特許第5676321号(P5676321)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5676321
(24)【登録日】2015年1月9日
(45)【発行日】2015年2月25日
(54)【発明の名称】乗りかごの内壁構造
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20150205BHJP
【FI】
   B66B11/02 W
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2011-55850(P2011-55850)
(22)【出願日】2011年3月14日
(65)【公開番号】特開2012-192987(P2012-192987A)
(43)【公開日】2012年10月11日
【審査請求日】2013年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】塙 直人
(72)【発明者】
【氏名】池田 恭一
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−100365(JP,A)
【文献】 特開2007−022720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/00−11/08
F21V 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータの乗りかごの内壁面を形成する内壁部材に配置され、前記内壁面よりも前記乗りかごの外部側に配置された光源からの光を前記内壁面よりも前記乗りかごの内部側の空間に透過させる透過部材と、前記透過部材に対して前記透過部材の長手方向の両端に配置されて前記透過部材を支持する支持部材と、前記支持部材を前記内部側の空間に対して遮蔽する遮蔽部材と、更に押圧機構を備え、前記支持部材は、前記内壁部材によって支持されて前記透過部材を支持することにより前記透過部材が前記内壁部材に対して前記内部側の空間に向けて相対移動することを規制し、前記透過部材における前記長手方向の一端である第一端部に配置された前記支持部材である第一支持部材は、前記内壁部材に対して前記内部側の空間から着脱可能であり、前記第一支持部材は、前記内壁部材から取外されると、前記透過部材が前記内壁部材に対して相対移動して前記内壁部材から離脱することを許容し、前記透過部材は、前記第一端部に形成された貫通孔を有し、前記貫通孔は、前記内壁面と直交する方向において前記透過部材を貫通しており、前記第一支持部材は、前記貫通孔に挿入可能な第一構成部と、前記第一構成部と接続され、前記貫通孔に挿入不能な第二構成部とを有し、前記第一支持部材は、前記第一構成部が前記内部側の空間から前記貫通孔に挿入されて前記内壁部材によって支持され、前記第二構成部が前記貫通孔の縁部に係止することで前記透過部材を支持し、前記長手方向において、前記貫通孔の幅は、前記第一構成部の幅よりも大きく、前記第一支持部材に対して前記透過部材が前記長手方向に相対移動することが許容され、前記遮蔽部材は、前記長手方向において前記第一端部と対向し、かつ前記内壁部材に対して前記長手方向に相対移動可能な第一遮蔽部材と、前記透過部材における前記長手方向の他端である第二端部と前記長手方向において対向し、かつ前記内壁部材に対して前記長手方向に相対移動可能な第二遮蔽部材とを有し、前記押圧機構は、前記第一遮蔽部材を介して前記第一端部を前記第二端部に向けて押圧し、前記第二遮蔽部材を介して前記第二端部を前記第一端部に向けて押圧することを特徴とする乗りかごの内壁構造。
【請求項2】
前記透過部材における前記長手方向の他端である前記第二端部に配置された前記支持部材である第二支持部材は、前記第一支持部材と共に前記透過部材を支持するときは、前記透過部材が前記内壁部材に対して前記内部側の空間に向けて相対移動すること、および前記透過部材が前記内壁部材から離脱することを規制し、前記第一支持部材が前記内壁部材から取外されると、前記透過部材が前記内壁部材に対して前記長手方向に相対移動して前記内壁部材から離脱することを許容する請求項1に記載の乗りかごの内壁構造。
【請求項3】
前記第二支持部材は、前記第一支持部材と共に前記透過部材を支持するときは、前記透過部材が前記内壁部材から離脱しない範囲内で前記透過部材が前記内壁部材に対して前記長手方向に相対移動することを許容する請求項2に記載の乗りかごの内壁構造。
【請求項4】
前記透過部材は、前記第二端部に形成され、前記第一端部に向けて前記長手方向に凹む切欠部を有し、前記切欠部は、前記内壁面と平行でかつ前記長手方向と直交する所定方向において前記透過部材の一方側の空間と他方側の空間とを連通しており、前記第二支持部材は、前記内壁部材によって支持されて前記所定方向に延在するものであって、前記切欠部に係合することで前記透過部材の前記長手方向の移動を許容し、かつ前記内部側の空間に向かう移動を規制する請求項2または3に記載の乗りかごの内壁構造。
