体を構成する縦枠と横枠との重なった部分を貫通して前記縦枠と前記横枠とを連結する軸状締結材を挿通させることで、前記プレート部に前記枠体を連結させるに際して前記吊戸を仮吊下させるための位置決め孔と、この位置決め孔に並設され、前記縦枠に前記プレート部を連結固定する軸状締結材を挿通させる締結材挿通孔と、を備える戸車とした。
【0012】
また、請求項2記載の本発明では、請求項1記載の戸車において、前記締結材挿通孔は、水平方向を長軸とする長孔であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3記載の本発明では、請求項1又は2記載の戸車において、前記縦枠に戸車を連結固定する軸状締結材は根角ボルトであり、前記プレート部の前記締結材挿通孔は、前記根角ボルトの根角部分を抱持可能な凹部と、この凹部内に穿設されて前記根角ボルトの軸を挿通可能とした連通孔部とからなることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4記載の本発明では、戸車と吊戸との連結構造であって、前記戸車は、略水平に配置されたレール体に前記吊戸をスライド自在に取付けるために、前記レール体に転動自在に係合可能な転動輪と、この転動輪を回転自在に支持する支持部が上部に設けられ、下部には前記吊戸の枠体と連結する連結部が設けられた一体の部材からなるプレート部と、を備え、前記プレート部の連結部に設けた位置決め孔に、前記吊戸の枠体を構成する縦枠と横枠との重なった部分を貫通して前記縦枠と前記横枠とを連結する軸状締結材を挿通することで、前記プレート部に前記枠体を連結させるに際して前記吊戸を仮吊下させるとともに、この位置決め孔に並設された締結材挿通孔に、軸状締結材を挿通して前記縦枠に戸車を連結固定した。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、吊戸の枠体を構成する縦枠と横枠とを連結する軸状締結材に位置決め孔を挿通することで、戸車を介して吊戸をレールに仮の姿勢で容易に吊下させることができ、その後、軸状締結材を介して吊戸の縦枠に戸車を連結固定することができる。したがって、吊戸の取付けが極めて容易に行える。しかも、本戸車は、吊戸の縦枠に取付けられるため、吊戸の自重により枠体が変形する虞もない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係る吊戸用戸車を具備する吊戸を設けたビニルハウスの妻面を示す一部省略説明図である。
図2】同吊戸用戸車を具備する吊戸の枠体の説明図である。
図3】同吊戸用戸車具備する吊戸の枠体の要部を示す説明図である。
図4】同要部の分解斜視図である。
図5】同吊戸用戸車の斜視図である。
図6】同吊戸用戸車の正面図である。
図7】同吊戸用戸車の背面図である。
図8】同吊戸用戸車の右側面図である。
図9】同吊戸用戸車の平面図である。
図10】同吊戸用戸車の底面図である。
図11図7のA−A断面図である。
図12図7のB−B断面図である。
図13図7のC−C断面図である。
図14】従来の吊戸用戸車を具備する吊戸の枠体の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1はビニルハウス1の妻面10を示している。ビニルハウス1は、複数の縦フレーム11及び横フレーム12の組み合わせにより構成された骨組上に、所定のフィルム2を張設し、骨組全体を被覆することにより構築されている。かかるビニルハウス1の妻面10には出入り口となる開口部13が形成されており、この開口部13の上端部にレール体3を略水平に横架し、横架されたレール体3に左右方向へスライドする開閉ドアとしての吊戸4,4が取付けられている。
【0018】
本実施形態に係る吊戸4は、枠体5にフィルム6を張設したものであり、枠体5は、図2に示すように、左右幅方向に互いに平行に配した縦枠(以下、「縦枠部材」とする)51,51の間に、複数の横枠(以下、「横枠部材」とする)52,52を、所定間隔をあけて複数段横架して構成している。縦枠部材51と横枠部材52とは、軸状締結材である螺子53によって連結されている。
【0019】
上述した構成において、本実施形態において特徴となるのは、吊戸4を吊下して、ビニルハウス1の出入口となる開口部13の上端部に横架したレール体3に沿って転動する戸車7の構成と、この戸車7の吊戸4に対する取付構造、すなわち戸車7と吊戸4との連結構造にある。
【0020】
レール体3は、図3及び図4に示すように、帯板を端面視で矩形C字状に曲げ加工して一面にスリット状の間隙部31を形成し、この間隙部31を下向きにしてビニルハウス1の妻面10に形成した開口部13の上端に横架している。