【請求項5】
前記透過部材は、前記長手方向の他端である第二端部に形成され、前記第一端部に向けて前記長手方向に凹む切欠部を有し、前記切欠部は、前記内壁面と平行でかつ前記長手方向と直交する所定方向において前記透過部材の一方側の空間と他方側の空間とを連通しており、前記第二端部に配置された前記支持部材である第二支持部材は、前記内壁部材によって支持されて前記所定方向に延在するものであって、前記切欠部に係合することで前記透過部材の前記長手方向の移動を許容し、かつ前記内部側の空間に向かう移動を規制し、前記切欠部は、前記貫通孔の幅に応じて許容される範囲で前記透過部材が前記長手方向において最も前記第二支持部材から離間する側に移動した状態で前記第二支持部材に係合し、前記内部側の空間に向かう前記透過部材の移動を規制できるものである請求項1に記載の乗りかごの内壁構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乗りかごの内壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベータの乗りかごの内壁において、照明等の光をかご室内に透過させる透過部材が配置されることがある。透過部材の着脱を乗りかごの外部側から行う従来の着脱方法では、透過部材にアクセスするまでに多くの手順を要するなど、作業性の改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−303015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、光を透過させる透過部材をエレベータの乗りかごの内壁に着脱するときの作業性を向上させることができる乗りかごの内壁構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の乗りかごの内壁構造は、透過部材と、支持部材と、遮蔽部材と、更に押圧機構を持つ。透過部材は、乗りかごの内壁面を形成する内壁部材に配置され、内壁面よりも乗りかごの外部側に配置された光源からの光を内部側の空間に透過させる。支持部材は、透過部材に対して透過部材の長手方向の両端に配置されて透過部材を支持する。支持部材は、内壁部材によって支持されて透過部材を支持することにより透過部材が内壁部材に対して内部側の空間に向けて相対移動することを規制する。透過部材における長手方向の一端である第一端部に配置された支持部材である第一支持部材は、内壁部材に対して内部側の空間から着脱可能である。第一支持部材は、内壁部材から取外されると、透過部材が内壁部材に対して相対移動して内壁部材から離脱することを許容する。遮蔽部材は、支持部材を乗りかごの内部側の空間に対して遮蔽する。透過部材は、第一端部に形成された貫通孔を有し、貫通孔は、内壁面と直交する方向において透過部材を貫通している。第一支持部材は、貫通孔に挿入可能な第一構成部と、第一構成部と接続され、貫通孔に挿入不能な第二構成部とを有する。第一支持部材は、第一構成部が内部側の空間から貫通孔に挿入されて内壁部材によって支持され、第二構成部が貫通孔の縁部に係止することで透過部材を支持する。長手方向において、貫通孔の幅は、第一構成部の幅よりも大きく、第一支持部材に対して透過部材が長手方向に相対移動することが許容される。遮蔽部材は、長手方向において第一端部と対向し、かつ内壁部材に対して長手方向に相対移動可能な第一遮蔽部材と、透過部材における長手方向の他端である第二端部と長手方向において対向し、かつ内壁部材に対して長手方向に相対移動可能な第二遮蔽部材とを有している。押圧機構は、第一遮蔽部材を介して第一端部を第二端部に向けて押圧し、第二遮蔽部材を介して第二端部を第一端部に向けて押圧する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態の乗りかごの内壁構造を示す平面図である。
図2図2は、実施形態の乗りかごの内壁構造の斜視図である。
図3図3は、実施形態のパネルユニットを示す斜視図である。
図4図4は、実施形態のパネルユニットを示す他の斜視図である。
図5図5は、実施形態に係るアクリルバーの長手方向の一端の支持構造を示す斜視図である。
図6図6は、実施形態に係るアクリルバーの長手方向の一端の支持構造を示す他の斜視図である。
図7図7は、実施形態に係るアクリルバーの長手方向の他端の支持構造を示す斜視図である。
図8図8は、実施形態に係るアクリルバーの長手方向の他端の支持構造を示す他の斜視図である。
図9図9は、実施形態のアクリルバーの取外し手順を示す図である。
図10図10は、実施形態のアクリルバーの取外し手順を示す他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、実施形態に係る乗りかごの内壁構造につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0008】
[実施形態]
図1から図10を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、乗りかごの内壁構造に関する。図1は、実施形態に係る乗りかごの内壁構造を示す平面図、図2は、実施形態に係る乗りかごの内壁構造の斜視図、図3は、実施形態に係るパネルユニットを示す斜視図、図4は、実施形態に係るパネルユニットを示す他の斜視図である。
【0009】
図1および図2に示す乗りかごの内壁構造1−1は、エレベータの乗りかごに適用されるものである。本実施形態では、乗りかごの内壁構造1−1が乗りかごの天井部に適用される場合を例に説明するが、これに限定されるものではない。乗りかごの内壁構造1−1は、例えば、乗りかごの側板部や床部に適用されてもよい。
【0010】
内壁構造1−1は、パネル1(11、12、13、14)と、アクリルバー2(22、23、24)と、第一ブラケット3(32、33、34)と、第二ブラケット4(42、43、44)とを備える。また、内壁構造1−1は、アクリルバー2を支持する支持部材として、ビス(図5の符号9、図7の符号61)およびカラー(図7の符号63参照)等を備える。
【0011】
パネル1は、乗りかごの内壁面15、すなわち搭乗者が搭乗するかご室の内壁面15を形成する内壁部材である。パネル1は、乗りかごの天井部に互いに隣接して連続的に配置される。本実施形態では、複数のパネル1(11、12、13、14)が乗りかごの前後方向に並んで配置されている。各パネル1は、乗りかごの本体の内面に取付けられ、内壁面15は、乗りかご本体の内面に対して乗りかごの内部側に形成される。
【0012】
ここで、かご室の前後方向とは、乗降用ドアが配置された壁面に対して直交する方向を示す。また、かご室の幅方向とは、前後方向および鉛直方向のそれぞれと直交する方向を示す。本明細書では、特に記載した場合を除き、「前後方向」とはかご室の前後方向を示し、「幅方向」とはかご室の幅方向を示すものとする。
【0013】
かご室の天井部には、前後方向の前側から後側に向けて、第一パネル11、第二パネル12、第三パネル13、第四パネル14が順に配置されている。パネル1の形状は、例えば矩形であり、各パネル11、12、13、14によって乗りかごの天井部の全面が覆われている。かご室の幅方向におけるパネル1の幅は、かご室の幅に対応している。かご室の幅方向におけるパネル1の幅は、かご室の幅よりもわずかに小さく、パネル1は、かご室の幅方向の一端の近傍から他端の近傍まで延在している。
【0014】
隣接するパネル1の間には、アクリルバー2がそれぞれ配置されている。アクリルバー2は、例えば、アクリル樹脂で形成されたものであり、光を透過させる透過部材である。アクリルバー2は、内壁面15よりも乗りかごの外部側の光を内壁面15よりも乗りかごの内部側の空間に透過させる。アクリルバー2は、ブロック形状であり、本実施形態では断面矩形の棒状に形成されている。
【0015】
第二パネル12、第三パネル13および第四パネル14には、アクリルバー2を収納する収納部5(52、53、54)が形成されている。収納部5は、各パネル12、13、14における前側の端部に配置されている。収納部5は、それぞれのパネル12、13、14において前側に隣接するパネル1との間に形成された隙間であって、アクリルバー2を収納可能な空間部である。
【0016】
例えば、第四パネル14の収納部54は、第三パネル13との間に形成された隙間である。第四パネル14の下面における前側の端部は、第三パネル13との間に前後方向に隙間をあけている。この隙間は、天井部の内壁面15に形成された開口部であり、この開口部を介してアクリルバー24が第四パネル14に対して脱着される。
【0017】
収納部54は、第四パネル14における幅方向の一端から他端まで形成されており、アクリルバー24全体を収納可能である。各アクリルバー2は、その長手方向を乗りかごの幅方向と一致させて収納部5に配置される。アクリルバー2の長手方向の長さは、かご室の幅よりも小さい。アクリルバー2の両端は、それぞれ収納部5の幅方向の両端よりも幅方向の内側に位置している。アクリルバー2の長手方向の両端には、後述するようにアクリルバー2を支持する支持部材(第一支持部材、第二支持部材)が配置されている。支持部材は、アクリルバー2がパネル1に対して鉛直方向下側に相対移動することを規制する。
【0018】
図3および図4に示すように、第一ブラケット3、第二ブラケット4は、アクリルバー2における長手方向の端部に配置されている。第一ブラケット3および第二ブラケット4は、乗りかごの内部側の空間に対して支持部材を遮蔽する遮蔽部材である。
【0019】
図3は、第四パネル14、アクリルバー24、第一ブラケット34および第二ブラケット44を斜め上方、すなわち乗りかごの外部側から見た図であり、図4は、第四パネル14、アクリルバー24、第一ブラケット34および第二ブラケット44を斜め下方、すなわち乗りかごの内部側の空間から見た図である。パネル14、アクリルバー24、第一ブラケット34および第二ブラケット44が一つのパネルユニットとして乗りかごの本体に取付けられる。