【0021】
枠体5は、上述したように、縦枠部材51と横枠部材52とから構成されているが、これらはアルミニウム(アルミニウム合金を含む)を用いた押出成形により形成されている。なお、これらは、アルミニウムによる押出成形に限らず、例えば、鉄材を用いた圧延成形など、他の成形方法により形成することもできる。
【0022】
図3及び図4に示すように、縦枠部材51と横枠部材52とは、主壁511と、この主壁511の両側から立ち上がり、先端を内巻きにした一側壁部512及び他側壁部513とからなる断面視略コ字状とした一面開放に形成されている。主壁511には、断面視をフラスコ底部のように凹状としたフィルム止め部514が形成され、このフィルム止め部514にフィルム6が図示しないスプリング状のフィルム止め具により係止される。
【0023】
そして、図3及び図4に示すように、横枠部材52の左端部は、縦枠部材51の上端に上下2本の螺子53で連結される。なお、螺子53は前記したように軸状締結材であって、ビスやボルトなどである。図中、符号53aは横枠部材52に形成された螺子孔を示し、符号53bは縦枠部材51に形成された螺子孔を示し、タップによりメネジが設けられている。なお、図3及び図4においては、横枠部材52の取付構造における左端部のみを示したが、右端部も左端部と対称に表れる。
【0024】
上述した構成において、戸車7は、縦枠部材51の上端部分に配設されている。ここで、戸車7の構成について、図5図13を参照しながら詳述する。
【0025】
図示するように、戸車7は、レール体3に転動自在に係合可能な左右一対の樹脂製の転動輪71,71と、この転動輪を回転自在に支持する支軸73,73が形成された支持部720が上部に設けられるとともに、吊戸4の枠体5と連結する連結部721が下部に設けられたプレート部72とを備えている。
【0026】
本実施形態に係るプレート部72は、アルミダイキャストスト製品であり、プレート全体に肉盗み部74を形成し、必要な強度を維持しながら材料削減を図っている。
【0027】
プレート部72に設けた連結部721は、枠体5を構成する縦枠部材51と横枠部材52とを連結する軸状締結材である螺子53を挿通する位置決め孔72aと、この位置決め孔72aに並設され、縦枠部材51に戸車7を連結固定する軸状締結材である根角ボルト8を挿通する締結材挿通孔72bとを備えている。
【0028】
この締結材挿通孔72bに対応する枠体側挿通孔53cが縦枠部材51に形成された上側の螺子孔53bに略水平方向に対向した位置に形成されている。枠体側挿通孔53cは、根角ボルト8の根角部分80に対応する四角形に形成されている。なお、図3及び図4中、符号83は根角ボルト8に螺合するナットを示す。
【0029】
ところで、プレート部72の締結材挿通孔72bは、図5図8及び図13に示すように、根角ボルト8の根角部分80を抱持可能な凹部722と、この凹部722内に穿設されて根角ボルト8の軸81を挿通可能とした連通孔部723とから形成されている。
【0030】
しかも、本実施形態では、凹部722を、連通孔部723に連通するようにプレート部72の両面側にそれぞれ形成している。したがって、図2に示すように、1つの枠体5につき、配設姿勢を逆向きとした2個の戸車7を用いる場合であっても、1種類の戸車7で対応することが可能となり、例えば、右用戸車あるいは左用戸車といったように、配設個所によって異なる戸車を用意しておく必要がない。
【0031】
また、上記構成の戸車7において、締結材挿通孔72bは、水平方向を長軸とする長孔としている。したがって、縦枠部材51に形成された枠体側挿通孔53cが、製造誤差によって僅かに略水平方向にずれたような場合でもそのずれを吸収することができ、戸車7の枠体5への取付けに支障をきたすことがない。なお、締結材挿通孔72bは、その短軸の径についても根角ボルト8の軸81の径よりも大径にしており、枠体側挿通孔53cの製造誤差が上下方向に生じてもやはりそのずれを吸収することが可能となっている。
【0032】
ここで、図3を参照しながら、吊戸を構成する枠体5と、上述した構成の戸車7との連結構造について説明する。
【0033】
すなわち、上述したように、戸車7は、略水平に配置されたレール体3に吊戸4をスライド自在に取付けるためのものであって、レール体3に転動自在に係合可能な転動輪71と、この転動輪71を回転自在に支持する支持部720が上部に設けられ、下部には吊戸4の枠体5と連結する連結部721が設けられたプレート部72とを備えている。