【0020】
第一ブラケット34は、収納部54における幅方向の一方側の端部に配置され、第二ブラケット44は、収納部54における幅方向の他方側の端部に配置されている。つまり、第一ブラケット34および第二ブラケット44は、アクリルバー24を挟んで幅方向の一方側と他方側とに配置されている。第一ブラケット34および第二ブラケット44は、それぞれ第四パネル14によって幅方向に移動可能に支持されている。また、第一ブラケット34および第二ブラケット44は、後述するように、それぞれ幅方向の中央部に向けて付勢されており、アクリルバー24を幅方向の両側から押圧している。
【0021】
図5は、アクリルバー2の長手方向の一端の支持構造を示す斜視図、図6は、アクリルバー2の長手方向の一端の支持構造を示す他の斜視図である。図5は、かご室の外部側から見た図、図6は、かご室の内部側から見た図である。なお、図5および図6では、第一ブラケット34の一部を透視した図が示されている。
【0022】
第一ブラケット34は、外形が略直方体の中空の部材である。第一ブラケット34は、図5に示すようにアクリルバー24に係合した状態において、鉛直方向上側の面および幅方向の第二ブラケット44側の面がそれぞれ開放されている。第一ブラケット34は、前部壁部35、後部壁部36、端部壁部37および底部壁部38を有する。前部壁部35と後部壁部36とは前後方向において互いに対向している。底部壁部38は、前部壁部35および後部壁部36の鉛直方向の下端同士、すなわち乗りかごの内部側の端部同士を前後方向に接続している。端部壁部37は、前部壁部35および後部壁部36における幅方向の一方側の端部同士を前後方向に接続している。
【0023】
前部壁部35は、貫通孔35Aを有し、後部壁部36は、貫通孔36Aを有している。貫通孔35Aと貫通孔36Aとは、前後方向において対向している。貫通孔35Aおよび貫通孔36Aは、底部壁部38と平行な方向の幅が、底部壁部38と直交する方向の幅よりも大きい長孔形状である。第一ブラケット34は、ビス6およびカラー7を介して第四パネル14によって支持されている。貫通孔35A,36Aには、前側からビス6およびカラー7が挿入されている。ビス6は、カラー7に挿入されており、ビス6の先端部が第四パネル14の図示しないネジ孔に螺合している。第一ブラケット34は、カラー7およびビス6を介して第四パネル14によって支持されている。
【0024】
第一ブラケット34は、ビス6を回転中心として回転可能である。また、貫通孔35Aおよび貫通孔36Aが長孔であることから、第一ブラケット34は、第四パネル14に対して貫通孔35A,36Aの長軸方向に相対移動可能である。例えば、貫通孔35Aおよび貫通孔36Aの長軸が幅方向と平行とされた場合、第一ブラケット34は、ビス6およびカラー7に支持されつつ第四パネル14に対して幅方向に相対移動することができる。
【0025】
第一遮蔽部材としての第一ブラケット34は、押圧機構としての板バネ8によって幅方向の他方側、すなわち第二ブラケット44に向けてアクリルバー24の長手方向に押圧されている。板バネ8の一端は、端部壁部37における幅方向の第二ブラケット44側の壁面に固定されており、他端は底部壁部38から離間する方向に向けて第一ブラケット34から突出している。板バネ8は、第一ブラケット34の姿勢が図5に示す姿勢、言い換えると底部壁部38が第一ブラケット34の底部に位置し、かつ水平となる姿勢であるときに第四パネル14と幅方向において対向し、かつ第四パネル14に当接する。以下の説明では、第一ブラケット34において底部壁部38が第一ブラケット34の底部に位置し、かつ水平となる状態を「水平状態」と記載する。
【0026】
板バネ8は、水平状態において、第四パネル14における幅方向の他方側を向いた面(以下、「当接面」と記載する。)14Aに当接する。また、板バネ8は、水平状態において、ビス6によって支持されて第一ブラケット34が幅方向に移動する際に、常時当接面14Aに当接し、第一ブラケット34に対して付勢力を作用させる。すなわち、板バネ8は、第一ブラケット34が水平状態とされると、当接面14Aに当接して撓み、第一ブラケット34に対して第二ブラケット44に向かう幅方向の付勢力F1を常時作用させる。従って、第一ブラケット34は、貫通孔35Aおよび貫通孔36Aが許容する範囲で幅方向に移動する場合、常に第二ブラケット44に向かう付勢力F1を受ける。
【0027】
アクリルバー24における長手方向の一端である第一端部25は、ビス9およびナット10を介して第四パネル14によって支持されている。図6に示すように、第一端部25には、貫通孔25Aが形成されている。貫通孔25Aは、アクリルバー24が収納部54に配置された状態において第一端部25を鉛直方向、すなわち第四パネル14の内壁面15と直交する方向に貫通している。ビス9は、鉛直方向の下側から貫通孔25Aに挿入され、かつ第四パネル14の支持板部16(図5参照)の孔部に挿入されてナット10(図5参照)に螺合している。これにより、ビス9は、ナット10を介して第四パネル14によって支持される。
【0028】
ビス9は、軸部9Aと、軸部9Aに接続され、軸部9Aに対して軸方向に連続して配置された頭部9Bとを有している。軸部9Aの直径は、貫通孔25Aに挿入可能な大きさであり、貫通孔25Aに挿入可能な第一構成部として機能する。一方、頭部9Bは、軸部9Aよりも大径であり、貫通孔25Aに挿入不能な第二構成部として機能する。本実施形態では、ビス9の軸部9Aは、カラー17に挿入された状態で貫通孔25Aに挿入される。カラー17の外径は、貫通孔25Aに挿入可能な大きさである。ビス9は、頭部9Bが貫通孔25Aの縁部に係止することによって第一端部25を支持する。このように、第一端部25は、第一支持部材としてのビス9およびナット10を介して第四パネル14によって支持されている。
【0029】
貫通孔25Aは、アクリルバー24の長手方向の幅が前後方向の幅よりも大きい長孔形状である。また、アクリルバー24の長手方向において、貫通孔25Aの幅は、ビス9の軸部9Aの幅やカラー17の幅よりも大きい。これにより、第一端部25は、第四パネル14に固定されたビス9に対してアクリルバー24の長手方向に相対移動することが許容される。また、ビス9は、貫通孔25Aの幅に応じて許容される範囲を超えて第一端部25が幅方向に移動することを規制する。
【0030】
第一端部25は、アクリルバー24における本体部(長手方向の中央部)26よりも断面形状が小さい。これにより、第一端部25は、第一ブラケット34の内部に挿入可能である。具体的には、第一ブラケット34の前後方向の幅は、アクリルバー24の本体部26における前後方向の幅と同一である。これに対して、第一端部25の前後方向の幅は、本体部26の前後方向の幅よりも小さい。従って、第一端部25は、第一ブラケット34の前部壁部35と後部壁部36との間に挿入可能である。
【0031】
また、第一端部25における鉛直方向の幅は、本体部26における鉛直方向の幅よりも小さく、かつ第一端部25の下面は、本体部26の下面よりも鉛直方向の上側に位置している。一方、第一ブラケット34の底部壁部38の下面は、水平状態においてアクリルバー24の本体部26の下面と同一平面上に位置している。第一端部25の下面と、底部壁部38の上面とは離間しており、第一端部25の下面と底部壁部38の上面との隙間における鉛直方向の幅は、ビス9の頭部9Bを収容可能な大きさである。第一ブラケット34が水平状態であるときの底部壁部38は、ビス9の頭部9Bと鉛直方向において対向しており、乗りかごの内部側の空間に対して頭部9Bを遮蔽する。
【0032】
アクリルバー24は、係合突起27を有しており、第一ブラケット34は、係合突起27に対応する係合凹部35Bを有する。係合突起27は、アクリルバー24における第一端部25と本体部26との境界部の前面側に形成されており、幅方向の一方側に突出している。係合凹部35Bは、係合突起27に対応する形状の凹部である。係合凹部35Bは、前部壁部35における端部壁部37側と反対側の端部、すなわち水平状態における幅方向の他方側の端部に形成されている。係合凹部35Bは、幅方向の一方側に向けて凹んでおり、係合突起27と係合することによって第一ブラケット34の回転を規制する。
【0033】
上述したように、第一ブラケット34は、板バネ8によって第二ブラケット44に向かう付勢力F1を受けている。水平状態における係合凹部35Bは、アクリルバー24の長手方向において係合突起27と対向しており、付勢力F1によって係合突起27と係合し、かつ係合突起27と長手方向において当接する。係合突起27と係合凹部35Bとが係合すると、上記付勢力F1によって係合状態が維持される。つまり、板バネ8は、第一ブラケット34を介して第一端部25をアクリルバー24の他端(第二端部28)に向けて押圧している。
【0034】
付勢力F1によって係合凹部35Bと係合突起27との係合状態が維持されることで、第一ブラケット34が回転方向にガタ付くことが抑制される。また、アクリルバー24の取外し時には、付勢力F1に抗して第一ブラケット34をスライドさせることで係合凹部35Bと係合突起27との係合を容易に解除することが可能である。
【0035】
以上説明したように、第一ブラケット34は、ビス6を介して第四パネル14によって支持されており、係合凹部35Bと係合突起27とが係合することで水平状態に保たれる。
【0036】
次に、図7および図8を参照して、アクリルバー2における長手方向の他端の構成について説明する。図7は、アクリルバー2の長手方向の他端の支持構造を示す斜視図、図8は、アクリルバー2の長手方向の他端の支持構造を示す他の斜視図である。図7は、かご室の外部側から見た図、図8は、かご室の内部側から見た図である。
【0037】