【0034】
そして、プレート部72の連結部721に設けた位置決め孔72aに、吊戸4の枠体5を構成する縦枠部材51と横枠部材52とを連結する2本の螺子53,53のうち、上側の螺子53を挿通するとともに、この位置決め孔72aに並設された締結材挿通孔72bに、根角ボルト8を挿通して縦枠部材51に戸車7を連結固定している。
【0035】
したがって、図示するように、戸車7は、縦枠部材51の上端部に螺着されることになるため、従来のように横枠部材52に取付けられる構造とは異なり、枠体5が変形するなどの不具合を生じる虞がない。
【0036】
かかる戸車7と吊戸4との連結構造を実現するための取付手順は以下の通りである。
【0037】
(1)先ず、レール体3に2個の戸車7を係止する。すなわち、レール体3には2個の戸車7,7は吊下状態となっている。
(2)次いで、予め用意してある吊戸4を持ち上げ、吊戸4の枠体5における縦枠部材51と横枠部材52とを連結している2本の螺子53,53のうち、上側の螺子53を戸車7の位置決め孔72aに挿通し、この螺子53を介して吊戸4を戸車7に吊るす。つまり、吊戸4は螺子53によって仮吊下された状態となっている。
【0038】
(3)そして、根角ボルト8を枠体側挿通孔53c側から戸車7の締結材挿通孔72bに挿通するとともに、例えば、インパクトレンチなどの電気や空気を動力源とする締結工具を用いてナット83を根角ボルト8に螺合し、戸車7を吊戸4の枠体5にしっかりと連結する。かかる作業を2個の戸車7に対して行うことで、吊戸4を極めて容易にビニルハウス1のレール体3に左右方向へスライド自在に取付け、開閉ドアとして機能させることができる。
【0039】
このように、本実施形態によれば、先ず、戸車7をレール体3に係止しておき、係止した戸車7に後から吊戸4を係止するため、吊戸4の取付作業が極めて容易となる。特に、インパクトレンチなどの工具を用いることができるため、吊戸4の取付作業の労力軽減を含む作業の能率化が著しく向上する。
【0040】
しかも、戸車7は、縦枠部材51の上端部に螺着されることになるため、吊戸4の自重に対しても、枠体5が変形するなどの不具合を生じる虞がない。
【0041】
上述してきた実施形態より、以下の戸車、同戸車と吊戸との連結構造が実現される。
【0042】
(1)略水平に配置されたレール体3に転動自在に係合可能な転動輪71と、この転動輪71を回転自在に支持する支持部720が上部に設けられ、下部には吊戸4の枠体5と連結する連結部721が設けられたプレート部72とを備え、プレート部72に設けた連結部721は、枠体5を構成する縦枠部材51と横枠部材52とを連結する螺子53(軸状締結材)を挿通する位置決め孔72aと、この位置決め孔72aに並設され、縦枠部材51に戸車7を連結固定する軸状締結材を挿通する締結材挿通孔72bとを備える戸車7。
【0043】
(2)上記構成において、前記締結材挿通孔72bは、水平方向を長軸とする長孔である戸車7。
【0044】
(3)上記構成において、前記縦枠部材51に戸車7を連結固定する軸状締結材は根角ボルト8であり、プレート部72の締結材挿通孔72bは、根角ボルト8の根角部分80を抱持可能な凹部722と、この凹部722内に穿設されて根角ボルト8の軸81を挿通可能とした連通孔部723とからなる戸車7。
【0045】
(4)戸車7と吊戸4との連結構造であって、戸車7は、略水平に配置されたレール体3に吊戸4をスライド自在に取付けるために、レール体3に転動自在に係合可能な転動輪71と、この転動輪71を回転自在に支持する支持部720が上部に設けられ、下部には吊戸4の枠体5と連結する連結部721が設けられたプレート部72と、を備え、プレート部72の連結部721に設けた位置決め孔72aに、吊戸4の枠体5を構成する縦枠部材51と横枠部材52とを連結する螺子53(軸状締結材)を挿通するとともに、この位置決め孔72aに並設された締結材挿通孔72bに、根角ボルト8(軸状締結材)を挿通して縦枠部材51に戸車7を連結固定した戸車7と吊戸4との連結構造。
【符号の説明】
【0046】
1 ビニルハウス
3 レール体
4 吊戸
5 枠体
7 戸車
51 縦枠部材
52 横枠部材
53 螺子(軸状締結材)
71 転動輪
72 プレート部
72a 位置決め孔
72b 締結材挿通孔
720 支持部
721 連結部
722 凹部
723 連通孔部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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