第二ブラケット44は、幅方向に移動可能であるが、第一ブラケット34とは異なり、回転不能である。第二ブラケット44は、外形が略直方体の中空の部材である。第二ブラケット44は、鉛直方向上側の面および幅方向の第一ブラケット34側の面がそれぞれ開放されている。第二ブラケット44は、前部壁部45、後部壁部46、端部壁部47および底部壁部48を有する。前部壁部45と後部壁部46とは前後方向において互いに対向している。底部壁部48は、前部壁部45および後部壁部46の鉛直方向の下端同士、すなわち乗りかごの内部側の端部同士を前後方向に接続している。端部壁部47は、前部壁部45および後部壁部46における幅方向の他方側の端部同士を前後方向に接続している。
【0038】
前部壁部45は、貫通孔45A,45Bを有し、後部壁部46は、貫通孔46A,46Bを有している。貫通孔45Aと貫通孔46Aとは前後方向において対向し、貫通孔45Bと貫通孔46Bとは前後方向において対向している。貫通孔45Aと貫通孔45Bとは幅方向の同一直線上に隣接して配置されている。すなわち、貫通孔45Bは、幅方向において貫通孔45Aの延長線上に位置している。同様に、貫通孔46Aと貫通孔46Bとは、幅方向の同一直線上に隣接して配置されている。貫通孔45A,45B,46A,46Bは、アクリルバー24の長手方向における幅が、鉛直方向の幅よりも大きい長孔形状である。
【0039】
第二ブラケット44は、ビス61,62およびカラー63,64を介して第四パネル14によって支持されている。貫通孔45A,46Aには、前側からビス61およびカラー63が挿入されている。ビス61は、カラー63に挿入されており、ビス61の先端部が第四パネル14の図示しないネジ孔に螺合することで第四パネル14によって支持されている。同様に、貫通孔45B,46Bには、前側からビス62およびカラー64が挿入されている。ビス62は、カラー64に挿入されており、ビス62の先端部が第四パネル14の図示しないネジ孔に螺合することで第四パネル14によって支持されている。第二ブラケット44は、前後方向に延在するビス61,62によって支持されて第四パネル14に対して幅方向に相対移動することができる。
【0040】
第二ブラケット44は、押圧機構としての板バネ65によって幅方向の一方側、すなわち第一ブラケット34に向けてアクリルバー24の長手方向に押圧されている。板バネ65の一端は、端部壁部47における幅方向の第一ブラケット34側の壁面に固定されており、他端は鉛直上方に向けて第二ブラケット44から突出している。板バネ65は、第四パネル14における第一ブラケット34を向いた面(図8の符号14B参照、以下、「当接面」と記載する。)に当接する。また、板バネ65は、常時当接面14Bに当接し、第二ブラケット44に対して付勢力を作用させる。すなわち、板バネ65は、貫通孔45A,45B,46A,46Bが許容する範囲で第二ブラケット44が幅方向に移動するときに、常時当接面14Bに押しつけられて撓んだ状態であり、第二ブラケット44に対して第一ブラケット34に向かう付勢力F2を作用させる。
【0041】
アクリルバー24における長手方向の他端である第二端部28は、ビス61およびカラー63を介して第四パネル14によって支持されている。第二端部28は、切欠部29を有する。切欠部29は、第二端部28の先端に形成されており、第一端部25に向けてアクリルバー24の長手方向に凹んでいる。切欠部29は、例えば、前後方向視においてU字形状とされる。切欠部29は、前後方向においてアクリルバー24の一方側の空間と他方側の空間とを連通している。言い換えると、切欠部29は、第四パネル14の内壁面15と平行でかつアクリルバー24の長手方向と直交する所定方向(前後方向)においてアクリルバー24の一方側の空間と他方側の空間とを連通している。
【0042】
アクリルバー24が収納部54に収納されるときには、切欠部29がカラー63に係合した状態とされる。これにより、第二支持部材としてのビス61およびカラー63は、切欠部29に係合し、アクリルバー24を支持する。ビス61およびカラー63は、ビス61に対するアクリルバー24の長手方向の相対移動を許容し、かつ乗りかごの内部側の空間に向かうアクリルバー24の移動、すなわち第四パネル14に対して鉛直方向下側に向かう第二端部28の相対移動を規制する。
【0043】
第二端部28は、アクリルバー24の本体部26よりも断面形状が小さい。これにより、第二端部28は、第二ブラケット44の内部に挿入可能である。具体的には、第二ブラケット44の前後方向の幅は、アクリルバー24の本体部26における前後方向の幅と同一である。これに対して、第二端部28の前後方向の幅は、本体部26の前後方向の幅よりも小さい。第二端部28は、前部壁部45と後部壁部46との間に挿入可能である。
【0044】
また、本体部26と第二端部28との前後方向の幅の違いに対応して、本体部26と第二端部28との接続部には段差が形成されている。第二ブラケット44における第一ブラケット34側の端部は、この段差の段差面30に当接する。段差面30は、幅方向の他方側を向いた面であり、幅方向において第二ブラケット44と対向する面である。第二ブラケット44は、板バネ65による付勢力F2を受けて段差面30と当接する。つまり、板バネ65は、第二ブラケット44を介して第二端部28を第一端部25に向けて押圧している。
【0045】
また、第二端部28における鉛直方向の幅は、本体部26における鉛直方向の幅よりも小さく、かつ第二端部28の下面は、本体部26の下面よりも鉛直方向の上側に位置している。一方、第二ブラケット44の底部壁部48の下面は、本体部26の下面と同一平面上に位置している。切欠部29がカラー63に係合した状態において、第二端部28の下面は、底部壁部48の上面から離間している。
【0046】
本実施形態の内壁構造1−1では、アクリルバー24の一方側の端部を支持するビス9が、かご室の内部空間側からアクリルバー24を貫通して第四パネル14によって支持される。従って、図9および図10を参照して説明するように、ビス9を取り外すことで、アクリルバー24を容易に取り外すことができる構成を実現可能である。
【0047】
図9は、アクリルバー24の取外し手順を示す図、図10は、アクリルバー24の取外し手順を示す他の図である。
【0048】
図9に示すように、アクリルバー24を取外す場合、まず、矢印Y1に示すように第一ブラケット34を幅方向の一方側にスライドさせることによって、係合突起27と係合凹部35Bとの係合を解除する。これにより、矢印Y2に示すように、第一ブラケット34を乗りかごの内部側の空間に向けて回動させることができる。第一ブラケット34を回転させると、ビス9が露出し、内部側の空間からビス9を取り外すことができる。
【0049】
ビス9は、第四パネル14に支持されてアクリルバー24を鉛直方向下方から支持しており、これによって第四パネル14に対してアクリルバー24が内部側の空間に向けて相対移動することを規制する。また、ビス9は、第四パネル14から取外されると、第一端部25が第四パネル14に対して乗りかごの内部側の空間に向けて相対移動すること、幅方向に相対移動すること、および前後方向に相対移動することをそれぞれ許容する。例えば、ビス9が第四パネル14から取り外されることにより、アクリルバー24は、貫通孔25Aが許容する範囲を超えて第四パネル14に対して幅方向に相対移動することが可能となる。このように、ビス9は、第四パネル14から取外されることにより、第四パネル14に対するアクリルバー24の相対移動の自由度を増加させてアクリルバー24が第四パネル14から離脱することを許容する。
【0050】
例えば、本実施形態の内壁構造1−1では、アクリルバー24の第二端部28は、ビス61によって幅方向に移動可能かつ鉛直方向に移動不能に支持されている。アクリルバー24の切欠部29は、ビス9が第四パネル14に固定されて第一端部25を支持している状態では常時ビス61と係合する。すなわち、長孔の貫通孔25Aの幅に応じて許容される範囲でアクリルバー24が最も幅方向の一方側に移動したとしても、切欠部29はビス61と係合し、ビス61によって支持されることで乗りかごの内部側の空間に向かう第二端部28の移動を規制し、アクリルバー24の脱落を防止することができる。
【0051】
言い換えると、第二支持部材としてのビス61は、第一支持部材としてのビス9と共にアクリルバー24を支持するときは、アクリルバー24が第四パネル14に対して乗りかごの内部側の空間に向けて相対移動すること、およびアクリルバー24が第四パネル14から離脱することを規制する。また、ビス61は、ビス9と共にアクリルバー24を支持するときは、アクリルバー24が第四パネル14から離脱しない範囲内で第四パネル14に対して長手方向に相対移動することを許容する。
【0052】
一方、ビス9が取り外されると、アクリルバー24は、図10に矢印Y3で示すように、ビス61を回転中心として内部側の空間に向けて回転することができる。この回転により、第一端部25を収納部54の外部に取り出すことができる。次に、矢印Y4に示すようにアクリルバー24を長手方向にスライドさせることによって、アクリルバー24全体を収納部54から取り出すことができる。つまり、ビス61は、ビス9が第四パネル14から取外されると、アクリルバー24が第四パネル14に対して長手方向に相対移動して第四パネル14から離脱することを許容する。なお、アクリルバー24を第四パネル14に取付ける場合は、取外す場合と逆の手順による。
【0053】
このように、本実施形態の内壁構造1−1によれば、第四パネル14に対してアクリルバー2を乗りかごの内部側の空間から着脱することができる。よって、アクリルバー2の着脱における作業性を向上させることができる。例えば、乗りかごの外部側からアクリルバー2を着脱する着脱方法よりも短時間で効率よくアクリルバー2を着脱することができる。
【0054】
また、第一ブラケット34は、水平状態とされると、第一端部25を覆い、乗りかごの内部側の空間に対してビス9や貫通孔25A等を遮蔽する。また、第二ブラケット44は、第二端部28を覆い、ビス61,62等を乗りかごの内部側の空間に対して遮蔽する。これにより、第一ブラケット34および第二ブラケット44は天井面の意匠性を向上させることができる。また、第二ブラケット44は、万一切欠部29がビス61から外れたとしても、第二端部28を支持してアクリルバー24の落下を防止することができる。
【0055】
ここで、アクリルバー2は、熱や湿度によって膨張あるいは収縮するものである。アクリルバー2は、例えば、光源の熱によって膨張する。かご室の照明として、ラインLED等の光源がアクリルバー2の近傍に配置されることがある。光源は、パネル1の内壁面15よりも乗りかごの外部側に配置され、アクリルバー2は、光源の光を乗りかごの内部側の空間に透過させる。乗りかごの照明が、エレベータの運転/停止に連動してON/OFFされる場合、アクリルバー2の膨張と収縮が頻繁に繰り返されることとなる。
【0056】
アクリルバー2が第四パネル14に対して相対移動不能に固定されていると、アクリルバー2および第四パネル14に対してアクリルバー2の膨張および収縮による応力が発生してしまう。アクリルバー2の伸縮量は、アクリルバー2の長手方向の長さに応じて増加する。意匠上の要求からかご室の一端から他端までの長さのアクリルバー2を採用する場合、アクリルバー2の伸び量がより大きなものとなる。アクリルバー2の伸縮による応力の発生を抑制できることが望ましい。
【0057】
本実施形態の乗りかごの内壁構造1−1では、貫通孔25Aが長孔とされていることで、アクリルバー2の伸縮を許容し、伸縮に追従することができる。アクリルバー2が伸縮することにより第一端部25がビス9に対して幅方向に相対移動したとしても、貫通孔25Aが伸縮方向に延在する長孔であることから、ビス9がその伸縮を規制することが抑制される。よって、本実施形態の乗りかごの内壁構造1−1によれば、アクリルバー2や第四パネル14等における応力の発生が抑制される。
【0058】
また、第二端部28の切欠部29がビス61によって支持されることで、アクリルバー2の伸縮が許容される。切欠部29がアクリルバー2の長手方向に延在していることから、アクリルバー2の伸縮により第二端部28がビス61に対して幅方向に相対移動したとしても、ビス61が第二端部28の移動を規制することが抑制される。このように、アクリルバー2の両端部がそれぞれ長手方向に移動可能な状態で支持されていることで、アクリルバー2の伸縮による応力の発生が効果的に抑制される。
【0059】
また、本実施形態の内壁構造1−1では、アクリルバー2は、第一ブラケット34および第二ブラケット44を介して長手方向の両側から中央へ向けて付勢力を受けている。これにより、アクリルバー2とブラケット34,44とのガタの発生が抑制される。また、アクリルバー2に対して長手方向の両側から付勢力が作用していることで、アクリルバー2が伸縮する場合にアクリルバー2が長手方向の一方に大きく移動することが抑制される。これにより、アクリルバー2の伸縮による第一端部25の移動量と第二端部28の移動量とをバランスさせることができる。
【0060】
また、本実施形態の乗りかごの内壁構造1−1によれば、内壁面15よりも乗りかごの外部側に配置された要素に対するアクセス性が向上する。例えば、パネル1の内壁面15よりも乗りかごの外部側に光源が配置されている場合に、アクリルバー2やパネル1を内部側の空間から取外して光源にアクセスすることができる。一例として、図10に符号50で示すように、アクリルバー2の近傍でかつアクリルバー2よりも外部側に光源が配置されている場合、アクリルバー2を取外すことで光源50にアクセスすることができる。よって、乗りかごの外部から光源50にアクセスする場合よりも容易に点検・補修作業を行うことが可能となる。
【0061】
本実施形態の乗りかごの内壁構造1−1では、意匠性の低下を抑制しつつパネル1を乗りかごの内部側の空間から脱着可能とすることができる。図5に示すように、水平状態における第一ブラケット34の鉛直上方には、取付孔14Cが形成されている。取付孔14Cは、第四パネル14を鉛直方向に貫通する貫通孔であり、第四パネル14を乗りかご本体に取付けるためのものである。第一ブラケット34が水平状態であると、取付孔14Cは乗りかごの内部側の空間に対して遮蔽される。一方、第一ブラケット34を回動させて図6に示すように第一端部25を露出させると、乗りかごの内部側の空間から取付孔14Cにアクセス可能となる。よって、乗りかごの内部側の空間から容易に第四パネル14を脱着することができる。アクリルバー2の第二端部28側についても同様に第二ブラケット44によって第四パネル14の取付部を内部側の空間に対して遮蔽することができる。
【0062】
上記の実施形態に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0064】
1−1 乗りかごの内壁構造
6,9,61,62 ビス
10 ナット
14 第四パネル
15 内壁面
16 支持板部
7,17,63,64 カラー
24 アクリルバー
25 第一端部
34 第一ブラケット
44 第二ブラケット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10